JP2013075285A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同時多層塗布方法にて、層どうしの界面が形成された積層体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】複数の層形成用インキ、および難溶性化合物形成用インキを準備して、該複数の層形成用インキ、および該難溶性化合物形成用インキから、複数の層形成用インキ液層および難溶性化合物形成用インキ液層を各々形成して、該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物形成用インキ液層を、層形成用インキ液層と難溶性化合物形成用インキ液層と層形成用インキ液層との積層構造が形成されるように積み重ね、積み重ねた時に、該積層構造の層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間に難溶性化合物を形成させ、積み重ねられた該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物を基体に塗布し、乾燥する積層体の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層体の製造方法に関するものである。
従来、複数の層が基体に形成された積層体を得る方法として、例えば、層を形成する第1の層形成用インキを基体に塗布し乾燥して第1の層を形成した後、第2の層形成用インキを第1の層に塗布し乾燥して第2の層を第1の層の上に形成する工程を順次繰返して、複数の層を基体に形成する方法が挙げられる。
別の方法として、複数のインキから各々形成された複数のインキ液層を各々形成し、複数のインキ液層を積み重ねた後、積み重ねられた複数のインキ液層を基体に塗布し乾燥することで、複数の層を基体に形成する方法が挙げられる(例えば特許文献1)。この方法は、いわゆる同時多層塗布方法として知られている。
特開2011−72880号公報
層形成用インキを塗布し乾燥する工程を順次繰返す方法では、層に層形成用インキを塗布したときに、層形成用インキが下地の層にはじかれて塗布できなかったり、下地の層が層形成用インキに溶かされたりして、層どうしの界面が形成されないおそれがある。
同時多層塗布方法では、インキ液層どうしの混合を妨げるための手段を何ら採用しない場合には、複数のインキ液層を積み重ねたときに、インキ液層どうしが混合して、層どうしの界面が形成されないおそれがある。
本発明は、同時多層塗布方法にて、層どうしの界面が形成された積層体の製造方法を提供することを課題とする。
第1の発明は、複数の層形成用インキ、および難溶性化合物形成用インキを準備して、 該複数の層形成用インキ、および該難溶性化合物形成用インキから、複数の層形成用インキ液層および難溶性化合物形成用インキ液層を各々形成して、該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物形成用インキ液層を、層形成用インキ液層と難溶性化合物形成用インキ液層と層形成用インキ液層との積層構造が形成されるように積み重ね、積み重ねた時に、該積層構造の層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間に難溶性化合物を形成させ、積み重ねられた該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物を基体に塗布し乾燥することを特徴とする積層体の製造方法である。
第2の発明は、第1の発明にて、該積層構造の層形成用インキ液層を形成するための層形成用インキのいずれか一方または両方が反応成分を含有し、かつ該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが反応成分を含有し、 該難溶性化合物が、層形成用インキに含有された反応成分と難溶性化合物形成用インキに含有された反応成分との反応によって形成される反応生成物であることを特徴とする積層体の製造方法である。
第3の発明は、第1の発明にて、該積層構造の層形成用インキ液層を形成するための層形成用インキのいずれか一方または両方が析出誘起成分を含有し、かつ該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが析出成分を含有し、該難溶性化合物が、難溶性化合物形成用インキに含有された析出成分の析出によって形成される析出物であることを特徴とする積層体の製造方法である。
第4の発明は、第1の発明にて、該積層構造の層形成用インキ液層を形成するための層形成用インキのいずれか一方または両方が析出成分を含有し、かつ該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成インキが析出誘起成分を含有し、該難溶性化合物が、層形成インキに含有された析出成分が難溶性化合物形成用インキの析出誘起成分により形成される析出物であることを特徴とする積層体の製造方法である。
第5の発明は、第1の発明にて、該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが複数あり、該複数の難溶性化合物形成用インキが反応成分を含有し、該難溶性化合物が、難溶性化合物形成用インキに含有された反応成分とその他の難溶性化合物形成用インキに含有された反応成分との反応によって形成される反応生成物であることを特徴とする積層体の製造方法である。
第6の発明は、第1の発明にて、該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが複数あり、該複数の難溶性化合物形成用インキが析出誘起成分または析出成分を含有し、該難溶性化合物が、難溶性化合物形成用インキに含有された析出成分の析出によって形成される析出物であることを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明の積層体の製造方法によれば、複数の層形成用インキより形成された層どうしの界面が形成された積層体を得ることができる。
本発明における積層体の製造方法で用いることができる同時多層塗布方法とその塗布装置の一例を示す模式図である。 本発明における積層体の製造方法で用いることができるコーティングダイユニットの模式図である。
本実施形態の積層体の製造方法は、複数の層形成用インキ、および難溶性化合物形成用インキを準備して、該複数の層形成用インキ、および該難溶性化合物形成用インキから、複数の層形成用インキ液層および難溶性化合物形成用インキ液層を各々形成して、該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物形成用インキ液層を、層形成用インキ液層と難溶性化合物形成用インキ液層と層形成用インキ液層との積層構造が形成されるように積み重ね、積み重ねた時に、該積層構造の層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間に難溶性化合物を形成させ、積み重ねられた該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物を基体に塗布し乾燥するものである。
本実施形態の積層体の製造方法は、塗布し乾燥する一連の工程1回で複数の層を得ることが可能な同時多層塗布方法を採用しているので、層間の密着性が良好な積層体を低コストで得ることができる。
また、本実施形態の積層体の製造方法では、インキ液層どうしの混合を妨げるための新しい手段として、インキ液層を積み重ねた時に該積層構造の層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間に、該難溶性化合物形成用インキ液層の作用による難溶性化合物を形成させる。そのため、この難溶性化合物がインキ液層どうしの混合を妨げて、層形成用インキ液層から形成された層どうしの界面が形成された積層体を得ることができる。積層体の層どうしの界面は、例えば、積層体の断面を電子顕微鏡で観察することができ、層どうしの界面が形成されているかどうかは、積層体の断面を倍率3万倍の電子顕微鏡で観察したときに層どうしの界面を識別できるかどうかで確認することができる。
本明細書では、層を形成するためのインキを層形成用インキと呼び、層形成用インキから形成されたインキ液層を層形成用インキ液層と呼ぶ。
層形成用インキは、積層体の層を形成するための層形成用成分を含有している。層形成用インキ液層と難溶性化合物形成用インキ液層と層形成用インキ液層との積層構造における層形成用インキ液層どうしを形成する層形成用インキどうしは、これらに含有される層形成用成分の種類や組成比が同じであっても異なっていてもよい。本実施形態の積層体の製造方法では、複数の層形成用インキを準備する。
インキ液層どうしの混合を妨げるための手段としては、例えば、層形成用インキ液層どうしの接触により難溶性化合物を形成させる手段も考えられる。しかし、本実施形態の製造方法では、層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間にこれらと接するように難溶性化合物形成用インキ液層を配置して、この難溶性化合物形成用インキ液層の作用により難溶性化合物を形成させるので、難溶性化合物形成用インキ液層を採用しない場合と比べて、難溶性化合物を層どうしの界面近傍に集中させることができ、層どうしの界面をより確実に形成することができる。
