JP5040730B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にモータを駆動制御する操舵補助指令値を、精度良く効率的に制限することができる電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図8に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が、減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニッションキー11を経てイグニッション信号が入力され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vhとに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUを含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図9のようになる。
図9を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された車速Vhは、操舵補助指令値演算部31に入力される。操舵補助指令値演算部31は、入力された操舵トルクTh及び車速Vhに基づいて、メモリ33に記憶されているアシストマップを参照して、モータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Irefaを決定する。操舵補助指令値Irefaは減算部32に入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(Irefa−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧指令値VrefがPWM制御部36に入力され、さらに駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出部38で検出され、減算部32にフィードバックされる。また、バッテリ14からの電源電圧Vはインバータ37に入力されると共に、コントロールユニット30に入力される。
上述したような電動パワーステアリング装置において、運転者が急激なハンドル操舵を行うと、モータの慣性モーメントの影響により操舵補助指令値が一時的に増大してしまう場合がある。つまり、モータには慣性モーメントの影響を受けて回転を続けようとする力が働いており、急激なハンドル操舵が入力されることによって、電流指令値が負方向に一時的に増大してしまう場合がある。
このような操舵補助指令値の増大は、モータやモータの駆動回路が発熱して焼損や故障等の原因に繋がるため、操舵補助指令値が制限されるようになっている。例えば、操舵補助指令値が予め設定した所定値以上になったとき、設定した所定値を最大値として操舵補助指令値が制限され、モータやモータ駆動回路を保護するようにしている。
しかし、操舵補助指令値に最大値等の制限を設定している場合、例えば操舵補助指令値が許容されている最大値以上になると、操舵補助指令値は設定されている最大値に抑えられ、電動パワーステアリング装置から供給されるアシストトルクが突然飽和する。このように、アシストトルクが突然制限されることにより、ハンドル操舵が急激に重くなるため、運転者に対して違和感を与えてしまうことになる。
かかる問題を解決する装置として、例えば特許第3536487号公報(特許文献1)に示される電動パワーステアリング装置の制御装置がある。特許文献1に記載の制御装置では、電流指令値(操舵補助指令値)に許容できる最大値を設定しても、円滑な操舵感覚を与えることができるようにしている。即ち、少なくともステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて演算された電流指令値と検出されたモータ電流値から演算した電流制御値に基づいて、ステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの出力を制御するモータ電流制御手段を備えた電動式パワーステアリング装置の制御装置において、少なくとも検出された操舵トルクに基づいて比較的安定したステアリング操作の行われる定常状態における第1の電流指令値を演算する第1の電流指令値演算手段と、少なくとも検出された操舵トルクに基づいて比較的急速なステアリング操作の行われる過渡的な状態における第2の電流指令値を演算する第2の電流指令値演算手段と、第1の電流指令値の最大値を制限する第1の制限値が設定され、第1の電流指令値を第1の制限値で制限して出力する第1の電流指令値制限手段と、第2の電流指令値の最大値を制限する第2の制限値が設定され、第2の電流指令値を第2の制限値で制限して出力する第2の電流指令値制限手段と、第1及び第2の電流指令値制限手段からの出力の合計を電流指令値としてモータ電流制御手段に出力する演算手段とを設け、第1の電流指令値制限手段に設定される第1の制限値は第2の電流指令値制限手段に設定される第2の制限値よりも小さくするようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では急激なハンドル操舵に対しての課題は解決できるが、一般的な電動パワーステアリング装置では、その製造過程における僅かなバラツキ、実装後の経年劣化等によるギアの摩擦変動やモータのトルクリップル等によって、トルク変動が発生し、かかるトルク変動に対して対処できない問題がある。通常、このようなトルク変動は、トルクセンサによって検出することができるので、発生したトルク変動に応じて操舵補助指令値へフィードバックすることで振動補償を行い、抑制するようになっている。
特許第3536487号公報
しかしながら、電動パワーステアリング装置は、操舵補助指令値を所定条件において制限する際、状況によってトルク変動を反映させて振動補償を行うことができない場合がある。例えば、低電圧状態で操舵補助指令値が所定の条件に基づいて制限され、且つラックエンド近傍等のモータに高い負荷がかけられるような状況では、トルク変動を抑制することができない。以下に、操舵補助指令値の制限とトルク変動を補償する振動補償量との関係の例を図10の特性図に示して説明する。
図10は、モータ負荷に対するモータに供給される電流値との関係の例を示す特性図である。図10(a)は、操舵補助指令値(実線)がモータ負荷の増加に伴い、操舵補助指令値が増加するような特性であることを示しており、操舵補助指令制限値(点線)によって操舵補助指令値の上限が設定されている様子を示している。また、操舵補助指令値にはトルク変動による振動が発生しており、モータ負荷の増加に伴い振動が大きくなる様子を示している。また、その振動を補償するための補償量を振動補償量として示し、トルク変動を補償するために、振動補償量分をオフセットしなければならない様子を示している。図10(b)は、操舵補助指令値がP点において上述したような制限がかけられている様子を示しており、モータ負荷がP点を超えた場合には、設定されている操舵補助指令制限値が選択され、振動補償されずに操舵補助指令制限値がモータへ供給される様子を示している。
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、操舵補助指令値を、状況に応じて精度良く効率的に制限できるようにすると共に、トルク変動についても確実に抑制できるようにすることにより、より信頼性の高い電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、操舵トルク及び車速に基づいてアシストマップを参照して演算された操舵補助指令値により、操舵系にアシストトルクを付与するモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、所定の条件に従って前記操舵補助指令値を制限する操舵補助指令制限値を算出する操舵補助指令制限値算出部と、前記操舵補助指令値を制限する制限ゲイン部と、振動補償量を演算する微分補償部とを具備し、前記制限ゲイン部は、前記操舵補助指令値と前記操舵補助指令制限値との偏差又は比率に基づいて、前記操舵補助指令値が前記操舵補助指令制限値を超えないように前記操舵補助指令値を制限すると共に、前記操舵補助指令値が前記制限ゲイン部により制限された後、前記操舵補助指令値に前記微分補償部から前記振動補償量を加算することにより、達成される。
また、本発明の上記目的は、前記アシストマップが複数であり、前記操舵補助指令値を演算する前記操舵補助指令値演算部が、前記偏差又は比率に基づいて前記操舵補助指令制限値を超えないように前記アシストマップを変更して前記操舵補助指令値を制限することにより、或いは前記操舵補助指令値演算部が、前記操舵補助指令値を前記操舵補助指令制限値よりも小さい値になるように前記アシストマップを変更するようになっていることにより、或いは前記制限ゲイン部が、前記操舵補助指令値を前記操舵補助指令制限値よりも小さい値に制限することにより、或いは前記制限ゲイン部が、前記振動補償量の上限制限値分だけ下方にオフセットするようになっていることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との偏差又は比率に基づいてアシストマップを変更するようにしているので、操舵補助指令値を精度良く制限することができると共に、ハンドル振動についても抑制することができ、安定した操舵補助指令値を出力することができる。
