JP3358329B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置

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JP3358329B2
JP3358329B2 JP26610194A JP26610194A JP3358329B2 JP 3358329 B2 JP3358329 B2 JP 3358329B2 JP 26610194 A JP26610194 A JP 26610194A JP 26610194 A JP26610194 A JP 26610194A JP 3358329 B2 JP3358329 B2 JP 3358329B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の操舵系に電動モ
ータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワー
ステアリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動パワーステアリング装置の制
御装置としては、ステアリングホイールが固定された入
力軸に操舵トルクを検出するトルクセンサ等の操舵トル
ク検出器を取り付け、操舵トルク検出器で検出した操舵
トルクを電動モータでアシストするものが知られてい
る。
【0003】この電動モータはコントローラによって制
御されており、コントローラでは、トルクセンサで検出
したトルク検出信号と、車速を検出する車速センサから
の車速検出信号とに基づいてアシスト電流を制御し、こ
のアシスト電流を電動モータに供給することによって、
ステアリングホイールの操舵力を補助するようになされ
ており、この電動モータによるアシストによって、例え
ば低速コーナリング時や車庫入れ時に操舵操作が容易に
なると共に、高速走行時にはステアリングホイールの手
応え感を得ることができ走行安定性を確保できるように
なされている。
【0004】そして、コントローラでは、据え切り状態
でのステアリングホイールのストローク端に長時間保持
されたり、長時間の車庫入れ動作を繰り返すこと等を行
った場合には、電動モータに大電流が連続して流れるこ
とから、モータの異常発熱、或いは、発煙、焼損等を引
き起こす可能性があるため、これを回避するために、電
動モータに供給するモータ電流を制限するようなされて
おり、例えば、特開平1−186468号公報に記載さ
れているように、電動モータに所定時間以上連続して電
流が流れた場合には、このモータ電流の所定時間毎の平
均電流の大きさに応じて電動モータに供給するモータ電
流を制限する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電動パワーステアリング装置の制御装置において
は、電動モータに通電されるモータ電流に基づいてモー
タ電流の制限を行うようになされているために、このモ
ータ電流はノイズを含みやすいためモータ電流の測定を
行うモータ電流検出回路にノイズフィルタを挿入しなけ
ればならず、そのため、この制御装置全体の安定性を低
下させてしまうという問題がある。また、大きな操舵力
によってステアリングホイールを左右に周期的に操舵し
た場合等には、所定時間毎の平均電流の大きさが、実際
には大電流が流れているにも関わらず小さくなってしま
い、そのため、モータ電流の電流制限が行われないとい
う未解決の課題がある。
【0006】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、制御装置の安定性
を低下させることなく、また、周期的に左右方向にステ
アリングホイールを操舵した場合でも確実に電流制限を
行うことの可能な電動パワーステアリング装置の制御装
置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に関わる電動パワーステアリング装置の制御
装置は、操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出
手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を発生する電動
モータと、少なくとも前記操舵トルク検出手段のトルク
検出値に基づいて前記電動モータに操舵補助力を発生さ
せる制御信号を出力する制御手段と、該制御手段からの
制御信号に基づいて前記電動モータの通電方向および通
電量を制御するモータ駆動回路とを備えた電動パワース
テアリング装置の制御装置において、前記制御信号の絶
対値を所定時間積算し続けて前記制御信号の絶対値の所
定時間毎の積算値を算出する積算手段と、当該積算手段
積算値に応じて前記制御信号の最大値を制限する制限
手段とを備えることを特徴としている。
【0008】本発明によれば、操舵トルク検出手段で検
出した操舵トルクをもとに電動モータを駆動する制御信
号を制御手段により形成し、この制御信号に基づいてH
ブリッジ回路が作動して電動モータへの通電方向及び通
電量を制御し、このとき、モータ駆動回路への制御信号
の絶対値を所定時間積算し続けて算出した所定時間毎
積算値に応じて制御信号の最大値を制限する例えば、
制御信号の絶対値の積算値が大きい場合には制御信号を
小さく制限し、逆に小さい場合には制御信号の最大値を
大きくすることによって操舵トルクが大きく電動モータ
に大電流が流れる場合でも、制御信号の積算値に応じて
制御信号の最大値を制限手段によって制限しているの
で、電動モータに連続して大電流が流れることはない。
また、このとき、前記制御信号の絶対値を所定時間積算
し続けて所定時間毎の積算値を算出するようにしている
から、ステアリングホイールを左右に周期的に操舵した
場合等には、右方向に操舵する場合の制御信号の絶対値
と左方向に操舵する場合の制御信号の絶対値との積算値
が算出されることになり、電動モータに流れる電流量を
的確に検出することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1実施例を示す概略構成図で
ある。図中、1はステアリングホイールであり、このス
テアリングホイールに作用された操舵力は、入力軸2a
と出力軸2bとから構成されたステアリングシャフト2
に伝達される。この入力軸2aの一端はステアリングホ
イール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段として
のトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結され
ている。そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユ
ニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達
され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニ
オンシャフト7に伝達される。操舵力は、さらにステア
リングギヤ8を介してタイロッド9に伝達されて転舵輪
を転舵させる。ステアリングギヤ8は、ピニオン8aと
ラック8bとを有するラックアンドピニオン形に構成さ
れ、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで
直進運動に変換している。
【0010】ステアリングシャフト2の出力軸2bに
は、補助操舵力(アシスト力)を出力軸2bに伝達する
減速ギヤ10が連結されており、減速ギヤ10には、補
助操舵力の伝達・遮断を行う例えば、電磁式で構成され
ている電磁クラッチ装置11(以後、クラッチとい
