JP5864620B2 - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸芯に電極を捲回する電極群を有する二次電池に関する。
近年、電気自動車等の動力源として、エネルギー密度の高い二次電池の開発が進められており、その一つとして、正極電極と負極電極を間にセパレータを介在させて捲回した電極群を有するものがある。このようなエネルギー密度の高い二次電池では、大電流を流すため、電極群の正極電極が発熱することがあり、これに対して、セパレータの表面に耐熱層を設ける技術が考案されている。表面に耐熱層を有するセパレータを適用する場合、セパレータを溶着させる製造においては課題が生じる。このうち、外周側のセパレータを溶着する際に、テープによる固定をしない技術が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、セパレータの捲き終わり端部を内向きに折り返してセパレータの1周前の部分の外面に重ね合わせて樹脂層同士を対向させ、溶着させている。
特開2011−175749号公報
捲回式の電極群には、軸芯にセパレータの捲き始め端部を溶着して、セパレータに電極を重ね合わせて捲回した構造を有するものがある。具体的には、軸芯に2枚のセパレータの捲き始め端部を重ね合わせて溶着し、正極電極と負極電極の間に各セパレータが介在されるように捲回することで構成される。特許文献1では、軸芯とセパレータとの溶着に関しては考慮されていない。
軸芯に2枚のセパレータを溶着する際に、特に各セパレータの耐熱層が互いに対向して配置されていると、溶着温度を高くしなければならないなどの問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱層が対向する2枚のセパレータが軸芯に十分な溶着強度で溶着された電極群を有する二次電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の二次電池は、樹脂層の少なくとも一方の面に耐熱層が形成された第1セパレータおよび第2セパレータと、前記第1セパレータの耐熱層と前記第2セパレータの耐熱層とを対向させて捲回する軸芯と、を有し、軸芯側に配置された前記第1セパレータの捲き始め端部と、該第1セパレータの捲き始め端部の外側に重ねて配置された前記第2セパレータの捲き始め端部とが前記軸芯に一体に溶着された電極群を有する二次電池であって、前記第1セパレータの捲き始め端部の外側に配置されて前記第1セパレータの捲き始め端部と一体に軸芯に溶着される樹脂層の合計厚さが、第2セパレータの捲き始め端部の樹脂層よりも厚い構造を有することを特徴としている。
本発明によれば、耐熱層が対向する2枚のセパレータを容易かつ十分な溶着強度で軸芯に溶着することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本形態の形態に係わる二次電池の外観斜視図。 図1に示された二次電池の分解斜視図。 図2に示された電極群の詳細を示す、一部を展開した状態の外観斜視図 電極群製造装置の構成を示す図。 実施例1の構成を説明する分解斜視図。 実施例1の構成を説明する模式図。 実施例2の構成を説明する分解斜視図。 実施例2の構成を説明する模式図。 実施例3の構成を説明する分解斜視図。 実施例3の構成を説明する模式図。 実施例4の構成を説明する分解斜視図。 実施例4の構成を説明する模式図。 実施例5の構成を説明する分解斜視図。 実施例5の構成を説明する模式図。 実施例6の構成を説明する分解斜視図。 実施例6の構成を説明する模式図。 実施例7の構成を説明する分解斜視図。 実施例7の構成を説明する模式図。
以下、本実施の形態について図面を用いて説明する。
まず、二次電池の全体構成について説明し、次いで、各実施例の特徴構成について説明する。なお、以下の実施の形態では、板状の軸芯に電極を捲回した扁平状の電極群を有する角形二次電池の場合を例に説明するが、二次電池の形状は角形に限定されるものではなく、例えば丸棒状の軸芯に電極を捲回した円筒状の電極群を有する円筒形二次電池に適用することもできる。
図1は、本実施形態における二次電池の外観斜視図、図2は、図1に示された二次電池の分解斜視図である。
二次電池1は、薄型のほぼ直方体形状の電池容器2内に、電極群40が収容され、図示はしないが非水電解液が注入されて構成されている。電池容器2は、図1に示すように、電池蓋3と電池缶4を有している。電池蓋3および電池缶4は、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金などの金属製材料により構成されている。
電池蓋3には、図2に示すように、正極集電板21、負極集電板31等が一体的に組みつけられており、電池蓋ユニット10として構成されている。電池蓋ユニット10の正極集電板21および負極集電板31は、それぞれ、電極群40の正極電極箔41aまたは負極電極箔42aに、例えば、超音波溶接により接合されることにより、電池蓋・発電ユニット50とされ、電池缶4の上端部の開口部から収容される。
なお、図2においては、電池蓋・発電ユニット50は、直接電池缶4内に収容される図となっているが、電池缶・発電ユニット50を、一旦、電気的に絶縁性を有するシート等で包んでから収容する構造であってもよい。
電池蓋3には、非水電解液を注入するための注液口(図示せず)が設けられており、注液栓11で密閉される。また、電池蓋3には過充電等でリチウムイオン二次電池1の内部圧力が予め設定された上限値を超えて上昇した際に、電池容器2を解放して圧力を抜くためのガス排出弁12が設けられている。ガス排出弁12には開裂用の破断溝12aが形成されている。
非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2の割合で混合した混合液中に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いることができる。
