JP6121568B2 - 角形二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用途等に使用される角形二次電池に関する。
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電池が主流であった。しかし、電気機器の小型化、軽量化が進むに連れ、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が着目され、その研究、開発および商品化が急速に進められている。また、地球温暖化や枯渇燃料の問題から電気自動車(EV)や駆動の一部を電気モーターで補助するハイブリッド電気自動車(HEV)が各自動車メーカーで開発され、その電源として高容量で高出力な二次電池が求められるようになっている。
このような要求に合致する電源として、高電圧の非水溶液系のリチウムイオン二次電池が注目されている。特に、扁平箱型の電池容器を備えた角形リチウムイオン二次電池は、パック化した際の体積効率が優れているため、HEV、EV、またはその他の機器に搭載される電源として需要が増大している。このような密閉型の電池容器を備える角形二次電池では、例えば、過充電、過昇温、または外力による破損によって、電池容器の内部の圧力が上昇する場合がある。
このような場合に電流を遮断する電流遮断機構を備えた非水電解質二次電池が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。特許文献1に記載の非水電解質二次電池は、外装缶内部の圧力が上昇したときに破断して通電を遮断する脆弱部を備えている。脆弱部は、中央部分がダイヤフラムの電池内側面に接続され、その周辺がダイヤフラムの下方に位置する集電タブに接続され、ダイヤフラムが変形し浮き上がったときに破断してダイヤフラムへの通電を遮断する。
特開2008−66254号公報
特許文献1に記載された非水電解質二次電池では、ダイヤフラムがホルダー穴を覆うようにタブ受入部の電池外方側に配置され、かつその中央部底面がホルダー穴を介して脆弱部に通電可能に接着され、電池内ガス圧が脆弱部およびダイヤフラムの電池内方面に作用する構造とされている。この構造により、耐衝撃性、耐振動性に優れた電流遮断機構付き非水電解質二次電池を提供するとしている。
しかし、特許文献1に記載された非水電解質二次電池では、外部からの衝撃や振動によって外装缶内部の電極体が振動または揺動すると、該電極体に接続された集電タブ部材の集電板接続部から挿入部に振動が直接的に伝達され、または、ねじれなどの応力が作用する。このような挿入部に作用する振動や応力によって、挿入部が有する脆弱部が損傷または破断して電流遮断機構が誤作動を起こす虞がある。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、耐振動性、耐衝撃性に優れ、電池容器内の内圧上昇時に電流経路を確実に安定して遮断することができる角形二次電池を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明の角形二次電池は、捲回電極群に接続された集電板と、電池容器の外部に配置された外部端子との間の電流経路に配置され、前記電池容器内の内圧上昇によって該電流経路を遮断する電流遮断部を備えた角形二次電池であって、前記電流遮断部は、前記外部端子に電気的に接続されて前記電池容器内の内圧上昇によって変形するダイヤフラムと、該ダイヤフラムと接続されて該ダイヤフラムの変形によって該接続が断たれる接続板と、該接続板と前記集電板とを連結する連結部とを有し、前記連結部の剛性が前記集電板の剛性よりも低いことを特徴とする。
本発明によれば、連結部の剛性が集電板の剛性よりも低いので、外部からの振動や衝撃によって電池容器内部の捲回電極群と集電板が振動または揺動しても、連結部によって集電板と接続板との相対的な変位を許容することができる。これにより、集電板から接続板への振動の伝達が抑制され、また、集電板から接続板に作用する応力が緩和され、接続板とダイヤフラムとの接続が、振動や衝撃等の外部要因によって断たれることが防止される。したがって、耐振動性、耐衝撃性に優れ、電池容器内の内圧上昇時に電流経路を確実に安定して遮断することができる角形二次電池を提供することができる。
前記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態1に係る角形二次電池の斜視図。 図1に示す角形二次電池の分解斜視図。 図1に示す角形二次電池の捲回電極群の分解斜視図。 図1に示す角形二次電池の電流遮断部の拡大断面図。 図4Aに示すダイヤフラムに接合される接続板の接合部の拡大断面図。 図4Aに示す電流遮断部とその周辺の部材の分解斜視図。 図4Aに示す電流遮断部の変形例1を示す拡大断面図。 図4Aに示す電流遮断部の変形例2を示す拡大断面図。 図4Aに示す電流遮断部の変形例3を示す拡大断面図。 図4Aに示す電流遮断部の変形例4を示す拡大断面図。 図4Aに示す電流遮断部の変形例5を示す拡大断面図。 図10Aに示す電流遮断部の連結部を示す拡大断面図。
以下、本発明の角形二次電池の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る角形二次電池1の斜視図である。図2は、図1に示す角形二次電池1の分解斜視図である。図3は、図2に示す捲回電極群40の一部を展開した分解斜視図である。
角形二次電池1は、例えばリチウムイオン二次電池であり、扁平な角形の電池容器2を備えている。電池容器2は、開口部4aを有する矩形箱状の電池缶4と、電池缶4の開口部4aを封止する電池蓋3により構成されている。以下の説明では、平面視で長方形の電池蓋3の長辺に沿う方向を電池容器2の長手方向といい、短辺に沿う方向を電池容器2の短手方向という。電池缶4および電池蓋3は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金によって製作され、電池蓋3が電池缶4の開口部の全周に亘って、例えばレーザ溶接により接合されることで、電池容器2が密閉されている。電池容器2の内部には、図示を省略する絶縁シートを介して捲回電極群40が収容されている。