う。)を介して、補助操舵力を発生する、例えば、直流
サーボ電動機で構成される電動モータとしてのモータ1
2の出力軸が連結されている。クラッチ11はソレノイ
ドを有し、このソレノイドに後述するコントローラ13
によって励磁電流iC が供給されることによって、減速
ギヤ10とモータ12とが機械的に連結され、励磁電流
C の供給停止により離脱される。
【0011】トルクセンサ3は、ステアリングホイール
1に配設されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検
出するものであり、例えば、操舵トルクを入力軸2a及
び出力軸2b間に介挿したトーションバーの捩じれ角変
位に変換し、この捩じれ角変位をポテンショメータで検
出するように構成され、乗員がステアリングホイール1
を操舵操作することによって、ステアリングシャフト2
に生じる捩じれの大きさと方向とに応じたアナログ電圧
からなるトルク検出信号TV を出力する。そして、この
トルクセンサ3は、例えば、図2に示すように、ステア
リングホイール1が中立状態にある場合には、所定の中
立電圧V0 をトルク検出信号TV として出力し、これよ
りステアリングホイール1を右切りするとそのときの操
舵トルクに応じて中立電圧V0 より増加する電圧を、左
切りするとそのときの操舵トルクに応じて中立電圧V0
より減少する電圧を出力するようになされている。
【0012】13は、モータ12を駆動制御し、操舵系
への操舵補助力の制御を行うコントローラであって、車
載のバッテリ16から電源供給されることによって作動
するようになされている。そして、バッテリ16の負極
は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッシ
ョンスイッチ14及びヒューズ15aを介してコントロ
ーラ13に接続されると共に、ヒューズ15bを介して
コントローラ13に直接接続されており、このヒューズ
15bを介して供給される電源は例えば、メモリバック
アップ用に使用される。
【0013】そして、コントローラ13はトルクセンサ
3からのトルク検出信号TV 及び、例えば、変速機の出
力軸に配設された車速センサ17からの車速検出信号V
P に基づきモータ12を駆動制御すると共に、クラッチ
11の制御を行いモータ12の出力軸と減速ギヤ10と
を結合/離脱状態に制御する。図3は、コントローラ1
3の構成を示すブロック図であり、コントローラ13
は、例えば、制御手段としての制御回路20、モータ駆
動回路30、電流検出回路61、クラッチ制御回路6
2、リレー駆動回路63及びフェールリレー64から構
成されている。
【0014】そして、制御回路20は、マイクロコンピ
ュータ21、A/D変換器22,23,24、位相補償
器25、カウンタ26とから構成されている。このマイ
クロコンピュータ21は、少なくとも、外部接続機器と
の入出力処理を行うインタフェース部とROM,RAM
等の記憶部とを備えて形成されている。位相補償器25
は、制御系を安定化させるために、例えば、入力信号に
対して位相を進める等の位相補償処理を行うものであ
り、トルクセンサ3からのトルク検出信号TV に対して
位相補償を行い、トルク補償信号TP としてA/D変換
器22に出力する。A/D変換器22は位相補償器25
からのトルク補償信号TPを入力し、これをデジタル値
に変換してトルク検出値Tとしてマイクロコンピュータ
21に出力する。
【0015】また、カウンタ26は、例えば図示しない
変速機の出力軸に配設され、出力軸の回転に応じてパル
ス信号を発生する回転数センサ等の車速センサ17から
のパルス信号でなる車速検出信号VP を入力し、単位時
間当たりのパルス数を積算し、マイクロコンピュータ2
1に積算値が読み込まれたとき、マイクロコンピュータ
21からのリセット信号RC によってカウント値がリセ
ットされるようになされている。
【0016】そして、マイクロコンピュータ21は、A
/D変換器22からのトルク検出値T、カウンタ26か
らの車速検出値Vを入力すると共に、電流検出回路61
からの右方向モータ電流検出信号IR をA/D変換器2
4を介してモータ電流検出値iR として入力し、また、
左方向モータ電流検出信号IL をA/D変換器23を介
してモータ電流検出値iL として入力し、これら入力信
号に基づいて、例えば、PID(比例・積分・微分)制
御によりモータ12に供給するモータ駆動信号SM を算
出し、このモータ駆動信号SM に基づいてPWM(Puls
e Width Modulation) 信号を形成し、このPWM信号に
基づいて左パルス幅変調信号PWML ,右パルス幅変調
信号PWMR ,右方向信号DR ,左方向信号DL を形成
し、これらの各指令信号PWML ,PWMR ,DR ,D
L 信号をモータ駆動回路30に出力する。
【0017】また、マイクロコンピュータ21では、起
動時には、所定の故障検出処理を実行し、正常であると
きリレー駆動回路63に対するリレー制御信号SR
“HIGH”として出力した後、クラッチ制御回路62
に徐々に漸増するクラッチ制御信号SC を出力する。ま
た、モータ12の駆動制御時には、電流検出回路61か
らの左右方向のモータ電流検出値iR 及びiL に基づい
て異常監視処理を行い、異常検出時にはモータ駆動回路
30への各指令信号PWML ,PWMR ,DR ,DL
“LOW”として出力し、クラッチ11を離脱状態とす
るクラッチ制御信号SC を形成して出力した後、フェー
ルリレー64を開状態とするリレー制御信号SR を形成
してリレー駆動回路63に出力し、例えば、異常ランプ
を点灯させる等の異常発生時の所定の処理を行う。ま
た、終了時には、例えば、ステアリング系に蓄えられた
弾性エネルギを吸収すべく、モータ角速度に比例したク
ラッチ制御信号SC をクラッチ制御回路62に出力し、
所定時間、粘性負荷を与えるように制御を行うようなさ
れている。
【0018】モータ駆動回路30は、少なくとも、4つ
のスイッチング素子を有するHブリッジ回路40と、こ
れらスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路51〜
54とから構成されている。そして、Hブリッジ回路4
0は、例えば、エンハンスト型のNチャネルMOS型F
ET(電界効果トランジスタ)等の4つのFET41〜
44で構成され、そのFET41及び43が直列に接続
されていると共に、FET42及び44が直列に接続さ
れ、これらの直列回路が並列に接続されてFET41及
び42のドレイン側がフェールリレー64及びイグニッ
ションスイッチ14を介してバッテリ16に接続され
る。そして、FET41と43との接続点とFET42
と44との接続点との間にモータ12が接続されてい
る。また、FET43のソース側は右方向電流検出抵抗
R を介して接地され、同様に、FET44のソース側
は左方向電流検出抵抗RL を介して接地されている。
【0019】そして、これらFET41〜44の各ゲー
ト端子G1 〜G4 は、ゲート端子G1 がゲート駆動回路
51と、ゲート端子G2 がゲート駆動回路52と、ゲー
ト端子G3 がゲート駆動回路53と、ゲート端子G4
ゲート駆動回路54と接続され、ゲート駆動回路51〜
54から各ゲート端子G1 〜G4 に所定の電圧供給が行
われたとき、対応するFET41〜44がオン状態とな
るようになされており、FET41及び44のみがオン
状態となったとき、FET41、モータ12、FET4
4、左方向電流検出抵抗RL の方向に通電されてモータ
12が逆回転し、FET42及び43のみがオン状態と
なったとき、FET42、モータ12、FET43、右
方向電流検出抵抗RR の方向に通電されて、モータ12
が正回転するようになされている。