電池蓋3は、レーザー溶接によって電池缶4に接合されて、電池缶4の上端開口を閉塞する。そして、注液口(図示せず)から電解液を注入した後に、注液栓11で注液口を塞ぎ、注液栓11を電池蓋3にレーザー溶接して、外部から封口される。
電池蓋ユニット10は、電池蓋3と正極側端子構成部20と、負極側端子構成部30を備える。正極側端子構成部20は、外部正極端子24、正極接続端子25、正極端子板26、絶縁板27、ガスケット(図示せず)および正極集電板21から構成される。外部正極端子24、正極端子板26、正極接続端子25および正極集電板21は、一体的に固定され、電池蓋3に取り付けられている。
正極側端子構成部20を作成するには次のようにする。予め、正極集電板21を正極接続端子25にかしめて固定しておく。そして、電池蓋3の貫通孔にガスケットを嵌入しておく。そして電池蓋3上に絶縁板27を、電池蓋3の貫通孔と絶縁板27の貫通孔とを位置合わせして配置する。
次に、外部正極端子24を正極端子板26に設けられた貫通孔に嵌入し、絶縁板27上で正極端子板26に固定する。外部正極端子24と正極端子板26にかしめてもよい。また、正極集電板21がかしめられた正極接続端子25を電池蓋3の裏側からガスケットの貫通孔に挿入し、正極接続端子25の先端部側を絶縁板27および正極端子板26の貫通孔に挿通する。正極接続端子25の先端側は、正極端子板26の貫通孔よりも僅かに小さい円筒形状を有しており、この正極接続端子25の先端部分をかしめることにより、正極側端子構成部20が電池蓋3に一体的に組み付けられる。
この状態において、正極集電板21、正極接続端子25、正極端子板26および外部正極端子24は、電気的に接続されている。また、正極集電板21、正極接続端子25、正極端子板26および外部正極端子24は、絶縁板27およびガスケット(図示せず)によって電池蓋3と絶縁されている。
負極側端子構成部30は、外部負極端子34、負極接続端子35、負極端子板36、絶縁板37、ガスケット(図示せず)および負極集電板31から構成される。外部負極端子34、負極端子板36、負極接続端子35および負極集電板31は、電池蓋3に一体的に組み付けられている。
負極側端子構成部30を作成するには次のようにする。予め、負極集電板31を負極接続端子35にかしめて固定しておく。そして、電池蓋3の貫通孔にガスケットを嵌入しておく。そして、電池蓋3上に絶縁板37を、電池蓋3の貫通孔と絶縁板37の貫通孔とを位置合わせして配置する。
次に、外部負極端子34を負極端子板36に設けられた貫通孔に嵌入し、絶縁板37上で負極端子板36に固定する。また、負極集電板31がかしめられた負極接続端子35を電池蓋3の裏側からガスケットの貫通孔に挿入し、負極接続端子35の先端部側を絶縁板37および負極端子板36の貫通孔に挿通する。
負極接続端子35の先端側は、負極端子板36の貫通孔よりも僅かに小さい円筒形状を有しており、この負極接続端子35の先端部分をかしめることにより、負極側端子構成部30が電池蓋3に一体的に組み付けられている。
この状態において、負極集電板31、負極接続端子35、負極端子板36および外部負極端子34は、電気的に接続されている。また、負極集電板31、負極接続端子35、負極端子板36および外部負極端子34は、絶縁板37およびガスケット(図示せず)により電池蓋3と絶縁されている。
電池蓋ユニット10の正極集電板21および負極集電板31は、それぞれ、電極群40の正極金属箔41aまたは負極電極箔42aに、超音波溶接により接合されて電気的に接続され、電池蓋・発電ユニット50となる。
以上により、二次電池1は、外部正極端子24および外部負極端子34に接続された外部電子機器に対して、充放電が可能な構造となる。
図3は、図2に示された電極群の詳細を示し、一部を展開した状態の外観斜視図である。
電極群40は、正極電極41と、負極電極42と、第1セパレータ43と、第2セパレータ44を重ね合わせた状態で、軸芯40aの周りに扁平状に捲回して形成されたものである。
軸芯40aは、加熱されたヒータブロック70によって第1セパレータ43と第2セパレータ44を熱溶着可能な合成樹脂材料からなり、一対の扁平面を有する矩形の平板部材によって構成されている。軸芯40aには、第1セパレータ43の捲き始め端部および第2セパレータ44の捲き始め端部が互いに重ね合わされた状態で熱溶着されている。
正極電極41は、例えば、アルミニウム箔等からなる正極金属箔41aの表裏両面に正極合剤層41bが塗布されたものである。正極合剤層41bは、一側縁に、正極金属箔41aが露出された正極合剤未処理部41cが形成されるように正極金属箔41aに正極合剤が塗布されて形成される。
負極電極42は、例えば、銅箔等からなる負極金属箔42aの表裏両面に負極合剤層42bが塗布されたものである。負極合剤層42bは、正極合剤未処理部41cが配置された側縁と対向する側縁である他側縁に、負極金属箔42aが露出された負極合剤未処理部42cが形成されるように負極金属箔42aに負極合剤が塗布されて形成される。
正極合剤層41bは、正極活物質としてマンガン酸リチウム(化学式LiMnO4)に対し、導電材として鱗片状黒鉛と結着材としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという)とを添加し、これに分散溶媒としてN-メチルピロリドン(以下、NMPという)を添加、混練して作成する。この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に正極合剤未処理部41cを残して塗布する。その後、乾燥、プレス、裁断してアルミニウム箔を含まない正極活物質塗布部の厚さ(表裏両面の合計)90μmの正極電極41を得る。
負極合剤層42bは、負極活物質として非晶質炭素粉末に対して、結着材としてPVDFを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練して作成する。この負極合剤を厚さ10μmの銅箔の両面に負極合剤未処理部42cを残して塗布する。その後、乾燥、プレス、裁断して銅箔を含まない負極活物質塗布部の厚さ(表裏両面の合計)70μmの負極電極42を得る。
