JP5856521B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、バルブ構造に関し、特に、車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器における減衰部への具現化に向くバルブ構造の改良に関する。
車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器にあっては、車両における乗り心地の観点から、たとえば、大きい振幅でゆっくりと伸縮する際には、積極的に減衰力を立ち上がらせ、小さい振幅で速く伸縮する際には、発生減衰力を抑えるようにするのが好ましい。
たとえば、特許文献1に開示のバルブ構造は、ピストンと、このピストンの端面に形成の環状の弁座と、この弁座に離着座する環状のリーフバルブとを有し、このリーフバルブが外周端部に径方向に形成の切欠からなるオリフィスを有している。
そして、このバルブ構造において、ピストンは、作動流体を収容するシリンダ内に一方室と他方室とを隔成すると共に、この一方室と他方室との連通を許容するポートを有し、このポートの下流側端を上記のリーフバルブが開放可能に閉塞している。
この従来のバルブ構造にあっては、緩衝器におけるピストン速度が低速領域にあるときに、一方室からポートに流入した作動流体がオリフィスを通過して他方室に流出することで、減衰力を立ち上がらせると共に、緩衝器におけるピストン速度が高速領域にあるときに、一方室からポートに流入した作動流体がリーフバルブにおける外周端部を撓ませて弁座との間に出現する隙間を通過して他方室に流出することで、減衰力が過剰にならないようにしている。
特開2003−042214号公報
上記従来のバルブ構造にあっては、このバルブ構造を具現化する減衰部を備える緩衝器が車両のサスペンションに組み込まれる場合に、車両における乗車フィーリングを悪くすると指摘される可能性がある。
上記のバルブ構造における減衰特性を見ると、作動流体がオリフィスを通過することによるオリフィス特性からリーフバルブの外周端部を撓ませて弁座との間に出現する隙間を通過することによるバルブ特性に急激に変化する。
つまり、リーフバルブにあっては、作動流体がオリフィスを通過しているときには、オリフィスを有する外周端部の動きが抑えられているが、オリフィスを通過する作動流体の流量が増えてくると、オリフィスだけでは対処できなくなって、リーフバルブが外周端部を撓ませて弁座との間に隙間を出現させ、作動流体を流出させる。
そして、リーフバルブが外周端部を撓ませて弁座との間に隙間を出現させる際には、リーフバルブの外周端部の全周が弁座から一挙に離れることになって、リーフバルブの開弁動作が言わば急激になり、オリフィス特性からバルブ特性へ減衰特性が急変することになる。
そのため、たとえば、車両が低速でロールしているときにオリフィス特性からバルブ特性に変化すると、言わば減衰力が抜けたような感覚を搭乗者に知覚させてしまい、乗車フィーリングが悪くなって、車両における乗り心地が悪化し、また、急な内圧の変動で異音が発生する危惧もある。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、車両における乗り心地の悪化や異音発生を危惧させないバルブ構造を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、この発明の構成を、一方室と他方室を隔成する隔壁壁体と、この隔壁体の上記一方室または上記他方室に対向する端面に形成される弁座と、この弁座に外周端部を離着座する第一のリーフバルブと、この第一のリーフバルブの背面に積層する第二のリーフバルブとを有するバルブ構造において、上記第二のリーフバルブが外周端部の周方向の任意個所に上記第一のリーフバルブにおける外周端部の弁座からの離座動作をさせ易くする低剛性部を有し、この低剛性部が自身の撓み剛性を上記第二のリーフバルブの外周端部における周方向の他部の撓み剛性より低下させるとする。
それゆえ、第二のリーフバルブにあって、低剛性部は、自身の撓み剛性を他部の撓み剛性より低くして第一のリーフバルブの外周端部における相応部に隣接するから、第一のリーフバルブの外周端部における相応部を弁座から離座動作させ易くする。
一方、第一のリーフバルブにあっては、外周端部の全周を一挙に撓ませる開弁動作の前に、外周端部の任意個所、つまり、第二のリーフバルブにおける低剛性部を積層せる相応部が撓んで開弁動作し、弁座との間に隙間を出現させる。
このことから、たとえば、弁座に形成のオリフィスを通過し得なくなった作動流体は、第一のリーフバルブにおける外周端部の相応部を第二のリーフバルブにおける外周端部の低剛性部と共に撓ませて弁座との間に部分的に出現する隙間を通じて流出し、作動流体の流量が増加すると、第一のリーフバルブにおける外周端部の全周を第二のリーフバルブにおける外周端部の全周と共に撓ませて弁座との間に環状に出現する隙間を通じて流出する。
その結果、この発明のバルブ構造によれば、オリフィス特性からバルブ特性に切り換わる際に、オリフィス特性を緩やかにバルブ特性に連続でき、車両における乗り心地の悪化や異音発生を危惧させないことが可能になる。
この発明の一実施形態による緩衝器を部分的に示す縦断面図である。 図1中のX−X線位置で示すピストンの横断面図である。 この発明のバルブ構造を構成する伸側のバルブを分解して示す平面図で、(A)は、第一のリーフバルブを示し、(B)は、第二のリーフバルブを示し、(C)は、第三のリーフバルブを示す。 第一のリーフバルブの開放動作を第二のリーフバルブと共に示す斜視図である。 オリフィス特性とバルブ特性とが連続する状態を示す特性図である。 第一のリーフバルブに他の実施形態の第二のリーフバルブを積層した状態を示す図で、(A)は、外周の展開図、(B)および(C)は、半截縦断面図である。 参考例のリーフバルブを示す平面図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明する。この発明によるバルブ構造は、たとえば、車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器における減衰部に具現化される。
そして、緩衝器は、図1に示すところでは、作動流体、たとえば、作動油を収容するシリンダ1と、このシリンダ1内に出入自在に挿通されるピストンロッド2と、このピストンロッド2の図1中で上端部となる先端部2aに保持されてシリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内に一方室R1と他方室R2とを隔成する隔壁体たるピストン3とを有している。
図示する緩衝器は、倒立型に設定され、シリンダ1が上端側部材とされて車両における車体側に連結され、ピストンロッド2が下端側部材とされて車両における車軸側に連結されるが、この発明のバルブ構造を具現化するのにあって、図示しないが、緩衝器が倒立型に設定されるのに代えて、正立型に設定されても良い。
緩衝器が以上のように形成される一方で、この発明によるバルブ構造は、図示するところでは、緩衝器における減衰部、すなわち、シリンダ1内に摺動自在に挿入のピストン3の図1中での上端となる他方室R2に対向する一端側に設けられた伸側のバルブ4部分に具現化される。
ちなみに、図示するところでは、ピストン3の図1中での下端となる一方室R1に対向する他端に圧側のバルブ5を有しており、この圧側のバルブ5が作動油の通過を許容して減衰作用をなすことを勘案すると、この発明によるバルブ構造が圧側のバルブ5部分に具現化されても良い。
以上の前提の下に、以下に、この発明におけるバルブ構造について説明する。ピストン3は、シリンダ1内に隔成する一方室R1の他方室R2への連通を許容する伸側のポート3aを有し、伸側のポート3aの図1中で下端となる上流側端は、一方室R1に対向するピストン3の下端に形成の環状溝3bに開口し、伸側のポート3aの図1中で上端となる下流側端は、他方室R2に対向するピストン3の上端側に形成の環状溝3cに開口する(図2参照)。
そして、ピストン3は、図1中での上端側に伸側のバルブ4の内周端部(符示せず)を着座させる内周側固定部3dと、この内周側固定部3dの外に形成されてこの内周側固定部3dとの間に環状溝3cを区画する環状に形成の弁座3eとを有する。
弁座3eは、図2にも示すように、打刻からなるオリフィス3oを有し、このオリフィス3oは、弁座3eの内側たる環状溝3cと、弁座3eの外側たる他方室R2とを連通させ、ピストン速度が低速領域にあるときの作動油の通過を許容して、オリフィス特性の減衰作用をなす。
なお、オリフィス3oについては、図示するところでは、弁座3eにあって、一箇所に設けられているが、これに代えて、図示しないが、周方向に、たとえば、180度の間隔で二箇所に、また、適宜の角度で三箇所以上に設けられても良い。
また、環状溝3bは、圧側のバルブ5に形成の孔5aを通じて一方室R1に連通する。また、図2中に一点鎖線で示す円は、弁座3eに着座する伸側のバルブ4の輪郭を表し、ピストン3の外周に設けたピストンリング(符示せず)の図示を省略する。
一方、伸側のバルブ4は、ピストン3の上端側に積層される複数枚の環状に形成のリーフバルブ、つまり、図示するところでは、図3に示すように、第一のリーフバルブ41と、第二のリーフバルブ42とを有し、さらに、第三のリーフバルブ43を有している。
順次説明すると、第一のリーフバルブ41は、ピストン3の下端側に積層されて内周端部(符示せず)が内周側固定部3dに定着され、外周端部(符示せず)が弁座3eに離着座自在とされて環状溝3cを開放可能に閉塞する。
第二のリーフバルブ42は、第一のリーフバルブ41の背面に積層されて、第一のリーフバルブ41の外周端部が撓み作動するとき、外周端部(符示せず)が同時に撓むように設定され、第一のリーフバルブ41と同径に形成されている。
ちなみに、この発明によるバルブ構造の具現化にあっては、第一のリーフバルブ41の外周端部が撓み作動するときに第二のリーフバルブ42の外周端部が同時に撓み作動する限りには、第二のリーフバルブ42の径が第一のリザーバ41の径と同一であることが必ず要求されるものではない。なお、図3(B)中に一点鎖線で示す円は、第三のリーフバルブ43の輪郭を示す。
第三のリーフバルブ43は、第二のリーフバルブ42より小径に形成されて、第二のリーフバルブ42の背面に積層され、第二のリーフバルブ42における外周端部の撓み作動を抑制するように機能するとしている。
つまり、図示する伸側のバルブ4にあっては、第三のリーフバルブ43における径を大小選択することで、第二のリーフバルブ42における外周端部の撓み量、延いては、第一のリーフバルブ41における外周端部の撓み量を制御し得るとしている。
なお、この発明のバルブ構造の具現化にあっては、第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42を有してなることで足り、第三のリーフバルブ43を有することが必須とされない。
以上のように形成されたバルブ構造を有する緩衝器にあっては、ピストン3がシリンダ1内を下降する伸長作動に、高圧側となる一方室R1からの作動油が伸側のポート3aを通じて低圧側となる他方室R2に流出するようになる。
つまり、バルブ構造にあっては、シリンダ1内におけるピストン速度が低速領域にあるときに、伸側のポート3aの作動油が環状溝3cおよびオリフィス41aを経て他方室R2に流出し、作動油がオリフィス41aを通過することによる圧力損失でオリフィス特性の減衰作用をなす。
そして、このバルブ構造にあっては、シリンダ1内におけるピストン速度が中高速領域になると、伸側のポート3aを経て環状溝3bにある作動油が第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42における外周端部を撓ませて、弁座3eとの間に出現する隙間を通じて他方室R2に流出し、作動油が第一のリーフバルブ41と弁座3eとの間に出現する隙間を通過することによる圧力損失でバルブ特性の減衰作用をなす。
ところで、この発明のバルブ構造にあっては、第二のリーフバルブ42が外周端部の周方向の任意個所に第一のリーフバルブ41における外周端部の弁座3eからの離座動作をさせ易くする低剛性部Aを有し、この低剛性部Aが自身の撓み剛性を第二のリーフバルブ42の外周端部における周方向の他部の撓み剛性より低下させるとする。
以下に、説明すると、図示するところにあって、第二のリーフバルブ42は、図3(B)に示すように、外周端部の周方向の任意個所となる一部に一対の切欠42aで区画形成される低剛性部Aを有している。
この低剛性部Aは、一対の切欠42aで挟まれる言わば狭い範囲になるから、この低剛性部Aと一対の切欠42aを挟んで反対側となる他部たる外周端部に比較して、撓み剛性が低下される。
ちなみに、低剛性部Aについては、図示するところでは、第二のリーフバルブ42にあって、外周端部における周方向の任意個所たる一箇所に設けられるとするが、この発明のバルブ構造が意図するところからすれば、これに代えて、図示しないが、第二のリーフバルブ42の外周端部における周方向の複数箇所に設けられても良い。
戻って、低剛性部Aを形成する一対の切欠42aは、図示するところでは、図3(B)中に実線図で示すように、径方向に設けられるが、これに代えて、図3(B)中に破線図で示すように、並行する一対の切欠42bとされても良い。
また、切欠42aの長さについては、設定の撓み剛性を具現化できる限りにおいて任意で良いが、たとえば、図3(B)に示すように、第三のリーフバルブ43の外周端部と重なる長さとされても良く、この場合には、第三のリーフバルブ43が重なることで、切欠42aの長さが設定されることになる。
さらに、一対の切欠42aがなす角度については、任意とされて良く、図3(B)に示すところでは、ほぼ60度になるとしているが、60度より狭くしても良く、また、180度にならない範囲内で、60度より広くしても良い。
そしてさらに、一対の切欠42aの形成については、任意の方策が選択されて良いが、たとえば、第二のリーフバルブ42がプレス成形で形成される場合には、プレス成形の際に、併せて形成されるであろう。
以上のことからからすると、低剛性部Aを形成するための切欠42aの長さについては、厳密に管理されずに任意とされても、たとえば、第二のリーフバルブ42に第三のリーフバルブ43が積層される場合には、第三のリーフバルブ43における外径の管理で、第一のリーフバルブ41に積層された第二のリーフバルブ42の低剛性部Aに設定の撓み剛性を備えた状態を具現化することが可能になる。
つまり、第三のリーフバルブ43は、この発明のバルブ構造にあって、第二のリーフバルブ42より小径に形成されて、第二のリーフバルブ42の背面に積層されるもので、第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42における外周端部の撓み剛性を見かけ上で変更することを可能にする。
以上のように、この発明のバルブ構造にあっては、第二のリーフバルブ42における外周端部の一部に低剛性部Aが形成されるから、低剛性部Aが積層される第一のリーフバルブ41における相応部たる外周端部は、図4に示すように、この一部を挟む他の部位となる外周端部に比較して撓み作動し易くなり、他部に先んじて弁座4eから離座する開弁動作をすることになる。
このことからして、第一のリーフバルブ41の外周端部が着座する弁座3eにオリフィス3oが形成されているとき、ピストン速度が低速領域にあるときには、作動油がオリフィス3oを通過して、つまり、第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42の外周端部を撓ませないで、他方室R2に流出することになり、オリフィス特性の減衰作用がなされる。
一方、ピストン速度が速くなると、作動油の流量が多くなることもあって、作動油がオリフィス3oを通過するのみでは他方室R2に流出し得なくなり、第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42の外周端部を撓ませて他方室R2に流出することになるが、その際に、第一のリーフバルブ41における外周端部の一部が背面に低剛性部Aを隣接させるから、この低剛性部Aを隣接させる部位から撓み始めることになる。
したがって、第一のリーフバルブ41にあっては、背面に第二のリーフバルブ42における低剛性部Aを隣接させる外周端部がこの低剛性部Aを有する第二のリーフバルブ42における外周端部と共に撓み、弁座3eとの間に部分的に隙間を出現させ、作動油の他方室R2への流出を許容し、圧力損失によるバルブ特性の減衰作用をなす。
そして、作動油の流量がさらに多くなると、第一のリーフバルブ41にあっては、外周端部の全周を第二のリーフバルブ42における外周端部の全周と共に撓ませて、弁座3eとの間に環状の隙間を出現させ、作動油の他方室R2への全面的な流出を許容し、圧力損失によるバルブ特性の減衰作用をなす
その結果、第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42は、オリフィス特性の減衰作用からバルブ特性の減衰作用に移行するときに、いきなり外周端部の全周を一挙に撓ませて開弁作動することがなく、徐々に外周端部を撓ませて全開状態になり、オリフィス特性からバルブ特性への移行を緩やかに実現させることになる。
以上のことを、図5に基づいて説明すると、この発明のバルブ構造にあって、仮に、第二のリーフバルブ42が低剛性部Aを有しないとすると、第一のリーフバルブ41および第二のリーフバルブ42において外周部の全周が一挙に開弁動作することになるから、減衰特性にあって、オリフィス特性Oからバルブ特性Vに移行するのに際して、図5中に破線図で示すように、急激な変化が見られることになる。
それに対して、この発明のバルブ構造にあっては、第二のリーフバルブ42が低剛性部Aを有して、第一のリーフバルブ41における外周端部の一部を優先して開弁動作させるから、オリフィス特性Oからバルブ特性Vに移行するのに際して、図5中に実線図で示すように、緩やかな切り換え線で変化することになる。
その結果、この発明のバルブ構造によれば、ピストン速度が低速領域にあるときに最適となるオリフィス特性の減衰特性と、ピストン速度が高速領域にあるときに最適となるバルブ特性の減衰特性とが急激な変化点を有することなく緩やかに切り換わり、ピストン加速度の急変が発現されず、内圧の急変がないからコトコト音等の異音の発生も抑制し得ることになる。
図6は、第一のリーフバルブ41に積層される第二のリーフバルブ42の他の実施形態を示すもので、以下に、説明するが、図6中において、その構成が前記した実施形態と異ならないところについては、図6中に同一の符号を附するのみとして、要する場合を除き、その説明を省略する。
図6(A)に示すところは、第二のリーフバルブ42に設けられる低剛性部Aが第二のリーフバルブ42の外周端部の任意個所たる一部を薄肉部42cにすることで形成されるとしている。
すなわち、低剛性部Aは、第二のリーフバルブ42における外周端部の一部の板厚をこの一部から外れた部位における板厚より薄くするもので、この実施形態の場合には、図示しないが、薄肉部42cが第二のリーフバルブ42の内周側から外周に向けて扇状あるいは帯状に切削形成されても良く、また、第二のリーフバルブ42をプレス成形する際に併せて形成されても良い。
そして、第二のリーフバルブ42の外周端部に薄肉部42cを形成する際には、図6(A)に示すように、薄肉部42cから周方向に連続する部位をテーパ部42dにして、応力が集中し易くなる部位を形成しないのが好ましい。
また、薄肉部42cは、図6(B)および(C)に示すように、第二のリーフバルブ42の内周側から外周に向けて形成される場合に、その深さが外周に向けて徐々に深くなるように配慮されるのが良い。そしてまた、低剛性部Aの深さを外周に向けて徐々に深くする場合に、テーパ部と平坦部との組み合わせ(図6(B)参照)で形成しても良く、テーパ部のみ(図6(C)参照)で形成されても良い。
上記したところから明らかなように、この発明にあって、第二のリーフバルブ42は、積層する第一のリーフバルブ41における任意個所の外周端部を弁座3eから離座させ易くするとし、そのため、低剛性部Aを有している。
そして、低剛性部Aは、たとえば、第二のリーフバルブ42における外周端部に間隔を有して設けられた一対の切欠42a間に設けられるが、第一のリーフバルブ41における任意個所の外周端部を弁座3eから離座させ易くする観点からすれば、以下の提案をなし得る。
すなわち、図7に示すリーフバルブ44は、第二のリーフバルブ42に代わるとされるもので、外周端部の任意個所にほぼ扇形の切欠44aを有するが、このリーフバルブ44が第一のリーフバルブ41に積層すると仮定すると、切欠44aを言わば積層する第一のリーフバルブ41の外周端部における相応部が他部より撓み易くなり、したがって、第一のリーフバルブ41は、オリフィス特性の減衰特性とバルブ特性の減衰特性とを急激な変化点を有することなく緩やかに切り換わることを実現し得ることになる。
しかしながら、リーフバルブ44にあって、切欠44aは、これが言わば積層する第一のリーフバルブ41の外周端部における相応部を必要以上に撓み易くさせるから、この発明のように低剛性部Aを有する場合に比較して、適正な大きさの減衰力の発生を期待できなくする。
そして、上記のリーフバルブ44にあって、切欠44aは、第一のリーフバルブ41の外周端部における相応部が撓むとき、この発明のように低剛性部Aを有していないから、第一のリーフバルブ41の外周端部が大きく撓んで第三のリーフバルブ43に接触する事態が招来され、異音発生が危惧される。
以上からすると、第一のリーフバルブ41がオリフィス特性の減衰特性とバルブ特性の減衰特性とを急激な変化点を有することなく緩やかに切り換わることを実現し得ることからすると、上記のほぼ扇形の切欠44aを有するリーフバルブ44を利用するよりも、第二のリーフバルブ42を利用するのが好ましいと言い得る。
以上で、この発明のバルブ構造についての説明を終了するが、図1に示す緩衝器にあっては、伸側のバルブ4および圧側のバルブ5は、ピストン3を上下端側から挟むように、また、ピストンロッド2の先端螺条部2bに螺着されるピストンナット21とピストンロッド2に形成の段差部2cとの間に挟持されて内周端固定で外周端部自由の体勢に設けられる。
ちなみに、ピストン3に開穿されて伸側のポート3aに並列する圧側のポート3fは、上流側端がピストン3の上端側に形成の環状溝3gに開口し、下流側端がピストン3の下端に形成の環状溝3hに開口する。
それゆえ、シリンダ1内をピストン3が上昇する緩衝器の収縮作動時には、他方室R2からの作動油が圧側のポート3fおよび環状溝3gを通じて圧側のバルブ5の外周端部を撓ませ、一方室R1に流入する。
前記したところでは、弁座3eがシリンダ1内に挿入される隔壁体たるピストン3に形成されるとして説明したが、これに代えて、図示しないが、弁座3eが正立型に設定の緩衝器のシリンダ1の下端部内に設けられるベースバルブにおける隔壁体たるバルブディスクに形成されるとしても良い。
隔壁体がベースバルブにおけるバルブディスクとされるとき、緩衝器は、たとえば、複筒型に形成され、バルブディスクで区画される一方室は、シリンダ1内にピストン3で区画される下方側室となり、他方室は、シリンダ1の外のリザーバとなる。
そして、前記したところでは、第一のリーフバルブ41の外周端部が離着座する弁座3eにオリフィス3oが形成されるとしたが、これに代えて、図示しないが、第一のリーフバルブ41の外周端部にオリフィスが形成されるとしても良い。
オリフィスが第一のリーフバルブ41の外周端部に形成される場合には、この発明によるバルブ構造の具現化にあって、オリフィスが第二のリーフバルブ42における低剛性部Aを形成する切欠42aに連通しない配置状態になるように配慮されることが肝要となる。
この配置状態についての配慮を要することを鑑みると、オリフィスについては、第一のリーフバルブ41に形成されずして、弁座3eに形成され方が、バルブの組立にあって、有利になると言い得る。
1 シリンダ
2 ピストンロッド
2a 先端部
2b 先端ネジ部
2c 段差部
3 ピストン(隔壁体)
3a 伸側のポート
3b,3c,3g,3h 環状溝
3d 内周側固定部
3e 弁座
3f 圧側のポート
3o オリフィス
4 伸側のバルブ
5 圧側のバルブ
21 ピストンナット
41 第一のリーフバルブ
42 第二のリーフバルブ
42a,42b,44a 切欠
42c 薄肉部
42d テーパ部
43 第三のリーフバルブ
44 リーフバルブ
A 低剛性部
O オリフィス特性
R1 一方室
R2 他方室
V バルブ特性

Claims (4)

  1. 一方室と他方室を隔成する隔壁体と、上記隔壁体の上記一方室または上記他方室に対向する端面に形成される弁座と、上記弁座に外周端部を離着座する第一のリーフバルブと、上記第一のリーフバルブの背面に積層する第二のリーフバルブとを有するバルブ構造において、
    上記第二のリーフバルブが外周端部の周方向の任意個所に上記第一のリーフバルブにおける外周端部の上記弁座からの離座動作をさせ易くする低剛性部を有し、
    上記低剛性部が自身の撓み剛性を上記第二のリーフバルブの外周端部における周方向の他部の撓み剛性より低下させることを特徴とするバルブ構造。
  2. 一方室と他方室を隔成する隔壁体と、上記隔壁体の上記一方室または上記他方室に対向する端面に形成される弁座と、上記弁座に外周端部を離着座する第一のリーフバルブと、上記第一のリーフバルブの背面に積層する第二のリーフバルブとを有するバルブ構造において、
    上記第二のリーフバルブが外周端部の周方向の任意個所に上記第一のリーフバルブにおける外周端部の上記弁座からの離座動作をさせ易くする低剛性部を有し、
    上記低剛性部が上記第二のリーフバルブにおける外周端部に間隔を有して設けられた一対の切欠間に設けられ、上記一対の切欠間の幅寸法が上記一対の切欠間の外となる周方向の残部の幅寸法より小さく設定され
    上記低剛性部が自身の撓み剛性を上記第二のリーフバルブの外周端部における周方向の他部の撓み剛性より低下させることを特徴とするバルブ構造。
  3. 一方室と他方室を隔成する隔壁体と、上記隔壁体の上記一方室または上記他方室に対向する端面に形成される弁座と、上記弁座に外周端部を離着座する第一のリーフバルブと、上記第一のリーフバルブの背面に積層する第二のリーフバルブとを有するバルブ構造において、
    上記第二のリーフバルブが外周端部の周方向の任意個所に上記第一のリーフバルブにおける外周端部の上記弁座からの離座動作をさせ易くする低剛性部を有し、
    上記低剛性部が上記第二のリーフバルブにおける外周端部の任意個所の板厚を上記任意個所から外れた部位における板厚より薄くし、
    上記低剛性部が自身の撓み剛性を上記第二のリーフバルブの外周端部における周方向の他部の撓み剛性より低下させることを特徴とするバルブ構造。
  4. 上記第二のリーフバルブの背面に第三のリーフバルブが積層されることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載のバルブ構造。
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