【0020】そして、制御回路20からの左パルス幅変
調信号PWML がゲート駆動回路51に出力され、右パ
ルス幅変調信号PWMR はゲート駆動回路52に、右方
向信号DR はゲート駆動回路53に、左方向信号DL
ゲート駆動回路54にそれぞれ出力される。そして、ゲ
ート駆動回路51〜54では、入力した各指令信号PW
L ,PWMR ,DR ,DL に基づき、図示しない昇圧
電源によりFET41及び42のゲート端子G1 及びG
2 に電圧供給を行い、また、FET43及び44のゲー
ト端子G3 及びG4 にバッテリ電圧を供給し、各指令信
号PWML ,PWMR ,DR,DL 信号が“HIGH”
である間、対応するゲート端子に所定の電圧供給を行
い、指令信号が“LOW”である間、対応するゲート端
子への電圧供給を停止する。
【0021】一方、電流検出回路61は、例えば、右方
向電流検出抵抗RR 及び左方向電流検出抵抗RL の両端
に発生した電圧の増幅及びノイズの除去を行い、右方向
モータ電流検出信号IR 及び左方向モータ電流検出信号
L として制御回路20に出力する。また、クラッチ制
御回路62は、制御回路20からのクラッチ制御信号S
C に応じて励磁電流iC を形成してクラッチ11のソレ
ノイドに供給しモータ12の出力軸と減速ギヤ10との
機械的結合状態/離脱状態を制御する。
【0022】そして、リレー駆動回路63は、制御回路
20からのリレー制御信号SR に基づいてフェールリレ
ー64のオン/オフ制御を行っており、このフェールリ
レー64は、常開接点を有するリレースイッチであっ
て、Hブリッジ回路40へのバッテリ16の供給電源を
ON/OFF制御するものであり、リレー制御信号SR
が“HIGH”のとき、フェールリレー64のコイル6
4Lへの通電を行ってリレー接点64aを閉状態とし
て、バッテリ16からのHブリッジ回路40への電源供
給を可能とし、リレー制御信号SR が“LOW”のと
き、フェールリレー64のコイル64Lへの通電を遮断
してリレー接点64aを開状態とし、バッテリ16から
のHブリッジ回路40への電源供給を遮断する。
【0023】次に、マイクロコンピュータ21でのモー
タ12の駆動制御処理と、電流制限値設定処理との処理
手順を図4及び図7に示すフローチャートに基づいて説
明する。なお、マイクロコンピュータ21では、イグニ
ッションスイッチ14がオン状態となったときに所定の
故障検出処理を実行し、異常が検出されないときには、
リレー制御信号SR を“HIGH”としてリレー駆動回
路63に出力した後、図示しないクラッチ制御処理に基
づいて漸増するクラッチ制御信号SC を生成してクラッ
チ制御回路62に出力するものとする。これにより、リ
レー駆動回路63で、コイル64Lへの通電を行うこと
によって、フェールリレー64が閉状態となり、Hブリ
ッジ回路40への通電が行われ、また、クラッチ制御回
路62で、クラッチ制御信号SC に応じてクラッチ11
のソレノイドに励磁電流iC を供給することによって、
モータ12の回転軸と減速ギヤ10とが徐々に機械的結
合状態にされる。また、マイクロコンピュータ21は、
起動時には、各ゲート駆動回路51〜54への各指令信
号を“LOW”として出力するものとする。
【0024】図4は、モータ駆動制御処理の処理手順を
示すフローチャートであり、この処理は、予め設定され
た所定時間毎のタイマ割り込みによって行われる。この
モータ駆動制御処理では、まず、ステップS1で、A/
D変換器22を介して位相補償器25で位相補償を行っ
たトルクセンサ3からのトルク検出値Tを読み込む。
【0025】次いで、ステップS2に移行し、T=T−
0 なる演算を行い、中立時のトルク検出値Tが零とな
るようオフセット処理を行う。次いで、ステップS2a
に移行し、カウンタ26のカウント値、すなわち、車速
検出値Vを読み込み、カウンタ26にリセット信号RC
を出力してカウンタ値をリセットした後、ステップS3
に移行する。
【0026】このステップS3では、図5に示す、操舵
トルクと車速とモータ電流との対応を表す特性線図を参
照し、例えば、オフセット処理したトルク検出値Tと車
速検出値Vとに対応するモータ電流を検索し、これをモ
ータ電流指令値SI として設定し、予め設定された所定
記憶領域に更新記憶する。この特性線図は、ステアリ
ングシャフト2に入力された操舵トルクに対応する補助
操舵力をモータ12に発生させるためにモータ12を駆
動するのに必要とするモータ電流と、操舵トルクと、車
速との対応を表したものであり、車速が小さくなるほど
モータ電流指令値は大きくなり、また、操舵トルクが大
きくなるほどモータ電流指令値は大きくなり、ある値を
超えるとそれ以上は大きくならないように設定されてい
る。
【0027】次いで、ステップS3aに移行し、後述の
図7に示す電流制限値設定処理により設定され所定の記
憶領域に記憶されている電流制限値ILIM を読み込み、
この電流制限値ILIM とステップS3で設定したモータ
電流指令値SI の絶対値とをもとに、|SI |<ILIM
であるか否かを判定し、|SI |<ILIM である場合に
は、そのまま、ステップS4に移行し、|SI |<I
LIM でない場合には、ステップS3bに移行し、モータ
電流指令値SI の符号はそのままで、その大きさを電流
制限値ILIM に変更設定し(|SI |=ILIM )、例え
ば、モータ電流指令値SI が正の値である場合には、モ
ータ電流指令値SI =+ILIM とし、モータ電流指令値
I が負の値である場合には、モータ電流指令値SI
−ILIM とし、ステップS4に移行する。
【0028】そして、ステップS4では、モータ電流指
令値SI に対して微分処理等所定の処理を行った値に、
所定の微分ゲインKD を乗算してこれを微分処理値fD
とし、次いで、ステップS5に移行して、右方向のモー
タ電流検出値iR 及び左方向のモータ電流検出値iL
読み込み、右方向のモータ電流検出値iR を正の値、左
方向のモータ電流検出値iL を負の値として設定し、こ
れらの検出信号の和からモータ電流検出値iM を算出す
る。すなわち、iM =iR −iL により算出する。
【0029】ここで、電流検出回路61では、左右方向
のモータ電流検出信号IR 及びILの実効値が得られる
よう、それぞれの信号に対し充分なフィルタ処理を行っ
ているものとする。次いで、ステップS5aに移行し、
例えば、図6のフローチャートに示すような異常監視処
理を行う。
【0030】この異常監視処理では、まず、ステップS
21で、モータ電流検出値iM の絶対値|iM |が、モ
ータ駆動回路30が正常に作動しているとみなす予め設
定した最大電流値IMAX よりも小さいか否かを判定し、
この絶対値|iM |が最大電流値IMAX よりも小さいと
きには、モータ電流検出値iM は正常範囲内にあるもの
と判定してモータ駆動制御処理プログラムに戻る。
【0031】一方、ステップS21で、|iM |≧I
MAX である場合には、Hブリッジ回路40に過大電流が
流れており、異常が発生したものと判定してステップS
22に移行し、ステップS22では、ゲート駆動回路5
1〜54への各指令信号PWML ,PWMR ,DR ,D
L を“LOW”として出力し、これによってHブリッジ
回路40の通電路を遮断する。次いで、ステップS23
に移行して、クラッチ制御回路62へのクラッチ制御信
号SC の出力を停止することによって、クラッチ制御回
路62がクラッチ11を作動してモータ12の出力軸と
減速ギヤ10とを離脱状態にする。
【0032】そして、ステップS24に移行し、リレー
駆動回路63へのリレー制御信号SR を“LOW”とし
て出力することによって、フェールリレー64を作動し
て、バッテリ16からのHブリッジ回路40への通電を
