JP5870545B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層体の製造方法に関するものである。
積層体を得る方法として、例えば、光学薄膜の分野の赤外線カットフィルムや反射防止フィルムなどは、無機の高屈折率材料と低屈折率材料を基体上に交互に逐次に蒸着することで製造されている。ただし、真空状態を維持しつつ交互に蒸着するためには、ワンパスで多数の蒸着装置を並べる必要があり、この方法では装置が大掛かりなものになる。また蒸着により大面積で均一な塗布量と均一な性能を得ることは困難である。その他の例として、ディスプレイ用の有機EL発光素子もこのような逐次の蒸着技術によって製造されており、バリアー製フィルムも酸化ケイ素や酸化アルミニウムを交互にフィルム上に蒸着することによって製造されているが、同様に大面積で均一な塗布量と均一な性能を得ることは難しい。
そこで、複数のインキを逐次に塗布して積層体を得ることが、産業上いろいろなところで実施されている。例えば、有機EL発光素子でも複数のインキを逐次に塗布することにより、大面積の発光素子を製造することが研究されている。あるいは、バリアー製フィルムでも、リチウムポリシリケートのインキや、ポリエチレンイミンのインキを複数回塗布することで製造することも提案されている。さらに、後で述べる赤外線カットフィルムや、反射防止フィルムなども、高屈折率インキや低屈折率インキを基材フィルム上に塗布、乾燥の工程を複数回繰り返すことで製造されている。
一方で、これまで、複数のインキを同時に多層塗布する方法は、産業上ほとんどみられなかった。なぜならば、塗布されたインキは互いに混合してしまい、多層のインキ構造はそのままでは保持できないからである。わずかに、カラー写真フィルムや、カラー写真印画紙の製造に同時多層塗布の技術が実用されている。これは、感光性乳剤や、発色性のカプラーや、ハレーション防止層成分などを、ゼラチンをバインダーとする水系インキとして、高温の水系インキを複数のスリットから高速で押出して、傾斜しているステージ上にインキ液層を積み重ね、写真のフィルムベースや印画紙のベース紙上にインキ液層を転写した後、インキ液層が混合する前に冷却することにより、ゼラチンをバインダーとするインキをゲルに変化させ、インキ液層の流動性をなくした状態で乾燥させることにより、一度の塗布工程で多層構造の薄膜を得る方法である。
つまり流動性のある高温のゼラチン水溶液を急速に冷却することにより、ゼラチンをゲル化して流動性をなくし、多層のインキ層構造を維持する方法であり、かつゼラチンは積層体を形成する層成分のバインダーとして機能する。この方法は、水溶性のゼラチンを水系溶剤に溶解させた水系インキを用いるので有機溶剤を用いた場合と比べて作業環境や周辺環境への負荷が低いという大きな利点がある。
しかし、上述の方法で形成された積層体には、水溶性のゼラチンなどのゲル化剤が含まれるため、積層体の耐水性や耐擦過性が低下するという問題がある。また、少量のゼラチンなどのゲル化剤の添加では充分なゲル化は期待できないため、ゼラチンなどのゲル化剤を大量にインキ中に入れなければならず、その他の有機合成高分子化合物の機能を十分に発現させることが困難である。そこで、積層体の層のバインダーあるいは主成分として任意の有機合成高分子化合物を所望量含有させることができれば、積層体の耐水性や耐擦過性の低下を防ぎ、かつ有機合成高分子化合物の機能を十分に発現させることができるので、同時多層塗布技術の産業上の利用可能性を大きく広げることができる。
ゼラチンのゲル化を利用しない同時多層の方法として、水系インキの増粘剤等の粘度調整成分を添加することにより、隣り合う2層のインキ液層の界面における流動性や、混合の度合いを制御する方法(特許文献1参照)が提案されている。
また、2種以上の非水系塗布液の少なくとも1種に電子線硬化性化合物を含有させ、同時多層塗布後、電子線を照射して塗布層を硬化あるいは増粘させ、乾燥することで多層塗工膜を得る方法(特許文献2参照)が提案されている。
最近の新しい試みとして、有機溶剤系、水系に限らず、2層のインキ層の間に濃度の高い混合インキ層を設けることにより、2層のインキが混合することを防ぐ方法が提案されている(特許文献3参照)。
さらに隣り合う2層のいずれか一方に混合防止成分をいれ、2つのインキが接触した時に2層の液相の界面に混合防止成分を析出、偏在化させ、2層の混合を防止する方法も提案されている(特許文献4参照)。
さらに、隣り合う2層の有機溶剤のインキ間で錯体反応を生じさせて、2層の液層の界面に皮膜を形成して、2層の混合を防止する方法も提案されている(特許文献5参照)。
なお、複数のインキを層状に積み重ねる方法としては、例えば、スライド斜面上に設けた複数のスリットを持つダイコーティングユニットのスリットからインキを押出し、インキが傾斜に沿って落ちる際にインキ液層が下のインキ液層に乗り上げることにより、次々に積み重ねることができる。または、スライド斜面上方に設置した複数のスリットノズルから、インキをカーテン状に流して複数のインキの液層を積み重ねることもできる。本発明のスライド斜面とは、必ずしも斜面が平面状に限定される必要はなく、インキが重力で落ちるような構造であればよく、真横からみたスライド面が曲線状であってもよい。
また、本発明において「インキ」とは特に着色顔料を含むものに限定されるものではなく、透明なインキもインキとして含まれる。
特公昭63−20584号公報 特開昭61−74675号公報 特開2010−110751号公報 特開2010−110752号公報 特開2011−72880号公報
特許文献1の方法は、隣り合うインキの粘度を厳密に管理しなければならないので、環境の温度変化や、インキの乾燥などによる粘度変化に対応するのは、長時間の連続塗布作業においては、製品の均一性を保つためには困難が伴う。
特許文献2の方法は、必ず電子線硬化樹脂を使用しなければならず、特殊な装置を装備する必要があり、しかも使用するインキの種類に制限があって、汎用のコーティング方法としては利用できない。
特許文献3の方法は隣り合うインキのインキ層間に、必ず隣り合う2つのインキの混合層が存在するため、混合層の存在が問題となるような用途には適用できない。例えば層間における屈折率差を明確に変化させることが必要である赤外線反射フィルムや、反射防止フィルムなどの製造には利用できない。
特許文献4の方法は、隣り合うインキは、どちらかのインキの溶媒に、別のインキの溶媒が接触したときにソルベントショックで析出する物質が両インキ層の界面を保護するメカニズムであるため、隣り合うインキの溶媒は析出物質の溶解度が異なる必要があり、隣り合うインキが同じ溶媒である場合には適用できない。
特許文献5の方法は、隣り合うインキの液層界面で、低分子配位子と金属イオンの錯体形成で不溶物を形成させて、第1のインキと第2のインキが界面で混合するのを防ぐ方法であるが、インキは有機溶剤系であり本発明の水系のインキではない。また、積み重ねられたインキ液層の乾燥工程の前にインキ液層の流動性を低下させることについては検討されておらず、それを示唆する記載もない。
本発明は有機合成高分子化合物を含有する複数の水系インキを、同時に押し出して複数のインキ液層を積み重ねても、隣り合うインキ液層が互いに混合する度合いが少なく、積層構造を保持したまま積層体を製造する新しい方法である。
上記目的を達成する第一の発明は、有機合成高分子化合物を含有する複数の水系インキを同時に押出して複数のインキ液層を積み重ね、インキ液層が積み重ねられた時に、隣り合うインキ液層の間に難溶物あるいは不溶物が生成してインキ液層間の混合が妨げられ、その後、積み重ねられたインキ液層の積層構造を保持したまま基体に塗布した後、インキ液層を冷却して一部のインキ液層または全部のインキ液層の流動性を低下させた後、インキ液層を乾燥し固定することにより、基体上に有機合成高分子化合物を含むインキの中の成分が層状に積層している積層体を製造する方法である。
上記目的を達成する第2の発明は、難溶物あるいは不溶物が、架橋反応、錯体形成反応、塩析反応、中和反応のいずれかによって生成することを特徴とする第1の発明に記載の積層体の製造方法である。
上記目的を達成する第3の発明は、複数の水系インキのうち少なくとも1つの水系インキが、ゼラチン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガムのいずれかを含有することを特徴とする第1の発明または第2の発明に記載の積層体の製造方法である
上記目的を達成する第4の発明は、積層体が、赤外線反射フィルム、昇華転写記録受像シート、反射防止フィルム、放熱シートのいずれかであることを特徴とする第1の発明〜第3の発明のいずれかに記載の積層体の製造方法である。
本発明は、有機合成高分子化合物を含有する複数の水系インキを、同時に押し出して複数のインキ液層を積み重ねても、隣り合うインキ液層が互いに混合する度合いが少なく、積層構造を保持したまま積層体を製造する新しい方法である。