本明細書では、難溶性化合物を形成するためのインキを難溶性化合物形成用インキと呼び、難溶性化合物形成用インキから形成されたインキ液層を難溶性化合物形成用インキ液層と呼ぶ。また、難溶性化合物とは、積層構造の層形成用インキ液層への溶解性が低いか無いために、その層形成用インキ液層に溶解し難い化合物を意味する。本実施形態の積層体の製造方法では、単数または複数の難溶性化合物形成用インキを準備する。
インキ液層を積み重ねた時に積層構造の層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間に形成される難溶性化合物は、インキ液層どうしの混合を現実に妨げているので、層間に層状あるいは島状に存在しているものと推察されるが、電子顕微鏡などで観察することは困難であることが多い。層間に難溶性化合物が存在することは、グロー放電発光分光分析法による厚み方向の元素分布測定で確認することができる。
複数の層形成用インキ液層、および単数または複数の難溶性化合物形成用インキ液層は、1つの層形成用インキ液層と1または2以上の難溶性化合物形成用インキ液層と1つの層形成用インキ液層とがこの順で接している積層構造が少なくとも1つ形成されるように、積み重ねられる。2つの層形成用インキ液層および少なくとも1つの難溶性化合物形成用インキ液層から形成される該積層構造が少なくとも1つ形成されていれば、該積層構造の層形成用インキ液層どうしの界面を形成することができる。全ての層形成用インキ液層どうしの間に難溶性化合物形成用インキ液層をこれらの層形成用インキ液層に接するように配置した場合は、全ての層形成用インキ液層どうしの界面を形成することができるので好ましい。
層形成用インキ液層が含有する難溶性化合物を形成させるための成分は、難溶性化合物を生成させるための成分が積層体の特性に与える影響を抑制するために、層形成用インキ液層に含有される溶剤または層形成用成分であることが好ましい。
また、積層構造の層形成インキ液層のうちいずれか一方のみに難溶性化合物を形成させるための成分を含有させることで、難溶性化合物を形成させるための成分を含有させなかった層形成インキ液層から形成させる層の特性に対して、難溶性化合物を形成させるための成分が影響することを防ぐことができる。一方、積層構造の層形成インキ液層のうち両方に難溶性化合物を形成させるための成分を含有させることで、片方の層形成用インキ液層および難溶性化合物形成用インキ液層の接触と、難溶性化合物形成用インキ液層およびもう片方の層形成用インキ液層の接触の両方で難溶性化合物が形成されるので、層どうしの界面をより明確に形成することができる。さらに、積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層が複数あるときは、一方の層形成インキ液層に含有させる難溶性化合物を形成させるための成分と他方の層形成インキ液層に含有させる難溶性化合物を形成させるための成分とを異なるようにできる。したがって、いずれの層形成インキ液層にどのような難溶性化合物を形成させるための成分を含有させるかについて、所望するないし許容される積層体の特性に応じて適宜設計することが可能であり、この点も難溶性化合物形成用インキ液層を採用する利点である。
また、積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層が複数あるときは、これらの難溶性化合物形成用インキ液層どうしを作用させて難溶性化合物を形成させることができる。難溶性化合物形成用インキ液層どうしの作用により難溶性化合物を形成させることで、積層構造の層形成用インキ液層に難溶性化合物を形成させるための成分を含有させなくても難溶性化合物を形成させることができるので、層形成インキ液層から形成させる層の特性に対して、難溶性化合物を形成させるための成分が影響することを防ぐことができる。
下記に、本実施態様の積層体の製造方法について詳しく説明する。
<同時多層塗布方法>
下記に、本実施態様の同時多層塗布方法の例について図面を参照しながら説明する。
図1は、同時多層塗布方法の一例を示す、模式図である。ダイコーティングユニット11は、インキを押し出すスリット1,2,3を有している。スリットの数は3に限定されることなく任意の数が可能である。図2は、ダイコーティングユニットの模式図である。
まず、各インキは、タンク1t、タンク2t、タンク3tに貯蔵され、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3pで押し出される。各スリットから押し出されたインキは、ダイコーティングユニットのスライド斜面上にインキ液層として展開され、上層のインキ液層が下層のインキ液層の上に乗り上げるようにして、ダイコーティングユニット11のスライド斜面上でインキ液層が積み重ねられる。
インキ液層を積み重ねる方法は、スリットノズルを複数個スライド斜面上方に並べ、上からカーテン状にインキを流してスライド斜面上で積み重ねる方法もあり、図1の塗布方法だけに限定されない。
1s、2s、3sは各インキから形成されたインキ液層である。1sと2sと3sのインキ液層がスライド斜面上で積み重ねられたときに各インキ液層が混じり合うのを妨げる仕組みは後で説明する。装置等は図示していないが、同様に4s、5s、6s、7s・・・とインキ液層を重ねることができる。
コーティングロール4に巻かれた基体5は、回転するコーティングロール4に導かれ、ダイコーティングユニット11の端から流れ落ちようとする積み重ねられたインキ液層をすくい取って、基体5に積み重ねられたインキ液層が塗布された後に乾燥炉6でインキが乾燥されて積層体が製造される。
さらに、層に硬化性化合物が含まれる場合は、乾燥炉6の後に照射装置(図示していない。)を設けて、乾燥後に連続して紫外線照射や電子線照射による硬化処理をおこなうことができる。あるいは、乾燥後の積層体を一旦巻き取った後に、別工程で、層に含まれる硬化性化合物を紫外線や電子線を照射して硬化させたり、恒温加熱室で熱硬化させたりすることができる。
各インキの基体への塗布量は、ダイコーティングユニット11のスリットから押し出されるインキの液量や基体の搬送速度によってコントロールされる。基体の搬送速度を増加させることにより、インキの押し出し量が同じでも、より薄膜の塗布が可能となる。
なお、本発明においてインキとは特に着色顔料を含むものに限定されるものではなく、透明なインキもインキとして含まれる。
<インキ液層どうしの混合を妨げるための手段>
下記に、本実施態様の同時多層塗布方法におけるインキ液層どうしの混合を妨げるための手段について説明する。
図1に記載されているインキ液層1s、2s、3sをそれぞれ層形成用インキ液層1s、難溶性化合物形成用インキ液層2s、層形成用インキ液層3sと呼ぶことにする。層形成用インキ液層1s、難溶性化合物形成用インキ液層2s、および層形成用インキ液層3sをこの順で積み重ねた時に、層形成用インキ液層1sと難溶性化合物形成用インキ液層2sと層形成用インキ液層3sとが接触して、層形成用インキ液層1sと層形成用インキ液層3sとの間に難溶性化合物が形成する。該難溶性化合物は、層形成用インキ液層1sと層形成用インキ液層3sとに溶解し難いので、層形成用インキ液層1sと層形成用インキ液層3sとの混合を妨げることができる。なお、インキ液層どうしの混合が妨げられるとは、本方法で得られた積層体の層どうしの界面が形成されることを意味しており、インキ液層に含まれる成分がインキ液層間の境界付近で混合しないことを意味してはいない。
層形成用インキ液層1sと層形成用インキ液層3sとの間に難溶性化合物を形成させる方法としては、特に限定されることはないが、例えば、反応成分を含有させたインキどうしを接触させて難溶性の反応生成物を形成させる方法、析出成分を含有させたインキとその析出成分の析出を誘起する析出誘起成分を含有させたインキを接触させて難溶性の析出物を形成させる方法を挙げることができる。
反応成分、析出成分、または析出誘起成分を含む難溶性化合物形成用インキ液層2sは、層形成用インキ液層1sおよび層形成用インキ液層3sに接触する。そのため、層形成用インキ液層1s、3sのいずれか一方に反応成分、析出誘起成分、または析出成分を含有させれば、難溶性化合物形成用インキ液層2sに含まれる反応成分、析出成分、または析出誘起成分といずれか一方の層形成用インキ液層に含まれる反応成分、析出誘起成分、または析出成分との反応によって、層形成用インキ液層1sと層形成用インキ液層3sとの間に難溶性の反応生成物または析出物が形成されるので、十分である。
層形成用インキ液層に含有させる反応成分、析出成分、析出誘起成分は、積層体の層を形成するために層形成用インキに含有させる層形成用成分や溶剤と同じ成分であっても異なる成分であってもよい。層形成用インキ液層に含有させる反応成分、析出成分、析出誘起成分と層形成用成分や溶剤とが同じ場合には、インキ液層または層に含有させる成分の種類を少なくすることができるので、積層体の性能への影響を少なくすることができる。また、層形成用インキ液層に含有させる反応成分、析出成分、析出誘起成分と層形成用成分とが異なる場合には、それぞれの要求特性に応じて各成分を選択することができるので、本方法の設計が容易になる。
(反応によって難溶性化合物を形成させる方法)
反応によって難溶性化合物を形成させる方法では、層形成用インキ液層1s、3sのいずれか一方または両方が反応成分を含有し、かつ難溶性化合物形成用インキ液層2sが反応成分を含有し、これらの反応成分どうしが反応して難溶性の反応生成物が形成される。