遮断し、ステップS25で、例えば、メイン処理プログ
ラム等の上位プログラムに異常通知を行い、異常監視処
理を終了する。以後、上位プログラムでは、モータ駆動
制御処理を実行しない。
【0033】そして、ステップS5aの異常監視処理の
結果、モータ駆動電流に異常が検出されない場合には、
ステップS6に移行する。このステップS6では、ステ
ップS3で設定したモータ電流指令値SI とステップS
5で算出したモータ電流検出値iM との差、すなわち、
M =SI −iMにより、電流偏差eM を算出する。
【0034】次いで、ステップS7で、電流偏差eM
所定の比例ゲインKP を乗算してこれを比例処理値fP
とし、さらに、ステップS8で比例処理値fP を積分し
所定の積分ゲインKI を乗算してこれを積分処理値fI
とする。そして、ステップS9で、微分処理値fD と、
比例処理値fP と、積分処理値fI とを加算し、これを
モータ駆動信号SM とする。そして、ステップS10に
移行する。
【0035】このステップS10では、モータ駆動信号
M がSM ≧0であるか否かを判定し、SM ≧0である
場合にはステップS11に移行し、モータ12の回転方
向を正回転方向に設定する右方向信号DR を“HIG
H”とし、また、モータ駆動信号SM に応じた駆動電流
をモータ12に供給するためのデューティ比Dを設定し
これを右パルス幅変調信号PWMR としてそれぞれ対応
するゲート駆動回路52及び53に出力し、ゲート駆動
回路51及び54には左パルス幅変調信号PWML 及び
左方向信号DL を“LOW”として出力し、処理を終了
してメインプログラムに戻る。
【0036】一方、ステップS10で、SM ≧0でない
場合にはステップS12に移行し、モータ12の回転方
向を逆回転方向に設定する左方向信号DL を“HIG
H”とし、また、モータ駆動信号SM に応じた駆動電流
をモータ12に供給するためのデューティ比Dを設定し
これを左パルス幅変調信号PWML として、それぞれ対
応するゲート駆動回路51及び54に出力する。また、
右方向信号DR 及び右パルス幅変調信号PWMR は“L
OW”としてそれぞれゲート駆動回路52及び53に出
力し、処理を終了してメインプログラムに戻る。
【0037】次に図7の電流制限値設定処理の処理手順
を示すフローチャートについて説明する。この処理は、
予め設定された所定時間毎のタイマ割り込みによって実
行される。そして、この電流制限値設定処理では、ま
ず、ステップS30で、図4のモータ駆動制御処理で設
定し、所定の記憶領域に記憶されているモータ電流指令
値SI を読み出し、次いでステップS30aで、この読
み出したモータ電流指令値S I の絶対値|SI |を算出
する。そして、ステップS31に移行し、この絶対値|
I |を積算値ISUM に加算してこれを新たな積算値I
SUM とし(ISUM =ISUM +|SI |)、また、N=N
+1により積算数Nを更新し、ステップS32に移行す
る。
【0038】このステップS32では、積算数Nが予め
設定した基準値Nαよりも大きくなったか否かを判定
し、N>Nαとなった場合にはステップS33に移行
し、N>Nαとならない場合には、そのままこの処理を
終了する。そして、ステップS33では、積算値ISUM
と積算数Nとをもとに、IAV=ISUM /Nにより、モー
タ電流指令値の絶対値|SI |の平均値IAVを算出し、
次いで、ステップS34に移行し、積算値ISUM 及び加
算数NをISUM =0,N=0にリセットし、ステップS
35に移行する。このステップS35では、平均値IAV
が、IAV>Imax・60%であるか否かを判定する。
ここで、Imaxはモータ12の定格電流値である。
【0039】そして、IAV>Imax・60%である場
合、すなわち、平均値IAVがモータ最大電流制限値の6
0%よりも大きい場合には、電流制限値ILIM を小さく
する必要があるものとしてステップS36に移行し、ス
テップS36で、電流制限値を5%減少させてステップ
S39に移行する。一方、ステップS35で、IAV>I
max・60%でない場合、すなわち、平均値IAVがモ
ータ最大電流制限値の60%よりも小さい場合には、ス
テップS37に移行し、IAV<Imax・30%である
か、すなわち、平均値IAVがモータ最大電流制限値の3
0%よりも小さいか否かを判定する。そして、IAV<I
max・30%である場合には、電流制限値ILIM を大
きくする必要があるものとしてステップS38に移行
し、電流制限値を5%増加させて、ステップS38aに
移行し、5%増加させた電流制限値ILIM がモータ最大
電流制限値Imaxよりも小さいか否かを判定する。そ
して、ILIM <Imaxである場合には、そのままステ
ップS39に移行し、ILIM <Imaxでない場合に
は、ステップS38bに移行して、電流制限値ILIM
Imaxに設定した後ステップS39に移行する。
【0040】そして、ステップS39で予め設定された
所定の記憶領域に更新した電流制限値ILIM を更新記憶
し、処理を終了する。そして、ステップS37で、IAV
<Imax・30%でない場合には、電流制限値ILIM
の変更は行わないものとしてそのまま処理を終了し、メ
インプログラムに戻る。なお、図7のステップS30〜
ステップS32の処理が積算手段に対応し、ステップS
33〜ステップS39の処理が制限手段に対応してい
る。
【0041】次に、上記第1実施例の動作を説明する。
今、車両が停車している状態であるものとし、この状態
からイグニッションスイッチ14をオン状態にしたもの
とすると、マイクロコンピュータ21では、所定の故障
監視処理を行い、異常がなければ、リレー制御信号SR
を“HIGH”としてリレー駆動回路63に出力し、ま
た、クラッチ制御回路62へのクラッチ制御信号SC
漸増して出力する。これによってリレー駆動回路63
が、コイル64Lへの通電を行うことによってフェール
リレー64が閉状態となり、バッテリ16の供給電源が
Hブリッジ回路40に供給可能となる。また、クラッチ
11が徐々に作動し、モータ12の回転軸と減速ギヤ1
0とが機械的結合状態となり、モータ12の回転駆動力
がステアリングシャフト2に伝達可能となる。
【0042】そして、図4のモータ駆動制御処理を所定
の割り込み周期で行い、このとき、乗員が操舵操作を行
っていないものとすると、トルクセンサ3からのトルク
検出信号TV が中立電圧V0 となり、このとき、車両は
停車中であるので、車速検出値Vは零となることから、
図4のモータ駆動制御処理においては、図5の特性線図
からモータ電流指令値SI は略零となるので、モータ1
2は駆動されない。
【0043】そして、この停車している状態から車両を
走行状態とすると、非操舵状態である間は、トルクセン
サ3からのトルク検出信号TV が中立位置V0 近傍にあ
るので、上述と同様に、モータ電流指令値SI が略零と
なるのでモータ12は駆動されない。この走行中に、例
えば乗員が右操舵を行った場合には、トルクセンサ3か
らのトルク検出信号TV は、右操舵を行ったので、中立
電圧V0 よりも大きい電圧値となり、マイクロコンピュ
ータ21では、A/D変換器22を介して入力したトル
ク検出値TをもとにT=T−V0 によりオフセット処理
し、中立点を零とするトルク検出値Tを算出する。
【0044】そして、このトルク検出値Tと車速検出値
Vとをもとに図5の特性線図から対応するモータ電流指
令値SI を設定する(ステップS3)。このとき、例え
ば、車両が低速走行している状態で操舵トルクが大きい
場合には、大きな補助操舵力を必要とするのでモータ電
流指令値SI は大きく設定され、このとき、高速走行し
ている場合には、ステアリングホイール1の手応え感が
あるように小さな補助操舵力を発生させるためにモータ
電流指令値SI は小さな値に設定される。また、操舵ト
ルクが小さい場合にも同様に、車速が小さいほど大きな
モータ電流指令値SI を設定し、車速が大きくなるにつ
れてステアリングホイール1の手応え感があるように小
さなモータ電流指令値SI に設定される。
【0045】そして、図7の電流制限値設定処理によっ
て設定され記憶されている電流制限値ILIM と算出した
モータ電流指令値SI の絶対値とが|SI |<ILIM
あるか否かを判定し、|SI |<ILIM であるときに
は、そのままモータ電流指令値SI に対して処理を行
い、|SI |<ILIM でない場合には、モータ電流指令
値SI の符号はそのままで大きさを電流制限値ILIM
変更設定し、この場合右操舵が行われ、モータ電流指令
値SI は正の値であるので、モータ電流指令値SI=+
LIM とし、以後、変更設定したモータ電流指令値SI
に対して処理を行う。
【0046】そして、モータ電流指令値SI に対して微
分処理等所定の処理を行い、微分ゲインKD を乗算して
微分処理値fD を算出する(ステップS4)。また、左
右方向のモータ電流検出値iR 及びiL をもとに、iM
=iR −iLにより、モータ12に流れる電流値として
モータ電流検出値iM を算出する。そして、異常監視処
理を実行した後、モータ電流指令値SI とこのモータ電
流検出値iM とから電流偏差eM を算出する(ステップ
S6)。そして、算出した電流偏差eM に比例ゲインK
P を乗算して比例処理値fP を算出し(ステップS
7)、この比例処理値fP に対して積分処理した値に積
分ゲインKI を乗算して積分処理値fI を算出し(ステ
ップS8)、これら、微分処理値fD と比例処理値fP
と積分処理値fI とを加算しモータ駆動信号SM を算出
する(ステップS9)。
【0047】そして、モータ駆動信号SM の符号に基づ
き電流方向を判断し、この場合、モータ駆動信号SM
0となることから、指令信号PWML 及びDL は“LO
W”として出力し、指令信号DR は“HIGH”、指令
信号PWMR はモータ駆動信号SM に応じたデューティ
比Dのパルス信号としてそれぞれ対応するゲート駆動回
路51〜54に出力する(ステップS11)。
【0048】よってゲート駆動回路53が所定の電圧供
給を行ってFET43をオン状態とし、また、ゲート駆
動回路52が指令信号PWMR が“HIGH”である
間、所定の電圧供給を行うことによってFET42がオ
ンオフ制御される。このとき、指令信号PWML 及びD
L が“LOW”であることから、ゲート駆動回路51、
54はFET41及び44に所定の電圧供給を行わない
ので、FET41及び44はオフ状態のままである。
【0049】したがって、FET42がオン状態となる
とき、バッテリ16からの電源供給により、FET4
2、モータ12、FET43、右方向電流検出抵抗RR
の方向に通電されてモータ12が正回転し、FET42
がオンオフ制御されることによってモータ駆動信号SM
に応じた電流が供給されてモータ12が駆動制御され
る。
【0050】これによって、モータ12の回転駆動力が
減速ギヤ10を介してステアリングシャフト2に伝達さ
れ、よって、操舵トルクに応じた所定の操舵補助力が伝
達され、車両が低速走行している状態で操舵トルクが大
きい場合には、モータ電流指令値SI が大きな値に設定
され、モータ12から大きな操舵補助力がステアリング
シャフト2に伝達されるので、例えば、車庫入れや低速
コーナリング時の操舵操作を容易に行うことができ、ま
た、車両が高速走行している状態では、操舵トルクが大
きい場合でも小さな操舵補助力がモータ12から伝達さ
れるので、ステアリングホイール1の手応え感を得るこ
とができる。
【0051】このとき、図7の第1実施例における電流
制限値設定処理では、所定時間毎のタイマ割り込みによ
って処理を行っており、車両がイグニッションスイッチ
14をオン状態とした状態から、操舵操作を行なってい
ない場合には、上述のようにトルクセンサ3からのトル
ク検出信号TV が中立位置V0 近傍にあることから、図
5の特性線図により設定されるモータ電流指令値SI
略零となる。
【0052】したがって、この場合には、積算数NがN
>Nαとなった場合でも積算値ISUM は略零となり、よ
って、ステップS35からステップS37、ステップS
38を実行し、電流制限値ILIM を5%増加するが、こ
のとき、起動時には、電流制限値ILIM として、モータ
最大電流制限値Imaxが設定されているものとする
と、ステップS38aで、ILIM <Imaxとならない
ことから、電流制限値ILIM の更新は行わないので、電
流制限値ILIM としてはモータ最大電流制限値Imax
が設定されたままである。
【0053】この状態から、操舵操作を行う等によっ
て、ステアリングシャフト2に操舵トルクが発生し、こ
のとき、例えば、据え切り等を行った場合等、操舵トル
クが大きい場合には、モータ電流指令値SI は大きく設
定されるので、このときの、モータ電流指令値の絶対値
の平均値IAVは大きくなり、例えば、モータ最大電流制
限値Imaxの60%よりも大きいものとすると、ステ
ップS35からステップS36に移行し、現在の電流制
限値、すなわち、モータ最大電流制限値Imaxを5%
減少した値を新たに電流制限値ILIM として設定し、モ
ータ駆動制御処理では、モータ電流指令値SI をこの電
流制限値ILIM に制限してモータ駆動回路30に出力す
る。そして、電流制限値設定処理において再度モータ電
流指令値SI の平均値IAVを算出したとき、この平均値
AVがモータ最大電流制限値Imaxの60%よりも大
きいものとすると、上記と同様に、さらに電流制限値I
LIMを5%減少した値を新たに電流制限値ILIM として
設定する。
【0054】以後、所定時間毎、すなわち、積算数Nが
N>Nαとなる毎のモータ電流指令値SI の平均値IAV
がモータ最大電流制限値Imaxの60%よりも大きい
場合には、電流制限値ILIM を5%づつ減少させるの
で、例えば、左右方向の操舵を周期的に行う場合等、モ
ータ電流指令値SI が連続して大きな値となる場合で
も、その所定時間毎の平均値IAVが大きい場合には、所
定時間経過毎に電流制限値ILIM を5%づつ徐々に低下
させることによって、モータ12に大電流が継続して流
れることを確実に防止することができ、大電流による発
熱、発煙等の熱破壊が生じることはない。
【0055】そして、徐々に電流制限値ILIM が小さく
設定され、これによって、モータ電流指令値SI が制限
されることから、その平均値IAVが小さくなり、モータ
最大電流制限値Imaxの60%よりも小さくなると、
ステップS35からステップS37に移行し、このと
き、平均値IAVがモータ最大電流制限値Imaxの30
%よりも大きい場合には、そのまま処理を終了するの
で、電流制限値ILIM の更新は行わない。
【0056】そして、この状態から、操舵トルクが低下
し、これに応じてモータ電流指令値SI が小さくなり、
その平均値IAVがモータ最大電流制限値Imaxの30
%よりも小さくなると、ステップS37からステップS
38に移行し、今度は電流制限値ILIM をその5%増加
させ、増加させた電流制限値ILIM はモータ最大電流制
限値Imaxよりも小さいことから、ステップS39に
移行し、この電流制限値ILIM を新たな電流制限値とし
て更新記憶する。
【0057】そして、上記と同様にこの操作をモータ電
流指令値SI の平均値IAVが小さい間、繰り返し行うの
で、電流制限値ILIM は徐々に増加し、モータ電流指令
値SI が小さく、よってその平均値IAVが小さく、過大
電流によりモータ駆動回路30、或いは、モータ12に
異常が発生することはないので、平均値IAVに応じて電
流制限値ILIM を徐々に大きく設定することによって、
効率良くモータ電流指令値SI を制限することができ
る。
【0058】したがって、上記第1実施例によれば、所
定時間当たりの平均値IAVが、モータ最大電流制限値I
maxの60%より大きい間は電流制限値ILIM を徐々
に小さく設定し、逆に平均値IAVがモータ最大電流制限
値Imaxの30%より小さい間は電流制限値IAVを徐
々に大きく設定することによって、モータ電流指令値S
I の平均値IAVが小さい間は、必要以上にモータ電流指
令値SI を制限することはなく、平均値IAVが大きい間
はモータ電流指令値SI を小さく制限することにより、
長時間大電流が流れることによってモータ駆動回路30
等に異常発熱、発煙、焼損等が発生することを確実に防
止することができる。
【0059】また、上記第1実施例によれば、制御回路
20内でモータ指令電流値SI の絶対値から算出した平
均値IAVをもとに電流制限値IAVを設定するようにして
いるので、従来のように追加のフィルタ等を設ける必要
がなく、よって、制御系が不安定になることはない。ま
た、この平均値IAVはモータ電流指令値SI の絶対値を
もとに算出するようになされており、モータ電流の実効
値を検出することにより、従来のように、左右方向に操
舵を繰り返し行った場合でも、通電方向に関わらず、確
実に電流制限を行うことができる。
【0060】次に、本発明の第2実施例を説明する。こ
の第2実施例は、マイクロコンピュータ21での電流制
限値設定処理の処理手順が異なるほかは、上記第1実施
例と同様である。この第2実施例における電流制限値設
定処理は、図8に示すように、上記第1実施例では、平
均値IAVに応じて電流制限値ILIM をその5%ずつ増加
又は減少させていたのに対し、モータ電流指令値SI
平均値IAVの大きさに応じて増減させる割合を変更する
ようにしたものであり、上記第1実施例と同様に、予め
設定された所定時間毎に割り込みによって実行される。
【0061】そして、ステップS30からステップS3
4の処理は上記第1実施例と同様であり、所定の記憶領
域に記憶されたモータ電流指令値SI を読み込み、この
モータ電流指令値の絶対値|SI |を積算数NがN>N
αとなるまで積算してその平均値IAVを算出する。そし
て、ステップS51に移行し、算出した平均値IAVに予
め設定した係数Kを乗算し、これをモータ指令電流値S
I の制限度合dIとし、次いでステップS52に移行し
て、この平均値IAVが予め設定したモータ連続運転可能
電流値Imよりも大きいか否かを判定し、IAV>Imで
ある場合にはステップS53に移行し、IAV>Imでな
い場合にはステップS57に移行する。
【0062】ここで、モータ連続運転可能電流値Im
は、連続して通電した場合でもモータ12が異常となら
ない電流値のことである。そして、ステップS53で
は、電流制限値ILIM から制限度合dIを減算した値を
電流制限値ILIM とし、次いで、ステップS54で、電
流制限値ILIM とモータ連続運転可能電流値Imとが、
LIM <Imであるか否かを判定し、ILIM<Imであ
る場合には、電流制限値ILIM を減少しすぎであるもの
としてステップS55に移行して電流制限値ILIM =I
mとしステップS56に移行する。そして、ステップS
54でILIM <Imでない場合にはそのままステップS
56に移行する。
【0063】一方、ステップS52でIAV>Imでない
場合にはステップS57に移行し、このステップS57
では、電流制限値ILIM に制限度合dIを加算した値を
電流制限値ILIM とし、次いで、ステップS58で、電
流制限値ILIM とモータ最大電流制限値ILMAXとが、I
LIM >ILMAXであるか否かを判定し、ILIM >ILMAX
ある場合にはステップS59に移行し、ILIM >ILMAX
でない場合にはそのままステップS56に移行する。
【0064】ここで、モータ最大電流制限値ILMAXは、
電流制限値ILIM として設定することのできる最大値で
あり、これは、モータ電流指令値SI として設定可能な
モータ電流指令値SI の最大値を表している。そして、
ステップS59では、電流制限値ILIM =ILMAXとした
後、ステップS56に移行する。
【0065】そして、ステップS56では、設定した電
流制限値ILIM を新たな電流制限値ILIM として所定の
記憶領域に更新記憶し、メインプログラムに戻る。次
に、上記第2実施例の動作を説明する。ここで、操舵ト
ルク及び車速に伴う図4のモータ駆動制御処理に基づく
動作は上記第1実施例と同様であるので、ここでは省略
する。
【0066】このとき、図8の第2実施例における電流
制限値設定処理では、所定時間毎のタイマ割り込みによ
って処理を行っており、車両がイグニッションスイッチ
をオン状態とした状態から、停車中、或いは操舵操作を
行なっていない場合には、トルクセンサ3からのトルク
検出信号TV が中立位置V0 近傍にあることから、図5
の特性線図により設定されるモータ電流指令値SI が略
零となる。したがって、この場合には、積算数NがN>
Nαとなった場合でも積算値ISUM は略零となる。よっ
て、平均値IAVが零、制限度合dIが零となり、このと
き、平均値IAVが零であることから、ステップS52か
らステップS57に移行し、電流制限値ILIM に制限度
合dIを加算して電流制限値ILIM を更新するが、この
とき、起動時の電流制限値ILIM は初期値として、モー
タ最大電流制限値ILMAXが設定されているものとする
と、ステップS58で、ILIM >ILMAXとなることか
ら、ステップS59でILIM =ILMAXとして設定するの
で電流制限値ILIM の更新は行わない。
【0067】この状態から、操舵操作を行う等によっ
て、ステアリングシャフト2に操舵トルクが発生し、こ
のとき、例えば、据え切り等を行った場合等、操舵トル
クが大きい場合には、モータ電流指令値SI は大きく設
定されるので、このときの、モータ電流指令値の平均値
AVは大きくなり、例えば、モータ連続運転可能電流値
Imよりも大きいものとすると、ステップS52からス
テップS53に移行し、電流制限値ILIM から平均値I
AVに応じた制限度合dIを減算した値を新たに電流制限
値ILIM として設定し、モータ駆動制御処理では、モー
タ電流指令値SIを電流制限値ILIM に制限してモータ
駆動回路30に出力する。
【0068】これによって、次回、電流制限値処理を行
った場合には、モータ電流指令値SI が電流制限値I
LIM によって制限されるので、その平均値IAVは前回の
平均値IAVよりも小さくなるが、例えば、まだ、平均値
AVがモータ連続運転可能電流値Imよりも大きいもの
とすると、ステップS52からステップS53に移行し
てさらに、電流制限値ILIM から平均値IAVに応じた制
限度合dIを減算した値を新たに電流制限値ILIM とし
て設定し、所定時間毎のモータ電流指令値SI の平均値
AVがモータ連続運転可能電流値Imよりも大きい場合
には、平均値IAVに応じた制限度合dIづつ電流制限値
LIM を減少させる。
【0069】これにより、例えば、左右方向の操舵を周
期的に行う場合等、モータ電流指令値SI が連続して大
きな値となる場合でも、モータ電流指令値SI が大きく
設定され、その所定時間毎の平均値IAVが大きい場合に
は、平均値IAVに応じた制限度合dIにより大きく電流
制限値ILIM を減少させるので、モータ12、或いは、
Hブリッジ回路40等モータ駆動回路30において、過
大電流による発熱、発煙等の熱破壊が生じることはな
い。
【0070】そして、徐々に電流制限値ILIN を減少さ
せることによりモータ電流指令値SI が小さく制限され
ることによってその平均値IAVが小さくなり、例えば、
AV>Imとなった場合には、ステップS52からステ
ップS57に移行して、今度は、dI=K・IAVにより
設定される制限度合dIを電流制限値ILIM に加算する
ことによって、電流制限値ILIM を増加させるので、モ
ータ電流指令値SI が制限されなくなり、モータ電流指
令値SI の平均値IAVが小さい間、繰り返しこの操作を
行い平均値IAVに応じた制限度合dIづつ電流制限値I
LIM が徐々に増加するので、平均値IAVが小さい間は、
大電流、或いは、長時間の通電によりモータ駆動回路3
0、或いは、モータ12に異常が発生することはないの
で、平均値IAVに応じた制限度合dIづつ電流制限値I
LIM を大きく設定することによって、効率良くモータ電
流指令値SI を制限することができる。
【0071】したがって、上記第2実施例によれば、所
定時間当たりの平均値IAVが大きい間は電流制限値I
LIM を平均値IAVに応じた制限度合dIづつ小さく設定
し、逆に平均値IAVが小さい間は電流制限値ILIM を制
限度合dIづつ大きく設定することによって、継続して
大電流が流れることによってモータ駆動回路30、モー
タ12等に発熱異常、発煙等の異常が発生することを確
実に防止することができる。
【0072】また、モータ電流指令値SI の平均値IAV
に応じて電流制限値ILIM を増減させることができるの
で、電流制限値ILIM を平均値IAVに応じて効果的に設
定することができるので、例えば、平均値IAVが小さく
発熱等が生じる可能性がない場合には電流制限値ILIM
を大きく設定しモータ電流指令値SI を制限しないよう
にすることができ、モータ12を効果的に駆動制御する
ことができる。
【0073】また、上記第2実施例では、制御回路20
内で、モータ電流指令値SI をもとに平均値IAVを算出
し、この平均値IAVをもとに電流制限値ILIM を設定す
るようになされているので、従来のようにフィルタ等を
設ける必要がなく、よって、制御系が不安定になること
はない。また、モータ電流指令値SI の絶対値をもとに
平均値IAVを算出し、この平均値IAVに基づいて電流制
限値ILIM を設定しているので、従来のように、左右方
向に操舵を繰り返し行った場合でも、確実にモータ電流
の大きさを検出することができ、平均値IAVに応じて確
実に電流制限を行うことができる。
【0074】なお、上記第1及び第2実施例では、右操
舵を行った場合について説明したが、左操舵を行った場
合でも、上記と同様の効果を得ることができる。また、
上記第1及び第2実施例では、Hブリッジ回路のスイッ
チング素子としてFETを用いた場合について説明した
が、これに限らず、バイポーラトランジスタ等、その他
のスイッチング素子を適用することも可能である。
【0075】また、上記第1及び第2実施例では、PI
D制御によってモータ12の駆動制御を行う場合につい
て説明したが、これに限らず、例えば、PI制御、P制
御等により制御を行うことも可能である。また、上記第
1及び第2実施例では、車速と操舵トルクとをもとにモ
ータを駆動制御する場合について説明したが、これに限
らず、例えば、操舵トルクのみに基づいてモータを駆動
制御することも可能である。
【0076】さらに、上記第1及び第2実施例では、コ
ントローラ13をマイクロンピュータ21を用いて形成
した場合について説明したが、これに限らず、演算回
路、加算回路、論理回路等の電子回路を組み合わせて構
成することも可能であり、図9は、その一例を示したも
のである。この図9について簡単に説明すれば、このコ
ントローラ13は、例えば、位相補償器25、カウンタ
26、電流指令演算器32、電流フィードバック制御回
路33、モータ駆動回路93、電流検出回路91及び制
限手段としての制限値設定回路105から構成され、位
相補償器25、カウンタ26、電流指令演算器32及び
電流フィードバック制御回路33が制御手段に対応して
いる。
【0077】そして、位相補償器25からのトルク補償
信号TP と、カウンタ26からの車速検出値Vとをもと
に電流指令演算器32でモータ電流指令値SI を設定し
ており、この電流指令演算器32は、例えば、関数発生
器で形成され、前述の図5の特性線図において、車速を
もとに関数を選択し、操舵トルクに対する必要とするモ
ータ電流指令値SI を算出し、このモータ電流指令値S
I が後述の制限値設定回路105から入力される電流制
限値ILIM よりも大きいとき、モータ電流指令値SI
電流制限値ILIM に制限し、これをモータ指令電流値S
I として電流フィードバック制御回路33及び制限値設
定回路105に出力する。
【0078】ここで、この制限値設定回路105は、例
えば、カウンタ、加算器、演算器等で構成され、モータ
電流指令値SI の絶対値を算出してこれを所定回数加算
し平均値IAVを算出するモータ保護検出器105aと、
例えば、比較器、乗算器, 加算器等の演算器等から構成
され、モータ保護検出器105aからの平均値IAVに応
じて電流制限値ILIM を設定し、電流指令演算器32に
出力する最大電流制限器105bから構成されている。
【0079】この電流フィードバック制御回路33は、
例えば、微分補償器36、加算器37a及び37b、比
例演算器38、積分演算器39から構成され、電流指令
演算器32からのモータ電流指令値SI は、微分補償器
36及び加算器37aに入力され、微分補償器36で
は、入力したモータ電流指令値SI を微分し微分値に比
例した微分処理値fD を加算器37bに出力し、加算器
37aはモータ電流指令値SI と、電流検出回路91か
らの左右の電流検出抵抗RR 及びRL の両端の電圧をも
とに算出したモータ電流検出値iM との差を算出し、こ
れを電流偏差eMとして比例演算器38に出力し、比例
演算器38でこれを比例処理して比例処理値fP として
加算器37bおよび積分演算器39に出力する。
【0080】そして、積分演算器39で積分処理した積
分処理値fI と微分処理値fD と比例処理値fp とを加
算器37bで加算してモータ駆動信号SM としてモータ
駆動回路93に出力している。そして、このモータ駆動
回路93では、このモータ駆動信号SM をもとにPWM
回路46aで、左右のパルス幅変調信号PWML 及びP
WMR 、左右の方向信号DR 及びDL を形成してゲート
駆動回路49に出力し、ゲート駆動回路49で、これら
各指令信号PWML ,PWMR ,DR ,DL に応じて各
FET41〜44をオンオフ制御することによりモータ
駆動信号SM に応じた電流を供給し、モータ12を駆動
制御する。
【0081】さらに、上記実施例では、トルク検出値の
みに基づいて操舵状態を検知し、このトルク検出値に応
じて補助操舵トルクを発生するモータ駆動制御について
説明したが、この他に、例えば、高速走行中に走行車線
を変更する場合には、操舵トルクの他に更に、ステアリ
ングホイールの舵角速度や舵角加速度に応じて操舵状態
を検知し、これらの値に応じた補助トルクを発生してモ
ータ駆動制御を行うことも可能である。
【0082】図10は、トルク検出値、舵角速度値及び
舵角加速度値に基づいて操舵状態を検知する制御回路の
一例を示す概略ブロック図である。この制御回路20a
は、図10に示すように、電流指令演算器32と、加算
器37aと、比例演算器38と、積分演算器39と、加
算器37bと、舵角速度加速度演算回路102と、ダン
パ係数回路103と、慣性補償係数回路104とから構
成される。
【0083】そして、トルク検出値Tは、制御回路20
aの電流指令演算器32に入力され、所定のモータ電流
指令値SI に変換された後、加算器37aに供給され
る。加算器37aには、モータ電流指令値SI の他にさ
らに、電流検出回路91、ダンパ係数回路103及び慣
性補償係数回路104のそれぞれの出力信号であるモー
タ電流検出値iM 、ダンパ信号DI および慣性信号
I ′が供給され、モータ電流指令値SI に対して、モ
ータ電流検出値iM の減算、ダンパ信号DI の減算、及
び慣性信号KI ′の加算の処理が行われる。加算器37
aの出力信号が供給される比例演算器38では所定の比
例ゲインが乗算され、その乗算値は、加算器37bに直
接供給されると共に、所定の積分処理を行う積分演算器
39を介して加算器37bに供給される。そして、これ
ら入力信号を加算処理した加算器37bからの出力信号
はモータ駆動回路93bに供給され、モータ駆動回路9
3bでは、この出力信号をもとに所定のパルス幅を有す
るパルス幅変調信号PWMを形成しこれを舵角速度加速
度演算回路102に供給すると共に、形成したパルス幅
変調信号PWMに応じてモータ12を駆動する。
【0084】そして、モータ12からは、検出されたモ
ータ電流検出値i(iR ,iL )が、舵角速度加速度演
算回路102及び電流検出回路91に出力され、舵角速
度加速度演算回路102では、入力されたパルス幅変調
信号PWM及びモータ電流検出値iに基づいて算出した
舵角速度ω0 をダンパ係数回路103に出力すると共
に、同じく算出した舵角加速度ω1 を慣性補償係数回路
104に出力する。
【0085】舵角速度加速度演算回路102での舵角速
度ω0 及び舵角加速度ω1 の算出は次のように行われ
る。パルス幅変調信号PWMのデューティ比D、電源電
圧VBAT とすると、モータ12に供給される平均電圧V
は、次のように表される。 V=D・VBAT …(1) また、モータ12は回転することにより逆起電力が発生
し、逆起電力定数をkT とすると、モータ12に発生す
る逆起電圧はkT ・ω0 となるので、コイル抵抗Rを有
するモータ12に供給された平均電圧Vは次のようにも
表される。
【0086】 V=kT ・ω0 +R・i …(2) よって、式(1)及び(2)より、舵角速度ω0 は次の
ように求められる。 ω0 =(D・VBAT −R・i)/kT …(3) この式(3)を時間tで微分することにより、舵角加速
度ω1 が算出される。算出された舵角速度ω0 は、ダン
パ係数回路103で所定のダンパ係数KV と乗算され、
この乗算値をモータ電流指令値SI から減算してダンパ
制御を実行し、これにより、操舵系に電気的粘性抵抗が
与えられ車両の安定性の向上が図られる。また、算出さ
れた舵角加速度ω1 は、慣性補償係数回路104で所定
の慣性補償係数KG と乗算され、この乗算値とモータ電
流指令値SI とを加算して慣性補償制御を実行し、これ
により、モータ慣性に起因するモータの応答性の遅れが
補償される。なお、舵角加速度ω1 はセンサで直接検出
してもよく、また、例えば、モータ軸に取り付けた角度
センサにより検出された角度値を、時間tで微分してま
ず舵角速度ω0 を求め、更にもう一度微分して舵角加速
度ω1 を求めるようにしてもよい。
【0087】以上説明したように、本発明に関わる電動
パワーステアリング装置の制御装置によれば、操舵トル
ク検出手段で検出した操舵トルクをもとに電動モータを
駆動する制御信号を制御手段により形成し、この制御信
号に基づいてHブリッジ回路が作動して電動モータへの
通電方向及び通電量を制御し、このとき、モータ駆動回
路への制御信号の絶対値を所定時間積算し続けて算出し
た積算値に応じて制御信号の最大値を制限することによ
り、例えば、積算値が大きい場合には制御信号を小さく
制限し、逆に小さい場合には制御信号の最大値を大きく
することによって操舵トルクが大きく電動モータに大電
流が流れる場合でも、制御信号の積算値に応じて制御信
号の最大値を制限手段によって制限しているので、電動
モータに連続して大電流が流れることはなく、よって大
電流が流れることに伴う電動モータの異常発熱等の異常
発生を確実に防止することができる。また、制御信号の
絶対値を所定時間積算し続けて算出した積算値に応じて
制限するようにしているから、ステアリングホイールを
左右に周期的に操舵するような場合であっても、右方向
及び左方向への操舵に伴い電動モータに通電される電流
量を的確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】操舵トルクとトルクセンサの出力電圧との関係
を示す特性線図である。
【図3】コントローラのブロック図である。
【図4】マイクロコンピュータでのモータの駆動制御処
理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】車速をパラメータとして操舵トルクとモータ電
流値との関係を示す特性線図である。
【図6】マイクロコンピュータでの異常監視処理の処理
手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施例における電流制限値設定処
理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施例における電流制限値設定処
理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明によるコントローラ13を電子回路によ
り構成した場合の一例である。
【図10】トルク検出値、舵角速度値及び舵角加速度値
に基づいて操舵状態を検知する制御回路の概略ブロック
図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 3 トルクセンサ 11 電磁クラッチ装置(クラッチ) 12 モータ 13 コントローラ 16 バッテリ 17 車速センサ 20 制御回路 21 マイクロコンピュータ 30 モータ駆動回路 40 Hブリッジ回路 41〜44 FET(電界効果トランジスタ) 51〜55 ゲート駆動回路 61 電流検出回路 62 クラッチ制御回路 63 リレー駆動回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−254454(JP,A) 特開 平2−37074(JP,A) 特開 平1−186468(JP,A) 特開 平2−246871(JP,A) 特開 平3−132473(JP,A) 特開 平3−235759(JP,A) 特開 昭61−205556(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 - 6/06 B62D 5/00 - 5/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トル
    ク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を発生す
    る電動モータと、少なくとも前記操舵トルク検出手段の
    トルク検出値に基づいて前記電動モータに操舵補助力を
    発生させる制御信号を出力する制御手段と、該制御手段
    からの制御信号に基づいて前記電動モータの通電方向お
    よび通電量を制御するモータ駆動回路とを備えた電動パ
    ワーステアリング装置の制御装置において、前記制御信
    号の絶対値を所定時間積算し続けて前記制御信号の絶対
    値の所定時間毎の積算値を算出する積算手段と、当該積
    算手段の積算値に応じて前記制御信号の最大値を制限す
    る制限手段を備えることを特徴とする電動パワーステ
    アリング装置の制御装置。
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