或いは、アシストマップを変更せずに、操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との偏差又は比率に応じて操舵補助指令値をゲイン制限することで、メモリ容量を節約することができ、操舵補助指令値を精度良く効率的に制限することができると共に、ハンドル振動についても抑制でき、運転者に違和感を与えないような安定した操舵補助指令値を出力することができる。また、操舵補助指令値を制限した後、振動補償を行うことで、より確実にハンドル振動を抑制することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、予め複数のアシストマップをメモリに記憶保持させておき、操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との偏差又は比率に基づき、操舵補助指令制限値を超えないように、アシストマップを変更することで、操舵補助指令値を精度良く制限すると共に、ハンドル振動を抑制して安定した操舵補助指令値を出力する。或いは、操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との偏差又は比率に応じて、操舵補助指令値を制限する制限ゲイン部を設けることにより、メモリ領域を節約し、ハンドル振動を抑制して安定した操舵補助指令値を出力する。また、制限ゲイン部によって制限された後、振動補償することにより、さらに効果的にハンドル振動を補償することができる。
ここで、本発明は、状況に応じて操舵補助指令値を制限するような機能を電動パワーステアリング装置に備えることで、その特徴を効果的に発揮するものである。そこで、状況に応じて操舵補助指令値を制限する電動パワーステアリング装置の一例として、電源の状況に応じてモータ電流を必要十分に制限することにより、有限である電源から供給電力内で最大限の操舵補助を行うと共に、トルク変動も抑制する電動パワーステアリング装置の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
図1は本発明の構成例を図9に対応させて示すブロック図であり、同一符号箇所には同一符号を付して説明を省略する。
先ず、バッテリからの電源電圧Vが操舵補助指令制限値算出部40内のバッテリ電流制限値演算部430に入力されると共に、減算部422に減算入力され、バッテリ電流制限値演算部430に入力された電源電圧Vに基づきバッテリ電流制限値Ibatlim1を算出し、バッテリ電流制限値Ibatlim1が最小値選択部432及び遅れ特性部431に入力される。遅れ特性部431で遅れを生じたバッテリ電流制限値Ibatlim2も最小値選択部432に入力され、最小値選択部432はバッテリ電流制限値Ibatlim1とバッテリ電流制限値Ibatlim2の小さい方を選択し、バッテリ電流制限値Ibatlmtとして減算部440に減算入力する。減算入力されたバッテリ電流制限値Ibatlmtは、減算部440において所定バッテリ電流値Ibat1と減算され、その減算値が“1/ΔIbat1”の伝達関数部441に入力され、伝達関数部441の出力(=(Ibat1−Ibatlmt)/ΔIbat1)は乗算部442に入力される。
一方、減算部422に減算入力された電源電圧Vは、加算入力された所定制御装置端電圧V1と減算処理され、ゲイン部423及び乗算部424を経て、モータ回転速度ωの変化Δωが演算される。モータ回転速度ωの変化Δωとモータ回転速度ωが加算部425に入力されてモータ回転速度ω’が演算され、モータ回転速度ω’が演算ブロック420に入力され、演算ブロック420の演算結果である操舵補助指令制限値Imlmtが最小値選択部60及びバックワードシフトオペレータ426に入力され、バックワードシフトオペレータ426を経た操舵補助指令制限値Imlmtが補正回転速度算出部421に入力される。補正回転速度算出部421は所定回転速度差Δω1を求め、補正回転速度算出部421からの変化Δω1は乗算部442及び乗算部424に入力され、乗算部442での乗算結果Δωiが加算部425で加算されるようになっている。つまり、操舵補助指令制限値算出部40は、電源電圧V、モータ回転速度ω及び電動パワーステアリング装置の入出力エネルギー収支から、電源電圧Vやモータ回転速度ωが変化しても、所定の電源電流を越えないように操舵補助指令値Imrefを制限する操舵補助指令制限値Imlmtを算出するようになっている。
