以下、本発明の二次電池の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る二次電池100の斜視図である。本実施形態の二次電池100は、例えば、扁平箱形の電池容器10を備える角形二次電池である。電池容器10は、扁平な捲回電極群を収容する扁平角形の電池缶12と、電池缶12を封止する長方形の電池蓋11とを備えている。電池容器10は、例えばアルミニウム合金等の金属材料によって製作されている。
電池容器10の幅方向すなわち電池蓋11の長手方向の両端には、電池容器10の外側で電池蓋11の上面に、正極及び負極の外部端子20A,20Bが設けられている。外部端子20A,20Bと電池蓋11との間には、絶縁部材2が配置され、外部端子20A,20Bが電池蓋11に対して電気的に絶縁されている。正極の外部端子20Aは、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって製作され、負極の外部端子20Bは、例えば、銅又は銅合金によって製作されている。
電池蓋11には、正極及び負極の外部端子20A,20Bの間に、ガス排出弁13と注液口14とが設けられている。ガス排出弁13は、例えば、電池蓋11を薄肉化して溝部13aを形成することによって設けられ、電池容器10の内圧が所定値を超えて上昇したときに開裂して内部のガスを放出することで、電池容器10の内圧を低下させる。注液口14は、電池容器10の内部に電解液を注入するのに用いられ、例えばレーザ溶接によって注液栓15が溶接されて封止されている。
図2は、図1に示す二次電池100の分解斜視図である。電池蓋11の長手方向の両端で、電池容器10の内側となる電池蓋11の下面には、絶縁部材3A,3Bを介して正極及び負極の集電板30A,30Bが固定されている。集電板30A,30Bは、それぞれ、絶縁部材3A,3Bを介して電池蓋11の下面に対向して電池蓋11と略平行に配置される基部31と、基部31から電池缶12の底面12cに向けて延びる端子部32と、を有している。正極の集電板30Aは、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって製作され、負極の集電板30Bは、例えば、銅又は銅合金によって製作されている。
正極及び負極の集電板30A,30Bのそれぞれの端子部32は、電池容器10の厚さ方向における基部31の両側から、電池缶12の最大面積の広側面12bに沿って電池缶12の底面12cに向けて延びる板状に形成されている。集電板30A,30Bのそれぞれの端子部32は、電池蓋11の長手方向すなわち電池容器10の幅方向において、それぞれの基部31の外側の端部から延びて、例えば、超音波圧接又は抵抗溶接によって、電極群40の端部の集電板接合部41d,42dにそれぞれ接合されている。
これにより、正極の集電板30Aは、電極群40の捲回軸D方向の一方の端部に配置され、電極群40の正極電極41(図3参照)に電気的に接続されている。また、負極の集電板30Bは、捲回軸D方向の他方の端部に配置され、電極群の負極電極42(図3参照)に電気的に接続されている。また、電極群40は、集電板接合部41d,42dが集電板30A,30Bのそれぞれの端子部32に接合されることで、集電板30A,30B及び絶縁部材3A,3Bを介して電池蓋11に固定されている。
二次電池100は、正極の外部端子20Aと電池容器10内の電極群40との間の電流経路を遮断する電流遮断部50を備えている。電流遮断部50は、主な構成要素としてダイヤフラム5を有している。なお、本実施形態の二次電池100では、負極の外部端子20Bと集電板30Bとの間には、電流遮断部50が設けられていない。
ダイヤフラム5は、正極の外部端子20Aと電池容器10内の電極群40との間の電流経路に配置され、正極の外部端子20Aと正極の集電板30Aの基部とを電気的に接続している。詳細は後述するが、ダイヤフラム5は、電池容器10の内圧上昇によって変形して、正極の外部端子20Aと電極群40との間の電流経路を遮断する。
外部端子20A,20B、絶縁部材2、絶縁部材3A,3B、集電板30A,30B、電流遮断部50、及び電極群40が電池蓋11に組み付けられ、蓋組立体60が構成されている。蓋組立体60は、二次電池100の製造時に、電極群40と電池缶12との間に不図示の絶縁シートを配置し、これらの間を電気的に絶縁した状態で、電極群40の下方側の湾曲部40bから電池缶12の開口部12aに挿入される。電極群40は、捲回軸D方向の両側に電池缶12の狭側面12d,12dが位置し、捲回軸D方向が電池缶12の底面12c及び広側面12bに略平行に沿うように電池缶12内に収容される。
