JP2011233257A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】捲回された正極電極側未塗工部11aを、正極接合板23Aと正極導電板5Aにより挟んで加圧し、超音波溶接により溶接する。超音波溶接部41は、正極電極側未塗工部11aのHH方向(幅方向)における中央部に設ける。また、正極導電板5Aと正極端子4Aとをレーザ溶接により溶接する。この場合、レーザ溶接部42は超音波溶接部41より内側に位置するようにする。また、正極電極側未塗工部11aの幅Wに対する正極導電板5Aの幅Waの比率を、例えば、1/3以上と大きくし、かつ、正極導電板5Aの幅Waに対する正極端子4Aの幅Wbの比率を、例えば、1/3以上と大きくする。負極側においても同様な構造にする。
【選択図】図7
Description
正極電極の集電片の多層構造および負極電極の集電片の多層構造は、中継部材である導電板を上下面に配置して締結部材により締結され、この導電板の延出された一端が、電池容器に取り付けられた正極および負極の端子に、それぞれ、接続される(例えば、特許文献1参照)。
−二次電池の構造−
以下、この発明の二次電池を、角形のリチウムイオン二次電池(以下、二次電池という)に適用した一実施形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、この発明の二次電池を電池蓋側からみた外観斜視図であり、図1(B)は電池缶の底部側からみた外観斜視図である。
図1(A)および図1(B)に図示されるように、二次電池30は、ほぼ、平坦な板状の電池蓋3と、電池蓋3側が開口され、電池蓋3と反対側に底部が形成された薄型の直方体を構成する電池缶2とを有する電池容器1を有する。電池蓋3は、電池缶2の開口部24(図3参照)とほぼ同一程度の平面寸法とされている。電池蓋3は、例えば、アルミニウム合金で形成され、電池蓋3と電池缶2の開口部24の周縁部を溶接することにより、内部に空間を有する電池容器1が構成される。この内部空間には、後述する発電要素群、この発電要素群に接続される導電部材が収容され、電解液が注入される。
図2に図示されるように、電池缶2と電池蓋3との間には、電池缶2の底面2aの内面から電池蓋3の内面に向けて、絶縁ケース17A、発電要素群10、絶縁ケース17Bがこの順に収納されている。
このように、多層構造とされた正極電極側未塗工部11aは、正極導電板5Aと正極接合板23Aで挟まれ、超音波溶接あるいは攪拌接合等によって、DH方向(厚さ方向)に相互に接合されている。
また、多層構造とされた負極電極側未塗工部12aは、負極導電板5Bと負極接合板23Bで挟まれ、超音波溶接あるいは攪拌接合等によって、DH方向(厚さ方向)に相互に接合されている。
このような接合を行うために好適な材料の一例として、正極導電板5Aと正極接合板23Aの材料としてはアルミニウム合金、負極導電板5Bと負極接合板23Bの材料としては銅合金が挙げられる。
シール18には、電池缶2の底面2a側から、電池缶2の2対の側部のうちの短い方の側部の一方に沿って、DH方向(厚さ方向)にほぼL字形状に屈曲された側部18bが形成されている。また、シール18には、貫通孔2bとほぼ同一の形状であるが、寸法が一回り小さい貫通孔18aが形成されている。
なお、電池缶2の一対の長い方の側部のうちの一方には、周囲に比し肉厚が薄くされた脆弱部2c(図2)が形成されている。脆弱部2cは、二次電池30の内圧が上昇した場合に、内圧の作用によって開裂して内圧を開放するためのものである。脆弱部2c上には保護部材21が設けられ、通常、作用する外圧によって破損しない構造とされている。
また、絶縁ケース17Aの切欠17A1、17A2および絶縁ケース17Bの切欠17B1、17B2およびその周縁部の形状および寸法は、発電要素群10の平坦部分HTと傾斜部分KSの形状に対応しているので、発電要素群1は、絶縁ケース17Aと17Bに挟まれた状態で、電池缶2と電池蓋3の周側部を接合して形成される空間内に収容される。絶縁ケース17A、17Bは、発電要素群10と、電池缶2および電池蓋3との絶縁を確保すると共に、外力が作用したときに発電要素群10に作用する外部応力を低減する機能を有している。絶縁ケース17A、17Bの材料として、一例を示せば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