反応生成物の種類、量、形状などは、反応の種類、反応成分の種類、インキに含有させる反応成分の量、温度などによって変化するので、インキ液層どうしの混合を好適に妨げるように適宜調整することが好ましい。また、積層体の性能への影響を少なくするため、難溶性化合物形成用インキの組成は、反応成分と溶剤を主成分として、これら以外の成分は少ない方が好ましい。もっとも、難溶性化合物形成用インキの粘度が低すぎるとインキ液層としてうまく展開できないため、必要であれは増粘剤として少量の高分子化合物を添加してもよい。
反応成分どうしが反応して、難溶性の反応生成物を生成させる反応にはいろいろな反応が利用でき、特に限定されるものではないが、例えば、(A)架橋性の高分子化合物と架橋剤の反応、(B)金属イオンと配位子を持つ高分子化合物または配位子を持つ低分子との錯体形成反応、(C)塩基性高分子化合物と酸性高分子化合物の中和反応、(D)塩基性高分子化合物と酸の中和反応、(E)酸性高分子化合物と塩基の中和反応、などの反応を挙げることができる。
(A)架橋反応
例えば、一方のインキへ含有させる反応成分βとして架橋性の高分子化合物を用い、他方のインキへ含有させる反応成分αとして架橋剤を用いることにより、2つのインキ液層が接触した時、架橋反応が起こる。
反応成分βの架橋性の高分子化合物としては、特に制限されるものではないが、水酸基やカルボキシル基等を有する高分子化合物、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミン樹脂、ポリフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリカルボン酸樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。架橋性の高分子化合物は、溶剤への溶解性の観点から、重量平均分子量が5千〜30万のものが好ましく、3万〜20万のものがより好ましく、5万〜15万のものがさらに好ましい。
反応成分αの架橋剤としては、例えば、水酸化チタン、有機チタンキレート化合物等の架橋性チタン化合物、ホウ酸、架橋性ジルコニウム化合物、ホルムアルデヒド、メラミン、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、各種エポキシ化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)錯体形成反応
例えば、反応成分γとして配位子を用い、反応成分δとしてイオン性物質を用いることにより、2つのインキ液層が接触した時、錯体形成反応が起こる。
反応成分γの配位子としては、例えば亜リン酸、リン酸、ポリリン酸等のリン含有配位子、酢酸等のカルボン酸含有配位子等のほか、水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、ピリジン基等を含有する配位子等が挙げられる。またそれらの配位子を持つ有機合成高分子化合物、ポリビニルアルコール樹脂、ウレタンアクリレート樹脂などを利用することができる。
また、反応成分δのイオン性物質としては、例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、亜鉛イオン、コバルトイオン、ホウ素イオン、アルミニウムイオン等のイオン源となる物質であれば特に制限はなく、例えば硫酸アルミニウム、硫酸コバルト、酢酸コバルト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
(C、D、E)酸と塩基の中和反応
例えば、反応成分εとして酸を用い、反応成分ζとして塩基を用いることにより、隣り合う2つのインキ液層が接触した時、酸と塩基の中和反応が起こる。
反応成分εの酸としては、例えば酢酸、ギ酸、炭酸等の弱酸や、塩酸、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、あるいは、カチオン性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などの前記酸性基を持つ有機合成高分子化合物などが挙げられる。
反応成分ζの塩基としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、ベンジジン、アニリン、キノリン等の、有機アミンや含窒素複素環式芳香族化合物に代表される弱塩基や、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物などの前記塩基を持つ有機合成高分子化合物、あるいはケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。
(析出によって難溶性化合物を形成させる方法)
析出によって難溶性化合物を形成させる方法では、層形成用インキ液層1s、3sのいずれか一方が析出成分または析出誘起成分を含有し、かつ難溶性化合物形成用インキ液層2sが析出誘起成分または析出成分を含有し、析出誘起成分の作用により析出成分が析出して難溶性の析出物が形成される。
析出誘起成分の作用により析出成分が析出して難溶性の析出物が形成される方法にはいろいろな方法が利用でき、特に限定されるものではないが、例えば(F)溶解している化合物を溶剤や電解質の作用によって析出させる方法、を挙げることができる。
(F)溶解している化合物を溶剤や電解質の作用によって析出させる方法
溶解している化合物の溶解性の低下による析出の現象は、例えば、溶解している化合物と非溶解性溶剤や塩溶液との接触によって生じる。
溶解している化合物を非溶解性溶剤と接触させて析出させる方法の例として、例えば、極性溶媒中に溶解している高分子化合物やオリゴマーを非極性溶剤に接触させて析出させる方法、逆に、非極性溶媒中に溶解している高分子化合物を極性溶剤に接触させて析出させる方法が挙げられる。あるいは、例えばアルコール類やケトン類と水とのような極性溶剤どうしの間で析出する高分子化合物やオリゴマー、また、芳香族系の溶剤と脂肪族系の溶剤とのような非極性溶剤どうしの間で析出する高分子化合物やオリゴマーもあるので、これらを用いる方法を挙げられる。
溶解している化合物を塩溶液と接触させて析出させる方法の例として、いわゆる塩析を利用する方法が挙げられる。塩析は、高分子化合物、オリゴマーあるいは低分子有機化合物などが水和して溶解しているときに、塩類が加わるとその強い水和力によって水和水を固定するので、高分子化合物、オリゴマーあるいは低分子有機化合物などの溶解に必要な水和水が取られ、析出する現象である。したがって、例えば、析出成分ηとして高分子化合物を用い、析出誘起成分θとして電解質を用いることにより、溶解している高分子化合物周辺の水和水を電解質が奪う塩析が起こり、高分子化合物が析出する。
析出成分ηの高分子化合物としては、水酸基やカルボキシル基等を有する親水性の高分子化合物、例えば、ポリビニルアルコール、ポリフェノール、ポリカルボン酸、たんぱく質、ポリメタクリル酸等の高分子電解質等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
析出誘起成分θの電解質としては、公知のものを使用することができ、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の二元電解質、塩化バリウム等の三元電解質、水酸化アルミニウム等の酸性及びアルカリ性を有する両性電解質等が挙げられる。
上記の如く、インキ液層どうしの混合を妨げるための手段について、2つの層形成用インキ液層および1つの難溶性化合物形成用インキ液層から積層構造が形成されるときの例を図1を用いて説明したが、積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層が複数ある場合には、層形成用インキ液層に含有させた成分とそれに接する難溶性化合物形成用インキ液層に含有させた成分との作用により難溶性化合物が形成してもよいし、互いに接する難溶性化合物形成用インキ液層どうしの作用により難溶性化合物が形成してもよく、これらを組み合わせてもよい。難溶性化合物を形成する方法としては、例えば、反応成分を含有させたインキどうしを接触させて難溶性の反応生成物を形成させる上記方法、析出成分を含有させたインキとその析出成分の析出を誘起する析出誘起成分を含有させたインキを接触させて難溶性の析出物を形成させる上記方法を挙げることができる。
<基体>
基体は、塗布されるインキ液層の積層構造を支持することができるものであれば、特に限定されない。例えば、高分子化合物のフィルム、金属フォイル、可とう性ガラスなどが用いられる、特に高分子化合物のフィルムを好適に用いることができる。なお、本明細書では、フィルム、シート、ボード、箔、板などの名称は区別しない。
<層形成用成分>
層形成用成分としては、樹脂やそのプレポリマー、無機粒子や有機粒子、その他の各種添加剤など、得られる積層体の用途に応じて適宜選択することができる。これらを水または有機溶剤などに溶解ないし分散させて含有させることで層形成用インキを作成することができる。
(樹脂、プレポリマー)
樹脂は、例えば、層の主成分としてあるいは体質顔料や各種添加剤のバインダー成分として、用いることができる。高分子化合物としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース樹脂などの公知の高分子化合物を適宜利用することができる。これらの樹脂は溶液としても分散液としても利用することができる。
層形成用インキに層形成用成分として樹脂のプレポリマーを含有させ、層形成用インキ液層を乾燥した後、硬化処理して樹脂を形成させることもできる。硬化処理の方法としては、例えば、紫外線照射による硬化処理、電子線照射による硬化処理、熱による硬化処理が挙げられる。
