JP5860374B2 - 無段変速装置 - Google Patents
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具体的には、低速用クラッチ及び高速用クラッチの断接に基づいて、変速比(減速比)の大きな低速モードと、変速比(減速比)の小さな高速モードとを切り換える構造を有する無段変速装置で、前記低速用クラッチ又は高速用クラッチが接続されるタイミングの不具合が、重大な損傷に結び付くのを防止できる構造の実現を意図したものである。
特許文献6〜11には、自動車用変速機のクラッチの故障を検知する為の構造に就いて記載されているが、何れも、モード切換時に、同時に接続する事を前提とした無段変速装置の特殊性を考慮したものではなく、上述の様な問題の解決には利用できない。
そして、この変速制御器からの指令に基づき、前記低速側電動式制御弁と前記高速側電動式制御弁とを選択的に切り換えて前記低速用クラッチと前記高速用クラッチとを選択的に断接する事により、前記入力部材と前記出力部材との間の変速比が大きな低速モードとこの入力部材とこの出力部材との間の変速比が小さな高速モードとのうちの何れかを実現すると共に、前記低速モードとこの高速モードとで前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節する事により、前記入力部材と前記出力部材との間の変速比を調節可能としている。
そして、この比較器が、このクラッチ圧制御用駆動信号と前記一方のクラッチの油圧室内の油圧とが所定値以上で整合しない状態が、所定時間を越えて連続していると判定した場合に、前記変速制御器が前記無段変速装置の変速制御を停止する。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項3、4に記載した発明の様に、前記変速制御器は、低速モード又は高速モードの何れか一方のモード時に、この一方のモードで繋がれないはずのクラッチ(低速用クラッチ又は高速用クラッチ)の油圧室内の油圧を観察する。
これに対して、請求項4に記載した発明の様に、前記高速用クラッチを接続すると共に前記低速用クラッチの接続を断ち、前記高速モードを実現する為、前記高速用電磁式調圧弁を開き、前記低速用電磁式調圧弁を全閉とする旨の指令信号を発している状態で、前記低速用クラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が、前記低速用クラッチに異常があると判定する。
この場合に於ける無段変速装置の変速制御停止とは、次の(1)〜(5)に示した5種類の制御停止を言う。
(1) ライン圧制御停止
この場合には、ライン圧制御電磁弁18(図5)の駆動信号を停止する(例えばデューティ比=0%とする)。
この様な制御を行った場合には、無段変速装置のシステム全体の制御圧を低圧にする事により、トロイダル型無段変速機に過大な負荷が加わる事を防止できる。
(2) 押圧装置の油圧室内への油圧導入停止
この場合には、その時点で出力している、押圧力制御用電磁弁19(図5参照)の駆動信号を停止する(例えばデューティ比=0%とする)。
この様な制御を行った場合には、押圧装置14(図4〜5参照)の押圧力が低下乃至は消失し(例えば予圧ばねの押圧力のみとなり)、入力ディスク及び出力ディスクと各パワーローラとの転がり接触部(トラクション部)の面圧が低下する。この結果、前記トロイダル型無段変速機の伝達トルクが低下するので、前記各転がり接触部で強い擦れ合いが生じる事を防止できる。
(3) 低速用クラッチの油圧室内の油圧制御停止
この場合には、その時点で出力している、低速用クラッチ7(図5参照)の駆動信号を停止する(例えばデューティ比=0%とする)。
この様な制御を行った場合には、前記低速用クラッチ7の接続を断ち、低速モード状態での動力伝達経路を断つ。この場合に、本来が高速モードであるべき場合には高速モードでの走行が可能になるが、低速モードである場合には、無段変速装置による動力伝達は不能になる。但し、トロイダル型無段変速機の破損は防止できるので、修理に要する費用の低減を図れる。
(4) 高速用クラッチの油圧室内の油圧制御停止
この場合には、その時点で出力している、高速用クラッチ8(図5参照)の駆動信号を停止する(例えばデューティ比=0%とする)。
この様な制御を行った場合には、前記高速用クラッチ8の接続を断ち、高速モード状態での動力伝達経路を断つ。この場合に、本来が低速モードであるべき場合には低速モードでの走行が可能になるが、高速モードである場合には、無段変速装置による動力伝達は不能になる。但し、トロイダル型無段変速機の破損は防止できるので、修理に要する費用の低減を図れる。
(5) ステッピングモータの駆動制御停止
