JP5870112B2 - 呼吸器合胞体ウイルス感染を治療するための化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、ウイルス感染、特に呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染の治療に有用な化合物に関する。本発明はまた、該化合物の製造法にも関する。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、成人、幼児(young children)及び乳児(infants)における急性上気道及び下気道感染(LRTI)の主因である。リスク集団は、入院患者、高齢者及び高リスク成人などであるが、RSVは乳児における流行及び予後不良の重大性から、主に小児科疾患と見なされている。急性LRTIは世界中の小児期死亡及び発病の主因である。血清学的証拠によれば、西洋では、全小児のおよそ95%が2歳までにRSVに感染し、100%の小児が成人期に達するまでに暴露されることが示されている。
RSVは、北半球では一般的に11月から3月/4月にかけて流行する季節性感染症である。より熱帯性の気候では、年間の流行はもっと変動的であるが、雨期と一致することが多い。ほとんどの場合、RSV感染は、風邪の症状に似た症状を有する軽い上気道疾患しか起こさない。しかしながら、ウイルスによる重症感染は、入院又は死を招きかねない細気管支炎又は肺炎をもたらしうる。さらに、RSV感染に対する免疫反応は防御性ではないので、RSV感染は成人期を通して再発する。成人における年間再感染率3〜6%が観察されている。
RSVは乳児における急性LRTIの主因である。RSV感染の症状は、細気管支炎、咳、喘鳴、ラ音(肺におけるパチパチ音)、軽度の発熱(38.3℃)、経口摂取の減少などであるが、より進行した感染例では高熱を発している患者の20%までにチアノーゼが起こりうる。所与の年において、米国だけでも4歳未満の小児4〜5百万人が急性RSV感染を発症し、125,000人を超える乳児がRSV関連疾患で入院していると推定されている。RSV感染乳児の25〜40%は肺炎及び細気管支炎の徴候を示す。RSV感染のリスク及び重症度は、例えば慢性肺疾患、先天性心疾患のような慢性合併症を有する乳児、未熟児及び免疫不全を有する乳児で増大する。
成人及び年長児では、RSV感染は、上気道感染、気管気管支炎、及び中耳炎と関連している。しかしながら、施設に収容されている高齢者のRSVはより重篤になり得、それぞれ20及び78%までの重症肺炎及び死亡率を特徴とする。鬱血性心不全のような心臓疾患、又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎及び喘息のような肺疾患の既往歴がある成人は、免疫抑制のある成人、例えば造血幹細胞又は肺移植を受けている成人及び白血病患者と同様、RSV感染のリスクが高い。
RSV感染は医療制度にも大きな負担を掛けている。これは、他のRSV感染患者よりも平均で2倍長く入院する(3〜4日に対して7〜8日)例えば免疫不全乳児のような乳児の場合、特にそうである。急性RSV関連細気管支炎又はRSV関連肺炎を有する乳児の入院は、酸素療法、脱水防止のための水分、鼻吸引及び呼吸補助を伴う支持療法管理を必要とする。また、仕事から離れて子供の看病をする両親に関連する経済的影響もある。
RSVはパラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)及びフィロウイルス科(Filoviridae)の非分節マイナス鎖RNAウイルスからなるモノネガウイルス目(Mononegavirales)の一員である。ヒトのRSV(RSV又はHRSVと呼ばれることも多い)は、パラミクソウイルス科の中のニューモウイルス亜科(Pneumovirinae)のニューモウイルス属(Pneumovirus)の一員である。構造タンパク質における遺伝的変異及び抗原変異に基づくと、RSVは二つのサブグループA及びBに分類される(Mufson,M.ら,J.Gen.Virol.66:2111−2124)。ニューモウイルス属のその他のメンバーは、中でも、ウシRSV(BRSV)、ヒツジRSV(ORSV)及びマウス肺炎ウイルス(PVM)のようなウイルスを含む。
前述したゲノム特性に加えて、科の特徴は、宿主細胞の付着及び侵入に関連すると考えられている一つ又は複数の糖タンパク質種を含有する脂質エンベロープを含む。侵入は、ウイルスのエンベロープが宿主細胞の膜と融合するプロセスを必要とすると考えられている。感染細胞と、例えばそれらの隣接細胞との融合は、場合によってはシンシチウム(合胞体)として知られる融合多核細胞の形成をもたらすこともできる。融合プロセスは、糖タンパク質媒介性であると考えられ、他の分類群の多様なエンベロープ付きウイルスと共有される特徴である。パラミクソウイルス科の場合、すべての属のウイルスは、膜融合を媒介する融合糖タンパク質(F)を特徴的に発現している。
重症RSVの治療用として現在承認されている唯一の小分子薬物は、抗ウイルス薬のVirazole(登録商標)(吸入用リバビリン溶液)である。この薬剤は、ウイルス増殖抑制効果を有する広域抗ウイルス薬で、RSV複製を阻害することによって作用する。残念なことに、その毒性のために、該薬剤の投与は病院施設に限定される。その投与は、一定の有害作用の可能性を最小限にするために、薬剤投与時に厳密な手順プロセスを踏む必要があることにより、さらに複雑である。該薬剤は、呼吸機能の突然の増悪(気管支けいれん(bronchiospasm))を含むいくつかの有害作用を有する。Virazoleは、その費用及び毒性の可能性のために滅多に処方されない。Virazoleの効能についても依然として議論が分かれている。
有効なRSV抗ウイルス療法が不在の中で、いくつかの予防対策が研究されている。RSV用として認可されたワクチンはないが、RSVによる重症下気道疾患のリスクが高い乳児に対する予防分野のほか、LRTIの低減においても、それなりの成功が収められている。高リスク乳児を重症LRTIから守るために承認された一つの免疫グロブリンベースの療法は、RSV−IGIVである(RSV−免疫グロブリン静注用、RespiGam(登録商標)としても知られている)。RespiGamは、慢性肺疾患(CLD)又は早産歴(妊娠≦35週)のある乳児及び24ヶ月未満の幼児における重症RSV下気道疾患の予防用として、1996年1月に食品医薬品局の認可を受けた。Synagis(登録商標)(パリビズマブ (palivizumab))も別の免疫グロブリンベースの療法である。さらに詳しくは、高リスク小児患者におけるRSV関連の重症下気道疾患の予防に適応されるモノクローナル抗体である。1998年6月、食品医薬品局は、Synagisを月1回の筋肉内注射として、RSVシーズン開始前に始めて合計5回の投与を続けるという投与用として認可した。しかしながら、投与に伴う困難さとその高い費用のために広範な使用が妨げられている。さらに、米国小児科学会(AAP、American Association of Paediatricians)は、最近、Synagisの使用に関する勧告を更新し、その発効により、起こり得るRSV循環に従って入院のリスクが最も高い乳児に対する使用がさらに制限されている。重症RSV疾患で入院している乳児集団のおよそ70%は満期産児で、彼らは治療の承認がない中、Synagisの投与対象から外れている。
従って、RSV感染の治療に有用な新規化合物に対する継続的なニーズは依然としてある。
WO2008/037011にRSV感染の治療に有用な化合物が記載されている。本発明の化合物は、WO2008/037011の一般的範囲内に含まれるが、その中には具体的に開示されていない。本発明の発明者らは、ヒトにおけるRSV感染の治療に適切な薬物様化合物に望ましいと考えられる性質を有する新規クラスの化合物を発見した。望ましい性質とは、RSVに対する効力;増強された水溶性;水溶液、血液及び血漿のような媒体中での良好な安定性;ヒト血漿タンパク質への低又は中程度の結合性;及びhERGイオンチャンネルの低阻害性(例えば、hERG IC50はRSV EC50より>500倍高い)などである。
国際公開第2008/037011号
Mufson,M.ら,J.Gen.Virol.66:2111−2124
第一の側面に従って、式(I):
Figure 0005870112
[式中、
及びXは、CH及びNから独立に選ばれ、ここで、X又はXの少なくとも一つはNであり;
は、置換されていてもよく、炭素環、ヘテロ環及び芳香環から選ばれ;
は、C1−6アルキル、ハロC1−3アルキル及びC1−3アルコキシから選ばれ;そして
は、Hであるか、又は置換基であってもよい]
の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を提供する。
好適な態様において、Rは、C1−3アルキル又はCFであり、メチルが特に好適である。
さらに別の好適な態様において、XはNである。特に好適な態様において、XはNであり、XはCHである。別の特に好適な態様において、XはNであり、XはNである。
さらに別の好適な態様において、RはHである。
第二の側面において、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩の製造法を提供し、該方法は、式II:
Figure 0005870112
の化合物を、式III:
Figure 0005870112
の化合物とアシル化条件下で反応させるステップを含み、
式中、X、X、R、R及びRは、式(I)で定義の通りである。
式(I)の化合物はRSV抗ウイルス薬であるので、RSV感染の治療に有用である。従って、本発明の化合物は、それ故に、細気管支炎又は肺炎のようなRSV疾患の治療、又は基礎もしくは既存の呼吸器疾患又は状態の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)の低減にも有用である。基礎又は既存の呼吸器疾患又は状態とは、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び骨髄移植者が経験する免疫抑制のような免疫抑制を含みうる。
第三の側面において、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を含むRSV抗ウイルス薬を提供する。
また、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩の、RSV抗ウイルス薬としての使用も提供する。
さらに、RSV抗ウイルス薬として使用するための式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩も提供する。
式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩は、製薬学的に許容しうる担体との医薬組成物の形態で投与することもできる。
第四の側面において、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩と、製薬学的に許容しうる担体とを含む医薬組成物を提供する。
一態様において、その抗ウイルス薬又は組成物は、一つ又は複数の他のRSV抗ウイルス薬も含む。
第五の側面において、RSV感染の治療法を提供し、該方法は、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩、その抗ウィルス薬又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。
第六の側面において、RSV疾患の治療法を提供し、該方法は、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩、その抗ウィルス薬又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。また、基礎又は既存の呼吸器疾患の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)を低減する方法も提供し、該方法は、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩、その抗ウィルス薬又は医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。
さらに、RSV感染又はRSV疾患を治療するための、又は基礎もしくは既存の呼吸器疾患の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)を低減するための医薬製造における式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩、その抗ウィルス薬又は医薬組成物の使用も提供する。
さらにまた、RSV感染又はRSV疾患を治療するため、又は基礎もしくは既存の呼吸器疾患の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)を低減するための式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩、その抗ウィルス薬又は医薬組成物の使用も提供する。
なおさらに、RSV感染又はRSV疾患の治療、又は基礎もしくは既存の呼吸器疾患の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)の低減に使用するための式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩、その抗ウィルス薬又は医薬組成物も提供する。
