JP5870545B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、2種以上の非水系塗布液の少なくとも1種に電子線硬化性化合物を含有させ、同時多層塗布後、電子線を照射して塗布層を硬化あるいは増粘させ、乾燥することで多層塗工膜を得る方法(特許文献2参照)が提案されている。
さらに隣り合う2層のいずれか一方に混合防止成分をいれ、2つのインキが接触した時に2層の液相の界面に混合防止成分を析出、偏在化させ、2層の混合を防止する方法も提案されている(特許文献4参照)。
さらに、隣り合う2層の有機溶剤のインキ間で錯体反応を生じさせて、2層の液層の界面に皮膜を形成して、2層の混合を防止する方法も提案されている(特許文献5参照)。
図1は、本発明の積層体の製造方法の一実施形態を示す、模式断面図である。
11はダイコーティングユニットで、インキを押し出すスリット1,2,3を有している。もちろんスリットの数は3に限定されることなく任意の数が可能である。図2はダイコーティングユニット11の一例の斜視模式図である。
積み重なったインキ液層構造を保持したまま、一部または全部の流動性が低下しているインキ液層の積層体を、乾燥ゾーン7で乾燥することにより、隣り合う層のインキ成分が混じり合うことなく、塗布膜厚も均一な積層体を得ることができる。
また、その積層構造が本発明の製造方法によるものかを確認する方法は、グロー放電発光分光分析法で確認できる。
そのため、積層構造が確認できる層の境界付近に、特異的な元素構成を示す領域がグロー放電発光分光分析法で観測されれば、本発明の製造方法で製造されたものと確認できる。
本発明に用いる水系インキは、溶媒ないし分散媒として水および/または水溶性溶剤の水系溶剤を利用するものである。水には、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。水溶性溶剤には、例えばメタノール、プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ピロリドンなどのケトン類、ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、等を用いることができる。
本発明を工業的に実施する場合における環境保全の観点から水を主成分とすることが好ましく、その場合の水系溶剤中の水の割合は、本発明を工業的に実施する場合における環境保全の観点及び有機合成高分子やゲル化剤の溶解性や分散性の観点から、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは実質100質量%である。
隣り合う2つのインキが接触して、片方のインキ中に含まれる反応成分と、他方のインキ中に含まれる反応成分が反応して、少なくともどちらか一方のインキに対して難溶性あるいは不溶性である物質を形成する反応にはいろいろな反応が利用でき、特に限定されるものではない。例えば、(A)架橋性の高分子と架橋剤の反応、(B)金属イオンと配位子を持つ高分子または配位子を持つ低分子との錯形成反応、(C)水和して溶解している高分子から水和水を取り去る塩析反応、(D)塩基性高分子と酸性高分子の中和反応、(E)塩基性高分子と酸の中和反応、(F)酸性高分子と塩基の中和反応、(G)酸と塩基の中和反応、などの反応が利用できるが、いずれも反応速度は速いことが好ましい。
(A)架橋反応
例えば、一方のインキへ含有させる成分(a)として架橋性の高分子化合物を用い、他方のインキへ含有させる成分(b)として架橋剤を用いることにより、2つのインキがあい接する領域で、架橋反応が起こる。該架橋反応の生成物である架橋体は、水に難溶又は不溶であり、難溶化あるいは不溶化した状態で前記2つのインキ層の間に存在することで、隣り合う2つのインキ液層間の混合する度合いを少なくすることができる。
例えば、成分(c)として配位子を用い、成分(d)としてイオン性物質を用いることにより、2つのインキがあい接する領域にて、錯体形成反応が起こる。錯体形成反応の生成物である錯体は、水に難溶又は不溶であり、不溶化した状態で前記2つのインキ液層の間に存在することで隣り合うインキ液層間の混合を妨げることができる。
また、成分(d)のイオン性物質としては、例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、亜鉛イオン、コバルトイオン、ホウ素イオン、アルミニウムイオン等のイオン源となる物質であれば特に制限はなく、例えば硫酸アルミニウム、硫酸コバルト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
例えば、成分(e)として高分子化合物を用い、成分(f)として電解質を用いることにより、凝集性の高分子化合物周辺の溶剤を電解質が奪う塩析が起こり、ひいては、2つのインキがあい接する領域にて前記高分子化合物の凝集反応が進行する。凝集反応の生成物である凝集物は、水に難溶又は不溶であり、不溶化した状態で隣り合う2つのインキ層の間に存在することで、隣り合う2つのインキ液層の混合を妨げることができる。
上記成分(f)の電解質としては、公知のものを使用することができ、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の二元電解質;塩化バリウム等の三元電解質;水酸化アルミニウム等の酸性及びアルカリ性を有する両性電解質;たんぱく質、ポリメタクリル酸等の高分子電解質等が挙げられる。
例えば、成分(g)として酸を用い、成分(h)として塩基を用いることにより、隣り合う2つのインキ層が接触する領域にて、酸と塩基の中和反応が起こる。該中和反応の生成物である塩は、水に難溶又は不溶であり、不溶化した状態で前記隣り合う2つのインキ液層の間に存在することで隣り合う2つのインキ液層の混合を妨げることができる。