第1セパレータ43は、樹脂層43aと耐熱層43bを有し、第2セパレータ44は、樹脂層44aと耐熱層44bを有する(例えば図5を参照)。耐熱層43b、44bは、それぞれ樹脂層43a、44aの少なくとも一方の面(片面)に形成されている。樹脂層43a、44aは、例えばポリプロピレンの多孔質膜から形成されており、耐熱層43b、44bは例えばセラミックフィラーを主成分としており、厚さ方向に連通する空孔を有している。樹脂層43a、44aの厚みは、例えば20μmであり、耐熱層43b、44bの厚みは、例えば5μmである(樹脂層:耐熱層=4:1)。
電極群40を形成するには、軸芯40aに各捲き始め端部が溶着された第1、第2セパレータ43、44の間に、それぞれ、負極電極42の捲き始め端部と、正極電極41の捲き始め端部を、負極電極42が正極電極41よりも内側に位置するように配置して捲回する。
この場合、負極合剤層42bの幅、換言すれば、捲回軸方向の長さは、正極合剤層41bの幅よりも広く形成されている。また、第1セパレータ43の幅は、正極電極41の正極合剤未処理部41cを、一側縁において外部に露出させる寸法とされている。同様に、第2セパレータ44の幅は、負極電極42の負極合剤未処理部42cを他側縁において外部に露出させる寸法とされている。
図4は、電極群製造装置の構成を説明する図である。電極群製造装置73は、正極電極41と、負極電極42と、第1セパレータ43と、第2セパレータ44を重ね合わせた状態で扁平状の軸芯40aに捲回して角型二次電池1の電極群40を製造する構成を有する。
電極群製造装置73は、第1セパレータ43および第2セパレータ44を互いに重ね合わせた状態で軸芯40aに押圧して熱溶着するヒータブロック70と、軸芯40aを捲回軸回りに回転可能に保持する保持手段と、保持手段に保持された軸芯40aの扁平面に対して直交する方向にヒータブロック70を押圧する押圧手段を有している。
保持手段は、図4に示すように、装置中央に扁平な軸芯40aを捲回軸方向両側から位置決め把持し、回転させる把持回転機構66を備える。本実施形態では、把持回転機構66は、水平方向に沿って軸芯40aの回転軸が配置されるように把持する。
押圧手段は、ヒータブロック70を所定位置まで上昇させ、軸芯40aに押圧するヒータ昇降機構71と、その押圧により軸芯40aが負けて曲がらないように軸芯40aを裏側から押さえる裏押さえ機構72とを備える。
そして、把持回転機構66の側方には、上方から下方に向かって順番に正極電極41、第1セパレータ43、負極電極42、第2セパレータ44が、それぞれロール状態で配置されており、これらを把持回転機構66に供給できるようになっている。また、各々の電極やセパレータを所定の長さだけ供給する送りローラ60a〜60dと所定長さで切断するカッタ61a〜61dを備える。第1セパレータ43と、第2セパレータ44は、軸芯40aに捲回された際に、耐熱層43b、44bが互いに対向して間に正極電極41を挟み込むように把持回転機構66に供給される。
第1セパレータ43、第2セパレータ44を、送り出し機構60a、60cで軸芯40aとヒータブロック70の間に送り込んだ後、軸芯40aに第1セパレータ43、第2セパレータ44を押し付け仮位置決めするセパレータ仮押さえ68を備える。
捲回は、まず、第1セパレータ43と第2セパレータ44を重ねて軸芯40aにヒータブロック70で溶着する。次に、第1セパレータ43と第2セパレータ44との間に負極電極42を挿入して1回転捲回する。その後、正極電極41を挿入することで最内周の正極電極41の内側に負極電極42を配置できる。
電極群40を捲回した後、解けないようにテープ63を貼り付ける貼り付け手段67を備える。テープ63は送り出し機構64を介し、カッタ65で所定長さにカットされる。前述した送り機構60a〜60dは、捲回中に正極電極41、第1セパレータ43、負極電極42、第2セパレータ44に対し、バックテンションをかける役割も合わせ持つ。
(実施例1)
図5は、実施例1の構成を説明する分解斜視図、図6は、実施例1の構成を説明する模式図である。
第1セパレータ43および第2セパレータ44は、樹脂層43a,44aの片面にそれぞれ耐熱層43b、44bを有する2層構造になっている。そして、互いの耐熱層43b、44bが対向して軸芯40aに捲回される。第1セパレータ43および第2セパレータ44は、第1セパレータ43の捲き始め端部が軸芯40a側(以下、内側という)に配置され、第2セパレータ44の捲き始め端部が軸芯40aから離反する側(以下、外側という)に配置された状態で互いに重ね合わされて軸芯40aに溶着される。
第1セパレータ43および第2セパレータ44の軸芯40aへの溶着は、加熱されたヒータブロック70の押圧によって、第1セパレータ43および第2セパレータ44の樹脂層43a、44aが熱せられて、溶融した樹脂が軸芯40aに溶け込むことによって行われ、捲回中のバックテンションによって剥がれない程度の所望の溶着強度とされる。
第1セパレータ43及び第2セパレータ44を捲回中のバックテンションに対しても剥がれることなく所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させるためには、ヒータブロック70の熱を第2セパレータ44から第1セパレータ43を介して軸芯40aまで十分に伝達させる必要がある。
本実施例では、第1セパレータ43および第2セパレータ44の各捲き始め端部が軸芯40aに溶着される溶着領域において、第1セパレータ43と第2セパレータ44の間、すなわち、互いに対向する耐熱層43bと44bとの間に樹脂シート45を介在させている。
したがって、加熱されたヒータブロック70の押圧により、第2セパレータ44の樹脂層44aを部分的に溶融させて、その樹脂層44の溶融樹脂を耐熱層44bの空孔に溶け込ませて樹脂シート45まで到達させ、樹脂層44の溶融樹脂の熱を樹脂シート45に伝達することができる。