一方、操舵補助指令値演算部51には、トルクセンサからの操舵トルクThと、車速センサ若しくはCANからの車速Vhと、減算部70からの偏差Fbとが入力され、偏差Fbに応じてメモリ33に予め記憶保持されているアシストマップ33a、33b及び33cの中から1つを選択し、選択されたアシストマップ33a、33b或いは33cを参照して操舵補助指令値Imref*を決定する。そして、操舵補助指令値Imref*は安定化補償部52へ入力され、制御系の応答性と安定性を阻害する共振周波数の位相ズレが補償され、安定化補償部52から操舵補助指令値Imrefが最小値選択部60に入力されると共に、減算部70に加算入力される。
また、電源電圧V及びモータ回転速度ωが操舵補助指令制限算出部40へ入力され、入力された電源電圧V及びモータ回転速度ωに基づいて、操舵補助指令値Imrefを制限する操舵補助指令制限値Imlmtが算出され、算出された操舵補助指令制限値Imlmtが最小値選択部60に入力されると共に、減算部70に減算入力される。そして、最小値選択部60は、入力された操舵補助指令値Imrefと操舵補助指令制限値Imlmtとを比較し、値の小さい方を選択して電流指令値Irefbとして出力する。減算部70では、操舵補助指令値Imrefと操舵補助指令制限値Imlmtとの偏差Fb(=Imref−Imlmt)が演算され、偏差Fbが操舵補助指令値演算部51に入力される。
なお、メモリ33に記憶保持されているアシストマップ33a、33b及び33cの特性には、操舵補助指令制限値を超えないようにトルク変動を補償するための振動補償量を予め付加させておく。
ここで、メモリ33に記憶保持されているアシストマップ33a、33b及び33cの特性の例を、図2を参照して説明する。
アシストマップ33a、33b及び33cの特性は、操舵補助指令値演算部51に入力される操舵トルクThと操舵補助指令値Imref*との関係をそれぞれ示しており、操舵トルクThの増加に応じて操舵補助指令値Imref*が非線形に増加され、操舵トルクThの減少に応じて操舵補助指令値Imref*が非線形に減少されるような特性になっている。さらに、アシストマップ33a、33b及び33cは、操舵補助指令値演算部51に入力される偏差Fbの大きさに応じて、選択されるようになっている。例えば、入力される偏差Fbの値が大きくなるに従い、操舵補助指令値演算部51は、演算に用いるアシストマップ特性を33a→33b→33cのように変更し、操舵補助指令値Imref*を小さくするように選択する。また、偏差Fbが小さくなるに従い、操舵補助指令値演算部51は演算に用いるアシストマップ特性を33c→33b→33aのように変更し、操舵補助指令値Imref*を大きくするように選択する。即ち、操舵補助指令値演算部51は、入力される偏差Fbに応じて、操舵補助指令値Imrefが操舵補助指令制限値を超えないように、参照するアシストマップを変更して操舵補助指令値Imref*を演算する。
なお、本例ではアシストマップ33a、33b及び33cを用いて説明したが、アシストマップ数をさらに追加して精度を良くしたり、アシストマップ間の変化を補償して連続的に変えるようにしても良い。
次に、操舵補助指令値Imrefが操舵補助指令制限値Imlmtによって制限される様子を、図3に示して説明する。
例えば、前述した図10(b)に示されるように、操舵補助指令値Imrefが操舵補助指令制限値Imlmtを超えてしまうような場合、操舵補助指令値演算部51では、偏差Fbに基づいて徐々にアシストマップを変更し、操舵補助指令制限値Imlmtを超えないように操舵補助指令値を制限する。つまり、図3のモータ負荷のP点以降に示されるように、操舵補助指令値Imrefは、トルク変動による振動を含め、操舵補助指令制限値Imlmt未満に制限される。
図4は本発明の別の構成例を図1に対応させて示すブロック図であり、同一符号箇所には同一符号を付して説明を省略する。
操舵補助指令値演算部51Aには操舵トルクTh及び車速Vhが入力され、操舵補助指令値演算部51Aは操舵トルクTh及び車速Vhに基づいて操舵補助指令値Imref’を演算する。演算された操舵補助指令値Imref’は制限ゲイン部53へ入力され、予め設定されたゲイン特性に基づき、入力された偏差Fbに応じて操舵補助指令制限値Imlmtを超えないように制限され、制限された操舵補助指令値Imrefgが安定化補償部52へ入力される。安定化補償部52に入力された操舵補助指令値Imrefgは、制御系の応答性と安定性を阻害する共振周波数の位相ズレが補償され、安定化補償部52から操舵補助指令値Imrefが最小値選択部60に入力されると共に、減算部70に加算入力される。減算部70に入力された操舵補助指令値Imrefと操舵補助指令制限値Imlmtが演算処理され、演算処理結果である偏差Fb(=Imref−Imlmt)が制限ゲイン部53へ入力される。