本発明は、RSV抗ウイルス薬で、RSV感染又はRSV疾患の治療、又は基礎もしくは既存の呼吸器疾患の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)の低減に有用な、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩に関する。
理論に拘束されるつもりはないが、3−置換イソオキサゾール−4−イルとヘテロ芳香族コア環の組合せは、望ましい性質を備えた新規クラスの強力なRSV抗ウイルス薬を提供すると考えられる。縮合ヘテロ芳香族コア環の窒素(一つ又は複数)の位置も、化合物の性質に影響すると考えられる。
化合物
一態様において、式(I):
Figure 0005870112
[式中、
及びXは、CH及びNから独立に選ばれ、ここで、X又はXの少なくとも一つはNであり;
は、置換されていてもよく、3〜10員の炭素環、例えば3〜7員のシクロアルキル又は9〜10員の縮合二環式炭素環;5〜6員の単環式ヘテロサイクリル;9〜10員の縮合二環式ヘテロサイクリル;及び6員の芳香環から選ばれ;
は、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル及びC1−3アルコキシから選ばれ;そして
は、Hであるか、又は置換基であってもよい]
の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を提供する。
更なる態様において、Rが、置換されていてもよく、Cシクロアルキル、フェニル、5〜6員のヘテロサイクリル及び9員の縮合二環式ヘテロサイクリルから選ばれる、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を提供する。Cシクロアルキル、6員のヘテロサイクリル及びフェニルのような6員環が特に好適で、フェニルのような芳香環及び6員のヘテロサイクリルがなおさらに好適である。Rの例は、フェニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラヒドロピラニル、シクロヘキシル、シクロヘキサノン、シクロペンチル、ベンズイミダゾリル、ジヒドロベンゾフリル、チアニル、チアニルオキシド、チアニルジオキシド、ベンゾジオゾリル(benzodiozolyl)、インドリル、ピペリジノニル及びインドリニルなどである。フェニルが特に好適である。
一態様において、Rは、1、2又は3個の任意選択の置換基で置換されている。更なる態様において、Rは二置換である。特に好適な態様において、Rは一置換である。
一態様において、Rが6員環で、任意に一置換又は二置換の場合、Rは好ましくはパラ及び/又はメタ置換、さらに好ましくはパラ置換であろう。
なお更なる態様において、Rが置換されていてもよいフェニルの場合、Rは好ましくはパラ及び/又はメタ置換、さらに好ましくはパラ置換であろう。特に好適な態様において、Rはパラ置換フェニルである。
上の特に好適な置換基は、ハロゲン、例えばF又はCl;C1−4アルキル、例えばメチル;C1−4アルコキシ、例えばOCH又はCHOCH;OH;ハロC1−4アルキル、例えばCF又はCHF;C1−4アルキルOH、例えばCHOH、窒素及び/又は酸素を含有する5〜6員ヘテロサイクリル、例えばモルホリニル、ピペリジニル又はピロリジニル;N(C1−4アルキル)、例えば−N(CH;−O−(CH1−4OH、例えば−OCHCHOH;及び−O−(CH1−4OC1−4--アルキル、例えば−OCHCHOCHなどである。なおさらに好適なR上の置換基は、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロなどで、メチル、メトキシ、CF、Cl及びFが特に好適で、Cl及びFが最も好適である。
別の態様において、式(Ia):
Figure 0005870112
[式中、
、R及びRは式(I)で定義の通りである]の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を提供する。
別の態様において、式(Ib):
Figure 0005870112
[式中、X及びRは式(I)で定義の通りであり、mは、0、1、2又は3から選ばれる整数であり、Rは任意選択の置換基である]の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を提供する。式(Ib)の一態様において、XはCHである。式(Ib)のさらに別の態様において、XはNである。
好ましくは、mは1又は2、さらに好ましくは1であり、任意選択の置換基はRで前に定義の通りである。C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ又はC1−3アルコキシは特に好適なR基で、メチル、メトキシ、CF及びハロはさらに好適で、Cl及びFは最も好適である。
特に好適な態様において、式(Ic):
Figure 0005870112
[式中、Xは式(I)で定義の通りであり、Rは前に定義された通りの任意選択の置換基である]の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩を提供する。式(Ic)の一態様において、XはCHであり、Rは、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ又はC1−3アルコキシ、さらに好ましくは、メチル、メトキシ、CF及びハロから選ばれ、Cl及びFが特に好適である。式(Ic)のさらに別の態様において、XはNであり、Rは、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ又はC1−3アルコキシ、さらに好ましくは、メチル、メトキシ、CF及びハロから選ばれ、Cl及びFが特に好適である。
別の態様において、下記:
(1)5a−(4−クロロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
(2)10a−(4−クロロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(3)10a−(4−メトキシフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(4)10a−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(5)5a−(4−フルオロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
(6)10a−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(7)10a−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(8)5a−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
(9)5a−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
(10)10a−(2−クロロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(11)10a−シクロヘキシル−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(12)10a−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(13)10a−(4−クロロフェニル)−1−{[3−(トリフルオロメチル)−1,2−オキサゾール−4−イル]カルボニル}−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;及び
(14)10a−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン
からなる群から選ばれる化合物又はそのラセミ化合物、単一エナンチオマー、任意の比率のエナンチオマー混合物及び/又はその塩を提供する。
当業者であれば、キラル中心を有する化合物は、そのラセミ化合物、単一エナンチオマー又は任意の比率のエナンチオマー混合物として存在しうることは分かるであろう。
従って、さらに別の態様において、単一エナンチオマー又は任意の比率のエナンチオマー混合物としての式(I)の化合物(又はその塩)を提供する。さらに好ましくは、式(I)の化合物は、式(I-i):
Figure 0005870112
[式中、X、X、R、R及びRは、式(I)で定義の通りである]の単一エナンチオマー又はその塩の形態である。
更なる態様において、式(Ia-i):
Figure 0005870112
[式中、X、R及びRは、式(I)で定義の通りである]の化合物又はその塩を提供する。
なお更なる態様において、式(Ib-i):
Figure 0005870112
[式中、X及びRは、式(I)で定義の通りであり、m及びRは、式(Ib)で定義の通りである]の化合物又はその塩を提供する。C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ又はC1−3アルコキシは特に好適なR基で、メチル、メトキシ、CF及びハロはさらに好適で、Cl及びFは最も好適である。式(Ib-i)の一態様において、XはCHである。式(Ib-i)のさらに別の態様において、XはNである。
さらに別の態様において、式(Ic-i):
Figure 0005870112
[式中、Xは式(I)で定義の通りであり、Rは前に定義された通りの任意選択の置換基である]の化合物又はその塩を提供する。式(Ic-i)の一態様において、XはCHであり、Rは、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ又はC1−3アルコキシ、さらに好ましくは、メチル、メトキシ、CF及びハロから選ばれ、Cl及びFが特に好適である。式(Ic-i)のさらに別の態様において、XはNであり、Rは、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ又はC1−3アルコキシ、さらに好ましくは、メチル、メトキシ、CF及びハロから選ばれ、Cl及びFが特に好適である。
さらに別の態様において、下記:
(1A)(5aS)−5a−(4−クロロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
(2A)(10aS)−10a−(4−クロロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(4A)(10aS)−10a−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
(5A)(5aS)−5a−(4−フルオロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;及び
(6A)(10aS)−10a−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン
からなる群から選ばれる単一エナンチオマーの形態の式(I)の化合物又はその塩を提供する。
本明細書において、用語“イソオキサゾール”は、1,2−オキサゾールを意味する。
本明細書において、用語“C1−6アルキル”又は“C1−3アルキル”は、1〜6個又は1〜3個の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖炭化水素基を包含し、式−C2x+1[式中、xは1〜6の整数である]の基を包含する。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語“C1−6アルキル”は、その基が二つの位置を介して結合されるように、1個少ない水素原子を含有するアルキル基も包含する。そのような基は“C1−6アルキレン”基とも呼ばれる。
本明細書において、用語“C1−6アルコキシ”又は“C1−4アルコキシ”又は“C1−3アルコキシ”は、基−OC2x+1[式中、xは1〜6、又は1〜4、又は1〜3の整数である]のことを言う。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシなどが挙げられる。酸素原子は、炭化水素鎖に沿って位置しうるが、該基を化合物の残り部分に連結する原子である必要はない。
本明細書において、用語“ハロC1−6アルキル”又は“ハロC1−4アルキル”又は“ハロC1−3アルキル”は、一つ又は複数のハロゲンで置換されているC1−6アルキル、又はC1−4アルキル又はC1−3アルキル、例えばCHF及びCFのことを言う。
用語“C2−6アルケニル”は、該当する場合、E又はZいずれかの立体化学の少なくとも一つの二重結合と2〜6個の炭素原子とを有する置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖炭化水素基のことを言う。例としては、ビニル、1−プロペニル、1−及び2−ブテニル、2−メチル−2−プロペニルヘキセニル、ブタジエニル、ヘキサジエニル、ヘキサトリエニルなどが挙げられる。文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語“C1−6アルケニル”は、その基が二つの位置を介して結合されるように、1個少ない水素原子を含有するアルケニル基も包含する。そのような基は“C2−6アルケニレン”基とも呼ばれる。