そして、樹脂層44の溶融樹脂の熱により、樹脂シート45を溶融させて、樹脂シート45の溶融樹脂を第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔に溶け込ませて樹脂層43aまで到達させ、樹脂シート45の溶融樹脂の熱を樹脂層43aに伝達することができる。
そして、樹脂シート45の溶融樹脂の熱により樹脂層43aを部分的に溶融させて、樹脂層43aの溶融樹脂の熱を軸芯40aに伝達し、その樹脂層43aの溶融樹脂の熱により軸芯40aを部分的に溶融させて、樹脂層43aの溶融樹脂を軸芯40aに溶け込ませて樹脂層43aを軸芯40aに溶着することができる。
樹脂シート45は、第1セパレータ43の耐熱層43bよりも外側に配置されている。したがって、第1セパレータ43の耐熱層43bの外側に配置されて第1セパレータ43の捲き始め端部と一体に軸芯40aに溶着される樹脂層の総厚(合計厚さ)は、樹脂シート45の厚さと第2セパレータ44の樹脂層44aの厚さを加えた厚さとなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも厚くなり、結果として、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を第2セパレータ44の外側から軸芯40aに向かって押し付けることによって、耐熱層43b、44bの空孔に、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
このとき、第1セパレータ43の樹脂層43aと第2セパレータ44の樹脂層44aの厚みは、一定であり、変化させる必要がないので、二次電池1の内部抵抗が上昇する懸念はない。
第2セパレータ44の耐熱層44bを第1セパレータ43の耐熱層43bに対向させて互いに重ねても、耐熱層44bと耐熱層43bの各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、耐熱層43bと44bの間に樹脂シート45を介在させているため、溶融樹脂が耐熱層43bに溶け込む経路を十分に確保できる。したがって、樹脂シート45の厚みは、樹脂層43a、44aよりも薄くすることができ、低コスト化を図ることができる。
また、樹脂シート45は、セパレータ43、44の樹脂層43a,44aの厚さ20μmに対して、セパレータのように空孔を設ける必要が無い分だけ、その厚さを薄くすることができ、例えば10〜15μmとすることができる。樹脂シート45の材質は、例えばセパレータ43、44の樹脂層43a,44aと同じポリプロピレンである。
電極群40の製作過程において、セパレータの先捲きの後に、90〜100μmの厚みを有する負極電極42、正極電極41が挿入される。樹脂シート45の厚みは、正極電極41、負極電極42の厚みに対し、十分に小さいため、電極群40の形状及び性能への影響はない。したがって、溶着部分の厚みは電極の厚みより小さければ良い。そして、本実施例では、樹脂シート45の厚みは、第2セパレータ44の耐熱層の厚さ以上の厚さに設定されている。
(実施例2)
図7は、実施例2の構成を説明する分解斜視図、図8は、実施例2の構成を説明する模式図である。
本実施例において特徴的なことは、樹脂シート45を、第2セパレータ44の外側に配置したことである。実施例1と同様に、第1セパレータ43および第2セパレータ44は、それぞれ樹脂層43a,44aと耐熱層43b、44bの2層構造を有している。そして、それぞれの耐熱層43b、44bを対向させて、軸芯40aに捲回し、各捲き始め端部を軸芯40aに溶着させている。この溶着領域において、樹脂シート45は、第2セパレータ44の外側に配置されている。
したがって、第1セパレータ43の耐熱層43bの外側に配置される樹脂層の総厚は、第2セパレータ44の樹脂層44aの厚さと樹脂シート45の厚さを加えた厚さとなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも厚くなり、結果として、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を所定の押圧力で押し付けることによって、耐熱層44b、43bの空孔に、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例では、第2セパレータ44の外側に樹脂シート45を配置しているので、樹脂シート45と第2セパレータ44の樹脂層44aが溶融して、第2セパレータ44の耐熱層44bと第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔を通って、第1セパレータ43の樹脂層43aに到達し、熱を伝える。
第2セパレータ44の耐熱層44bを第1セパレータ43の耐熱層43bに対向させて互いに重ねても、耐熱層44bと耐熱層43bの各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、樹脂シート45および第2セパレータ44の樹脂層44aの溶融樹脂が、第2セパレータ44の耐熱層44bの空孔を通って、耐熱層44bと耐熱層43bとの境界面に流れ込み、境界面に沿って拡がることで、溶融樹脂が第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔に溶け込む経路を十分に確保できる。
したがって、樹脂シート45は、実施例1のものよりも厚くなるが、セパレータのように空孔を設ける必要がないので、樹脂層43a、44aよりも薄くすることができ、低コスト化を図ることができる。
本実施例では、樹脂シート45の厚みは、セパレータ43、44の樹脂層43a,44aの厚さ20μmに対して、空孔を設ける必要が無い分だけ薄くすることができ、例えば10〜15μmとすることができる。樹脂シート45の材質は、例えばセパレータ43、44の樹脂層43a,44aと同じポリプロピレンである。
本実施例によれば、樹脂シート45を第2セパレータ44の外側に配置しているので、電極群製造装置73を用いて製造する際に、樹脂シート45のハンドリングが容易になる。したがって、電極群製造装置73に簡単な構造のハンドリング装置を付加するだけで実現することができ、設備費やメンテナンス費等のコストを低く抑えることができる。
