以下、図面を参照して本発明の二次電池の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の二次電池100の斜視図である。本実施形態の二次電池100は、例えば、角形のリチウムイオン二次電池であり、長方形板状の蓋部11と有底角筒状の電池缶12によって構成される扁平箱形の電池容器10を備えている。電池容器10は、例えばアルミニウム合金等の金属材料によって製作されている。電池容器10は、例えばレーザ溶接によって電池缶12の上部に蓋部11を接合することによって密閉されている。
電池容器10の幅方向すなわち蓋部11の長手方向の両端には、電池容器10の外部で蓋部11の上面に、正極及び負極の外部端子20A,20Bが設けられている。外部端子20A,20Bと蓋部11との間には、絶縁部材2が配置され、外部端子20A,20Bが蓋部11に対して電気的に絶縁されている。正極の外部端子20Aは、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金によって製作され、負極の外部端子20Bは、例えば銅又は銅合金によって製作されている。
蓋部11の正極及び負極の外部端子20A,20Bの間には、ガス排出弁13と注液口14とが設けられている。ガス排出弁13は、例えば蓋部11を薄肉化して溝部13aを形成することによって設けられ、電池容器10の内部の圧力が所定値を超えて上昇した時に開裂して内部のガスを放出することで、電池容器10の内部の圧力を低下させる。注液口14は、電池容器10の内部に電解液を注入するのに用いられ、例えばレーザ溶接によって注液栓15が溶接されて封止されている。
図2は、図1に示す二次電池100の分解斜視図である。蓋部11の長手方向の両端で、電池容器10の内側となる蓋部11の下面には、絶縁部材3A,3Bを介して正極及び負極の集電板30A,30Bが固定されている。正極の集電板30Aは、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金によって製作され、負極の集電板30Bは、例えば銅又は銅合金によって製作されている。
集電板30A,30Bは、蓋部11の下面に略平行に設けられて絶縁部材3A,3Bを介して蓋部11に固定された基部31A,31Bと、基部31A,31Bの一側で曲折されて電池缶12の底面12cに向けて延びる端子部32A,32Bと、を有している。集電板30A,30Bは、例えば、前記の金属材料の板材にプレス加工及び曲げ加工を施すことで、基部31A,31B及び端子部32A,32Bを形成している。
本実施形態において、正極の集電板30Aの基部31Aは、蓋部11との間隔が狭い第1部分31aと、蓋部11との間隔が広い第2部分31bとを有している。基部31Aの第1部分31aと第2部分31bは、それぞれ蓋部11と略平行に設けられた板状の部分であり、絶縁部材3Aを介して蓋部11に固定されている。基部31Aの第2部分31bと正極の外部端子20Aとの間には、これらに接続されたダイヤフラム5が配置されている。
二次電池100は、電池容器10内の捲回体40が備える正電極41(図3参照)と、電池容器10の蓋部11に設けられた外部端子20Aとの間の電流経路に、電流遮断部50を備えている。電流遮断部50は、電池容器10内に配置され、外部端子20Aに接続されたダイヤフラム5と、集電板30Aとを備えている。より詳細には、電流遮断部50は、集電板30Aの基部31Aの第2部分31bと、ダイヤフラム5とによって構成されている。詳細は後述するが、電流遮断部50は、電池容器10の内部の圧力が所定の圧力を超えて上昇したときに、外部端子20Aと正電極41との間の電流経路を遮断する。
正極及び負極の集電板30A,30Bの端子部32A,32Bは、例えば、電池容器10の厚さ方向における基部31A,31Bの一側から、電池缶12の最大面積の広側面12bに沿って電池缶12の底面12cに向けて延びる板状に形成されている。端子部32A,32Bは、延在方向の途中で電池容器10の厚さ方向に屈曲し、例えば超音波溶接によって、捲回体40の集電板接合部41d,42dにそれぞれ接合されている。
これにより、外部端子20A,20Bが集電板30A,30Bを介して捲回体40の集電板接合部41d,42dに電気的に接続されている。また、蓋部11に、外部端子20A,20B、絶縁部材2、絶縁部材3A,3B、集電板30A,30B、電流遮断部50、及び捲回体40が組み付けられ、蓋組立体60が構成されている。
二次電池100の製造時に、蓋組立体60は、捲回体40と電池缶12との間に不図示の絶縁シートを配置してこれらを電気的に絶縁した状態で、捲回体40の下方側の湾曲部40bから電池缶12の開口部12aに挿入される。捲回体40は、捲回軸D方向の両側に電池缶12の狭側面12d,12dが位置し、捲回軸D方向が電池缶12の底面12c及び広側面12bに略平行に沿うように電池缶12内に収容される。
これにより、電池容器10内の捲回体40は、一方の湾曲部40bが蓋部11に対向し、もう一方の湾曲部40bが電池缶12の底面12cに対向し、平面部40aが広側面12bに対向し、捲回軸D方向が電池容器10の幅方向すなわち蓋部11の長手方向と平行になる。そして、蓋部11によって電池缶12の開口部12aを閉塞した状態で、例えば、レーザ溶接によって蓋部11の全周を電池缶12の上部の開口部12aに接合することで、蓋部11と電池缶12との間が封止されて電池容器10が構成される。
