JP5862544B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵伝達系における特性変化を検出する技術に関する。
車両横滑り抑制制御(VSC:VeihicleStabilityControl)などの車両挙動制御技術では、ステアリングホイールに取り付けられた操舵角センサの検出値を使用して種々の制御を実行する。相対角を出力するタイプの操舵角センサを使用する場合、まず操舵角センサのゼロ点を検出し、検出したゼロ点に基づき操舵絶対角を算出する。そのため、操舵角ゼロ点を精度良く検出することが重要である。例えば、特許文献1には、操舵角センサの検出値から推定された推定ヨーレートと、ヨーレートセンサで検出された実ヨーレートとの差に基づいて、操舵角ゼロ点を検出する技術が開示されている。
特開2004−276734号公報
ステアリングホイールから車輪に至る操舵伝達系にガタが生じるなどの特性変化が発生すると、操舵角とタイヤ角との間の線形性が維持されなくなり、操舵フィーリングが変化したり、操舵角情報に基づく車両状態量の推定精度が低下したりするという問題がある。そこで、本願発明者は、目標ヨーレートと実ヨーレートの差分の操舵角換算値である舵角偏差を計算し、この値が所定の劣化判定しきい値を超えた場合に、操舵伝達系に特性変化が発生していると判定する技術を開発した(国際出願番号PCT/JP2012/003331)。
操舵伝達系を構成する各部品と車体との間は、ゴムブシュなどの弾性部材を介して支持されているものが多い。このような弾性部材は、経年劣化によりその特性が変わる。そのため、上記の劣化判定しきい値として常に同じ値を使用していると、長期間使用されている車両においては、車両のユーザが操舵伝達系のガタを認識していなくても、弾性部材の経年劣化のために上記の舵角偏差が劣化判定しきい値を超えてしまう場合が生じうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の走行中に操舵伝達系の特性変化を判定する車両制御装置において、操舵伝達系の一部を構成する弾性部材の経年劣化が特性変化の判定に及ぼす影響を排除する技術を提供することにある。
本発明のある態様の車両制御装置は、ステアリングホイールの操舵角のゼロ点を検出する舵角ゼロ点検出手段と、前記ゼロ点の検出履歴を記録する履歴記録手段と、ゼロ点最大値とゼロ点最小値の差が所定のしきい値を超えている場合、操舵伝達系の特性変化が生じていると判定する特性変化判定手段と、車両の使用開始からの経過時間である車両経年度を取得する手段と、を備え、前記特性変化判定手段は、前記車両経年度が大きいほど前記しきい値を拡大する。
この態様によると、操舵伝達系の一部を構成する弾性部品が緩やかに経年劣化する限り、操舵伝達系が特性変化していると判定されることが防止される。
本発明によれば、車両の走行中に操舵伝達系の特性変化を判定する車両制御装置において、操舵伝達系の一部を構成する弾性部材の経年劣化が特性変化の判定に及ぼす影響を排除することができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置を備えた車両の概略構成を示す図である。 ステアリングECUのうち、本実施形態に係る操舵伝達系の特性変化検知に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。 ゼロ点最大値およびゼロ点最小値の履歴の一例を示すグラフである。 車両経年度に応じた劣化判定しきい値の拡大を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る特性変化検出を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る特性変化検出を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る特性変化検出を説明するフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態に係る操舵装置10を備えた車両の概略構成を示す。図1は、四輪の車両のうち前輪部分の模式図である。転舵輪である右前輪FRおよび左前輪FLを操舵することによって車両の進行方向が変更される。
操舵装置10は電動パワーステアリング装置(以下「EPS」と呼ぶ)を備える。EPSは、ドライバーにより操舵されるステアリングホイール12と、ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフト14と、ステアリングシャフトの下端に設けられた減速機構44と、出力軸が減速機構44に接続された操舵アシスト用モータ24とを備える。操舵アシスト用モータ24は、ステアリングシャフト14を回転駆動することで、ステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する。
ステアリングシャフト14には、図示しないトーションバーと、トーションバーに生じるトルクを検出する操舵トルクセンサ16と、ステアリングホイール12の操舵角を検出する操舵角センサ18とが設置される。これらセンサの出力は、ステアリング電子制御ユニット(ECU)70およびブレーキECU100に送信される。
ステアリングシャフト14は、自在継手30、32を介して、インターミディエイトシャフト17、ピニオンシャフト19に連結される。ピニオンシャフト19は、車両の左右方向(車幅方向)に延設され軸長方向に摺動するラックバー22を含むステアリングギアボックス20と連結されている。インターミディエイトシャフト17は、ゴムカップリングをその一部として含む。
ステアリングギアボックス20は、ピニオンシャフト19の一端に形成されたピニオン歯とラック軸とを噛合させることにより構成される。また、ステアリングギアボックス20は、ゴムグロメット23を介して車両のボデーに支持される。
ドライバーがステアリングホイール12を操作すると、ステアリングシャフト14の回転がシャフト17、19を通してステアリングギアボックス20に伝達され、ステアリングギアボックス20によってラックバー22の左右方向への直線運動に変換される。ラックバー22の両端には、それぞれタイロッド(図示せず)の一端が接続される。タイロッドの他端は、右前輪FR、左前輪FLを支持するナックルアーム(図示せず)に連結されている。ラックバー22が直線運動をすると、右前輪FRおよび左前輪FLが転舵される。
車輪の近傍には、車輪の回転数を検出して車速を出力する車速センサ36が取り付けられる。車速センサ36の代わりに、図示しないGPS(Global Positioning System)のデータから車速を求めるようにしてもよい。車体の左右方向の加速度を検出する横加速度センサ42も車体に設けられる。これらのセンサによる検出値はブレーキECU100に送信される。
ステアリングECU70は、各センサから受け取った検出値に基づき操舵トルクのアシスト値を算出し、これに応じた制御信号を操舵アシスト用モータ24に出力する。なお、上記のようなEPSを含む操舵機構自体は周知であるため、本明細書ではこれ以上の詳細な説明を省略する。
ステアリングホイールから車輪に至る操舵伝達系の様々な部品は、ステアリングの振動低減、操舵フィーリングの調整、コンプライアンスステアの確保などの目的のため、部品と車体との間がゴムグロメット、ゴムカップリング、ゴムブシュなどの弾性部材を介して支持されているものが多い。これらの弾性部材の劣化や破損により操舵伝達系にガタが生じるなどの伝達特性が変化すると、操舵角とタイヤ角との間の線形性が維持されなくなり、操舵フィーリングが変化したり、操舵角情報に基づく車両状態量の推定精度が低下したりするという問題がある。
そのため、詳細は後述するが、本実施形態では、車両の走行中の操舵角ゼロ点の検出に基づき、操舵伝達系の弾性部材の特性変化が生じていると判定された場合には、車両のドライバーにその事実を報知したり、または操舵角を利用した各種車両制御の実行の停止を指示したりするように構成されている。
図2は、ステアリングECU70のうち、本実施形態に係る操舵伝達系の特性変化判定に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や電気回路で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
操舵角ゼロ点検出部102は、任意の既知の方法により操舵角センサ18のゼロ点(中立点)を検出する。検出したゼロ点に基づきステアリングホイール絶対操舵角が演算され、種々の車両制御に使用される。
ゼロ点履歴保持部104は、操舵角ゼロ点検出部102によって検出されたゼロ点の、前回更新時からの最大値および最小値を記録する。ゼロ点履歴保持部104の動作については、図5〜7のフローチャートを参照して詳述する。
ゼロ点履歴保持部104には、最大値保持タイマ106と最小値保持タイマ108が接続される。これらのタイマは、ゼロ点履歴保持部104にゼロ点最大値、ゼロ点最小値がそれぞれ記憶されてからの時間をカウントするためのカウントダウンタイマである。最大値保持タイマ106または最小値保持タイマ108におけるカウント値が所定値に達すると、ゼロ点履歴保持部104は、その時点で記憶しているゼロ点最大値またはゼロ点最小値を破棄する。この動作については、図3を参照して詳述する。
測定値保持部110は、車速センサ36、ヨーレートセンサ40および横加速度センサ42からそれぞれの検出値を受け取り、ゼロ点履歴保持部104におけるゼロ点最大値またはゼロ点最小値が更新されたときの車速、ヨーレートおよび横加速度を記録する。
判定しきい値設定部112は、測定値保持部110に記録された車速、ヨーレートおよび横加速度を使用して、操舵伝達系における特性変化、具体的にはガタの発生の有無を判定するための劣化判定しきい値を演算する。
この劣化判定しきい値は、車速センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサおよび操舵角センサそれぞれの誤差、部品の加工ばらつき、車両の組み付けばらつきを考慮して設定されるが、詳細は図7を参照して後述する。代替的に、正常車両におけるゼロ点検出の履歴を取得し、この結果を大きく上回る値(例えば二倍など)を劣化判定しきい値として選択するようにしてもよい。
差分計算部114は、ゼロ点履歴保持部104に記録されているゼロ点最大値とゼロ点最小値の差分Dを計算する。
特性変化判定部116は、差分計算部114によって計算された差分Dが所定の劣化判定しきい値Wを上回るか否かを判定する。差分Dが劣化判定しきい値Wを上回る場合、操舵伝達系における特性変化が生じていると判定する。
通知部118は、特性変化判定部116によって特性変化が生じていると判定された場合、車両のドライバーにその事実を報知したり、または操舵角を利用した各種車両制御の実行の停止を図示しない車両制御ECUに指示したりする。
続いて、図3を使用して、ステアリングECU70による操舵伝達系の特性変化判定方法を説明する。図3は、ゼロ点最大値およびゼロ点最小値の履歴の一例を示すグラフである。
図3の横軸は経過時間を、縦軸は検出された操舵角ゼロ点θを表す。時間0においてゼロ点最大値およびゼロ点最小値がリセットされているものとして説明する。
図中に示す期間aでは、操舵角ゼロ点検出値がゼロ点最小値を下回るため、ゼロ点履歴保持部204はゼロ点最小値を更新する。また、期間bでは、操舵角ゼロ点検出値がゼロ点最大値を上回るため、ゼロ点履歴保持部204はゼロ点最大値を更新する。以降、操舵角ゼロ点検出値が保持されているゼロ点最大値を上回るかゼロ点最小値を下回ると、それぞれの値が更新されていく。
差分計算部114は、ゼロ点最大値とゼロ点最小値との差分Dを計算する。特性変化判定部116は、判定しきい値設定部112で設定される劣化判定しきい値Wと差分Dとを比較し、差分Dが劣化判定しきい値Wを上回ると、操舵伝達系の特性が変化(すなわち弾性部材の劣化や破損)が発生したと判定する。これは、操舵伝達系の弾性部材の劣化や破損によりガタが発生した場合に、ステアリングホイールの操作時に操舵角ゼロ点検出値が大きく変動すると考えられることを利用したものである。
最大値保持タイマ106および最小値保持タイマ108は、ゼロ点最大値およびゼロ点最小値がそれぞれ最後に更新されてからの経過時間をカウントする。所定の時間が経過すると、ゼロ点履歴保持部104は、ゼロ点最大値またはゼロ点最小値をその時点での操舵角ゼロ点検出値でリセットする。図3では、c点におけるゼロ点最大値の変化がこの処理に対応する。
ところで、車両のユーザの中には、車両メーカが想定している耐用期間を超えて車両に乗り続けるユーザが存在する。そのようなユーザは、弾性部材の経年劣化により操舵角とタイヤ角との間の線形性が維持されなくなっても、その事実に気づかずに車両を使用し続けることが多い。この場合、操舵フィーリングは変化するが、車両の走行自体には特に影響はない。
しかし、上記の構成では、特性変化判定部116は車両の使用期間にかかわらず同一の劣化判定しきい値を使用するため、車両を長期間使用していると、特に走行に問題がないにもかかわらず、あるとき突然警告が発せられることになる。したがって、操舵伝達系を構成するいずれかの部品の急速な劣化や破損ではなく、弾性部品の緩やかな経年劣化については、特性変化の判定の基準を緩やかに設定することが望ましい場合がある。
そこで、以下で説明する実施形態では、車両の使用開始からの経過時間(以下、「車両経年度」と呼ぶ)に応じて、弾性部品の経年劣化が許容範囲内であれば、特性変化の劣化判定しきい値を拡大するようにした。
図4は、車両経年度に応じた劣化判定しきい値の拡大を説明する図である。
ステアリングECU70の車両経年度取得部122(図2参照)が、車両経年度を取得する。車両経年度は、例えばイグニッションがオンにされている時間の積算値である。一例として、イグニッションオン時に作動するタイマを設け、このタイマでイグニッションがオンにされている間の時間をカウントし、イグニッションオフ時にカウント値を積算していくように車両経年度取得部122を構成する。または、車両経年度は、走行距離計(オドメータ)の値すなわち累積走行距離であってもよい。車両経年度は、イグニッションオン積算時間と累積走行距離の線形和(すなわち、車両経年度=k×イグニッションオン積算時間+k×累積走行距離(但し、k、kは正の補正係数)として算出されてもよい。
この車両経年度が所定のしきい値T(例えば、想定耐用走行距離(例えば10万km)に対応する値に設定される)を超えている場合、特性変化判定部116は、弾性部材の経年劣化による特性変化分を吸収するための劣化マージンMを計算し、劣化判定しきい値Wに加算した値W’=(W+M)を、操舵伝達系の特性変化判定のしきい値として使用する。これにより、弾性部品が緩やかに経年劣化する限り、操舵伝達系が特性変化していると判定されることが防止される。
なお、車両経年度が極端に大きい場合、車両のユーザが操舵フィーリング等に違和感を感じていなくても、弾性部材の経年劣化を警告したほうがよい。そこで、車両経年度が所定のしきい値T(例えば、走行距離20万kmに対応する値、または弾性部材の設計寿命に対応する値)に達した場合は、劣化判定しきい値の拡大を終了することが望ましい。
ところで、舵角偏差(目標ヨーレートと実ヨーレートの差分の操舵角換算値)は、周知の横滑り抑制制御装置(以下「VSCシステム」と呼ぶ)の制御許可しきい値としても使用されている。そのため、上記の加算値W’が余り大きくなり過ぎると、VSCの正確な実行判定ができなくなってしまうおそれがある。そこで、VSC許可しきい値WとW’との差分が所定の下限値Wに達した場合は、劣化マージンM=0に設定して、劣化判定しきい値の拡大を終了することが望ましい。
図5ないし7は、本実施形態に係る操舵伝達系の特性変化検出を説明するフローチャートである。このフローは、車両の走行中に所定の間隔(例えば1秒)で繰り返し実行される。
まず図5を参照して、車両経年度取得部122が車両経年度を取得する(S100)。特性変化判定部116は、車両経年度が所定のしきい値T、Tの間にあるか否かを判定する(S102)。車両経年度がこの範囲にない場合(S102のN)、劣化マージンM=0とされる(S110)。車両経年度がTとTの間にある場合(S102のY)、特性変化判定部116は、次式にしたがって劣化マージンMを計算する(S104)。
劣化マージンM=α×(車両経年度−T)、αは所定の比例係数 (1)
これは、図4に示すように、車両経年度の増加にしたがって劣化判定しきい値を拡大していくことに相当する。
特性変化判定部116は、S62で計算される劣化判定しきい値Wと劣化マージンMの和と、VSC許可しきい値Wの差が、所定の下限値W未満であるか否かを判定する。言い換えると、W−(W+M)<Wが成り立つか否かを判定する(S106)。これが成り立つ場合は(S106のY)、VSC実行許可の正確な判定を行うために劣化マージンM=0とする(S108)。成り立たない場合、すなわちVSC許可しきい値Wとの差が十分ある場合は(S106のN)、S104で算出された劣化マージンMを使用する(後述する図7のS63を参照)。
次に図6を参照して、操舵角ゼロ点検出部102は、操舵角センサ18の検出値に基づきステアリングホイールの操舵角ゼロ点θを検出する(S10)。判定しきい値設定部112は、車両の始動直後であるか否かを判定する(S12)。車両の始動直後の場合(S12のY)、ヨーレートセンサ40の温度が安定していないと考えられるので、温度安定前のヨーレートゼロ点誤差を選択する(S14)。始動直後ではない場合(S12のN)、ヨーレートセンサ40の温度が安定していると考えられるので、温度安定後のヨーレートゼロ点誤差を選択する(S16)。
続いて、ゼロ点履歴保持部104は、最大値保持タイマ106および最小値保持タイマ108をデクリメントする(S18、S20)。なお、これらのタイマは、後述するステップS30、S38にて初期値がセットされるが、動作直後では初期値がセットされていないため、下限ガード値をゼロに設定しておく。
判定しきい値設定部112は、操舵角ゼロ点の収束が完了し、かつ車速が所定値以上であるか否かを判定する(S22)。車両が低速である場合は、高速である場合よりも部品のばらつきやセンサ公差などに起因する誤差が拡大する傾向にあるため、特性変化と誤判定される可能性が高い。そのため、低速時(例えば30km/h未満)には、操舵伝達系の特性変化を実行しない。
車速が所定値未満の場合(S22のN)、操舵角ゼロ点の収束が未完了であるか否かを判定する(S40)。初回の判定では操舵角ゼロ点の収束が完了していないので(S40のY)、S42に進み、ゼロ点履歴保持部104は、記憶しているゼロ点最大値とゼロ点最小値を、現時点の操舵角ゼロ点検出値でリセットする(S42)。これに応じて、測定値保持部110は、リセット時の車速、ヨーレートおよび横加速度を初期値として記憶する。ゼロ点履歴保持部104は、ゼロ点最大値保持タイマ106と最小値保持タイマ108とをリセットする(S46)。S40において、操舵角ゼロ点の収束が完了している場合(S40のN)、S42〜S46はスキップする。
S22において、操舵角ゼロ点の収束が完了し、かつ車速が所定値以上である場合(S22のY)、ゼロ点履歴保持部104は、今回の操舵角ゼロ点検出値が、記憶されているゼロ点最大値よりも大きいか否か、すなわちゼロ点最大値を更新する必要があるか否かを判定する(S24)。操舵角ゼロ点検出値がゼロ点最大値以下の場合(S24のN)、S26〜S30をスキップする。操舵角ゼロ点検出値がゼロ点最大値より大きい場合(S24のY)、ゼロ点履歴保持部104はその値を新たなゼロ点最大値として記憶し(S26)、測定値保持部110は最大値更新時の車速、ヨーレートおよび横加速度を記憶する(S28)。最大値保持タイマ106には所定の初期値(例えば180秒)がセットされる(S30)。
続いて、ゼロ点履歴保持部104は、今回の操舵角ゼロ点検出値が、記憶されているゼロ点最小値よりも小さいか否か、すなわちゼロ点最小値を更新する必要があるか否かを判定する(S32)。操舵角ゼロ点検出値がゼロ点最小値以上の場合(S32のN)、S34〜S38をスキップする。操舵角ゼロ点検出値がゼロ点最小値より小さい場合(S32のY)、ゼロ点履歴保持部104はその値を新たなゼロ点最小値として記憶し(S34)、測定値保持部110は最小値更新時の車速、ヨーレートおよび横加速度を記憶する(S36)。最小値保持タイマ108には所定の初期値がセットされる(S38)。
続いて図7を参照して、ゼロ点履歴保持部104は、最大値保持タイマのカウントがゼロであるか否かを判定する(S50)。カウントがゼロの場合(S50のY)、ゼロ点履歴保持部104は、保持しているゼロ点最大値を、現時点の操舵角ゼロ点検出値でリセットし(S52)、測定値保持部110も保持している最大値更新時の車速、ヨーレートおよび横加速度を初期値でリセットする(S54)。
また、ゼロ点履歴保持部104は、最小値保持タイマのカウントがゼロであるか否かを判定する(S56)。カウントがゼロの場合(S56のY)、ゼロ点履歴保持部104は、保持しているゼロ点最小値を、現時点の操舵角ゼロ点検出値でリセットし(S58)、測定値保持部110も保持している最小値更新時の車速、ヨーレートおよび横加速度を初期値でリセットする(S60)。
S50〜S60の処理は、温度変化による操舵角センサのゼロ点の変動の影響を極力排除するために行われるゼロ点最大値および最小値のリセットに対応する。この処理を行う理由は、以下の通りである。ヨーレートセンサ40、横加速度センサ42などのアナログセンサのゼロ点は、温度変化により変動する場合がある。車室内の温度変化により各センサのゼロ点が変動すると、操舵角ゼロ点の検出値も変動するため、操舵角ゼロ点の差分Dが操舵伝達系の特性変化によるものか温度変化によるものかを区別することは困難である。そこで、通常の環境では、短時間での車室内の温度変化は非常に小さいことを考慮して、ゼロ点最大値とゼロ点最小値とを前回の更新から所定時間が経過する毎に破棄するようにした。
続いて、判定しきい値設定部112は、以下の式に基づき劣化判定しきい値Wを演算する(S62)。
={(θ・V)/(n・L)−Kh・Gy・V−YR}・n・L・(1/V)
=θ−Kh・Gy/n・L−YR・n・L・(1/V)・・・(1)
ここで、θは操舵角検出値、Vは車速、Gyは横加速度、YRはヨーレート、Khはスタビリティファクタ、nはステアリングオーバーオールギヤ比、Lはホイールベースを表す。
式(1)の一行目において、((θ・V)/(n・L)−Kh・Gy・Vは目標ヨーレートに対応する。したがって、{(θ・V)/(n・L)−Kh・Gy・V−YR}・n・L・(1/V)は、(目標ヨーレート−実ヨーレート)の操舵角換算値を求めることに対応している。
式(1)は、
・操舵角センサのゼロ点/ゲイン誤差と、横加速度センサのゼロ点誤差に起因する操舵角誤差
・横加速度センサのゲイン誤差と車両のばらつきによる操舵角誤差
・ヨーレートセンサのゼロ点誤差による操舵角誤差
・ヨーレートセンサと車速センサのゲイン誤差による操舵角誤差
の合計値に対応する。
なお、上記の式(1)に代入する車速、ヨーレートおよび横加速度は、測定値保持部110に記憶された値(すなわち、ゼロ点最大値更新時に記憶された値と、ゼロ点最小値更新時に記憶された値)のうち、車速については小さい方を、ヨーレートおよび加速度については大きい方を選択することが好ましい。この理由は、低速時の方が高速時よりも操舵角誤差が大きくなる傾向があるので、低速走行中に大きく計算された操舵角誤差と、高速走行中に小さく計算された劣化判定しきい値とが比較された場合、特性変化を誤判定してしまうおそれがあり、これを避けるためである。
判定しきい値設定部112は、S62で算出された劣化判定しきい値Wに、S104で計算した劣化マージンMを加算して、新たな劣化判定しきい値W’とする(S63)。差分計算部114は、ゼロ点履歴保持部104に保持されているゼロ点最大値とゼロ点最小値の差分Dを計算し、特性変化判定部116は、この差分Dが劣化判定しきい値W’よりも大きいか否かを判定する(S64)。差分Dが劣化判定しきい値W’よりも大きければ(S64のY)、特性変化判定部116は操舵伝達系の特性変化が生じていると判定し(S66)、通知部118が所定のランプの点灯、ブザーなどによってドライバーにその旨を通知したり、車両制御ECUに対して操舵角ゼロ点の検出に基づく車両制御を一時的に停止するように指示する(S66)。
S64の処理は、操舵角ゼロ点の変動幅、すなわちゼロ点最大値とゼロ点最小値の差分Dが、操舵角センサ、車速センサ、横加速度センサおよびヨーレートセンサのゼロ点誤差、ゲイン誤差および車両ばらつきの積み上げである劣化判定しきい値W’を越えているか否かを判定している。言い換えると、操舵角ゼロ点の変動幅が、各センサの想定しうる誤差の積み上げ分よりも大きいならば、操舵伝達系のガタに起因する操舵角ゼロ点のずれが生じていると判断するのである。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組み合わせ、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスの任意の組み合わせなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能である。
電動パワーステアリング装置を備える車両を参照して、いくつかの実施形態について説明した。しかしながら、油圧パワーステアリング装置を備える車両に対しても本発明を適用することができる。この場合、車両はステアリングECUを備えていないので、例えば横滑り抑制制御用のECUが、本発明に係る操舵伝達系の特性変化の検出を実施するように構成される。
10 操舵装置、 12 ステアリングホイール、 18 操舵角センサ、 20 ステアリングギアボックス、 23 ゴムグロメット、 42 横加速度センサ、 70 ステアリングECU、 102 操舵角ゼロ点検出部、 104 ゼロ点履歴保持部、 110 測定値保持部、 112 判定しきい値設定部、 114 差分計算部、 116 特性変化判定部、122 車両経年度取得部。

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの操舵角のゼロ点を検出する舵角ゼロ点検出手段と、
    前記ゼロ点の検出履歴を記録する履歴記録手段と、
    ゼロ点最大値とゼロ点最小値の差が所定のしきい値を超えている場合、操舵伝達系の特性変化が生じていると判定する特性変化判定手段と、
    車両の使用開始からの経過時間である車両経年度を取得する手段と、を備え、
    前記特性変化判定手段は、前記車両経年度が大きいほど前記しきい値を拡大することを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記車両経年度は、イグニッションがオンにされている時間の積算値、累積走行距離、または両者の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記特性変化判定手段は、横滑り抑制制御装置の実施を許可する制御許可しきい値と前記しきい値との差が下限値に達した場合、前記しきい値を初期値に戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
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