上記成分(h)の塩基としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、ベンジジン、アニリン、キノリン等の、有機アミンや含窒素複素環式芳香族化合物に代表される弱塩基や、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物などの合成高分子などが挙げられる。
(有機合成高分子化合物)
有機合成高分子化合物は、水系インキに含有され、本発明で製造される積層体の層のバインダーまたは/および主成分として機能するものである。有機合成高分子化合物としては、水系溶剤に溶解ないし分散し得るものであれば特に制限はない。水系溶剤に溶解するものが好ましく、前記水系溶剤に対して一般的に溶解性が高い有機合成高分子化合物としては、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、けん化度50モル%以上(好ましくは70モル%以上)のポリビニルアルコール(PVA)及びその誘導体、スルホン化度50モル%以上(好ましくは70モル%以上)のポリスチレンスルホン酸、けん化度50モル%以上(好ましくは70モル%以上)のエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸及びその塩、水性アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、アルギン酸塩類や、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性エポキシ樹脂、水性ポリオレフィン樹脂、水性フェノール樹脂、ポリパラビニルフェノール等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成膜性、膜厚均一性の観点から、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、ポリパラビニルフェノールが好ましい。
なお、「水性」とは、水溶性であることを示し、その製造方法に特に制限はないが、いずれも市販品を用いるのが簡便である。
また、ポリビニルアルコールの誘導体の具体例としては、カルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物等が挙げられる。
冷却されたときにインキ液層の流動性を低下させる成分としては、その機能を発現するものであれば、特段の制限はない。製造上の取り扱いが容易であるので、ゲル化剤を好適に用いることができる。ゲル化剤は、冷却することで、流動性の高いゾル状態から流動性の低いゲル状態に転移する材料である。ゲル化剤としては、水系溶剤への溶解性ないし分散性が良好であり、水素結合により水分を補足し、少量でも水系インキの粘度を増加させる効果があるので、ゼラチン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガムが特に好ましい。ゼラチンはゲル化温度が約15〜20℃であり製造上の取り扱いが容易なので、最も好ましくはゼラチンが用いられるが、他のゲル化剤でもそれぞれのゲル化温度を考慮にいれて製造すれば特に問題を生ずることはない。
体質顔料を除くインキ中に添加するゲル化剤の量は、0.2〜5.0重量%が好ましい。あまり多量に添加するとカビや腐敗の原因となり好ましくない。
基体は、塗布されるインキ液層の積層構造を支持することができるものであれば、特に限定されない。例えば、ガラス、金属、高分子化合物のフィルムを好適に用いることができる。
また、インキ中には、任意の成分として体質顔料を添加することができる。体質顔料は、白色または透明な無機の粒子であり、艶消しや他の着色顔料の希釈に用いられるものであり、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化ケイ素、タルク、硫酸カルシウム、ベントナイト、チタンバリウム、酸化亜鉛などが利用される。
低屈折率の材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化マグネシウム、弗化リチウム、弗化カルシウムなどがあり、特に酸化珪素や酸化アルミニウムが好ましい。
本発明の積層体の製造方法を利用することにより、製造工程が大幅に改善される用途の例として、赤外線反射フィルム、反射防止フィルム、昇華転写記録受像シート、放熱フィルムの製造がある。以下、赤外線反射フィルムを一例としてその特長を説明する。
実施例の赤外線反射フィルムは、光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した赤外線反射フィルムであって、各層には、体質顔料の屈折率調整成分と、そのバインダーとして有機合成高分子化合物が含有されている。屈折率調整成分としては、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン等が挙げられる。該屈折率調整成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、屈折率調整成分の形状に特に制限は無いが、粒径は、反射性及び透明性の観点から、0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。このような屈折率調整成分は合成してもよいが、市販のゾル状の分散液として販売されているものを利用するのが便利である。酸化チタン、酸化ケイ素、酸化スズなどの分散液が知られている。隣接する層の屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であることが好ましい。なお、3層以上積層した赤外線反射フィルムの場合、隣り合った層の屈折率の差が前記範囲内であればよく、隣接する全ての層における屈折率の差が同じである必要はない。