(実施例3)
図9は、実施例3の構成を説明する分解斜視図、図10は、実施例3の構成を説明する模式図である。
本実施例において特徴的なことは、実施例1、2の樹脂シート45を不要とし、第1セパレータ43と第2セパレータ44のみを用いて所望の溶着強度を有する溶着を実現可能としたことである。
上記した実施例1、2と同様に、第1セパレータ43および第2セパレータ44は、それぞれ樹脂層43a,44aと耐熱層43b、44bの2層構造を有している。そして、それぞれの耐熱層43b、44bを対向させて、軸芯40aに捲回し、各捲き始め端部を軸芯40aに溶着させている。
第2セパレータ44は、捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部44’を有している。折り返し端部44’は、樹脂層44aの外面に樹脂層44a’が対向して配置され、その樹脂層44a’の外側に耐熱層44b’が配置されている。
したがって、溶着領域には、第1セパレータ43の捲き始め端部、第2セパレータ44の捲き始め端部、第2セパレータ44の折り返し端部が軸芯40aに順番に重ねられている。
そして、各樹脂層と各耐熱層は、外側から内側に向かって(図中下側から上側に向かって)順番に、第2セパレータ44の折り返し端部44’の耐熱層44b’、樹脂層44a’、第2セパレータ44の捲き始め端部の樹脂層44a、耐熱層44b、そして、第1セパレータ43の捲き始め端部の耐熱層43b、樹脂層43aが重なった状態とされる。
したがって、第1セパレータ43の耐熱層43bの外側に配置される樹脂層の総厚は、第2セパレータ44の樹脂層44aの2倍となり、結果として、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を所定の押圧力で押し付けることによって、耐熱層44b、43bの空孔に、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例では、第2セパレータ44の捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部44’を有しているので、第2セパレータ44の樹脂層44aと樹脂層44a’を溶融して、第2セパレータ44の耐熱層44bと第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔を通って、第1セパレータ43の樹脂層43aに到達し、熱を伝えることができる。
第2セパレータ44の耐熱層44bを第1セパレータ43の耐熱層43bに対向させて互いに重ねても、耐熱層44bと耐熱層43bの各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、第2セパレータ44の樹脂層44aと樹脂層44a’の溶融樹脂は、第2セパレータ44の耐熱層44bの空孔を通って、耐熱層44bと耐熱層43bとの境界面に流れ込み、境界面に沿って拡がることで、溶融樹脂が第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔に溶け込む経路を十分に確保できる。したがって、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例は、第1セパレータ43と第2セパレータ44のみを用いるものであり、実施例1、2のように樹脂シート45を別個に用意する必要がないので、製造が容易である。また、第2セパレータ44の捲き始め端部を外側に折り曲げる形態を採用しているので、折り曲げ作業が容易であり、電極群製造装置73に簡単な折り曲げ機構の構造を付加するだけで実現することができ、設備費やメンテナンス費等のコストを低く抑えることができる。
(実施例4)
図11は、実施例4の構成を説明する分解斜視図、図12は、実施例4の構成を説明する模式図である。
本実施例において特徴的なことは、第1セパレータ43の捲き始め端部を外側に折り返して重ね合わせて、第2セパレータ44との間に挟み込んだ構成としたことである。これにより、実施例1、2の樹脂シート45を不要とし、第1セパレータ43と第2セパレータ44のみを用いて所望の溶着強度を有する溶着を実現可能とした。
上記した実施例1〜3と同様に、第1セパレータ43および第2セパレータ44は、それぞれ樹脂層43a,44aと耐熱層43b、44bの2層構造を有している。そして、それぞれの耐熱層43b、44bを対向させて、軸芯40aに捲回し、各捲き始め端部を軸芯40aに溶着させている。
第1セパレータ43は、この溶着領域において、捲き始め端部で折り返した折り返し端部43’を有している。折り返し端部43’は、耐熱層43bの外側に耐熱層43b’が対向して配置され、その耐熱層43b’の外側に樹脂層43a’が配置されている。そして、折り返し端部43’は、第1セパレータ43の捲き始め端部と第2セパレータ44の捲き始め端部との間に挟まれている。
したがって、溶着領域には、第1セパレータ43の捲き始め端部、第1セパレータ43の折り返し端部43’、第2セパレータ44の捲き始め端部が軸芯40aに順番に重ねられている。
そして、各樹脂層と各耐熱層は、外側から内側に向かって(図中下側から上側に向かって)順番に、第2セパレータ44の捲き始め端部の樹脂層44a、耐熱層44b、第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’、耐熱層43b’、そして、第1セパレータ44の捲き始め端部の耐熱層43b、樹脂層43aが重なった状態で配置される。
したがって、第1セパレータ43の耐熱層43bの外側に配置される樹脂層の総厚は、第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’の厚さと、第2セパレータ44の樹脂層44aの厚さを加えた厚さとなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44よりも厚くなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を所定の押圧力で押し付けることによって、耐熱層44b、43b’、43bの空孔に、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例では、第1セパレータ43の捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部43’を設けて、第1セパレータ43の捲き始め端部と第2セパレータ44の捲き始め端部との間に挟み込んで介在させているので、第2セパレータ44の樹脂層44aと第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’を溶融して、第2セパレータ44の耐熱層44bと第1セパレータ43の折り返し端部43’の耐熱層43b’と第1セパレータ43の耐熱層43bの各空孔を通って、第1セパレータ43の樹脂層43aに到達し、熱を伝えることができる。
第1セパレータ43の捲き始め端部で折り曲げて折り返し端部43’の耐熱層43b’を第1セパレータ43の耐熱層43bに対向させて互いに重ねても、耐熱層43b’と耐熱層43bとの各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、第2セパレータ44の樹脂層44aと第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’の溶融樹脂は、第1セパレータ43の折り返し端部43’の耐熱層43b’の空孔を通って、耐熱層43b’と耐熱層43bとの境界面に流れ込み、境界面に沿って拡がることで、溶融樹脂が第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔に溶け込む経路を十分に確保できる。したがって、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例は、第1セパレータ43と第2セパレータ44のみを用いるものであり、実施例1、2のように樹脂シート45を別個に用意する必要がないので、製造が容易である。また、第1セパレータ43の捲き始め端部を外側に折り曲げて第2セパレータ44との間に挟み込む形態を採用しているので、第1セパレータ43の折り返し端部43’を外側の第2セパレータ44で押さえることができ、確実な溶着が可能となり、また、溶着位置におけるセパレータのずれも緩和できる。
(実施例5)
図13は、実施例5の構成を説明する分解斜視図、図14は、実施例5の構成を説明する模式図である。
本実施例において特徴的なことは、第1セパレータ43の捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部43’を有しており、第1セパレータ43の捲き始め端部と第1セパレータ43の折り返し端部43’との間に、第2セパレータ44の捲き始め端部を挟み込んで介在させた構成としたことである。これにより、実施例1、2の樹脂シート45を不要とし、第1セパレータ43と第2セパレータ44のみを用いて所望の溶着強度を有する溶着を実現可能とした。
上記した実施例1〜4と同様に、第1セパレータ43および第2セパレータ44は、それぞれ樹脂層43a,44aと耐熱層43b、44bの2層構造を有している。そして、それぞれの耐熱層43b、44bを対向させて、軸芯40aに捲回し、各捲き始め端部を軸芯40aに溶着させている。
第1セパレータ43は、この溶着領域において、捲き始め端部で折り返した折り返し端部43’を有している。折り返し端部43’は、耐熱層43bの外側に耐熱層43b’が対向して配置され、その耐熱層43b’の外側に樹脂層43a’が配置されている。そして、第1セパレータ43の捲き始め端部と第1セパレータ43の折り返し端部43’との間には、第2セパレータ44の捲き始め端部が挟まれている。
したがって、溶着領域には、第1セパレータ43の捲き始め端部、第2セパレータ44の捲き始め端部、第1セパレータ43の折り返し端部43’が軸芯40aに順番に重ねられている。
そして、各樹脂層と各耐熱層は、外側から内側に向かって(図中下側から上側に向かって)順番に、第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’、耐熱層43b’、第2セパレータ44の樹脂層44a、耐熱層44b、そして、第1セパレータ44の耐熱層43b、樹脂層43aが重なった状態で配置される。
したがって、第1セパレータ43の耐熱層43bの外側に配置される樹脂層の総厚は、第2セパレータ44の樹脂層44aの厚さと、第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’の厚さを加えた厚さとなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44よりも厚くなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を所定の押圧力で押し付けることによって、耐熱層44b、43bの空孔に、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例では、第1セパレータ43の捲き始め端部を外側に折り返して重ねた折り返し端部43’を設けて、第2セパレータ44の捲き始め端部を間に挟み込んでいるので、第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’と第2セパレータ44の樹脂層44aを溶融して、第2セパレータ44の耐熱層44bと第1セパレータ43の耐熱層43bの各空孔を通って、第1セパレータ43の樹脂層43aに到達し、熱を伝える。
第1セパレータ43の耐熱層43bに第2セパレータ44の耐熱層44bを対向させて互いに重ねても、耐熱層43bと耐熱層44bとの各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、第1セパレータ43の折り返し端部43’の樹脂層43a’の溶融樹脂は、第1セパレータ43の折り返し端部43’の耐熱層43b’の空孔を通って、第2セパレータ44の樹脂層44aに到達し、熱を伝える。これにより、第2セパレータ44の樹脂層44aが溶融し、第2セパレータ44の耐熱層44bの空孔を通って第2セパレータ44の耐熱層44bと第1セパレータ43の耐熱層43bとの境界面に流れ込み、境界面に沿って拡がる。したがって、樹脂層43a’および樹脂層44aの溶融樹脂が第1セパレータ43の耐熱層43bの空孔に溶け込む経路を十分に確保できる。したがって、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
本実施例は、第1セパレータ43と第2セパレータ44のみを用いるものであり、実施例1、2のように樹脂シート45を別個に用意する必要がないので、製造が容易である。また、第1セパレータ43の捲き始め端部を外側に折り曲げて、間に第2セパレータ44の捲き始め端部を挟み込む形態を採用しているので、第2セパレータ44の捲き始め端部を、外側の第1セパレータ43の折り返し端部43’で押さえることができる。したがって、電極群製造装置73において、予め第1セパレータ43の折り返し端部43’で第2セパレータ44の捲き始め端部を挟み込んだものを、軸芯40aの付近に供給することができ、電極群製造73の構造の簡素化が可能となる。また、溶着位置における第1セパレータ43と第2セパレータ44とのずれも緩和できる。
(実施例6)
図15は、実施例6の構成を説明する分解斜視図、図16は、実施例6の構成を説明する模式図である。
本実施例において特徴的なことは、両面に耐熱層を有する2枚のセパレータの間に樹脂シート45を介在させて軸芯40aに溶着する構成としたことである。
第1セパレータ43と第2セパレータ44は、樹脂層43a、44aの両面にそれぞれ耐熱層43b1、43b2、44b1、44b2が設けられた3層構造を有している。上記構成を有する第1セパレータ43と第2セパレータ44を重ねて軸芯40aに溶着する場合、必ず、互いの耐熱層同士が対向する。この溶着領域において、対向する耐熱層43b2、44b1の間に、樹脂シート45を介在させている。
第1セパレータ43の外側の耐熱層43b2の外側には、第2セパレータ44の樹脂層44aと樹脂シート45が配置され、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い樹脂層が形成される。すなわち、第1セパレータ43の耐熱層43b2の外側に配置される樹脂層の総厚は、樹脂シート45の厚さと第2セパレータ44の樹脂層44aの厚さを加えた厚さとなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも厚くなり、結果として、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を第2セパレータ44の外側から軸芯40aに向かって押し付けることによって、第2セパレータ44の耐熱層44b1の空孔と、第1セパレータ43の耐熱層43b2の空孔に、樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
第1セパレータ43と第2セパレータ44を互いに重ねても、耐熱層43b2と耐熱層44b1の各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、耐熱層43b2と44b1の間に樹脂シート45が介在するため、溶融した樹脂が溶け込む経路を十分に確保できる。したがって、樹脂シート45の厚みは、樹脂層43a、44aよりも薄くすることができ、低コスト化を図ることができる。
(実施例7)
図17は、実施例7の構成を説明する分解斜視図、図18は、実施例7の構成を説明する模式図である。
本実施例において特徴的なことは、両面に耐熱層を有する2枚のセパレータを重ねて、その外側に樹脂シートを配置して軸芯40aに溶着する構成としたことである。
第1セパレータ43と第2セパレータ44は、樹脂層43a、44aの両面にそれぞれ耐熱層43b1、43b2、44b1、44b2が設けられた3層構造を有している。上記構成を有する第1セパレータ43と第2セパレータ44を重ねて軸芯40aに溶着する場合、必ず、互いの耐熱層同士が対向する。この溶着領域において、第1セパレータ43の捲き始め端部と第2セパレータ44の捲き始め端部とを重ねたその外側に樹脂シート45を配置している。
第1セパレータ43の外側の耐熱層43b2の外側には、第2セパレータ44の樹脂層44aと樹脂シート45が配置され、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い樹脂層が形成される。すなわち、第1セパレータ43の耐熱層43b2の外側に配置される樹脂層の総厚は、第2セパレータ44の樹脂層44aの厚さと樹脂シート45の厚さを加えた厚さとなり、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも厚くなり、結果として、第2セパレータ44の1枚分の樹脂層44aよりも多い量の樹脂が配置されることとなる。
したがって、加熱されたヒータブロック70を第2セパレータ44の外側から軸芯40aに向かって押し付けることによって、第2セパレータ44の耐熱層44b1の空孔と、第1セパレータ43の耐熱層43b2の空孔に、溶融樹脂を溶着に十分な量だけ溶け込ませることができ、第2セパレータ44と第1セパレータ43を所望の溶着強度で軸芯40aに溶着させることができる。
第1セパレータ43と第2セパレータ44を互いに重ねても、耐熱層43b2と耐熱層44b1の各空孔は必ずしも重ならないが、本実施例では、樹脂シート45の溶融樹脂が第2セパレータ44の耐熱層44b2の空孔を通って樹脂層44aに到達し、熱を伝える。したがって、その熱によって樹脂層44aを溶融させることができ、その溶融樹脂が第2セパレータ44の耐熱層44b1の空孔を通って、耐熱層44b1と耐熱層43b2との境界面に流れ込み、境界面に沿って拡がることで、溶融樹脂が第1セパレータ43の耐熱層43b1の空孔に溶け込む経路を十分に確保できる。
したがって、樹脂シート45は、実施例6のものよりも厚くなるが、セパレータのように空孔を設ける必要がないので、樹脂層43a、44aよりも薄くすることができ、低コスト化を図ることができる。
本実施例によれば、樹脂シート45を第2セパレータ44の外側に配置しているので、電極群製造装置73を用いて製造する際に、樹脂シート45のハンドリングが容易になる。したがって、電極群製造装置73に簡単な構造のハンドリング装置を付加するだけで実現することができ、設備費やメンテナンス費等のコストを低く抑えることができる。
前述の実施形態は、角形二次電池の構造を前提に説明したが、耐熱層を有するセパレータが軸芯に溶着される構造であれば角形に拘る必要は無く、円筒形二次電池においても適用可能である。
また、上述の各実施例では、樹脂層43aと44aとの厚さが同じであり、また、耐熱層43bと44bとの厚さが同じである場合を例に説明したが、これらの厚さは同一に限定されるものではなく、相違していてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 二次電池
40 電極群
40a 軸芯
43 第1セパレータ
43’ 折り返し端部
43a、43a’ 第1セパレータの樹脂層
43b、43b’、43b1、43b2 第1セパレータの耐熱層
44 第2セパレータ
44’ 折り返し端部
44a、44a’ 第2セパレータの樹脂層
44b、44b’、44b1、43b2 第2セパレータの耐熱層
45 樹脂シート

Claims (10)

  1. 樹脂層の少なくとも一方の面に耐熱層が形成され該耐熱層が厚さ方向に連通する空孔を有する第1セパレータおよび第2セパレータと、前記第1セパレータの耐熱層と前記第2セパレータの耐熱層とを対向させて捲回する軸芯と、を有し、軸芯側に配置された前記第1セパレータの捲き始め端部と、該第1セパレータの捲き始め端部の外側に重ねて配置された前記第2セパレータの捲き始め端部とが前記軸芯に一体に溶着された電極群を有する二次電池の製造方法であって、
    前記第1セパレータの捲き始め端部の外側に配置されて前記第1セパレータの捲き始め端部と一体に軸芯に溶着される樹脂層の軸芯に溶着される前の合計厚さが、第2セパレータの捲き始め端部の樹脂層よりも厚いことを特徴とする二次電池の製造方法
  2. 第1セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの捲き始め端部との間に樹脂シートを介在させて、第1セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの捲き始め端部と樹脂シートを重ねて軸芯に一体に溶着したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法
  3. 第2セパレータの捲き始め端部の外側に樹脂シートを配置して、第1セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの捲き始め端部と樹脂シートを重ねて軸芯に一体に溶着したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法
  4. 第2セパレータの捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部を設けて、第1セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの折り返し端部を重ねて軸芯に一体に溶着したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法
  5. 第1セパレータの捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部を設けて、該第1セパレータの折り返し端部を前記第1セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの捲き始め端部との間に介在させて、第1セパレータの捲き始め端部と第1セパレータの折り返し端部と第2セパレータの捲き始め端部を重ねて軸芯に一体に溶着したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法
  6. 第1セパレータの捲き始め端部で外側に折り返した折り返し端部を設けて、該第1セパレータの折り返し端部と第1セパレータの捲き始め端部との間に第2セパレータの捲き始め端部を介在させて、第1セパレータの捲き始め端部と第2セパレータの捲き始め端部と第1セパレータの折り返し端部を重ねて軸芯に一体に溶着したことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法
  7. 前記第1セパレータと前記第2セパレータは、前記樹脂層の両面に前記耐熱層が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の二次電池の製造方法
  8. 前記樹脂シートは、前記第2セパレータの樹脂層よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項2、3、7のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法
  9. 前記樹脂シートは、前記第2セパレータの耐熱層の厚さ以上の厚さを有していることを特徴とする請求項2、3、7のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法
  10. 前記第2セパレータの樹脂層と耐熱層との厚さの比が4:1であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法
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