これにより、電極群40は、一方の湾曲部40bが電池蓋11に対向し、もう一方の湾曲部40bが電池缶12の底面12cに対向し、平面部40aが広側面12bに対向した状態になる。そして、電池蓋11によって電池缶12の開口部12aを閉塞した状態で、例えば、レーザ溶接によって電池蓋11の全周を電池缶12の開口部12aに接合することで、電池蓋11と電池缶12からなる電池容器10が形成される。
その後、電池蓋11の注液口14を介して電池容器10の内部に非水電解液を注入し、例えば、レーザ溶接によって注液栓15を注液口14に接合して封止することで、電池容器10が密閉されている。電池容器10の内部に注入する非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2の割合で混合した混合溶液中に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いることができる。
図3は、図2に示す電極群40の一部を展開した分解斜視図である。電極群40は、セパレータ43,44を介在させて積層させた正負の電極41,42を捲回軸Dに平行な軸心の周りに捲回して扁平形状に成形した捲回電極群である。電極群40は、電池缶12の広側面12bに対向して配置される平坦な一対の平面部40aと、電池蓋11及び電池缶12の底面12cに対向して配置される半円筒状の一対の湾曲部40bを有している。セパレータ43,44は、正極電極41と負極電極42との間を絶縁すると共に、最外周に捲回された負極電極42の外側にもセパレータ44が捲回されている。セパレータ43,44は、例えば、多孔質のポリエチレン樹脂によって製作されている。
正極電極41は、正極集電体である正極箔41aと、正極箔41aの両面に塗布された正極活物質合剤からなる正極合剤層41bとを有している。正極電極41の幅方向の一側は、正極合剤層41bが形成されず、正極箔41aが露出した箔露出部41cとされている。正極電極41は、箔露出部41cが負極電極42の箔露出部42cと捲回軸D方向の反対側に配置されて、捲回軸Dの周りに捲回されている。
正極電極41は、例えば、正極活物質に導電材、結着剤及び分散溶媒を添加して混練した正極活物質合剤を、幅方向の一側を除いて正極箔41aの両面に塗布し、乾燥、プレス、裁断することによって製作することができる。正極箔41aとしては、例えば、厚さ約20μmのアルミニウム箔を用いることができる。正極箔41aの厚みを含まない正極合剤層41bの厚さは、例えば、約90μmである。
正極活物質合剤の材料としては、例えば、正極活物質として100重量部のマンガン酸リチウム(化学式LiMn2O4)を、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛を、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を、分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を、それぞれ用いることができる。正極活物質は、前記したマンガン酸リチウムに限定されず、例えば、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウム、一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物を用いてもよい。また、正極活物質として、層状結晶構造を有するコバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、及びこれらの一部を金属元素で置換又はドープしたリチウム−金属複合酸化物を用いてもよい。
負極電極42は、負極集電体である負極箔42aと、負極箔42aの両面に塗布された負極活物質合剤からなる負極合剤層42bとを有している。負極電極42の幅方向の一側は、負極合剤層42bが形成されず、負極箔42aが露出した箔露出部42cとされている。負極電極42は、その箔露出部42cが正極電極41の箔露出部41cと捲回軸D方向の反対側に配置されて、捲回軸D周りに捲回されている。
負極電極42は、例えば、負極活物質に結着剤及び分散溶媒を添加して混練した負極活物質合剤を、幅方向の一側を除く負極箔42aの両面に塗布し、乾燥、プレス、裁断することによって製作することができる。負極箔42aとしては、例えば、厚さ約10μmの銅箔を用いることができる。負極箔42aの厚みを含まない負極合剤層42bの厚さは、例えば、約70μmである。
負極活物質合剤の材料としては、例えば、負極活物質として100重量部の非晶質炭素粉末を、結着剤として10重量部のPVDFを、分散溶媒としてNMPをそれぞれ用いることができる。負極活物質は、前記した非晶質炭素に限定されず、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(例えば、SiO、TiSi2等)、又はそれらの複合材料を用いてもよい。負極活物質の粒子形状についても特に限定されず、鱗片状、球状、繊維状又は塊状等の粒子形状を適宜選択することができる。