その後、蓋部11の注液口14を介して電池容器10の内部に非水電解液を注入し、例えば、レーザ溶接によって注液栓15を注液口14に接合して封止することで、電池容器10が密閉される。電池容器10の内部に注入する非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2の割合で混合した混合溶液中に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いることができる。
図3は、図2に示す捲回体40の一部を展開した分解斜視図である。捲回体40は、セパレータ43,44を介在させて積層させた正負の電極41,42を捲回軸Dに平行な軸心の周りに捲回して扁平形状に成形した捲回電極群である。捲回体40は、電池缶12の広側面12bに対向して配置される平坦な一対の平面部40aと、蓋部11及び電池缶12の底面12cに対向して配置される半円筒状の一対の湾曲部40bを有している。
捲回体40は、長尺帯状の電極41,42と長尺帯状のセパレータ43,44とを交互に積層させた積層体を、例えば、延在方向に約10Nの引張荷重をかけながら捲回することで製作されている。積層体の捲回時には、蛇行制御を行って、長尺帯状の各部材の幅方向すなわち捲回体40の捲回軸D方向の両端における各部材の端部の位置を一定にしている。セパレータ43,44は、例えば微多孔性のポリエチレン材料からなる電気絶縁性を有するシートであり、正電極41と負電極42との間を絶縁すると共に、最外周に捲回された負電極42の外側にもセパレータ44が捲回されている。
正電極41は、正極集電体である正極箔41aと、正極箔41aの両面に塗布された正極活物質合剤からなる正極合剤層41bとを有している。長尺帯状の正電極41の幅方向の一側は、正極合剤層41bが形成されず、正極箔41aが露出した箔露出部41cとされている。正電極41は、箔露出部41cが負電極42の箔露出部42cと捲回軸D方向の反対側に配置されて、捲回軸Dの周りに捲回されている。
正電極41は、例えば、正極活物質に導電材、結着剤及び分散溶媒を添加して混練した正極活物質合剤を、幅方向の一側を除いて正極箔41aの両面に塗布し、乾燥、プレス、裁断することによって製作することができる。正極箔41aとしては、例えば、厚さ約20μmのアルミニウム箔を用いることができる。正極箔41aの厚みを含まない正極合剤層41bの厚さは、例えば、約90μmである。
正極活物質合剤の材料としては、例えば、正極活物質として100重量部のマンガン酸リチウム(化学式LiMn2O4)を、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛を、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を、分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を、それぞれ用いることができる。正極活物質は、前記したマンガン酸リチウムに限定されず、例えば、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウム、一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物を用いてもよい。また、正極活物質として、層状結晶構造を有するコバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、及びこれらの一部を金属元素で置換又はドープしたリチウム−金属複合酸化物を用いてもよい。
負電極42は、負極集電体である負極箔42aと、負極箔42aの両面に塗布された負極活物質合剤からなる負極合剤層42bとを有している。負電極42の幅方向の一側は、負極合剤層42bが形成されず、負極箔42aが露出した箔露出部42cとされている。負電極42は、その箔露出部42cが正電極41の箔露出部41cと捲回軸D方向の反対側に配置されて、捲回軸D周りに捲回されている。
負電極42は、例えば、負極活物質に結着剤及び分散溶媒を添加して混練した負極活物質合剤を、幅方向の一側を除く負極箔42aの両面に塗布し、乾燥、プレス、裁断することによって製作することができる。負極箔42aとしては、例えば、厚さ約10μmの銅箔を用いることができる。負極箔42aの厚みを含まない負極合剤層42bの厚さは、例えば、約70μmである。
負極活物質合剤の材料としては、例えば、負極活物質として100重量部の非晶質炭素粉末を、結着剤として10重量部のPVDFを、分散溶媒としてNMPをそれぞれ用いることができる。負極活物質は、前記した非晶質炭素に限定されず、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(例えば、SiO、TiSi2等)、又はそれらの複合材料を用いてもよい。負極活物質の粒子形状についても特に限定されず、鱗片状、球状、繊維状又は塊状等の粒子形状を適宜選択することができる。
なお、前記した正極及び負極の合剤層41b,42bに用いる結着材は、PVDFに限定されない。前記した結着材として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体及びこれらの混合体などを用いてもよい。
また、セパレータ43,44を介在させて正電極41及び負電極42を重ねて捲回する際の軸芯は、例えば、正極箔41a、負極箔42a、セパレータ43,44のいずれよりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回したものを用いることができる。