紫外線照射または電子線により硬化するプレポリマーとしては、公知のものを適宜用いることができ、特に限定されないが、例えば、不飽和二重結合を有するプレポリマーやカチオン重合性官能基を有するプレポリマーを用いることができる。
不飽和二重結合を有するプレポリマーとしては、例えば、不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などを使用することができる。また、ペンタエリスリトールトリアクリレートやジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなども架橋度を上げるために必要に応じ使用される。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
上記硬化性樹脂は、紫外線照射または電子線により硬化しない樹脂と併用してもよい。
紫外線照射により硬化させる場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる
紫外線を照射する装置としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハラィドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度の波長域を使用することが好ましい。
電子線を照射する装置としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは、直線型、ダイナミトロン(登録商標)型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。用いる電子線のエネルギーは、100〜1000keV程度、好ましくは100〜300keVのものが使用できる。電子線の照射量は、通常2〜15Mrad程度が好ましい。
熱により硬化する樹脂のプレポリマーとしては、公知のものを適宜用いることができ、特に限定されないが、例えば、水酸基やカルボキシル基あるいはエポキシ化合物等を有する高分子化合物などを挙げることができる。これらは、例えばイソシアネート化合物やポリアミン化合物などの架橋剤とを併用することで、硬化することができる。
熱架橋装置としては、例えば、恒温加熱室を用いることができ、硬化に要する温度や時間は、硬化成分や硬化反応の種類にあわせて適宜設定することができる。
(無機粒子、有機粒子)
無機粒子や有機粒子は、層形成用インキに分散して用いることができる。分散している無機粒子や有機粒子は、層形成用インキ液層で沈降して他の層形成用インキ液層と混合しやすいが、本実施態様の積層体の製造方法では、層形成用インキ液層どうしの間に形成された難溶性化合物が無機粒子や有機粒子の移動を妨げることができる。また、層形成用インキ液層での沈降は、一般に比重が高い無機粒子で顕著である。したがって、本実施態様の積層体の製造方法は、無機粒子や有機粒子を含有する層を有する積層体の製造方法として好適である。
無機粒子としては、例えば、窒化ホウ素などの熱伝導性粒子、金属や窒化ケイ素などの導電性粒子、体質顔料などを用いることができる。体質顔料は、白色または透明な無機の粒子であり、艶消しや他の着色顔料の希釈に用いられるものであり、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化ケイ素、タルク、硫酸カルシウム、ベントナイト、チタンバリウム、酸化亜鉛などが利用される。
体質顔料を微細な粒子に調製してバインダー中に分散したものは、光学フィルムの屈折率の調整に使用することができる。赤外線反射性フィルムや反射防止性フィルムに使用される高屈折率の材料は、酸化チタン、酸化鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タンタルなどが挙げられ、酸化チタンや酸化スズなどが好ましい。低屈折率の材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化マグネシウム、弗化リチウム、弗化カルシウムなどが挙げられ、酸化珪素や酸化アルミニウムが好ましい。
また、ポリスチレン粒子やスチレンーアクリル共重合粒子などの有機粒子も反射防止性フィルムで利用することができる。
(その他の各種添加剤)
さらに必要に応じて、各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤、充填剤等をインキ中に含有させることができる。
<積層体の用途>
本実施態様で得られる積層体の用途は、特に限定されるものではなく、同時多層塗布方法を採用することで、様々な用途の積層体の製造コストを削減できる可能性がある。本実施態様の積層体の製造方法は、インキ液層どうしの混合を妨げる新しい手段して、同時多層塗布方法の採用可能性を広げる意義を有するものである。
本実施態様の積層体の製造方法は、層どうしの界面が形成された積層体が得られるので、例えば、層間における屈折率の変化が明瞭であることが必要である光学フィルムの用途、例えば赤外線反射性フィルムや反射防止性フィルムの製造方法として、好適である。
また、本実施態様の積層体の製造方法は、比重が高い無機粒子が分散された層形成用インキを用いて層を形成する場合に、その無機粒子が沈降して他の層と混合することを妨げることができるので、例えば、熱伝導性粒子を均一に厚く塗布することが必要な放熱性シートや受像層、クッション層、断熱層などの層を厚く塗布することが必要な昇華型転写受像シートの製造方法として、好適である。
下記に、本実施態様の積層体の製造方法の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1では、下記の手順により、赤外線反射性フィルムを作成した。
下記の組成物から高屈折率層形成用インキAを得た。
酸化チタン水分散液「NanoTek(登録商標)TiO2」 :24重量部
(シーアイ化成株式会社製)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :500重量部
下記の組成物から低屈折率層形成用インキBを得た。
酸化ケイ素エタノール分散液 :60重量部
「ルドックス(登録商標)HS―40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :596重量部
下記の組成物から難溶性化合物形成用インキCを得た。
エチルセルロース「エトセル(登録商標)グレード45」 :2重量部
(日進化成株式会社製)
メチルエチルケトン :98重量部
高屈折率層形成用インキAを図1の1t、5tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキCを2t、4tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキBを3tのタンクに充填した。 (4t〜5tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3p、インキ供給ポンプ4p、インキ供給ポンプ5pの順にポンプを稼動させて各インキ液層を供給した。高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層、その上に低屈折率層形成用インキBから形成された液層を展開し、さらに難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層、高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層が接触した時に、エチルセルロースが水と接触して析出する。難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキBから形成された液層が接触した時も、エチルセルロースが水と接触して析出する。この析出したエチルセルロースにより、高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキBから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(ТAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の赤外線性反射フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率硬化層の厚み約0.33μm、低屈折率硬化層の厚み約0.33μmとして、総厚み約1.0μmの赤外線反射性フィルムを得た。なお、高屈折率層と低屈折率層の間のエチルセルロースの存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例2)
実施例2では、下記の手順により、反射防止性フィルムを作成した。
実施例1と同様の手順で、高屈折率層形成用インキA、高屈折率層形成用インキB、難溶性化合物形成用インキCを得た。