捲回電極群40は、図3に示すように、セパレータ43,44を介して積層した正極電極41および負極電極42からなる積層体を捲回して扁平な形状に成形することで設けられている。捲回電極群40は、帯状の積層体の延在方向に、例えば約10Nの引張荷重をかけながら捲回される。このとき、捲回電極群40は、帯状の積層体の幅方向すなわち捲回軸方向の両端部における正極電極41、負極電極42およびセパレータ43,44の端部が一定の位置になるように蛇行制御しながら捲回される。
正極電極41は、正極箔の両面に正極合剤層41aが形成され、幅方向すなわち捲回電極群40の捲回軸方向の一方の側縁に、正極箔が露出した箔露出部41bを有している。負極電極42は、負極箔の両面に負極合剤層42aが形成され、幅方向すなわち捲回電極群40の捲回軸方向の他方の側縁に、負極箔が露出した箔露出部42bを有している。正極電極41および負極電極42の箔露出部41b,42bは、幅方向すなわち捲回軸方向において互いに反対側に位置するように捲回される。
正極電極41は、例えば以下の手順で作製することができる。まず、正極活物質としてマンガン酸リチウム(化学式LiMn)100重量部に対し、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛と、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)と、を添加する。これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を添加し、混練して正極合剤を作製する。この正極合剤を正極箔である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に箔露出部41bを残して塗布する。その後、乾燥、プレス、裁断してアルミニウム箔を含まない正極合剤層41aの厚さが、例えば90μmの正極電極41を得ることができる。
本実施の形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを用いる場合について例示したが、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウムや一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物や層状結晶構造を有すコバルト酸リチウムやチタン酸リチウムやこれらの一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム-金属複合酸化物を用いるようにしてもよい。
負極電極42は、例えば以下の手順で作製することができる。まず、負極活物質として非晶質炭素粉末100重量部に対して、結着剤として10重量部のPVDFを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練して負極合剤を作製する。この負極合剤を、負極箔である厚さ10μmの銅箔の両面に箔露出部42bを残して塗布する。その後、乾燥、プレス、裁断して銅箔を含まない負極合剤層42aの厚さが、例えば70μmの負極電極42を得ることができる。
本実施の形態では、負極活物質として非晶質炭素を例示したが、負極活物質は特に限定されず、例えば、リチウムイオンを挿入および脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料等を用いることができる。また、負極活物質の粒子形状についても特に限定されず、例えば、鱗片状、球状、繊維状、塊状等であってもよい。
また、本実施の形態では、結着剤としてPVDFを例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる。
セパレータ43,44は、例えばポリエチレン製の微多孔性を有する絶縁材料からなり、正極電極41と負極電極42とを絶縁する役割を有している。負極電極42の負極合剤層42bは、正極電極41の正極合剤層41aよりも幅方向に大きく、これにより正極合剤層41aは必ず負極合剤層42aに挟まれるように構成されている。
正極、負極電極41,42の箔露出部41b,42bは、捲回電極群40の平坦な部分で束ねられている。箔露出部41b,42bは、図2に示すように、それぞれ、電池蓋3の下方から電池缶4の底面に向けて電池容器2の高さ方向に延びる平板状の正極、負極集電板21,31の接合片21a,31aに、例えば、抵抗溶接または超音波溶接によって接合されて固定されている。これにより、捲回電極群40は、正極、負極電極41,42が、それぞれ正極、負極集電板21,31に電気的に接続されている。なお、正極、負極電極41,42と交互に積層されたセパレータ43,44は、負極合剤層42aの幅よりも広いが、両側に箔露出部41b,42bを露出させる幅とされているので、箔露出部41b,42bを束ねて溶接する際の支障にはならない。
正極集電板21は、絶縁部材65を介して電池蓋3の下面に固定され、電池容器2の内部に配置される。正極外部端子61は、絶縁部材64を介して電池蓋3の上面に固定され、電池容器2の外部に配置される。詳細は後述するが、正極集電板21と正極外部端子61との間の電流経路に電流遮断部60(図4A参照)が設けられている。電流遮断部60は、電池容器2内の内圧が所定の圧力まで上昇したときに、内圧上昇によって正極集電板21と正極外部端子61との間の電流経路を遮断する。
負極集電板31は、絶縁部材74を介して電池蓋3の下面に固定され、それぞれ電池容器2の内部に配置される。負極外部端子71は、絶縁部材75を介して電池蓋3の上面に固定され、電池容器2の外部に配置される。図示は省略するが、負極集電板31と負極外部端子71は、電池蓋3を貫通する接続端子によってかしめ固定され、該接続端子を介して電気的に接続されている。負極集電板31および負極外部端子71は、例えば、銅または銅合金によって製作されている。
電池蓋3に正極、負極外部端子61,71および正極、負極集電板21,31等が固定されることで蓋組立体10が構成されている。さらに、捲回電極群40の箔露出部41b,42bが、接合片21a,31aに接合されて固定され、捲回電極群40が正極、負極集電板21,31の間に支持されることで、発電要素50が構成されている。
電池蓋3は、長手方向の一端と他端に固定された正極外部端子61と負極外部端子71の間に、電解液を注入するための注液孔11と、電池容器2内部の圧力が所定値を超えて上昇したときに開裂するガス排出弁13を備えている。電池容器2は、電池蓋3の注液孔11から内部に非水電解液が注入された後、注液孔11に注液栓が、例えばレーザ溶接によって接合されることで密閉される。
電池容器2に注入する非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2の割合で混合した混合溶液中へ六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いることができる。なお、非水電解液は、リチウム塩や有機溶媒に制限されない。一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を用いるようにしてもよい。
電解質としては、例えば、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトニル等またはこれら2種類以上の混合溶媒を用いるようにしてもよく、混合配合比についても特に限定されない。
(電流遮断部)
図4は、図1に示す角形二次電池1の電池容器2の長手方向に沿う断面において、電流遮断部60およびその近傍を示す拡大断面図である。図4Bは、図4Aに示すダイヤフラム68に接合される接続板24の接合部24dの拡大図である。図5は、図4Aに示す各部材の分解斜視図である。
本実施の形態の電流遮断部60は、主に、以下に説明する接続板24とダイヤフラム68によって構成されている。以下、電流遮断部60の構成について、詳細に説明する。
前述のように、捲回電極群40の正極電極41の箔露出部41bに接続された正極集電板21は、電池蓋3と平行な平板状の基部22が、絶縁部材65を介して電池蓋3の下面に固定され、電池容器2の内部に配置される。図5に示すように、正極集電板21は、電池蓋3の下面に対向する平板状の基部22に固定孔22aを有している。なお、基部22の固定孔22aは、基部22を流れる電流の最短経路を避けるように配置することが好ましい。絶縁部材65は、例えば絶縁性の樹脂材料によって製作され、正極集電板21の基部22の固定孔22aに挿入される固定用凸部65aを有している。
正極集電板21は、基部22の固定孔22aに絶縁部材65の固定用凸部65aを挿入して熱溶着することで絶縁部材65に固定され、基部22と電池蓋3とが間隔G1をあけて平行に配置されている。正極集電板21の基部22の一端には、連結部23を介して接続板24が連結され、正極集電板21と接続板24とが電気的に接続されている。正極集電板21の基部22は、連結部23に隣接する端部が、絶縁部材65を介して電池蓋3に固定されている。なお、接続板24および連結部23は、正極集電板21の一部とみなすこともできる。
接続板24は、電池容器2の長手方向に延び、平面視で長方形の形状を有する平板状の部材である。接続板24の長手方向の両端には固定孔24eが設けられている。なお、接続板24の固定孔24eは、連結部23を介して正極集電板21の基部22からダイヤフラム68へ流れる電流の最短経路を避けるように配置することが好ましい。絶縁部材65の固定用凸部65aを接続板24の固定孔24eに挿入して熱溶着することで、接続板24の長手方向の両端が絶縁部材65に固定されている。接続板24は、連結部23に隣接する端部が、絶縁部材65を介して電池蓋3に固定されている。接続板24は、電池蓋3と間隔G2をあけて平行に配置されている。
正極集電板21の基部22と電池蓋3との間隔G1は、接続板24と電池蓋3との間隔G2よりも狭くなっている。すなわち、接続板24は、電池容器2の外方を向く面が、正極集電板21の基部22の電池容器2の外方を向く面よりも電池容器2の内方側に一段低い位置に配置され、正極集電板21の基部22の電池容器2内方を向く面と同じ高さに配置されている。これにより、接続板24と正極集電板21の基部22との間に電池蓋3と垂直な方向の段差が形成されている。この段差によって、電池蓋3と接続板24との間に、電池容器2の内方に向けて凸形状を有するダイヤフラム68、導電板63および絶縁部材65を配置するスペースが確保されている。
接続板24の電池容器2外方を向く面には、段差状の凹部24aが設けられ、凹部24aの中央部にさらに薄肉部24bが設けられている。薄肉部24bは、接続板24の肉厚が凹部24aにおける肉厚よりもさらに薄肉化されて、凹部24aの内側に段差状に形成された部分である。接続板24は、凹部24aおよび薄肉部24bが形成されることで、電池容器2外方を向く面に電池蓋3に垂直な厚さ方向の2段の段差が形成されているが、電池容器2内方を向く面は平坦になっている。
接続板24は、薄肉部24bに、ダイヤフラム68の突起部68aが接合される接合部24dと、該接合部24dの周囲に設けられた脆弱部24cを有している。脆弱部24cは、例えば、薄肉部24bの厚さ方向に凹設された環状溝であり、脆弱部24cが形成された部分において接続板24の肉厚が最も薄く、破断しやすくなっている。脆弱部24cは、接合部24dの周囲に、接合部24dを囲むように設けられている。接続板24の凹部24aにダイヤフラム68の電池容器2内方側の一部が収容され、その内側の薄肉部24bに設けられた脆弱部24cの内側の接合部24dに、ダイヤフラム68の頂部の突起部68aが接合されている。
接続板24は、長手方向の連結部23に隣接する端部とその反対側の端部が、絶縁部材65を介して電池容器2の電池蓋3に固定されている。これにより、接続板24は、接合部24dと連結部23との間の部分が、絶縁部材65を介して電池蓋3に固定されている。また、ダイヤフラム68が接合される接続板24の接合部24dは、絶縁部材65を介して電池蓋3に固定された接続板24の長手方向の両端部の間に配置されている。接続板24は、連結部23を介して正極集電板21の基部22に連結され、接続板24と電気的に接続されている。
図5に示すように、連結部23は、正極集電板21の基部22および接続板24を連結する板状の部材であり、厚さ方向に屈曲されてS字状に湾曲している。電池容器2の短手方向における連結部23の幅は、少なくとも正極集電板21の基部22の連結部23側の端部に設けられた一対の固定孔22a,22aの間隔よりも広く、かつ接続板24の連結部23側の端部に設けられた一対の固定孔24e,24eの間隔よりも広いことが好ましい。連結部23の幅は、正極集電板21の基部22の幅と等しく、かつ接続板24の幅と等しいことがより好ましい。このように連結部23の幅を広くすることで、連結部23の強度を確保すると共に、連結部23の電気抵抗を低下させることができる。
連結部23の剛性は、正極集電板21および接続板24の剛性よりも低くされている。本実施形態では、図5に示すように、連結部23の厚さT3は、正極集電板21の基部22の厚さT2および接続板24の厚さT4よりも薄くされている。連結部23の厚さT3は、例えば、0.3mm以上かつ2.0mm以下とすることができる。正極集電板21、連結部23および接続板24は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金の導電性を有する金属材料を、鍛造によって一体的に成形して製作することができる。
連結部23は、正極集電板21の基部22と接続板24との間で屈曲部23aを有しているが、厚さT3は一様になっている。
ダイヤフラム68は、内側に空洞を有する椀形の形状を有し、電池缶4の内方へ向く凸形状に形成されている。ダイヤフラム68の平面形状は、例えば長円形、レーストラック形状、または楕円形等の電池容器2の長手方向に延びる形状を有していることが好ましい。ダイヤフラム68は、電池容器2の内方側から外方側に、突起部68aと、該突起部68aに隣接する天井部68dと、該天井部68dに隣接する側壁部68cと、該側壁部68cの端部に設けられた縁部68bと、を有している。側壁部68cは、電池蓋3に平行な導電板63の電池缶4内方を向く面から電池缶4内方に向けて立ち上がる環状の側周壁である。天井部68dは、ダイヤフラム68の突起部68aに隣接する部分が、電池缶4の内方に向けて凸の曲面形状に形成された部分である。
ダイヤフラム68は、電池缶4の内方へ向く凸形状の頂部の突起部68aが、接続板24の接合部24dに接合されている。突起部68aは、図4Aおよび図4Bに示すように、ダイヤフラム68の頂部が電池容器2の内方に向けて段差状に突出することで形成され、平坦な頂面と周側壁を有する内側が空洞の有底筒状の部分である。突起部68aの平面形状は、ダイヤフラム68の平面形状に対応する形状に形成されている。
図4Bに示すように、突起部68aの頂面は、脆弱部24cに囲まれた接合部24dとその外側の薄肉部24bに接し、接合部24dに接合されている。
突起部68aの頂面には、接合部24dに当接する段差部68eが形成されている。段差部68eは、突起部68aの頂面から電池容器2の内方に段差状に突出した部分である。段差部68eと突起部68aの頂面との間の段差の高さは、突起部68aの頂面が接合部24dの外側の薄肉部24bに接した状態で、薄肉部24bが電池容器2内方に向けて僅かに弾性変形して、接合部24dが段差部68eに所定の面圧で密着する高さに設定される。段差部68eと突起部68aの頂面との間の段差の高さは、例えば100μm以下に設定することができる。
段差部68eの平面形状は、脆弱部24cの外側にはみ出さない形状であれば特に限定されないが、例えば、脆弱部24cの平面形状に沿った形状、または、接合部24dの平面形状に対応した形状にすることができる。突起部68aの頂面の段差部68eは、接合部24dに所定の面圧で接した状態で、例えばレーザ溶接、抵抗溶接または超音波溶接によって接合される。
図4Aに示すように、電池容器2外方側のダイヤフラム68の開口の縁部68bは、導電板63に接合されている。
導電板63は、接続端子62を貫通させる貫通孔を有する平板状の部材であり、例えば、図5に示すように、ダイヤフラム68の平面形状に対応する平面形状を有している。図4Aに示すように、導電板63は電池蓋3の下面に絶縁部材65を介して配置され、正極外部端子61から延びる接続端子62によって電池蓋3にかしめ固定され、電池容器2の内部に配置されている。導電板63の電池缶4の内方に向く面は、突起などを有さない平坦な面であり、ダイヤフラム68の縁部68bを係合させる環状の係合溝63aが形成されている。
ダイヤフラム68は、縁部68bの径方向外側に折り曲げられたフランジ状の部分を導電板63の係合溝63aに係合させた状態で、例えばレーザ溶接、抵抗溶接または超音波溶接によって導電板63に接合される。ダイヤフラム68の突起部68aが接続板24の接合部24dに接合され、縁部68bが導電板63に接合されることで、接続板24と導電板63がダイヤフラム68を介して電気的に接続されている。導電板63には、正極外部端子61から延びる接続端子62が接続されている。
前述のように、正極外部端子61は、絶縁部材64を介して電池蓋3の上面に固定され、電池容器2の外部に配置される。正極外部端子61は、電池容器2の長手方向に伸びる平板状に形成され、電池容器2の長手方向中央側の端部に接続端子62が接続されている。接続端子62は、例えば、正極外部端子61と一体的に設けられている。
接続端子62は、電池蓋3を貫通する中心軸線に沿って延び、正極外部端子61と導電板63とを接続する筒状の部材である。接続端子62は、中心軸線に沿う貫通孔62bを有する円筒状に設けられ、正極外部端子61に接続された基部の外径よりも、電池容器2の内方に延びる先端部の外径が小さくなっている。接続端子62は、正極外部端子61から電池容器2の内方に延びて電池蓋3の貫通孔を貫通し、先端部が電池容器2の内部に配置された導電板63の貫通孔を貫通し、先端がかしめられてかしめ部62aが設けられている。
これにより、接続端子62は、絶縁部材64,65を介在させて、正極外部端子61、電池蓋3、および導電板63を一体的に固定すると共に、正極外部端子61と導電板63とを電気的に接続している。また、ダイヤフラム68の縁部68bが導電板63に接合されることで、ダイヤフラム68と導電板63との間の空間が電池容器2の内部空間から隔絶される。ダイヤフラム68と導電板63との間の空間は、接続端子62の貫通孔62bによって電池容器2の外部空間と連通している。
正極外部端子61は、絶縁部材64を介して電池蓋3の上面に配置され、電池蓋3と電気的に絶縁されている。絶縁部材64は、正極外部端子61を係合させる凹部64aと、電池蓋3の貫通孔を露出させる開口部64bを有している。接続端子62と電池蓋3とは、ガスケット66によって電気的に絶縁されている。ガスケット66は、筒状に形成され、一端に径方向に拡がるフランジ状の部分が設けられている。絶縁部材64およびガスケット66は、例えば、絶縁性の樹脂材料によって製作されている。
以上の構成によって、正極集電板21と、正極外部端子61とは、接続板24、ダイヤフラム68、導電板63および接続端子62を介して電気的に接続されている。すなわち、正極集電板21と正極外部端子61との間の電流経路は、接続板24、ダイヤフラム68、導電板63および接続端子62によって構成され、主に接続板24とダイヤフラム68によって構成される電流遮断部60は、該電流経路に配置されている。なお、正極集電板21、接続板24、ダイヤフラム68、導電板63、接続端子62、および正極外部端子61は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって製作されている。
図4Aに示す各部材は、例えば、以下の手順によって組立てることができる。まず、電池蓋3の上面に絶縁部材64およびガスケット66を位置合わせして配置し、絶縁部材64の開口部64bに電池蓋3の貫通孔を露出させ、ガスケット66の筒状の部分を電池蓋3の貫通孔に挿入する。次に、接続端子62をガスケット66の筒状の部分に挿通して電池蓋3の貫通孔を貫通させ、正極外部端子61を絶縁部材64の凹部に係合させる。
次に、電池蓋3の下面に絶縁部材65を位置合せして配置し、絶縁部材65の貫通孔に接続端子62の先端部を挿通させる。さらに、接続端子62の先端部を導電板63の貫通孔に挿通させ、先端が拡径するように塑性変形させてかしめ部62aを形成する。これにより、正極外部端子61、絶縁部材64,65、電池蓋3、ガスケット66、および導電板63が一体的にかしめ固定される。また、正極外部端子61と導電板63は接続端子62によって電気的に接続され、絶縁部材64,65およびガスケット66によって電池蓋3と電気的に絶縁される。
次に、導電板63の係合溝63aにダイヤフラム68の縁部68bを係合させて溶接し、電池蓋3の下面の絶縁部材65の固定用凸部65aを正極集電板21の基部22と接続板24の固定孔22a,24eに挿入して熱溶着する。また、ダイヤフラム68の突起部68aの頂面を接続板24の接合部24dに溶接する。これにより、正極集電板21が絶縁部材65およびダイヤフラム68を介して電池蓋3に一体的に固定される。また、正極集電板21と導電板63が接続板24およびダイヤフラム68を介して電気的に接続されると共に、正極集電板21が絶縁部材65によって電池蓋3と電気的に絶縁される。
図示は省略するが、負極外部端子71にも正極外部端子61と同様の接続端子が接続されている。一方、負極側に接続板、導電板およびダイヤフラムは配置されていない。負極側では、負極外部端子71から延びる接続端子の先端を、ガスケットおよび負極集電板31の基部の貫通孔に挿通させる。さらに、接続端子の先端をかしめてかしめ部を形成することで、負極外部端子71、絶縁部材74,75、ガスケット、電池蓋3および負極集電板31が一体にかしめ固定される。また、負極外部端子71と負極集電板31は、接続端子によって電気的に接続され、絶縁部材およびガスケットによって電池蓋3と電気的に絶縁される。
以上により、図2に示す蓋組立体10が構成され、さらに捲回電極群40の捲回軸方向両端の箔露出部41b,42bを束ねて、正極、負極集電板21,31の接合片21a,31aに接合することで、発電要素50が構成される。発電要素50を電池缶4の開口部4aから電池缶4の内部に挿入し、電池缶4の開口部4aに電池蓋3を溶接し、注液孔11から電池容器2の内部に非水電解液を注入し、注液孔11に注液栓を溶接して電池容器2を密閉することで、図1に示す角形二次電池1が得られる。
次に、本実施の形態の角形二次電池1の作用について説明する。
角形二次電池1は、図4Aに示すように、ダイヤフラム68と導電板63との間の空間が、接続端子62の貫通孔62bによって電池容器2の外部の空間と連通している。そのため、例えば、角形二次電池1の過充電、過昇温、または外力による破損によって電池容器2の内部の圧力が上昇すると、ダイヤフラム68の電池容器2内方を向く面に作用する圧力が、電池容器2外方を向く面に作用する圧力よりも高くなる。これにより、ダイヤフラム68には、ダイヤフラム68を電池容器2内方から外方に向けて変形させる応力が作用するが、所定の圧力に達するまでは、ダイヤフラム68の電池容器2の内方へ向く凸形状が概ね維持される。
電池容器2内の内圧がさらに上昇して、予め設定された所定の圧力に達すると、ダイヤフラム68は、電池容器2外方に向けて、例えば座屈するようにして凹状に塑性変形する。このとき、ダイヤフラム68は、頂部の突起部68aが接続板24の接合部24dに接合されているので、接合部24dに電池容器2外方へ向く応力が作用する。すると、接合部24dの周囲の脆弱部24cに応力が集中して、薄肉部24bが脆弱部24cを起点として破断し、電流遮断部60を構成する接続板24とダイヤフラム68との接続が断たれ、正極集電板21と導電板63との間の電流経路が遮断される。これにより、捲回電極群40と正極外部端子61との間の電流経路が遮断され、角形二次電池1の安全性が確保される。また、ダイヤフラム68が凹状に塑性変形することで、再度、接続板24に接触することが防止される。
例えば、車載用途の角形二次電池1においては、角形二次電池1に上記のような異常が発生して電流遮断部60が作動する前の通常の使用時に、角形二次電池1が振動や衝撃に晒されることが考えられる。角形二次電池1が振動や衝撃に晒されると、電池容器2内部で正極、負極集電板21,31によって電池蓋3から吊り下げられるよう支持された捲回電極群40が振動または揺動する場合がある。この場合、電池容器2の電池蓋3に絶縁部材65を介して固定された正極集電板21の基部22に、捲回電極群40の振動または揺動に起因する応力が作用する。
例えば、前記特許文献1に記載の非水電解質二次電池では、外部からの衝撃や振動によって外装缶内部の電極体が振動または揺動すると、該電極体に接続された集電タブ部材の集電板接続部から、集電タブ部材の挿入部に振動が直接的に伝達され、または、集電タブ部材の挿入部にねじれなどの応力が作用する。すると、集電タブ部材の挿入部に設けられた脆弱部が損傷または破断して電流遮断機構が誤作動を起こす虞がある。
これに対し、本実施の形態の角形二次電池1は、電流遮断部60の接続板24と、正極集電板21の基部22とを連結する連結部23を有し、該連結部23の剛性が正極集電板21の剛性よりも低くされている。
これにより、連結部23によって正極集電板21の基部22と接続板24との相対的な変位が許容され、正極集電板21から接続板24への振動の伝達が抑制される。また、正極集電板21の基部22から接続板24に作用する応力が緩和される。そのため、接続板24とダイヤフラム68との接続が、振動や衝撃等の外部要因によって断たれることが防止される。したがって、本実施の形態の角形二次電池1によれば、耐振動性、耐衝撃性に優れ、電池容器内の内圧上昇時に電流経路を確実に安定して遮断することができる。
また、本実施の形態では、連結部23の厚さを正極集電板21の基部22の厚さよりも薄くすることで、連結部23の剛性が正極集電板21の剛性よりも低くされている。そのため、正極集電板21、連結部23および接続板24を同じ材料によって一体的に成形することができる。したがって、正極集電板21、連結部23および接続板24の製作が容易であり、製品歩留まりおよび生産性を向上させ、製造コストを低減することができる。
また、接続板24は、ダイヤフラム68に接合される接合部24dと連結部23との間が、電池容器2の電池蓋3に絶縁部材65を介して固定されている。これにより、連結部23から接続板24に振動または応力が作用しても、接合部24dにその影響が及ぶことを抑制できる。したがって、接合部24dおよびその周囲の脆弱部24cが損傷または破断することが防止され、電流遮断部60の耐振動性、耐衝撃性を向上させることができる。
さらに、連結部23の一方の端部に隣接する正極集電板21の基部22の端部と、連結部23の他方の端部に隣接する接続板24の端部が、それぞれ電池容器2の電池蓋3に絶縁部材65を介して固定されている。これにより、正極集電板21の基部22から連結部23に伝わる振動または応力を減少させ、連結部23から接続板24に伝わる振動または応力をさらに減少させ、接合部24dおよび脆弱部24cにその影響が及ぶことをより効果的に抑制できる。
また、接続板24の剛性が連結部23の剛性よりも高くされているので、正極集電板21との間の剛性が最も低い連結部23が最も変形しやすくなる。したがって、接続板24が連結部23から受ける応力によって変形することが防止される。また、接続板24の厚さT4は、連結部23の厚さT3よりも厚くされているので、ダイヤフラム68との接合部24dおよび脆弱部24cの強度を高くして、連結部23から接続板24に伝わる振動または応力によってダイヤフラム68と接続板24との接続が断たれることを防止できる。
また、連結部23は、屈曲部23aを有しているので、同じ厚さT3で平板状または直線状に設けられる場合と比較して多様な方向への変形が容易になり、正極集電板21の基部22と接続板24との相対的な変位をより容易にすることができる。そのため、正極集電板21の基部22から接続板24へ伝わる振動を吸収し、衝撃力および応力を緩和し、接合部24dおよび脆弱部24cにその影響が及ぶことをより効果的に抑制できる。
また、正極集電板21の基部22と電池蓋3との間隔G1は、接続板24と電池蓋3との間隔G2よりも狭くされている。これにより、正極集電板21の基部22と接続板24との間に電池容器2の高さ方向の距離が生じ、正極集電板21の基部22から接続板24までの連結部23の長さを長くすることができる。また、連結部23に屈曲部23aを形成するのが容易になる。したがって、正極集電板21の基部22から接続板24へ伝わる振動をより効果的に吸収し、衝撃力および応力を緩和することができる。
また、連結部23は、正極集電板21の基部22と接続板24との間で厚さT3が一様になっている。そのため、連結部23によって正極集電板21の基部22から接続板24へ伝わる振動を吸収し、衝撃力および応力を緩和する際に、連結部23に局所的な応力が作用して破断することを防止できる。
また、ダイヤフラム68は椀形に形成され、電池容器2の内方へ向く凸形状に形成されていることから、ダイヤフラム68が平坦な平板状に形成されている場合と比較して、ダイヤフラム68を電池容器2外方へ向けて変形させる圧力に対するダイヤフラム68の強度を上昇させることができる。したがって、ダイヤフラム68が所定の内圧よりも低い圧力で変形するような電流遮断部60の誤作動を防止することができる。
また、ダイヤフラム68は、頂部の突起部68aが接合部24dに接合されている。このように、ダイヤフラム68が頂部に突起部68aを有することで、ダイヤフラム68の頂部が突起部68aの側周壁によって補強され、突起部68aの頂面を接合部24dに所定の面圧で押し付けた状態で、突起部68aの頂面と接合部24dとを接合することができる。
さらに、突起部68aの頂面に、接合部24dに当接する段差部68eを形成することで、薄肉部24bが電池容器2内方に向けて僅かに弾性変形して、接合部24dが段差部68eに所定の面圧で密着する。このように突起部68aの頂面を接合部24dに所定の面圧で押し付けた状態で、突起部68aの頂面と接合部24dとを接合することで、突起部68aの頂面と接合部24dとの接合強度を向上させることができる。
また、正極集電板21の基部22に接続された接続板24は、接合部24dと、接合部24dの周囲に厚さ方向に凹設された脆弱部24cを備え、ダイヤフラム68の突起部68aは接合部24dに接合されている。そのため、ダイヤフラム68の変形時に薄肉部24bの脆弱部24cに応力を集中させ、脆弱部24cを起点として薄肉部24bを容易かつ確実に破断させることができる。
また、角形二次電池1は、ダイヤフラム68の縁部68bに接合される導電板63を備え、該導電板63と正極外部端子61とを電気的に接続する接続端子62を備えている。これにより、導電板63と接続板24との間に空間を形成し、この空間にダイヤフラム68を配置することが可能になる。また、導電板63とダイヤフラム68の縁部68bとを接合することで電池容器2の内部空間をダイヤフラム68によって封止し、導電板63とダイヤフラム68との間の空間を接続端子62の貫通孔によって外部と連通させることで、電池容器2内の内圧上昇時に、ダイヤフラム68を電池缶4の外方に向けて変形させることができる。
また、接続板24の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることから、電池容器2内の内圧が所定の圧力を超えて上昇したときに、銅などの比較的強度が高い他の金属と比較して、接合部24dの周囲の脆弱部24cを破断させやすくすることができる。したがって、電池容器2内の内圧が所定の圧力に達したときに、正極外部端子61と正極集電板21との間の電流経路を確実に安定して遮断することができる。
また、連結部23の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることから、銅などの比較的強度が高い他の金属と比較して、連結部23の変形を容易にして、正極集電板21と接続板24との相対的な変位を許容しやすくすることができる。よって、正極集電板21から接続板24に伝達される振動および応力をより効果的に吸収および緩和することができる。
また、接続端子62の先端のかしめ部62aは、かしめ部62aの外径よりも大きな外形の工具を用いて形成する。そのため、導電板63が電池缶4内方を向く面に凸部等の構造物を有する場合には、導電板63上の構造物が工具の障害となって、かしめ部62aの寸法を十分に確保できない場合がある。この場合、接続端子62によって十分なかしめ強度を得られない虞がある。
これに対し、本実施の形態の角形二次電池1は、導電板63の電池容器2内方に向く面が凸部を有さない平坦な面であることから、接続端子62の先端をかしめてかしめ部62aを形成する際に、導電板63上の構造物が工具の障害になることがない。したがって、かしめ部62aの寸法を十分に確保して、接続端子62によるかしめ強度が低下することを防止できる。
また、ダイヤフラム68の平面形状が電池容器2の長手方向に延びる形状に形成されているため、電池容器2の短手方向の寸法によってダイヤフラム68の短手方向の寸法が制限を受けた場合であっても、制限の比較的緩やかな長手方向の寸法を大きくして十分な表面積を確保することができる。したがって、電池容器2内の内圧上昇時にダイヤフラム68が確実に安定して変形させ、電流遮断部60によって角形二次電池1の電流経路を確実に安定して遮断することができる。
以上説明したように、本実施の形態の角形二次電池1によれば、従来よりも耐振動性、耐衝撃性を向上させ、電池容器2内の内圧上昇時に電流経路を確実に安定して遮断することができる。
なお、本実施の形態では、正極集電板21、連結部23および接続板24が同じ材料で鍛造等により一体的に設けられている場合について説明した。しかし、正極集電板21、連結部23および接続板24は、必ずしも一体的に成形する必要はなく、正極集電板21および接続板24の少なくとも一方と、連結部23とを別部材として製作した後に、これらをレーザ溶接、抵抗溶接または超音波溶接等によって接合してもよい。
この場合、連結部23として、例えば金属箔やリードなど、柔軟性または可撓性を有する材料を用いることで、連結部23の剛性を正極集電板21の剛性よりも低くし、また、接続板24の剛性を連結部23の剛性よりも高くすることができる。このように、正極集電板21、接続板24および連結部23を別部材とした場合、目的に応じて各部材に最適な材料を選択することが可能になる。
また、連結部23の材料の弾性係数が、正極集電板21および接続板24の材料の弾性係数よりも低い場合には、連結部23の厚さT3を、正極集電板21の基部22の厚さT2および接続板24の厚さT4と等しくしてもよい。
また、本実施の形態では、接続板24の長手方向の両端が電池容器2の電池蓋3に絶縁部材65を介して固定されている場合について説明した。しかし、接続板24は、連結部23に隣接する長手方向の一方の端部を固定し、他方の端部を固定せず自由端としてもよい。これにより、接続板24に作用するねじれなどの応力を逃がして接合部24dに作用する応力を低減させることができる。
また、本実施の形態では、ダイヤフラム68の頂部が接合される接合部24dの周囲に脆弱部24cが設けられている構成について説明した。しかし、ダイヤフラム68と接続板24との接続は、ダイヤフラム68の変形によって接続が断たれるものであれば、特に限定されない。
例えば、接続板24の薄肉部24bに脆弱部24cとして環状溝を設けず、薄肉部24b自体を脆弱部として、薄肉部24bにダイヤフラム68の頂部を接合してもよい。この場合、ダイヤフラム68の変形によって薄肉部24bが破断され、ダイヤフラム68の頂部と接続板24との接続が断たれる。また、接続板24に凹部24aや薄肉部24bを設けず、ダイヤフラム68の頂部と接続板24の電池容器2外方に向く面との間に溶接等によって溶接接合部を設けてもよい。この場合、溶接接合部がダイヤフラム68の変形によって破断されることで、ダイヤフラム68の頂部と接続板24との接続が断たれる。
また、本実施の形態の角形二次電池1において、絶縁部材65と正極集電板21および接続板24とを、熱溶着によって一体に固定する場合について説明したが、絶縁部材65に対する正極集電板21および接続板24の固定は、ネジやリベットによる接合や、接着剤による接合であってもよい。これにより、より強固な接合を行うことができる。
また、本実施の形態の角形二次電池1では、正極側に電流を遮断する構成を設けたが、負極側に同様の構成を設けることも可能である。
また、本実施の形態では、連結部23が厚さ方向に屈曲されてS字状の形状に湾曲している屈曲部23aを有する場合について説明したが、連結部23は厚さ方向に屈曲されていれば、必ずしも滑らかな曲線形状である必要はない。図6は、連結部23の変形例1を示す、図4Aに対応する拡大断面図である。
図6に示す連結部23の変形例1では、連結部23は厚さ方向に屈曲された屈曲部23aを有しているが、断面視で直線状の部分のみによって構成され、Z字状の形状に屈曲されている。このような直線部分のみによって構成された形状を有する連結部23であっても、上述の曲線形状の連結部23と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、連結部23が屈曲部23aを有する場合について説明したが、連結部23は屈曲部23aを有さない平板状または断面視で直線状であってもよい。図7は、連結部23の変形例2を示す、図4Aに対応する拡大断面図である。
図7に示す連結部23の変形例2では、連結部23は屈曲部23aを有さない平板状に形成され、断面視で電池容器2の高さ方向に傾斜する直線状に形成されている。このような直線部分のみによって構成された屈曲部23aを有さない連結部23であっても、上述の曲線形状の連結部23と同様の効果を得ることができる。また、屈曲部23aを有する連結部23と比較して、製作を容易にすることができる。
また、本実施の形態では、正極集電板21と電池蓋3との間隔G1が、接続板24と電池蓋3との間隔G2よりも狭い場合について説明したが、正極集電板21および接続板24と電池蓋3との間隔G1、G2は等しくてもよい。図8および9は、連結部23の変形例3および4を示す、図4Aに対応する拡大断面図である。
図8に示す連結部23の変形例3では、連結部23は屈曲部23aを有さない平板状に形成され、電池蓋3に平行な断面視で直線状に形成されている。このように、正極集電板21および接続板24と電池蓋3との間隔G1、G2が等しく、電池蓋3に平行な断面視で直線状である場合には、正極集電板21と接続板24との間に段差を設ける必要がなく、集電板21、屈曲部23aおよび接続板24の製造を容易にすることができる。
図9に示す連結部23の変形例4では、連結部23は、電池容器2の高さ方向に屈曲する屈曲部23aを有する断面視でU字状の形状に形成されている。このように、正極集電板21および接続板24と電池蓋3との間隔G1、G2が等しく、電池容器2の高さ方向に屈曲する屈曲部23aを有する場合には、図8に示す連結部23の変形例3と同様の効果が得られるだけでなく、連結部23が電池蓋3に平行な方向に変形しやすくなる。
また、本実施の形態では、連結部23は、正極集電板21と接続板24との間で厚さT3が一様である場合について説明した。しかし、連結部23は、正極集電板21と接続板24との間で厚さT3が変化してもよい。図10Aは、連結部23の変形例5を示す、図4Aに対応する拡大断面図である。図10Bは、図10Aに示す連結部23を拡大して示す拡大断面図である。
図10Aおよび図10Bに示す連結部23の変形例5では、連結部23は、厚さ方向の楔形の切り欠き部23bを有している。切り欠き部23bが形成されることで連結部23の厚さT3は、正極集電板21の基部22の厚さT2および接続板24の厚さT4よりも薄くなっている。また、切り欠き部23bが厚さ方向に対して傾斜する傾斜面を有することで、連結部23の厚さT3は正極集電板21の基部22と接続板24との間で変化している。すなわち、正極集電板21の基部22と接続板24との中間部で厚さT3が最も薄くなり、正極集電板21の基部22または接続板24に近づくにしたがって、厚さT3が、漸次、厚くなっている。
本変形例においても、連結部23の剛性を正極集電板21の基部22の剛性よりも低くして、上述の実施の形態の連結部23と同様の効果が得られる。また、連結部23を容易に形成することができる。なお、連結部23の切り欠き部23bの断面形状は楔形に限られず、例えば半円状、アーチ状またはU字状の断面形状の切り欠き部23bであっても同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。前述の実施形態は本発明を解りやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されない。
1…角形二次電池、2…電池容器、3…電池蓋、4…電池缶、4a…開口部、21…正極集電板(集電板)、23…連結部、23a…屈曲部、24…接続板、24d…接合部、40…捲回電極群、60…電流遮断部、61…正極外部端子(外部端子)、62…接続端子、62a…かしめ部、62b…貫通孔、63…導電板、65…絶縁部材、68…ダイヤフラム、68b…縁部、G1…集電板と電池蓋との間隔、G2…接続板と電池蓋との間隔、T2…集電板の厚さ、T3…連結部の厚さ

Claims (10)

  1. 捲回電極群に接続された集電板と、電池容器の外部に配置された外部端子との間の電流経路に配置され、前記電池容器内の内圧上昇によって該電流経路を遮断する電流遮断部を備えた角形二次電池であって、
    前記電流遮断部は、前記外部端子に電気的に接続されて前記電池容器内の内圧上昇によって変形するダイヤフラムと、該ダイヤフラムと接続されて該ダイヤフラムの変形によって該接続が断たれる接続板と、該接続板と前記集電板とを連結する連結部とを有し、
    前記連結部の剛性が前記集電板の剛性よりも低く、
    前記連結部の厚さが前記集電板の厚さよりも薄いことを特徴とする角形二次電池。
  2. 前記接続板は、前記ダイヤフラムに接合される接合部と前記連結部との間が、前記電池容器に絶縁部材を介して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の角形二次電池。
  3. 前記連結部に隣接する前記集電板の端部と前記接続板の端部がそれぞれ前記電池容器に絶縁部材を介して固定されていることを特徴とする請求項に記載の角形二次電池。
  4. 前記電池容器は、電池缶と該電池缶の開口部を封止する電池蓋とを備え、
    前記集電板および前記接続板は、前記絶縁部材を介して前記電池蓋に固定され、
    前記集電板と前記電池蓋との間隔は、前記接続板と前記電池蓋との間隔よりも狭いことを特徴とする請求項に記載の角形二次電池。
  5. 前記連結部は、前記集電板と前記接続板との間で厚さが変化することを特徴とする請求項1に記載の角形二次電池。
  6. 前記連結部は、前記集電板と前記接続板との間で厚さが一様であることを特徴とする請求項1に記載の角形二次電池。
  7. 前記連結部は、厚さ方向に屈曲された屈曲部を有することを特徴とする請求項に記載の角形二次電池。
  8. 前記ダイヤフラムの縁部に接合される導電板と、該導電板と前記外部端子とを接続する接続端子とを備え、
    前記接続端子は、前記外部端子から延びて前記導電板を貫通した先端にかしめ部が設けられると共に前記ダイヤフラムと前記導電板との間の空間を前記電池容器の外部空間と連通させる貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の角形二次電池。
  9. 前記集電板および前記接続板の少なくとも一方と前記連結部とは別部材であり、互いに接合されて連結されていることを特徴とする請求項1に記載の角形二次電池。
  10. 前記連結部の材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の角形二次電池。
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