突出部Tは、突き出した頭部が平坦状とされ、シール18の貫通孔18a内を挿通して、正極導電板5Aまたは負極導電板5Bにレーザ溶接または抵抗溶接等により接合される。
以下、図4および図6を参照して、正極側における接続構造ついて説明をするが、負極側についても正極側と同様である。
正極側においては、押圧された正極電極側未塗工部11aの一面側に正極導電板5Aを配し、他面側に正極接合板23Aを配し、厚さ方向に一括して加圧し、超音波振動を加える。これにより、正極導電板5A、押圧された正極電極側未塗工部11aおよび正極接合板23Aが一体化する。図4および図6において、41は超音波接合部である。この状態では、超音波接合部41においては、正極電極側未塗工部11aは、厚さ方向に確実に導通している。なお、13Aは第1のセパレータを示す。
図7においては、電流線の粗密が電流密度の粗密を示す。図7において、正極電極側未塗工部11a、正極導電板5Aおよび正極端子4Aのいずれにおいても電流線の分布状態はほぼ均一である。この場合、正極電極側未塗工部11a、正極導電板5Aおよび正極端子4Aの電流線の分布状態は、HH方向(幅方向)の中心線に対して、実質的に対称となっている。また、正極電極側未塗工部11aのHH方向(幅方向)の中央部における側縁部における分布状態もほぼ均一である。これらのことから、発電要素群10内部の電流密度も均一であると推測できる。また、このことは、電気抵抗の極端な集中部がないことを意味し、結果的に電池内部抵抗が小さいこと示している。
ここで、HH方向(幅方向)の中央部とは、図6に図示される如く、HH方向(幅方向)における発電要素群10の一側辺から正極導電部材5Aの一端部までの距離をS1、HH方向(幅方向)における発電要素群10の他側辺から正極導電部材5Aの他端部までの距離をS2とした場合、S2/2≦S1≦2S2程度を目安とする。
この場合、正極導電板5Aの幅Waは、幅Wの1/3程度以上であることが望ましい。つまり、正極導電板5Aの幅Waは、発電要素群10の一側辺から正極導電部材5Aの一端部までの距離S1および発電要素群10の他側辺から正極導電部材5Aの他端部までの距離S2のいずれよりも大きいことが望ましい。また、正極端子4Aの幅Wbは、正極導電板Waの1/3程度以上であることが望ましい。
上記のことは、負極側においても同様である。
次に、上記構造の二次電池の製造方法を説明する。
二次電池は、発電要素群の作製、電池缶への電極端子の組付け、発電要素群の収容、発電要素群と電極端子の接合および封口の各工程を経て作製される。以下、各工程順にその詳細を説明する。
先ず、図5に図示される発電要素群10を作製する。上述した如く、正極電極11と負極電極12を第1セパレータ13Aおよび第2セパレータ13Bを介して扁平状、例えば、断面長円形に捲回する。巻き始め側においては第1のセパレータ13Aのみを、また巻き終わり側においては第2のセパレータ13Bのみを2〜3周程度捲回する。プレス加工により、正極電極側未塗工部11aのHH方向(幅方向)における中央部および負極電極側未塗工部12aのHH方向(幅方向)における中央部を加圧し、発電要素群10の厚さ方向における中央位置に平坦部HTを形成する。
次に、インサートモールド法により、電池缶2における陥没部19に設けられた貫通孔2bにシール18を介して正極端子4Aおよび負極端子4Bを、それぞれ、固定する。図9に図示されるように、図示しない金型に電池缶2と正極端子4Aおよび負極端子4Bをセットする。金型内において、電池缶2の貫通孔2bに正極端子4Aおよび負極端子4Bの各突出部Tが挿通され、かつ、正極端子4Aおよび負極端子4B、それぞれが、電池缶2から離間されるように保持される。金型には予めシール18が形成されるキャビティが形成されており、この状態で、インサートモールドにより図10に図示されるようにシール18を成形する。シール18により、電池缶2に対する正極端子4Aおよび負極端子4Bの相対位置が固定され、また、各部材の絶縁が確保される。また、シール18の密封構造により気密性が確率される。
次に、図11に図示されるように、発電要素群10を、正極導電板5Aおよび負極導電板5Bを電池缶2側に向けて、絶縁ケース17A(図11では図示を省略)と共に電池缶2に収容する。このとき、発電要素群10の正極導電板5Aを電池缶2に固定された正極端子4Aに、また、負極導電板5Bを電池缶2に固定された負極端子4Bに対応させる。
次に、正極導電板5Aを正極端子4Aの突出部Tに、また、負極導電板5Bを負極端子4Bの突出部Tに押し付けた状態で、電池缶2の底面2a側からレーザを照射し、正極導電板5Aと正極端子4Aを、また、負極導電板5Bと負極端子4Bを、それぞれ、レーザ溶接する。絶縁ケース17Aには、貫通孔2bに対応して切欠17A1および17A2が形成されているため、レーザ照射の障害にはならない。図12は、電池缶2に固定された正極端子4Aに電池缶2内に収容された発電要素群10の正極導電板5Aが接合された状態の斜視図を示す。
そして、発電要素群10上に絶縁ケース17Bを載置し、電池蓋3を、その外周が電池缶2の開口部24内に嵌合させる(図3参照)。電池缶2の開口部24は、電池蓋3の外周とほぼ同じか、ごく僅かに大きい寸法とされており、電池蓋3が嵌入された電池缶2の開口部24の周囲が合わせ部となる。この状態で、電池蓋3の上方から、電池蓋3と電池缶2との合わせ部にレーザビームを照射して電池缶2と電池蓋3を溶接する。
次に、電池蓋3に形成された注液口3aから電解液を注入する。この場合、絶縁ケース17Bには、切欠17B1および17B2が形成されており、切欠17B2は注液口3aに連通しているので、注液の障害となることはない。この後、注液口3aを注液栓22により密栓することにより、本発明に係る二次電池の実施形態として示した角形のリチウムイオン二次電池30が完成する。
図13は実施形態2の二次電池30を示し、その電池容器1の一部を破断して内部に装着された発電要素群10と正極端子4A間の接続構造を図示した斜視図である。この場合、図13は、電池缶2の底面2a側から観た図となっている。また、図14は、図13に図示された二次電池30を、HH方向に沿って切断した断面図である。
実施形態2における二次電池が実施形態1の場合と相違する点は、正極導電板5Aが平坦ではなくDH方向(厚さ方向)に屈強されており、その分、電池缶2の陥没部19は、底面2aからの段差が小さくなっている点である。
より詳細には、実施形態2における正極導電板5Aは、中央部に電池缶2の底面2a側に向かって突き出した屈曲部43を有する。屈曲部43は、正極端子4Aの突出部Tとほぼ同じ面積の平坦部を有し、この平坦部が、突出部Tとレーザ溶接されている。そして、正極導電板5Aは、屈曲部43の両側において、正極電極側未塗工部11aに超音波溶接されている。このため、正極電極板5Aの屈曲部43が突き出した高さの分だけ、電池缶2の陥没部19における底面2aからの段差は小さくなる。
なお、実施形態2におけるその他の構成は実施形態1の場合と同様であり、同一の構成要素に同一の参照番号を付してその説明を省略する。
図15は、本発明の実施形態3に係る二次電池を示し、実施形態1の図6に対応する部分の平面図である。
実施形態3における構造が実施形態1の場合と相違する点は、正極端子4Aが、実施形態1では単なる矩形形状であるのに対して、発電要素群10のHH方向(幅方向)の中心線を対称軸として対称にコ字形状に形成されている点である。
より詳細には、正極電極側未塗工部11aと正極導電板5Aは、HH方向(幅方向)の中央部とその両側の合計3箇所の超音波溶接部41で接合されている。そして、正極端子4Aと正極導電板5Aとは、中央部の超音波溶接部41とその両側の超音波溶接部41の間の2箇所のレーザ溶接部42で接合されている。
実施形態3の構成においても、正極導電板5Aおよび正極端子4Aは、正極電極側未塗工部11aの中央部に配置され、かつ、超音波接合部41およびレーザ溶接部42は中央部において幅広いサイズに形成されているので、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
なお、図15において、正極端子4Aを超音波接合部42と重合する部分でDH方向(厚さ方向)に屈曲することにより、単なる矩形形状とすることも可能である。
実施形態1では、発電要素群10を、正極、負極の電極を捲回して構成する場合で説明した。しかし、図16に図示されるように、正極電極11および負極電極12を矩形形状のシートにして、第1のセパレータ13A、第2のセパレータ13Bを挟んで積層した構成としてもよい。
2 電池缶
2a 底面
3 電池蓋
4A 正極端子
4B 負極端子
5A 正極導電板(正極導電部材)
5B 負極導電板(負極導電部材)
10 発電要素群
11 正極電極
11a 未塗工部(正極電極側)
12 負極電極
12a 未塗工部(負極電極側)
13A、13B セパレータ
18 シール
19 陥没部
23A 正極接合板(正極接合部材)
23B 負極接合板(負極接合部材)
41 超音波溶接部
42 レーザ溶接部
Claims (8)
- 正極電極、負極電極およびセパレータを有し、前記正極電極および前記負極電極が、それぞれ、前記正極電極の一辺に沿って設けられた正極電極側未塗工部と前記負極電極の一辺に沿って設けられた負極電極側未塗工部とを対向させて前記セパレータを介在して所定の幅で捲回または積層され、前記正極電極側未塗工部および前記負極電極側未塗工部が、それぞれ、多層構造とされた発電要素群と、
前記発電要素群を収容し、電解液が注入される電池容器と、
多層構造とされた前記正極電極側未塗工部の一面に接合された正極導電部材と、
前記正極導電部材に接合された正極端子と、
多層構造とされた前記負極電極側未塗工部の一面に接合された負極導電部材と、
前記負極導電部材に接合された負極端子と、を備え、
前記正極導電部材と前記正極端子は、前記正極電極側未塗工部における前記所定の幅の中央部に設けられ、前記負極導電部材と前記負極端子は、前記負極電極側未塗工部における前記所定の幅の中央部に設けられていることを特徴とする二次電池。 - 請求項1に記載の二次電池において、さらに、前記多層構造とされた正極電極側未塗工部の他面に接合された正極接合部材と、前記多層構造とされた負極電極側未塗工部の他面に接合された負極接合部材とを備え、前記多層構造とされた正極電極側未塗工部は正極接合部材と前記正極導電部材に挟まれて厚さ方向に接合され、前記多層構造とされた負極電極側未塗工部は負極接合部材と前記負極導電部材に挟まれて厚さ方向に接合されていることを特徴とする二次電池。
- 請求項2に記載の二次電池において、前記正極導電部材と前記正極接合部材により挟まれて厚さ方向に接合された前記正極電極側未塗工部の接合部は、幅方向において、前記正極導電部材と前記正極端子とが接合された接合部の両側に配され、前記負極導電部材と前記負極接合部材により挟まれて厚さ方向に接合された前記負極電極側未塗工部の接合部は、幅方向において、前記負極導電部材と前記負極端子とが接合された接合部の両側に配されていることを特徴とすると二次電池。
- 請求項2に記載の二次電池において、前記正極導電部材と前記正極接合部材により挟まれて厚さ方向に接合された前記正極電極側未塗工部の接合部は、幅方向において、前記正極導電部材と前記正極端子とが接合された接合部の間に配され、前記負極導電部材と前記負極接合部材により挟まれて厚さ方向に接合された前記負極電極側未塗工部の接合部は幅方向において、前記負極導電部材と前記負極端子とが接合された接合部の間に配されていることを特徴とする二次電池。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池において、前記正極接合部材と前記正極導電部材が前記多層構造とされた正極電極側未塗工部に接合された接合部は、前記発電要素群における厚さ方向の中間に位置し、前記負極接合部材と前記負極導電部材が前記多層構造とされた負極電極側未塗工部に接合された接合部は、前記発電要素群における厚さ方向の中間に位置することを特徴とする二次電池。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二次電池において、前記正極端子は、前記電池容器の内部に突き出す突出部を有し、前記突出部において前記正極導電部材に接合され、
前記負極端子は、前記電池容器の内部に突き出す突出部を有し、前記突出部において前記負極導電部材に接合されていることを特徴とする二次電池。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の二次電池において、前記正極集電部材および前記負極集電部材は、前記正極端子または前記負極端子に接合される部分に突出部を有していることを特徴とする二次電池。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の二次電池において、前記正極導電部材と前記正極端子の接合部および前記負極導電部材と前記負極端子の接合部は、レーザ溶接部であることを特徴とする二次電池。
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