ここで、制限ゲイン部53のゲイン特性の例を図5を参照して説明する。
図5は、制限ゲイン部53に入力される偏差Fbが大きい場合、ゲインを低く設定して操舵補助指令値Imref’を小さくするように、また、入力される偏差Fbが小さい場合には、ゲインを高く設定して操舵補助指令値Imref’を大きくするような特性を示している。即ち、制限ゲイン部53には、操舵補助指令値が振動補償量も含めて操舵補助指令制限値を超えないように、ゲイン特性が予め設定される。
なお、所定の条件を設けて制限ゲイン部53の動作を制御するようにしても良い。例えば、バッテリ電流制限値Ibatlmtと所定のバッテリ電流Ibat1との差(Ibatlmt−Ibat1)を“0”と比較し、“Ibatlmt−Ibat1>0”であれば、制限ゲイン部53により操舵補助指令値Iref’を制限するようにする。一方、“Ibatlmt−Ibat1≦0”であれば、電力を十分に供給することができない状態であり、低電圧時では操舵補助指令制限値Imlmtを下げるようにしているため、“Ibatlmt−Ibat1”が“0”以下になる場合がある。つまり、意図しない制限を行わないようにするため“Ibatlmt−Ibat1>0”の条件を満たしている場合のみ、制限ゲイン部53が有効になるようにしても良い。
さらに、本発明の別の構成例を図4に対応させて図6に示して説明する。
微分補償部54には操舵トルクTh及び車速Vhが入力され、車速Vh及び操舵トルクThの微分値に基づいて、ハンドル振動を補償する振動補償量である過渡操舵補助指令値Icを算出する。微分補償部54によって算出された過渡操舵補助指令値Icは、加算部71及び制限ゲイン部53に入力される。制限ゲイン部53では、操舵補助指令値Imrefg’の演算に入力された過渡操舵補助指令値Icを所定のサンプリングタイム(例えば制御周期の10倍等)にてピークホールドし、その絶対値をオフセット値として過渡操舵補助指令値Icがオフセットされ、入力された偏差Fbに応じて操舵補助指令制限値Imlmtを超えないように制限されたImrefg’が安定化補償部52に入力される。そして、安定化補償部52から操舵補助指令値Imrefが加算部71に入力され、加算部71は操舵補助指令値Imrefと過渡操舵補助指令値Icを加算処理し、加算処理結果である操舵補助指令値Imrefcが最小値選択部60に入力されると共に、減算部70に加算入力される。減算部70に加算入力された操舵補助指令値Imrefcと操舵補助指令制限値Imlmtは減算処理され、減算処理結果である偏差Fb(=Imrefc−Imlmt)が制限ゲイン部53へ入力される。
このように、図6の構成例では、操舵補助指令値Imref’に制限ゲイン部53により制限を行った後、加算部71において過渡操舵補助指令値Icを加算することにより、過渡操舵補助指令値Icは制限されずにそのままの値が反映されつつ操舵補助指令値Imrefの指令値レベルが制限されるので、効果的にハンドル振動を抑制する。つまり、微分補償部54によって算出された過渡操舵補助指令値Icにより、操舵補助指令値Imrefを効果的に振動補償することができる。また、制限ゲイン部53において、操舵補助指令値Imrefg’の演算に過渡操舵補助指令値Icを所定のサンプリングタイムにてピークホールドし、その絶対値をオフセットすることにより、過渡操舵補助指令値Icの上限制限分だけを下方にオフセットすることができる。即ち、操舵補助指令値Imrefg’の上限制限分だけを下方にオフセットすることができる。
上述の各例では操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との偏差に基づいて、操舵補助指令値が操舵補助指令制限値を超えないように制限しているが、操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との比率に基づいて、操舵補助指令値が操舵補助指令制限値を超えないように制限するようにしても良い。
図7は、減算部70の代わりに比率演算部72を設けた例を、図1に対応させて示す例である。比率演算部72は、操舵補助指令値Imrefと操舵補助指令制限値Imlmtとの比率Rsを演算し、比率Rsを操舵補助指令値演算部51に入力している。
操舵補助指令値演算部51には、トルクセンサからの操舵トルクThと、車速センサ若しくはCANからの車速Vhと、比率演算部72からの比率Rsとが入力され、比率Rsに応じてメモリ33に予め記憶保持されているアシストマップ33a、33b及び33cの中から1つを選択し、選択されたアシストマップ33a、33b或いは33cを参照して操舵補助指令値Imref*を決定する。
このように、操舵補助指令値演算部51は、比率演算部72により演算された比率Rsに基づいてアシストマップ33a〜33cを選択し、前述と同様な制限を行うことができる。ここでは図1の例に対応させて説明したが、図5及び図7の例であっても減算部70を比率演算部72に置換え可能であり、制限ゲイン部53が、比率演算部72から入力される比率Rsに応じて操舵補助指令制限値Imlmtを超えないように制限することができる。即ち、いずれの構成例であっても減算部70を比率演算部72に置換え可能であり、操舵補助指令値演算部51が、減算部70により演算された偏差Fb又は比率演算部72により演算された比率Rsに基づいてアシストマップを選択するようにしても良く、或いは制限ゲイン部53が、減算部70により演算された偏差Fb又は比率演算部72により演算された比率Rsに応じて操舵補助指令制限値Imlmtを超えないように制限するようにしても良い。
なお、上述した各構成例において、ハンチング防止のために、減算部70(又は比較演算部72)と操舵補助指令値51又は制限ゲイン部53との間にローパスフィルタ61を設けて、振動的信号成分を取り除くようにしても良い。
本発明に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明に用いる複数のアシストマップ特性例を示す図である。 本発明により操舵補助指令値が制限されている様子を示す特性図である。 本発明に係る制御装置の別の構成例を示すブロック図である。 制限ゲイン部に設定されるゲイン特性の例を示す図である。 本発明に係る制御装置の別の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る制御装置の加算部を比率演算部に置換えた構成例を示すブロック図である。 従来の電動パワーステアリング装置の構成例を示すブロック図である。 従来のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 操舵補助指令値と操舵補助指令制限値との関係及びトルク変動を説明するための特性図である。
符号の説明
1 ハンドル
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
33 メモリ
40 操舵補助指令制限値算出部
51 操舵補助指令値演算部
52 安定化補償部
53 制限ゲイン部
54 微分補償部
55 制限部
56 記憶部
61 ローパスフィルタ
70 減算部
71 加算部
72 比率演算部


Claims (5)

  1. 操舵トルク及び車速に基づいてアシストマップを参照して演算された操舵補助指令値により、操舵系にアシストトルクを付与するモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置において、
    所定の条件に従って前記操舵補助指令値を制限する操舵補助指令制限値を算出する操舵補助指令制限値算出部と、前記操舵補助指令値を制限する制限ゲイン部と、振動補償量を演算する微分補償部とを具備し、
    前記制限ゲイン部は、前記操舵補助指令値と前記操舵補助指令制限値との偏差又は比率に基づいて、前記操舵補助指令値が前記操舵補助指令制限値を超えないように前記操舵補助指令値を制限すると共に、
    前記操舵補助指令値が前記制限ゲイン部により制限された後、前記操舵補助指令値に前記微分補償部から前記振動補償量を加算するようになっていることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記アシストマップが複数であり、前記操舵補助指令値を演算する前記操舵補助指令値演算部が、前記偏差又は比率に基づいて前記操舵補助指令制限値を超えないように前記アシストマップを変更して前記操舵補助指令値を制限する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記操舵補助指令値演算部が、前記操舵補助指令値を前記操舵補助指令制限値よりも小さい値になるように前記アシストマップを変更するようになっている請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記制限ゲイン部が、前記操舵補助指令値を前記操舵補助指令制限値よりも小さい値に制限する請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記制限ゲイン部が、前記振動補償量の上限制限値分だけ下方にオフセットするようになっている請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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