なお、前記した正極及び負極の合剤層41b,42bに用いる結着材は、PVDFに限定されない。前記した結着材として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体及びこれらの混合体などを用いてもよい。
また、セパレータ43,44を介在させて正極電極41及び負極電極42を重ねて捲回する際の軸芯は、例えば、正極箔41a、負極箔42a、セパレータ43,44のいずれよりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回したものを用いることができる。
電極群40の捲回軸D方向において、負極電極42の負極合剤層42bの幅は、正極電極41の正極合剤層41bの幅よりも広くなっている。また、電極群40の最内周と最外周には負極電極42が捲回されている。これにより、正極合剤層41bは、電極群40の最内周から最外周まで負極合剤層42bの間に挟まれている。
正極電極41及び負極電極42の箔露出部41c,42cはそれぞれ電極群40の平面部40aで束ねられて前記した集電板接合部41d,42d(図2参照)が形成される。正極電極41及び負極電極42のそれぞれの集電板接合部41d,42dは、例えば超音波圧接、抵抗溶接等によって、正極及び負極の集電板30A,30Bのそれぞれの端子部32に接合される。これにより、正極側及び負極側において、外部端子20A,20Bが、それぞれ集電板30A,30Bを介して、電極群40を構成する正負の電極41,42とそれぞれ電気的に接続される。
なお、電極群40の捲回軸D方向において、セパレータ43,44の幅は負極合剤層42bの幅よりも広いが、正極電極41及び負極電極42の箔露出部41c,42cは、それぞれセパレータ43,44の幅方向端部よりも幅方向外側に突出している。したがって、セパレータ43,44は、箔露出部41c,42cを束ねて溶接する際の支障にはならない。
図4Aは、図2に示す電流遮断部50の拡大断面図である。図5は、図4Aに示す電流遮断部50の周辺の部材の分解斜視図である。図5では、電極群40の図示を省略し、絶縁部材3Aの突起部3dに係合部3fが形成される前の状態を表している。
正極の外部端子20Aは、電池蓋11上で電池蓋11の長手方向に沿って延びる板状部21と、電池蓋11を貫通してダイヤフラム5に接続される円柱状の接続部22と、板状部21及び接続部22を貫通する貫通孔23と、ボルト24とを有している。なお、正極の外部端子20Aには、貫通孔23を設けなくてもよい。
板状部21は、電池蓋11の長手方向すなわち電池容器10の幅方向の内側の端部に貫通孔21aが設けられている。貫通孔21aには、ボルト24が板状部21の下面側から上面側へ向けて挿通されている。板状部21は、電池容器10の幅方向における中央部に、電池蓋11の短手方向すなわち電池容器10の厚さ方向に沿って溝部21bが形成されることで、部分的に厚さが薄くされている。
接続部22は、電池容器10の幅方向外側に位置する板状部21の端部に設けられ、電池蓋11を貫通する方向に向けて、直径が拡大された拡径部22aと、直径が縮小された縮径部22bと、該縮径部22bの先端を塑性変形させて拡径したかしめ部22cと、を有している。外部端子20Aの貫通孔23は、接続部22の軸方向に沿って外部端子20Aを貫通し、板状部21の上面とかしめ部22cの中央部に開口している。
電池容器10外側の絶縁部材2は、例えば絶縁性を有する樹脂材料によって製作され、外部端子20Aの板状部21の周側面を覆う縁部2aと、板状部21の底面及び電池蓋11の上面に密着する底部2bと、を有している。絶縁部材2の縁部2aは、板状部21の周側面を覆うことで、板状部21と電池蓋11又はその他の部材との短絡を防止している。絶縁部材2の底部2bは、外部端子20Aの板状部21と電池蓋11との間に配置され、これらを電気的に絶縁している。絶縁部材2の底部2bには、電池蓋11の上面に設けられた凹部11aに係合する凸部2cと、外部端子20Aの接続部22を挿通させる開口部2dとが設けられている。凸部2cの内側には、ボルト24の頭部が収容されている。
ガスケット4は、例えば絶縁性を有する樹脂材料によって製作され、円筒状の筒状部4aと、筒状部4aの軸方向において電池容器10外方側の端部に設けられたフランジ部4bとを有している。ガスケット4の筒状部4aは、内側に外部端子20Aの接続部22を挿通させた状態で、電池蓋11の貫通孔11bに挿通され、外部端子20Aの接続部22と電池蓋11の貫通孔11bの内周面との間に配置され、接続部22と電池蓋11とを電気的に絶縁している。ガスケット4のフランジ部4bは、絶縁部材2の開口部2d内に配置され、電池蓋11の貫通孔11bの周囲に設けられた段差部11cに係合し、該段差部11cと外部端子20Aの板状部21の底面との間で圧縮されている。これにより、ガスケット4は、凹状の段差部11cと板状部21の底面に密着し、電池蓋11の貫通孔11bを封止している。
