JP2015037932A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、後記する実施の形態では、片流れ対応制御部は、トルク積算値が所定の閾値を超える場合に片流れ対応制御を行わせる例をあげて説明する。
こうした背景から、本発明に係る車両用操舵装置(7)は、前記車両用操舵装置(1)であって、前記片流れ対応制御部は、前記車両の定速走行制御を行うクルーズコントロール処理部が処理中の場合に、前記片流れ対応制御を行わせることを特徴とする。
なお、片流れ対応制御に係る制御量を減少させるとは、片流れ対応制御を停止させることを含む概念である(以下、同様)。
[第1実施形態]
(全体構成)
EPS_ECU1には、舵角センサ41、操舵トルクセンサ42、ヨーレートセンサ43、及び、車輪速センサ44を含む各種センサ4、並びに、クルーズコントロールスイッチSWが接続されている。
操舵トルクセンサ(図1では“トルクセンサ”と表記)42は、本発明の““操舵トルク検出部”に相当する部材である。操舵トルクセンサ42は、運転者が操向ハンドルHを介して入力する操舵トルク(手動操舵力)を検出する。
ヨーレートセンサ43は、車両Cのヨーレート(旋回角度)を検出する。
車輪速センサ44は、車輪Wの回転速度を車輪速パルス信号として検出する部材である。図1では、車輪速センサ44を1つの車輪Wにのみ記載しているが、実際には4つの車輪Wのそれぞれに備えられている。
ちなみに、車速は、4つの車輪Wのそれぞれに備えられている車輪速センサ44の検出値の平均をとるか、又は従動輪となる2つの車輪Wに備えられている車輪速センサ44の検出値の平均をとることで算出すればよい。
CCスイッチSWは、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作などの所定の条件を充足すると解除(オフ)される。
図2は、図1の車両CにおけるEPS_ECU1及びFI_ECU2の概略構成と、両者の連携した関係を表すブロック図である。
(EPS_ECU1)
ゼロ電流値出力部13は、加算器16に供給するゼロ電流値を、後段の切替器14に出力する機能を有する。
このように構成すれば、過大な片流れ対応目標電流値に基づく、本来の移動量を超えた中点の移動を伴う片流れ対応制御を抑制して、保舵力の制御を適切に行うことができる。
(FI_ECU)
次に、保舵支援制御部12の詳細を、その内部構成を示すブロック図である図3を主に参照して説明する。
図3に示すように、保舵支援制御部12は、中点移動制御部120、減算部121、保舵支援電流値設定部122、ローパスフィルタ(LPF)123、第1レシオ出力部124、乗算部125、ダンパ電流値設定部126、第2レシオ出力部127、乗算部128、加算部129などを備える。
また、前記とは逆に、ローパスフィルタ123のカットオフ周波数を、比較的高く設定すると、今度は、舵角信号に含まれる高周波雑音の除去が不十分となって、平坦路の直進走行時であっても、本来不要な場面で片流れ対応制御が行われるなど、片流れ対応制御の信頼性が損なわれてしまう。
このように構成すれば、片流れ対応制御の信頼性及び応答性を両立させることができる。また、ローパスフィルタ123のカットオフ周波数を設定する際の自由度を確保する効果を期待することもできる。
次に、中点移動制御部120の内部構成について、主として図4を参照して説明する。図4は、中点移動制御部120の内部構成を表すブロック図である。
図4に示すように、中点移動制御部120は、ローパスフィルタ(LPF)1201、トルク換算部1202、加算トルク算出部1203、中点移動キャンセル判定部1204、積算部1205、中点舵角移動量設定部1206などを備えている。
(動作)
[平坦な直線路]
図5Bに示すように、幅方向に沿って傾斜した道路であるカント路では、車両Cに対し重力による片流れ現象が生じる。図5Bに示すような左下がりに傾斜したカント路では、車両Cに左側に向かう片流れ現象が生じる。この片流れ現象に対抗するために、運転者は、操向ハンドルHを右方向に傾けた舵角状態を維持する保舵操作を行うことになる。
図5Cに示すように、図5Bと同じカント路でも、EPS_ECU1の片流れ対応制御がオン状態の場合は、図3に示す保舵支援制御部12の中点移動制御部120が中点を移動させる制御を行う。図2に示すEPS_ECU1において、加算器16は、図3に示す保舵支援制御部12が出力する移動後の中点に基づく片流れ対応の目標電流値を、EPS制御部11が出力する目標電流値に加算する。その後、図2に示す電動機駆動部17は、電動機3へ供給する実電流を生成する。
保舵支援制御部12は、カント路や横風などの外力(運転者の唐突な軽い力による操舵)の影響を受けたとしても、運転者による操向ハンドルHの保舵位置(中点舵角)がぶれないように支援する駆動電流を電動機3に供給する制御を行う。
次に、走行中の車両Cに搭載された、第1実施形態に係る車両用操舵装置Sの動作について、図7Aを参照して説明する。
図7Aは、本第1実施形態でのCC処理と片流れ対応制御との連携を概略的に示すフローチャートである。
保舵支援制御(片流れ対応制御)がオン状態にある旨の表示を、インスツルメントパネルに設けた表示器に表示する構成を採用してもよい。
なお、CC処理中である旨の判定が下されるのは、CCスイッチSWが運転者によりオン操作されている場合である。
保舵支援制御(片流れ対応制御)がオフ状態にある旨の表示を、インスツルメントパネルに設けた表示器に表示する構成を採用してもよい。
次に、走行中の車両Cに搭載された、第1実施形態に係る車両用操舵装置Sの動作について、時系列を追って説明する。
図7B(a)は、CCスイッチ位置の時間推移を表すタイムチャートである。図7B(b)は、操向ハンドルHに係る実舵角の時間推移を表すタイムチャートである。図7B(c)は、時刻t2の時点での舵角θを初期値とした片流れ対応舵角の時間推移を表すタイムチャートである。図7B(d)は、時刻t2の時点での舵角ゼロを初期値とした片流れ対応舵角の時間推移を模式的に示す片流れ対応制御のタイムチャートである。
次に、車両Cの旋回走行中に、CCスイッチSWがオン操作された場合を考える。車両Cの旋回走行中では、操舵トルク及びヨーレートが大きく、かつ、トルク加算値も大きくなる。
仮に、図7B(a)〜(d)に示す時刻t2において、運転者がCCスイッチSWをオン操作したとする。すると、片流れ対応目標電流値を加味した目標電流値を用いて、電動機駆動部17が電動機3を駆動する。これにより、中点移動が行われる。
本発明の第1実施形態に係る車両用操舵装置Sによれば、CCスイッチSWのオンオフ状態と連携して、従来の電動パワーステアリング装置では適切な走行支援を行うことが難しかったカント路走行時や横風走行時など、車両Cに片流れ現象を生じさせる外力が生じている状況でも、片流れ対応制御を用いた適切な保舵支援を行うことができる。その結果、運転者の肉体的な負担を大幅に軽減することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用操舵装置について、図8A,図8Bを参照して説明する。
図8Aは、本発明の第2実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を表すブロック図である。図8Bは、第2実施形態に係る保舵支援電流値設定部に設定される舵角に対する電流値の関係情報を調整することで片流れ対応制御に係る制御量を増大させる例を表す説明図である。図8Bに示すグラフの横軸(舵角)のうち、+の値は右側への舵角、−の値は左側への舵角をそれぞれ表す。
図8Aに示す第2実施形態に係る車両用操舵装置は、図2に示す第1実施形態に係る車両用操舵装置に対応するものである。第1及び第2実施形態の両者間において、共通の部材には共通の符号を付し、その重複した説明を省略する。
第1の実施例では、図8Bに示すように、図3に示す保舵支援電流値設定部122における舵角に対する電流値(ベース電流値;絶対値)の関係情報に係る特性を、実線で示す基準特性から破線で示す支援特性へとその応答性を鋭敏にするようにする。図8Bに示す特性では、中点舵角(舵角ゼロ)を挟んで左右に均等に延びる舵角範囲の電流値は、原点を通る線形な傾き特性を示し、前記を外れる舵角範囲の電流値は、所定値を呈する特性を示す。これは、基準特性及び支援特性ともに同じである。
第2の実施例では、図4に示す中点舵角移動量設定部1206で設定される片流れ対応舵角値に係る移動量を、初期設定に基づく片流れ対応舵角値(直前の値を含む)に係る移動量と比べて増大させるようにする。
第3の実施例では、図4に示す中点舵角移動量設定部1206で設定される中点移動判定閾値の値を、初期設定に基づく値(直前の値を含む)と比べて低く設定するようにする。
本第2実施形態の変形例では、例えば、車両Cがトンネルを抜け出した直後に強い横風を受けることで、車両Cに唐突な片流れ現象が生じるケースを想定している。
すなわち、本第2実施形態の変形例では、保舵支援制御部12は、車両Cがトンネルを抜け出した直後の片流れ対応制御に係る制御量(片流れ対応目標電流値)を、初期設定に基づく片流れ対応制御に係る制御量(トンネルを抜け出す直前の制御量であってもよい)と比べて増大させる構成を採用することとした。
本第2実施形態の変形例によれば、車両Cがトンネルを抜け出した直後に強い横風を受けるような状況下で車両を直進走行させる際であっても、運転者に与える操舵感の快適性を保持することができる。
前記第2実施形態では、例えば、運転者による操向ハンドルHの保舵力が弱まることに対応して、保舵力が弱まっている際の片流れ対応制御に係る制御量を、保舵力が弱まっていない際の片流れ対応制御に係る制御量と比べて増大する例をあげて説明した。
これに対し、本第3実施形態では、前記第2実施形態とは逆に、片流れ対応制御に係る制御量(片流れ対応目標電流値)を減少させる実施形態について、図9A,図9Bを参照して説明する。
なお、片流れ対応制御に係る制御量を減少させるとは、片流れ対応制御を停止させる概念を含む。
図9Aに示す第3実施形態に係る車両用操舵装置は、図2に示す第1実施形態に係る車両用操舵装置に対応するものである。第1及び第3実施形態の両者間において、共通の部材には共通の符号を付し、その重複した説明を省略する。
低車速時や停車時では、車両Cはカント路の傾斜の影響を比較的受けづらい。そこで、第3実施形態に係る車両用操舵装置では、車輪速センサ44に基づく車速が、例えば、時速10キロなどの基準速度(適宜変更可能)以下の低車速時、又は、車速ゼロの停車時には、片流れ対応制御に係る制御量(片流れ対応目標電流値)を、前記基準速度を超える車速時における片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる(片流れ対応制御それ自体を停止させる概念を含む)ようにする。
第3実施形態に係る車両用操舵装置によれば、車両の片流れ現象が生じる蓋然性の低い車速が所定の閾値未満の場合(低車速時や停車時)における片流れ対応制御に係る稼働率を低減し適正化することができる。
第4の実施例では、図9Bに示すように、図3に示す保舵支援電流値設定部122における舵角に対する電流値(ベース電流値;絶対値)の関係情報に係る特性を、実線で示す基準特性から破線で示す支援特性へとその応答性を鈍らせるようにする。図9Bに示す特性では、中点舵角(舵角ゼロ)を挟んで左右に均等に延びる舵角範囲の電流値は、原点を通る線形な傾き特性を示し、前記を外れる舵角範囲の電流値は、所定値を呈する特性を示す。これは、基準特性及び支援特性ともに同じである。
第5の実施例では、図4に示す中点舵角移動量設定部1206で設定される片流れ対応舵角値に係る移動量を、初期設定に基づく片流れ対応舵角値(直前の値を含む)に係る移動量と比べて低減させるようにする。
第6の実施例では、図4に示す中点舵角移動量設定部1206で設定される中点移動判定閾値の値を、直前の値(例えば初期値)と比べて高く設定するようにする。
また、片流れ対応制御を停止させるに際しては、例えば、切替器14をゼロ電流値出力部13の側に切り替えればよい。
例えば、車両Cが視界不良環境(夜間や霧発生)を走行中の場合、運転者の目視による直進方向の見通しが悪化する。そのため、昼間や霧の発生していない視界良好時であれば、カント路に対応した目標舵角に操向ハンドルHの舵角を即座に適合させられるところ、視界不良時では、操向ハンドルHの操舵精度も悪化する。すると、視界不良時では、修正舵の頻度が増える。
修正舵が増えれば、片流れ対応制御による中点舵角の移動が頻繁に行われる。すると、運転者に対して違和感を与えるおそれがある。
第3実施形態の変形例1に係る車両用操舵装置によれば、車両Cが視界不良環境を走行中の場合であっても、運転者に与える操舵感の快適性を保持する効果を期待することができる。
なお、車両Cが視界不良環境(夜間や霧発生)を走行中か否かは、例えば、ヘッドライトやフォグライトを点滅するためのスイッチのオンオフ情報や、車両Cに搭載された時計の時刻情報などに基づいて適宜検出すればよい。
第3実施形態の変形例2に係る車両用操舵装置では、保舵支援制御部(片流れ対応制御部)12は、前記第4〜第6の実施例を適宜用いて、車両Cが右左折状態にある場合に、片流れ対応制御に係る制御量(片流れ対応目標電流値)を、車両Cが直進状態にある場合の片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる(片流れ対応制御それ自体を停止させる概念を含む)構成を採用してもよい。
第3実施形態の変形例2に係る車両用操舵装置によれば、車両の片流れ現象が生じる蓋然性の低い車両が右左折状態にある場合における片流れ対応制御に係る稼働率を低減し適正化することができる。
なお、車両Cが右左折状態にあるか否かは、例えば、運転者が右左折時に操作するターンスイッチのターン状態データを参照すればよい。
第3実施形態の変形例3に係る車両用操舵装置は、車両の挙動を安定化させる車両挙動安定化制御を行う車両挙動安定化制御部をさらに備える。車両挙動安定化制御部としては、例えば、周知のABS(Anti Brake Lock System)やVSA(Vehicle Stability Assist;登録商標)の技術を適宜採用すればよい。
保舵支援制御部(片流れ対応制御部)12は、前記第4〜第6の実施例を適宜用いて、車両挙動安定化制御が行われている場合に、片流れ対応制御に係る制御量を、車両挙動安定化制御が行われていない場合の片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる(片流れ対応制御それ自体を停止させる概念を含む)構成を採用してもよい。
第3実施形態の変形例4に係る車両用操舵装置は、車両Cの周囲に存する障害物に対する回避動作を支援する回避支援制御を行う回避支援制御部をさらに備える。回避支援制御部としては、例えば、特開2009−255629号公報に開示された接触回避支援装置の機能を適宜採用すればよい。
保舵支援制御部(片流れ対応制御部)12は、前記第4〜第6の実施例を適宜用いて、回避支援制御が行われている場合に、片流れ対応制御に係る制御量を、回避支援制御が行われていない場合の片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる(片流れ対応制御それ自体を停止させる概念を含む)構成を採用してもよい。
第3実施形態の変形例5に係る車両用操舵装置は、車両Cの走行車線の維持を支援する車線維持支援制御を行う車線維持支援制御部をさらに備える。車線維持支援制御部としては、例えば、特開2007−83818公報に開示された運転支援装置の機能を適宜採用すればよい。
保舵支援制御部(片流れ対応制御部)12は、前記第4〜第6の実施例を適宜用いて、車線維持支援制御が行われている場合に、片流れ対応制御に係る制御量を、車線維持支援制御が行われていない場合の片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる(片流れ対応制御それ自体を停止させる概念を含む)構成を採用してもよい。
運転者の疲労時にも、車両Cが視界不良環境(夜間や霧発生)を走行中の場合と同様に、運転者による修正舵の頻度が増える傾向がある。
修正舵が増えれば、片流れ対応制御による中点舵角の移動が頻繁に行われる。すると、運転者に対して違和感を与えるおそれがある。
第3実施形態の変形例6に係る車両用操舵装置によれば、運転者が疲労状態に陥っている場合であっても、運転者に与える操舵感の快適性を保持する効果を期待することができる。
なお、運転者が疲労状態に陥っているか否かは、例えば、舵角センサ41の舵角データを時間微分した値や、操舵トルクセンサ42の操舵トルクデータを時間微分した値などに基づいて、操向ハンドルHのふらつき状態を診断すると共に、こうして診断した操向ハンドルHのふらつき状態を参照して適宜判定すればよい。
前記第1〜第3実施形態に係る車両用操舵装置では、EPS_ECU1は、車両Cの片流れ現象を打ち消すように操向ハンドルHに係る中点舵角(中点)を目標となる片流れ対応舵角値まで所要の量(舵角)だけ移動させる片流れ対応制御の内容を例示して説明した。
これに対し、本第4実施形態に係る車両用操舵装置では、前記第1〜第3実施形態に係る中点移動量に着目した車両用操舵装置の片流れ対応制御の内容に加えて、操向ハンドルHに係る中点舵角(中点)を目標となる片流れ対応舵角値まで所要の量(舵角)だけ移動させる際の中点移動速度に着目した。この中点移動速度を、車速を含む車両Cの走行状態に応じて可変設定する。これにより、本第4実施形態に係る車両用操舵装置では、中点移動による操舵感の快適性及び操舵に係る安定性の確保を両立することができる。
本第4実施形態に係る車両用操舵装置について、図10〜図12を参照して説明する。
中点舵角移動量設定部1206は、図10に示すように、移動量算出部91、移動速度算出部93、及び、中点舵角記憶部95を備えて構成されている。
なお、トルク積算値に対する中点舵角の移動量を関係付けた関係情報を設定するに際しては、実車による実験やシミュレーションなどを通して適切な特性を設定すればよい。
なお、車速に対する出力利得Gを関係付けた関係情報を設定するに際しては、実車による実験やシミュレーションなどを通して適切な特性を設定すればよい。
次に、第4実施形態に係る車両用操舵装置の動作について、操向ハンドルHに係る中点舵角の記憶更新タイミングに着目して、図12を参照して説明する。前提として、操向ハンドルHに係る中点舵角の記憶更新は、直進走行時などの予め定められたタイミングで適宜行われるものとする。
ステップS12において、EPS_ECU1の保舵支援制御部12に含まれる中点舵角移動量設定部1206は、操向ハンドルHに係る中点舵角の記憶更新を禁止する。
第4実施形態に係る車両用操舵装置では、操向ハンドルHに係る中点舵角(中点)を目標となる片流れ対応舵角値まで所要の量(舵角)だけ移動させる際の中点移動速度に着目した。この中点移動速度を、車速を含む車両Cの走行状態に応じて可変設定することとした。
本第4実施形態に係る車両用操舵装置によれば、中点移動による操舵感の快適性及び操舵に係る安定性の確保を両立することができる。
本第4実施形態に係る車両用操舵装置によれば、片流れ対応制御が行われることで中点舵角(中点)が本来の位置からずれている場合に、中点舵角の記憶更新が禁止されるため、誤った中点舵角の記憶が行われる事態を未然に防止して、片流れ対応制御を高い精度をもって行わせることができる。
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
11 EPS制御部
12 保舵支援制御部(片流れ対応制御部)
1205 積算部
1206 中点舵角移動量設定部(片流れ対応制御部)
3 電動機
21 クルーズコントロール処理部
41 舵角センサ(操舵角検出部)
42 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出部)
C 車両
S 車両用操舵装置
H 操向ハンドル
Claims (15)
- 車両の操舵系の操舵をアシストするためのアシストトルクを付与する電動機と、
前記操舵系の操舵に要する操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、
前記操舵系に係る舵角を検出する舵角検出部と、
前記車両が直進状態にあるか否かを検出する走行状態検出部と、
前記車両が直進状態にある場合に、前記操舵トルク及び前記舵角を含む車両情報に基づいて前記電動機に係る駆動電力を制御することにより、前記操舵系に前記アシストトルクを付与する制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記操舵トルクの積算値であるトルク積算値を算出する積算部と、
前記トルク積算値、及び、前記トルク積算値の変化に対する前記電動機に係る駆動電力が関係付けられた関係情報に基づいて、前記車両の片流れ現象を打ち消すように前記電動機に係る駆動電力の片流れ対応制御を行わせる片流れ対応制御部と、
を備えることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記積算部は、前記車両が直進状態にある際の前記操舵トルクの積算値であるトルク積算値を算出する
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応制御部は、前記トルク積算値、及び、前記トルク積算値の変化に対する前記電動機に係る駆動電力が関係付けられた関係情報に基づいて、当該トルク積算値に関係付けられた前記電動機に係る駆動電力の情報を取得し、当該取得した前記電動機に係る駆動電力の情報に対し、高周波成分を減らす処理を施し、当該処理後の前記電動機に係る駆動電力の情報を用いて、前記車両の片流れ現象を打ち消すように前記電動機に係る駆動電力の片流れ対応制御を行わせる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応制御部は、前記トルク積算値、及び、前記トルク積算値の変化に対する前記電動機に係る駆動電力が関係付けられた関係情報に基づいて、前記車両の片流れ現象を打ち消すための前記電動機に係る駆動電力の片流れ対応制御を、前記操舵系の中点を目標となる片流れ対応舵角値まで移動させることによって行わせる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項4記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応舵角値の初期値は、予め定められる所定値に設定される
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項5記載の車両用操舵装置であって、
前記舵角検出部は、前記操舵系のうち操向ハンドルの舵角を検出する機能を有し、
前記所定値は、前記片流れ対応制御部が前記片流れ対応制御を開始する時点で前記舵角検出部が検出する前記操向ハンドルの舵角値に設定される
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応制御部は、前記車両の定速走行制御を行うクルーズコントロール処理部が処理中の場合に、前記片流れ対応制御を行わせる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応制御部は、前記車両の定速走行制御を行うクルーズコントロール処理部が処理中の場合の前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記クルーズコントロール処理部が非処理中の場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて増大させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応制御部は、前記操舵トルクの値が所定の閾値未満の場合に、前記操舵系のうち操向ハンドルの拘束が解かれた状態にあるとみなして、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記操舵トルクの値が前記所定の閾値以上の場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて増大させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記車両が視界不良環境を走行中か否かを検出する走行環境検出部をさらに備え、
前記片流れ対応制御部は、前記車両が視界不良環境を走行中の場合に、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記車両が視界良好環境を走行中の場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
車速を検出する車速検出部をさらに備え、
前記片流れ対応制御部は、前記車速が所定の閾値未満の場合に、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記車速が所定の閾値以上の場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記片流れ対応制御部は、前記車両が右左折状態にある場合に、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記車両が直進状態にある場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記車両の挙動を安定化させる車両挙動安定化制御を行う車両挙動安定化制御部をさらに備え、
前記片流れ対応制御部は、前記車両挙動安定化制御が行われている場合に、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記車両挙動安定化制御が行われていない場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記車両の周囲に存する障害物に対する回避動作を支援する回避支援制御を行う回避支援制御部をさらに備え、
前記片流れ対応制御部は、前記回避支援制御が行われている場合に、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記回避支援制御が行われていない場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1記載の車両用操舵装置であって、
前記車両の走行車線の維持を支援する車線維持支援制御を行う車線維持支援制御部をさらに備え、
前記片流れ対応制御部は、前記車線維持支援制御が行われている場合に、前記片流れ対応制御に係る制御量を、前記車線維持支援制御が行われていない場合の前記片流れ対応制御に係る制御量と比べて減少させる
ことを特徴とする車両用操舵装置。
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