本発明の積層体の製造方法の一実施形態を示す、模式断面図である。 本発明の積層体の製造方法に用いることができるダイコーティングユニットの一例の模式斜視図である。
本発明は、積層体の製造方法に関し、有機合成高分子化合物を含有する複数の水系インキを同時に押出して複数のインキ液層を積み重ね、インキ液層が積み重ねられた時に、隣り合うインキ液層の間に難溶物あるいは不溶物が生成してインキ液層間の混合が妨げられ、その後、積み重ねられたインキ液層の積層構造を保持したまま基体に転写した後、インキ液層を冷却して一部のインキ液層または全部のインキ液層の流動性を低下させた後、インキ液層を乾燥し固定することにより、基体上に有機合成高分子化合物を含むインキの中の成分が層状に積層している積層体を製造する方法に関するものである。
本発明は、基体を除いた層の数は2以上であれば幾つでもよく、難溶物あるいは不溶物が生成するインキ液層間は1以上であれば幾つでもよい。有機合成高分子化合物は、複数の水系インキのうち2以上の水系インキに含有されていればよく、冷却されたときにインキ液層の流動性を低下させる成分は、複数の水系インキのうち1以上の水系インキに含有されていればよい。また、難溶物あるいは不溶物は、有機合成高分子化合物が含有された水系インキのうち少なくとも1つから形成されたインキ液層と、そのインキ液層に隣り合う少なくとも一方側のインキ液層との間に生成すればよい。さらに、少なくともインキ液層が積み重ねられた時に、隣り合うインキ液層の間に難溶物あるいは不溶物が生成すればよく、インキ液層が積み重ねられた後にも、難溶物あるいは不溶物が生成し続けてもよい。
以下、本発明の1実施態様について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の積層体の製造方法の一実施形態を示す、模式断面図である。
11はダイコーティングユニットで、インキを押し出すスリット1,2,3を有している。もちろんスリットの数は3に限定されることなく任意の数が可能である。図2はダイコーティングユニット11の一例の斜視模式図である。
インキをスリットから押し出して積み重ねる方法は、スリットノズルを複数個スライド斜面上方にならべ、上からカーテン状に溶液を流してスライド斜面上で積み重ねる方法もあり、図1の塗布方法だけに限定されない。
この実施態様では、インキ液層が積み重ねられた時に、隣り合うインキ液層を形成する片方の水系インキ中に含まれる反応成分と他方のインキ中に含まれる反応成分とが反応して、隣り合うインキ液層の間に少なくともどちらか一方のインキに対して難溶物あるいは不溶物が生成する場合で、かつゲル化剤を用いる場合について、説明する。ここで、片方の水系インキを第1のインキ、他方の水系インキを第2のインキと便宜上呼ぶことにする。第1のインキおよび第2のインキの少なくともどちらか一方または両方は、有機合成高分子化合物を含有しており、第1のインキおよび第2のインキの少なくともどちらか一方または両方は、ゲル化剤を含有している。第1のインキおよび第2のインキは、水系溶剤を用いて調合されている。
第1のインキを図1のタンク1tとタンク3tに貯蔵し、第2のインキをタンク3tに貯蔵する。図示していないがタンクは3つに限定されず、任意の数だけ設定できる。
第1のインキと第2のインキは、加圧ポンプ1p、加圧ポンプ2p、加圧ポンプ3pにより押し出されて各スリット1、2、3からから流れ出ると、ダイコーティングユニット11の斜面を流れ落ちる。この時スリット1から流れ出た第1のインキは、ダイコーティングユニットの上で広がってインキ液層1sを形成する。
スリット2から流れ出た第2のインキも同様にインキ液層2sを形成して流れ落ちる。そして、インキ液層1sの上に乗り上げる形でインキ液層2sが接触すると、第1のインキ中に含まれる反応成分と、第2のインキ中に含まれる反応成分が反応して、少なくともどちらか一方のインキに対して難溶性あるいは不溶性である物質が生成され、インキ液層間の混合が妨げられる。ここで、インキ液層間の混合が妨げられるとは、インキ液層とインキ液層とが積み重ねられたインキ液層の積層構造が形成されることを意味しており、インキ液層に含まれる成分がインキ液層間の境界付近で混合しないことは意味していない。
難溶物あるいは不溶物(便宜上Xと呼ぶ)が生成されると、第2のインキはXに遮られて第1のインキ液層1sのなかに混ざりこむことができず、形成されるXを挟みながらインキ液層1sの上に乗り上げてインキ液層2sを形成して、1sと2sが積み重ねられる。同様にスリット3から流れ出る第1のインキは、第2のインキのインキ液層2sの上に積み重ねられ第1のインキからなるインキ液層3sを形成する。このように第1のインキと第2のインキを交互に押し出すことにより、4以上のスリットからインキが押し出されても同様にインキ液層が積み重ねられる。
コーティングロール4に抱かせられた基体6は、高速で回転するコーティングロールに導かれ、ダイコーティングユニットの端から流れ落ちようとする積み重ねられたインキ液層1s、2s、3s、・・・をすくい取り、2以上の積み重ねられたインキ液層が、積み重なった層構造を保持したまま基体に塗布される。
積み重なった層構造を保持したまま塗布された、2以上の積み重ねられたインキ液層が冷却ゾーン5に運ばれて冷却されると、ゲル化剤を含有させたインキから形成されたインキ液層の粘度が増加して、インキ液層の流動性が低下する。
積み重なったインキ液層構造を保持したまま、一部または全部の流動性が低下しているインキ液層の積層体を、乾燥ゾーン7で乾燥することにより、隣り合う層のインキ成分が混じり合うことなく、塗布膜厚も均一な積層体を得ることができる。
塗布された2以上の積み重ねられたインキ液層を、冷却ゾーン5で急速に冷却する時に、インキ液層の流動性を低下させるため、インキ中に高温では水に溶解するが低温ではゲル化するゲル化剤が少量添加されている。その添加量はインキ液層全体をゲル化するのではなく、ゲル化剤がゲル化温度で粘度が増加することによりインキ液層の流動性を低下させるのに充分な量が添加される。
積層体のなかで、有機合成高分子化合物が耐久性や強度その他の必要な性能を積層体に与えており、添加されるゲル化剤は少量でよいので、積層体が目的とする本来の性能に影響を与えることは少ない。
積層体の乾燥の前にインキ液層の流動性を低下させる理由は、インキ液層の流動性が高い状態で乾燥ゾーン7に送られると、インキ液層間の混合は妨げられているのだが送風の影響やガイドロールとの接触などにより、液が不規則に移動して膜厚の不均一が生じやすくなるからである。インキ液層の流動性が低下すると外部からの不規則な力に影響されにくくなり、均一な多層塗膜を得ることができる。また、インキ液層が厚くても液が移動することなく均一な層の積層体を得ることができる。
積層体の各インキ液層の塗布量は、ダイコーティングユニットのスリットから押し出されるインキの液量と、基体6の搬送速度によってコントロールされる。基体6の搬送速度を増加させることにより、インキの押し出し量が同じでも、より薄膜の塗布が可能となる。本発明の積層体の製造方法では、複数の層間のインキの混合する度合いが少なく、大面積で均一な多層積層体を1回の塗布で得ることができる。
積層体が形成されていることを確認する方法は、まず積層体の横断面を薄膜にスライスして、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察して積層構造を確認すればよい。
また、その積層構造が本発明の製造方法によるものかを確認する方法は、グロー放電発光分光分析法で確認できる。
グロー放電発光分光分析法とは、薄膜材料を表面からスパッタして元素分析を行うもので、表面から内部にかけての元素分析が可能な分析方法である。表面からのいろいろな深度における元素の量が、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、チタン、シリカ、アルミなどの量が深度方向に具体的に分析できる方法である。
本製造方法による積層体は、隣り合う2つの水系インキが接触して、片方のインキ中に含まれる成分と、他方のインキ中に含まれる成分が反応して、少なくともどちらか一方のインキに対して難溶性あるいは不溶性である物質が形成される。それらの難溶物や不溶物は、2つのインキ液層中の特定の成分が特異的あるいは選択的に反応するため、難溶物や不溶物を形成する特定成分が集中的に凝集することになり、インキのもともとの成分構成とは異なる元素構成を示すことになる。
そのため、積層構造が確認できる層の境界付近に、特異的な元素構成を示す領域がグロー放電発光分光分析法で観測されれば、本発明の製造方法で製造されたものと確認できる。
(水系インキに利用される水系溶剤)
本発明に用いる水系インキは、溶媒ないし分散媒として水および/または水溶性溶剤の水系溶剤を利用するものである。水には、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。水溶性溶剤には、例えばメタノール、プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ピロリドンなどのケトン類、ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、等を用いることができる。
本発明を工業的に実施する場合における環境保全の観点から水を主成分とすることが好ましく、その場合の水系溶剤中の水の割合は、本発明を工業的に実施する場合における環境保全の観点及び有機合成高分子やゲル化剤の溶解性や分散性の観点から、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは実質100質量%である。
(本発明で利用される化学反応と反応成分)
隣り合う2つのインキが接触して、片方のインキ中に含まれる反応成分と、他方のインキ中に含まれる反応成分が反応して、少なくともどちらか一方のインキに対して難溶性あるいは不溶性である物質を形成する反応にはいろいろな反応が利用でき、特に限定されるものではない。例えば、(A)架橋性の高分子と架橋剤の反応、(B)金属イオンと配位子を持つ高分子または配位子を持つ低分子との錯形成反応、(C)水和して溶解している高分子から水和水を取り去る塩析反応、(D)塩基性高分子と酸性高分子の中和反応、(E)塩基性高分子と酸の中和反応、(F)酸性高分子と塩基の中和反応、(G)酸と塩基の中和反応、などの反応が利用できるが、いずれも反応速度は速いことが好ましい。
以下、具体的な利用できる化学反応と反応成分について説明する。
(A)架橋反応
例えば、一方のインキへ含有させる成分(a)として架橋性の高分子化合物を用い、他方のインキへ含有させる成分(b)として架橋剤を用いることにより、2つのインキがあい接する領域で、架橋反応が起こる。該架橋反応の生成物である架橋体は、水に難溶又は不溶であり、難溶化あるいは不溶化した状態で前記2つのインキ層の間に存在することで、隣り合う2つのインキ液層間の混合する度合いを少なくすることができる。
成分(a)の架橋性の高分子化合物としては、特に制限されるものではないが、水酸基やカルボキシル基等を有する高分子化合物、例えば、ポリビニルアルコール、ポリフェノール、ポリカルボン酸等が挙げられる。またアミノ基を持つ高分子化合物としては、ジアリルアミン塩酸塩重合体、アリルアミン塩酸塩重合体、ジアリルアミン塩酸塩・マレイン酸共重合体などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。架橋性の高分子化合物は、溶剤への溶解性の観点から、重量平均分子量が5千〜30万のものが好ましく、3万〜20万のものがより好ましく、5万〜15万のものがさらに好ましい。
また、成分(b)の架橋剤としては、例えば、水酸化チタン、有機チタンキレート化合物等の架橋性チタン化合物;架橋性ジルコニウム化合物;尿素樹脂、メラニン樹脂等のアミノ樹脂;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物;アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4’−グリシジルオキシフェニル)プロパン、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;カルボジイミド化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本架橋反応を利用する場合、前記架橋剤を含有するインキ中の有機合成高分子化合物としては、該架橋剤とは反応しない、非架橋性のもの(非架橋性有機合成高分子化合物)を用いる必要があり、そのようなものとしては、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、各種合成樹脂のエマルジョン等が好ましい。
架橋反応を利用する場合、体質顔料を除くインキ中の前記成分の含有量は、架橋性の高分子化合物については、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは8〜15重量%であり、架橋剤については、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%である。
(B)錯体形成反応
例えば、成分(c)として配位子を用い、成分(d)としてイオン性物質を用いることにより、2つのインキがあい接する領域にて、錯体形成反応が起こる。錯体形成反応の生成物である錯体は、水に難溶又は不溶であり、不溶化した状態で前記2つのインキ液層の間に存在することで隣り合うインキ液層間の混合を妨げることができる。
上記成分(c)の配位子としては、例えば亜リン酸、リン酸、ポリリン酸等のリン含有配位子;酢酸等のカルボン酸含有配位子等のほか、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、ピリジン基等を含有する配位子等が挙げられる。またそれらの配位子を持つ合成高分子を利用することができる
また、成分(d)のイオン性物質としては、例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、亜鉛イオン、コバルトイオン、ホウ素イオン、アルミニウムイオン等のイオン源となる物質であれば特に制限はなく、例えば硫酸アルミニウム、硫酸コバルト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
錯体形成反応を利用する場合、体質顔料を除くインキ中の前記成分の含有量は、配位子の含有量については、インキ中、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%であり、配位高分子については材料の構造にもよるが一般に低分子配位子の1/3から1/10の含有量でよい。イオン性物質については、インキ中、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
(C)塩析による凝集反応
例えば、成分(e)として高分子化合物を用い、成分(f)として電解質を用いることにより、凝集性の高分子化合物周辺の溶剤を電解質が奪う塩析が起こり、ひいては、2つのインキがあい接する領域にて前記高分子化合物の凝集反応が進行する。凝集反応の生成物である凝集物は、水に難溶又は不溶であり、不溶化した状態で隣り合う2つのインキ層の間に存在することで、隣り合う2つのインキ液層の混合を妨げることができる。
上記成分(e)の高分子化合物としては、水酸基やカルボキシル基等を有する親水性の高分子化合物、例えば、ポリビニルアルコール、ポリフェノール、ポリカルボン酸等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記成分(f)の電解質としては、公知のものを使用することができ、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の二元電解質;塩化バリウム等の三元電解質;水酸化アルミニウム等の酸性及びアルカリ性を有する両性電解質;たんぱく質、ポリメタクリル酸等の高分子電解質等が挙げられる。
なお、本凝集反応を利用する場合、前記電解質を含有するインキ中の有機合成高分子としては、塩析が起こらない高分子化合物を用いる必要があり、そのようなものとしては、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、あるいは塩があっても安定な合成高分子エマルジョン等が好ましい。
塩析による凝集反応を利用する場合、体質顔料を除くインキ中の前記成分の含有量は、高分子化合物の含有量については、好ましくは4〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは8〜15重量%であり、電解質については、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
(D)酸と塩基の中和反応
例えば、成分(g)として酸を用い、成分(h)として塩基を用いることにより、隣り合う2つのインキ層が接触する領域にて、酸と塩基の中和反応が起こる。該中和反応の生成物である塩は、水に難溶又は不溶であり、不溶化した状態で前記隣り合う2つのインキ液層の間に存在することで隣り合う2つのインキ液層の混合を妨げることができる。
上記成分(g)の酸としては、例えば酢酸、ギ酸、炭酸等の弱酸や、ポリカルボン酸、カチオン性ポリビニルアルコールなどの合成高分子などが挙げられる。
上記成分(h)の塩基としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、ベンジジン、アニリン、キノリン等の、有機アミンや含窒素複素環式芳香族化合物に代表される弱塩基や、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物などの合成高分子などが挙げられる。
酸と塩基の中和反応を利用する場合、体質顔料を除くインキ中の前記成分の含有量は、酸、塩基の含有量については、それぞれ、インキ中、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
本発明の製造方法に利用できる材料について以下説明する。
(有機合成高分子化合物)
有機合成高分子化合物は、水系インキに含有され、本発明で製造される積層体の層のバインダーまたは/および主成分として機能するものである。有機合成高分子化合物としては、水系溶剤に溶解ないし分散し得るものであれば特に制限はない。水系溶剤に溶解するものが好ましく、前記水系溶剤に対して一般的に溶解性が高い有機合成高分子化合物としては、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、けん化度50モル%以上(好ましくは70モル%以上)のポリビニルアルコール(PVA)及びその誘導体、スルホン化度50モル%以上(好ましくは70モル%以上)のポリスチレンスルホン酸、けん化度50モル%以上(好ましくは70モル%以上)のエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸及びその塩、水性アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、アルギン酸塩類や、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性エポキシ樹脂、水性ポリオレフィン樹脂、水性フェノール樹脂、ポリパラビニルフェノール等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、成膜性、膜厚均一性の観点から、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、ポリパラビニルフェノールが好ましい。
なお、「水性」とは、水溶性であることを示し、その製造方法に特に制限はないが、いずれも市販品を用いるのが簡便である。
水性アクリル樹脂としては、アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルやその他の重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。その他の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルアルコール、エチレン等が挙げられる。また、例えばDIC株式会社製の「ウォーターゾール(登録商標)」シリーズ等の市販品を用いることもできる。
水性ポリエステル樹脂は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ビスフェノールヒドロキシプロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の多塩基酸とを脱水縮合させた後、アンモニアや有機アミン等で中和し、水分散化させることにより得ることができる。また、例えば東洋紡績株式会社製の「バイロナール(登録商標)」シリーズ等の市販品を用いることもできる。
なお、水性ポリエステル樹脂の水酸基価は、好ましくは5〜30KOHmg/g、より好ましくは10〜25KOHmg/g、さらに好ましくは10〜20KOHmg/gである。また、水性ポリエステル樹脂の酸価は、好ましくは3KOHmg/g以下である。水性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜85℃、さらに好ましくは70〜85℃である。
ポリパラビニルフェノールは、パラビニルフェノールのホモポリマーであり、市販品を用いることができる。該市販品としては、例えば丸善石油化学株式会社製の「マルカリンカー(登録商標)」シリーズ等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコールの誘導体の具体例としては、カルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物等が挙げられる。
なお、有機合成高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは5千〜100万、より好ましくは1万〜10万、さらに好ましくは1万〜5万である。なお、本明細書において、重量平均分子量は、いずれもゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
(冷却されたときにインキ液層の流動性を低下させる成分)
冷却されたときにインキ液層の流動性を低下させる成分としては、その機能を発現するものであれば、特段の制限はない。製造上の取り扱いが容易であるので、ゲル化剤を好適に用いることができる。ゲル化剤は、冷却することで、流動性の高いゾル状態から流動性の低いゲル状態に転移する材料である。ゲル化剤としては、水系溶剤への溶解性ないし分散性が良好であり、水素結合により水分を補足し、少量でも水系インキの粘度を増加させる効果があるので、ゼラチン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガムが特に好ましい。ゼラチンはゲル化温度が約15〜20℃であり製造上の取り扱いが容易なので、最も好ましくはゼラチンが用いられるが、他のゲル化剤でもそれぞれのゲル化温度を考慮にいれて製造すれば特に問題を生ずることはない。
体質顔料を除くインキ中に添加するゲル化剤の量は、0.2〜5.0重量%が好ましい。あまり多量に添加するとカビや腐敗の原因となり好ましくない。
(基体)
基体は、塗布されるインキ液層の積層構造を支持することができるものであれば、特に限定されない。例えば、ガラス、金属、高分子化合物のフィルムを好適に用いることができる。
(体質顔料)
また、インキ中には、任意の成分として体質顔料を添加することができる。体質顔料は、白色または透明な無機の粒子であり、艶消しや他の着色顔料の希釈に用いられるものであり、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化ケイ素、タルク、硫酸カルシウム、ベントナイト、チタンバリウム、酸化亜鉛などが利用される。
顔料を微細な粒子に調製してバインダー中に分散したものは、光学フィルムの屈折率の調整に使用される。赤外線反射フィルムや反射防止フィルムに使用される高屈折率の材料は、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸化鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルなどがあるが、このうち微細粒子として調製できるものが利用できる。特に酸化チタンや酸化スズなどが好ましい。
低屈折率の材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化マグネシウム、弗化リチウム、弗化カルシウムなどがあり、特に酸化珪素や酸化アルミニウムが好ましい。
また、インキ中には、さらに必要に応じて、各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤、充填剤等を含有させることができる。
(本発明の製造方法が好適に利用される用途)
本発明の積層体の製造方法を利用することにより、製造工程が大幅に改善される用途の例として、赤外線反射フィルム、反射防止フィルム、昇華転写記録受像シート、放熱フィルムの製造がある。以下、赤外線反射フィルムを一例としてその特長を説明する。
赤外線反射フィルムは、赤外線を遮断して室内温度の上昇を防ぐ目的で、建物や乗り物(自動車、電車、バス、航空機、船舶等)の窓ガラスに貼着されて使用されたり、農業用ハウスにも同様の目的で使用される。該赤外線反射フィルムは赤外線のみを反射し、可視光を透過するために、室内に明かりを入れることもできるし、赤外線反射フィルムを通して室内から室外を視認することもできる。赤外線反射フィルムとしては、光透過性基材上に、屈折率の異なる無機材料を蒸着法により多数積層させることで赤外線反射性能を高めた赤外線反射フィルムが知られている。また、塗布と乾燥処理を繰り返すタンデム塗工方式を利用して赤外線反射フィルムを製造する方法も知られている。
しかしながら蒸着法は大掛かりな真空蒸着装置が必要であり、逐次塗布法は、各屈折率層の塗布及び乾燥を層の数だけ繰り返すことになるため、生産性は必ずしも高くなく、製造中に気泡や不純物の混入を避けることができない。しかも、高い赤外線反射性と高い可視光線の高透過性を両立させるのは容易なことではなく、赤外線反射性能の高いフィルムは、可視光線の透過率が低く重量が大きくなる傾向にあり、一方、透過率の高いフィルムは、赤外線反射性能が低い傾向にある。赤外線反射性能は、屈折率の異なる界面が多ければ多いほど高い性能を示す。各層の膜厚は光の吸収に働くだけで反射性能には寄与しない。そのため各層が厚くなると、可視光の透過率は低下することになる。
本発明の方法では、基体の搬送速度を上げることにより薄膜の積層体を得ることができるので、多層であっても薄膜化できるため、可視光の透過率が高く、かつ赤外線反射性能の高い積層体フィルムを得ることができる。
また、本発明の積層体の製造方法は、赤外線反射フィルムと同様に界面の屈折現象を利用する反射防止フィルムなどの光学フィルムの製造には最適な方法である。さらに、本発明による製造方法は、薄膜の層と比較的厚い層からなる積層体の製造方法にも威力が発揮できるという特徴があるので、昇華転写記録受像シート、放熱フィルムの製造に好適の方法である。
以下いくつかの実施例に沿って本発明の製造方法を利用した赤外線反射フィルム、反射防止フィルム、昇華転写記録受像シート、放熱フィルムの製造について説明する。
(実施例1、赤外線反射フィルムの製造方法1)
実施例の赤外線反射フィルムは、光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した赤外線反射フィルムであって、各層には、体質顔料の屈折率調整成分と、そのバインダーとして有機合成高分子化合物が含有されている。屈折率調整成分としては、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン等が挙げられる。該屈折率調整成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、屈折率調整成分の形状に特に制限は無いが、粒径は、反射性及び透明性の観点から、0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。このような屈折率調整成分は合成してもよいが、市販のゾル状の分散液として販売されているものを利用するのが便利である。酸化チタン、酸化ケイ素、酸化スズなどの分散液が知られている。隣接する層の屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であることが好ましい。なお、3層以上積層した赤外線反射フィルムの場合、隣り合った層の屈折率の差が前記範囲内であればよく、隣接する全ての層における屈折率の差が同じである必要はない。
本発明の製造方法で赤外線反射フィルムを作製するには、積み重ねられるインキのうち少なくとも1つのインキ中には、金属イオンと反応する反応基を有する高分子化合物を反応成分として含有しており、そのインキから形成されるインキ液層に隣接するインキ液層を形成するインキ中には金属イオンを反応成分として含有していることが好ましい。
3層以上積層した赤外線反射フィルムの場合、赤外線反射性、透明性及び耐久性の観点からは、前記反応基を有する高分子化合物は、いずれの隣り合った2層をみても、必ず1層には含有されていることが液層間の混合を妨げるために望ましい。また、赤外線反射性の観点から、屈折率が異なる層が交互に奇数層積層し、光透過性基材から1層目の屈折率が2層目の屈折率より高く、且つ最表面の層の屈折率が、隣り合った層(つまり、1つ内側の層)の屈折率よりも高いことが必要である。
実施例1は、水酸基を持つ高分子とチタンキレートとの架橋反応を利用して、インキ液層間の混合を妨げて多層構造の積層体を得て、赤外線反射フィルムを製造する例である。
(高屈折率層形成用インキ1組成物)
下記の組成の成分を配合して高屈折率層形成用インキ1組成物を調製した。
チタン化合物「オルガチックス(登録商標)TC−400」 :5重量部
「マツモトファインケミカル株式会社製、成分;チタンジイソプロポキシ・ビス(トリエタノールアミネート、成分濃度80重量%、チタン含有量8.3重量%)」
水性ポリエステル樹脂「バイロナール(登録商標)MD−1500」 :104重量部
「東洋紡績株式会社製、重量平均分子量=約2万、固形分濃度30重量%」
酸化チタン分散液「AERОDISP(登録商標)W740X」 :336重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量40重量%」
水 :118重量部
屈折率の測定のため、上記高屈折率層用水系インキを光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(光源:ナトリウムD線、測定波長:589nm、株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.55であった。
(低屈折率層形成用インキ1組成物)
下記の組成の成分を配合して低屈折率層形成用インキ1組成物を調製した。
ポリビニルアルコール「関東化学株式会社製、重量平均分子量=約10万」:8重量部
水性アクリル樹脂「ウォーターゾール(登録商標)PW−1100」 :52重量部
「DIC株式会社製、重量平均分子量=約5万、固形分45重量%の水エマルジョン」
酸化ケイ素分散液「AERОDISP(登録商標)W1836」 :352重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量34重量%」
ゼラチン 「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :3重量部
水 :92重量部
屈折率の測定のため、上記低屈折率層用水系インキを光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(光源:ナトリウムD線、測定波長:589nm、株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.39であった。
これらの各層を塗布するためのインキの温度は25℃〜60℃が好ましく、30℃〜50℃であることがさらに好ましい。特にインキにゼラチンを含有する場合のインキの温度は33℃〜45℃であることが好ましい。
冷却ゾーンの温度は、15℃以下であり、冷却工程時間を5秒以上30秒未満とすることが好ましい。冷却が不十分であると層が流動して、層の均一性が悪くなる。ゼラチン単体をバインダーとする場合、冷却時間を長くすると水分の乾燥に時間がかかり生産性が低下するが、本発明の製造方法ではゼラチン含有量が少ないため、水分の乾燥に時間がかかりすぎるというような影響はない。
(同時多層塗布)
高屈折率層形成用インキ1を図1の1tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキ1を2tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ1を3tのタンクに充填した。
さらに低屈折率層形成用インキ1を4tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ1を5tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキ1を6tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ1を7tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
加圧ポンプ1から順番に加圧ポンプ7までタンク内のインキを送り出すと、隣り合う高屈折率層形成用インキ1のチタン化合物と、低屈折率層形成用インキ1のポリビニルアルコールが接触して反応架橋し、不溶性の反応生成物が形成され2液層間のそれ以上の液の混合が妨げられる。
80μmの厚みのトリアセチルセルロース(ТAC)フィルムを図1の6のように、シリンダー4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って重力で落下してきた、液層が積み重なって混合が妨げられたインキ層をダイコーティングユニットの端から落下する時にТACフィルム6にすくい取って冷却ゾーン5で急速に冷却される。その後乾燥ゾーン7で乾燥されて赤外線反射フィルムを得た。
赤外線反射フィルムは、最外層は高屈折率層である必要がある。実施例1で得られる積層体の各層の構成は、ТACフィルム/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層、という構成となる。各層の厚みは赤外線の波長に近い厚みである必要があり、各加圧ポンプからのインキの供給量をほぼ等しくして、ТACフィルムの搬送速度を上げることにより、薄くて均一な赤外線反射機能の高い赤外線反射フィルムを製造することができた。
実施例1は水系インキを7層同時多層塗布して、インキ液層間の混合を架橋反応で妨げて、低屈折率層を冷却により流動性を低下させてから乾燥することにより、高性能の赤外線反射フィルムを製造する製造方法である。この製造方法によれば多層の高屈折率層、低屈折率層が一回の塗布で可能であり、境界は明確である。また、薄膜で塗布できるので可視光の透過率が高い赤外線反射フィルムを製造することができた。
(実施例2、赤外線反射フィルムの製造方法2)
水酸基を持つ高分子とチタンキレートとの架橋反応を利用して、液層間の混合を妨げて多層構造の積層体を得て、赤外線反射フィルムを製造する実施例1では、急冷して流動性を低下させる層は低屈折率層であるが、実施例2の製造方法では高屈折率層も流動性を低下させることができる。
(高屈折率層形成用インキ2組成物)
下記の組成の成分を配合して高屈折率層形成用インキ2組成物を調製した。
ポリビニルアルコール「関東化学株式会社製、重量平均分子量=約10万」:8重量部
水性ポリエステル樹脂「バイロナール(登録商標)MD−1500」 :80重量部
「東洋紡績株式会社製、重量平均分子量=約2万、固形分濃度30重量%」
ゼラチン 「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :3重量部
酸化チタン分散液「AERОDISP(登録商標)W740X」 :336重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量40重量%」
水 :90重量部
屈折率の測定のため、上記高屈折率層用水系インキを光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(光源:ナトリウムD線、測定波長:589nm、株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.54であった。
(低屈折率層形成用インキ2組成物)
下記の組成の成分を配合して低屈折率層形成用インキ2組成物を調製した。
ポリビニルアルコール「関東化学株式会社製、重量平均分子量=約10万」:8重量部
水性アクリル樹脂「ウォーターゾール(登録商標)PW−1100」 :52重量部
「DIC株式会社製、重量平均分子量=約5万、固形分45重量%の水エマルジョン」
酸化ケイ素分散液「AERОDISP(登録商標)W1836」 :352重量部
「日本アエロジル株式会社製、固形分含有量34重量%」
ゼラチン 「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :3重量部
水 :92重量部
屈折率の測定のため、上記低屈折率層用水系インキを光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(光源:ナトリウムD線、測定波長:589nm、株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.39であった。
(混合防止用インキ2組成物)
下記の組成の成分を配合して混合防止用インキ2組成物を調製した。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム :1重量部
「東ソー有機化学株式会社製、製品番号PS100」
有機チタン化合物「オルガチックス(登録商標)ТC‐400」 :3.0重量部
水 :100重量部
(同時多層塗布)
低屈折率層形成用インキ2を図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ2を2tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ2を3tのタンクに充填した。
さらに混合防止用インキ2を4tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキ2を5tのタンクに充填し、混合防止用インキ2を6tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキ2を7tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
加圧ポンプ1から順番に加圧ポンプ7までタンク内のインキを送り出すと、隣り合う高屈折率層形成用インキ2のポリビニルアルコールと、混合防止用インキ2のチタン化合物が接触して反応架橋し、不溶物あるいは難溶物が形成され、同様に隣り合う低屈折率層形成用インキ2のポリビニルアルコールと、混合防止用インキ2のチタン化合物が接触して反応架橋し、不溶物あるいは難溶物が形成され、高屈折率層形成用インキ2と低屈折率層形成用インキ2の液層間の混合が妨げられる。
80μmの厚みのトリアセチルセルロース(ТAC)フィルムを図1の6のように、シリンダー4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って重力で落下してきた、液層が積み重なって混合が妨げられたインキ層をダイコーティングユニットの端から落下する時にТACフィルム6にすくい取って冷却ゾーン5で急速に冷却される。その後乾燥ゾーン7で乾燥されて赤外線反射フィルムを得た。
赤外線反射フィルムは、最外層は高屈折率層である必要がある。実施例2で得られる積層体の各層の構成は、ТACフィルム/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層、という構成となる。低屈折率層及び高屈折率層の乾燥時の厚みは赤外線の波長に近い厚みである必要があり、各加圧ポンプからのインキの供給量をほぼ等しくして、ТACフィルムの搬送速度を上げることにより、薄くて均一な赤外線反射機能の高い赤外線反射フィルムを製造することができた。混合防止インキは、本来はチタン化合物だけでよいのだが、チタン化合物だけでは粘度が低くて、インキをうまく層状に展開できないので、増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウムが添加されている。この混合防止インキは押し出し量も少なく、低屈折率層のインキと高屈折率層のインキとそれぞれに反応するため、低屈折率層や高屈折率層に取り込まれる形で独立した層としては観測できない。
実施例2は水系インキを7層同時多層塗布して、インキ液層間の混合を架橋反応で妨げて、低屈折率液層及び高屈折率液層を冷却により流動性を低下させてから乾燥することにより、高性能の赤外線反射フィルムを製造する製造方法である。この製造方法によれば多層の高屈折率層、低屈折率層が一回の塗布で可能であり、境界は明確である。また、薄膜で塗布できるので可視光の透過率が高い赤外線反射フィルムを製造することができた。
(実施例3、反射防止フィルムの製造方法)
実施例の反射防止フィルムは、上述の赤外線反射フィルムと同様の体質顔料の屈折率調整成分とバインダーを用いて同様の製造方法で作成することができる。ただし、反射防止フィルムの場合は、赤外線反射フィルムの場合とは逆に最表面の層の屈折率が、隣り合った層(つまり、1つ内側の層)の屈折率よりも低いことが望ましい。更に、赤外線反射フィルムも反射防止フィルムも、中間の積層された層において、屈折率の高低が交互に繰り返されている、つまり各層の相対的な屈折率が「…/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/…」となる関係にあることが好ましい。
実施例2において最表面の層を高屈折率層としているのを低屈折率層にすることにより反射防止フィルムを製造することができる。
(同時多層塗布)
実施例2の高屈折率層形成用インキ2を図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ2を2tのタンクに充填し、実施例2の低屈折率層形成用インキ2を3tのタンクに充填し、他のタンクにはインキを充填せず、以下実施例2の製造方法と同様に実施して反射防止フィルを得た。
反射防止フィルムは、最外層は低屈折率層である必要がある。実施例3で得られる積層体の各層の構成は、ТACフィルム/高屈折率層/低屈折率層、という構成となる。各層の厚みは可視光の波長に近い厚みである必要があり、各加圧ポンプからのインキの供給量をほぼ等しくして、ТACフィルムの搬送速度を上げることにより、薄くて均一な反射防止機能の高い反射防止フィルムを製造することができた。
(実施例4、昇華転写記録受像シートの製造方法)
本発明による製造方法は、薄膜の層と比較的厚い層からなる積層体の製造方法にも威力が発揮できるという特徴がある。例えば、昇華転写記録に用いられる受像シートは、基材/断熱層/中間層/受像層という構成で、基材から積み上げられた積層構造をもっている。断熱層は乾燥状態で4μm程度の厚みが必要であり、それに対して受像層は1μm程度の厚みで充分であるというように、層の厚みが異なる場合においても本製造方法が利用できる。
通常このような積層体は、各層を逐次に塗布、乾燥して製造するものであるが、一度乾燥した層の上に新しい層を印刷すると、インキが下の層にはじかれてムラを生じたり、下の層が上のインキによって溶解されてグラビアの版の模様が移ってしまい、塗布面が凸凹になるというような別の問題を抱えている。
この積層体を同時多層塗布の方法で製造しようとすると、最表面の受像層が乾燥して粘調になっても、下層の断熱層は乾燥が進まずに、粘度が低くて流動しやすいという問題が生じる。このとき本発明の製造方法で、厚みのある下層をゲル化剤でゲル化することにより、乾燥時の流動を妨げて層の均一な積層体を得ることが可能になる。
実施例4は昇華転記録用写受像紙の製造例であるが、水系インキと水系インキの混合を妨げるのに塩析反応を利用する方法である。
下記の組成の成分を配合して断熱層形成用インキ組成物を調製した。
(断熱層形成用インキ組成物)
アクリル系中空粒子 「ローぺイク(登録商標)HP−1055」 :20重量部
「ロームアンドハース 社製」
ポリビニルアルコール「K−11」 :19重量部
「日本合成化学工業(株)製、平均重合度1000、15%溶液」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン社製」 :2.0重量部
水 :40重量部
(混合防止用インキ4組成物)
下記の組成の成分を配合して混合防止用インキ4組成物を調製した。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム :1重量部
「東ソー有機化学株式会社製、製品番号PS100」
塩化ナトリウム :5重量部
水 :100重量部
(中間層形成用インキの組成物)
下記の組成の成分を配合して中間層形成用インキ組成物を調製した。
ポリエステル系ウレタン :10重量部
「DIC株式会社製、商品番号AP−40」
ポリビニルアルコール15%溶液「鹸化度88%」 :33重量部
「日本合成化学工業株式会社製、商品番号GL−05」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン社製」 :1.6重量部
水 :30重量部
(受像層形成用インキ組成物)
下記の組成の成分を配合して受像層形成用インキ組成物を調製した。
エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョン :15.0重量部
「Sumikaflex、商品名、住化ケムテックス社製」
離型成分:ポリエーテル変性シリコーン :1.5重量部
「KF−615A、商品名、信越化学工業社製、側鎖変性型」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン社製」 :1重量部
界面活性剤「サーフィノール465、商品名、日信化学工業社製」 :0.12重量部水 :80重量部
(同時多層塗布)
断熱層形成用インキを図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ4を2tのタンクに充填し、中間層形成用インキを3tのタンクに充填し、混合防止用インキ4を4tのタンクに充填した。さらに受像層形成用インキを5tのタンクに充填した。(4t、5tのタンク及び、付随する加圧ポンプ等は図示せず。)
実施例1と同様に、加圧ポンプ1から順番に加圧ポンプ5までタンク内のインキを送り出すと、隣り合う断熱層形成用インキと、混合防止用インキ4の接触面では、断熱層形成用インキ中のポリビニルアルコールが混合防止用インキ4の塩化ナトリウム溶液と接触して析出する。一部ゼラチンも析出する。混合防止用インキ4と中間層形成用インキの接触面でも、同様の析出反応が生じて、断熱層形成用インキ液層と中間層形成用インキ液層の混合が妨げられる。中間層形成用インキと混合防止用インキ4との接触面で、同様の析出反応が生じて混合防止層インキ4の上層の、受像層形成用インキ液層と中間層形成用インキ液層の混合が妨げられる。
混合防止用インキ4を使用する理由は、断熱層インキと中間層インキのなかにポリビニルアルコールが含まれているからである。隣り合うインキ層のなかに同じ反応成分を含有していると、それと反応する成分をどちらにも入れることができない。この場合にインキ中の成分と反応する成分を別のインキとして混合防止インキとして使用する。混合防止インキ中の反応成分が低分子の場合、低分子だけではうまく液層とならないので、高分子成分を少量いれて混合防止インキとする。
プライマー処理済み厚み100μmのコート紙を図1の6のように、シリンダー4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って重力で落下してきた、液層が積み重なって混合が妨げられたインキ層をダイコーティングユニットの端から落下する時にコート紙6にすくい取り、直ちに冷却ゾーン5で急冷して各インキ層中のゼラチンをゲル化させてインキの流動性を低下させ、インキ液層の積層構造を維持したまま乾燥ゾーン7で乾燥した。
本発明の製造方法を使わない場合、各インキ層中のゼラチンの量は、本実施例の2倍から10倍の量がないと、各インキ層間の積層構造を保つことができない。実施例4では、ゼラチンの量を減らしても、インキ層間の液の混合は塩析反応によって生じる不溶物あるいは難溶物によって、層間のインキの混合が妨げられるため、インキの流動性を低下させるためのゲル化成分の添加は少量にすることができる。実施例4においては、断熱層、中間層、受像層の乾燥時の厚みはそれぞれ、4μm、2μm、1μmとなるように、各インキの押し出し量と、コート紙の搬送速度で調節して製造した。
実施例4の製造例は、水系インキと水系インキの界面で塩析反応(水和して溶解している高分子から水和水を取り去る塩析反応)を利用することにより、隣り合うインキ液層の混合を妨げて、また、水系インキ/混合防止インキ/水系インキ/混合防止インキ/水系インキを同時にコーティングして、その後インキ液層の流動性を低下させて、その状態で乾燥することにより、感熱昇華転写用の受像紙を製造する方法である。
(実施例5、放熱フィルムの製造方法1)
熱伝導性材料をフィルムにコーティングすることにより、フィルム面の垂直方向への熱伝導性の高い放熱フィルムを製造する方法である。反応はキレート形成のリガンドを持つ高分子と金属イオンの錯体形成を利用する同時多層塗布である。
(電気絶縁性−熱伝導性インキ1組成物)
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ組成物1を調製した。
ポリビニルアルコール「株式会社クラレ、製品番号 KL118」 :1.5重量部
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :2重量部
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :18重量部
「大同化成工業株式会社、固形分濃度50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm」
水 :60重量部
(電気絶縁性−熱伝導性インキ2組成物)
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ2組成物を調製した。
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :24重量部
「大同化成工業株式会社、固形分濃度50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm」
硫酸アルミニウム :2.5重量部
水 :60重量部
(同時多層塗布)
電気絶縁性−熱伝導性インキ1を図1の1tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ2を2tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ1を3tのタンクに充填した。
さらに電気絶縁性−熱伝導性インキ2を4tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ1を5tのタンクに充填した。(4t、5tのタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
実施例1と同様に、加圧ポンプ1から順番に加圧ポンプ5までタンク内のインキを送り出すと、電気絶縁性−熱伝導性インキ1中のポリビニルアルコールは、電気絶縁性−熱伝導性インキ2中の硫酸アルミニウムとのキレート反応性が高い特殊なポリビニルアルコールであるため、電気絶縁性−熱伝導性インキ2のインキ層と接触した時キレート反応により、不溶物あるいは難溶物が2つのインキ液層の接触面に生成して、2液層間の混合が妨げられる。
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを図1の6のように、シリンダー4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って重力で落下してきた、液層が積み重なって混合が妨げられたインキ層を、ダイコーティングユニットの端から落下する時にポリエチレンテレフタレートフィルム6にすくい取り、冷却ゾーン5で冷却して電気絶縁性−熱伝導性インキ1の液層の流動性を低下させた状態で、乾燥ゾーン7で乾燥して5層の窒化ホウ素の粒子が分散した絶縁性の放熱シートが製造される。電気絶縁性−熱伝導性インキ1の厚みは乾燥状態で70μmになるように調整し、電気絶縁性−熱伝導性インキ2の厚みは乾燥状態で20μmとなるように、各インキの押し出し量とポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度を調節しで、乾燥時の全塗膜の厚みが250μmとなるようにした。
実施例5は熱伝導性の優れた窒化ホウ素の粒子が、フィルム面から垂直方向に並んだ垂直方向への熱伝導性の良好な放熱シートを得ることができる。これだけの厚みのシートを1回のコーティングで行うと、窒化ホウ素の粒子はフィルム面近くに沈積して、上層のインキ層にはバインダーしかないという状態になり、垂直方向への良好な熱伝導性は得ることができない。本製造方法では、各液層中に窒化ホウ素の粒子は保持されてフィルム面までは沈降しないので、垂直方向への熱伝導性の良好な放熱シートを得ることができる。
(実施例6、放熱フィルムの製造方法2)
フィルムにコーティングすることにより、フィルム面の垂直方向への熱伝導性の高い放熱フィルムを製造する方法である。反応は酸性基を持つ高分子と塩基を持つ高分子との中和反応を利用する同時多層塗布の製造方法である。
(電気絶縁性−熱伝導性インキ3組成物)
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ組成物3を調製した。
ポリビニルアルコール「製品番号C506」 :1.5重量部
「株式会社クラレ製、カチオン変性ポリビニルアルコール」
ゼラチン「GBL−200 新田ゼラチン株式会社製」 :1.5重量部
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :18重量部
「大同化成工業株式会社、固形分濃度50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm)
水 :60重量部
(混合防止用インキ6組成物)
下記の組成の成分を配合して混合防止用インキ6組成物を調製した。
アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物 :1.0重量部
「大明化学工業株式会社製、タイポリマー(登録商標)TA−350」
水 :100重量部
(電気絶縁性−熱伝導性インキ4組成物)
下記の組成の成分を配合して電気絶縁性−熱伝導性インキ4組成物を調製した。
酢酸ビニルエマルジョン「ビニゾール(登録商標)900」 :24重量部
「大同化成工業株式会社、50%」
窒化ホウ素「グレードPТX15」 :120重量部
「MОMENТIVE社、球状窒化ホウ素、粒子径15μm」
水 :60重量部
(同時多層塗布)
電気絶縁性−熱伝導性インキ4を図1の1tのタンクに充填し、混合防止用インキ6を2tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ3を3tのタンクに充填した。
さらに混合防止用インキ6を4tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ4を5tのタンクに充填した。混合防止用インキ6を6tのタンクに充填し、電気絶縁性−熱伝導性インキ3を7tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7t、のタンク、他加圧ポンプ等付随する設備は図示せず。)
実施例1と同様に、加圧ポンプ1から順番に加圧ポンプ7までタンク内のインキを送り出すと、電気絶縁性−熱伝導性インキ3中のカチオン変性ポリビニルアルコールは、混合防止用インキ6のアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物との中和反応により、電気絶縁性−熱伝導性インキ3のインキ液層と混合防止用インキ6の液層が接触した時、不溶物あるいは難溶物が、2つのインキ液層の接触面に生成して、2液層間の混合が妨げられる。電気絶縁性−熱伝導性インキ3及び電気絶縁性−熱伝導性インキ4の、酢酸ビニルエマルジョンの一部も、混合防止用インキ6が接触した時に不溶化あるいは難溶化する可能性もあるが凝集速度は比較的緩やかである。
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを図1の6のように、シリンダー4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って重力で落下してきた、液層が積み重なって混合が妨げられたインキ層を、ダイコーティングユニットの端から落下する時にポリエチレンテレフタレートフィルム6にすくい取り、冷却ゾーン5で冷却して電気絶縁性−熱伝導性インキ1の液層の流動性を低下させた状態で、乾燥ゾーン7で乾燥して4層の窒化ホウ素の粒子が分散した絶縁性の放熱シートが製造される。電気絶縁性−熱伝導性インキ3の厚みは乾燥状態で80μmになるように調整し、電気絶縁性−熱伝導性インキ4の厚みは乾燥状態で20μmとなるように、各インキの押し出し量とポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度を調節して、乾燥時の全塗膜の厚みが200μmとなるようにした。
実施例6は熱伝導性の優れた窒化ホウ素の粒子が、フィルム面から垂直方向に並んだ垂直方向への熱伝導性の良好な放熱シートを得ることができる。これだけの厚みのシートを1回のコーティングで行うと、窒化ホウ素の粒子はフィルム面近くに沈積して、上層のインキ層にはバインダーしかないという状態になり、垂直方向への熱伝導性は得ることができない。本製造方法では、各液層中に窒化ホウ素の粒子は保持されてフィルム面までは沈降しないので、垂直方向への熱伝導性の良好な放熱シートを得ることができる。
(グロー放電発光分光分析法による層境界付近の元素定量分析)
本発明の実施例について、グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析は、以下の条件にて行った。
測定装置:「GDS−Profiler2」(株式会社堀場製作所製)
RF電源出力:20W
アルゴンガス圧力:800Pa
アノード径:4mm
パルス電源使用(周波数:25Hz、Duty比:0.1)
測光方式:シンクロ(パルス同期)
(測定例)
実施例1の積層体の層の境界付近において、グロー放電発光分光分析法によりチタン元素濃度が狭い領域でピーク値を示すことを確認した。
本発明の製造方法は、有機合成高分子化合物を使用する水性インキの同時多層塗布が可能な製造方法であり、産業上の色々な製品の製造に利用され、製品のコストダウンやの性能向上に広く貢献できる。
1t:インキタンク
2t:インキタンク
3t:インキタンク
1p:加圧ポンプ
2p:加圧ポンプ
3p:加圧ポンプ
1:スリット
2:スリット
3:スリット
1s:インキ液層
2s:インキ液層
3s:インキ液層
4:コーティングロール
5:冷却ゾーン
6:基体
7:乾燥ゾーン
11:ダイコーティングユニット

Claims (4)

  1. 積層体の製造方法であって、有機合成高分子化合物を含有する複数の水系インキを同時に押出して複数のインキ液層を積み重ね、インキ液層が積み重ねられた時に、隣り合うインキ液層の間に難溶物あるいは不溶物が生成してインキ液層間の混合が妨げられ、その後、積み重ねられたインキ液層の積層構造を保持したまま基体に塗布した後、インキ液層を冷却して、ゼラチン、寒天、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアガムのいずれかのゲル化剤により一部のインキ液層または全部のインキ液層の流動性を低下させた後、インキ液層を乾燥し固定することにより、基体上に有機合成高分子化合物を含むインキの中の成分が層状に積層している積層体であって、前記難溶物あるいは不溶物の生成が、前記ゲル化剤によるものでないことを特徴とする積層体の製造する方法。
  2. 難溶物あるいは不溶物が、架橋反応、錯体形成反応、塩析反応、中和反応のいずれかに
    よって生成することを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 積層体が、赤外線反射フィルム、昇華転写記録受像シート、反射防止フィルム、放熱シートのいずれかであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  4. 前記インキ液層中に添加した前記ゲル化剤の量が、0.2〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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