電池容器10内側の絶縁部材3Aは、例えば絶縁性を有する樹脂材料によって製作され、電池容器10の幅方向すなわち電極群40の捲回軸D方向に延在する本体部3aと、本体部3aの延在方向中央部に設けられた貫通孔3bと、を有している。絶縁部材3Aの本体部3aは、導電板6及びダイヤフラム5を配置するための凹部3cと、集電板30Aの基部31を固定するための複数の突起部3dと、を有している。絶縁部材3Aの凹部3cの電池容器10の内方を向く面には、導電板6の平面形状に対応する平面形状に形成されて導電板6を係合させる係合凹部3eが設けられている。
絶縁部材3Aの複数の突起部3dは、集電板30Aの基部31を貫通する方向、すなわち基部31の厚さ方向に突出し、集電板30Aの基部31に設けられた固定孔33に通されている。突起部3dを含む絶縁部材3Aは、熱可塑性の樹脂材料によって形成されている。突起部3dの先端は、集電板30Aの基部31の固定孔33を貫通し、例えば、基部31に熱溶着される。これにより、突起部3dの先端が拡径されて係合部3fが形成され、集電板30Aの基部31を絶縁部材3Aに固定している。なお、絶縁部材3Aに対する集電板30Aの基部31の固定方法は、突起部3dの熱溶着に限定されない。さらに強固な接合が必要である場合は、ネジやリベットによる接合や、接着剤による接合を採用することも可能である。
電池容器10内に収容された電流遮断部50は、主な構成要素としてダイヤフラム5を備えている。また、本実施形態の電流遮断部50は、ダイヤフラム5の周縁部5aに溶接される導電板6を備えている。ダイヤフラム5及び導電板6は、導電性を有する金属材料、例えば、正極の外部端子20A及び集電板30Aと同様のアルミニウム又はアルミニウム合金によって製作されている。
ダイヤフラム5は、電池容器10の電池蓋11と集電板30Aの基部31との間で、かつ導電板6と集電板30Aの基部31との間に配置されている。本実施形態のダイヤフラム5は、電池蓋11に垂直な平面視で円形の平面形状を有すると共に、集電板30Aの基部31に向けて膨出する凸形状を有し、電池蓋11に垂直な方向に深さを有する椀形に形成されている。なお、ダイヤフラム5の形状は、本実施形態のような円形の平面形状及び凸形状に限定されない。例えば、ダイヤフラム5は、電池蓋11の長手方向の寸法が電池蓋11の短手方向の寸法よりも大きい、例えば、楕円形又はレーストラック形の平面形状を有してもよく、平板状であってもよい。
導電板6は、ダイヤフラム5に対応する平面形状を有する板状の部材であり、外部端子20Aの接続部22を挿通させる貫通孔6aと、ダイヤフラム5の周縁部5aを係合させる環状溝6bと、を有している。
外部端子20Aの接続部22の先端は、集電板30Aの基部31に対向する導電板6の下面6c側で拡径されて塑性変形し、接続部22の先端にかしめ部22cが形成されている。これにより、かしめ部22cと導電板6とが接触して外部端子20Aと導電板6とが電気的に接続されると共に、外部端子20A、絶縁部材2、ガスケット4、絶縁部材3A、及び導電板6が、電池蓋11に対して固定されている。この状態で、外部端子20A及び導電板6は、絶縁部材2、ガスケット4、及び絶縁部材3Aによって、電池蓋11に対して電気的に絶縁されている。
ダイヤフラム5の周縁部5aは、電池蓋11に平行な方向に沿うように曲折され、導電板6の電池容器10内方を向く面に形成された環状溝6bに係合して環状溝6bの底部に当接し、例えば、レーザ溶接によって導電板6に全周に亘って溶接されている。これにより、ダイヤフラム5と導電板6との間の空間は、電池容器10の内部空間から隔絶され、外部端子20Aの貫通孔23によって電池容器10の外部空間と連通している。また、ダイヤフラム5は、周縁部5aが導電板6を介して外部端子20Aの接続部22に接続されている。
ダイヤフラム5の周縁部5aの内側に隣接する側壁部5bは、周縁部5aから電池蓋11と垂直な方向に沿って電池缶12の底面12cに向けて伸長し、電池蓋11と垂直な方向に対する角度が電池蓋11と平行な方向に対する角度よりも小さい。ダイヤフラム5の側壁部5bの内側に隣接する底壁部5cは、電池蓋11と平行な方向に沿ってダイヤフラム5の中央部に向けて伸展し、電池蓋11と垂直な方向に対する角度が電池蓋11と平行な方向に対する角度よりも大きい。底壁部5cは、集電板30Aの基部31を向く面が凸曲面とされている。本実施形態において、側壁部5b及び底壁部5cは、電池容器10の内圧上昇時に、内圧を受けて変形するダイヤフラム5の変形部である。本実施形態において、ダイヤフラム5の側壁部5b及び底壁部5cの肉厚は、周縁部5aの肉厚よりも薄くなっている。
ダイヤフラム5の中央部5dは、底壁部5cの底部に設けられ、集電板30Aの基部31に当接する平坦な部分である。ダイヤフラム5の中央部5dの肉厚は、変形部である側壁部5b及び底壁部5cの肉厚よりも厚い。ダイヤフラム5の中央部5dは、集電板30Aの基部31と反対側の面が、変形部である底壁部5cと段差なく連続し、集電板30Aの基部31に対向する面が、底壁部5cとの間に段差を有し、集電板30Aの基部31に向けて突出している。なお、ダイヤフラム5の中央部5dは、集電板30Aの基部31に対向する面が底壁部5cと段差なく連続し、集電板30Aの基部31と反対側の面が底壁部5cとの間に段差を有してもよい。また、ダイヤフラム5の中央部5dは、集電板30Aの基部31に対向する面と、基部31と反対側の面の双方が、底壁部5cとの間に段差を有してもよい。
集電板30Aの基部31は、ダイヤフラム5と対向して電池容器10外方を向く上面に、凹部31dが形成されている。凹部31dの形成方法は、特に限定されないが、例えばプレス加工によって形成することができる。凹部31dは、ダイヤフラム5の底壁部5cの凸形状に沿う傾斜面と、ダイヤフラム5の中央部5dに当接する平坦な底部31eと、を有している。凹部31dの底部31eは、ダイヤフラム5の中央部5dの底面に当接している。
図5に示すように、集電板30Aの基部31のダイヤフラム5に対向する面に設けられた凹部31dの底部31eの中央部に環状溝31fが形成されることで、集電板30Aの基部に環状薄肉部31hが設けられている。環状薄肉部31hは、例えば、円形、楕円形、フィールドトラック形等、任意の環状形状を有している。環状薄肉部31hは、集電板30Aの基部31のその他の部分よりも薄肉化され、ダイヤフラム5が電池容器10の内圧上昇によって変形する際に破断する部分である。
以上のように、本実施形態の二次電池100は、正極の外部端子20Aと電池容器10内の電極群40との間の電流経路に、導電板6、ダイヤフラム5、及び集電板30Aが配置され、主にダイヤフラム5と集電板30Aによって当該電流経路を遮断する電流遮断部50が構成されている。
図4B及び図4Cは、図4Aに示すダイヤフラム5の中央部5dの溶接前後の拡大断面図である。
ダイヤフラム5の中央部5dは、例えば、以下の手順によって、集電板30Aの基部31に設けられた環状薄肉部31hの内側に溶接することができる。まず、集電板30Aの基部31に向けて突出したダイヤフラム5の中央部5dを、集電板30Aの環状薄肉部31hの内側と外側に当接させ、集電板30Aの基部31と厚さ方向に重ね合せる。
次に、集電板30Aの基部31のダイヤフラム5が当接した面と反対側の面から、集電板30Aの環状薄肉部31hの内側に、例えば、レーザ、電子ビーム等の高エネルギー線を照射する。これにより、集電板30Aの基部31とダイヤフラム5の中央部5dの一部とを溶融させ、集電板30Aの環状薄肉部31hの内側とダイヤフラム5の中央部5dとを重ね溶接する。なお、集電板30Aとダイヤフラム5との重ね溶接の箇所数は、一箇所でも複数箇所でもよい。
以上により、ダイヤフラム5の中央部5dは、集電板30Aの環状薄肉部31hの内側に重ね溶接され、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間に溶接部W1が形成される。なお、集電板30Aの環状薄肉部31hの外側と、ダイヤフラム5の中央部5dとは、当接しているが、溶接はされていない。
ここで、ダイヤフラム5の中央部5dの肉厚は、変形部である側壁部5b及び底壁部5cの肉厚よりも厚い。そのため、中央部5dの肉厚が側壁部5b及び底壁部5cの肉厚と同等以下である場合と比較して、溶接部W1の溶接深さを深くして、溶接時の溶融金属の量を増加させることができる。これにより、ダイヤフラム5の溶融金属と集電板30Aの溶融金属とが混ざり合って一体化した部分を増加させ、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間の溶接部W1の溶接品質を向上させることができる。
より具体的には、溶接部W1の溶接深さを深くして、ダイヤフラム5の溶融金属と集電板30Aの溶融金属とが混ざり合って一体化した部分を増加させることで、溶接部W1に溶接不良が発生するのを防止して、溶接部W1の強度を向上させることができる。また、溶接部W1の溶接深さを深くすることで、集電板30Aとダイヤフラム5との界面に沿う溶接部W1の断面積を増加させ、個々の溶接部W1の強度を向上させることができる。
一方、ダイヤフラム5の中央部5dの肉厚が、変形部である側壁部5b及び底壁部5cの肉厚と同等以下である場合には、レーザ溶接、電子ビーム溶接等の高エネルギービーム溶接によってダイヤフラム5に孔が開くのを防止するために、十分な溶接深さの溶接部W1を形成することができず、溶接部W1においてダイヤフラム5の溶融金属と集電板30Aの溶融金属と混ざり合って一体化した部分が少なくなり、溶接部W1の溶接品質、溶接強度が低下する虞がある。
