JP2007112366A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Masahiro Kubota
正博 久保田
Hiroshi Mori
宏 毛利
Ryota Shirato
良太 白土
Nami Horiguchi
奈美 堀口
Hiroki Shiozawa
裕樹 塩澤
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Abstract

【課題】 路面インフォメーションの伝達を妨げることなく、サスペンションの左右差やタイヤのコニシティにより発生する定常外乱を高精度に推定し補償することができるパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 操舵系に加わる操舵力を検出するトルクセンサ4と、操舵力に応じて操舵系に操舵アシスト力を付与するモータ5と、を有するパワーステアリング装置において、設定された統計処理時間内の操舵トルクに基づいて、操舵系に操舵トルクとして伝達される外乱量を推定する外乱推定手段(平均値算出部114)と、推定外乱量に基づいて外乱補償量を算出し、外乱を補償する外乱補償手段(1次遅れフィルタ115,加算器116)と、を備え、外乱推定手段は、車両の走行距離または走行時間が長いほど、統計処理時間を増加させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操舵力に応じて操舵系に操舵アシスト力を付与するパワーステアリング装置の技術分野に属する。
従来のパワーステアリング装置は、外乱の有無を判断し、推定外乱に応じて操舵アシスト力を制御している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-1923号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、補償すべき外乱が、サスペンションの左右差や、タイヤのコニシティ等により発生する車両の片流れを引き起こす定常外乱である場合は、その外乱によって発生する車両挙動が従来例で問題にしている指定外乱よりもはるかに小さい値なため、検知が非常に困難であるという問題があった。
また、横風、路面カントや悪路走行の入力等を動的外乱として推定し、それら外乱分を補償するため、横風、路面カントや悪路等の路面からの入力は、周波数や入力レベルが一定ではなく、様々な周波数かつ様々な入力レベルとなる。加えて、コンピュータの処理能力限界による高周波外乱の誤推定、センサ応答性やノイズによる推定の遅れや補償の遅れが発生する。その結果、ドライバの入力と干渉し制御が不安定となる可能性がある。
さらに、本来ドライバへ伝達すべき路面インフォメーションも周波数が特性されておらず、不用意に横風や路面カントや悪路等の路面入力を補償した場合に、必要な路面インフォメーションが伝わらず、ドライバに違和感を与えるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、路面インフォメーションの伝達を妨げることなく、サスペンションの左右差やタイヤのコニシティにより発生する定常外乱を高精度に推定し補償することができるパワーステアリング装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
操舵系に加わる操舵力を検出する操舵力検出手段と、
前記操舵力に応じて操舵系に操舵アシスト力を付与するアシストアクチュエータと、
を有するパワーステアリング装置において、
設定された統計処理時間内の前記操舵力に基づいて、前記操舵系に操舵力として伝達される外乱量を推定する外乱推定手段と、
前記推定外乱量に基づいて外乱補償量を算出し、外乱を補償する外乱補償手段と、
を備え、
前記外乱推定手段は、車両の走行距離または走行時間が長いほど、前記統計処理時間を増加させることを特徴とする。
本発明にあっては、統計処理時間内の操舵力からドライバへ操舵力として伝達される操舵系への外乱量を推定し、この推定外乱量に基づいて外乱を補償する。問題としているサスペンションの左右差やタイヤのコニシティにより発生する定常外乱は、メカニカルな外乱であるため、外乱量は製造直後が大きく、時間の経過と共に減少し、やがて一定の値となる。この外乱を、統計処理時間のデータとして蓄積し、例えば、統計処理することで平均値または中央値を外乱と推定する。
ここで、統計処理時間を一定で長くした場合には、外乱変化が大きいタイヤ交換直後や整備直後の初期において、真値と推定値との差が大きくなるため、外乱補償が十分にできないことになる。本発明では、データを蓄積する統計処理時間を、走行距離または時間の経過に応じて長くすることにより、外乱変化が大きい場合でも外乱変化に追従して外乱を推定することができ、より外乱の真値と推定値との差を小さくして外乱の影響を補償する確実性を向上させることができる。また、外乱変化が小さい安定期には、長い統計処理時間により定常外乱以外の外乱(横風や段差乗り越え等)の影響を小さくすることができる。