低屈折率層形成用インキBを図1の1t、5tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキCを2t、4tのタンクに充填し、高屈折率層形成用インキAを3tのタンクに充填した。(4t〜5tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3p、インキ供給ポンプ4p、インキ供給ポンプ5pの順にポンプを稼動させて各インキ液層を供給した。低屈折率層形成用インキBから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層、その上に高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層が展開し、さらに難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層、低屈折率層形成用インキBから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。低屈折率層形成用インキBから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層が接触した時にエチルセルロースが水と接触して析出する。難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層と高屈折率層形成用インキAから形成された液層が接触した時も、エチルセルロースが水と接触して析出する。この析出したエチルセルロースにより、低屈折率層形成用インキBから形成されたインキ液層と高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(ТAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の反射防止性フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率層の厚み約0.15μm、低屈折率層の厚み約0.15μmとして、総厚み約0.45μmの反射防止性フィルムを得た。なお、低屈折率層と高屈折率層の間のエチルセルロースの存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例3)
実施例3では、下記の手順により、赤外線反射性フィルムを作成した。
下記の組成物から高屈折率層形成用インキDを得た。
酸化チタン水分散液
「AERODISP(登録商標)−W740」 :60重量部
(日本アエロジル株式会社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :120重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ポリビニルアルコール :12重量部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学株式会社製、固形分100%)
イオン交換水(粘度、固形分調整用) :600重量部
下記の組成物から低屈折率層形成用インキEを得た。
酸化ケイ素水分散液 :60重量部
「ルドックス(登録商標)HS―40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :120重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ポリビニルアルコール :12重量部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学株式会社製、固形分100%)
イオン交換水 :600重量部
下記の組成物から難溶性化合物形成用インキFを得た。
有機チタン化合物 :3重量部
「オルガチックス(登録商標)TC−310」
(マツモトファインケミカル株式会社製、固形分42%)
イオン交換水 :10重量部
高屈折率層形成用インキDを図1の1t、5tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキFを2t、4tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキEを3tのタンクに充填した。(4t〜5tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3p、インキ供給ポンプ4p、インキ供給ポンプ5pの順にポンプを稼動させて各インキ液層を供給した。高屈折率層形成用インキDから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、その上に低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層を展開し、さらに難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、高屈折率層形成用インキDから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。高屈折率層形成用インキDから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層が接触した時にポリビニルアルコールと有機チタン化合物が架橋反応して、ポリビニルアルコールと有機チタン化合物の反応生成物が形成される。難溶性化合物形成用インキF液から形成されたインキ層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層とが接触した時も同様に架橋反応したポリビニルアルコールと有機チタン化合物の反応生成物が形成される。この反応生成物により、高屈折率層形成用インキDから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(TAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の赤外線反射性フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率層の厚み約0.30μm、低屈折率層の厚み約0.30μmとして、総厚み約0.9μmの赤外線反射性フィルムを得た。なお、高屈折率層と低屈折率層の間の反応生成物の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例4)
実施例4では、下記の手順により、反射防止性フィルムを作成した。
下記の組成物からハードコート層形成用インキGを得た。
疎水性酸化チタン微粒子「AEROXIDE(登録商標) TiO2P25」
(日本アエロジル株式会社製) :25重量部
ウレタンアクリレート「紫光(登録商標)LTV1700−B」 :25重量部
(日本合成化学工業株式会社製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) :5重量部
ブチラール樹脂「エスレック(登録商標)SV−02」 :5重量部
(積水化学工業株式会社)
光重合開始剤「イルガキュア(登録商標)184」 :0.2重量部
(旧チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
メチルエチルケトン :50重量部
下記の組成物から低屈折率層形成用インキHを得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールへキサアクリレート(DPHA)、及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)の混合物
(重量比;PETA/DPHA/PMMA=86/5/9 :100重量部
疎水性シリカ微粒子「アエロジル(登録商標)R202」 :25重量部
(日本アエロジル株式会社製)
光重合開始剤「イルガキュア(登録商標)184」 :0.2重量部
(旧チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
トルエンとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比8:2) :190重量部
下記の組成物から難溶性化合物形成用インキI得た。
ポリメタクリル酸メチル :2.0重量部
有機チタン化合物「オルガチックス(登録商標) TC‐401」:3.0重量部
(マツモトファインケミカル株式会社製)
トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤(重量比1:1) :100重量部
ハードコート層形成用インキGを図1の1tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキIを2tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキHを3tのタンクに充填した。
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に巻かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3pの順にポンプを稼動させて各インキ液層を供給した。難溶性化合物形成用インキIから形成されたインキ液層をハードコート層形成用インキGから形成されたインキ液層の上に展開して積み重ねた。ハードコート層形成用インキGから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキIから形成されたインキ液層との接触した部分で有機チタン化合物とブチラール樹脂やPETAの水酸基とが架橋反応して有機チタン化合物とブチラール樹脂やPETAとの反応生成物が形成される。また、難溶性化合物形成用インキIから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキHから形成されたインキ液層が接触した時にも有機チタン化合物とPETAとの反応が起きる。反応で形成された反応生成物により、ハードコート層形成用インキGから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキHから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でTACフィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された後、窒素雰囲気下にて紫外線を照射してハードコート硬化層形成用層と低屈折率層形成用層を同時に硬化させて、TAC/ハードコート硬化層/低屈折率層の反射防止性シートを作製した。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整され、ハードコート層5μ、低屈折率層0.3μmとなるようにした。なお、ハードコート硬化層と低屈折率層の間の反応生成物の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例5)
実施例5では、下記の手順により、放熱性シートを作成した。
下記の組成物から電気絶縁性−熱伝導性インキJを得た。
ポリビニルブチラール樹脂「エスレック(登録商標)BM−5」 :30重量部
(積水化学工業株式会社製)
ジイソシアネート「コロネート(登録商標)T−80」 :12重量部
(日本ポリウレタン工業株式会社製、45%酢酸エステル溶液)
窒化ホウ素(グレードPTX15) :120重量部
(MOMENTIVE社、球状窒化ホウ素、粒径15μm)
エチルアルコール :50重量部
メチルエチルケトン :20重量部
下記の組成物から難溶性化合物形容用インキKを得た。
アクリル共重合エマルジョン「ビニゾール(登録商標)1020」 :3重量部
(大同化成工業株式会社製)
水 :80重量部
エタノール :20重量部
電気絶縁性−熱伝導性インキJを図1の1t、3t、5t、7tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキKを2t、4t、6tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク及び関連する設備は図示せず。)
インキ供給ポンプ1pから順番にインキ供給ポンプ7pまでタンク内のインキを送り出すと、電気絶縁性−熱伝導性インキJから形成されたインキ液層のポリビニルブチラール樹脂が難溶性化合物形成用インキKから形成されたインキ液層の水と接触した時に析出して、電気絶縁性−熱伝導性インキJから形成されたインキ液層が他の電気絶縁性−熱伝導性インキJから形成されたインキ液層と混合するのを妨げた。
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを図1の6のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って落下してきた、積み重ねられたインキ液層をダイコーティングユニットの端から落下する時にポリエチレンテレフタレートフィルム5にすくい取って、乾燥炉6で乾燥した後に、巻き取った。ロール状で85℃の恒温室で5日間の熱硬化処理して、窒化ホウ素の粒子を含有する電気絶縁性−熱伝導性層を4層有する放熱性シートを製造した。各層の厚みは乾燥状態で50μmになるように調整し、全厚200μmとなるようにした。電気絶縁性−熱伝導性どうしの間のポリビニルブチラール樹脂の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例6)
実施例6では、下記の手順により、赤外線反射性フィルムを作成した。
下記の組成物から高屈折率層形成用インキLを得た。
酸化チタン水分散液
「AERODISP(登録商標)−W740」 :60重量部
(日本アエロジル株式会社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水(粘度、固形分調整用) :490重量部
下記の組成物の低屈折率層形成用インキEを使用した。
酸化ケイ素水分散液 :60重量部
「ルドックス(登録商標)HS―40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :120重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ポリビニルアルコール :12重量部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学株式会社製、固形分100%)
イオン交換水 :600重量部
下記の組成物の難溶性化合物形成用インキFを使用した。
有機チタン化合物 :3重量部
「オルガチックス(登録商標)TC−310」
(マツモトファインケミカル株式会社製、固形分44%)
イオン交換水 :10重量部
高屈折率層形成用インキLを図1の1t、5tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキFを2t、4tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキEを3tのタンクに充填した。(4t〜5tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p〜5pを順次稼動させて各インキ液層を供給した。高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、その上に低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層を展開し、さらに難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。
難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層とが接触した時にポリビニルアルコールと有機チタン化合物が架橋反応して反応生成物が形成される。この反応生成物により、高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(TAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の赤外線反射性フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率層の厚み約0.30μm、低屈折率層の厚み約0.30μmとして、総厚み約0.9μmの赤外線反射性フィルムを得た。なお、高屈折率層と低屈折率層の間の反応生成物の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例7)
実施例7では、下記の手順により、赤外線反射性フィルムを作成した。
下記の組成物の高屈折率層形成用インキAを使用した。
酸化チタン水分散液 「NanoTek TiO2」 :24重量部
(シーアイ化成株式会社製)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :500重量部
下記の組成物の低屈折率層形成用インキEを使用した。
酸化ケイ素水分散液 :60重量部
「ルドックス(登録商標)HS―40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :120重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
ポリビニルアルコール :12重量部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学株式会社製、固形分100%)
イオン交換水 :600重量部
下記の組成物の難溶性化合物形成用インキCを使用した。
エチルセルロース「エトセル(登録商標)グレード45」 :2重量部
(日進化成株式会社製)
メチルエチルケトン :98重量部
下記の組成物の難溶性化合物形成用インキFを使用した。
有機チタン化合物 :3重量部
「オルガチックス(登録商標)TC−310」
(マツモトファインケミカル株式会社製、固形分44%)
イオン交換水 :10重量部
高屈折率層形成用インキAを図1の1t、7tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキCを2t、6tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキFを3t、5tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキEを4tのタンクに充填した。(4t〜7tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p〜7pを順次稼動させて各インキ液層を供給した。高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、その上に低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層、高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。
高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキCから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層が接触した時に、エチルセルロースが水と接触して析出する。難溶性化合物形成用インキCのインキ液層と難溶性化合物形成用インキFのインキ液層が接触した時も、エチルセルロースが水と接触して析出する。この析出したエチルセルロースにより、高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。また、難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層とが接触した時にポリビニルアルコールと有機チタン化合物が架橋反応して反応生成物が形成される。この反応生成物によっても、高屈折率層形成用インキAから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキEから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(TAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の赤外線反射性フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率層の厚み約0.30μm、低屈折率層の厚み約0.30μmとして、総厚み約0.9μmの赤外線反射性フィルムを得た。なお、高屈折率層と低屈折率層の間の反応生成物の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例8)
実施例8では、下記の手順により、赤外線反射性フィルムを作成した。
下記の組成物の高屈折率層形成用インキLを使用した。
酸化チタン水分散液
「AERODISP(登録商標)−W740」 :60重量部
(日本アエロジル株式会社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :490重量部
下記の組成物から低屈折率層形成用インキMを得た。
酸化ケイ素水分散液 :60重量部
「ルドックス(登録商標)HS―40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :490重量部
下記の組成物の難溶性化合物形成用インキFを使用した。
有機チタン化合物 :3重量部
「オルガチックス(登録商標)TC−310」
(マツモトファインケミカル株式会社製、固形分44%)
イオン交換水 :10重量部
下記の組成物の難溶性化合物形成用インキNを得た。
ポリビニルアルコール :5重量部
「ゴーセノール(登録商標)KL−03」
(日本合成化学株式会社製、固形分100%)
蒸留水 :120重量部
高屈折率層形成用インキLを図1の1t、7tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキFを2t、5tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキNを3t、6tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキMを4tのタンクに充填した。(4t〜7tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3p、インキ供給ポンプ4p、インキ供給ポンプ5p、インキ供給ポンプ6p、インキ供給ポンプ7pの順にポンプを稼動させて各インキ液層を供給した。高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキNから形成されたインキ液層を展開し、その上に低屈折率層形成用インキMから形成されたインキ液層を展開し、さらに難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキNから形成されたインキ液層を展開し、さらに高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。
難溶性化合物形成用インキFから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキNから形成されたインキ液層とが接触した時にポリビニルアルコールと有機チタン化合物が架橋反応して難溶性の反応生成物が形成される。この難溶性の反応生成物により、高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキMから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(TAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の赤外線反射性フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率層の厚み約0.30μm、低屈折率層の厚み約0.30μmとして、総厚み約0.9μmの赤外線反射性フィルムを得た。なお、高屈折率層と低屈折率層の間の反応生成物の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例9)
実施例9では、下記の手順により、赤外線反射性フィルムを作成した。
下記の組成物の高屈折率層形成用インキLを使用した。
酸化チタン水分散液
「AERODISP(登録商標)−W740」 :60重量部
(日本アエロジル株式会社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :490重量部
下記の組成物の低屈折率層形成用インキMを使用した。
酸化ケイ素水分散液 :60重量部
「ルドックス(登録商標)HS―40」
(デュポン社製、固形分40%)
シリコーン・アクリルエマルジョン :240重量部
「シャリーヌ(登録商標)FE−230N」
(日信化学工業株式会社製、固形分10%)
イオン交換水 :490重量部
下記の組成の難溶性化合物形成用インキОを得た。
ポリビニルアルコール「製品番号C506」 :1.5重量部
「株式会社クラレ製、カチオン変性ポリビニルアルコール」
イオン交換水 :20重量部
下記の組成物の難溶性化合物形成用インキPを得た。
アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物 :1.5重量部
「大明化学工業株式会社製、タイポリマー(登録商標)TA−350」
蒸留水 :20重量部
高屈折率層形成用インキLを図1の1t、7tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキОを2t、5tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキPを3t、6tのタンクに充填し、低屈折率層形成用インキMを4tのタンクに充填した。(4t〜7tのタンク、その他設備は図示せず。)
150μmのプライマー処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを図1の5のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、インキ供給ポンプ1p、インキ供給ポンプ2p、インキ供給ポンプ3p、インキ供給ポンプ4p、インキ供給ポンプ5p、インキ供給ポンプ6p、インキ供給ポンプ7pの順にポンプを稼動させて各インキ液層を供給した。高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層の上に難溶性化合物形成用インキОから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキPから形成されたインキ液層を展開し、その上に低屈折率層形成用インキMから形成されたインキ液層を展開し、さらに難溶性化合物形成用インキОから形成されたインキ液層、その上に難溶性化合物形成用インキPから形成されたインキ液層を展開し、さらに高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層と順次インキ液層を積み重ねた。
難溶性化合物形成用インキОから形成されたインキ液層と難溶性化合物形成用インキPから形成されたインキ液層とが接触した時に、難溶性化合物形成用インキО中のカチオン変性ポリビニルアルコールのポリ酸と、難溶性化合物形成用インキP中のアクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物のポリアミドが凝集して難溶性の反応生成物が形成される。この難溶性の反応生成物により、高屈折率層形成用インキLから形成されたインキ液層と低屈折率層形成用インキMから形成されたインキ液層との混合が妨げられる。
積み重ねられたインキ液層はダイコーティングユニットの端でトリアセチルセルロース(TAC)フィルムですくい取られ、TACフィルムに塗布された積み重ねられた液層は乾燥炉6で乾燥された。
得られた積層体は、TAC/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の赤外線反射性フィルムである。各層の厚みはインキ供給ポンプからのインキ供給量と基体のTACフィルムの搬送速度によって調整し、高屈折率層の厚み約0.30μm、低屈折率層の厚み約0.30μmとして、総厚み約0.9μmの赤外線反射性フィルムを得た。なお、高屈折率層と低屈折率層の間の反応生成物の存在は電子顕微鏡の倍率3万倍では確認できなかった。
(実施例10)
実施例10では、下記の手順により、放熱性シートを作成した。
下記の組成物の電気絶縁性且つ熱伝導性インキJを使用した。
ポリビニルブチラール樹脂「エスレック(登録商標)BM−5」 :30重量部
(積水化学工業株式会社製)
ジイソシアネート「コロネート(登録商標)T−80」 :12重量部
(日本ポリウレタン工業株式会社製、45%酢酸エステル溶液)
窒化ホウ素(グレードPTX15) :120重量部
(MOMENTIVE社、球状窒化ホウ素、粒径15μm)
エチルアルコール :50重量部
メチルエチルケトン :20重量部
下記の組成物から難溶性化合物形容用インキQを得た。
アクリルポリオール「♯6000シリーズ、6AN‐828」 :10重量部
(大成ファインケミカル株式会社製、49%酢酸エチル/酢酸ブチル溶液)
酢酸エチル/酢酸ブチル(1対1混合溶液) :110重量部
下記の組成物から難溶性化合物形成用インキRを得た。
有機チタン化合物「オルガチックス(登録商標)ТC‐401」 :10重量部
(マツモトファインケミカル株式会社製、65%プロピルアルコール溶液)
トルエン/プロビルアルコール(1対1混合溶液) :150重量部
電気絶縁性−熱伝導性インキJを図1の1t、4t、7tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキQを2t、5tのタンクに充填し、難溶成化合物形成用インキRを3t、6tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク及び関連する設備は図示せず。)
インキ供給ポンプ1pから順番にインキ供給ポンプ7pまで各タンク内のインキを送り出すと、難溶性化合物形成用インキQから形成されたインキ液層のアクリルポリオール樹脂と、難溶性化合物形成用インキRから形成されたインキ液層の有機チタン化合物と接触した時に架橋反応をして、難溶性の反応生成物ができる。この難溶性の反応生成物が電気絶縁性熱伝導性インキJから形成されたインキ液層が他の電気絶縁性熱伝導性インキJから形成されたインキ液層と混合するのを妨げる。
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを図1の6のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って落下してきた、積み重ねられたインキ液層をダイコーティングユニットの端から落下する時にポリエチレンテレフタレートフィルム5にすくい取って、乾燥炉6で乾燥した後に、巻き取った。ロール状で70℃の恒温室で5日間の熱硬化処理して、窒化ホウ素の粒子を含有する電気絶縁性−熱伝導性層を3層有する放熱性シートを製造した。各層の厚みは乾燥状態で65μmになるように調整し、全厚約200μmとなるようにした。
なお、電気絶縁性、熱伝導性インキJを一度に200μmを塗布する代わりに、3層に分けて塗布する理由は、窒化ホウ素粒子を塗膜中に均一に分散させるためである。1層で200μmの量を塗布すると、液量が多いために液が流れて不均一になってしまうおそれがあり、また、フィルム近傍には粒子が沈殿して粒子密度が高くなり、塗布面の表面近傍はバインダーの割合が多く粒子の密度が少なくなってしまうおそれがある。そこで、塗布層を3層に分けて、層間に生成する難溶性の反応生成物でインキ液層を挟むことによりインキが不規則に流れることを防ぎ、難溶性の生成物を挿入することによりインキ液層間の混合を防ぎ、粒子の分布をより均一にすることができるものと考えられる。
(実施例11)
実施例11では、下記の手順により、放熱性シートを作成した。
下記の組成物の電気絶縁性且つ熱伝導性インキJを使用した。
ポリビニルブチラール樹脂「エスレック(登録商標)BM−5」 :30重量部
(積水化学工業株式会社製)
ジイソシアネート「コロネート(登録商標)T−80」 :12重量部
(日本ポリウレタン工業株式会社製、45%酢酸エステル溶液)
窒化ホウ素(グレードPTX15) :120重量部
(MOMENTIVE社、球状窒化ホウ素、粒径15μm)
エチルアルコール :50重量部
メチルエチルケトン :20重量部
下記の組成物から難溶性化合物形容用インキSを得た。
ポリビニルブチラール樹脂「エスレック(登録商標)BX−1」 :5重量部
(積水化学工業株式会社製)
エチルアルコール :100重量部
下記の溶剤を難溶性化合物形成用溶剤インキTとした。
ジイソブチルケトン(DIBK)
電気絶縁性−熱伝導性インキJを図1の1t、4t、7tのタンクに充填し、難溶性化合物形成用インキSを2t、5tのタンクに充填し、難溶成化合物形成用溶剤インキТを3t、6tのタンクに充填した。(4t、5t、6t、7tのタンク及び関連する設備は図示せず。)
インキ供給ポンプ1pから順番にインキ供給ポンプ7pまで各タンク内のインキを送り出すと、難溶性化合物形成用インキSから形成されたインキ液層中のポリビニルブチラール樹脂BX−1は、エチルアルコールには可溶であるが、難溶性化合物形成用溶剤インキТのDIBKには不溶性であるので、DIBKから形成された溶剤層と接触した時に析出をして、難溶性の析出物ができる。この難溶性の析出物が電気絶縁性熱伝導性インキJから形成されたインキ液層が他の電気絶縁性熱伝導性インキJから形成されたインキ液層と混合するのを妨げる。
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを図1の6のように、コーティングロール4に抱かせて搬送しながら、ダイコーティングユニットの斜面に沿って落下してきた、積み重ねられたインキ液層をダイコーティングユニットの端から落下する時にポリエチレンテレフタレートフィルム5にすくい取って、乾燥炉6で乾燥した後に、巻き取った。ロール状で70℃の恒温室で5日間の熱硬化処理して、窒化ホウ素の粒子を含有する電気絶縁性−熱伝導性層を3層有する放熱性シートを製造した。各層の厚みは乾燥状態で65μmになるように調整し、全厚約200μmとなるようにした。
本発明の積層体の製造方法は、同時多層塗布方法を採用しているので、様々な用途の積層体のコストの削減可能性がある。
1t:インキタンク
2t:インキタンク
3t:インキタンク
1p:インキ供給ポンプ
2p:インキ供給ポンプ
3p:インキ供給ポンプ
1:スリット
2:スリット
3:スリット
1s:インキ液層
2s:インキ液層
3s:インキ液層
4:コーティングロール
5:基体
6:乾燥炉
11:ダイコーティングユニット

Claims (6)

  1. 複数の層形成用インキ、および難溶性化合物形成用インキを準備して、
    該複数の層形成用インキ、および該難溶性化合物形成用インキから、複数の層形成用インキ液層および難溶性化合物形成用インキ液層を各々形成して、
    該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物形成用インキ液層を、層形成用インキ液層と難溶性化合物形成用インキ液層と層形成用インキ液層との積層構造が形成されるように積み重ね、
    積み重ねた時に、該積層構造の層形成用インキ液層と層形成用インキ液層との間に難溶性化合物を形成させ、
    積み重ねられた該複数の層形成用インキ液層、および該難溶性化合物を基体に塗布し乾燥することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 該積層構造の層形成用インキ液層を形成するための層形成用インキのいずれか一方または両方が反応成分を含有し、かつ該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが反応成分を含有し、
    該難溶性化合物が、層形成用インキに含有された反応成分と難溶性化合物形成用インキに含有された反応成分との反応によって形成される反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 該積層構造の層形成用インキ液層を形成するための層形成用インキのいずれか一方または両方が析出誘起成分を含有し、かつ該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが析出成分を含有し、
    該難溶性化合物が、難溶性化合物形成用インキに含有された析出成分の析出によって形成される析出物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  4. 該積層構造の層形成用インキ液層を形成するための層形成用インキのいずれか一方または両方が析出成分を含有し、かつ該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成インキが析出誘起成分を含有し、
    該難溶性化合物が、層形成インキに含有された析出成分が難溶性化合物形成用インキの析出誘起成分により形成される析出物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  5. 該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが複数あり、該複数の難溶性化合物形成用インキが反応成分を含有し、
    該難溶性化合物が、難溶性化合物形成用インキに含有された反応成分とその他の難溶性化合物形成用インキに含有された反応成分との反応によって形成される反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  6. 該積層構造の難溶性化合物形成用インキ液層を形成するための難溶性化合物形成用インキが複数あり、該複数の難溶性化合物形成用インキが析出誘起成分または析出成分を含有し、
    該難溶性化合物が、難溶性化合物形成用インキに含有された析出成分の析出によって形成される析出物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
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