図4D及び図4Eは、図4Aに示すダイヤフラム5の周縁部5aの溶接前後の拡大断面図である。
ダイヤフラム5の周縁部5aは、例えば、以下の手順によって導電板6に溶接することができる。まず、ダイヤフラム5の周縁部5aを、導電板6の集電板30Aの基部31に対向する面に形成された環状溝6bに係合させ、周縁部5aの外周端面と環状溝6bの内側壁とを対向させて突合せる。
次に、例えば、レーザ、電子ビーム等の高エネルギー線を照射することによって、ダイヤフラム5の周縁部5aの外周端面と、導電板6の環状溝6bの内側壁との互いに対向している部分を、環状溝6bの全周に亘って溶融させる。これにより、ダイヤフラム5の周縁部5aと、導電板6の環状溝6bの内側壁とを突合せ溶接する。以上により、ダイヤフラム5の周縁部5aの外周端面と、導電板6の環状溝6bの内側壁とが突合せ溶接され、ダイヤフラム5と導電板6との間に溶接部W2が形成される。
ここで、ダイヤフラム5の周縁部5aの肉厚は、変形部である側壁部5b及び底壁部5cの肉厚よりも厚い。そのため、ダイヤフラム5の周縁部5aの肉厚が側壁部5b及び底壁部5cの肉厚と同等以下である場合と比較して、溶接時の溶融金属の量を増加させることができる。これにより、ダイヤフラム5の溶融金属と導電板6の溶融金属とが混ざり合って一体化した部分を増加させ、ダイヤフラム5と導電板6との間の溶接部W2の溶接品質を向上させることができる。
また、溶接時の溶融金属の量が増加することで、ダイヤフラム5の周縁部5aの外周端面と、導電板6の環状溝6bの内側壁との突合せ溶接の際に、これらの間に隙間が生じた場合にも、その隙間を溶融金属によって十分に埋めることができる。したがって、溶融金属が固化する際の収縮による溶接割れ等、溶接不良の発生を防止して、ダイヤフラム5と導電板6との間の溶接部W2の溶接品質及び溶接強度を向上させることができる。
一方、ダイヤフラム5の周縁部5aの肉厚が、変形部である側壁部5b及び底壁部5cの肉厚と同等以下である場合には、例えば、ダイヤフラム5の周縁部5aの外周端面と、導電板6の環状溝6bの内側壁との間に隙間が生じた場合に、隙間を埋めるための溶融金属の量が不足することが考えられる。この場合、溶融金属が固化する際の収縮による溶接割れ等、溶接不良が発生して、ダイヤフラム5と導電板6との間の溶接部W2の溶接品質及び溶接強度が低下する虞がある。
本実施形態の二次電池100は、図1及び図2に示すように、負極の外部端子20Bと集電板30Bとの間に電流遮断部50を有していない。負極の外部端子20Bは、図4Aに示す正極の外部端子20Aと同様の接続部22を有しているが、貫通孔23を有していない。負極の外部端子20Bの接続部22は、導電板6の代わりに集電板30Bの基部31の貫通孔を貫通し、先端に正極の外部端子20Aと同様のかしめ部22cが形成されている。
これにより、負極の外部端子20Bが集電板30Bの基部31に電気的に接続されると共に、外部端子20B及び集電板30Bが、絶縁部材2,3B及びガスケット4を介して電池蓋11に固定されている。この状態で、図4Aに示す正極側と同様に、負極の外部端子20B及び集電板30Bは、絶縁部材2,3B及びガスケット4によって、電池蓋11に対して電気的に絶縁されている。
このような構成により、二次電池100は、定常時に、発電機等の電力供給源から供給された電力を、正負の外部端子20A,20B、電流遮断部50、及び正負の集電板30A,30Bを介して、電池容器10の内部に収容された電極群40に蓄積する。また、電極群40に蓄積された電力を、正負の集電板30A,30B、電流遮断部50、及び正負の外部端子20A,20Bを介して、電気モーター等の外部装置に供給する。
また、二次電池100は、例えば、過充電や過昇温等の異常が発生すると、電池容器10の内部にガスが発生して内圧が上昇する場合がある。このような場合、電池容器10の内圧が所定の圧力まで上昇すると、正極の外部端子20Aと電極群40との間の電流経路に配置された電流遮断部50が当該電流経路を遮断する。
具体的には、電流遮断部50を構成するダイヤフラム5は、電池容器10内のガスの圧力によって、変形部である側壁部5bと底壁部5cが電池蓋11に向けて変形する。ダイヤフラム5の中央部5dは、集電板30Aに設けられた環状薄肉部31hの内側に溶接されているため、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間の溶接部W1の周囲に設けられた環状薄肉部31hに応力が作用する。これにより、環状薄肉部31hが破断し、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間の接続が断たれ、正極の外部端子20Aと電極群40との間の電流経路が遮断される。その後、さらに電池容器10の内部の圧力が上昇して所定値を超えると、ガス排出弁13が開裂して電池容器10の内部のガスを外部に放出し、電池容器10の内圧を低下させる。