この場合には、ステッピングモータ17(図4〜5参照)への駆動信号の送り込みを停止する。この為、前記トロイダル型無段変速機の変速比がそのままの値に維持される。この結果、変速比変更に伴って各転がり接触部に加わる負担をなくして、前記トロイダル型無段変速機の転がり接触部の損傷を抑えられる。
前述の無段変速装置の変速制御停止とは、上述の(1)〜(5)の通りであるが、無段変速装置の構成によってはこれ以上、又はこれ以下の制御停止でも同等の効果を発揮できる。
又、異常状態がどの様な走行状況で発生するのか限定できない場合には、前記(1)〜(5)の停止制御を総て実施する事が好ましいが、何らかのセンサにより異常発生状況を特定できるのであれば、その状況に応じて、前記(1)〜(5)の停止制御の一部を実行する様にしても良い。
何れの場合でも、異常が発生した場合には、エンジン制御器32(図4参照)に信号を送り、アクセルペダルの踏み込み状況に拘らず、エンジンをアイドリング状態とすれば(アクセルペダルの操作を無効にすれば)、無段変速装置に入力される動力を低減して、前記無段変速装置の損傷を抑えられる。
又、前記所定値とは、前記低速用クラッチ又は前記高速用クラッチ(請求項3に係る発明の場合の高速用クラッチ、請求項4に記載した発明の場合の低速用クラッチ)が、動力伝達を可能となる程の圧力値未満であり、電気ノイズやハーネス抵抗等により生じ得る微小圧力値よりも大きな値として、設計的配慮により設定するチューニング値であり、例えば0.1MPa程度の値とする。
これに対して、請求項7に記載した発明の場合には、前記高速用クラッチを接続すると共に前記低速用クラッチの接続を断った高速モードで運転中に、この低速用クラッチをプリチャージ制御した状態で、この低速用クラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上の場合に、この低速用クラッチが異常であると判定する。
そして、何れの場合でも、無段変速装置の変速制御のうちの少なくとも一部の制御を停止する。この場合に於ける無段変速装置の変速制御停止とは、前述の(1)〜(5)の通りである。
又、前記所定値とは、前記低速用クラッチ又は前記高速用クラッチ(請求項6に係る発明の場合の高速用クラッチ、請求項7に記載した発明の場合の低速用クラッチ)が、プリチャージを行うにしても、動力伝達を可能となる程の圧力値未満の値として、設計的配慮により設定するチューニング値であり、例えば0.3MPa程度の値とする。尚、この値は、プリチャージの効果を得る面から、少なくとも0.2MPa程度は必要であるが、これよりもどの程度高くするかは、設計的配慮により決定する。
即ち、本発明の無段変速装置の場合には、本来動力伝達可能な程に接続される事があってはならないクラッチの油圧室の油圧が上昇した場合に、無段変速装置の変速制御を停止する(トロイダル型無段変速機保護の為の「バックアップ制御」を開始する)ので、前記低速クラッチ又は前記高速クラッチが接続されるタイミングの不具合に基づき、前記トロイダル型無段変速機の転がり接触部(トラクション部)に過大な滑りが発生する事を防止できて、このトロイダル型無段変速機に重大な損傷が発生する事を防止できる。
又、本発明の対象となる無段変速装置では、クラッチ圧の異常状態は、直ちにトロイダル型無段変速機の破損に繋がる可能性が高い為、異常と判定する根拠となった圧力条件が不成立になっても、直ちに復帰させる(通常制御に戻る)と、前記トロイダル型無段変速機の故障を誘発する可能性がある。これに対して、請求項8に記載した発明の様に、一度変速制御器が制御を停止した場合に、電源が遮断されるまでの間中、この停止状態を維持すれば、前記トロイダル型無段変速機の保護(信頼性向上)を強化できる。
先ず、図1のステップ1(S1)で、低速用クラッチ7の油圧室又は高速用クラッチ8の油圧室の油圧のうちの何れか(又は双方)の油圧が異常であると、過去に於いて診断していたか否かに就いて判定する。このステップ1で、何れかの油圧が異常であると過去に診断した(何れかの油圧の異常が解消されていない)と判定した場合には、そのまま異常であるとの診断のまま、後述するステップ7(S7)で、無段変速装置(IVT)の変速制御停止を継続する。
そして、現在のモードが低速モードである場合には、ステップ4(S4)に移り、この低速モードに対応して、本来は接続されるべきでない、高速用クラッチ8(図5参照)の油圧が正常である(動力伝達を可能にする程には高くない)か否かを判定する。
これに対して、現在のモードが高速モードである場合には、ステップ5(S5)に移り、この高速モードに対応して、本来は接続されるべきでない、低速用クラッチ7(図5参照)の油圧が正常である(動力伝達を可能にする程には高くない)か否かを判定する。
次に、これらステップ4、5で行う、前記低速用クラッチ7の油圧室又は前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が正常であるか否かの判定手順に就いて、図2〜3により説明する。
先ず、ステップ4−1(S4−1)で、前記高速用クラッチ8の油圧室に油圧を導入する為の高速クラッチ用制御弁24(図5参照)のソレノイドへの通電が全停止状態(デューティ比=0%である)か否かを判定する。同時に、所定時間(0.5秒或いは0.3秒)をカウントする為の、故障検出時間カウンタ(エラーカウンタ)をスタートさせる。
そして、全停止状態にある場合には、ステップ4−2(S4−2)で、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値(例えば、前述した様に0.1MPa)を超えているか否かを判定する。
前記ステップ4−2で、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えていないと判定された場合には、この高速用クラッチ8は正常に動作していると判断されるので、ステップ4−3(S4−3)に移り、例えば0.5秒程度の所定時間をカウントする為の、前記故障検出時間カウンタをリセットしてから終了する。
これに対して、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えた状態のまま、前記所定時間を超えたならば、ステップ4−6に移り、前記高速用クラッチ8の動作が異常であると判定(診断)し、前述の図1に示したステップ6に移る。
前記ステップ4−8で、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えていないと判定された場合には、この高速用クラッチ8は正常に動作していると判断されるので、ステップ4−3に移り、例えば0.3秒程度の所定時間をカウントする為の、故障検出時間カウンタをリセットしてから終了する。
前記ステップ4−8で、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えていると判定された場合には、この高速用クラッチ8のプリチャージ制御が正常に行われていない可能性があるので、ステップ4−9(S4−9)に移り、前記故障検出時間カウンタ値を更新(カウント値を1だけ増加)してからステップ4−10(S4−10)に移る。このステップ4−10では、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えてからの時間が所定時間(例えば、前述した様に0.3秒)を超えているか否かを判定する。前記ステップ4−10で、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えてからの時間が所定時間を超えていないと判定された場合には、前記ステップ4−8に戻る。以後、前記ステップ4−8で、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えていると判定される限り、「ステップ4−8」→「ステップ4−9」→「ステップ4−10」を繰り返す。途中で前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えない状態となったならば、前記ステップ4−3を介して終了する。
これに対して、前記高速用クラッチ8の油圧室内の油圧が所定値を超えた状態のまま、前記所定時間を超えたならば、ステップ4−6に移り、前記高速用クラッチ8の動作が異常であると判定(診断)し、前述の図1に示したステップ6に移る。
(A) エンジン回転数が正常に回転中である。
(B) 高速クラッチ用制御弁24のソレノイドへの通電が全停止状態(HighDuty=0「%」又はHigh電流=0[A])である。
(C) 高速用クラッチ側油圧センサ33(特許請求の範囲に記載した高速側油圧センサに相当する)の検出圧がほぼ0ではない(High>0.1[MPa])。
(D) 前記(B)及び(C)の条件が所定時間(例えば0.5秒)を越え、継続して成立した{エラーカウンタ>ERR_Timer_High1(0.5秒)}。
(E) 低速クラッチ用制御弁23のソレノイドへの通電が全停止状態(LowDuty=0「%」又はLow電流=0[A])である。
(F) 低速用クラッチ側油圧センサ34(特許請求の範囲に記載した低速側油圧センサに相当する)の検出圧がほぼ0ではない(Low>0.1[MPa])。
(G) 前記(E)及び(F)の条件が所定時間を越え、継続して成立した{エラーカウンタ>ERR_Timer_Low1(0.5秒)}。
(H) 高速クラッチ用制御弁24のソレノイドがプリチャージ制御状態である(例えば、目標Highクラッチ圧=0.2[MPa])。
(I) 高速用クラッチ側油圧センサ34の検出圧が、0.2[MPa]+α(例えばα=0.1[MPa]よりも高い(HighPress>0.3[MPa])。
(J) 前記(H)及び(I)の条件が所定時間(例えば0.3秒)を越え、継続して成立した{エラーカウンタ>ERR_Timer_High2(0.3秒)}。
(K) 低速クラッチ用制御弁23のソレノイドがプリチャージ制御状態である(例えば、目標Lowクラッチ圧=0.2[MPa])。
(L) 低速用クラッチ側油圧センサ35の検出圧が、0.2[MPa]+α(例えばα=0.1[MPa]よりも高い(LowPress>0.3[MPa])。
(M) 前記(K)及び(L)の条件が所定時間(例えば0.3秒)を越え、継続して成立した{エラーカウンタ>ERR_Timer_Low2(0.3秒)}。
(a) (B)+(C)+(D)
(b) (E)+(F)+(G)
(c) (H)+(I)+(J)
(d) (K)+(L)+(M)
(1) ライン圧制御停止
(2) 押圧装置の油圧室内への油圧導入停止
(3) 低速用クラッチの油圧室内の油圧制御停止
(4) 高速用クラッチの油圧室内の油圧制御停止
(5) ステッピングモータの駆動制御停止
これら(1)〜(5)に示した5種類の制御停止の内容は前述した通りであり、これら各制御停止により得られる効果も前述した通りであるから、重複する説明は省略する。
又、ギヤード・ニュートラルを実現できる構造に限らず、パワー・スプリット型の無段変速装置でも実施できる。
2 ダンパ
3 主軸
4 トロイダル型無段変速機
5 遊星歯車式変速機
6 クラッチ装置
7 低速用クラッチ
8 高速用クラッチ
9 出力軸
10 入力ディスク
11 出力ディスク
12 パワーローラ
13 アクチュエータ
14 押圧装置
15 変速比制御ユニット
16 制御器(ECU)
17 ステッピングモータ
18 ライン圧制御用電磁弁
19 押圧力制御用電磁弁
20 モード切換用電磁弁
21 制御弁装置
22 変速比制御弁
23 低速クラッチ用制御弁
24 高速クラッチ用制御弁
25 給油ポンプ
26 油溜
27 押圧力調整弁
28 減圧弁
29 入力ディスク回転センサ
30 出力ディスク回転センサ
31 出力軸回転センサ
32 エンジン制御器
33 高速用クラッチ側油圧センサ
34 低速用クラッチ側油圧センサ
Claims (8)
- エンジンにより回転駆動される入力部材と、トロイダル型無段変速機と、歯車式の差動機構と、被駆動部を回転駆動する為の出力部材と、これらトロイダル型無段変速機と差動機構との間の動力の伝達状態を切り換える為の、油圧室内への油圧の導入の有無により断接される、それぞれが油圧式の低速用クラッチ及び高速用クラッチと、この低速用クラッチの油圧室内への油圧の導入状態を切り換える為の低速側電動式制御弁と、前記高速用クラッチの油圧室内への油圧の導入状態を切り換える為の高速側電動式制御弁と、前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節すると共に、前記低速側電動式制御弁の開閉に基づく前記低速用クラッチの断接及び前記高速側電動式制御弁の開閉に基づく前記高速用クラッチの断接を切り換える為の変速制御器とを備え、この変速制御器からの指令に基づき、前記低速側電動式制御弁と前記高速側電動式制御弁とを選択的に切り換えて前記低速用クラッチと前記高速用クラッチとを選択的に断接する事により、前記入力部材と前記出力部材との間の変速比が大きな低速モードと、この入力部材とこの出力部材との間の変速比が小さな高速モードとのうちの何れかを実現すると共に、前記低速モードとこの高速モードとで前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節する事により、前記入力部材と前記出力部材との間の変速比を調節可能とした無段変速装置に於いて、前記低速用クラッチの油圧室内の油圧を検出する為の、低速側油圧センサと、前記高速用クラッチの油圧室内の油圧を検出する為の高速側油圧センサと、この低速用クラッチとこの高速用クラッチとのうちの接続を断たれている一方のクラッチの油圧室内の油圧と、前記変速制御器から出力され、前記低速側電動式制御弁と前記高速側電動式制御弁とのうちの前記一方のクラッチの油圧室内への油圧の導入状態を切り換える為の一方の電動式制御弁の開閉状態を制御する為のクラッチ圧制御用駆動信号とを比較する比較器とを備え、この比較器が、このクラッチ圧制御用駆動信号と前記一方のクラッチの油圧室内の油圧とが所定値以上で整合しない状態が所定時間を越え、連続していると判定した場合に、前記変速制御器が前記無段変速装置の変速制御を停止する事を特徴とする無段変速装置。
- 前記低速側電動式制御弁は、ソレノイドへの通電時に前記低速用クラッチの油圧室内に油圧を導入する為の流路を開き、このソレノイドへの非通電時にこの流路を閉じ、単位時間当たりにこのソレノイドに通電している時間の割合であるデューティ比を変える事により、前記低速用クラッチの油圧室内に導入する油圧を調節する、低速用電磁式調圧弁であり、
前記高速側電動式制御弁は、ソレノイドへの通電時に前記高速用クラッチの油圧室内に油圧を導入する為の流路を開き、このソレノイドへの非通電時にこの流路を閉じ、単位時間当たりにこのソレノイドに通電している時間の割合であるデューティ比を変える事により、前記高速用クラッチの油圧室内に導入する油圧を調節する、高速用電磁式調圧弁であり、
前記比較器が、前記クラッチ圧制御用駆動信号が、前記低速用電磁式調圧弁と前記高速用電磁式調圧弁とのうちの何れか一方の電磁式調圧弁を閉じる旨を表すものである場合に、この一方の電磁式調圧弁により油圧の導入を停止されるべき油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が前記無段変速装置の変速制御を停止する、請求項1に記載した無段変速装置。 - 前記変速制御器が、前記低速用クラッチを接続すると共に前記高速用クラッチの接続を断ち、前記低速モードを実現する為、前記低速用電磁式調圧弁を開き、前記高速用電磁式調圧弁を全閉とする旨の指令信号を発している状態で、前記高速用クラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が、無段変速装置の変速制御のうちの少なくとも一部の制御を停止する、請求項2に記載した無段変速装置。
- 前記変速制御器が、前記高速用クラッチを接続すると共に前記低速用クラッチの接続を断ち、前記高速モードを実現する為、前記高速用電磁式調圧弁を開き、前記低速用電磁式調圧弁を全閉とする旨の指令信号を発している状態で、前記低速用クラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が、無段変速装置の変速制御のうちの少なくとも一部の制御を停止する、請求項2に記載した無段変速装置。
- 前記低速側電動式制御弁は、ソレノイドへの通電時に前記低速用クラッチの油圧室内に油圧を導入する為の流路を開き、このソレノイドへの非通電時にこの流路を閉じ、単位時間当たりにこのソレノイドに通電している時間の割合であるデューティ比を変える事により、前記低速用クラッチの油圧室内に導入する油圧を調節する、低速用電磁式調圧弁であり、
前記高速側電動式制御弁は、ソレノイドへの通電時に前記高速用クラッチの油圧室内に油圧を導入する為の流路を開き、このソレノイドへの非通電時にこの流路を閉じ、単位時間当たりにこのソレノイドに通電している時間の割合であるデューティ比を変える事により、前記高速用クラッチの油圧室内に導入する油圧を調節する、高速用電磁式調圧弁であり、
前記変速制御器が、前記一方のクラッチを接続すべく、前記低速用電磁式調圧弁又は前記高速用電磁式調圧弁のデューティ比を、前記低速用クラッチ又は前記高速用クラッチが接続されない程度にまで高くしておくプリチャージ制御を行うものであり、前記比較器が、このプリチャージ制御時に、前記一方のクラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が無段変速装置の変速制御を停止する、請求項1に記載した無段変速装置。 - 前記低速用クラッチを接続すると共に前記高速用クラッチの接続を断った低速モードで運転中に、この高速用クラッチをプリチャージ制御した状態で、この高速用クラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が、無段変速装置の変速制御のうちの少なくとも一部の制御を停止する、請求項5に記載した無段変速装置。
- 前記高速用クラッチを接続すると共に前記低速用クラッチの接続を断った高速モードで運転中に、この低速用クラッチをプリチャージ制御した状態で、この低速用クラッチの油圧室内の油圧が所定時間を越え、連続して所定値以上であると判定した場合、前記変速制御器が、無段変速装置の変速制御のうちの少なくとも一部の制御を停止する、請求項5に記載した無段変速装置。
- 前記比較器が、前記クラッチ圧制御用駆動信号と前記低速用クラッチと前記高速用クラッチとのうちの接続を断たれている一方のクラッチの油圧室内の油圧とが所定値以上で整合しない状態が所定時間を越え、連続していると判定し、前記変速制御器が前記トロイダル型無段変速機の変速制御を停止した場合に、この変速制御器、前記低速側電動式制御弁、及び前記高速側電動式制御弁の電源が遮断されるまでの間、前記無段変速装置の変速制御を停止したままの状態に維持する、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
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