この結果、路面インフォメーションの伝達を妨げることなく、サスペンションの左右差やタイヤのコニシティにより発生する定常外乱を高精度に推定し補償することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の電動パワーステアリング装置の構成図である。
ドライバの舵取り操作用のステアリングホイール1と、舵取り動作を行う舵取り機構2とを連結する操舵軸3に、ステアリングホイール1に加わる操舵トルク(操舵力)を検出するトルクセンサ(操舵力検出手段)4と、ドライバの操舵力を補助するモータ(アシストアクチュエータ)5とが配置されている。
ステアリングホイール1は、図示しない車室内部のドライバと対向する位置に、軸周りに回動可能に設けられている。舵取り機構2は、操舵軸3の下端に一体形成されたピニオン6と、これに噛合するラック軸7とを備えるラック&ピニオン式の舵取り装置により構成されている。ラック軸7は、図示しない車両前部に、左右方向摺動可能に固定されており、その両端は、左右のタイロッド8,9を介して操向用の前輪(操向輪)10,11に連結されている。
モータ5は、モータ5の発生トルクを操舵軸3の回転トルクに変換する減速器12を介して、操舵軸3に結合されている。このモータ5に供給されるモータ電流は、コントローラ13により制御されている。コントローラ13には、バッテリ18が接続され、モータ5を駆動する電力源になるだけでなく、電子回路等を作動させる電力源となっている。また、コントローラ13には、モータ5の回転角を測定するエンコーダ14、車速センサ15、ヨーレートセンサ16およびオドメータ(総走行距離計)17の各信号が入力され、後述するアシスト制御に使用される。
コントローラ13は、各入力信号に基づいてモータ5の駆動電流を算出し、算出した駆動電流を内蔵するモータ電流センサ106(図2)によりモータ電流とモータ角度を参照しつつモータ5を駆動し、ドライバの操舵力を補助するアシスト制御を実施する。
続いて、図2の制御ブロック図を用いて実施例1の制御系を説明する。
目標トルク演算部101では、操舵トルクに略比例したアシストを発生させてドライバの操舵負荷を低減させる静アシスト部と、モータ5の慣性補償をする慣性補償アシスト部、操舵系のダンピングを確保するダンピングアシスト部、ステアリングホイール1の戻りを改善するステアリングホイール戻りアシスト等から構成される基本アシストトルクの算出が行われる(STEP101)。また、基本アシストトルクは車速に応じて変更される。
目標電流演算部102では、基本アシストトルクをモータ5へ流す電流指令値に換算し(STEP102)、制御電圧演算部103では、電流指令値からモータPWM制御におけるモータ印加電圧指令値を求める(STEP103)。駆動回路104は、印加電圧指令値に基づいてFET等のスイッチング素子をON/OFFし(STEP104)、モータ5へ電流が供給される(STEP105)。モータ5へ流れる電流は、電流センサ106により検知される電流信号が電流サーボへフィードバックされ、電流値の安定化を図るのが一般的である(STEP106)。
中立判定部107は、エンコーダ信号(モータ角度)からステアリングホイール角へ換算した値θがゼロ付近の所定角度αよりも小さいか否かに基づき、ステアリングホイール1が中立付近であるか否かを判定する(STEP107)。直進判定部108は、ヨーレートγがゼロ付近の所定値βよりも小さいか否かに基づき、実際に発生している車両挙動が直進状態であるか否かを判定する(STEP108)。
フラグ設定部(直進状態検出手段)109は、STEP107とSTEP108にてステアリングホイール角が中立付近で、かつ、ヨーレートがゼロ付近である場合に、記録FLGを1とし、ステアリングホイール角が中立以外で、かつヨーレートが所定値以上である場合には、直進走行ではないと判断し、記録FLGをゼロとする(STEP109)。操舵トルク記憶部110は、記録FLGが1になった場合に、操舵トルク信号を記録する(STEP110)。
処理時間算出部111は、走行距離の信号であるオドメータ信号から、走行距離が長くなるほど増加する特性を持つマップを参照して統計処理時間を算出する(STEP111)。タイマー112は、タイマー信号を出力する(STEP112)。比較部113は、タイマー信号と統計処理時間とを比較し、統計処理時間分タイマーが経過した(統計処理時間<タイマー)瞬間に平均値算出FLGを1とし、それ以外の場合は、平均値算出FLGをゼロとする(STEP113)。タイマー112は、平均値算出FLGが1になったときリセットされて0となり、再度時間の計測を開始する。
平均値算出部(外乱推定手段)114は、平均値算出FLGが1になったとき、STEP110にて記録された操舵トルクの統計処理時間分蓄積された操舵トルクについて平均値処理を施し(STEP114)、外乱推定値(推定外乱量)を算出する。操舵トルクとヨーレートとの関係は、図3に示すように、外乱が無い場合は、原点を通る所定の関係となるが、外乱がある場合には、外乱方向へオフセットした関係になる。操舵角と操舵トルクとの関係も同様なので説明は割愛する。従って、操舵角がゼロ付近、かつヨーレートがゼロ付近の操舵トルクの分布図は、図4の通りとなる。すなわち、外乱が無い場合は、操舵トルクがゼロでピークを持つ分布となるが、外乱がある場合は、その外乱分だけピークがずれることになる。そこで、統計処理時間において、直進時の操舵トルクを統計処理することにより、外乱の算出が可能である。なお、実施例1では、統計処理を平均値としているが、中央値を使用してもよいし、他の推定法を用いてもよい。
1次遅れフィルタ115は、上述した外乱の推定値を、所定の変化率となるように、例えば、1次のローパスフィルタを通して補正量(外乱補償量)とする(STEP115)。加算器116は、算出された補正量を基本アシストトルクに加算し、アシストトルク(操舵アシスト力)を補正する(STEP116)。1次遅れフィルタ115と加算器116により、外乱を補償する外乱補償手段が構成される。
次に、作用を説明する。
[アシスト制御作用]
コントローラ13において、中立判定部107で中立と判定され、かつ直進判定部108で直進状態と判定されたとき、操舵トルク記憶部110により操舵トルクが記憶される。平均値算出部114では、タイマー112のタイマー信号が処理時間算出部111で算出された統計処理時間を超えたとき、操舵トルク記憶部110に蓄積された操舵トルクの平均値処理が施され、外乱推定値が算出される。算出された外乱推定値は、1次遅れフィルタ115のローパスフィルタを通過して所定の変化率に修正された後、外乱補正量として基本アシストトルクに加算される。
このとき、処理時間算出部111では、走行距離が長いほど統計処理時間が長くなるように設定されているため、平均値算出部114では、走行距離が長くなるほどより長い時間の操舵トルクから平均値処理が施され、外乱推定値が算出される。
[統計処理時間に応じた外乱補償作用]
サスペンションの左右差やタイヤのコニシティにより発生する定常外乱は、メカニカルな外乱であるため、図5に示すように外乱量は製造直後が大きく、時間の経過とともに減少し、やがて一定の値となる。
ここで、「コニシティ(conicity)」とは、ラテラル・フォースデビエーションの成分の1つで、タイヤを転がしたとき回転方向に関係なく一方向に発生する力を言う。また、「ラテラル・フォースデビエーション(lateral force deviation)」とは、タイヤを車軸と路面との間の距離を一定にして転がしたとき接地面に発生する力のうち、横向きの成分の平均値を言う。ラテラル・フォースデビエーションは、コニシティとベルトの最も外側のプライの方向と角度の影響を受けて発生することのあるプライステアとの合力で、車両の直進性に影響を与える。
実施例1では、このコニシティにより発生する外乱を、統計処理時間のデータとして蓄積し、例えば、統計処理することで平均値または中央値を外乱と推定する。ここで、統計処理時間を十分長い一定時間とした場合には、外乱変化が大きい初期において、真値と推定値との差が大きく、外乱補償が十分にできないことになる(図6)。
これに対し、実施例1では、走行距離に応じて統計処理する統計処理時間を長くすることで、外乱変化が大きい初期において、外乱変化に追従した外乱推定を行うことが可能である。また、外乱変化が小さい安定期には、横風や段差乗り越え等、定常外乱以外の他外乱の影響を小さくすることができる。すなわち、走行距離にかかわらず、より真値と推定値との差を小さくすることができ、外乱の影響をより確実に補償することができる(図7)。
[操舵力変動抑制作用]
また、実施例1では、1次遅れフィルタ115により、補正量の変化速度を、統計処理時間や前回推定値と今回推定値との差にかかわらず、常に一定としている。図8に示すように、統計処理する期間が長いほど、算出された推定値とその瞬間の真値との差は大きくなる。ここで、単純に統計処理後の推定値を補正量とした場合には、その差に応じた反力変動がドライバへ伝わることになる。また、前回推定値と今回推定値との差が大きい場合も同様である。実施例1では、統計処理する時間や、前回推定値と今回推定値との差に関係なく補正量変化を一定にすることにより、外乱補償時におけるドライバへの反力変動の伝達を抑制することができる(図9)。
次に、効果を説明する。
実施例1の電動パワーステアリング装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 操舵系に加わる操舵力を検出するトルクセンサ4と、操舵力に応じて操舵系に操舵アシスト力を付与するモータ5と、を有するパワーステアリング装置において、設定された統計処理時間内の操舵トルクに基づいて、操舵系に操舵トルクとして伝達される外乱量を推定する外乱推定手段(平均値算出部114)と、推定外乱量に基づいて外乱補償量を算出し、外乱を補償する外乱補償手段(1次遅れフィルタ115,加算器116)と、を備え、外乱推定手段は、車両の走行距離または走行時間が長いほど、統計処理時間を増加させる。よって、路面インフォメーションの伝達を妨げることなく、サスペンションの左右差やタイヤのコニシティにより発生する定常外乱を高精度に推定し補償することができる。
(2) 車両の直進状態を検出する直進走行検出手段(フラグ設定部109)を備え、外乱推定手段は、直進走行時の操舵トルクに基づいて外乱量を推定するため、直進走行時、外乱無しの場合と外乱有りの場合の操舵トルクのピークを比較することで、定常外乱を精度良く推定することができる。
(3) 外乱補償手段(1次遅れフィルタ115)は、推定外乱量に対する前記外乱補償量の変化率を一定とするため、外乱補償時におけるドライバへの反力変動の伝達を抑制することができる。
実施例2は、補正量の算出方法が実施例1と異なる。なお、全体構成は実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
まず、構成を説明する。
図10は、実施例2の制御ブロック図であり、実施例2では、平均値算出部114で推定された外乱量を1次のローパスフィルタである1次遅れフィルタ215を通して補正量としている(STEP215)。ここで、1次遅れフィルタ215で使用するローパスフィルタのカットオフ周波数は、処理時間算出部111の走行距離から統計処理時間を算出するマップを流用し、走行時間が長くなるほど、カットオフ周波数が長くなるように設定されている。1次遅れフィルタ215と加算器116により、外乱補償手段が構成される。
次に、作用を説明する。
[統計処理時間に応じた補正量変化率低減作用]
実施例2では、走行時間が長くなるほど、カットオフ周波数が長くなる1次のローパスフィルタを持つ1次遅れフィルタ215を用いて補正量を算出しているため、統計処理時間が短くなるほど、カットオフ周波数が小さくなり、補正量の変化率が小さくなる。すなわち、統計処理する統計処理時間に応じて、統計処理時間が長いほど補正量変化を小さくする。
統計処理時間が短い場合には、定常外乱の他に、例えば、横風や段差乗り越え等による外乱が瞬間的に入力されたとき、それらの影響を受け、やはり真値と推定値との差が大きくなる(図11)。一方、統計処理時間が長い場合には、定常外乱の影響は小さくなる(図12)。
これに対し、実施例2では、統計処理時間が短く、定常外乱以外の外乱の影響を受け易い場合は、補正量の変化を小さくし、次推定を行い新たな補正量を算出する期間で、補正量が定常外乱以外の外乱の影響による誤った推定値にならないようにゆっくりと変化させることで、定常外乱以外の外乱の影響を小さくすることが可能となる。
図13は、実施例2の定常外乱以外の外乱の影響を抑制する効果を示す図であり、期間長(統計処理時間が長い)場合の補正量の変化率は大きいが、期間短(統計処理時間が短い)場合の補正量の変化率は小さくなっている。これにより、次のステップ(次推定を行い新たな補正量を算出するステップ)に至るまでの間に、真値と補正量との差が大きくなるのを抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の電動パワーステアリング装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果が得られる。
(4) 外乱補償手段(1次遅れフィルタ215)は、統計処理時間が長いほど、変化率を小さくするため、定常外乱以外の外乱の影響を抑制でき、次回の外乱推定値と真値との乖離を小さく抑えることができる。
実施例3は、実施例2に対し、補正量を算出するローパスフィルタのカットオフ周波数を異ならせた例である。なお、全体構成は実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
まず、構成を説明する。
図14は、実施例3の制御ブロック図である。
前回値記録部(推定外乱量記憶手段)317は、平均値算出部114から出力される推定値を記録する(STEP317)。差算出部(外乱変化量算出手段)318は、新たに推定値が算出されたとき、前回値記録部317に記録された前回の推定値と今回の推定値との差(外乱変化量)を算出する(STEP318)。
カットオフ周波数設定部319は、差算出部318により算出された差に応じて、カットオフ周波数マップを参照し1次遅れフィルタ315のカットオフ周波数を設定する(STEP319)。カットオフ周波数は、推定値の前回値と今回値との差が大きいほど大きくなるように設定されている。1次遅れフィルタ315と加算器116により外乱補償手段が構成される。
次に、作用を説明する。
[外乱推定値変化量に応じた補正量変化率低減作用]
実施例3では、前回の推定値と今回の推定値との差が大きいほど、補正量の変化速度を小さくしているため、実施例2と同様に、補正量が定常外乱以外の外乱の影響による誤った推定値とならないようにゆっくりと変化させることで、定常外乱以外の外乱の影響を小さくするすることが可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例3の電動パワーステアリング装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果が得られる。
(5) 推定外乱量を記憶する推定外乱量記憶手段(前回値記録部317)と、記憶された前回の推定外乱量と今回の推定外乱量との差である外乱変化量を算出する外乱変化量算出手段(差算出部318)と、を備え、外乱補償手段(1次遅れフィルタ315)は、外乱変化量が大きいほど、変化率を小さくする。よって、定常外乱以外の外乱の影響を抑制して次回の外乱推定値と真値とが乖離するのを抑制できる。
実施例4は、実施例1に対し、統計処理時間算出方法を異ならせた例である。なお、全体構成は実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
まず、構成を説明する。
図15は、実施例4の制御ブロック図である。
外部スイッチ(SW)(車両整備検出手段)420は、車両整備時等にタイヤ交換、サスペンション交換、ステアリング系整備が行われたとき、自動的にONとなり、リセット信号を出力する(STEP420)。
処理時間算出部411は、オドメータ信号から走行距離に応じて増加する特性を持つマップを参照して統計処理時間を算出するが、外部SW420からリセット信号が入力された場合には、走行距離をリセットし、統計処理時間を初期化する(STEP411)。
次に、作用を説明する。
[車両整備時の統計処理時間リセット作用]
実施例4では、処理時間算出部411において、タイヤ交換、サスペンション交換、ステアリング系整備が行われたとき、自動的に走行距離がリセットされ、統計処理時間が初期化される。
例えば、オドメータ信号のみで統計処理時間を設定する場合、タイヤ交換がなされた後も統計処理時間は初期化されないため、タイヤが初期状態で外乱量が大きいにもかかわらず統計処理時間は長く設定され、外乱変化に追従した外乱推定を行うことができず、定常外乱の推定精度が低下する。
これに対し、実施例4では、タイヤ交換時は自動的に統計処理時間がリセットされるため、タイヤ交換がなされた場合でも外乱変化に追従した外乱推定を行うことができ、外乱補償の確実性を向上させることができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の電動パワーステアリング装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下に列挙する効果が得られる。
(6) 車両整備の有無を検出する外部SW420を備え、外乱推定手段(平均値算出部114)は、車両整備が行われたとき、統計処理時間をリセットするため、車両整備によりタイヤやサスペンションが初期状態となった可能性がある場合には、統計処理時間をリセットすることで、外乱変化に追従した外乱推定を行うことができる。
(7) 外部SW420は、タイヤ交換、サスペンション交換、ステアリング系整備を検出するため、外乱変化が大きくなるタイヤ交換直後やサスペンション交換直後には、統計処理時間を確実にリセットすることができ、外乱補償の確実性を向上させることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜4に限定されるものではなく、例えば、実施例では、統計処理時間をオドメータ信号から算出しているが、例えば、キーON時間の積算値等で代替してもよい。
また、実施例では、直進判断にステアリングホイール角とヨーレートを用いているが、車両挙動の直進の判断ができればよく、どちらか一方のみを用いてもよいし、横Gや車輪速等を用いてもよいことはいうまでもない。
さらに、補正量の変化率を1次のローパスフィルタを用いて規定しているが、レートリミッター等で実現してもよい。
実施例2では、補正量を算出するためにマップを流用しているが、走行距離に応じた別のカットオフ周波数マップを用いてもよいし、走行距離ではなく、直接、統計処理時間に応じたマップとしてもよい。
実施例4において、タイヤ交換等を検出する外部スイッチは、車両整備時やドライバが外乱を感じた場合に手動でON/OFFできるようにしてもよい。
実施例1の電動パワーステアリング装置の構成図である。 実施例1の制御ブロック図である。 外乱有りと外乱無しの操舵トルクに対する発生ヨーレートを示す図である。 外乱有りと外乱無しの操舵トルク分布を示す図である。 定常外乱の時系列推移を示す図である。 統計処理時間が長い場合の、定常外乱推定の傾向を示す図である。 実施例1の走行距離に応じた統計処理時間による外乱補償作用を示す図である。 統計処理時間に応じた推定値と真値との差の概念図である。 実施例1の操舵力変動抑制作用を示す図である。 実施例2の制御ブロック図である。 統計処理時間が短い場合の、定常外乱以外の外乱の影響を示す図である。 統計処理時間が長い場合の、定常外乱以外の外乱の影響を示す図である。 実施例2の定常外乱以外の外乱の影響を抑制する効果を示す図である。 実施例3の制御ブロック図である。 実施例4の制御ブロック図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 舵取り機構
3 操舵軸
4 トルクセンサ(操舵力検出手段)
5 モータ(アシストアクチュエータ)
6 ピニオン
7 ラック軸
8,9 タイロッド
10,11 前輪(操向輪)
12 減速器
13 コントローラ
14 エンコーダ
15 車速センサ
16 ヨーレートセンサ
17 オドメータ
18 バッテリ
101 目標トルク演算部
102 目標電流演算部
103 制御電圧演算部
104 駆動回路
106 電流センサ
107 中立判定部
108 直進判定部
109 フラグ設定部
110 操舵トルク記憶部
111 処理時間算出部
112 タイマー
113 比較部
114 平均値算出部
115 1次遅れフィルタ
116 加算器

Claims (8)

  1. 操舵系に加わる操舵力を検出する操舵力検出手段と、
    前記操舵力に応じて操舵系に操舵アシスト力を付与するアシストアクチュエータと、
    を有するパワーステアリング装置において、
    設定された統計処理時間内の前記操舵力に基づいて、前記操舵系に操舵力として伝達される外乱量を推定する外乱推定手段と、
    前記推定外乱量に基づいて外乱補償量を算出し、外乱を補償する外乱補償手段と、
    を備え、
    前記外乱推定手段は、車両の走行距離または走行時間が長いほど、前記統計処理時間を増加させることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    車両の直進走行を検出する直進走行検出手段を備え、
    前記外乱推定手段は、直進走行時の操舵力に基づいて前記外乱量を推定することを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
    前記外乱補償手段は、前記推定外乱量に対する前記外乱補償量の変化率を一定とすることを特徴とするパワーステアリング装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
    前記外乱補償手段は、前記統計処理時間が長いほど、前記変化率を小さくすることを特徴とするパワーステアリング装置。
    前記外乱補償
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置において、
    前記推定外乱量を記憶する推定外乱量記憶手段と、
    記憶された前回の推定外乱量と今回の推定外乱量との差である外乱変化量を算出する外乱変化量算出手段と、
    を備え、
    前記外乱補償手段は、前記外乱変化量が大きいほど、前記変化率を小さくすることを特徴とするパワーステアリング装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のパワーステアリング装置において、
    車両整備の有無を検出する車両整備検出手段を備え、
    前記外乱推定手段は、車両整備が行われたとき、前記統計処理時間をリセットすることを特徴とするパワーステアリング装置。
  7. 請求項6に記載のパワーステアリング装置において、
    前記車両整備検出手段は、タイヤ交換、サスペンション交換、ステアリング系整備の少なくとも1つが行われたか否かを検出することを特徴とするパワーステアリング装置。
  8. ドライバの操舵力に応じて操舵系に操舵アシスト力を付与するパワーステアリング装置の外乱補償方法であって、
    設定された統計処理時間内の前記操舵力に基づいて、前記操舵系に操舵力として伝達される外乱量を推定する第1ステップと、
    前記推定外乱量に基づいて外乱補償量を算出し、外乱を補償する第2ステップと、
    を備え、
    前記第1ステップでは、車両の走行距離または走行時間が長いほど、前記統計処理時間を増加させることを特徴とするパワーステアリング装置の外乱補償方法。
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