捲回体40の捲回軸D方向において、負電極42の負極合剤層42bの幅は、正電極41の正極合剤層41bの幅よりも広くなっている。また、捲回体40の最内周と最外周には負電極42が捲回されている。これにより、正極合剤層41bは、捲回体40の最内周から最外周まで負極合剤層42bの間に挟まれている。
正電極41及び負電極42の箔露出部41c,42cはそれぞれ捲回体40の平面部40aで束ねられて前記した集電板接合部41d,42d(図2参照)が形成される。正電極41及び負電極42のそれぞれの集電板接合部41d,42dは、例えば超音波溶接等によって、正極及び負極の集電板30A,30Bのそれぞれの端子部32A,32Bに接合される。これにより、正負の外部端子20A,20Bが、それぞれ、集電板30A,30Bを介して捲回体40を構成する電極41,42と電気的に接続される。
なお、捲回体40の捲回軸D方向において、セパレータ43,44の幅は負極合剤層42bの幅よりも広いが、正電極41及び負電極42の箔露出部41c,42cは、それぞれセパレータ43,44の幅方向端部よりも幅方向外側に突出している。したがって、セパレータ43,44は、箔露出部41c,42cを束ねて溶接する際の支障にはならない。
図4は、図1に示す二次電池100のIV−IV線に沿う外部端子20A近傍の拡大断面図である。図5は、図4に示す各部材の分解斜視図である。なお、図5において、捲回体40の図示は省略している。
前記したように、電流遮断部50は、電池容器10内に配置され、外部端子20Aに接続されたダイヤフラム5と、電極41に接続された集電板30Aとを備え、電極41と外部端子20Aとの間の電流経路に設けられている。本実施形態において、ダイヤフラム5は、導電板6を介して外部端子20Aに接続されている。ダイヤフラム5及び導電板6は、例えば、外部端子20Aと同様のアルミニウム又はアルミニウム合金によって製作されている。
外部端子20Aは、電池容器10の幅方向すなわち蓋部11の長手方向に沿って延びる板状部21Aと、電池容器10の幅方向における板状部21Aの内側の端部に設けられて蓋部11を貫通する円柱状の接続部22Aと、を有している。また、外部端子20Aには、板状部21A及び接続部22Aを貫通してダイヤフラム5と導電板6との間の空間に連通する貫通孔23Aを任意で形成することができる。なお、貫通孔23Aは、電流遮断部50の作動時に開裂可能に封止することもできる。
板状部21Aは、延在方向すなわち蓋部11の長手方向の中央部に、延在方向に交差する方向、例えば電池容器10の厚さ方向すなわち蓋部11の短手方向に沿って、溝部24Aが形成されることで、部分的に厚さが薄くされている。接続部22Aは、板状部21Aから蓋部11を貫通する軸方向の先端に向けて、板状部21Aの底面に段差状に設けられた段差部22aと、直径が拡大された拡径部22bと、直径が縮小された縮径部22cと、該縮径部22cの先端を塑性変形させて拡径したかしめ部22dと、を有している。貫通孔23Aは、接続部22Aの軸方向に沿って外部端子20Aを貫通し、板状部21Aの上面とかしめ部22dの中央部に開口している。外部端子20Aと蓋部11との間は、絶縁部材2及びガスケット4によって電気的に絶縁されている。
絶縁部材2は、例えば絶縁性を有する樹脂材料によって製作され、電池容器10外側で蓋部11上に配置され、外部端子20Aの板状部21Aの周側面を覆う縁部2aと、板状部21Aの底面及び蓋部11の上面に密着する底部2bと、を有している。絶縁部材2の縁部2aは、板状部21Aの周側面を覆うことで、板状部21Aと蓋部11又はその他の部材との短絡を防止している。絶縁部材2の底部2bは、外部端子20Aの板状部21Aと蓋部11との間に配置され、これらを電気的に絶縁している。絶縁部材2の底部2bには、蓋部11の上面に設けられた凹部11aに係合する凸部2c(図4参照)と、外部端子20Aの接続部22Aを挿通させる開口部2d(図5参照)とが設けられている。
ガスケット4は、例えば絶縁性を有する樹脂材料によって製作され、蓋部11と外部端子との間に配置され、円筒状の筒状部4aと、筒状部4aの軸方向において電池容器10外方側の端部に設けられたフランジ部4bとを有している。ガスケット4の筒状部4aは、内側に外部端子20Aの接続部22Aを挿通させた状態で、蓋部11の貫通孔11bに挿通され、外部端子20Aの接続部22Aと蓋部11の貫通孔11bの内周面との間に配置され、接続部22Aと蓋部11とを電気的に絶縁している。ガスケット4のフランジ部4bは、絶縁部材2の開口部2d内に配置され、蓋部11の貫通孔11bの周囲に設けられた凹状の段差部11cに係合し、該段差部11cと外部端子20Aの凸状の段差部22aとの間で圧縮されている。これにより、ガスケット4は、凹状の段差部11cと凸状の段差部22aに密着し、蓋部11の貫通孔11bを封止している。
絶縁部材3Aは、例えば絶縁性を有する樹脂材料によって製作され、電池容器10の内側で蓋部11の下面側に配置され、電池容器10の幅方向に延在する本体部3aと、本体部3aの延在方向中央部に設けられた貫通孔3bと、を有している。また、絶縁部材3Aは、本体部3aから電池容器10内方に向けて突出して集電板30Aの基部31Aの第2部分31bを支持する支持部3eと、基部31Aの第1部分31a及び第2部分31bを固定する円柱状の突起部3fと、を有している。
本体部3aは、集電板30Aの基部31Aの第1部分31aと蓋部11との間に配置される厚肉部3cと、導電板6を介してダイヤフラム5が固定される薄肉部3dとを有している。すなわち、絶縁部材3Aは、基部31Aの第1部分31aと蓋部11との間の部分の厚さよりも、導電板6と蓋部11との間の部分の厚さが薄くなっている。絶縁部材3Aの薄肉部3dには、導電板6を係合させる凹部3gが設けられている。薄肉部3dの凹部3gは、蓋部11に垂直な平面視で導電板6の平面形状に対応する平面形状に形成されている。
