JP4565832B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4565832B2
JP4565832B2 JP2003403349A JP2003403349A JP4565832B2 JP 4565832 B2 JP4565832 B2 JP 4565832B2 JP 2003403349 A JP2003403349 A JP 2003403349A JP 2003403349 A JP2003403349 A JP 2003403349A JP 4565832 B2 JP4565832 B2 JP 4565832B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
hydraulic
speed
pressure
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003403349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005163906A (ja
Inventor
恵介 鯵本
淳 中山
共人 滝
朋亮 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2003403349A priority Critical patent/JP4565832B2/ja
Publication of JP2005163906A publication Critical patent/JP2005163906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4565832B2 publication Critical patent/JP4565832B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H2061/6604Special control features generally applicable to continuously variable gearings
    • F16H2061/6608Control of clutches, or brakes for forward-reverse shift

Description

本発明は、車両に搭載される無段変速機の制御装置に関する。
車両の動力伝達系に搭載される無段変速機(CVT)には、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機などがあり、いずれの変速機においてもその変速比は走行状態に応じて自動的に制御される。ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられるプライマリプーリと、出力軸に設けられるセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡される駆動ベルトとを備えており、駆動ベルトの巻き付け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させながら入力軸の回転を出力軸に伝達することができる。また、トロイダル式の無段変速機は、入力軸に設けられる入力ディスクと、出力軸に設けられる出力ディスクと、対面する入力ディスクと出力ディスクとに接触するパワーローラとを備えており、各ディスクに対するパワーローラの接触半径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させることができる。
この無段変速機には、プライマリプーリやセカンダリプーリなどに作動油圧を供給するため、電子制御ユニットや油圧制御回路が設けられている。電子制御ユニットは、制御プラグラムや変速特性マップに基づいて目標変速比を設定し、この目標変速比を油圧制御ユニットに対して出力する。そして、油圧制御回路は、目標変速比に対応したプライマリ圧やセカンダリ圧を調圧し、これらの作動油圧をプライマリプーリやセカンダリプーリに供給して無段変速機の変速制御を実行する。
また、油圧制御回路には、油路の切り換えや作動油の調圧を行うため、多数のバルブが組み込まれることになるが、これらのバルブを切換作動する際に摩耗粉が発生してしまうおそれがある。そして、油圧制御回路を循環する作動油に、摩耗粉等のコンタミネーションつまり不純物が混入すると、不純物がバルブの摺動部に噛み込むことにより、バルブの正確な作動を阻害するだけでなくバルブを作動不能にしてしまうおそれがある。このような油圧制御系の故障状態にあっては、正常に無段変速機を変速制御させることができないため、電子制御ユニット内の目標変速比と、回転数センサの検出値から算出される実変速比とを比較判定することにより、油圧制御系の故障状態を検出して適切な対処を施すことが必要となっていた。
しかしながら、近年の開発車両にあっては低コスト化が強く求められており、車両に搭載される無段変速機の低コスト化を達成するため、入力軸や出力軸の回転数センサを削減することもある。このように回転数センサを削減した無段変速機についても、油圧制御系の故障状態を検出する必要があるため、削減した回転数センサを他の回転数センサで代用することにより故障診断を行うようにした変速機の故障診断装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
この故障診断装置は、トルクコンバータを備える変速機において、入力軸の回転数センサを削減した場合に適用される故障診断装置であり、トルクコンバータに滑りが発生していない走行状態を検出し、この走行状態においてエンジン回転数を入力軸回転数として代用している。従って、エンジン回転数と出力軸回転数とから実変速比を算出することができ、電子制御ユニット上の目標変速比と比較判定して油圧制御系の故障状態を検出することができる。
特開平6−331021号公報(第3頁、図1)
ところで、無段変速機における故障診断の対象部位は、プライマリプーリやセカンダリプーリなどの変速部に限られることはなく、前後進切換機構内に組み込まれる前進用クラッチについても故障診断を実施する必要がある。前進用クラッチであっても、その締結制御は油圧制御回路から出力される作動油圧により実行されるため、油圧制御回路内のバルブが作動不能になった場合には、前進用クラッチの締結制御に不具合を引き起こすおそれがある。たとえば、電子制御ユニットからの締結信号に反して前進用クラッチが開放された場合には、駆動輪に動力が伝達されず車両を走行させることができないため、前進用クラッチの誤作動を検出して対処することにより車両の走行状態を確保する必要がある。
しかしながら、前進用クラッチの開放状態を判定するためには、前進用クラッチの入力側つまりエンジン側の回転数を検出するとともに、前進用クラッチの出力側つまり入力軸側の回転数を検出し、双方の回転数を比較判定する必要がある。従って、無段変速機の低コスト化を達成するため、入力軸の回転数センサを削減した場合には、前進用クラッチの開放判定を行うことができず、前進用クラッチが制御系の故障により開放された場合に、適切な対処を施すことが困難となっていた。
本発明の目的は、入力軸の回転数センサを削減した無段変速機において、前進用クラッチの開放を的確に判定することにある。
本発明の目的は、入力軸の回転数センサを削減した無段変速機において、前進用クラッチの開放を伴う制御系故障を的確に判定することにある。
本発明の無段変速機の制御装置は、入力軸に装着されるとともにトルクコンバータを介してエンジンに駆動される入力側回転体と、出力軸に装着されるとともに前記入力側回転体に動力伝達要素を介して連結される出力側回転体とを備える無段変速機の制御装置であって、前記トルクコンバータのタービン軸と前記入力軸との間に設けられ、前記入力側回転体にエンジン動力を伝達する締結状態と、伝達を解除する開放状態とに切り換えられる前進用クラッチと、車速とスロットル開度とに基づいて、前記入力軸の回転数を予測して算出する入力回転数算出手段と、前進走行中にエンジン回転数が所定変化量を上回って上昇側に変化したときに前記エンジン回転数と前記入力軸の予測回転数とを比較判定し、前記エンジン回転数と前記予測回転数との回転数差が所定値を上回るときには、前記前進用クラッチの開放を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置は、前記入力回転数算出手段は、車速とスロットル開度とに基づいて前記入力軸の目標回転数を算出し、前記目標回転数と前記出力軸の回転数とに基づいて目標変速比を算出し、前記目標変速比に基づいて前記入力軸の予測回転数を算出することを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置は、前記トルクコンバータに組み込まれ、前記タービン軸と前記エンジンのクランク軸とを連結する締結状態と、連結を解除する開放状態とに切り換えられるロックアップクラッチと、車両の走行状態に基づいて、前記ロックアップクラッチを締結させるロックアップ信号を出力するクラッチ制御手段と、前記ロックアップ信号に基づいて、前記前進用クラッチの油圧供給経路を、油圧作動弁を介して油圧供給源に連通する第1作動油路から、前記油圧作動弁を迂回して前記油圧供給源に連通する第2作動油路に切り換えるとともに、前記第1作動油路を介して前記ロックアップクラッチのリリース室を前記油圧作動弁に接続し、前記油圧作動弁を切り換えて前記リリース室の油圧を排出する油圧制御回路とを有し、前記判定手段は、ロックアップ信号が出力された状態のもとで、前記前進用クラッチの開放を判定したときには、制御系の故障と判定することを特徴とする。
本発明の無段変速機の制御装置は、前記判定手段により制御系の故障と判定されたときには、前記クラッチ制御手段は前記ロックアップ信号を解除することを特徴とする。
本発明によれば、前進走行中にエンジン回転数と予測回転数とを比較判定することにより、プライマリ回転数センサを削減することにより低コスト化を達成した無段変速機であっても、前進用クラッチの開放を確実に判定することができる。
また、エンジン回転数が所定変化量を上回って上昇側に変化した状態のもとで、エンジン回転数と予測回転数とを比較判定するようにしたので、判定結果の確実性を高めることができる。
さらに、目標変速比に基づいて予測回転数を算出するようにしたので、予測回転数をプライマリ軸の実回転数に近づけることができ、判定結果の確実性を高めることができる。
さらに、無段変速機が、ロックアップ信号に基づいて、前進用クラッチの油圧供給経路を、油圧作動弁を介して油圧供給源に連通する第1作動油路から、油圧作動弁を迂回して油圧供給源に連通する第2作動油路に切り換えるとともに、第1作動油路を介して前記ロックアップクラッチのリリース室を油圧作動弁に接続し、油圧作動弁を切り換えてリリース室の油圧を排出する油圧制御回路を備えている場合には、制御系故障が発生した状態のもとでロックアップ信号が出力されると、前進用クラッチが開放されることになる。このため、ロックアップ信号が出力された状態のもとで前進用クラッチの開放を判定することにより、制御系故障の判定を確実に行うことができる。
さらに、油圧制御系の故障が検出されたときには、ロックアップ信号を解除するようにしたので、前進用クラッチを再締結することができ、最低限の走行性能を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は車両に搭載される無段変速機10を示すスケルトン図である。図1に示すように、この無段変速機10はベルト式無段変速機であり、エンジン11に駆動される入力軸としてのプライマリ軸12と、これに平行となる出力軸としてのセカンダリ軸13とを有している。プライマリ軸12とセカンダリ軸13との間には変速機構が設けられており、プライマリ軸12の回転は変速されてセカンダリ軸13に伝達される。そして、セカンダリ軸13の回転は、減速機構14やディファレンシャル機構15を介して左右の駆動輪16,17に伝達される。
プライマリ軸12には入力側回転体であるプライマリプーリ20が設けられており、このプライマリプーリ20はプライマリ軸12に一体となった固定プーリ20aと、これに対向してプライマリ軸12に軸方向に摺動自在となって装着される可動プーリ20bとを有している。また、セカンダリ軸13には出力側回転体であるセカンダリプーリ21が設けられており、このセカンダリプーリ21はセカンダリ軸13に一体となった固定プーリ21aと、これに対向してセカンダリ軸13に軸方向に摺動自在となって装着される可動プーリ21bとを有している。
プライマリプーリ20とセカンダリプーリ21との間には動力伝達要素である駆動ベルト22が掛け渡されており、プライマリプーリ20とセカンダリプーリ21との溝幅を変化させ、駆動ベルト22の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸12の回転が無段階に変速されてセカンダリ軸13に伝達される。駆動ベルト22のプライマリプーリ20に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ21に対する巻き付け径をRsとすると、変速比はRs/Rpとなる。
プライマリプーリ20の溝幅を変化させるために、プライマリ軸12にはプランジャ23が固定され、可動プーリ20bにはプランジャ23の外周面に摺動自在に接触するプライマリシリンダ24が固定されており、プランジャ23とプライマリシリンダ24とによって作動油室25が区画されている。一方、セカンダリプーリ21の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸13にはプランジャ26が固定され、可動プーリ21bにはプランジャ26の外周面に摺動自在に接触するセカンダリシリンダ27が固定され、プランジャとセカンダリシリンダ27とによって作動油室28が区画されている。それぞれのプーリ20,21の溝幅は、プライマリ側の作動油室25に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の作動油室28に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することで設定される。
また、プライマリプーリ20にエンジン動力を伝達するため、クランク軸11aとプライマリ軸12との間にはトルクコンバータ30と前後進切換機構31とが設けられている。トルクコンバータ30はクランク軸11aに連結されるポンプシェル30aとこれに対面するタービンランナ30bとを備えており、タービンランナ30bにはタービン軸32が連結されている。また、トルクコンバータ30内には、走行状態に応じてクランク軸11aとタービン軸32とを締結するためのロックアップクラッチ33(以下、L/Uクラッチという)が組み込まれている。
このL/Uクラッチ33の一方面側にはアプライ室33aが形成され、他方面側にはリリース室33bが形成されており、アプライ室33aとリリース室33bには調圧された作動油が供給制御されるようになっている。アプライ室33aに油圧を供給する一方、リリース室33bから油圧を排出すると、L/Uクラッチ33はトルクコンバータ30のフロントカバー30cに係合する締結状態となり、クランク軸11aとタービン軸32とが直結された状態となる。また、アプライ室33aから油圧を排出する一方、リリース室33bに油圧を供給すると、L/Uクラッチ33はフロントカバー30cから離れる開放状態となり、クランク軸11aとタービン軸32との連結は解除され、作動するトルクコンバータ30を介してエンジン動力がタービン軸32に伝達される状態となる。そして、リリース室33b内の油圧を調圧することにより、L/Uクラッチ33はフロントカバー30cに対してスリップ状態つまり半クラッチ状態となる。
前後進切換機構31は、ダブルピニオン式の遊星歯車列34、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を備えており、前進用クラッチ35と後退用ブレーキ36とを作動させることで前後進切換機構31内の動力伝達経路を切り換えることができる。前進用クラッチ35は、タービン軸32に固定されるクラッチドラム35aと、プライマリ軸12に固定されるクラッチハブ35bとを備えている。クラッチドラム35aとクラッチハブ35bとの間には複数の摩擦プレート35cが設けられており、これら摩擦プレート35cに対面するようにクラッチドラム35a内には油圧ピストン35dが収容されている。クラッチドラム35aと油圧ピストン35dとによって区画されるクラッチ圧室35eに作動油を供給することにより、前進用クラッチ35は締結状態に切り換えられ、タービン軸32の回転をプライマリプーリ20に伝達して車両を前進させることができる。
また、後退用ブレーキ36を構成するミッションケース37と遊星歯車列34のリングギヤ34aとの間には、複数の摩擦プレート36aが設けられており、これら摩擦プレート36aに対面するように油圧ピストン36bが設けられている。ミッションケース37と油圧ピストン36bとにより区画されるブレーキ圧室36cに作動油を供給することにより、後退用ブレーキ36は締結状態に切り換えられ、遊星歯車列34を介して逆転されたタービン軸32の回転をプライマリプーリ20に伝達して車両を後退させることができる。なお、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36を共に解放状態に切り換えると、タービン軸32とプライマリ軸12とは切り離され、前後進切換機構31はプライマリ軸12に動力を伝達しないニュートラル状態に切り換えられる。
図2は無段変速機10の油圧制御系および電子制御系を示す概略図である。図2に示すように、プライマリプーリ20やセカンダリプーリ21に作動油を供給するため、無段変速機10にはエンジン11に駆動される油圧供給源としてのオイルポンプ40が設けられている。オイルポンプ40の吐出口に接続されるセカンダリ圧路42は、セカンダリプーリ21の作動油室28に接続されるとともにセカンダリ圧調整弁43の調圧ポート43aに接続されている。このセカンダリ圧調整弁43によって調圧されるライン圧つまりセカンダリ圧Psは、駆動ベルト22に対してトルク伝達に必要な張力を与える圧力に調整される。
また、セカンダリ圧調整弁43の排出ポート43cには潤滑圧路44が接続され、この潤滑圧路44にはセカンダリ圧Psを調圧した際に排出された作動油が案内される。潤滑圧路44には図示しない潤滑圧調整弁が設けられており、この潤滑圧調整弁によりセカンダリ圧調整弁43のドレイン圧を元圧として潤滑圧が調圧されるようになっている。このように調圧された潤滑圧は、駆動ベルト22の潤滑部、プライマリプーリ20のキャンセル油室20c、そしてL/Uクラッチ33のリリース室33bに供給されるようになっている。
さらに、セカンダリ圧路42はプライマリ圧調整弁45の入力ポート45aに接続されており、プライマリ圧調整弁45の出力ポート45bから延びるプライマリ圧路46はプライマリプーリ20の作動油室25に接続されている。プライマリ圧調整弁45によって、セカンダリ圧Psは目標変速比などに応じたプライマリ圧Ppに調圧され、プライマリプーリ20の溝幅が設定される。
ここで、プライマリ圧Ppはセカンダリ圧Psを減圧した圧力であるが、作動油室25の受圧面積は作動油室28に比べて大きく設定されるため、プライマリ圧Ppを制御することにより、プライマリプーリ20の溝幅を変化させるとともに、駆動ベルト22を介してセカンダリプーリ21の溝幅を変化させることができる。セカンダリ圧調整弁43とプライマリ圧調整弁45はそれぞれ電磁圧力制御弁であり、CVT制御ユニット41からソレノイドコイル43b,45cに供給される電流値を制御することによって、セカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppとを調圧することができる。
プライマリプーリ20やセカンダリプーリ21の溝幅を制御して無段変速機10の変速比を制御するCVT制御ユニット41は、図示しないマイクロプロセッサ(CPU)を備えており、このCPUにはバスラインを介してROM、RAMおよびI/Oポートが接続される。ROMには制御プログラム、変速特性マップおよびエンジントルクマップなどが格納されており、RAMにはCPUで演算処理したデータが一時的に格納されるようになっている。また、I/Oポートを介してCPUには各種センサから車両の走行状態を示す検出信号が入力される。
CVT制御ユニット41に検出信号を入力する各種センサとしては、クラッチドラム35aの外周側に設けられタービン軸32のタービン回転数Ntを検出するタービン回転数センサ50、セカンダリプーリ21のセカンダリ回転数Nsを検出するセカンダリ回転数センサ51、アクセル開度Aoを検出するアクセルペダルセンサ52、車速Vを検出する車速センサ53、スロットルバルブのスロットル開度Toを検出するスロットル開度センサ54、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ55などがある。また、CVT制御ユニット41にはエンジン制御ユニット56が接続されており、無段変速機10とエンジン11とは相互に協調して制御される。なお、プライマリ軸12のプライマリ回転数Npを検出するプライマリ回転数センサは、無段変速機10の低コスト化を図るために削減されている。
以下、L/Uクラッチ33、前進用クラッチ35、後退用ブレーキ36に対して作動油を供給制御するための油圧制御回路について説明する。図3は油圧制御回路の一部を示す油圧回路図である。なお、図3の油圧回路図は符号aの部位で図2の概略図に示す油圧回路と接続されている。図3に示すように、前述したオイルポンプ40に接続されるセカンダリ圧路42はクラッチ圧調整弁60の入力ポート60aに接続されており、クラッチ圧調整弁60の出力ポート60bにはクラッチ圧路61が接続されている。クラッチ圧調整弁60により調圧されたクラッチ圧は、クラッチ圧路61を介して前進用クラッチ35のクラッチ圧室35eや後退用ブレーキ36のブレーキ圧室36cに供給されるようになっている。
また、L/Uクラッチ33、前進用クラッチ35および後退用ブレーキ36と、オイルポンプ40との間にはスイッチ弁62が設けられている。このスイッチ弁62を切換作動させることにより、L/Uクラッチ33のアプライ室33aに連通するアプライ圧路63、リリース室33bに連通するリリース圧路64、前進用クラッチ35のクラッチ圧室35eに連通する前進用クラッチ圧路65、後退用ブレーキ36のブレーキ圧室36cに連通する後退用ブレーキ圧路66と、前述した潤滑圧路44およびクラッチ圧路61との接続状態を切り換えることができる。
このスイッチ弁62は、弁収容孔が形成されるハウジング62aと、弁収容孔に移動自在に収容されるスプール弁軸62bとを備えており、パイロット圧室62cにパイロット圧を供給制御することにより、ロックアップ開放位置とロックアップ締結位置との2位置に切り換えられる。スイッチ弁62の作動制御は、電磁切換弁 (ON−OFFソレノイドバルブ) 67によって行われ、CVT制御ユニット41より電磁切換弁67に通電がなされると、電磁切換弁67からスイッチ弁62に対してパイロット圧が供給され、スイッチ弁62はロックアップ締結位置に切り換えられる。一方、電磁切換弁67に対する通電が遮断されると、パイロット圧の供給が遮断され、スイッチ弁62はロックアップ開放位置に切り換えられる。
図3に示すように、スイッチ弁62がロックアップ開放位置に切り換えられると、リリース圧路64と潤滑圧路44とが連通状態となり、アプライ圧路63と排出ポート62dとが連通状態となる。これにより、L/Uクラッチ33は開放状態に切り換えられ、エンジン動力はトルクコンバータ30を介してタービン軸32に伝達されることになる。なお、リリース室33bに供給された作動油は、アプライ室33aに流れ込んだ後にアプライ圧路63からオイルパンに排出される。
一方、スイッチ弁62がロックアップ締結位置に切り換えられると、アプライ圧路63とクラッチ圧路61とが連通状態となり、リリース圧路64とスリップ圧路68とが連通状態となる。このスリップ圧路68には油圧作動弁であるスリップ圧調整弁69が設けられており、スリップ圧調整弁69を介してスリップ圧路68と排出ポート69aとは連通状態となっている。これにより、L/Uクラッチ33は締結状態に切り換えられ、エンジン動力はクランク軸11aから直接にタービン軸32に伝達されることになる。
ここで、スリップ圧調整弁69は圧力調整弁であり、リリース室33bから排出される作動油の圧力を調圧することができる。スリップ圧調整弁69は、弁収容孔が形成されるハウジング69bと、弁収容孔に移動自在に収容されるスプール弁軸69cとを備えており、パイロット圧室69dにパイロット圧を供給制御することにより、前進用クラッチ締結位置とロックアップ締結位置との間でスプール弁軸69cの位置を調整することができる。
スリップ圧調整弁69の作動制御は、電磁圧力制御弁(デューティーソレノイドバルブ)70によって行われる。この電磁圧力制御弁70は、CVT制御ユニット41から出力されるパルス信号のデューティー比に応じて、スリップ圧調整弁69に供給するパイロット圧を調圧することができる。たとえば、デューティー比を1から0に向けて制御した場合、つまり電磁圧力制御弁70に供給する電力を減少させた場合には、電磁圧力制御弁70から出力されるパイロット圧を徐々に上昇させることができ、スリップ圧調整弁69をロックアップ締結位置から前進用クラッチ締結位置に向けて滑らかに制御することができる。
つまり、CVT制御ユニット41から電磁圧力制御弁70に供給されるパルス信号のデューティー比を制御することにより、スリップ圧路68と排出ポート69aとの連通状態を制御することができるため、リリース室33bから排出ポート69aに流れ込む作動油を絞ることができ、L/Uクラッチ33を滑らかに締結状態に切り換えることができる。また、スリップ圧調整弁69によってスリップ圧を適宜調圧することにより、L/Uクラッチ33を半クラッチ状態で維持することもできる。
また、クラッチ圧室35eおよびブレーキ圧室36cとスイッチ弁62との間にはマニュアル弁71が設けられ、クラッチ圧路61と電磁切換弁67との間にはリバースシグナル弁72が設けられている。マニュアル弁71とリバースシグナル弁72とは、運転者に操作されるセレクトレバーに連動して切換作動するようになっている。つまり、マニュアル弁71とリバースシグナル弁72とは、セレクトレバーによって設定されるドライブレンジ(Dレンジ)、リバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、パーキングレンジ(Pレンジ)、スポーツレンジ(Sレンジ)に対応した5位置に切り換えられる。
マニュアル弁71には、前進用クラッチ圧路65、後退用ブレーキ圧路66、そしてスイッチ弁62に接続されるクラッチブレーキ圧路73が接続されている。運転者のセレクトレバー操作により、Dレンジに設定される場合には前進用クラッチ圧路65とクラッチブレーキ圧路73とが連通状態となり、Rレンジに設定される場合には後退用ブレーキ圧路66とクラッチブレーキ圧路73とが連通状態となる。ここで、前述したスイッチ弁62がロックアップ締結位置に切り換えられると、クラッチ圧路61とクラッチブレーキ圧路73とが連通状態となるため、Dレンジの場合には前進用クラッチ35が維持される。
また、スイッチ弁62がロックアップ開放位置に切り換えられた場合には、スリップ圧路68とクラッチブレーキ圧路73とが連通状態となるため、ここで前述したスリップ圧調整弁69を前進用クラッチ締結位置に向けて作動させることにより、クラッチ圧路61に案内されたクラッチ圧を、スリップ圧調整弁69、スイッチ弁62、マニュアル弁71の順に案内して前進用クラッチ35に供給することができる。しかも、スリップ圧調整弁69によってスリップ圧路68とクラッチ圧路61との連通状態を制御することができるため、前進用クラッチ35に供給する油圧を徐々に上昇させることができ、前進用クラッチ35を滑らかに締結することができる。
なお、リバースシグナル弁72には、電磁切換弁67に接続されるパイロット圧路74とクラッチ圧路61とが接続されている。運転者によりDレンジが設定された場合にはパイロット圧路74とクラッチ圧路61とが連通状態となり、電磁切換弁67に油圧が供給されるため前述したスイッチ弁62の切り換えが可能になる一方、Rレンジが設定された場合にはパイロット圧路74とクラッチ圧路61とが遮断状態となり、スイッチ弁62はロックアップ開放位置に保持されることになる。つまり、L/Uクラッチ33と後退用ブレーキ36との同時締結を防止する回路構造となっている。また、Rレンジが設定された場合には、リバースシグナル弁72からパイロット圧路74を介して、クラッチ圧調整弁60にパイロット圧が供給されるため、クラッチ圧はDレンジの場合よりも低い圧力に調圧される。
図4は電磁切換弁67、電磁圧力制御弁70、L/Uクラッチ33および前進用クラッチ35の作動状態を示す表である。なお、0は低圧状態つまりパイロット圧力が出力されていない状態を示し、1は高圧状態つまりパイロット圧力が出力されている状態を示し、○は締結状態を示し、×は開放状態を示している。また、図5(A)〜(D)は、図4の状態A〜Dにそれぞれ対応する油圧回路図である。なお、黒塗りした各油路は作動油の供給状態を示し、斜線を付した各油路は作動油の排出状態を示している。
図4の状態Aに示すように、電磁切換弁67と電磁圧力制御弁70とが共に低圧状態となるときには、図5(A)に示すように、スイッチ弁62とスリップ圧調整弁69とは共にロックアップ開放位置となっており、前進用クラッチ35とL/Uクラッチ33とは共に開放状態となる。続いて、図4の状態Bに示すように電磁圧力制御弁70が高圧状態となると、図5(B)に示すように、スリップ圧調整弁69が前進用クラッチ締結位置に向けて作動するため、前進用クラッチ35が締結状態となり車両の前進走行が可能となる。
そして、車両が低速走行から高速走行に移行した場合、つまり車速Vが所定値を上回るときには、トルクコンバータ30の作動を停止させてエンジン動力の伝達効率を高めるため、クラッチ制御手段としてのCVT制御ユニット41は、油圧制御回路に対してL/Uクラッチ33を締結させるロックアップ信号を出力する。このロックアップ信号が出力されると、電磁切換弁67が高圧状態に切り換えられるとともに(状態C)、電磁圧力制御弁70が徐々に低圧状態に向けて切り換えられ(状態D)、図5(C)に示すようにスイッチ弁62はロックアップ締結位置に作動し、図5(D)に示すようにスリップ圧調整弁69はロックアップ締結位置に向けて作動することになる。
詳しく説明すると、まず前進用クラッチ35に対する油圧供給経路が、クラッチ圧路61、スリップ圧調整弁69、スリップ圧路68、スイッチ弁62、クラッチブレーキ圧路73、マニュアル弁71、前進用クラッチ圧路65からなる第1作動油路から、クラッチ圧路61、スイッチ弁62、クラッチブレーキ圧路73、マニュアル弁71、前進用クラッチ圧路65からなるスリップ圧調整弁69を迂回した第2作動油路に切り換えられ、前進用クラッチ35の締結状態が維持される。次いで、L/Uクラッチ33のリリース室33bに接続するリリース圧路64は、スイッチ弁62を介して潤滑圧路44に連通した状態から、スイッチ弁62、スリップ圧路68、スリップ圧調整弁69を介して排出ポート69aに連通する状態に切り換えられる。つまり、リリース室33bは第1作動油路を構成するスリップ圧路68を介してスリップ圧調整弁69に接続された状態となり、スリップ圧調整弁69を切り換えることによってリリース室33bの油圧は徐々に排出されることになる。
ここで、電磁切換弁67を流れる作動油に摩耗粉などのコンタミネーションつまり不純物が混入した場合を想定すると、電磁切換弁67のスプール弁軸などに不純物が噛み込み、電磁切換弁67が作動不能となるスティック現象が生ずるおそれがある。このように、電磁切換弁67にスティック現象が発生した場合に、CVT制御ユニット41から、前述した電磁切換弁67や電磁圧力制御弁70に対してロックアップ信号が出力されると、前進用クラッチ35とL/Uクラッチ33とが共に開放状態に切り換えられてしまう。つまり、CVT制御ユニット41が、前進用クラッチ35とL/Uクラッチ33とを共に締結する図4の状態Dに切り換えるため、ロックアップ信号を出力した場合であっても、電磁切換弁67にスティック現象が発生した場合には、無段変速機10は双方のクラッチ33,35が共に開放される状態Aに切り換えられることになる。
図6は図1の無段変速機10を簡略化して示したスケルトン図であり、図7は前進走行中に前進用クラッチ35が開放されたときのエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの回転変動を示す線図である。電磁切換弁67のスティック現象により前進用クラッチ35が開放された場合には、図6に示すように、エンジン動力が前進用クラッチ35で遮断されるため、駆動輪に対してエンジン動力を伝達することができない走行不能状態となる。このため、CVT制御ユニット41は、走行不能状態の原因つまり油圧制御系の故障に起因する前進用クラッチ35の開放を検出し、この検出結果に対して適切に対処する必要があるが、低コスト化を達成するためプライマリ回転数センサを削減した無段変速機10にあっては、前進用クラッチ35の開放状態を検出することは困難であった。
つまり、図6に示すように、前進用クラッチ35の近辺に配置される回転数センサは、エンジン回転数センサ55とタービン回転数センサ50であるが、前進走行中に前進用クラッチ35が開放された場合には、図7に示すように、負荷低減に伴ってエンジン回転数Neが急激に上昇するとともに、タービン回転数Ntもエンジン回転数Neの上昇変動に追従して上昇するため、これら2種類の回転数Ne,Ntを用いて前進用クラッチ35の開放状態を検出することは困難であった。なお、図7に破線で示す回転変動は、L/Uクラッチ33が正常に締結された場合の回転変動を示している。
以下、プライマリ回転数Npを用いることなく前進用クラッチ35の開放を判定することにより、CVT制御ユニット41が油圧制御系の故障を判定する際の手順について説明する。まず、CVT制御ユニット41はプライマリ回転数Npを検出することができないため、以下の手順に従ってプライマリ軸12の予測回転数Npf(以下、予測プライマリ回転数という)を算出する。つまり、CVT制御ユニット41は判定手段や入力回転数算出手段として機能する。
図8は予測プライマリ回転数Npfの算出手順の流れを示すブロック図である。図8に示すように、CVT制御ユニット41は、車速Vとスロットル開度Toとをパラメータとして図示しない変速特性マップを参照し、目標プライマリ回転数Npdを算出する。続いて、目標プライマリ回転数Npdの急激な変動を抑制するため、目標プライマリ回転数Npdに変化量上下限処理を施し、上下限処理後の目標プライマリ回転数Npdlを算出する。この目標プライマリ回転数Npdlはプライマリ軸12の目標回転数となっている。
続いて、CVT制御ユニット41は、算出した目標プライマリ回転数Npdlと入力されるセカンダリ回転数Nsとに基づいて目標変速比isを算出し、この目標変速比isに変化量1次遅れフィルタ処理を施して、フィルタ処理後の目標変速比isfを算出する。そして、この目標変速比isfと、先読みした予測セカンダリ回転数Nsfとに基づいて、予測プライマリ回転数Npfを算出する。
この予測プライマリ回転数Npfは、目標変速比isfに基づいて算出される回転数であるため、実際の無段変速機10内で回転するプライマリプーリ20に即した回転数となっている。つまり、目標プライマリ回転数Npdlは変速制御の初期段階における目標値であるのに対して、目標変速比isfは変速制御の最終段階における目標値であるため、目標変速比isfを用いることにより、予測プライマリ回転数Npfを実際のプライマリ回転数Npに近づけて算出することができる。
図9は前進用クラッチ35が開放されたときのエンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとの変動状態を示す線図である。図9に示すように、前進走行中に前進用クラッチ35が開放状態に切り換えられた場合には、エンジン回転数Neは急激に上昇することになるが、目標変速比isfに基づいて算出される予測プライマリ回転数Npfは、前述したタービン回転数Ntのようにエンジン回転数Neに追従することなく、プライマリ回転数Npと同様の特性を示すことになる。このように、プライマリ回転数Npと同様の特性を備える予測プライマリ回転数Npfを算出することにより、前進用クラッチ35の出力側つまりプライマリプーリ20側の回転数をCVT制御ユニット41に認識させることができる。このため、予測プライマリ回転数Npfと、前進用クラッチ35の入力側の回転数を示すエンジン回転数Neとを比較判定することにより、前進用クラッチ35が締結状態と開放状態とのいずれに切り換えられているかを判定することができる。
続いて、予測プライマリ回転数Npfとエンジン回転数Neとを用いて、前進用クラッチ35の開放を伴う油圧制御系故障を判定する手順について説明する。図10は前進用クラッチ35の開放を伴う油圧制御系故障を判定する際の手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、まずステップS1では、ロックアップ信号が出力されているか否かが判定される。ステップS1において、ロックアップ信号が出力されている場合には、ステップS2に進み、エンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとの回転数差が所定値G1を上回るか否かが判定される。ステップS2において、回転数差が所定値G1を上回ると判定された場合には、ステップS3に進み、エンジン回転数Neの上昇変化量ΔNeが所定変化量Iを上回るか否かが判定される。そして、ステップS3において、エンジン回転数Neが所定変化量Iを上回って上昇側に変化する場合には、続くステップS4において、タイマ制御が開始される。また、ステップS1〜S3までの条件を満たさなかった場合には、再びステップS1から各種条件が判定されることになる。
続いて、ステップS5では、エンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとの回転数差が所定値G2を上回るか否かが判定される。なお、この所定値G2はステップS2の所定値G1よりも小さな値となっている。ステップS5において、回転数差が所定値G2を上回ると判定された場合には、ステップS6に進み、タイマ制御によって算出される積算タイマが、判定時間T1を上回るか否かが判定される。一方、ステップS5において、回転数差が所定値G2を下回ると判定された場合には、再びステップS1から各種条件が判定される。
ステップS6において、積算タイマが判定時間T1に満たない場合には、ステップS7に進み、タイマカウントにより積算タイマが加算されて、再びステップS5で回転数差が判定される。一方、積算タイマが判定時間T1に達した場合には、ステップS8に進み、油圧制御系の故障により前進用クラッチ35が開放状態にあると判定される。
このような判定手順により、図9に示すように、ロックアップ信号が出力された状態のもとで、エンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとの回転数差が所定値G1を上回るとともに、エンジン回転数Neが所定変化量Iを上回って上昇し、判定時間T1に渡ってエンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとの回転数差が所定値G2を上回り続けた場合には、前進用クラッチ35の開放状態を伴う油圧制御系故障が発生していると判定されることになる。このように、エンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとの回転数差が離れることだけでなく、エンジン回転数Neが上昇側に変化することも判定条件とするため、前進用クラッチ35が開放状態にあることを確実に判定することができる。つまり、前進用クラッチ35の開放によってエンジン回転数Neが上昇側に変化した状態のもとで、油圧制御系故障を判定するようにしたので、判定結果の確実性を高めることができる。
そして、前述の手順を経て油圧制御系の故障が検出された場合には、CVT制御ユニット41によるロックアップ信号の出力は解除されることになる。ロックアップ信号の解除により、図4の状態Bや図5(B)に示すように、油圧制御回路は通常の前進走行状態に制御されるため、電磁圧力制御弁70からパイロット圧の出力が再開される。これにより、スリップ圧調整弁69からスイッチ弁62を介して前進用クラッチ35に再び油圧を供給することができ、再び車両を前進走行させることができる。また、油圧制御系の故障が検出された場合には、インジケータランプを点灯させることにより、運転者に油圧制御系の故障を認識させるようにしても良い。
なお、図9に示すアクセル開度Aoは、前進用クラッチ35が開放された場合に想定される運転者のアクセル操作状況を示しており、図9のエンジン回転数Neや予測プライマリ回転数Npfの変動状態は、図示するアクセル開度Aoに基づく変動状態である。このアクセル操作状況は、急激にエンジン回転数Neが上昇したため運転者がアクセルペダルを一旦離した後に、車両を走行させるために再度アクセルペダルを踏み込んだ状態を示しているが、この状態に限られることはなく、アクセルペダルが一定に踏み続けられた場合や、アクセルペダルが更に踏み込まれた場合であっても、エンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとに基づいて油圧制御系故障を判定できることは言うまでもない。
これまで説明したように、前進走行中にエンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとを比較判定することにより、プライマリ回転数センサを削減して低コスト化を達成した無段変速機10であっても、前進用クラッチ35の開放を確実に判定することができる。
また、エンジン回転数Neが所定変化量Iを上回って上昇側に変化した状態のもとで、エンジン回転数Neと予測プライマリ回転数Npfとを比較判定するようにしたので、判定結果の確実性を高めることができる。
さらに、目標変速比isfに基づいて予測プライマリ回転数Npfを算出するようにしたので、予測プライマリ回転数Npfを実際のプライマリ回転数Npに近づけて算出することができ、判定結果の確実性を高めることができる。
さらに、無段変速機10が前記実施の形態で説明した油圧制御回路を備えている場合、すなわち、ロックアップ信号の出力に基づいて、前進用クラッチ35に対する油圧供給経路を、スリップ圧調整弁69を介してオイルポンプ40に連通する第1作動油路から、スリップ圧調整弁69を迂回してオイルポンプ40に連通する第2作動油路に切り換えるとともに、第1作動油路を介してL/Uクラッチ33のリリース室33bをスリップ圧調整弁69に接続し、スリップ圧調整弁69を切り換えてリリース室33bの油圧を排出する油圧制御回路を備えている場合には、制御系故障が発生した状態のもとでロックアップ信号が出力されると、前進用クラッチ35が開放されることになる。このため、ロックアップ信号が出力された状態のもとで前進用クラッチ35の開放を判定することにより、制御系故障の判定を確実に行うことができる。
さらに、油圧制御系の故障が検出されたときには、ロックアップ信号を解除するようにしたので、前進用クラッチ35を再締結することができ、最低限の走行性能を維持することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、スロットル開度ToセンサからCVT制御ユニット41に入力されるスロットル開度Toを、アクセルペダルセンサ52からのアクセル開度Aoに基づいて算出しても良い。また、車速VセンサからCVT制御ユニット41に入力される車速Vを、セカンダリ回転数センサからのセカンダリ回転数Nsに基づいて算出しても良い。
また、目標変速比isfに基づいて予測プライマリ回転数Npfを算出するようにしているが、フィルタ処理を施していない目標変速比isに基づいて予測プライマリ回転数Npfを算出しても良い。さらに、予測プライマリ回転数Npfは目標変速比isfと予測セカンダリ回転数Nsfとに基づいて算出されているが、予測セカンダリ回転数Nsfに代えて、セカンダリ回転数Nsを用いるようにしても良い。