このように、二次電池100に異常が発生して電池容器10の内圧が上昇したときに、設定された圧力で、確実に正極の外部端子20Aと電極群40との間の電流経路を遮断するには、導電板6及び集電板30A等、電流経路を構成する部材と、ダイヤフラム5との間の溶接部W1,W2の溶接品質及び溶接強度が重要になる。
例えば、前記特許文献1に記載された従来の非水電解質二次電池では、正極集電体の接続部形成用孔の縁部に設けられた凸部と、反転板とが、正極集電体の厚さ方向に互いに隣接して重なっているが、正極集電体に沿う方向において互いに対向していない。そのため、例えば、レーザ溶接を行う際に、反転板は、正極集電体の凸部に覆われた部分で溶接時に溶融し難くなり、凸部が溶融して反転板上に雪崩のように流れ広がった部分と、その部分に接して溶融した反転板の一部のみが混ざり合って一体化し、溶接される。
この場合、溶接される双方の部材が溶融して一体化することで溶接された部分は、全体の溶融肉に対して少なく、溶接強度不足や溶融部分固化後の収縮による溶接割れなどの品質不良が生じ易い。すなわち、溶接によって形成される接続部に、強度不足や割れ等が生じ、接続部の品質が低下する虞がある。この場合、定常時に非水電解質二次電池に作用する振動や慣性力によって、接続部が破断する虞がある。また、異常発生時に、接続部の強度が十分でなく、電流遮断機構が予め設定した圧力で正確に作動しない虞がある。
これに対し、本実施形態の二次電池100のダイヤフラム5は、外部端子20Aと電極群40との間の電流経路を構成する部材に溶接される部分の肉厚が、電池容器10の内圧上昇によって変形する変形部の肉厚よりも厚い。より具体的には、ダイヤフラム5は、外部端子20Aと電極群40との間の電流経路を構成する導電板6及び集電板30Aに溶接される周縁部5a及び中央部5dの肉厚が、電池容器10の内圧上昇によって変形する側壁部5b及び底壁部5cの肉厚よりも厚い。
これにより、前述のように、溶接時の溶融金属の量を増加させ、溶接部W1,W2の溶接品質及び溶接強度を向上させることができる。これにより、定常時に二次電池100に作用する振動や慣性力によって、溶接部W1,W2が破断するのを防止し、溶接部W1,W2の強度を確保して、二次電池100の異常発生時に、電流遮断部50を予め設定した圧力で正確に作動させることができる。
また、ダイヤフラム5は、集電板30Aの基部31に向けて膨出する凸形状に形成されている。そのため、ダイヤフラム5が平板状である場合と比較して、ダイヤフラム5の表面積を大きくして、二次電池100の異常によって電池容器10の内部の圧力が上昇したときに、ダイヤフラム5を変形し易くして、より低圧で確実に電流遮断を行うことができる。また、ダイヤフラム5が平板状の場合と比較して、電池容器10の内部のガス圧が所定の圧力に達するまでの機械的強度を向上させ、ダイヤフラム5の誤作動を防止することができる。
また、ダイヤフラム5、集電板30A及び導電板6は、アルミニウム又はアルミニウム合金で製作されている。そのため、負極の外部端子20Bと集電板30Bとの間に、銅又は銅合金によって構成したダイヤフラムを配置する場合と比較して、ダイヤフラム5の強度を低下させ、ダイヤフラム5の変形を容易にすることができる。したがって、集電板30Aと外部端子20Aとの間の電流経路の遮断をより容易かつ確実に行うことが可能になる。なお、電流遮断部50は、負極側に設けることも可能である。また、ダイヤフラム5、集電板30A及び導電板6を同種の金属で製作することで、溶接性を向上させ、溶接部W1,W2の溶接品質を向上させることができる。
また、ダイヤフラム5の中央部5dは、集電板30Aの基部31と反対側の面が、変形部である底壁部5cと段差なく連続し、集電板30Aの基部31に対向する面が、底壁部5cとの間に段差を有し、集電板30Aの基部31に向けて突出している。これにより、ダイヤフラム5の変形部である底壁部5cを溶接部W1から遠ざけて、溶接時の熱を底壁部5cに伝わり難くすることができ、底壁部5c対する熱の影響を最小限にすることができる。
以上説明したように、本実施形態の二次電池100によれば、外部端子20Aと電池容器10内の電極群40との間の電流経路を構成する導電板6及び集電板30Aと、ダイヤフラム5との溶接時に、溶融されて混ざり合う溶融金属の量を増加させ、溶接部W1,W2の溶接品質を向上させることができる。
[実施形態2]
以下、本発明の実施形態2に係る二次電池について、図1から図3及び図5を援用し、図6Aから図6Cを用いて説明する。図6Aは、本実施形態に係る二次電池の図4Aに相当する拡大断面図である。図6B及び図6Cは、図6Aに示すダイヤフラムの中央部の溶接前後の拡大断面図である。