突起部3fは、集電板30Aの基部31Aの第1部分31a及び第2部分に設けられた複数の貫通孔33を貫通し、例えば熱溶着によって、先端が溶融及び拡径され、さらに固化されて集電板30Aの基部31Aに固着している。これにより、突起部3fは、集電板30Aの基部31Aの第1部分31a及び第2部分31bを、それぞれ厚肉部3c及び支持部3eに支持固定している。なお、集電板30Aの基部31Aは、ネジ、リベット、接着剤等を用いて絶縁部材3Aに固定してもよい。
なお、図2に示す負極側の絶縁部材3Bは、正極側の絶縁部材3Aと同様に本体部3aと貫通孔3bを有しているが、厚肉部3c、薄肉部3d、支持部3e及び突起部3fは有していない点で、正極側の絶縁部材3Aと異なっている。
導電板6は、電池容器10の幅方向すなわち蓋部11の長手方向に沿う直線部分と、その両端に円弧状の曲線部分とを有し、蓋部11に垂直な平面視でフィールドトラック形の平面形状を有する板状の部材である。なお、導電板6の平面形状は、ダイヤフラム5の平面形状に対応して、電池容器10の幅方向を長手方向とする長円形又は楕円形に形成してもよい。導電板6は、絶縁部材3Aの貫通孔3bに対応する位置に貫通孔6aを有し、対応する平面形状を有する絶縁部材3Aの薄肉部3dの凹部3gに嵌入されている。
導電板6は、蓋部11の上面側に配置された外部端子20Aの板状部21Aの一端から延びて蓋部11を貫通する外部端子20Aの接続部22Aによって、蓋部11の下面側に絶縁部材3Aを介してかしめ固定されている。具体的には、導電板6の貫通孔6aに挿通させた外部端子20Aの接続部22Aの先端を、集電板30Aの基部31Aの第2部分31bに対向する面6cで塑性変形させて拡径させ、かしめ部22dを形成することで、導電板6が絶縁部材3Aを介して蓋部11の下面側に固定されている。これにより、導電板6は、接続部22Aの拡径部22bと縮径部22cとの間の段差と、かしめ部22dとの間に保持されると共に、接続部22Aを介して外部端子20Aと導通接続される。
なお、負極側に導電板6は配置されず、負極側の外部端子20Bは、正極側の外部端子20Aの接続部22Aと同様の接続部が、集電板30Bの基部31Bを貫通してかしめ部が形成されている。また、負極側の外部端子20Bは、板状部21B及び接続部を貫通する貫通孔を有さない。
このように、正極側の外部端子20Aによって、絶縁部材2、ガスケット4、絶縁部材3A及び導電板6が蓋部11に一体的にかしめ固定され、負極側の外部端子20Bによって、絶縁部材2、ガスケット4、絶縁部材3B及び集電板30Bが蓋部11に一体的にかしめ固定されている。
なお、集電板30Aの基部31Aの第2部分31bに対向する導電板6の面6cは、リブや凸部を有さない平坦な面であることが好ましい。第2部分31bに対向する導電板6の面6cが平坦であれば、かしめ部22dがリブや凸部に干渉することが防止されるので、かしめ部22dの直径を確保して外部端子20Aの接続部22Aによるかしめ固定の強度を確保することができるからである。また、導電板6は、第2部分31bに対向する面6cに、ダイヤフラム5の周縁部5aを係合させる環状溝6bを有している。環状溝6bは、蓋部11に垂直な平面視でダイヤフラム5の輪郭形状に対応する輪郭形状に形成されている。
図6は、ダイヤフラム5を集電板30Aの基部31A側から蓋部11に垂直な方向に見たときのダイヤフラム5の平面図である。ダイヤフラムは、蓋部11に垂直な平面視で、蓋部11の長手方向に沿う寸法が蓋部11の短手方向に沿う寸法よりも大きくされて、導電板6に対応する平面形状を有している。すなわち、本実施形態において、ダイヤフラム5は、蓋部11の長手方向に沿う直線部分と、その両端に円弧状の曲線部分とを有し、蓋部11に垂直な平面視でフィールドトラック形の平面形状を有している。
ダイヤフラム5は、中央部を底部とする椀形の形状に形成され、蓋部11から集電板30Aの基部31Aの第2部分31bへ向けて膨出する凸形状を有している。ダイヤフラム5は、蓋部11側に導電板6の環状溝6bに係合する周縁部5aを有し、周縁部5aから基部31Aの第2部分31bへ向けて、側壁部5b、底壁部5c、及び突出部5dを有している。
周縁部5aは、図4に示す導電板6の環状溝6bの底面に沿うように曲折されて環状溝6bに係合し、環状溝6bの底部に当接して、例えば、レーザ溶接によって導電板6に接合されている。これにより、ダイヤフラム5は、導電板6と導通接続され、導電板6との間に電池容器10の内部空間から隔絶された空間を形成している。本実施形態では、ダイヤフラム5と導電板6との間の空間は、外部端子20Aの貫通孔23Aによって電池容器10の外部空間と連通している。周縁部5aに隣接する側壁部5bは、周縁部5aから蓋部11と垂直な方向に沿って集電板30Aの基部31Aの第2部分31bに向けて伸長し、蓋部11と垂直な方向に対する角度が蓋部11と平行な方向に対する角度よりも小さくされている。
底壁部5cは、側壁部5bの端部から蓋部11と平行な方向に沿ってダイヤフラム5の中央部に向けて伸展し、蓋部11と垂直な方向に対する角度が蓋部11と平行な方向に対する角度よりも大きくされている。また、底壁部5cは第2部分31bに向けて膨出する凸曲面状に形成されている。ダイヤフラム5の突出部5dは、蓋部11に垂直な平面視でダイヤフラム5の平面形状と相似する平面形状に形成され、凸形状の頂部から集電板30Aの基部31Aへ向けてさらに一段突出するように形成されている。
図7は、図4の断面図に示すダイヤフラム5の突出部5d近傍の拡大断面図である。ダイヤフラム5は、集電板30Aに接合される接合部5eと、該接合部5eの周囲に設けられた薄肉部5fとを有している。本実施形態において、ダイヤフラム5の接合部5eは、集電板30Aの基部31Aの第2部分31bに接合されている。また、薄肉部5fは、接合部5eの周囲に設けられた凹部5gによって形成されている。
本実施形態の二次電池100では、薄肉部5f及び接合部5eは、ダイヤフラム5の凸形状の頂部から集電板30Aへ向けてさらに一段突出した突出部5dに形成されている。突出部5dは、集電板30Aに対向する部分が平坦であり、集電板30Aに対向する面が集電板30Aに当接する。薄肉部5f及び接合部5eは、集電板30Aに当接する突出部5dの平坦な部分に形成されている。また、薄肉部5fは、突出部5dの集電板30Aに当接する平坦な部分の底面に設けられた凹部5gによって形成されている。
ここで、図6に示すように、凹部5gは、円形の環状溝5hであることが好ましい。この場合、凹部5gの中心は、ダイヤフラム5の中心と一致していることが好ましい。ダイヤフラム5の中心とは、蓋部11の長手方向に沿うダイヤフラム5の中心線L1と、蓋部11の短手方向に沿うダイヤフラム5の中心線L2との交点である。なお、凹部5gは、本実施形態のように、周方向に連続する真円形の環状溝5hに限定されず、例えば環状に配置された不連続な複数の凹部5gであってもよい。また、凹部5gは、部分的に深さを異ならせてもよい。
さらに、図8に示すように、凹部5gは、ダイヤフラム5の集電板30Aに対向する面と、その面と反対側の面の双方に設けてもよい。この場合、薄肉部5fは、ダイヤフラム5の集電板30Aを向く内方面5iに設けられた凹部5gと、内方面5iと反対側の外方面5jに設けられた凹部5gとの間に形成される。また、凹部5gは、ダイヤフラム5の外方面5jのみに設けてもよい。この場合、蓋部11に垂直な平面視で、凹部5gの内側に接合部5eを含む、円形又はその他の平面形状の凹部5gを形成することができる。これにより、接合部5e及びその周囲に薄肉部5fを形成することができる。
ダイヤフラム5は、図4に示すように、集電板30Aの基部31Aと蓋部11との間に配置され、接合部5eは、基部31Aの蓋部11を向く面に、例えば、レーザ溶接によって接合されている。前記したように、基部31Aは、蓋部11との間隔が狭い第1部分31aと、蓋部11との間隔が広い第2部分31bとを有している。ダイヤフラム5は、第2部分31bと蓋部11との間に配置され、接合部5eは、第2部分31bに接合されている。
集電板30Aの基部31Aは、図4に示すように、蓋部11の長手方向に沿って第1部分31aから第2部分31bへ向かう方向に延在し、第1部分31aと第2部分31bとを連結する連結部31cを有している。第1部分31a、第2部分31b及び連結部31cは、例えば、基部31Aにプレス加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。基部31Aの延在方向に垂直な蓋部11の短手方向に沿う断面積は、連結部31cにおいて第1部分31a及び第2部分31bより小さくなっている。本実施形態では、連結部31cの厚さが、第1部分31a及び第2部分31bよりも薄くなっている。
連結部31cは、第1部分31a及び第2部分31bよりも断面積が小さくされ、また、複数の屈曲部を有することで、第1部分31a及び第2部分31bよりも可撓性を有している。連結部31cは、第1部分31aと第2部分31bとの間に蓋部11に垂直な方向の段差を形成して、第1部分31aと第2部分31bとを連結している。これにより、第1部分31aと蓋部11との間隔よりも、第2部分31bと蓋部11との間隔が広くなっている。
集電板30Aの基部31Aは、第2部分31bのダイヤフラム5に対向する面に、ダイヤフラム5の少なくとも一部を収容する収容凹部34が形成されている。本実施形態では、ダイヤフラム5の一部が収容凹部34に収容されているが、ダイヤフラム5の形状及び寸法、集電板30Aの基部31Aの厚さ、収容凹部34の深さを変更して、ダイヤフラム5の全体が収容凹部34に収容されるようにしてもよい。収容凹部34は、例えば、第2部分31bにプレス加工又は切削加工を施すことによって形成することができる。
収容凹部34は、ダイヤフラム5の周縁部5aから中央部の突出部5dに向けて漸次深くなる段差状に設けられている。なお、収容凹部34に傾斜面又は凹曲面を設け、収容凹部34がダイヤフラム5の周縁部5aから中央部の突出部5dに向けて漸次深くなるようにしてもよい。このように、収容凹部34が突出部5dに向けて漸次深くなることで、集電板30Aの基部31Aの第2部分31bは、ダイヤフラム5の接合部5eに対向する部分の厚さが最も薄くなっている。この第2部分31bの最も薄い部分に、例えばレーザ溶接によって、ダイヤフラム5の接合部5eが接合される。
正極側の集電板30Aは、図5に示す基部31Aの貫通孔33に、図4に示す絶縁部材3Aの円柱状の突起部3fを挿通させ、突起部3fの先端を溶融及び拡径して固化することで、絶縁部材3Aに固定される。その後、ダイヤフラム5の突出部5dを基部31Aの第2部分31bに接触させた状態で、例えば、第2部分31bの下面側すなわち蓋部11と反対側の面にレーザを照射し、ダイヤフラム5の接合部5eと第2部分31bとを溶接して接合する。これにより、正極側の集電板30Aが絶縁部材3Aを介して蓋部11の下面側に固定され、基部31Aの第2部分31bとダイヤフラム5とによって電流遮断部50が構成される。
その後、図2に示すように、正極側及び負極側の集電板30A,30Bの端子部32A,32Bに捲回体40の集電板接合部41d,42dを、例えば、超音波溶接又は抵抗溶接によって接合し、蓋組立体60を構成する。そして、蓋組立体60が備える集電板30A,30B、捲回体40及び電流遮断部50を、電池缶12の上部の開口部12aから電池缶12内に挿入し、開口部12aを蓋部11によって閉塞する。その後、例えばレーザ溶接によって、蓋部11を全周に亘って電池缶12の上部の開口部12aに溶接し、注液口14から電解液を注入する。そして、例えばレーザ溶接によって、注液口14に注液栓15を溶接して注液口14を封止する。以上により、図1に示す本実施形態の二次電池100が構成される。
以下、本実施形態の二次電池100の作用について説明する。前記したように、二次電池100は、電池容器10内の電極41と、電池容器10に設けられた外部端子20Aとの間の電流経路に電流遮断部50を備えている。そして、電流遮断部50は、電池容器10内に配置され、外部端子20Aに接続されたダイヤフラム5と、電極41に接続された集電板30Aとを備えている。
このような構成に基づき、本実施形態の二次電池100は、平常時において、外部端子20A,20Bを介して供給された電力を、電流遮断部50を含む電流経路を流れる電流によって捲回体40に蓄積する。また、二次電池100は、捲回体40に蓄積した電力を、電流遮断部50を含む電流経路を流れる電流によって外部端子20A,20Bを介して外部機器に供給する。
例えば、二次電池100の過充電、過昇温又は外力による破損などによって電池容器10の内圧が上昇すると、ダイヤフラム5の集電板30Aの基部31Aに対向する面に作用する圧力が、反対側の蓋部11に向く面に作用する圧力よりも大きくなる。そして、電池容器10の内圧が設定された圧力に達すると、ダイヤフラム5に作用する圧力によって比較的強度が低い薄肉部5fが破断し、集電板30Aとダイヤフラム5との接続が断たれる。これにより、外部端子20Aと電池容器10内の電極41との間の電流経路が遮断される。
前記したように、集電板30Aには、基部31A及び端子部32Aを形成し、又は基部31Aに第1部分31a、第2部分31b、連結部31cを形成するプレス加工や曲げ加工によって、各部にそりやねじれが生じることがある。そのため、前記した従来の二次電池のように、電流遮断部の作動時に破断する遮断箔を集電タブ部材に設けると、遮断箔にひずみや応力が作用して、例えば、遮断箔とダイヤフラムとが接触不良を起こし、又は、定常時に遮断箔が損傷もしくは破断し、電流遮断部の誤作動を生じる虞がある。
これに対し、本実施形態の二次電池100は、電流遮断部50の作動時に破断する薄肉部5fを、ダイヤフラム5に有している。そのため、集電板30Aにそりやねじれが生じても、例えば、絶縁部材3Aによって集電板30Aの基部31Aを所定位置に固定した状態で、基部31Aにダイヤフラム5の接合部5eを接合することができる。これにより、ダイヤフラム5の薄肉部5fに作用するひずみや応力が緩和され、定常時における薄肉部5fの破断又は損傷を防止できる。
また、本実施形態の二次電池100は、薄肉部5fが、接合部5eの周囲に設けられた凹部5gによって形成されている。一般に、ダイヤフラム5は集電板30Aと比較して単純な形状を有し、例えば、プレス加工によって容易かつ精度よく製作することができる。そのため、ダイヤフラム5を製作する際に、凹部5gを精度よく形成し、薄肉部5fの肉厚の精度を向上させ、ダイヤフラム5を所望の圧力で精度よく破断させることが可能になる。
また、図7に示す例のように、薄肉部5fを集電板30Aの基部31Aの表面から離れた位置に形成することで、薄肉部5fが接合部5eの溶接時の熱の影響を受けることが抑制される。また、図8に示す例のように、薄肉部5fを、ダイヤフラム5の集電板30Aに対向する内方面5iに設けられた凹部5gと、内方面5iと反対側の外方面5jに設けられた凹部5gとの間に形成することで、ダイヤフラム5の肉厚によらず高精度に薄肉部5fを形成することができ、薄肉部5fをより薄くしてより破断しやすくすることができる。
また、本実施形態の二次電池100は、ダイヤフラム5に薄肉部5fを形成する凹部5gが円形の環状溝5hである。ダイヤフラム5は、接合部5eの周囲を全周に亘って破断させる必要があるが、薄肉部5fを円形の環状溝5hによって形成することで、接合部5eを破断させる際の破断長さを最小にすることができる。したがって、ダイヤフラム5の破断に必要な応力を低減させ、電池容器10の内部圧力が所定の圧力に達したときに、より正確にダイヤフラム5を破断させ、電流遮断部50の電流遮断精度を向上させることができる。
なお、薄肉部5fが接合部5eの周囲に環状に形成されている場合には、薄肉部5fの1点が起点となって破断が生じ、その破断が起点から離れた位置へと進行し、最終的に接合部5eの周囲の全周に亘って破断が進行して、ダイヤフラム5が破断すると考えられる。ここで、図6に示すように、蓋部11に垂直な平面視で、蓋部11の長手方向に沿うダイヤフラム5の寸法は、蓋部11の短手方向に沿うダイヤフラム5の寸法よりも大きい。この場合には、蓋部11の長手方向に平行なダイヤフラム5の中心線L1に沿って、ダイヤフラム5に最大の応力が作用することが考えられる。
前記したように、本実施形態の二次電池100では、蓋部11に垂直な方向から見たダイヤフラム5の形状が、例えばフィールドトラック形状、楕円形状、長円形状等、蓋部11の短手方向よりも蓋部11の長手方向に長い形状に形成されている。また、ダイヤフラム5の薄肉部5fが、接合部5eの周囲に設けられた環状溝5hによって形成され、ダイヤフラム5の中心と環状溝5hの中心とが一致している。
これにより、ダイヤフラム5を破断させる際に、中心線L1と環状溝5hとが交差する点を起点として、中心線L1と垂直な中心線L2に対称に、薄肉部5fを破断させることができる。そのため、破断の起点を定めない場合や、環状溝5hの中心とダイヤフラム5の中心とが一致しない場合と比較して、ダイヤフラム5をより容易に破断させることができる。したがって、ダイヤフラム5の破断に必要な応力を低減させることができ、電池容器10の内部圧力が所定の圧力に達したときに、より正確にダイヤフラム5を破断させ、電流遮断部50の電流遮断精度を向上させることができる。
また、本実施形態の二次電池100では、ダイヤフラム5は、蓋部11から集電板30Aの基部31Aへ向けて膨出する凸形状を有している。そのため、ダイヤフラム5が平板状の場合と比較して、電池容器10の内圧が所定の圧力に達するまでのダイヤフラム5の機械的強度を向上させ、ダイヤフラム5の誤作動を防止することができる。また、電池容器10の内圧が所定の圧力に達したときに、ダイヤフラム5が反転するように変形することで、圧力に対する変形の応答性を向上させることができる。さらに、ダイヤフラム5の変形量を増加させ、破断後のダイヤフラム5と集電板30Aとの間の導通をより確実に防止することができる。
また、接合部5e及び薄肉部5fは、ダイヤフラム5の突出部5dの集電板30Aの基部31Aと当接する部分に形成されている。これにより、接合部5eを基部31Aに確実に当接させて接合部5eと基部31Aとの溶接の信頼性を向上させることができる。また、薄肉部5fを接合部5eに隣接して設け、ダイヤフラム5を接合部5eの近傍で破断させることができ、ダイヤフラム5の変形量を大きくして電流をより確実に遮断することができる。また、ダイヤフラム5が突出部5dを有することで、突出部5dの周側壁をリブとして作用させ、ダイヤフラム5の強度を向上させ、ダイヤフラム5が誤作動によって変形することを防止できる。
また、突出部5dは、蓋部11に垂直な方向から見た平面形状が、ダイヤフラム5の平面形状に相似する形状に形成されている。これにより、電池容器10の内圧が上昇して、ダイヤフラム5が破断するときに、突出部5dと周縁部5aの間の部分の表面積を確保して凸形状のダイヤフラム5を蓋部11側へ反転させやすくすることができる。
また、本実施形態の二次電池100は、電池容器10が、長方形の蓋部11で密閉された扁平箱型の形状を有している。そして、ダイヤフラム5は、蓋部11の長手方向に沿う寸法が蓋部11の短手方向に沿う寸法よりも大きい、例えば、長円形、楕円形又はフィールドトラック形状に形成されている。これにより、扁平な電池容器10内でダイヤフラム5の表面積を確保することができる。
したがって、電池容器10の内圧が所定の圧力に達したときに、ダイヤフラム5を容易かつ確実に変形させ、電極41と外部端子20Aとの間の電流経路の遮断をより確実に行うことが可能になる。また、ダイヤフラム5の短手方向に沿う部分を曲線形状にすることで、ダイヤフラム5を容易かつ確実に変形させ、電極41と外部端子20Aとの間の電流経路の遮断をより確実に行うことが可能になる。
また、本実施形態の二次電池100では、集電板30A,30Bは、蓋部11に絶縁部材3A,3Bを介して固定された基部31A,31Bと、基部31A,31Bの一側で曲折されて電池容器10の底面12cに向けて延びる端子部32A,32Bと、を備えている。そして、ダイヤフラム5は、集電板30Aの基部31Aと蓋部11との間に配置され、接合部5eは、基部31Aの蓋部11を向く面に接合されている。
集電板30A,30Bの製造時には、プレス加工や曲げ加工によって、そりやねじれが生じることがある。しかし、集電板30Aの製造後に、蓋部11に固定された絶縁部材3Aと集電板30Aの基部31Aとの間にダイヤフラム5を配置し、基部31Aの蓋部11を向く面にダイヤフラム5の接合部5eを接合することで、ダイヤフラム5の薄肉部5fに対する集電板30Aのそりやねじれの影響を最小限に留めることができる。
また、本実施形態の二次電池100では、集電板30Aの基部31Aは、蓋部11との間隔が狭い第1部分31aと、蓋部11との間隔が広い第2部分31bとを有している。そして、ダイヤフラム5は、第2部分31bと蓋部11との間に配置され、接合部5eは、第2部分31bに接合されている。これにより、第2部分31bと蓋部11との間に凸形状のダイヤフラム5を配置するスペースを確保することができる。
さらに、本実施形態の二次電池100では、集電板30Aの基部31Aは、蓋部11に沿って第1部分31aから第2部分31bへ向かう方向に延在し、第1部分31aと第2部分31bとを連結する連結部31cを有している。そして、基部31Aの延在方向に垂直な断面積は、連結部31cにおいて第1部分31a及び第2部分31bより小さくなっている。
そのため、例えば、振動又は慣性力によって二次電池100内の捲回体40が揺動し、集電板30Aの端子部32Aから基部31Aの第1部分31aに応力や振動が作用しても、第1部分31aから第2部分31bに伝わる応力及び振動を、連結部31cによって緩和することができる。特に、連結部31cが屈曲部を有する場合には、連結部31cの可撓性を向上させ、より効果的に第2部分31bに伝わる応力及び振動を緩和することができる。これにより、ダイヤフラム5の薄肉部5fに伝わる応力及び振動を緩和し、電流遮断部50の誤作動を防止することができる。
また、本実施形態の二次電池100では、集電板30Aの基部31Aの第2部分31bのダイヤフラム5に対向する面に、ダイヤフラム5の一部を収容する収容凹部34が形成されている。
そのため、電流遮断部50の電池容器10の高さ方向の寸法増加を抑制しつつ、ダイヤフラム5の電池容器10内方への突出量を増大させることができる。これにより、電池容器10内の捲回体40と蓋部11との間の限られたスペースで、電池容器10外方へ向けて変形するダイヤフラム5の変形量を増加させ、変形後のダイヤフラム5と集電板30Aとの間隔を拡大させ、正電極41と外部端子20Aとの間の電流経路の遮断をより確実に行うことが可能になる。また、第2部分31bの肉厚を薄くして、ダイヤフラム5の接合部5eと第2部分31bとのレーザ溶接を容易にすることができる。このような効果は、収容凹部34にダイヤフラム5の全体を収容することによっても得られる。
また、本実施形態の二次電池100では、外部端子20Aは、蓋部11の上面側に配置され、蓋部11を貫通して蓋部11の下面側に絶縁部材3Aを介して導電板6を固定する接続部22Aを有している。そして、ダイヤフラム5は、周縁部5aが導電板6に接合され、導電板6との間に電池容器10内の空間から隔絶された空間を形成している。これにより、電池容器10の内圧が上昇したときに、ダイヤフラム5と導電板6との間の空間と電池容器10内の空間との間に差圧が生じ、ダイヤフラム5に応力が作用して、ダイヤフラム5が破断および変形する。
さらに、外部端子20Aが、ダイヤフラム5と導電板6との間の空間と電池容器10の外部空間とを連通する貫通孔23Aを有する場合には、ダイヤフラム5の変形時にダイヤフラム5と導電板6との間の空間の圧力上昇が防止される。したがって、ダイヤフラム5をより容易かつ確実に変形させ、正電極41と外部端子20Aとの間の電流経路の遮断をより容易かつ確実に行うことが可能になる。
また、本実施形態の二次電池100では、ダイヤフラム5は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成されている。そのため、負極の外部端子20Bと集電板30Bとの間に、銅又は銅合金によって構成したダイヤフラムを配置する場合と比較して、ダイヤフラム5の材料の機械的強度を低下させ、ダイヤフラム5の変形を容易にすることができる。したがって、電極41と外部端子20Aとの間の電流経路の遮断をより容易かつ確実に行うことが可能になる。なお、電流遮断部50は、負極側に設けることも可能である。
また、ダイヤフラム5が変形して電流遮断部50によって正電極41と外部端子20Aとの間の電流経路を遮断した後に、さらに電池容器10内部のガス圧が上昇すると、ガス排出弁13が開裂して電池容器10内部のガスを外部に放出する。これにより、二次電池100の安全性を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態の二次電池100によれば、電流遮断部50の誤作動を防止し、電池容器10の内圧上昇時に電流経路をより確実に安定して遮断することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態では、蓋部11の長手方向に沿う寸法が蓋部11の短手方向に沿う寸法よりも大きいダイヤフラム5について説明した。しかし、ダイヤフラム5は蓋部11の長手方向に沿う寸法が蓋部11の短手方向に沿う寸法以下であってもよい。ダイヤフラム5の変形例1を図9に示す。
図9は、蓋部11に垂直な方向から見た図6に対応する本変形例のダイヤフラム5Aの平面図である。図9に示すダイヤフラム5Aは、蓋部11に垂直な方向から見た平面形状が円形である点で、前述の実施形態で説明したダイヤフラム5と異なっている。本変形例のダイヤフラム5Aのその他の点は、前述の実施形態で説明したダイヤフラム5と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例のダイヤフラム5Aを備える二次電池によれば、前述の実施形態の二次電池100と同様の効果が得られるだけでなく、接合部5eから周縁部5aまでの距離が均一になり、ダイヤフラム5Aをより均一に変形させ、電流遮断部50を安定して作動させることが可能になる。
また、前述の実施形態では、ダイヤフラム5が蓋部11から集電板30Aへ向けて膨出する凸形状を有する例について説明したが、本発明の二次電池100はこの構成に限定されない。ダイヤフラム5の変形例2を図10に示す。
図10は、前述の実施形態で説明した図4に対応する本変形例の二次電池100Bの断面図である。図10に示す二次電池100Bは、ダイヤフラム5Bの周縁部5aから中央部の突出部5dまでが平坦な平板状に形成され、導電板6Bが側壁部6dを備えている点で、前述の実施形態で説明した二次電池100と異なっている。本変形例の二次電池100Bのその他の点は、前述の実施形態で説明した二次電池100と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例の二次電池100Bは、導電板6Bが蓋部11に垂直な方向に立設された側壁部6dを有し、側壁部6dの下端の段差部にダイヤフラム5Bの周縁部5aが係合し、例えば、レーザ溶接によって接合されている。また、ダイヤフラム5Bは、集電板30Aに接合される接合部5eと、該接合部5eの周囲に設けられた薄肉部5fとを有している。したがって、本変形例の二次電池100Bによれば、前述の実施形態で説明した二次電池100と同様に、電流遮断部50の誤作動を防止し、電池容器10の内圧上昇時に電流経路をより確実に安定して遮断することができる。