さらに、前記実施の形態に示す油圧制御回路においては、制御系に故障が発生した状態のもとでロックアップ信号が出力されると、前進用クラッチ35が開放されるため、CVT制御ユニット41は、ロックアップ信号が出力された状態のもとで前進用クラッチ35の開放を判定しているが、ロックアップ信号の出力時に限られることはなく、ロックアップ信号が出力されていない前進走行中に前進用クラッチ35の開放を判定しても良い。また、図示する油圧制御回路に限られることはなく、制御系に故障が発生した場合に前進用クラッチ35の開放が想定される油圧制御回路であれば、他の油圧制御回路を備える無段変速機に本発明を適用しても良い。
なお、本発明の制御装置を適用する無段変速機としては、図示するベルト式無段変速機10に限られることはなく、トロイダル式無段変速機であっても良いことはいうまでもない。
車両に搭載される無段変速機を示すスケルトン図である。 無段変速機の油圧制御系および電子制御系を示す概略図である。 油圧制御回路の一部を示す油圧回路図である。 電磁切換弁、電磁圧力制御弁、ロックアップクラッチおよび前進用クラッチの作動状態を示す表である。 (A)〜(D)は、図4の状態A〜Dにそれぞれ対応する油圧回路図である。 図1の無段変速機を簡略化して示したスケルトン図である。 エンジン回転数とタービン回転数との回転変動を示す線図である。 予測プライマリ回転数の算出手順を示すブロック図である。 エンジン回転数と予測プライマリ回転数との変動状態を示す線図である。 前進用クラッチの開放を伴う油圧制御系故障を判定する際の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 無段変速機
11 エンジン
11a クランク軸
12 プライマリ軸(入力軸)
13 セカンダリ軸(出力軸)
20 プライマリプーリ(入力側回転体)
21 セカンダリプーリ(出力側回転体)
22 駆動ベルト(動力伝達要素)
30 トルクコンバータ
32 タービン軸
33 L/Uクラッチ(ロックアップクラッチ)
33a アプライ室
33b リリース室
35 前進用クラッチ
40 オイルポンプ(油圧供給源)
41 CVT制御ユニット(クラッチ制御手段,入力回転数算出手段,判定手段)
62 スイッチ弁
67 電磁切換弁
69 スリップ圧調整弁(油圧作動弁)
70 電磁圧力制御弁
G1,G2 所定値
I 所定変化量
is 目標変速比
isf 目標変速比
Ne エンジン回転数
Npd 目標プライマリ回転数(目標回転数)
Npdl 目標プライマリ回転数(目標回転数)
Npf 予測プライマリ回転数(予測回転数)
Ns セカンダリ回転数
To スロットル開度
V 車速

Claims (4)

  1. 入力軸に装着されるとともにトルクコンバータを介してエンジンに駆動される入力側回転体と、出力軸に装着されるとともに前記入力側回転体に動力伝達要素を介して連結される出力側回転体とを備える無段変速機の制御装置であって、
    前記トルクコンバータのタービン軸と前記入力軸との間に設けられ、前記入力側回転体にエンジン動力を伝達する締結状態と、伝達を解除する開放状態とに切り換えられる前進用クラッチと、
    車速とスロットル開度とに基づいて、前記入力軸の回転数を予測して算出する入力回転数算出手段と、
    前進走行中にエンジン回転数が所定変化量を上回って上昇側に変化したときに前記エンジン回転数と前記入力軸の予測回転数とを比較判定し、前記エンジン回転数と前記予測回転数との回転数差が所定値を上回るときには、前記前進用クラッチの開放を判定する判定手段とを有することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記入力回転数算出手段は、車速とスロットル開度とに基づいて前記入力軸の目標回転数を算出し、前記目標回転数と前記出力軸の回転数とに基づいて目標変速比を算出し、前記目標変速比に基づいて前記入力軸の予測回転数を算出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の無段変速機の制御装置において、
    前記トルクコンバータに組み込まれ、前記タービン軸と前記エンジンのクランク軸とを連結する締結状態と、連結を解除する開放状態とに切り換えられるロックアップクラッチと、
    車両の走行状態に基づいて、前記ロックアップクラッチを締結させるロックアップ信号を出力するクラッチ制御手段と、
    前記ロックアップ信号に基づいて、前記前進用クラッチの油圧供給経路を、油圧作動弁を介して油圧供給源に連通する第1作動油路から、前記油圧作動弁を迂回して前記油圧供給源に連通する第2作動油路に切り換えるとともに、前記第1作動油路を介して前記ロックアップクラッチのリリース室を前記油圧作動弁に接続し、前記油圧作動弁を切り換えて前記リリース室の油圧を排出する油圧制御回路とを有し、
    前記判定手段は、ロックアップ信号が出力された状態のもとで、前記前進用クラッチの開放を判定したときには、制御系の故障と判定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  4. 請求項記載の無段変速機の制御装置において、前記判定手段により制御系の故障と判定されたときには、前記クラッチ制御手段は前記ロックアップ信号を解除することを特徴とする無段変速機の制御装置。
JP2003403349A 2003-12-02 2003-12-02 無段変速機の制御装置 Expired - Fee Related JP4565832B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003403349A JP4565832B2 (ja) 2003-12-02 2003-12-02 無段変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003403349A JP4565832B2 (ja) 2003-12-02 2003-12-02 無段変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005163906A JP2005163906A (ja) 2005-06-23
JP4565832B2 true JP4565832B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=34726682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003403349A Expired - Fee Related JP4565832B2 (ja) 2003-12-02 2003-12-02 無段変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4565832B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10672207B2 (en) 2017-01-20 2020-06-02 Polaris Industries Inc. Diagnostic systems and methods of a continuously variable transmission

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103890462B (zh) 2011-10-28 2016-03-09 丰田自动车株式会社 车辆用无级变速器的控制装置
JP6115022B2 (ja) * 2012-04-19 2017-04-19 日産自動車株式会社 車両の制御装置
CN114607507B (zh) * 2022-03-11 2023-06-02 中国第一汽车股份有限公司 一种发动机的转速检测方法、装置、计算机设备和介质