本実施形態の二次電池は、ダイヤフラム5の中央部5dに変形部である側壁部5b及び底壁部5cよりも肉厚が厚い凸部5fを有し、集電板30Aは、環状薄肉部31hの内側に凸部5fが挿入される貫通孔31gを有し、凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とが突合せ溶接されて溶接部W3が形成されている点で、前述の実施形態1で説明した二次電池100と異なっている。本実施形態の二次電池のその他の点は、前述の実施形態1で説明した二次電池100と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
ダイヤフラム5の中央部5dは、例えば、以下の手順によって、集電板30Aの基部31に設けられた環状薄肉部31hの内側に溶接することができる。まず、集電板30Aの基部31に向けて突出したダイヤフラム5の中央部5dの凸部5fを、集電板30Aの環状薄肉部31hの内側の貫通孔31gに挿入する。これにより、凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とを対向させて突き合わせる。
次に、ダイヤフラム5の凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とが対向している部分に、例えば、レーザ、電子ビーム等の高エネルギー線を貫通孔31gの周方向に沿って複数の箇所、又は、全周に亘って照射し、ダイヤフラム5の凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とを突合せ溶接する。以上により、ダイヤフラム5の凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とが突合せ溶接され、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間に溶接部W3が形成される。
本実施形態によれば、ダイヤフラム5の中央部5dの肉厚が、変形部である側壁部5b及び底壁部5cの肉厚よりも厚いので、実施形態1の二次電池と同様の効果が得られる。加えて、ダイヤフラム5の中央部5dの凸部5fが、集電板30Aの貫通孔31gに挿入され、ダイヤフラム5の凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とが突合せ溶接されている。そのため、互いに対向するダイヤフラム5の凸部5fの外周面と貫通孔31gの内周面とを溶融させ、双方の溶融金属を流れ広がらせることなく、相互間に溜めた状態で、均等に混合、固化、及び一体化させて、ダイヤフラム5と集電板30Aとを溶接することができる。
これにより、集電板30Aとダイヤフラム5とを溶接する際に、双方が溶融、混合、及び固化して溶接された部分が、溶融肉すなわち溶接部W3の略全体を占めることになる。よって、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間に形成される溶接部W3の体積が比較的小さいレーザ溶接等の高エネルギービーム溶接において、溶接割れが防止されると共に、安定して高い溶接強度を得ることができる。したがって、本実施形態の二次電池によれば、ダイヤフラム5と集電板30Aとの間の溶接品質を、従来よりも向上させることができる。
また、集電板30Aを介してダイヤフラム5の中央部5dを溶融させる実施形態1と比較して、少ない溶接エネルギーでダイヤフラム5と集電板30Aとを溶接することが可能になる。また、溶接深さが増加した場合でも、ダイヤフラム5の中央部5dの肉厚が、側壁部5b及び底壁部5cの肉厚よりも厚いので、ダイヤフラムに孔が開くことを防止して安定して溶接を行うことができる条件の範囲を広くすることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施の形態では、ダイヤフラムが溶接される部材の一例として、集電板と導電板を例示した。しかし、ダイヤフラムが溶接される部材は、集電板と導電板に限定されない。例えば、ダイヤフラムが外部端子と電池容器内の捲回電極群との間の電流経路を構成するその他の部材に溶接される場合に、ダイヤフラムは、電流経路を構成する部材に溶接される部分の肉厚が、内圧上昇によって変形する変形部の肉厚よりも厚ければよい。これにより、前述の実施の形態と同様に、ダイヤフラムと、その電流経路を構成する部材との間の溶接品質を向上させることができる。
また、前述の実施の形態では、ダイヤフラムの中央部と周縁部の双方の肉厚が、変形部である側壁部及び底壁部の肉厚よりも厚い場合について説明したが、ダイヤフラムは、中央部と周縁部の少なくとも一方の肉厚が変形部の肉厚よりも厚ければ、その部分において溶接品質を向上させることができる。また、ダイヤフラムの形状は、集電板に向けて膨出する椀形の凸形状に限定されず、平板状であってもよい。