下記の組成の成分を配合して高屈折率層形成用インキ1組成物を調製した。
チタン化合物「オルガチックス(登録商標)TC−400」 :5重量部
「マツモトファインケミカル株式会社製、成分;チタンジイソプロポキシ・ビス(トリエタノールアミネート、成分濃度80重量%、チタン含有量8.3重量%)」
水性ポリエステル樹脂「バイロナール(登録商標)MD−1500」 :104重量部
「東洋紡績株式会社製、重量平均分子量=約2万、固形分濃度30重量%」
酸化チタン分散液「AERОDISP(登録商標)W740X」 :336重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量40重量%」
水 :118重量部
下記の組成の成分を配合して低屈折率層形成用インキ1組成物を調製した。
ポリビニルアルコール「関東化学株式会社製、重量平均分子量=約10万」:8重量部
水性アクリル樹脂「ウォーターゾール(登録商標)PW−1100」 :52重量部
「DIC株式会社製、重量平均分子量=約5万、固形分45重量%の水エマルジョン」
酸化ケイ素分散液「AERОDISP(登録商標)W1836」 :352重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量34重量%」
ゼラチン 「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :3重量部
水 :92重量部
高屈折率層形成用インキ1を図1の1tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキ1を2tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ1を3tのタンクに充填した。
さらに低屈折率層形成用インキ1を4tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ1を5tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキ1を6tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ1を7tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
水酸基を持つ高分子とチタンキレートとの架橋反応を利用して、液層間の混合を妨げて多層構造の積層体を得て、赤外線反射フィルムを製造する実施例1では、急冷して流動性を低下させる層は低屈折率層であるが、実施例2の製造方法では高屈折率層も流動性を低下させることができる。
(高屈折率層形成用インキ2組成物)
下記の組成の成分を配合して高屈折率層形成用インキ2組成物を調製した。
ポリビニルアルコール「関東化学株式会社製、重量平均分子量=約10万」:8重量部
水性ポリエステル樹脂「バイロナール(登録商標)MD−1500」 :80重量部
「東洋紡績株式会社製、重量平均分子量=約2万、固形分濃度30重量%」
ゼラチン 「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :3重量部
酸化チタン分散液「AERОDISP(登録商標)W740X」 :336重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量40重量%」
水 :90重量部
下記の組成の成分を配合して低屈折率層形成用インキ2組成物を調製した。
ポリビニルアルコール「関東化学株式会社製、重量平均分子量=約10万」:8重量部
水性アクリル樹脂「ウォーターゾール(登録商標)PW−1100」 :52重量部
「DIC株式会社製、重量平均分子量=約5万、固形分45重量%の水エマルジョン」
酸化ケイ素分散液「AERОDISP(登録商標)W1836」 :352重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量34重量%」
ゼラチン 「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :3重量部
水 :92重量部
下記の組成の成分を配合して混合防止用インキ2組成物を調製した。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム :1重量部
「東ソー有機化学株式会社製、製品番号PS100」
有機チタン化合物「オルガチックス(登録商標)ТC‐400」 :3.0重量部
水 :100重量部
低屈折率層形成用インキ2を図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ2を2tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ2を3tのタンクに充填した。
さらに混合防止用インキ2を4tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキ2を5tのタンクに充填し、混合防止用インキ2を6tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ2を7tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
実施例の反射防止フィルムは、上述の赤外線反射フィルムと同様の体質顔料の屈折率調整成分とバインダーを用いて同様の製造方法で作成することができる。ただし、反射防止フィルムの場合は、赤外線反射フィルムの場合とは逆に最表面の層の屈折率が、隣り合った層(つまり、1つ内側の層)の屈折率よりも低いことが望ましい。更に、赤外線反射フィルムも反射防止フィルムも、中間の積層された層において、屈折率の高低が交互に繰り返されている、つまり各層の相対的な屈折率が「…/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/…」となる関係にあることが好ましい。
実施例2の高屈折率層形成用インキ2を図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ2を2tのタンクに充填し、実施例2の低屈折率層形成用インキ2を3tのタンクに充填し、他のタンクにはインキを充填せず、以下実施例2の製造方法と同様に実施して反射防止フィルを得た。
反射防止フィルムは、最外層は低屈折率層である必要がある。実施例3で得られる積層体の各層の構成は、ТACフィルム/高屈折率層/低屈折率層、という構成となる。各層の厚みは可視光の波長に近い厚みである必要があり、各加圧ポンプからのインキの供給量をほぼ等しくして、ТACフィルムの搬送速度を上げることにより、薄くて均一な反射防止機能の高い反射防止フィルムを製造することができた。
本発明による製造方法は、薄膜の層と比較的厚い層からなる積層体の製造方法にも威力が発揮できるという特徴がある。例えば、昇華転写記録に用いられる受像シートは、基材/断熱層/中間層/受像層という構成で、基材から積み上げられた積層構造をもっている。断熱層は乾燥状態で4μm程度の厚みが必要であり、それに対して受像層は1μm程度の厚みで充分であるというように、層の厚みが異なる場合においても本製造方法が利用できる。
下記の組成の成分を配合して断熱層形成用インキ組成物を調製した。
(断熱層形成用インキ組成物)
アクリル系中空粒子 「ローぺイク(登録商標)HP−1055」 :20重量部
「ロームアンドハース 社製」
ポリビニルアルコール「K−11」 :19重量部
「日本合成化学工業(株)製、平均重合度1000、15%溶液」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン社製」 :2.0重量部
水 :40重量部
下記の組成の成分を配合して混合防止用インキ4組成物を調製した。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム :1重量部
「東ソー有機化学株式会社製、製品番号PS100」
塩化ナトリウム :5重量部
水 :100重量部
下記の組成の成分を配合して中間層形成用インキ組成物を調製した。
ポリエステル系ウレタン :10重量部
「DIC株式会社製、商品番号AP−40」
ポリビニルアルコール15%溶液「鹸化度88%」 :33重量部
「日本合成化学工業株式会社製、商品番号GL−05」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン社製」 :1.6重量部
水 :30重量部
下記の組成の成分を配合して受像層形成用インキ組成物を調製した。
エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョン :15.0重量部
「Sumikaflex、商品名、住化ケムテックス社製」
離型成分:ポリエーテル変性シリコーン :1.5重量部
「KF−615A、商品名、信越化学工業社製、側鎖変性型」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン社製」 :1重量部
界面活性剤「サーフィノール465、商品名、日信化学工業社製」 :0.12重量部水 :80重量部
断熱層形成用インキを図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ4を2tのタンクに充填し、中間層形成用インキを3tのタンクに充填し、混合防止用インキ4を4tのタンクに充填した。さらに受像層形成用インキを5tのタンクに充填した。(4t、5tのタンク及び、付随する加圧ポンプ等は図示せず。)
熱伝導性材料をフィルムにコーティングすることにより、フィルム面の垂直方向への熱伝導性の高い放熱フィルムを製造する方法である。反応はキレート形成のリガンドを持つ高分子と金属イオンの錯体形成を利用する同時多層塗布である。
(電気絶縁性−熱伝導性インキ1組成物)
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ組成物1を調製した。
ポリビニルアルコール「株式会社クラレ、製品番号 KL118」 :1.5重量部
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :2重量部
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :18重量部
「大同化成工業株式会社、固形分濃度50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm」
水 :60重量部
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ2組成物を調製した。
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :24重量部
「大同化成工業株式会社、固形分濃度50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm」
硫酸アルミニウム :2.5重量部
水 :60重量部
電気絶縁性−熱伝導性インキ1を図1の1tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ2を2tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ1を3tのタンクに充填した。
さらに電気絶縁性−熱伝導性インキ2を4tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ1を5tのタンクに充填した。(4t、5tのタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
フィルムにコーティングすることにより、フィルム面の垂直方向への熱伝導性の高い放熱フィルムを製造する方法である。反応は酸性基を持つ高分子と塩基を持つ高分子との中和反応を利用する同時多層塗布の製造方法である。
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ組成物3を調製した。
ポリビニルアルコール「製品番号C506」 :1.5重量部
「株式会社クラレ製、カチオン変性ポリビニルアルコール」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :1.5重量部
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :18重量部
「大同化成工業株式会社、固形分濃度50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm)
水 :60重量部
下記の組成の成分を配合して混合防止用インキ6組成物を調製した。
アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物 :1.0重量部
「大明化学工業株式会社製、タイポリマー(登録商標)TA−350」
水 :100重量部
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ4組成物を調製した。
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :24重量部
「大同化成工業株式会社、50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm」
水 :60重量部
電気絶縁性−熱伝導性インキ4を図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ6を2tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ3を3tのタンクに充填した。
さらに混合防止用インキ6を4tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ4を5tのタンクに充填した。混合防止用インキ6を6tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ3を7tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7t、のタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
本発明の実施例について、グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析は、以下の条件にて行った。
測定装置:「GDS−Profiler2」(株式会社堀場製作所製)
RF電源出力:20W
アルゴンガス圧力:800Pa
アノード径:4mm
パルス電源使用(周波数:25Hz、Duty比:0.1)
測光方式:シンクロ(パルス同期)
(測定例)
実施例1の積層体の層の境界付近において、グロー放電発光分光分析法によりチタン元素濃度が狭い領域でピーク値を示すことを確認した。
2t:インキタンク
3t:インキタンク
1p:加圧ポンプ
2p:加圧ポンプ
3p:加圧ポンプ
1:スリット
2:スリット
3:スリット
1s:インキ液層
2s:インキ液層
3s:インキ液層
4:コーティングロール
5:冷却ゾーン
6:基体
7:乾燥ゾーン
11:ダイコーティングユニット
Claims (4)
- 積層体の製造方法であって、有機合成高分子化合物を含有する複数の水系インキを同時に押出して複数のインキ液層を積み重ね、インキ液層が積み重ねられた時に、隣り合うインキ液層の間に難溶物あるいは不溶物が生成してインキ液層間の混合が妨げられ、その後、積み重ねられたインキ液層の積層構造を保持したまま基体に塗布した後、インキ液層を冷却して、ゼラチン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガムのいずれかのゲル化剤により一部のインキ液層または全部のインキ液層の流動性を低下させた後、インキ液層を乾燥し固定することにより、基体上に有機合成高分子化合物を含むインキの中の成分が層状に積層している積層体であって、前記難溶物あるいは不溶物の生成が、前記ゲル化剤によるものでないことを特徴とする積層体の製造する方法。
- 難溶物あるいは不溶物が、架橋反応、錯体形成反応、塩析反応、中和反応のいずれかに
よって生成することを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。 - 積層体が、赤外線反射フィルム、昇華転写記録受像シート、反射防止フィルム、放熱シートのいずれかであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 前記インキ液層中に添加した前記ゲル化剤の量が、0.2〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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