用語“C2−6アルキニル”は、少なくとも一つの三重結合と2〜6個の炭素原子とを有する置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖炭化水素基のことを言う。例としては、エチニル、1−プロピニル、1−及び2−ブチニル、2−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語“C2−6アルキニル”は、その基が二つの位置を介して結合されるように、1個少ない水素原子を含有するアルキニル基も包含する。そのような基は“C2−6アルキニレン”基とも呼ばれる。
本明細書において、用語“炭素環(式の)”は、シクロアルキル及び縮合シクロアルキル基を包含する。例としては、3〜10員の炭素環、例えば3〜8員のシクロアルキル又は9〜10員の縮合二環式炭素環が挙げられる。
用語“シクロアルキル”は、3〜8個の炭素原子を有しうる非芳香族環状炭化水素基のことを言い、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを含む。シクロアルキル基は、シクロヘキシルのように飽和でも、又はシクロヘキセニルのように不飽和でもよいことは分かるであろう。また、シクロアルキル基は、シクロペンタノン、シクロヘキサノン又はシクロヘプタノンのようなシクロケトンを含むことも理解されるであろう。
用語“縮合シクロアルキル”は、2個のシクロアルキル基が一緒に縮合して9〜10員の縮合二環式炭素環を形成していることを言う。例としては、デカリン及びヘキサヒドロインダンが挙げられる。
用語“芳香環”又は“アリール”は、炭素環式(非ヘテロ環式)芳香環又は芳香族ヘテロサイクリルを含有する任意の基のことを言い、単環系、二環系又は三環系でありうる。芳香環又は環系は、一般的に6〜10個の炭素原子で構成される。そのような基は、縮合環系(例えば、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、アントラセニルなど)、連結環系(例えばビフェニル基)を含有しうる。置換されていることもされていないこともある。
炭素環式芳香族基の例は、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びテトラヒドロナフチルのようなアリール基を含む。
用語“ヘテロサイクリル”又は“ヘテロ環式の”は、芳香族ヘテロサイクリル及び非芳香族ヘテロサイクリルを包含する。
用語“芳香族ヘテロサイクリル”は、用語“ヘテロ芳香族”又は用語“ヘテロアリール”と互換的に使用できる。用語“芳香族ヘテロサイクリル”は、擬似芳香族ヘテロサイクリルも包含する。用語“擬似芳香族”とは、厳密に芳香族ではないが、電子の非局在化によって安定化し、芳香環と同様に挙動する環系のことを言う。芳香族ヘテロサイクリル基中のヘテロ原子は、N、S及びOから選ばれうる。そのような基は置換されていることもされていないこともある。
芳香族ヘテロサイクリル基は、5員又は6員の単環式芳香環系、例えば、酸素及び/又は窒素を含有する5員の芳香族ヘテロサイクリル、又は1もしくは2個の窒素を含有する6員の芳香族ヘテロサイクリルでありうる。
5員の単環式芳香環系の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,3及び1,2,4オキサジアゾリルを含む)、チアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(1,2,3、1,2,4及び1,3,4トリアゾリルを含む)、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3及び1,3,4チアジアゾリルを含む)などである。6員の単環式芳香環系の例は、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニルなどである。1個の窒素を含有する6員の芳香族ヘテロサイクリルの例はピリジルなどである。2個の窒素を含有する6員の芳香族ヘテロサイクリルの例はピラジニルなどである。
芳香族ヘテロサイクリル基は、縮合環系(例えば、プリン、プテリジニル、ナフチリジニル、1Hチエノ[2,3−c]ピラゾリル、チエノ[2,3−b]フリルなど)又は連結環系(例えば、オリゴチオフェン、ポリピロールなど)のような二環式又は多環式ヘテロ芳香環系のこともある。縮合環系は、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニルなどのような炭素環式芳香環に縮合した芳香族5員又は6員ヘテロサイクリル、例えば、フェニル環に縮合した、窒素を含有する5員の芳香族ヘテロサイクリル、フェニル環に縮合した、1又は2個の窒素を含有する5員の芳香族ヘテロサイクリルも含みうる。
炭素環式芳香環に縮合した芳香族ヘテロサイクリルの例は、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ベンゾトリアジニル、フタラジニル、カルボリニルなどである。フェニル環に縮合した、1個の窒素を含有する5員の芳香族ヘテロサイクリルの例はインドリルなどである。フェニル環に縮合した、2個の窒素を含有する5員の芳香族ヘテロサイクリルの例はベンズイミダゾリルなどである。
窒素を含有する芳香族ヘテロサイクリルの適切な誘導体はそのN−オキシドを含むことは理解されるであろう。
用語“非芳香族ヘテロサイクリル”は、O、N及びSからなる群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有する置換されていてもよい飽和及び不飽和環を包含する。非芳香族ヘテロサイクリルは、5員、6員又は7員の単環式環、例えば、窒素及び/又は酸素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリル、1個の窒素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリル、酸素、窒素及び/又は硫黄を含有する6員のヘテロサイクリル、1個の酸素、硫黄又は窒素を含有する6員のヘテロサイクリル、2個の窒素を含有する6員のヘテロサイクリル、及び1個の窒素と1個の酸素を含有する6員のヘテロサイクリルでありうる。
5員の非芳香族ヘテロサイクリル環の例は、2H−ピロリル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリニル、2−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、2−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、3−ジオキサラニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、2−イミダゾリニルなどである。1個の窒素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリルの例はピロリジニルなどである。
6員の非芳香族ヘテロサイクリルの例は、ピペリジニル、ピペリジノニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、2Hピラニル、4Hピラニル、チアニル、チアニルオキシド、チアニルジオキシド、ピペラジニル、ジオザニル(diozanyl)、1,4−ジオキシニル、1,4−ジチアニル、1,3,5−トリオザラニル(triozalanyl)、1,3,5−トリチアニル、1,4−モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−オキサチアニル、トリアジニル、1,4−チアジニルなどである。1個の酸素を含有する6員のヘテロサイクリルの例はテトラヒドロピラニルなどである。1個の硫黄を含有する6員のヘテロサイクリルの例は、チアニル、チアニルオキシド及びチアニルジオキシドなどである。1個の窒素を含有する6員のヘテロサイクリルの例は、ピペリジニル及びピペリジノニルなどである。2個の窒素を含有する6員のヘテロサイクリルの例はピペラジニルなどである。1個の窒素と1個の酸素を含有する6員のヘテロサイクリルの例はモルホリニルなどである。
7員の非芳香族ヘテロサイクリルの例は、アゼパニル、オキセパニル、チエパニルなどである。
非芳香族ヘテロサイクリル環は、連結環系(例えばウリジニルなど)又は縮合環系のような二環式ヘテロサイクリル環でもよい。縮合環系は、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニルなどのような炭素環式芳香環に縮合した非芳香族5員、6員又は7員のヘテロサイクリル、例えば、フェニル環に縮合した、酸素及び/又は窒素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリル、フェニル環に縮合した、1個の酸素又は窒素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリル、及び2個の酸素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリルも含みうる。
炭素環式芳香環に縮合した非芳香族5員、6員又は7員のヘテロサイクリルの例は、インドリニル、ベンゾジアゼピニル、ベンズアゼピニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキソリルなどである。フェニル環に縮合した、1個の酸素又は窒素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリルの例は、ジヒドロベンゾフラニル及びインドリニルなどである。フェニル環に縮合した、2個の酸素を含有する5員の非芳香族ヘテロサイクリルの例はベンゾジオキソリルなどである。
別段の定義のない限り、本明細書中で使用されている用語“置換されていてもよい”又は“任意選択の置換基”又は“置換基であってもよい”は、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリール、アルデヒド、ハロゲン、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルケニル、ハロC1−6アルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、C1−6アルキルヒドロキシ、C1−6アルコキシ、−OC1−6アルキルヒドロキシ、−OC1−6アルキルC1−6アルコキシ、C1−6アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロC1−6アルキル、ニトロC1−6アルケニル、ニトロC1−6アルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロサイクリル、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、C1−6アルケニルアミノ、C1−6アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アシル、C1−6アルケニルアシル、C1−6アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアミノ、ハロへテロサイクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、C1−6アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、リン含有基などから選ばれる一つ又は複数の基でさらに置換されていてもされていなくてもよいことを言う。
本発明の化合物は、製薬学的に許容しうる塩として製造することもできる。当然のことながら、非製薬学的許容塩も、製薬学的に許容しうる塩の製造における中間体として有用であるので、本発明の範囲内に含まれる。製薬学的に許容しうる塩の例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどのような製薬学的に許容しうるカチオンの塩;塩酸、オルトリン酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、臭化水素酸などのような製薬学的に許容しうる無機酸の酸付加塩;及び酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸、ムチン酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トリハロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリル酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、吉草酸、オロチン酸などのような製薬学的に許容しうる有機酸の塩などである。アミン基の塩は、アミノ窒素原子が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル部分などのような適切な有機基を持つ第四級アンモニウム塩も含みうる。
塩は、遊離塩基形の化合物を1当量以上の適切な酸と反応させるなどの従来手段によって形成できる。