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07139613A (ja) * 1993-11-15 1995-05-30 Nissan Motor Co Ltd 変速機の入力回転速度推定方法及び装置
JPH10288253A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Denso Corp 変速機用シフトレバーおよびそれを用いた自動クラッチシステム
JPH1113874A (ja) * 1997-06-30 1999-01-22 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の制御装置
JP2001227606A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Fuji Heavy Ind Ltd 電動オイルポンプを有する自動車用ベルト式無段変速装置
JP2002340169A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Toyota Motor Corp 車両用変速機の制御装置
JP2002354604A (ja) * 2001-05-21 2002-12-06 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車
JP2003336662A (ja) * 2002-05-16 2003-11-28 Toyota Motor Corp クラッチの滑り検出装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07139613A (ja) * 1993-11-15 1995-05-30 Nissan Motor Co Ltd 変速機の入力回転速度推定方法及び装置
JPH10288253A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Denso Corp 変速機用シフトレバーおよびそれを用いた自動クラッチシステム
JPH1113874A (ja) * 1997-06-30 1999-01-22 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機の制御装置
JP2001227606A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Fuji Heavy Ind Ltd 電動オイルポンプを有する自動車用ベルト式無段変速装置
JP2002340169A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Toyota Motor Corp 車両用変速機の制御装置
JP2002354604A (ja) * 2001-05-21 2002-12-06 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車
JP2003336662A (ja) * 2002-05-16 2003-11-28 Toyota Motor Corp クラッチの滑り検出装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10672207B2 (en) 2017-01-20 2020-06-02 Polaris Industries Inc. Diagnostic systems and methods of a continuously variable transmission
US11430272B2 (en) 2017-01-20 2022-08-30 Polaris Industries Inc. Diagnostic systems and methods of a continuously variable transmission

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005163906A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10012297B2 (en) Power transmission system
JP4678417B2 (ja) 油圧制御装置
JP5605504B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
EP1887259B1 (en) Shift control device and shift control method of vehicular continuously variable transmission
US20070232424A1 (en) Control device for continuously variable transmission
US10001179B2 (en) Control apparatus for power transmission system
US10626989B2 (en) Hydraulic control device for automatic transmission
US20180335134A1 (en) Vehicle power transmission device
JP4678036B2 (ja) 車両用無段変速機の制御装置および制御プログラム
US10344853B2 (en) Hydraulic switch malfunction assessment device
CN110159748B (zh) 车辆的控制装置
JP6554545B2 (ja) ベルト無段変速機及びその故障判断方法
JP2007113651A (ja) ロックアップ機構故障検出装置
JP4565832B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP4680615B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP4185785B2 (ja) 自動変速機
JP6748786B2 (ja) 自動変速機のセレクトソレノイド弁異常診断装置および異常診断方法
JP4322007B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JPH1054458A (ja) 自動変速機用油圧制御装置
JP6718022B2 (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP7114978B2 (ja) 車両用油圧制御装置
JP2005164001A (ja) 動力伝達機構の故障診断装置
JP4700275B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP7155572B2 (ja) 車両用油圧制御装置
WO2020110658A1 (ja) 無段変速機の制御装置および制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100713

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4565832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees