JP5860220B2 - 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents
樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5860220B2 JP5860220B2 JP2011056781A JP2011056781A JP5860220B2 JP 5860220 B2 JP5860220 B2 JP 5860220B2 JP 2011056781 A JP2011056781 A JP 2011056781A JP 2011056781 A JP2011056781 A JP 2011056781A JP 5860220 B2 JP5860220 B2 JP 5860220B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- monomer
- resin
- particles
- particle
- resin particle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
一般に、上記のようなビーズ法により得られたポリスチレン系樹脂の発泡成形体は、予備発泡粒同士を熱融着により一体化させるが、融着面が弱く耐衝撃性に劣り、特に曲げ強度が劣るという短所を有している。過去、ポリスチレン系樹脂の発泡成形体の物性を改善するための技術が種々提案されている。例えば、特開2009−263512号公報(特許文献1)には、スチレン系単量体と分岐状マクロモノマーとアクリル酸エステルとの共重合体を、発泡シートの基材樹脂用の原料に使用することが提案されている。
そのため、発泡成形体に優れた曲げ強度を与えうる樹脂粒子の提供が望まれていた。
前記共重合体成分が、前記樹脂粒子の表面から粒子半径の50%までの領域に含まれ、且つ
前記樹脂粒子の表面部のZ平均分子量が、90万〜200万であり、
前記分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体が、下記の一般式
R 1 −(O−CO−NH−R 2 −NH−CO−O−CO−C(R 3 )=CH 2 ) n
(式中、R 1 及びR 3 はアルキル基、R 2 はアルキレン基、nは3〜10である)
で表されるウレタン結合を有するビニル系単量体から選択される単量体であることを特徴とする樹脂粒子が提供される。
更に、本発明によれば、発泡性樹脂粒子を、発泡させて得られた発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡粒子を、発泡成形させて得られた発泡成形体が提供される。
更に本発明によれば、上記樹脂粒子の製造方法であり、
ポリスチレン系樹脂を含む種粒子に、分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体を吸収させる工程と、
吸収時又は吸収後に、前記分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体を共重合させることで樹脂粒子を得る工程とを含み、
前記分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体が、下記の一般式
R 1 −(O−CO−NH−R 2 −NH−CO−O−CO−C(R 3 )=CH 2 ) n
(式中、R 1 及びR 3 はアルキル基、R 2 はアルキレン基、nは3〜10である)
で表されるウレタン結合を有するビニル系単量体から選択される単量体である樹脂粒子の製造方法が提供される。
更に、樹脂粒子の表面部をGPC/MALLS法により測定したlog(R.M.S半径)をy軸とし、log(Mw)をx軸とする相関式の傾きが、0.55以下である場合、より曲げ強度に優れた発泡成形体を与えうる樹脂粒子を提供できる。
更に、(メタ)アクリレート系単量体が、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートから選択される単量体である場合、より曲げ強度に優れた発泡成形体を与えうる樹脂粒子を提供できる。
R1−(O−CO−NH−R2−NH−CO−O−CO−C(R3)=CH2)n
(式中、R1及びR3はアルキル基、R2はアルキレン基、nは3〜10である)
で表されるビニル系単量体から選択される単量体である場合、より曲げ強度に優れた発泡成形体を与えうる樹脂粒子を提供できる。
本発明の樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂成分(A)と、分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体の共重合体成分(B)とを基材樹脂として含んでいる。
(1)ポリスチレン系樹脂成分
ポリスチレン系樹脂成分としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体等に由来する成分が挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂成分としては、上記スチレン系単量体と、このスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体に由来する成分であってもよい。このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート等の単官能単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の二官能単量体等が挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂成分の内、ポリスチレン樹脂成分であることがより好ましい。
分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体としては、樹脂粒子に曲げ強度に優れた発泡成形体を与えうる単量体であれば、特に限定されない。例えば、(メタ)アクリレート系単量体及びウレタン結合を有するビニル系単量体から選択される単量体が挙げられる。
(メタ)アクリレート系単量体としては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
R1−(O−CO−NH−R2−NH−CO−O−CO−C(R3)=CH2)n
(式中、R1及びR3はアルキル基、R2はアルキレン基、nは3〜10である)
で表されるビニル系単量体から選択される単量体が挙げられる。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。アルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。
ウレタン結合を有するビニル系単量体としては、新中村化学工業社から入手しうるNKオリゴシリーズ等が使用できる。具体的には、NKオリゴU−6HA、NKオリゴUA−32P、NKオリゴU−15HA等が挙げられる。
上記例示された単量体は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体の共重合体成分は特定の割合で樹脂粒子に存在している。具体的には、樹脂粒子の表面から粒子半径の50%までの領域に含まれている。
また、樹脂粒子の表面部のZ平均分子量が90万〜200万となるように、樹脂粒子中に共重合体成分が存在している。
上記数値範囲から理解されるように、樹脂粒子は、共重合体成分が偏在した表面領域を備えており、且つ特定範囲のZ平均分子量であることが好ましい。
共重合体成分が樹脂粒子の表面から50%までの領域に含まれていない場合、十分な曲げ強度が得られないことがある。共重合体成分は、樹脂粒子の表面から粒子径の40%までの領域に含まれていることがより好ましい。
また、この領域に共重合体成分全体の80質量%以上、好ましくは90質量%以上含まれることが好ましい。
また、共重合成分は、樹脂粒子の表面部のGPC/MALLS法により測定したlog(R.M.S半径)をy軸とし、log(Mw)をx軸とする相関式の傾きが0.55以下であるように存在することが好ましい。0.55を超えると、成形性、特に予備発泡粒子同士の熱融着が低下し、十分な曲げ強度が得られない。好ましい範囲としては、0.53以下である。なお、傾きの下限は、0.40であることが好ましい。
樹脂粒子には、必要に応じ且つ本願の効果を阻害しない範囲で他の樹脂が含まれていてもよい。
他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル等が挙げられる。
樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。
難燃剤としては、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等の難燃剤が挙げられる。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの有機過酸化物が挙げられる。
滑剤としては、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
結合防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、エチレンビスステアリン酸アミド、第三リン酸カルシウム、ジメチルシリコン等が挙げられる。
融着促進剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
気泡調整剤としては、メタクリル酸エステル系共重合ポリマー、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
樹脂粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。この内、球状であるのが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径は、用途に応じて適宜選択でき、例えば、0.2mm〜5mmの平均粒子径のものを使用できる。また、成形型内への充填性等を考慮すると、平均粒子径は、0.3mm〜2mmがより好ましく、0.3mm〜1.4mmが更に好ましい。
また、樹脂粒子は、23℃のトルエンに溶解した際に、不溶分が0.1質量%以下であることが好ましい。
樹脂粒子の製造方法は特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂からなる種粒子に、スチレン系単量体と分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体を吸収させ重合させることで、樹脂粒子を得ることができる。
(i)種粒子
種粒子は、公知の方法で製造されたものを用いることができ、例えば、(1)ポリスチレン系樹脂を押出機で溶融混練し、ストランド状に押し出し、ストランドをカットすることにより種粒子を得る押出方法、(2)水性媒体、スチレン系単量体及び重合開始剤をオートクレーブ内に供給し、オートクレーブ内において加熱、攪拌しながらスチレン系単量体を懸濁重合させて種粒子を製造する懸濁重合法、(3)水性媒体及びポリスチレン系樹脂粒子をオートクレーブ内に供給し、ポリスチレン系樹脂粒子を水性媒体中に分散させた後、オートクレーブ内を加熱、攪拌しながらスチレン系単量体を連続的にあるいは断続的に供給して、ポリスチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を吸収させつつ重合開始剤の存在下にて重合させて種粒子を製造するシード重合法等が挙げられる。
また、種粒子は一部、又は全部に樹脂回収品を用いることができる。回収品を使用する場合は、押出方法による種粒子の製造が向いている。
種粒子を水性媒体中に分散させてなる分散液中に、スチレン系単量体と分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体を供給することで、各単量体を種粒子に吸収させる。供給される分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体は、樹脂粒子中に含まれる分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体にほぼ対応している。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
重合工程は、使用する単量体種、重合開始剤種、重合雰囲気種等により異なるが、通常、70〜130℃の加熱を、3〜10時間維持することにより行われる。重合工程は、単量体を含浸させつつ行ってもよい。
重合工程は、使用する単量体全量を1段階で重合させてもよく、2段階以上に分けて重合させてもよい。2段階以上に分けて重合させる場合、通常、含浸工程も2段階に分けて行われる。2段階以上に分けた重合工程の重合温度及び時間は、同一であっても、異なっていてもよい。
発泡性樹脂粒子は、上記樹脂粒子に発泡剤を含浸させた粒子である。
(1)発泡剤
発泡剤としては、特に限定されず、公知のものをいずれも使用できる。特に、沸点がポリスチレン系樹脂の軟化点以下であり、常圧でガス状又は液状の有機化合物が適している。例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン等のハロゲン含有炭化水素、炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無機ガス等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。この内、炭化水素を使用するのが、オゾン層の破壊を防止する観点、及び空気と速く置換し、発泡成形体の経時変化を抑制する観点で好ましい。炭化水素の内、沸点が−45〜40℃の炭化水素がより好ましく、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が更に好ましい。
発泡性樹脂粒子は、上記基材樹脂に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。含浸は、重合と同時に湿式で行ってもよく、重合後に湿式又は乾式で行ってもよい。湿式で行う場合は、上記重合工程で例示した、懸濁安定剤及び界面活性剤の存在下で行ってもよい。
発泡剤の含浸温度は、60〜120℃が好ましい。60℃より低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、120℃より高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。より好ましい含浸温度は、70〜110℃である。
発泡助剤を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤としては、アジピン酸イソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
発泡粒子は、水蒸気等を用いて所望の嵩密度に発泡性樹脂粒子を発泡させることで得られる。発泡粒子は、クッションの充填材等の用途ではそのまま使用でき、更に型内発泡させるための発泡成形体の原料として使用できる。発泡成形体の原料の場合、発泡粒子は予備発泡粒子と、発泡粒子を得るための発泡は予備発泡と、通常称される。
なお、発泡前に、発泡性樹脂粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類を塗布しておくことが好ましい。塗布しておくことで、発泡性樹脂粒子の発泡工程において発泡粒子同士の結合を減少できる。
発泡粒子を多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、再び加圧水蒸気等で加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させることにより一体化させることで、発泡成形体が製造できる。その際、発泡成形体の密度は、例えば、金型内への発泡粒子の充填量を調製する等して調製できる。
発泡粒子は、発泡成形体の成形前に、例えば常圧で、熟成させてもよい。発泡粒子の熟成温度は、20〜60℃が好ましい。熟成温度が低いと、発泡粒子の熟成時間が長くなることがある。一方、高いと、発泡粒子中の発泡剤が散逸して成形性が低下することがある。
発泡成形体は、例えば、魚、農産物等の梱包材、床断熱用の断熱材、盛土材、畳の芯材等に使用できる。
<共重合体成分の存在状態>
樹脂粒子を中心を通る面で切断し、断面の中心から表面にかけて顕微IRイメージングマッピング法にて分析し、ポリスチレン系樹脂成分と、分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体の共重合体成分の吸光比(1730cm-1/1600cm-1)を算出し、共重合体成分の存在状態と、含有量を測定する。
測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計Spectrum One(Perkin Elmer社製)
高速IRイメージングシステム Spectrum Spotlight 300
測定モード:Imaging 透過法
測定条件:分解能=8cm-1 スキャン回数2、8 ピクセルサイズ6.25×6.25μm
前処理方法:スライス試料をフッ化Ba板に挟み、透過法に測定後、吸光度の強度比マッピングを実施。
スライス試料作製:ウルトラミクロトーム ULTRACUT−UCT(ライカ社製)
スライス使用ナイフ:ダイヤモンドナイフ 切削厚み10μm
樹脂粒子表面のZ平均分子量(Mz1)と樹脂粒子全体のz平均分子量(Mz2)は以下のようにして測定する。
樹脂粒子表面のZ平均分子量は、発泡成形体の表面部として算出する。
即ち、発泡成形体は、樹脂粒子を予備発泡させて、型内成形したものであるから、樹脂粒子表面は発泡成形体表面部に相当し、本発明では樹脂粒子表面のZ平均分子量を発泡成形体表面部のZ平均分子量とする。
即ち、密度0.02g/cm3の発泡成形体を作製し、樹脂粒子表面から形成されている発泡成形体表面部を0.1〜0.3mmでスライスし、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)にてz平均分子量を測定する。
一方、樹脂粒子全体のz平均分子量は、樹脂粒子を試料とし、同様にGPC法にて測定する。
密度0.02g/cm3の発泡成形体を作製し、樹脂粒子表面から形成されている発泡成形体表面部を0.1〜0.3mmでスライスし、試料とする。
(THF系GPC−MALLSの測定条件)
・GPC装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
・MALLS:DAWN HELEOS(Wayyat Technology社製)
・濃度検出器:示差屈折率計(RI検出器)
・MALLSレーザー波長:658nm
・カラム:TSKgelGMHHR−H(7.8mmID×30cm)×2本(東ソー社製)
・溶離液:THF(キシダ化学社製1級)
・流速:1.0ml/min
・試料濃度:1mg/ml
・注入量:100μl
・カラム温度:40℃
・検出器温度:RI検出器:40℃、MALLS:室温
・試料前処理:試料を秤量し、所定量の溶離液を加えて一晩、静置溶解させる。測定直前に緩やかに振り混ぜ、0.5μmのテフロン(登録商標)カートリッジフィルターでろ過する。
予備発泡粒子の嵩倍数は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定する。具体的には、まず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させる。メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定する。Wg及びVcm3を下記式に代入することで、予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の質量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。
発泡成形体の平均最大曲げ強度をJIS K9511:1999「発泡プラスチック保温材」に記載の方法に準拠して測定する。具体的には、密度0.02g/cm3の発泡成形体から縦75mm×横300mm×厚さ30mmの直方体形状の試験片を切り出す。しかる後、この試験片の最大曲げ強度を、曲げ強度測定器(オリエンテック社製商品名「UCT−10T」)を用いて、圧縮速度10mm/分、支点間距離200mm、加圧くさび10R及び支持台10Rの条件下にて測定する。試験片を3個用意し、各試験片の最大曲げ強度を同じ要領で測定し、その相加平均を平均最大曲げ強度とする。
評価:平均最大曲げ強度 0.33MPa以上:○
0.33MPa未満:×
内容積25Lの撹拌機付き重合容器に、重量平均分子量が30万であるポリスチレン樹脂(積水化成品工業社製ポリスチレン)の種粒子2350g、ピロリン酸マグネシウム30g及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム10gを供給して撹拌しつつ75℃に加熱して分散液を作製した。
続いて、ベンゾイルパーオキサイド32.6g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート3.2gをスチレンモノマー1000gに溶解させ、このスチレンモノマーを全て前記分散液中に撹拌しつつ供給した。
そして、分散液中に前記スチレンモノマーを供給し終えてから30分経過後に、この分散液中にスチレンモノマー2650gを60分かけて一定の供給速度で供給しながら、分散液を60分88℃とすることで、ポリスチレン系樹脂からなる種粒子を得た。
次に、樹脂粒子が分散した分散液を100℃に保持し、続いて、重合容器内にシクロヘキサン90g、ジイソブチルアジペート70g、ブタン900gを圧入して3時間に亘って保持することにより、樹脂粒子中にブタンを含浸させた。この後、重合容器内を25℃に冷却して発泡性樹脂粒子を得た。
そして、発泡性樹脂粒子を加熱して嵩密度0.020g/cm3に予備発泡させて予備発泡粒子を得た。予備発泡粒子を20℃で24時間熟成させた。次に、予備発泡粒子を金型内に充填して加熱発泡させて、縦400mm×横300mm×厚さ30mmの発泡成形体を得た。発泡成形体を50℃の乾燥室で6時間乾燥した後、密度を測定したところ、0.020g/cm3(20kg/m3)であった。発泡成形体は、収縮もなく外観も優れていた。
表1に示す共重合体成分を与える単量体を使用すること以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
実施例2〜9の発泡成形体は、収縮もなく外観も優れていた。
一方、比較例1〜5の発泡成形体は、曲げ強度に劣るものであった。
実施例1〜9及び比較例1〜5の結果を表1にまとめて示す。
図1から、共重合体成分を与えるビニル基数が3〜10個の範囲であれば、曲げ強度を顕著に向上できることが分かる。
図2から、Mz1が90×104〜200×104の範囲であれば、曲げ強度を顕著に向上できることが分かる。
図3から、Mz1/Mz2が1.5〜2.0の範囲であれば、曲げ強度を顕著に向上できることが分かる。
Claims (7)
- ポリスチレン系樹脂成分(A)と、分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体の共重合体成分(B)とを含む樹脂粒子であり、
前記共重合体成分が、前記樹脂粒子の表面から粒子半径の50%までの領域に共重合体成分全体の80質量%以上含まれ、且つ
前記樹脂粒子の表面部のZ平均分子量が、90万〜200万であり、
前記分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体が、下記の一般式
R 1 −(O−CO−NH−R 2 −NH−CO−O−CO−C(R 3 )=CH 2 ) n
(式中、R 1 及びR 3 はアルキル基、R 2 はアルキレン基、nは3〜10である)
で表されるウレタン結合を有するビニル系単量体から選択される単量体であることを特徴とする樹脂粒子。 - 樹脂粒子の表面部をGPC/MALLS法により測定したlog(R.M.S半径)をy軸とし、log(Mw)をx軸とする相関式の傾きが、0.55以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂粒子。
- 23℃のトルエンに溶解した際に、不溶分が0.1質量%以下である請求項1又は2に記載の樹脂粒子。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂粒子と、発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子。
- 請求項4に記載の発泡性樹脂粒子を、発泡させて得られた発泡粒子。
- 請求項5に記載の発泡粒子を、発泡成形させて得られた発泡成形体。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂粒子の製造方法であり、
ポリスチレン系樹脂を含む種粒子に、分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体を吸収させる工程と、
吸収時又は吸収後に、前記分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体とスチレン系単量体を共重合させることで樹脂粒子を得る工程とを含み、
前記分子中に3〜10個のビニル基を有する単量体が、下記の一般式
R 1 −(O−CO−NH−R 2 −NH−CO−O−CO−C(R 3 )=CH 2 ) n
(式中、R 1 及びR 3 はアルキル基、R 2 はアルキレン基、nは3〜10である)
で表されるウレタン結合を有するビニル系単量体から選択される単量体である樹脂粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011056781A JP5860220B2 (ja) | 2011-03-15 | 2011-03-15 | 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011056781A JP5860220B2 (ja) | 2011-03-15 | 2011-03-15 | 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012193242A JP2012193242A (ja) | 2012-10-11 |
JP5860220B2 true JP5860220B2 (ja) | 2016-02-16 |
Family
ID=47085472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011056781A Active JP5860220B2 (ja) | 2011-03-15 | 2011-03-15 | 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5860220B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6227955B2 (ja) * | 2013-09-27 | 2017-11-08 | 積水化成品工業株式会社 | 発泡成形体 |
JP6343485B2 (ja) * | 2014-05-09 | 2018-06-13 | 積水化成品工業株式会社 | ポリスチレン系発泡成形体及びその製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6372713A (ja) * | 1986-09-12 | 1988-04-02 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 耐溶剤型均一粒径微粒子の製造方法 |
JP3739232B2 (ja) * | 1999-05-06 | 2006-01-25 | 積水化学工業株式会社 | 重合体微粒子及びその製造方法、液晶表示素子用スペーサ、導電性微粒子 |
JP4911280B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2012-04-04 | Jsr株式会社 | 有機ポリマー粒子およびその製造方法 |
JP5144088B2 (ja) * | 2007-02-22 | 2013-02-13 | 積水化成品工業株式会社 | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形品 |
-
2011
- 2011-03-15 JP JP2011056781A patent/JP5860220B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012193242A (ja) | 2012-10-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5689044B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂粒子、発泡性樹脂粒子、発泡粒子、発泡成形体及びそれらの製造方法 | |
JP5689011B2 (ja) | 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP6082637B2 (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP5641785B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP5860220B2 (ja) | 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP6441948B2 (ja) | 発泡性スチレン複合ポリオレフィン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子および発泡成形体 | |
JP2014145066A (ja) | 難燃性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP5478140B2 (ja) | 低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、低密度ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及び低密度ポリスチレン系樹脂発泡成形体 | |
JP5903395B2 (ja) | スチレン系樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体の製造方法 | |
JP2011026506A (ja) | 低揮発分発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、低揮発分ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及び低揮発分ポリスチレン系樹脂発泡成形体 | |
JP5732358B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂粒子、発泡性樹脂粒子、発泡粒子、発泡成形体及びそれらの製造方法 | |
JP2011246644A (ja) | 自動車内装材及びその製造方法 | |
JP5914079B2 (ja) | スチレン系発泡樹脂粒子及び発泡成形体 | |
JP5876789B2 (ja) | 発泡成形体及び樹脂発泡容器 | |
JP6227955B2 (ja) | 発泡成形体 | |
JP2012188543A (ja) | 樹脂粒子、発泡性樹脂粒子、その製造方法、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP2012207097A (ja) | 発泡成形体及びその製造方法 | |
JP5992349B2 (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP2012214990A (ja) | 推力伝達材及びその製造方法 | |
JP5713726B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP5824377B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂粒子、発泡性樹脂粒子、それらの製造方法、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP5918654B2 (ja) | 発泡成形体及び樹脂発泡容器 | |
JP5876790B2 (ja) | 発泡成形体及び樹脂発泡容器 | |
JP6294040B2 (ja) | スチレン系樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体 | |
JP2012214572A (ja) | 盛土用構造物及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150804 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150930 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5860220 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |