JP2001191938A - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置

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JP2001191938A
JP2001191938A JP37736599A JP37736599A JP2001191938A JP 2001191938 A JP2001191938 A JP 2001191938A JP 37736599 A JP37736599 A JP 37736599A JP 37736599 A JP37736599 A JP 37736599A JP 2001191938 A JP2001191938 A JP 2001191938A
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steering
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control
force
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JP37736599A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Nishizaki
勝利 西崎
Shiro Nakano
史郎 中野
Tomoyasu Kada
友保 嘉田
Takanobu Takamatsu
孝修 高松
Masaya Segawa
雅也 瀬川
Ryohei Hayama
良平 葉山
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】操舵力の変化に応じて操舵補助力を制御する場
合に、常に良好な応答性を確保できるように制御ゲイン
を自動的に設定でき、チューニングのための膨大な工数
をなくすことができる車両用操舵装置を提供する。 【解決手段】ステアリングホイールHの操舵力の変化に
応じて操舵補助力が変化するように、操舵補助力発生用
アクチュエータMを制御装置15により制御する。操舵
力の変化に対する操舵角の変化のヒステリシスの程度
と、ステアリングホイールHの操舵周期に対応する操舵
特性値と、その制御装置15によるアクチュエータMの
制御ゲインとの予め定めた関係を記憶する。求めたヒス
テリシスの程度と、求めた操舵特性値と、その記憶した
関係とから、その制御ゲインの値を演算する。その演算
された値に制御ゲインを設定することにより、その操舵
力の変化に対する操舵補助力の変化の応答性を補償す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵補助力を発生
するアクチュエータの制御特性を改善できる車両用操舵
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置において
は、ステアリングホイールの操舵力の変化に応じて操舵
補助力が変化するように、操舵補助力発生用アクチュエ
ータを制御装置により制御している。
【0003】従来、その操舵力に対する操舵補助力の比
率を操舵力の値や車速に応じて定めることで、静的な操
舵特性が設定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、操舵特性を設
定する上で、ステアリングホイールの操舵力の動的変化
は考慮されていなかった。そのため、操舵角の変化をス
テアリングホイールから車輪へ伝達する操舵系における
慣性や粘性の影響により、ステアリングホイールの操舵
周期に応じて操舵フィーリングが変化するという問題が
ある。
【0005】例えば、操舵系の剛性が十分に高いものと
すると、操舵力と操舵補助力と操舵角との関係は、以下
の運動方程式(1)により近似的に表される。なお、そ
の式(1)において、Thは操舵力に対応する操舵トル
ク、Taは操舵補助力に対応する操舵補助力発生用アク
チュエータの発生トルク、δhは操舵角、Igは操舵系
全体の慣性モーメント、Cgは操舵系全体の粘性抵抗、
Tgはセルフアライニングトルクである。
【0006】
【数1】
【0007】タイヤの横すべり角とコーナリングフォー
スとが比例するタイヤ線形領域の車両運動においては、
Kを車速に応じて定まるパラメータとして、ほぼTg=
K・δhと見做すことができる。この場合、αを車速に
応じて定まるパラメータとして、略Th+Ta=α・T
hとして上記運動方程式をラプラス変換すると、以下の
操舵トルクThに対する操舵角δhの伝達関数G1が求
められる。なお、その式においてsはラプラス変数であ
る。
【0008】G1=δh/Th=α/(Ig・s+C
g・s+Kg)
【0009】図6は、上記従来の制御装置による操舵補
助力発生用アクチュエータの制御ブロック線図を示す。
ここで、G1は操舵トルクThに対する操舵角δhの上
記伝達関数、G2は操舵トルクThに対する操舵補助力
発生用アクチュエータMの目標駆動電流iの伝達関数
である。なお、G2は車速Vに応じて変化するものとさ
れ、高速になる程に操舵トルクThに対する目標駆動電
流iの比率が小さくされることで、高速での直進安定
性と低速での旋回性能の向上とが図られる。
【0010】その操舵トルクThに対する操舵角δhの
伝達関数G1から、操舵トルクThが動的に変化した時
に、慣性モーメントIgおよび粘性抵抗Cgが、操舵フ
ィーリングに対応する操舵角δhの動的変化に大きく影
響することがわかる。例えば、障害物の緊急回避や山道
の連続カーブ走行等のために、ステアリングホイールを
速く、大きく左右に操舵するような場合、ステアリング
ホイールが急に重く感じられるのは、その慣性モーメン
トIgおよび粘性抵抗Cgの影響による。
【0011】そこで、図7の比較例の制御ブロック線図
に示すように、操舵トルクThから制御入力値Tiを演
算出力するための補償要素を導入し、その制御入力値T
iに基づきアクチュエータMを制御することが考えられ
る。すなわち、その補償要素に基づく操舵トルクThに
対する制御入力値Tiの演算出力動作は、Kdを制御ゲ
インとする微分動作とαの位相進み補償動作とされ、そ
の操舵トルクThの変化に対する操舵補助力の変化の応
答性を補償している。なお、図7において、制御入力値
Tiに対する操舵角δhの伝達関数G1′は、補償要素
によりαの位相進み補償がなされることから、G1′=
1/(Ig・s+Cg・s+Kg)とされ、G2は制
御入力値Tiに対する操舵補助力発生用アクチュエータ
Mの目標駆動電流iの伝達関数とされる。他は図6と
同様である。
【0012】しかし、上記のような補償要素を導入して
も、制御の遅れや操舵補助力の過不足を適正に補償する
ために、制御ゲインのチューニングに膨大な工数を要す
るという問題は解消されない。また、操舵系のホイール
アラインメントやサスペンション特性等が経時変化する
と、その制御ゲインのチューニングが制御系に適合しな
くなって操舵フィーリングが悪化する。さらに、その補
償の度合いを高めるために制御系の安定余裕が殆どない
状態にゲイン設定されると、車両の走行状態や操舵系の
変化により制御系が不安定になり、ステアリングホイー
ルの振動現象を生じるおそれがある。
【0013】本発明は、上記問題を解決することのでき
る車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用操舵装置
は、ステアリングホイールの操舵力の変化に応じて操舵
補助力が変化するように、操舵補助力発生用アクチュエ
ータを制御装置により制御する車両用操舵装置におい
て、そのステアリングホイールの操舵力に対応する値を
時系列に検出する手段と、そのステアリングホイールの
操舵角に対応する値を時系列に検出する手段と、その操
舵力の変化に対する操舵角の変化のヒステリシスの程度
を求める手段と、そのステアリングホイールの操舵周期
に対応する操舵特性値を求める手段と、そのヒステリシ
スの程度と、その操舵特性値と、その制御装置による前
記アクチュエータの制御ゲインとの予め定めた関係を記
憶する手段と、その求めたヒステリシスの程度と、その
求めた操舵特性値と、その記憶した関係とから、その制
御ゲインの値を演算する手段とを備え、その演算された
値に制御ゲインを設定することにより、その操舵力の変
化に対する操舵補助力の変化の応答性が補償されること
を特徴とする。操舵角の変化を車輪へ伝達する操舵系に
おける慣性モーメントおよび粘性抵抗の影響により、操
舵力の変化に対する操舵角の変化にヒステリシスが生じ
る。また、そのヒステリシスの程度とステアリングホイ
ールの操舵周期との関係は、その慣性モーメントおよび
粘性抵抗に応じて変化する。また、その慣性モーメン
ト、粘性抵抗、および操舵補助力発生用アクチュエータ
の制御ゲインに応じて、操舵力の変化に対する操舵補助
力の変化の応答性が変化する。よって、その慣性モーメ
ントおよび粘性抵抗による応答性低下を補償できるよう
な、ヒステリシスの程度と、ステアリングホイールの操
舵周期と、制御ゲインとの関係を予め定めておくことが
できる。これにより、本発明の構成によれば、そのヒス
テリシスの程度と操舵特性値の中の少なくとも一方が変
化した時に、その予め定めた関係に基づき、その応答性
を補償するように制御ゲインを変化させることができ
る。すなわち、車両や操舵系の状態が変化しても、その
ヒステリシスの程度と操舵周期に応じて制御ゲインを自
動的に調節できる。
【0015】その検出した操舵力の変化に応じて変化す
る制御入力値を、その操舵力に対する制御入力値の予め
求めた伝達関数に基づき演算する手段を備え、その制御
入力値の変化に応じて操舵補助力が変化するように、前
記アクチュエータは前記制御装置により制御され、その
伝達関数は、前記制御ゲインを変数として含むと共に、
その操舵力の変化に対する操舵補助力の変化の応答性を
補償可能に定められ、その検出した操舵力に対応する値
と、演算された値に設定された制御ゲインを含む前記伝
達関数とから、前記制御入力値が演算されるのが好まし
い。これにより、その応答性を補償できるような、ヒス
テリシスの程度と、ステアリングホイールの操舵周期
と、制御ゲインとの関係を容易に求めることができる。
【0016】前記ヒステリシスの程度として、その操舵
力の方向が変化する時点の操舵角の絶対値に対応するヒ
ステリシス幅が求められ、前記伝達関数は、ラプラス変
換式で表した時、ラプラス変数の次数が2次以上とされ
ると共に、第1の制御ゲインを係数とする2次のラプラ
ス変数の項と、第2の制御ゲインを係数とする1次のラ
プラス変数の項と、第3の制御ゲインの項とを有する多
項式とされるのが好ましい。これにより、その操舵力に
対する制御入力値の伝達関数を、操舵力と操舵補助力と
操舵角との関係を近似的に表す運動方程式に基づき求め
られる操舵力に対する操舵角の伝達関数の逆関数の形に
対応させ、その応答性を補償する上で最適な制御ゲイン
を容易に求めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に示す車両用操舵装置の一例
としてのラックピニオン式電動パワーステアリング装置
1は、ステアリングホイールHに連結される入力シャフ
ト3と、この入力シャフト3にトルクセンサ4を介して
連結される出力シャフト5とを有する。そのトルクセン
サ4により、ステアリングホイールHの操舵力に対応す
る操舵トルクThの値が時系列に検出される。その出力
シャフト5はジョイント6を介してピニオン7に連結さ
れ、そのピニオン7に噛み合うラック8に車輪9が連結
される。そのステアリングホイールHの操舵による回転
が、入出力シャフト3、5を介してピニオン7に伝達さ
れ、そのピニオン7の回転によりラック8が車両幅方向
に移動することで、車輪9のトー角が変化して車両の舵
角が変化する。そのステアリングホイールHの操舵角δ
hに対応する入力シャフト3の回転角の値を時系列に検
出する角度センサ10が設けられている。その出力シャ
フト5に従動ギヤ11が取り付けられ、その従動ギヤ1
1に噛み合う駆動ギヤ12が操舵補助力発生用電動アク
チュエータMにより駆動される。そのトルクセンサ4、
角度センサ10、およびアクチュエータM(モータ)
は、コンピュータにより構成される制御装置15に接続
される。また、その制御装置15に車速Vを時系列に検
出する車速センサ16が接続される。
【0018】操舵角δhの変化を車輪9へ伝達する操舵
系における慣性モーメントおよび粘性抵抗の影響によ
り、図2に示すように、操舵トルクThの変化に対する
操舵角δhの変化にヒステリシスが生じる。その制御装
置15は、操舵トルクThの変化に対する操舵角δhの
変化のヒステリシスの程度として、その操舵トルクTh
の方向が変化する時点の操舵角の絶対値に対応するヒス
テリシス幅Wを、上記トルクセンサ4と角度センサ10
の検出値に基づき求める。
【0019】その制御装置15は、ステアリングホイー
ルHの操舵周期に対応する操舵特性値を求める。例えば
図3に示すように、左右一方に操舵した後に左右他方に
操舵すると、時間tと操舵角δhとの関係は正弦波形に
より表されるので、本実施形態では、その操舵特性値と
して、操舵周期の逆数である、その正弦波形の単位時間
における繰り返し回数である操舵周波数ωを、その操舵
特性値として上記角度センサ10の検出値に基づき求め
る。なお、その操舵特性値はステアリングホイールHの
操舵周期に対応するものであればよいので操舵周波数ω
に限定されず、例えば予め定めた時間間隔での操舵角の
変化量や、予め定めた操舵角変化に要する時間間隔を操
舵特性値としてもよい。
【0020】制御装置15は、トルクセンサ4により検
出した操舵トルクThに応じて変化する制御入力値Ti
を、その操舵トルクThに対する制御入力値Tiの予め
求めた伝達関数Gaに基づき演算する。その伝達関数G
aは、制御装置15によるアクチュエータMの制御ゲイ
ンを変数として含むと共に、操舵トルクThの変化に対
する操舵補助力の変化の応答性を補償可能に定められ
る。本実施形態では、その伝達関数Gaは、sをラプラ
ス変数としてラプラス変換式で表した時、第1の制御ゲ
インK1を係数とする2次のラプラス変数の項K1・s
と、第2の制御ゲインK2を係数とする1次のラプラ
ス変数の項K2・sと、第3の制御ゲインの項K3とを
有する以下の多項式とされている。
【0021】Ga=K1・s+K2・s+K3
【0022】これにより、その伝達関数Gaを、操舵力
と操舵補助力と操舵角との関係を近似的に表す運動方程
式に基づき求められる操舵トルクThに対する操舵角δ
hの上記伝達関数、G1=α/(Ig・s+Cg・s
+Tg)の逆関数の形に対応させることができる。
【0023】制御装置15は、そのヒステリシス幅W
と、操舵周波数ωと、その制御ゲインK1、K2、K3
との予め定めた関係を記憶し、この記憶した関係と、求
めたヒステリシス幅Wと、求めた操舵周波数ωとから制
御ゲインK1、K2、K3の値を演算し、その演算され
た値に上記伝達関数Gaにおける制御ゲインK1、K
2、K3の値を設定し、その伝達関数Gaに基づき、ト
ルクセンサ4により検出した操舵トルクThに応じて変
化する制御入力値Tiを演算し、その制御入力値Tiの
変化に応じて操舵補助力が変化するようにアクチュエー
タMを制御する。これにより、操舵トルクThの変化に
応じて操舵補助力が変化するようにアクチュエータMが
制御される。その演算された値に制御ゲインK1、K
2、K3を設定することにより、操舵トルクThの変化
に対する操舵補助力の変化の応答性が補償されるよう
に、その記憶されるヒステリシス幅Wと、操舵周波数ω
と、制御ゲインK1、K2、K3との関係が予め定めら
れている。すなわち、ヒステリシス幅Wと操舵周波数ω
との関係は操舵系の慣性モーメントおよび粘性抵抗に応
じて変化し、また、その慣性モーメント、粘性抵抗、お
よびアクチュエータMの制御ゲインK1、K2、K3に
応じて操舵トルクThの変化に対する操舵補助力の変化
の応答性が変化する。よって、その慣性モーメントおよ
び粘性抵抗による応答性低下を補償できるような、ヒス
テリシス幅Wと操舵周波数ωと制御ゲインK1、K2、
K3との関係を予め定めておくことができる。
【0024】図4は、上記制御装置15によるアクチュ
エータMの制御ブロック線図を示す。ここで、伝達関数
Gaは上記のようにK1・s+K2・s+K3であ
り、A1は上記ヒステリシス幅Wの演算部を表し、A2
は上記操舵特性値ωの演算部を表し、A3は制御ゲイン
K1、K2、K3の演算部を表す。他は図7と同様であ
る。
【0025】図5のフローチャートを参照して制御装置
15によるアクチュエータMの制御手順を説明する。ま
ず、トルクセンサ4、角度センサ10、車速センサ16
による検出データが読み込まれる(ステップ1)。次
に、検出された操舵トルクThと操舵角δhとに基づき
ヒステリシス幅Wを演算し(ステップ2)、検出された
操舵角δhに基づき操舵特性値として操舵周波数ωを演
算する(ステップ3)。次に、その求めたヒステリシス
幅Wと、求めた操舵周波数ωと、予め記憶したヒステリ
シス幅Wと操舵周波数ωと制御ゲインK1、K2、K3
との関係から、制御ゲインK1、K2、K3の値を演算
する(ステップ4)。次に、その演算された値に伝達関
数Gaにおける制御ゲインK1、K2、K3の値を設定
し、その伝達関数Gaに基づき操舵トルクThに対する
制御入力値Tiを演算する(ステップ5)。その制御入
力値Tiに対するアクチュエータMの目標駆動電流i
を、検出された車速Vに応じた伝達関数G2に基づき演
算する(ステップ6)。その目標駆動電流iを印加す
ることでアクチュエータMを制御する(ステップ7)。
これにより、アクチュエータMは操舵補助力に対応する
トルクTaを発生する。次に、制御を終了するか否か
を、例えばイグニッションスイッチのオン・オフから判
断し(ステップ8)、終了しない場合はステップ1に戻
る。
【0026】上記構成によれば、ヒステリシス幅Wと操
舵周波数ωの中の少なくとも一方が変化した時に、予め
定めたヒステリシス幅Wと操舵周波数ωと制御ゲインK
1、K2、K3との関係に基づき、操舵トルクThの変
化に対する操舵補助力の変化の応答性を補償するように
制御ゲインK1、K2、K3を変化させることができ
る。すなわち、車両や操舵系の状態が変化しても、検出
したヒステリシス幅Wと操舵周波数ωに応じて制御ゲイ
ンK1、K2、K3を自動的に調節できる。また、操舵
トルクThに対する制御入力値Tiの伝達関数Gaが、
その制御ゲインK1、K2、K3を未知数として含むと
共に、操舵トルクThの変化に対する操舵補助力の変化
の応答性を補償可能に定められ、その制御入力値Tiの
変化に応じて操舵補助力が変化するようにアクチュエー
タMを制御しているので、その応答性を補償できるよう
な、ヒステリシス幅Wと操舵周波数ωと制御ゲインK
1、K2、K3との関係を容易に求めることができる。
さらに、そのヒステリシス幅Wは、操舵トルクThの方
向が変化する時点の操舵角δhの絶対値に対応し、その
伝達関数Gaは、第1の制御ゲインK1を係数とする2
次のラプラス変数の項K1・sと、第2の制御ゲイン
K2を係数とする1次のラプラス変数の項K2・sと、
第3の制御ゲインの項K3とを有する多項式とされてい
るので、その伝達関数Gaを、操舵力と操舵補助力と操
舵角との関係を近似的に表す運動方程式に基づき求めら
れる操舵トルクThに対する操舵角δhの伝達関数、G
1=α/(Ig・s+Cg・s+Kg)の逆関数の形
に対応させ、その応答性を補償する上で最適な制御ゲイ
ンK1、K2、K3を容易に求めることができる。
【0027】本発明は上記実施形態に限定されない。例
えば、伝達関数Gaをラプラス変数の次数が2次以上の
式としてもよいし、1次式としてもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、操舵力の変化に応じて
操舵補助力を制御する場合に、車両や操舵系の状態が変
化しても、常に良好な応答性を確保できるように制御ゲ
インを自動的に設定でき、チューニングのための膨大な
工数をなくすことができる車両用操舵装置を提供でき
る。
【0029】
【他の技術の開示】操舵角の変化をステアリングホイー
ルから車輪へ伝達する操舵系には、製品による個体差が
あり、また、ギヤの摩耗等の経年変化に基づき特性が変
化することから、所望の操舵フィーリングを得られない
場合がある。さらに、ドライバー個々の運転特性の相違
や、路面等の環境特性の変化により、所望の操舵フィー
リングを得られない場合がある。そのため、車両やドラ
イバーや環境等の特性変化に応じて、操舵補助力発生用
アクチュエータの制御を最適化することで、車速、操舵
角、操舵速度、操舵加速度に対応した最適な操舵反力、
慣性感、粘性感等の操舵フィーリングを得る特性を決定
し、ユーザビリティーの高い高性能な操舵装置を得るこ
とが要望されている。
【0030】そこで、ステアリングホイールの操舵力の
変化に応じて操舵補助力が変化するように、操舵補助力
発生用アクチュエータを制御装置により制御する車両に
おいて、そのアクチュエータの制御パターンを予め複数
種類として、ドライバーが所望の制御パターンを選択で
きるようにすることで、所望の操舵フィーリングを得る
ことができる。
【0031】また、操舵角、操舵トルク、舵角を検出す
るセンサ等の検出手段と、その検出した操舵角から操舵
速度を演算する手段と、検出した舵角と演算した操舵速
度と規範となる操舵トルクとの関係を記憶する手段と、
その検出した操舵トルクと規範となる操舵トルクとの偏
差を設定数だけ演算する手段と、その設定数の偏差の平
均値等のドライバー特性に対応するドライバー特性デー
タを求める手段と、そのドライバー特性データと予め定
めた複数種類の操舵補助力発生用アクチュエータの制御
パターンとの関係を記憶する手段と、その求めたドライ
バー特性データに応じて自動的に制御パターンを選択す
る手段とを設けることで、自動的に適正な操舵フィーリ
ングを得られる制御パターンでアクチュエータを制御す
るようにしてもよい。また、そのドライバー特性データ
を携行できるよう記憶媒体に記憶させ、同様のシステム
を持つ車両において、そのドライバー特性データに従い
操舵補助力発生用アクチュエータの制御を行うことで、
車両の違い、製品の個体差による操舵フィーリングの差
をなくすようにしてもよい。
【0032】あるいは、操舵角、操舵トルク、車速を検
出するセンサ等の検出手段と、予め設定した複数の検出
車速域それぞれにおける検出操舵角の出現頻度を求める
手段と、検出操舵角と検出操舵トルクとの相関関係を求
める手段と、その頻度と相関関係と予め定めた複数種類
の操舵補助力発生用アクチュエータの制御パターンとの
関係を記憶する手段と、その求めた頻度と相関関係に応
じて自動的に制御パターンを選択する手段とを設けるこ
とで、自動的に適正な操舵フィーリングを得られる制御
パターンでアクチュエータを制御するようにしてもよ
い。その頻度と相関関係と予め定めた複数種類の操舵補
助力発生用アクチュエータの制御パターンとの関係は、
マップの形式で記憶してもよいし、演算式の形式で記憶
してもよい。また、その頻度と相関関係は、予め定めた
サンプル数だけ操舵角、操舵トルク、車速を検出した後
に演算するようにしてもよいし、通常制御モードとは別
に学習モードにモードを切り替え可能とし、その学習モ
ードでは操舵角、操舵トルク、車速のサンプリンのみを
行い、アクチュエータの制御は初期設定で行うように
し、通常制御モードへの切り替えにより頻度と相関関係
を求めて制御パターンを選択するようにしてもよい。な
お、その頻度と相関関係の中の何れか一方のみを制御パ
ターンの選択基準に用いてもよい。さらに、そのような
頻度や相関関係とは別のドライバーの操舵特性を検出
し、そのような頻度や相関関係と共に、あるいは代え
て、制御パターンの選択基準として用いてもよい。その
ような別のドライバーの操舵特性としては、例えば、あ
る車速域での、ある操舵角範囲での操舵の後に、操舵角
を増大させる所謂送りハンドルと操舵角を減少させる巻
き込みハンドルの何れを行うかを検出する。
【0033】路面状況等の環境の変化によって操舵補助
力発生用アクチュエータの制御特性が変化することなく
安定化するように、ドライバーによるステアリングホイ
ールの操舵入力特性を求めるための操舵角や操舵トルク
等の検出手段と、車両挙動に対応する車速、舵角、ヨー
レート等の検出手段等を備え、その検出値から求めたド
ライバーの操舵入力特性や車両挙動に応じてアクチュエ
ータをフィードバックするのが好ましい。
【0034】また、車両の直進安定性や、コーナリング
走行後の直進走行状態への戻し時における操安性向上の
ために、車両のヨーレート等の目標とする運動状態を推
定的に演算するのに必要な車両データや操舵入力や操舵
反力等を求め、その目標とする車両の運動状態の演算値
と実測値との偏差に応じて、操舵補助力発生用アクチュ
エータをフィードバック制御するのが好ましい。
【0035】また、操舵系の経時変化やサスペンション
の特性変化などを初期データと比較し、一定に保つよう
に操舵補助力発生用アクチュエータを制御するようにす
るのが好ましい。
【0036】さらに、操舵系の経年変化による舵角中点
のズレ保証のため、舵角の検出手段と、操舵トルクの検
出手段と、その検出舵角が予め設定した閾値以下か否か
を判断する手段と、その検出した操舵トルクが予め設定
した閾値以下か否かを判断する手段と、その検出舵角が
閾値以下で且つ検出操舵トルクが閾値以下の回数の累積
値を演算する手段と、その累積値が予め設定した閾値以
上か否かを判断する手段と、その累積値が予め設定した
閾値以上である場合に、その検出舵角が閾値以下で且つ
検出操舵トルクが閾値以下の時の検出舵角が零となるよ
うに、その舵角の検出値を補正する手段とを設けるよう
にしてもよい。その検出舵角と検出操舵トルクの閾値
は、その閾値以下であれば直進操舵状態であると見做せ
る値に設定する。その累積値の閾値は、その閾値以上で
あれば舵角中点のズレが生じていると判断できる値に設
定する。図8は、その舵角中点のズレ補正のための制御
手順を示すフローチャートで、まず、操舵トルクTh、
舵角δの検出データを読み込み(ステップ1)、検出操
舵トルクThが閾値A以下か否かを判断し(ステップ
2)、閾値A以下でなければステップ1に戻り、閾値A
以下であれば検出舵角δが閾値B以下か否かを判断し
(ステップ3)、閾値B以下でなければステップ1に戻
り、閾値B以下であれば初期値が零の累積値nに1を加
え(ステップ4)、その累積値nが閾値N以上か否かを
判断し(ステップ5)、閾値N以上でなければステップ
1に戻り、閾値N以上であれば、その時点での検出舵角
δが零となるように、その舵角の検出値を補正し(ステ
ップ6)、制御を終了するか否かを判断し(ステップ
7)、終了しない場合はステップ1に戻る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両用操舵装置の構成説明
【図2】本発明の実施形態の車両用操舵装置における操
舵トルクの変化に対する操舵角の変化を示す図
【図3】本発明の実施形態の車両用操舵装置における時
間と操舵角との関係の一例を示す図
【図4】本発明の実施形態の車両用操舵装置における制
御装置による操舵補助力発生用アクチュエータの制御ブ
ロック線図
【図5】本発明の実施形態の車両用操舵装置における制
御装置による操舵補助力発生用アクチュエータの制御手
順を示すフローチャート
【図6】従来の車両用操舵装置における制御装置による
操舵補助力発生用アクチュエータの制御ブロック線図
【図7】比較例の車両用操舵装置における制御装置によ
る操舵補助力発生用アクチュエータの制御ブロック線図
【図8】舵角中点のズレ補正のための制御手順を示すフ
ローチャート
【符号の説明】
4 トルクセンサ 10 角度センサ 15 制御装置 H ステアリングホイール M 操舵補助力発生用アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嘉田 友保 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式 会社内 (72)発明者 高松 孝修 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式 会社内 (72)発明者 瀬川 雅也 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式 会社内 (72)発明者 葉山 良平 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式 会社内 Fターム(参考) 3D032 CC48 DA03 DA15 DA23 DB13 DC08 DC22 DD01 DD07 EA01 EC23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイールの操舵力の変化に応
    じて操舵補助力が変化するように、操舵補助力発生用ア
    クチュエータを制御装置により制御する車両用操舵装置
    において、そのステアリングホイールの操舵力に対応す
    る値を時系列に検出する手段と、そのステアリングホイ
    ールの操舵角に対応する値を時系列に検出する手段と、
    その操舵力の変化に対する操舵角の変化のヒステリシス
    の程度を求める手段と、そのステアリングホイールの操
    舵周期に対応する操舵特性値を求める手段と、そのヒス
    テリシスの程度と、その操舵特性値と、その制御装置に
    よる前記アクチュエータの制御ゲインとの予め定めた関
    係を記憶する手段と、その求めたヒステリシスの程度
    と、その求めた操舵特性値と、その記憶した関係とか
    ら、その制御ゲインの値を演算する手段とを備え、その
    演算された値に制御ゲインを設定することにより、その
    操舵力の変化に対する操舵補助力の変化の応答性が補償
    されることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 【請求項2】その検出した操舵力の変化に応じて変化す
    る制御入力値を、その操舵力に対する制御入力値の予め
    求めた伝達関数に基づき演算する手段を備え、その制御
    入力値の変化に応じて操舵補助力が変化するように、前
    記アクチュエータは前記制御装置により制御され、その
    伝達関数は、前記制御ゲインを変数として含むと共に、
    その操舵力の変化に対する操舵補助力の変化の応答性を
    補償可能に定められ、その検出した操舵力に対応する値
    と、演算された値に設定された制御ゲインを含む前記伝
    達関数とから、前記制御入力値が演算される請求項1に
    記載の車両用操舵装置。
  3. 【請求項3】前記ヒステリシスの程度として、その操舵
    力の方向が変化する時点の操舵角の絶対値に対応するヒ
    ステリシス幅が求められ、前記伝達関数は、ラプラス変
    換式で表した時、ラプラス変数の次数が2次以上とされ
    ると共に、第1の制御ゲインを係数とする2次のラプラ
    ス変数の項と、第2の制御ゲインを係数とする1次のラ
    プラス変数の項と、第3の制御ゲインの項とを有する多
    項式とされる請求項2に記載の車両用操舵装置。
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