製薬学的に許容しうる塩と言う場合、その溶媒付加形又は結晶形、特に溶媒和物又は多形を含むことは理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量の溶媒を含有し、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール又はイソプロピルアルコール、DMSO、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)などのような製薬学的に許容しうる溶媒との結晶化のプロセス中に、溶媒が、非共有結合か又は結晶格子中の空孔を占有するかのいずれかによって結晶格子の一部を形成することにより形成されうる。水和物は溶媒が水の場合に形成され;アルコラートは溶媒がアルコールの場合に形成される。本発明の化合物の溶媒和物は、本明細書中に記載のプロセス中に都合よく製造又は形成できる。
式(I)の化合物はキラル中心を有しているので、ラセミ化合物又はR−もしくはS−エナンチオマーとして存在しうることは分かるであろう。従って、化合物は、精製されたエナンチオマー又はジアステレオマー、又はその任意の比率の混合物として使用できる。一態様において、単一立体異性形の上記定義の式(I)の化合物を提供する。異性体は、クロマトグラフィー法又は分割剤の使用によって従来式に分離できる。あるいは、キラル中間体を使用する不斉合成によって個別の異性体を製造してもよい。化合物が少なくとも一つの炭素炭素二重結合を有する場合、Z−及びE−形で存在しうる。化合物のすべての異性体形態は本発明に含まれる。
本発明は、式(I)の化合物のプロドラッグも包含する。
用語“プロドラッグ”は、本明細書においてはその最も広い意味において使用され、インビボで式(I)の化合物に変換される化合物を含む。プロドラッグ戦略の使用は、薬物のその作用部位への送達を最適化する。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシル、又はカルボン酸基を有する化合物はプロドラッグに変換できる。
医薬組成物
本発明は、式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又はその製薬学的に許容しうる塩と、製薬学的に許容しうる担体とを含む医薬組成物も提供する。
医薬組成物は、さらに、Virazole(登録商標)のような一つ又は複数の他のRSV抗ウイルス薬との組合せを含む又は投与することもできる。
用語“組成物”は、活性成分と従来の担体及び賦形剤との製剤、そしてまた担体としての封入材料との製剤を含むものとする。担体としての封入材料とは、カプセルを製造するためのもので、カプセルでは活性成分(他の担体と共に又は他の担体なしで)が封入担体に包囲されている。いずれの担体も“製薬学的に許容しうる”べきとは、担体が組成物の他の成分と適合性があり、対象に対して有害でないことを意味する。本発明の組成物は、上記のような他の治療薬を含有していてもよく、例えば、従来の固体又は液体ビヒクル又は希釈剤、並びに所望の投与様式に適切なタイプの製薬学的添加剤(例えば、賦形剤、バインダ、保存剤、安定剤、フレーバーなど)を使用することにより、医薬製剤の分野で周知のような技術に従って製剤化できる(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第21版,2005,Lippincott Williams & Wilkins参照)。
医薬組成物は、経口、直腸内、鼻腔内、局所(バッカル及び舌下を含む)、膣内又は非経口(筋肉内、皮下及び静脈内を含む)投与用に適切なもの、又は吸入もしくは吹入による投与に適切な形態を含む。
本発明の化合物は、従来のアジュバント、担体、又は希釈剤と共に、このように医薬組成物及びその単位剤形の形態に変換することができ、そのような形態においては、固体、例えば錠剤又は充填カプセル、又は液体、例えば溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル、又は同じものを充填されたカプセル(いずれも経口用)、直腸投与の場合坐剤の形態;又は非経口(皮下を含む)用のための無菌注射用溶液の形態のような形態を使用することができる。
そのような医薬組成物及びその単位剤形は、従来の成分を従来の割合で含み、追加の活性化合物又は有効成分は含まれることも含まれないこともある。そのような単位剤形は、使用される予定の日用量範囲と釣り合った任意の適切な有効量の活性成分を含有しうる。
本発明の化合物から医薬組成物を製造する場合、製薬学的に許容しうる担体は固体でも液体でもよい。固体形の製剤は、散剤、錠剤、ピル、カプセル、カシェ、坐剤及び調剤可能顆粒(dispensable granules)などである。固体担体は、希釈剤、フレーバー剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、バインダ、保存剤、錠剤崩壊剤又は封入材料としても作用できる一つ又は複数の物質でありうる。
適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂などである。用語“製剤(preparation)”は、活性成分(担体あり又は担体なし)が担体によって包囲されている(担体は故に活性成分と関連している)カプセルの提供により、担体としての封入材料との活性化合物の製剤(formulation)を含むものとする。同様に、カシェ及びロゼンジも含まれる。錠剤、散剤、カプセル、ピル、カシェ、及びロゼンジは、経口投与に適切な固体形として使用できる。
液体形の製剤は、溶液、懸濁液、及びエマルジョン、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口注射用の液体製剤は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液として製剤化できる。
無菌液体形組成物は、無菌溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ及びエリキシルを含む。活性成分は、製薬学的に許容しうる担体、例えば無菌水、無菌有機溶媒又は両方の混合物中に溶解又は懸濁できる。
本発明による組成物は、このように非経口投与用(例えば、ボーラス注射などの注射又は連続注入による)に製剤化でき、単位剤形でアンプル、充填済みシリンジ、少量注入液中に、又は保存剤が添加された多回投与容器中に提供されうる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中懸濁液、溶液、又はエマルジョンのような形態を取ることができ、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような製剤用薬剤を含有しうる。あるいは、活性成分は、無菌固体から無菌的単離によって又は溶液から凍結乾燥によって得られる粉末形であってもよく、その場合は使用前に例えば無菌の発熱物質除去水のような適切なビヒクルで構成される。
注射用に適切な薬剤の形態は、無菌の注射用溶液又は分散液、及び無菌の注射用溶液を即席調製するための無菌粉末などである。それらは製造及び貯蔵条件下で安定であるべきで、酸化及び細菌又は真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されうる。
注射用溶液又は分散液の溶媒又は分散媒は、化合物のための任意の従来型溶媒又は担体系を含有してよく、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、及び植物油を含有しうる。
注射用に適切な薬剤の形態は、静脈内、筋肉内、脳内、髄腔内、硬膜外注射又は注入を含む任意の適切な経路によって送達されうる。
無菌の注射用溶液は、活性化合物を、所要量の適切な溶媒中に、必要に応じて上記のような様々な他の成分と共に配合し、次いでろ過滅菌することによって調製される。一般的に、分散液は、滅菌された様々な活性成分を、基本的な分散媒及び上記から選ばれる必要なその他の成分を含有する無菌ビヒクルに配合することによって調製される。無菌の注射用溶液を調製するための無菌粉末の場合、好適な調製法は、活性成分プラス任意の追加的所望成分の事前ろ過滅菌溶液の真空乾燥又は凍結乾燥である。
活性成分が適切に保護されたら、それらは、例えば、不活性希釈剤又は同化可能な食用担体と共に経口投与しても、又は硬質又は軟質ゼラチンカプセルに封入しても、又は圧縮して錠剤にしても、又は食事の食品に直接配合してもよい。経口治療投与の場合、活性化合物は賦形剤と共に配合され、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの形態で使用できる。
治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な用量が得られるのに十分であるべきである。
錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどは下記の成分を含有することもできる。すなわち、ガム、アカシア、コーンスターチ又はゼラチンのようなバインダ;リン酸二カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸などのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;及びスクロース、ラクトース又はサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、ウィンターグリーン油、又はチェリーフレーバーのようなフレーバー剤。単位剤形がカプセルの場合、上記種類の材料に加えて液体担体を含有することもできる。
様々なその他の材料も、コーティングとして、又はさもなければ投与単位の物理的形態を変更するために存在してよい。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルは、セラック、糖又はその両方でコーティングできる。シロップ又はエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてスクロース、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素、及びチェリー又はオレンジフレーバーなどのフレーバーを含有しうる。当然ながら、任意の単位剤形の製造に使用されるあらゆる材料は、製薬学的に純粋及び使用される量において実質的に非毒性であるべきである。さらに、活性化合物は、腸の特定領域への化合物の特定送達を可能にする製剤などの徐放性製剤に配合することもできる。
経口使用に適切な水溶液は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、フレーバー、安定剤及び増粘剤を所望に応じて加えることによって調製できる。経口使用に適切な水性懸濁液は、微粉砕活性成分を、粘着性材料、例えば天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又はその他の周知懸濁化剤と共に水中に分散させることによって製造できる。
製薬学的に許容しうる担体及び/又は希釈剤は、いずれか及びすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤などを含む。
また、経口投与のために使用直前に液体形の製剤に変換されることを意図された固体形の製剤も含まれる。そのような液体形は、溶液、懸濁液、及びエマルジョンなどである。これらの製剤は、活性成分のほかに、着色剤、フレーバー、安定剤、緩衝液、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有しうる。
口内の局所投与用に適切な製剤は、着香基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むロゼンジ;不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア中に活性成分を含むパステル錠(pastille);及び適切な液体担体中に活性成分を含む洗口液などである。
溶液又は懸濁液は、鼻腔に、例えば点滴器(dropper)、ピペット又はスプレーを用いる従来手段によって直接適用される。製剤は、単回又は多回投与形で提供されうる。点滴器又はピペットの後者(多回投与形)の場合、これは、予め決められた適量の溶液又は懸濁液を患者が投与することによって達成できる。
スプレーの場合、これは例えば計量噴霧スプレーポンプによって達成できる。鼻腔送達及び保持を改良するために、本発明による化合物はシクロデキストリンで被包されるか、又は鼻粘膜における送達及び保持を増強することが期待される他の薬剤と共に製剤化されうる。
気道への投与は、エアゾール製剤によって達成することもできる。エアゾール製剤は、活性成分が、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、例えばヒドロフルオロアルカン(HFA)、二酸化炭素、又はその他の適切なガスのような適切な噴射剤入りの加圧パック中に提供されている。
エアゾールは、レシチンのような界面活性剤も含有すると都合がよい。薬物の用量は、計量バルブを備えることによって制御できる。
あるいは、活性成分は乾燥粉末の形態、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)のような適切な粉末基剤に入れた化合物の粉末ミックスで提供することもできる。粉末担体は鼻腔内でゲルを形成するのが都合がよい。粉末組成物は、単位用量の形態で、例えばカプセル又はカートリッジ中(例えばゼラチン製)、又はブリスターパック中(粉末は吸入器によって投与できる)に提供できる。
鼻腔内製剤を含め、気道への投与を意図された製剤において、化合物は一般的に例えば5〜10ミクロン以下の大きさの小粒径を有する。そのような粒径は、当該技術分野で公知の手段、例えば微粉化によって得ることができる。
所望であれば、活性成分の持続放出を提供するように適応された製剤を使用することもできる。
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。そのような剤形では、製剤は適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分されている。単位剤形は、小パック化された錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル中の粉末のような包装製剤(その包装は分割量(discrete quantities)の製剤を含有している)でありうる。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ、又はロゼンジそのものであってもよい。又は、これらのいずれかの適当な数の包装形でもよい。
投与の容易性及び用量の均一性のために、用量単位形の非経口組成物を製剤化するのが特に有益である。本明細書において用量単位形とは、治療される対象のための単位用量として適切な、物理的に区別された単位のことを言う。各単位は、所望の治療効果を生ずるように計算された所定量の活性物質を所要の製薬学的担体と共に含有している。本発明の新規な用量単位形の仕様は、(a)活性物質の独自の特徴及び達成されるべき特別な治療効果と、そして(b)本明細書中に詳細に開示されているような身体の健康が損なわれた病的状態を有する生存対象におけるウイルス感染治療のためのそのような活性物質を調合する分野における固有の限界とによって決まり、また、それに直接依存する。
本発明はまた、化合物が単位剤形の場合、担体不在の化合物も含む。
鼻腔内投与用の液体又は粉末、経口投与用の錠剤又はカプセル、及び静脈内投与用の液体が好適な組成物である。
治療法
式(I)の化合物は、RSVの阻害薬としてサブモル効力(sub-molar potency)を示したため、RSV感染の治療法を提供する。従って、式(I)の化合物は、RSV疾患の治療、又は基礎もしくは既存の呼吸器疾患の増悪(この場合、RSV感染が前記増悪の原因となっている)の低減に有用であると考えられる。RSV疾患は、細気管支炎又は肺炎を含みうる。基礎又は既存の呼吸器疾患又は状態とは、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び骨髄移植者が経験する免疫抑制のような免疫抑制を含みうる。
治療は、治療的処置又は予防的処置でありうる。一般的に、用語“治療する”とは、所望の薬理学的効果及び/又は生理学的効果を得るために、対象、組織又は細胞に作用することを意味し、(a)ウイルス感染又はRSV疾患を、例えばその発症又は更なる発症を阻止することによって阻害し;(b)ウイルス感染又はRSV疾患の影響を、例えばウイルス感染又はRSV疾患の影響の退行を起こすことによって緩和又は改善し;(c)ウイルス感染又はRSV疾患の発生率を低減し;又は(d)ウイルス感染又はRSV疾患が対象、組織又は細胞において発症又は発生しないように、ウイルス感染又はRSV疾患にかかりやすいか又はそのリスクがあるが、まだ防御的な薬理学的効果及び/又は生理学的効果を持っていないと診断されている対象、組織又は細胞において、感染又は疾患が起こるのを防止することを含む。
用語“対象”は、式(I)の化合物による治療を必要とする疾患を有する任意の動物、特にヒトのような哺乳動物のことを言う。特に好適な治療群は、入院患者、高齢者、高リスク成人及び乳児のようなリスク集団を含む。
用語“投与する”は、本発明の化合物又は医薬組成物を、治療又は予防されるべき疾患又は状態に罹患している又はそのリスクがある対象に提供することを意味すると理解されるべきである。
本発明は、RSV感染又は疾患、さらに詳しくはヒト及び動物のRSV感染又は疾患の治療に関して記載されているが、本発明は、ニューモウイルス亜科(Pneumovirinae)、さらに詳しくは、ニューモウイルス属(Pneumovirus)及びメタニューモウイルス属(Metapneumovirus)のその他のウイルス治療にも有用であることは分かるであろう。
用量
用語“治療上有効量”とは、研究者、獣医、医師又はその他の臨床医によって求められている、対象、組織又は細胞の生物学的又は医学的応答を引き出す式(I)の化合物の量のことを言う。
RSV感染又は疾患の予防又は治療において、適切な用量レベルは、一般的に、1日当たり対象の体重1kg当たり約0.01〜約500mgで、これを単回投与又は複数回投与で投与できる。用量は、治療される対象に対する治療効果及び/又は症状調整のために、例えばこれらの範囲のいずれかに入る任意の用量になるように選択できる。
任意の特別な対象のための特定の用量レベルと投与頻度は変動し得、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬物の組合せ、特別の状態の重症度、及び治療を受ける対象を含む様々な因子に依存することは分かるであろう。
方法
一般法A
式(I)の化合物、そのラセミ化合物、異性体及び/又は塩は、一般的に、式IIの前駆体化合物をアシル化条件下で式IIIの化合物と反応させることによって形成できる。式中、X、X、R、R及びRは、式(I)で定義の通りである。
Figure 0005870112
式(I)の化合物のラセミ化合物は、例えば、対応する式(II)の前駆体化合物のラセミ化合物をアシル化することによって得られると一般に理解されている。また、式(I)の化合物の異性体、例えば立体異性体、特にエナンチオマーは、例えば、式(II)の前駆体化合物のそれぞれ対応する異性体、立体異性体又はエナンチオマーをアシル化することによって得られることも一般に理解されている。式(II)の化合物の立体異性体、特にエナンチオマーは、以下のそれらの合成及び/又は分離について記載された方法によって得ることができる。
さらに詳しくは、本発明の化合物は、以下のような一般法Aを用いて一般的に製造できる(スキーム1)。
Figure 0005870112
式中、Rは、O−アルキル、O−アリール、NCHOCHのような脱離基でありうるが、それに限定されず、X、X、R、R及びRは前に定義の通りである。
ステップ1:一般に、1当量の適切な酸、例えば3−メチルピリジン−2−カルボン酸を、THFのような適切な有機溶媒中、−78℃で、3〜4当量の適切な塩基、例えばLDA又はKHMDSで処理する。次に、この脱プロトン化を−78℃で少なくとも30分間、又は−78℃で少なくとも30分間の後、−10〜0℃で少なくとも30分間撹拌する。次に、1〜1.2当量の適切な求電子試薬を−78℃で添加し、反応を−78℃で少なくとも15分間進行させる。反応をこの温度でクエンチングするか、又は−10℃〜室温に少なくとも30分間温まらせる。反応は水でクエンチングし、酢酸エチル、クロロホルム、又はジクロロメタンのような適切な有機溶媒で洗浄する。次に、水性層をHCl(水溶液)で酸性化し、得られた沈殿生成物をろ過によって回収し、次のステップにそのまま使用する。沈殿物が形成されなかったら、水性層を酢酸エチル、クロロホルム、又はジクロロメタンのような適切な有機溶媒で抽出する。有機層を乾燥させ(MgSO又はNaSO)、真空下で濃縮する。残渣をそのまま次のステップに使用する。参考文献:J.Epsztajnら Synth.Commun.1992,22(9),1239−1247。
ステップ2:一般に、1当量の適切なケト酸を3〜40当量のエチレンジアミンと反応させる。混合物を、1,2−ジクロロエタン又は1,4−ジオキサンのような不活性溶媒中で1〜2時間、加熱還流する。この時間の後、反応を冷却させ、その後、真空下で濃縮する。残渣はフラッシュクロマトグラフィーで直接精製することも、又は水中に懸濁/溶解させて、ジクロロメタンのような適切な有機溶媒で抽出することもできる。有機層を乾燥させ(MgSO又はNaSO)、真空下で濃縮する。次いで残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
ステップ3:一般に、ピリジン中1当量の適切な環状アミンを、ピリジン中2.5〜5当量の適切な酸塩化物に0℃で加える。酸塩化物は、ジクロロメタン中で、対応する酸を塩化チオニル又は塩化オキサリル及び触媒的なDMFと反応させることによって最初に現場製造される。一部の実施例の酸塩化物は、ジクロロメタン中で塩化シアヌル及びトリエチルアミンを用いて現場製造されてもよい。アシル化反応を室温に温まらせ、LCMSによってモニターする。完了したら、反応混合物を水又は塩水又は飽和NaHCO水溶液でクエンチングし、酢酸エチル又はジクロロメタンのような有機溶媒で抽出する。有機層を乾燥させ(MgSO又はNaSO)、真空下で濃縮する。次いで残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
立体異性体分離のための一般法
本発明の化合物は、一般的に、(a)それらの前駆体、すなわち一般式(II)の前駆体(一般法Aのステップ1及び2に従って合成できる)を、キラルパックIC 250×4.6mm、キラルパックAD−H 250×10mm及びキラルパックAD−H 250×4.6mmのようなキラル固定相を有するクロマトグラフィーカラムを用いてHPLCによって単一エナンチオマーに分離し;次いで(b)分離されたエナンチオマーを式(III)の化合物でアシル化することによって、それらの単一エナンチオマーとして製造できる。
立体異性体合成のための一般法
本発明の化合物は、一般的に、(a)適切なキラル酸を用いて式(II)の化合物のジアステレオマー塩を形成させ;次いで(b)分離されたエナンチオマーを式(III)の化合物でアシル化することによって、それらの単一エナンチオマーとして製造することもできる。
当業者であれば、本明細書中に記載の発明は、具体的に記載されている以外の変形及び変更も可能であることは分かるであろう。次に、本発明を以下の実施例を参照することによって制限なしに記載する。
化合物の合成
H NMRスペクトルは、Bruker Ultrashield(登録商標)400又はAM 300スペクトロメーターで記録した。スペクトルは、CDCl、d−アセトン、CDCN、CDOD又はd−DMSO中で、残留溶媒のピークを参照として用いて記録した。化学シフトはδスケールでppmの単位で報告され、多重度の帰属には以下の慣例が使用される。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)及び接頭語br(ブロード)。
質量スペクトル(ESI)は、Thermo Finnigan Surveyor HPLC系と連結されたThermo Finnigan LCQ Advantage又はLCQ Deca質量分析計で記録した。特に明記しない限り、クロマトグラフィーはPhenomenex C8(2)又はC18(2)カラムで実施した。酸性pHでの分離には、0.1%ギ酸含有水(溶媒A)及び0.1%ギ酸含有アセトニトリル(溶媒B)を使用した。中性pHでの分離には、酢酸アンモニウム(5mM、溶媒A)及びメタノール(溶媒B)を使用した。
フラッシュクロマトグラフィーは、40〜63μmのシリカゲル60(Merck No.9385)上で、又はBiotage SP4(GraceResolv(登録商標)シリカフラッシュカートリッジ又は差込式C18シリカカートリッジ)を使用して実施した。
一般法Aの実施例:
10a−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン(4)
Figure 0005870112
ステップ1:LDAの生成:ジイソプロピルアミン(5.1mL、36mmol)の乾燥THF(30mL)中冷却(氷−アセトン浴)溶液に、n−BuLi(ヘキサン中1.45M溶液、24mL、35mmol)を窒素雰囲気下で滴加した。溶液を15分間撹拌した後、3−メチルピリジン−2−カルボン酸(1.5g、11mmol)のTHF(50mL)中溶液を−78℃及び窒素雰囲気下で滴加した。暗紫色混合物を−78℃で30分間、次いで−5℃で30分間撹拌した。この後、混合物を−78℃に再冷却し、メチル4−フルオロベンゾエート(1.6mL、12mmol)のTHF(15mL)中溶液を加えた。暗褐色混合物を−78℃で1.5時間、次いで0℃で2.5時間撹拌した。次に混合物を冷却水(50mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチルで洗浄した(3×35mL)。水性層をHClでpH2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した(3×75mL)。3回の抽出物を合わせ、真空下で濃縮して、3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]ピリジン−2−カルボン酸を淡黄色固体として得た(1.5g、収率53%)。ESI-MI m/z [M+H]259.95. H NMR (400 MHz, DMSO)δ 8.61 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 1H), 8.14 (dd, J = 8.9, 5.5 Hz, 2H), 7.86 (dd, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H), 7.62 (dd, J = 7.7, 4.7 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 4.78 (s, 2H)。
ステップ2:3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]ピリジン−2−カルボン酸(1.5g、5.8mmol)の1,2−ジクロロエタン(100mL)中懸濁液に、エチレンジアミン(8mL、120mmol)を加え、得られた溶液を1時間加熱還流した。次に、得られた懸濁液を室温に冷却させた後、真空下で濃縮して濃厚(ドロドロの)オレンジ色ガムを得た。このガムを超音波の助けを借りてメタノール中に懸濁させ、ろ過した。ろ液をシリカ上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィーで精製し(5〜7.5%メタノール−ジクロロメタン)、10a−(4−フルオロフェニル)−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オンを淡黄色固体として得た(1.1g、収率67%)。ESI-MI m/z [M+H] 284.04. H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.66 (brd, J = 4.7 Hz, 1H), 7.36 (brd, J = 7.7 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 8.9, 5.2 Hz, 2H), 7.23 (dd, J = 7.7, 4.7 Hz, 1H), 6.89 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 4.02 - 3.89 (m, 1H), 3.70 - 3.60 (m, 1H), 3.47 (d, J= 15.2 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 3.35 (ddd, J = 12.4, 7.9, 2.8 Hz, 1H), 2.86 - 2.74 (m, 1H), 2.49 (brs, 1H)。
ステップ3:酸塩化物の生成:3−メチルイソオキサゾール−4−カルボン酸(110mg、0.87mmol)のジクロロメタン(1.5mL)中冷却(氷浴)懸濁液に、塩化オキサリル(0.3mL)、次いでDMF(1滴、触媒的)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を0℃で10分間、次いで室温で1時間撹拌した。得られた溶液を窒素ストリーム下で濃縮し、油状物を得た。油状物をジクロロメタン中に取り、再濃縮して酸塩化物を黄色油として得た。これにピリジンを添加すると濃厚懸濁液が形成された。
酸塩化物(上記のようにして生成、0.87mmol)のピリジン(0.8mL)中冷却(氷浴)懸濁液に、10a−(4−フルオロフェニル)−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン(50mg、0.18mmol)のピリジン(1.0mL)中懸濁液を加えた。混合物を徐々に室温に温まらせた。4時間後、LCMSから反応の完了が示されたので、混合物を水(4mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した(3×6mL)。抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して淡黄色油を得た。この物質をフラッシュクロマトグラフィー(80%アセトン−ヘキサンからアセトン)によって精製して所望生成物(4)を凍結乾燥後オフホワイト色固体として得た(59mg、収率84%)。ESI-MI m/z [M+H] 392.99. H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.66 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.59 (d, J= 7.7 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 9.0, 5.1 Hz, 2H), 7.33 (dd, J = 7.7, 4.7 Hz, 1H), 6.98 - 6.86 (m, 2H), 4.75 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 4.48 (ddd, J = 12.0, 8.7, 5.7 Hz, 1H), 4.06 (ddd, J = 9.4, 8.7, 5.8 Hz, 1H), 3.97 (ddd, J = 12.0, 8.3, 5.8 Hz, 1H), 3.87 - 3.73 (m, 2H), 2.42 (s, 3H)。
下記の化合物は、一般法Aを用いて同様に製造された。
Figure 0005870112
Figure 0005870112
Figure 0005870112
Figure 0005870112
キラルクロマトグラフィーによる立体異性体の分離
代表的化合物例1、2、4、5及び6をそれらの単一エナンチオマー1A、2A、2B、4A、5A及び6Aとして製造した。その方法は、それらの式(II)の前駆体(一般法Aのステップ1及び2に従って合成できる)を単一エナンチオマーに分離した後、一般法Aのステップ3に一般的に記載されたアシル化をすることによる。エナンチオマーの分離は、キラル固定相を有するクロマトグラフィーカラムを用いるHPLCによって達成された。例えば、以下の一般式(II)のラセミ化合物は、以下の表1に詳述された条件下でそれらのエナンチオマー(A及びBとする)に分離された。
Figure 0005870112
Figure 0005870112
(a)以下の表4に記載の式(I)のエナンチオマー化合物例1A、2A、4A、5A及び6Aの場合、式(II)のエナンチオマーAを、一般法Aのアシル化ステップ3に付して最終化合物を得ている。以下の表4に記載の式(I)のエナンチオマー化合物例2Bの場合、式(II)のエナンチオマーBを、同様に、一般法Aのアシル化ステップ3に付して最終化合物を得ている。
当然のことながら、キラルHPLC法は、例えば表1に記載されているのと同じような適切な条件下で、式(I)の化合物のエナンチオマーを分離するのにも使用できる。
キラル酸を用いてジアステレオマー塩を形成することによる立体異性体の合成
ジアステレオマー塩の形成:一般的に、式(II)のラセミ化合物の適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール又は2−プロパノール)又は組合せ溶媒(例えば、1:1:1のメタノール、2−プロパノール及び酢酸エチル)中溶液に、(R)−(−)又は(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸水素(BNPPA)(1当量)を加えた。次に、透明溶液が形成されるまで混合物を室温で撹拌するか又は50℃までの温度に加熱した。加熱を1時間続けた後、徐々に室温に冷却させた。沈殿したジアステレオマー塩をろ過し、同じ溶媒(又は組合せ溶媒)で洗浄し、次いで大気圧で空気乾燥した。ろ過された母液をその元の容量の50%に濃縮し、室温に冷却した。沈殿固体をろ過し、ろ液を−5〜0℃に約2時間冷却し、さらに沈殿した固体を再度回収した。一連の操作をエナンチオマー(A又はB)で繰り返し、それぞれのろ過後にキラル純度をキラルHPLCによって決定した。
ジアステレオマー塩から遊離塩基への変換:ジアステレオマー塩の水及びジクロロメタン(1:1)中懸濁液に、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(pHを約8に調整するのに十分な)を加え、混合物を約30分間撹拌した。沈殿固体をろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液中の有機層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、分離されたエナンチオマー(A又はB)を得た。キラル純度は前述のようにキラルHPLCによって決定した。
代表的化合物例4Aを以下のようにジアステレオマー塩形成法を用いて製造した。
Figure 0005870112
ラセミコア(iv)(5g、17mmol、1当量)のメタノール(100mL)中撹拌溶液に、(S)−(+)−BNPPA(6.1g、17mmol、1当量)を室温で加えた。反応混合物は約20分で透明になり、3時間後、塩が徐々に析出してきた。得られた懸濁液をさらに4時間撹拌し、得られた固体をろ過し、メタノール(25mL)で洗浄した。単離された粗塩(〜5.5g)をメタノール(27mL)中に懸濁させ、50〜55℃で30分間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、メタノール(20mL)で洗浄した。この工程を3回繰り返し、ジアステレオマー塩をオフホワイト色固体として得た(3g、27%、遊離塩基のキラルHPLCによって決定されたキラル純度99.6%ee)。ジアステレオマー塩から遊離塩基(iv−A)への変換を前述のようにして実施した後、アシル化によって化合物(4A)を得た。
生物学的データ
本発明の化合物のインビボ及びインビトロ抗ウイルス活性は、以下の方法を用いて決定できる。
RSV抗ウイルスアッセイプロトコル
本発明の化合物を呼吸器合胞体ウイルスに対するそれらの抗ウイルス活性について試験した。細胞変性効果(CPE)アッセイを本質的には文献に記載の通り実施した(例えば、Watanabeら,1994,J.Virological Methods,48:257参照)。試験化合物の系列希釈を96ウェルプレート中に作製した。HEp2細胞(1.0×10細胞/ウェル)にRSVを低い感染多重度で感染させ(例えばRSV A2を〜0.01の感染多重度(moi)で)、プレートに加えて抗ウイルス活性を評価した。非感染HEp2細胞を用いて化合物の細胞毒性を評価した。アッセイを37℃、5%CO雰囲気下で5日間インキュベートした。CPEの程度は、生体染色色素3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の代謝によって決定した。MTT(1mg/ml)を各ウェルに加え、プレートを37℃で2時間インキュベートした。ウェルを吸引し、イソプロパノール(200μL)を加え、吸光度値を540/650nmで読んだ。CPEを50%阻害した化合物濃度(EC50)及び発現された細胞毒性(CC50)を非線形回帰分析を用いて算出した。EC50値を以下の表2及び4に示す。試験した化合物のCC50値は>5000nMと決定された。
ヒト血清タンパク質の存在下におけるRSV抗ウイルスアッセイ
CPE阻害アッセイを用いて、アルファ−1−酸性糖タンパク質(AAG;Sigma Aldrich、カタログ番号G9885)又はヒト血清アルブミン(HSA;Sigma Aldrich A1653)の存在下における細胞培養物中のRSV誘導CPEに対する試験化合物の効果を定量した。培地に1.5mg/mLのAAG又は2%HSAを補給した96ウェルプレート中に試験化合物の系列希釈を作製した。HEp−2細胞(1.0×10細胞/ウェル)にRSV A2を低い感染多重度で感染させ(MOI 〜0.01)、プレートに加えて血清タンパク質AAG又はHSAの存在下における抗ウイルス活性を評価した。アッセイを37℃、加湿5%CO雰囲気下で5日間インキュベートした。CPEの程度は、生体染色色素3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の代謝によって決定した。MTT(1mg/ml)を細胞及びプレートに加えた後、37℃、加湿5%CO雰囲気下で2時間インキュベートした。ウェルを吸引し、イソプロパノール(200uL)を加え、吸光度値を540/650nmで読んだ。CPEを50%阻害した化合物濃度(EC50)を非線形回帰分析を用いて算出した。
1.5mg/mLのAAG又は2%HSAの存在下における試験化合物のEC50値を、血漿タンパク質なしのEC50値と比較し、倍シフト(fold shifts)を出した。活性シフトが>10倍であると、化合物は血漿タンパク質の存在に影響されたと見なされた。試験した化合物の活性シフトは<10倍と決定された。
例えば、化合物2をアッセイで試験した結果、AAG倍シフトは3.3と決定された。化合物2の活性エナンチオマー、すなわち化合物2Aも試験され、AAG倍シフトは2.9と決定された。
RSV融合アッセイ
本発明の化合物は、呼吸器合胞体ウイルスの本質的融合プロセスを阻害するそれらの能力について試験することができる。
RSV−F構築物の生成
最適コドンを組み込んだRSV A2 F糖タンパク質の部分をコードし、可能性あるポリ(A)付加もスプライス部位もない一本鎖合成DNAオリゴヌクレオチドを合成する(Masonら,WO0242326)。膜に固定された全長Fは、その文献中及びMortonらに記載された方法に本質的に従って作製できる。
シンシチウム形成アッセイ
RSV−F構築物の融合活性は、Mortonら,2003,Virology,311:275に記載の方法に本質的に従って、293細胞で測定できる。例えば:約80%の集密度の6ウェルプレート中の細胞に、関心構築物を持つプラスミドDNA(0.5〜1.5μg/ウェル)をCaPO溶液中で2時間添加することによりトランスフェクトする。グリセロールショック及び洗浄後、トランスフェクト細胞をトリプシン処理し、4〜10×10細胞/ウェルを試験化合物の2倍又は3倍系列希釈を含有する96ウェルプレートに加える。シンシチウムの形成は、目視によって評価し、トランスフェクションの42時間後に、20μLのCellTiter 96 One Solution(Promega)を添加し、次いで37℃で2時間インキュベーションすることにより定量する。吸光度値は492/690nmで読む。非処理対照培養物と比較して吸光度を50%低下させた化合物濃度(EC50)を非線形回帰分析を用いて算出する。
血漿タンパク質結合アッセイ
本発明の化合物を、ヒト及び動物血漿中のタンパク質結合の程度について試験した。試験化合物のストック溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mg/mLの濃度で調製した。これらのストック溶液をDMSOを用いてまず1.0mg/mLに希釈した後、1:1(v/v)アセトニトリル/水を用いてさらに希釈し、名目濃度20及び200μg/mLのスパイク溶液(spiking solutions)を調製した。ヒト、ラット又はイヌの血漿(37℃に維持)の一定分量(アリコート)にスパイク溶液を添加し、200及び2000ng/mLの名目血漿濃度を得た(最大の最終DMSO及びアセトニトリル濃度はそれぞれ0.2%(v/v)及び0.5%(v/v))。スパイク入り血漿管を37℃で60分間平衡化させた。次に、スパイク入り血漿の一定分量(230μL)を超遠心分離管に移し、超遠心分離(Beckman Rotor型42.2 Ti;42,000rpm及び37℃)に4.2時間かけ、血漿タンパク質を血漿水から分離した。超遠心分離の後、50μLの上清(すなわち血漿水)を各管から取り出し、LCMSによって試験化合物の濃度を測定した。
各試験化合物の総濃度は、超遠心分離運転の間(すなわち4.2時間)、4℃及び37℃でインキュベートされた非遠心血漿のサンプルにて決定した。超遠心分離運転中の化合物分解の可能性は、37℃に維持された非遠心血漿中の各試験化合物の濃度を4℃に維持された非遠心血漿中のそれと比較することによって評価した。血漿水及び非遠心血漿のサンプル中の各試験化合物の濃度はLC−MSによって決定した。血漿及び血漿水におけるLLQ値は、一般的にそれぞれ0.5〜5.0ng/mL及び0.5〜2.5ng/mLの範囲であった。37℃に維持された非遠心血漿(C血漿)及び血漿水(C血漿水)で観察された濃度に基づいて、血漿タンパク質に結合した化合物のパーセンテージ(%結合)を下記等式:%結合=[(C血漿−C血漿水)/C血漿]×100 に従って計算した。
化合物は、%結合が<95%の時に低いタンパク質結合を有していると見なされる。試験された化合物の%結合は、名目血漿濃度200及び2000ng/mLでヒト、ラット及びイヌ血漿とも<95%であった。
hERGイオンチャンネル阻害(ScreenPatch(登録商標)アッセイ)
本発明の化合物がhERGイオンチャンネルに及ぼす影響は、本質的には、文献(例えば、Bridgland−Tayorら,2006,J.Pharmacological and Toxicological Methods 54:189)に記載されているようなIonWorks Quattro(登録商標)システムを用いて評価することができる。
4種類の化合物濃度を、48チャンネルピペッターのスチール針を用いて未感作細胞(naive cell)に適用した。各適用は、2倍濃縮試験化合物6μLをPopulation Patch Clamp(登録商標)(PPC)平面電極の細胞外ウェルに添加して最終容量を合計12μLにすることからなるものであった。各試験化合物濃度への暴露時間は少なくとも5分間であった。
細胞内液をPPC平面電極の細胞内コンパートメントに添加した。細胞懸濁液(hERG cDNAを安定的にトランスフェクトされたCHO細胞)をPPC平面電極のウェルにピペット注入する。ホールセル・コンフィギュレーション(whole-cell configuration)の確立後、膜電流をIonWorks Quattro(登録商標)システムのパッチクランプ増幅器を用いて記録した。イオンチャンネル電流の2回の記録を実施した(試験化合物適用の前及び5分後)。hERG電流は、0mVの保持電位からの固定振幅を持つパルスパターン(コンディショニング・プレパルス:−80mVに25ms;試験パルス+40mVに80ms)を用いて測定した。hERG電流は、+40mVへの試験ステップ後1ms時点におけるピーク電流と、+40mVへのステップ終了時の定常電流との差として測定された。
データの取得及び分析は、IonWorks Quattro(登録商標)システムのオペレーションソフトウェアを用いて実施した。試験化合物適用後の電流振幅の減少を用いて、対照と比較した遮断パーセントを計算した。化合物は、hERG IC50がRSV A2 EC50より>500倍高い場合に低hERG阻害を持つと見なされる。試験された化合物のhERG IC50は対応するRSV A2 EC50値より>500倍高かった。
例えば、化合物2をアッセイで試験したところ、100μMにおける%hERG阻害は50.2で、hERG IC50は99.2μMと決定された。化合物2の活性エナンチオマー、すなわち化合物2Aも試験し、100μMにおける%hERG阻害は41.4で、hERG IC50は129.5μMと決定された。
RSVコットンラットモデル
コットンラットモデルは、本質的には文献(Wydeら,2003,Antiviral Res.,60:221)に記載の通り実施できる。手短に言えば、体重50〜100gのコットンラットをイソフルランで軽く麻酔し、化合物又はビヒクル対照を経口投与し、その後1日1回又は1日2回投与する。ウイルス感染は、処置の2時間後、同様に麻酔されたラットに動物当たり約1000 TCID50のRSV A2の鼻腔内点滴によって行う。ウイルス接種4日後、各コットンラットを犠死させ、肺を取り出し、RSV力価をプラークアッセイによって決定する。
RSV Balb/cマウスモデル
マウスモデルは、本質的には、Cianciら,2004,Antimicrobial Agents and Chemotherapy.,48:413に記載の通り実施できる。手短に言えば、8週齢の雌Balb/cマウスの体重を測定し、Avertin(登録商標)で腹腔内麻酔し、化合物又はビヒクルを感染前に経口投与し、その後1日1回又は1日2回投与する。マウスに動物当たり約10000 TCID50のRSV A2を鼻腔内接種する。ウイルス接種3日後、各マウスを犠死させ、肺を取り出し、RSV力価をプラークアッセイによって決定する。体重、脾臓及び肝臓の重量も評価できる。さらに、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の全及び分画(マクロファージ、好中球及びリンパ球)炎症細胞数を削減する試験化合物の能力も測定できる。これは、RSVを接種されただけの動物と比べて、化合物で処置された動物におけるRSV感染に対する炎症反応を改善する試験化合物の能力の研究も可能にする。
水溶解度
DMSO中に調製された試験化合物を、異なる水性媒体(例えば胃及び小腸上部と関連するpH2又はpH6.5の緩衝液)中での一定範囲の濃度(1.6〜100ug/mL)にわたって二重にスクリーニングした。試験化合物を100%DMSO中で10〜0.16mg/mLの範囲に系列希釈した。次に、これらの希釈化合物をアッセイ緩衝液を含有する試験プレート(UV Star Griener 96ウェルプレート)に加え、さらなる1:100の希釈で、一定の1%DMSO濃度をプレート全体で維持した。溶解度の濃度範囲は、25℃での30分間のインキュベーション後に取ったNEPHELOstarレーザー・ネフェロメトリー(比濁法)の読みを解釈することによって決定した。結果を以下の表3及び4に示す。化合物は、値が>25ug/mLの時に良好な溶解度を有すると見なされる。試験された化合物の溶解度は、pH2及びpH6.5で>25ug/mLと決定された。
RSV活性及び溶解度データ
式(I)の化合物の望ましい性質及び利点を示すために、発明者らは、WO2008/037011の構造的に関連するサブクラスの化合物と対比して比較活性及び溶解度アッセイを実施した。5位に置換基を有する比較対照の化合物Aも製造し、その活性を試験した。結果を表2及び3に示す。発明者らは、驚くべきことに、WO2008/037011の非置換イソオキサゾール−3−イル(化合物1−806)及びイソオキサゾール−5−イル(化合物1−025、1−088及び1−100)は、本発明の3−置換イソオキサゾール−4−イルよりも低活性及び低溶性であり、さらに、5−置換イソオキサゾール−4−イル(化合物A)の活性を実施例4の3−置換イソオキサゾール−4−イル化合物に対して直接測定した場合、活性に10倍の低下が観察されたことを見出した。
従って、発明者らは、理論に拘束されるつもりはないが、本発明の一つ又は複数の利点は、少なくとも一部は、3位に置換基を有するイソオキサゾール−4−イルを含む化合物によって実現されると考えている。
Figure 0005870112
Figure 0005870112
Figure 0005870112
Figure 0005870112
Figure 0005870112
本発明の選択化合物のエナンチオマーの抗ウイルス活性及び溶解度も測定したので、結果を表4に示す。
Figure 0005870112
本明細書及び以下の特許請求の範囲全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、“含む(comprise)”という語、及び“comprises”及び“comprising”のようなその変形は、記述された整数又はステップ、あるいは整数又はステップの群を含むことを意味するが、いずれかその他の整数又はステップ、あるいは整数又はステップの群を除外しないと理解されるものとする。
本明細書において、何らかの先行文献、又はそれから導出された情報、又は知られている何らかの事項への言及は、その先行文献、又はそれから導出された情報、又は公知事項が本明細書の関連する努力傾注分野における共通の一般的知識の一部を形成しているという確認(acknowledgement)又は承認(admission)又は何らかの形態の示唆として受け取られないし、また受け取られるべきでない。

Claims (23)

  1. 式(I):
    Figure 0005870112
    [式中、
    及びXは、CH及びNから独立に選ばれ、ここで、X又はXの少なくとも一つはNであり;
    は、下記置換基群から選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよい、炭素環、ヘテロ環及び芳香環から選択され、該置換基群が、ハロゲン、C 1−4 アルキル、C 1−4 アルコキシ、OH、ハロC 1−4 アルキル、C 1−4 アルキルOH、窒素及び/又は酸素を含有する5〜6員ヘテロサイクリル、N(C 1−4 アルキル) 、−O−(CH 1−4 OH、及び−O−(CH 1−4 OC 1−4-- アルキルからなり
    は、C1−6アルキル、ハロC1−3アルキル及びC1−3アルコキシから選ばれ;そして
    は、Hであるか、又は 1−6 アルキル、C 1−6 アルケニル、C 1−6 アルキニル、アリール、アルデヒド、ハロゲン、ハロC 1−6 アルキル、ハロC 1−6 アルケニル、ハロC 1−6 アルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、C 1−6 アルキルヒドロキシ、C 1−6 アルコキシ、−OC 1−6 アルキルヒドロキシ、−OC 1−6 アルキルC 1−6 アルコキシ、C 1−6 アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロC 1−6 アルコキシ、ハロC 1−6 アルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロC 1−6 アルキル、ニトロC 1−6 アルケニル、ニトロC 1−6 アルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロサイクリル、アミノ、C 1−6 アルキルアミノ、C 1−6 ジアルキルアミノ、C 1−6 アルケニルアミノ、C 1−6 アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アシル、C 1−6 アルケニルアシル、C 1−6 アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアミノ、ハロへテロサイクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、C 1−6 アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、あるいはリン含有基である
    の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  2. がHである、請求項1に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  3. がNである、請求項1又は2に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  4. 式(Ia):
    Figure 0005870112
    [式中、
    、R及びRは請求項1に定義の通りである]
    の、請求項1に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  5. が、下記置換基群から選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよい、3〜10員の炭素環;9〜10員の縮合二環式炭素環;5〜6員の単環式ヘテロサイクリル;9〜10員の縮合二環式ヘテロサイクリル;及び6員の芳香環から選ばれ、該置換基群が、ハロゲン、C 1−4 アルキル、C 1−4 アルコキシ、OH、ハロC 1−4 アルキル、C 1−4 アルキルOH、窒素及び/又は酸素を含有する5〜6員ヘテロサイクリル、N(C 1−4 アルキル) 、−O−(CH 1−4 OH、及び−O−(CH 1−4 OC 1−4-- アルキルからなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  6. が、下記置換基群から選択される1、2または3つの置換基によって置換されていてもよい、シクロアルキル、フェニル、5〜6員のヘテロサイクリル及び9員の縮合二環式ヘテロサイクリルから選ばれ、該置換基群が、ハロゲン、C 1−4 アルキル、C 1−4 アルコキシ、OH、ハロC 1−4 アルキル、C 1−4 アルキルOH、窒素及び/又は酸素を含有する5〜6員ヘテロサイクリル、N(C 1−4 アルキル) 、−O−(CH 1−4 OH、及び−O−(CH 1−4 OC 1−4-- アルキルからなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  7. 式(Ib):
    Figure 0005870112
    [式中、
    及びRは請求項1に定義の通りであり;
    mは、0、1、2又は3から選ばれる整数であり;そして
    1−6 アルキル、C 1−6 アルケニル、C 1−6 アルキニル、アリール、アルデヒド、ハロゲン、ハロC 1−6 アルキル、ハロC 1−6 アルケニル、ハロC 1−6 アルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、C 1−6 アルキルヒドロキシ、C 1−6 アルコキシ、−OC 1−6 アルキルヒドロキシ、−OC 1−6 アルキルC 1−6 アルコキシ、C 1−6 アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロC 1−6 アルコキシ、ハロC 1−6 アルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロC 1−6 アルキル、ニトロC 1−6 アルケニル、ニトロC 1−6 アルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロサイクリル、アミノ、C 1−6 アルキルアミノ、C 1−6 ジアルキルアミノ、C 1−6 アルケニルアミノ、C 1−6 アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アシル、C 1−6 アルケニルアシル、C 1−6 アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアミノ、ハロへテロサイクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、C 1−6 アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、あるいはリン含有基である
    の、請求項1に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  8. 式(Ic):
    Figure 0005870112
    [式中、
    は請求項1に定義の通りであり;そして
    1−6 アルキル、C 1−6 アルケニル、C 1−6 アルキニル、アリール、アルデヒド、ハロゲン、ハロC 1−6 アルキル、ハロC 1−6 アルケニル、ハロC 1−6 アルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、C 1−6 アルキルヒドロキシ、C 1−6 アルコキシ、−OC 1−6 アルキルヒドロキシ、−OC 1−6 アルキルC 1−6 アルコキシ、C 1−6 アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロC 1−6 アルコキシ、ハロC 1−6 アルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロC 1−6 アルキル、ニトロC 1−6 アルケニル、ニトロC 1−6 アルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロサイクリル、アミノ、C 1−6 アルキルアミノ、C 1−6 ジアルキルアミノ、C 1−6 アルケニルアミノ、C 1−6 アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アシル、C 1−6 アルケニルアシル、C 1−6 アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロサイクリル、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアミノ、ハロへテロサイクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、C 1−6 アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ、あるいはリン含有基である
    の、請求項1に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  9. が、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロ及びC1−3アルコキシからなる群から選ばれる、請求項7又は請求項8に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  10. 下記:
    (1)5a−(4−クロロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
    (2)10a−(4−クロロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (3)10a−(4−メトキシフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (4)10a−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (5)5a−(4−フルオロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
    (6)10a−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (7)10a−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (8)5a−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
    (9)5a−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
    (10)10a−(2−クロロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (11)10a−シクロヘキシル−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (12)10a−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (13)10a−(4−クロロフェニル)−1−{[3−(トリフルオロメチル)−1,2−オキサゾール−4−イル]カルボニル}−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;及び
    (14)10a−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン
    からなる群から選ばれる請求項1に記載の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩。
  11. 単一の立体異性体形態の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
  12. 式(I-i):
    Figure 0005870112
    [式中、
    、X、R、R及びRは、請求項1に定義の通りである]
    の、請求項11に記載の化合物又はその塩。
  13. 式(Ia-i):
    Figure 0005870112
    [式中、
    、R及びRは、請求項1に定義の通りである]
    の、請求項4に記載の化合物又はその塩。
  14. 式(Ib-i):
    Figure 0005870112
    [式中、
    及びRは、請求項1に定義の通りであり;
    mは、0、1、2又は3から選ばれる整数であり;そして
    、請求項7に定義の通りである
    の、請求項7に記載の化合物又はその塩。
  15. 式(Ic-i):
    Figure 0005870112
    [式中、
    は、請求項1に定義の通りであり;そして
    、請求項8に定義の通りである
    の、請求項8に記載の化合物又はその塩。
  16. 下記:
    (1A)(5aS)−5a−(4−クロロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;
    (2A)(10aS)−10a−(4−クロロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (4A)(10aS)−10a−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン;
    (5A)(5aS)−5a−(4−フルオロフェニル)−6−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−5a,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1’,2’:1,6]ピリド[3,4−b]ピラジン−10(5H)−オン;及び
    (6A)(10aS)−10a−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−1−[(3−メチル−1,2−オキサゾール−4−イル)カルボニル]−2,3,10,10a−テトラヒドロイミダゾ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−5(1H)−オン
    からなる群から選ばれる請求項11に記載の化合物、又はその塩。
  17. 請求項1に記載の式(I)の化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩の製造法であって、式II:
    Figure 0005870112
    の化合物と、式III:
    Figure 0005870112
    の化合物とを、アシル化条件下で反応させるステップを含み、
    式中、X、X、R、R及びRは、請求項1に定義の通りである方法。
  18. キラルHPLC分割によって又はキラル酸を用いるジアステレオマー塩形成によって式(II)の化合物のエナンチオマーを形成するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1〜16のいずれか1項に定義の通りの化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩を含むRSV抗ウイルス薬。
  20. 請求項1〜16のいずれか1項に定義の通りの化合物、そのラセミ化合物、立体異性体及び/又は塩と、製薬学的に許容しうる担体とを含む医薬組成物。
  21. RSV感染を治療するための請求項20に記載の医薬組成物
  22. RSV疾患を治療するための請求項20に記載の医薬組成物
  23. 基礎又は既存の呼吸器疾患の増悪を低減するための請求項20に記載の医薬組成物であって、ここで、RSV感染が前記増悪の原因となっている、前記医薬組成物
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