JP4905955B2 - 油圧式減衰器 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のバルブプレートからなるチェックバルブによって減衰力を発生する油圧式減衰器に関するものである。
従来、たとえば車両の懸架装置に用いられている油圧式減衰器は、減衰力発生用のチェックバルブを油圧シリンダのピストンに設けることによって形成されている。前記チェックバルブは、前記ピストンに穿設された貫通孔を開閉する弁体を備えており、ピストンの圧縮側に設けられた圧縮側バルブと、伸長側に設けられた伸長側バルブとによって構成されている。前記弁体は、ばね材料によって形成された複数のバルブプレートを重ねることによって形成されている。
この油圧式減衰器によって発生する減衰力の大きさは、ピストンの移動速度と略比例して増減する。このため、ピストンの移動する速度が相対的に小さい場合、換言すれば、車体の挙動の変化が緩やかである場合は、発生する減衰力は相対的に小さくなってしまう。
ピストンの移動速度が相対的に小さくても高い減衰力が必要な場合は、たとえば特許文献1に記載されているように、バルブプレート間にシムを挟み込ませ、チェックバルブに初期荷重を付与する構成が採られている。
この種の初期荷重付与用のシムを備えた従来の油圧式減衰器のチェックバルブは、たとえば図10に示すように形成されている。
図10は、従来のチェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。
図10に示すチェックバルブ1は、複数のバルブプレート2〜14と、これらのバルブプレートのうち互いに隣接する2枚のバルブプレート3,4の間に介装された初期荷重付与用の環状シム15とから構成されている。
図10において、符号16はピストンを示し、17はピストン16に穿設された貫通孔、18はピストンロッド、19は押圧用のプレート、20はロックナットを示す。ピストン16は、図示していない油圧シリンダ内を図10においてピストン16より上側に位置する油室と、ピストン16より下側に位置する油室とに画成している。貫通孔17は、前記二つの油室どうしを連通するようにピストン16に穿設されている。チェックバルブ1は、前記貫通孔17の下側の開口部を開閉するように構成されている。
複数のバルブプレート2〜14は、それぞれピストンロッド18が貫通する状態で重ねられており、ロックナット20をピストンロッド18に締付けることによって、ピストン16に押し付けられた状態で固定されている。これらのバルブプレート2〜14はばね材料によって環状に形成されている。すなわち、図10に示すチェックバルブ1は、ピストン16が油圧シリンダ内で同図において上側に移動することにより開き、減衰力を発生させる。
前記シム15は、複数のバルブプレート2〜14のうちピストン側から数えて2枚目のバルブプレート3と3枚目のバルブプレート4との間に介装されている。このシム15は、前記バルブプレート3,4間に挟み込まれたリング15aと、このリング15aをバルブプレートに対して同一軸線上に位置付けて保持するための環状のプレート15bとから構成されている。
この環状のプレート15bは、ピストンロッド18に嵌合するとともに複数のバルブプレート2〜14と一体的にピストン16に固定されている。前記リング15aは、この環状のプレート15bの外周面に嵌合することによって所定の位置に保持されている。
前記リング15aの厚みは、前記環状のプレート15bより厚く形成され、このリング15aの外径は、前記2枚目、3枚目のバルブプレート3,4と等しくなるように形成されている。このリング15aが2枚目のバルブプレート3と3枚目のバルブプレート4との間に挟み込まれていることにより、複数のバルブプレート2〜14のうちピストン側から数えて3枚目以降のバルブプレートは、前記リング15aが環状のプレート15bより厚い分だけピストン16とは反対側に撓んでいる。
このように前記3枚目以降のバルブプレートが撓むことにより、このチェックバルブ1に初期荷重が付与されることになる。このチェックバルブ1が開くために必要な油圧の大きさは、シム15が設けられていない場合(初期荷重が付与されていない場合)に較べると大きくなる。
このため、ピストン16が図10において上側に移動する場合、シム15が設けられていない場合と較べると、チェックバルブを作動油が通過し難くなるため、ピストンの移動速度が相対的に小さくても相対的に大きな減衰力が発生する。
特許第3303021号公報
しかしながら、上述したようにシム15を備えた従来の油圧式減衰器は、ピストン16が移動を開始した後に時間をおいて減衰力が発生するようになり、応答性が低いものであった。このように応答性が低下するのは、試行錯誤の結果、図10に示すように、リング15aの内側であって環状のプレート15bと3枚目のバルブプレート4との間に隙間Sが形成されていることに起因すると考えられるに至った。
すなわち、前記貫通孔17内の油圧からなる押圧力が1枚目のバルブプレート2に加えられたときに、このバルブプレート2の一部および2枚目のバルブプレート3の一部と、環状のプレート15bの径方向外側の半部とが前記隙間Sの広さ分だけピストン16とは反対側に凹む。この結果、1枚目のバルブプレート2がピストン16から離れてチェックバルブ1が開く以前に、このバルブプレート2の一部が2枚目のバルブプレート3と環状のプレート15bとともに弾性変形して凹むために、上述したように応答性が低下することになる。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、初期荷重を付与するためのシムを備えていながら、応答性が高い油圧式減衰器を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る油圧式減衰器は、油圧シリンダのピストンに穿設された貫通孔を開閉する減衰力発生用のチェックバルブを備え、前記チェックバルブが複数のバルブプレートと、これらのバルブプレートのうち互いに隣接する2枚のバルブプレートの間に介装された初期荷重付与用の環状シムとから構成された油圧式減衰器において、前記環状シムの表面と裏面とのうち少なくとも一方の面に、径方向の内側に向かうにしたがって環状シムの厚みが漸次薄くなる傾斜面を形成し、前記環状シムの表面と裏面とは、それぞれ対向する前記バルブプレートの全面にわたって密着するものである。
請求項2に記載した発明に係る油圧式減衰器は、油圧シリンダのピストンに穿設された貫通孔を開閉する減衰力発生用のチェックバルブを備え、前記チェックバルブが複数のバルブプレートと、これらのバルブプレートのうち互いに隣接する2枚のバルブプレートの間に介装された初期荷重付与用の環状シムとから構成された油圧式減衰器において、前記環状シムを、前記ピストンと同一軸線上に位置付けられかつピストンに対して固定された環状のプレートと、この環状のプレートの外周面に嵌合する第1のリングを含みかつ前記環状のプレートより厚みが厚く形成された複数のリングとから構成してなり、これらのリングを、前記第1のリングが最も内側に位置する状態で互いに嵌合するように形成し、各リングの厚みを、内側に位置するリングより外側に位置するリングの方が厚くなるように形成し、前記環状シムと隣り合う前記2枚のバルブプレートは、前記各リングに接触することにより撓んでいるものである。
本発明によれば、環状シムと隣り合うバルブプレートは、環状シムの傾斜面に接触することにより撓み、初期荷重が付与される。前記バルブプレートは、前記傾斜面に密着するから、バルブプレートと環状シムとの間に隙間が形成されることはない。
このため、バルブプレートが油圧によって押されたときに部分的に凹むことなくピストンから離れるから、初期荷重付与用の環状シムを備えているにもかかわらず、応答性よく減衰力が発生する油圧式減衰器を提供することができる。
本発明に係る油圧式減衰器を車両の懸架装置に装備することによって、操縦安定性をさらに向上させることができるとともに、乗り心地をより一層高くすることができる。
請求項2記載の発明によれば、環状シムと隣り合うバルブプレートは、環状シムの複数の厚みの異なるリングに接触することにより撓み、初期荷重が付与される。このため、環状シムよりピストン側に位置するバルブプレートが受けた油圧は、環状シムを挟んで対向するバルブプレートに複数のリングを介して伝達される。
したがって、環状シムとバルブプレートとの間に階段状に隙間が形成され、リングが一つしかない従来の油圧式減衰器に較べて前記隙間を狭く形成することができる。この結果、この発明によれば、バルブプレートが油圧によって押されたときにバルブプレートが部分的に凹むことなくピストンから離れるようになるから、初期荷重付与用のシムを備えているにもかかわらず、応答性よく減衰力が発生する油圧式減衰器を提供することができる。
また、環状シムを構成するリングの数、各リングの厚みを変更することにより、減衰力特性(ピストンの移動速度に対する減衰力の大きさ)を容易に変えることができるから、減衰力特性を設定するうえで自由度が高くなる。
この発明に係る油圧式減衰器を車両の懸架装置に装備することによって、操縦安定性をさらに向上させることができるとともに、乗り心地をより一層高くすることができる。
以下、本発明に係る油圧式減衰器の一実施の形態を図1ないし図5によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る油圧式減衰器の正面図、図2は油圧シリンダのピストンロッド貫通部とピストンとを拡大して示す断面図、図3は油圧シリンダの先端部とフリーピストンとを拡大して示す断面図である。図4はピストン本体を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は(A)図におけるB−B線断面図である。図5は伸長側バルブの一部を拡大して示す断面図である。
これらの図において、符号21で示すものは、この実施の形態による油圧式減衰器を示す。この油圧式減衰器21は、車両の懸架装置(図示せず)に用いられるもので、油圧シリンダ22と、この油圧シリンダ22のピストン23に設けられた減衰力発生用のチェックバルブ24(図2参照)などによって構成されている。この油圧式減衰器21は、油圧シリンダ22の先端部(下端部)を図示していない車輪側の部材に連結するとともに、ピストンロッド25の先端部(上端部)を図示していない車体フレーム側に連結することによって、車両に装着されている。
前記油圧シリンダ22は、図1に示すように、シリンダ本体31、ピストン23、ピストンロッド25およびフリーピストン32などによって構成されている。前記ピストン23は、図2に示すように、シリンダ本体31内をピストンロッド25が貫通する第1の油室33と、シリンダ本体31の先端側に位置する第2の油室34とに画成している。フリーピストン32は、シリンダ本体31内に移動自在に嵌挿されており、図3に示すように、シリンダ本体31内を前記第2の油室34と、シリンダ本体31の先端側に位置する高圧ガス室35とに画成している。この高圧ガス室35内には、高圧のN2ガスが充填されている。
前記シリンダ本体31の先端部(図1においては下端部)には、図3に示すように、環状のクッションゴム36を介して連結用パイプ37が取付けられている。この連結用パイプ37は、図示していない車輪側の部材に剛直に取付けられる。
シリンダ本体31の他端部(上端部)には、図2に示すように、蓋部材38が取付けられている。この蓋部材38には、シリンダ本体31との間を液密にシールするためのOリング39と、ピストンロッド25との間を液密にシールするためのオイルシール40とが設けられている。また、この蓋部材38の下端部には、ゴムからなるリバウンドストッパ41が設けられている。
前記ピストン23は、図2および図4に示すように、円板状に形成されたピストン本体42と、このピストン本体42の外周縁部に設けられたシール部材43などによって構成されており、ピストンロッド25の相対的に細く形成された基端部25aに後述するストッパープレート44およびチェックバルブ24などともに取付けられている。ピストン23のピストンロッド25への取付けは、図2に示すように、前記基端部25aをピストン本体42の軸心部に貫通させ、基端部25aの先端部分に固定用ナット45を締付けることによって行っている。
ピストンロッド25の前記基端部25aとロッド本体25bとの境界に形成された段部25cとピストン23との間には、油圧シリンダ22が伸びきったときにリバウンドゴム41に接触するストッパプレート44と、後述するチェックバルブ24の一部を構成する圧縮側バルブ51とが挟み込まれている。また、ピストン23と固定用ナット45との間には、前記圧縮側バルブ51とともにチェックバルブ24を構成する伸長側バルブ52と、押圧用のプレート53とが挟み込まれている。
前記ピストン本体42には、図2および図4に示すように、前記圧縮側バルブ51によって開閉する第1の貫通孔54と、前記伸長側バルブ52によって開閉する第2の貫通孔55とが穿設されている。これらの第1、第2の貫通孔54,55は、ピストン本体42を軸線方向に貫通するように形成されており、前記第1の油室33と第2の油室34とを連通している。
また、第1、第2の貫通孔54,55は、図4に示すように、ピストン本体42を周方向に8等分する位置に、第1の貫通孔54の隣に第2の貫通孔55が位置するように形成されている。
ピストン本体42の上面(第1の油室33の壁面の一部を構成する面)には、図4に示すように、圧縮側バルブ51のバルブシート56が形成されている。このバルブシート56は、4箇所の第1の貫通孔54の開口を一つずつ囲む突条によって形成されている。一方、第2の貫通孔55におけるピストン本体42の上面に開口する開口部は、図2に示すように、前記バルブシート56のシート面より低い位置に形成されている。このため、第2の貫通孔55は、圧縮側バルブ51によって閉塞されることはなく、常に第1の油室33に接続されている。
ピストン本体42の下面には、図5に示すように、伸長側バルブ52のバルブシート57が形成されている。このバルブシート57は、4箇所の第2の貫通孔55の開口を一つずつ囲む突条によって形成されている。このバルブシートの形状は、図4(A)に示す前記圧縮側バルブ51のバルブシート56と同じ形状に形成されている。第1の貫通孔54におけるピストン本体42の下面に開口する開口部は、図2に示すように、伸長側バルブ52用バルブシート57のシート面より高い位置(上側の位置)に形成されている。このため、第1の貫通孔54は、伸長側バルブ52によって閉塞されることはなく、常に第2の油室34に接続されている。
前記圧縮側バルブ51と伸長側バルブ52とからなるチェックバルブ24は、図5に示すように、ばね材料によって円環状に形成された板からなる複数のバルブプレート61をピストンロッド25に嵌合させて積層した構造が採られている。
前記複数のバルブプレート61,61…は、ピストン本体42に近いほど外径が大きくなるように形成されている。図5は伸長側バルブ52を示しており、同図に示す伸長側バルブ52は、圧縮側バルブ51には設けられていない初期荷重付与用の環状シム62を備えている。
前記環状シム62は、この実施の形態においては、ばね材料からなる1枚の環状の板によって形成されており、図5に示すように、伸長側バルブ52の複数のバルブプレート61,61…のうちピストン23側から数えて2枚目のバルブプレート61と3枚目のバルブプレート61との間に介装されている。
この環状シム62における径方向の内側に位置する内周側半部63は厚みが一定に形成されている。この半部63の内周面には、ピストンロッド25の基端部25aが嵌合している。
環状シム62における径方向の外側に位置する外周側半部64は、厚みが漸次変化するように形成されている。また、この環状シム62の外径は、最も外径が大きいバルブプレート61の外径と同じ寸法に形成されている。
環状シム62の前記外周側半部64は、環状シム62の径方向の内側に向かうにしたがって厚みが漸次薄くなるように形成されている。この実施の形態においては、外周側半部64の上面は、前記内周側半部63の上面と同一平面上に位置するように形成され、外周側半部64の下面は、径方向の外側から内側に向かうにしたがって徐々に上側に位置するように傾斜する傾斜面65を構成している。この傾斜面65は、放電加工やエッチングなどによって形成することができる。
また、前記外周側半部64は、図5に示すように、前記伸長側バルブ52用バルブシート57と対応する部位に形成されている。すなわち、図示してはいないが、伸長側バルブ52をピストン23の軸線方向から見た状態では、前記外周側半部64とバルブシート57とが重なるようになる。
この環状シム62が前記2枚目のバルブプレート61と3枚目のバルブプレート61との間に挟み込まれていることにより、前記3枚目のバルブプレート61の径方向外側の半部が環状シム62の傾斜面65に接触することにより撓み、これに伴って4枚目以降のバルブプレート61の径方向外側の部位が前記同様に撓む。このように前記3枚目以降のバルブプレート61が撓むことにより、この伸長側バルブ52に初期荷重が付与されることになり、伸長側バルブ52が開くために必要な油圧の大きさは、環状シム62が設けられていない場合(初期荷重が付与されていない場合)に較べると大きくなる。
環状シム62がバルブプレート61間に挟み込まれた状態においては、環状シム62の上面は前記2枚目のバルブプレート61に全面にわたって密着し、環状シム62の下面は、前記3枚目のバルブプレート61に全面にわたって密着する。このため、環状シム62とその両側に位置するバルブプレート61,61との間に、バルブプレート61が弾性変形により部分的に凹んで入り込むような大きな隙間が形成されることはない。
このように構成された環状シム62を備えた伸長側バルブ52は、油圧シリンダ22が伸長方向に動作する(図2においてピストン23が上方に移動する)ときに、第2の貫通孔55内の油圧からなる押圧力が複数のバルブプレート61,61…と環状シム62とに加えられる。伸長側バルブ52は、押圧力が複数のバルブプレート61,61…と環状シム62との弾発力より大きくなることによって開く。
一方、圧縮側バルブ51は、油圧シリンダ22が圧縮方向に動作する(図2においてピストン23が下方に移動する)ときに、第1の貫通孔54内の油圧からなる押圧力が複数のバルブプレート61,61…に加えられ、この押圧力が複数のバルブプレート61,61…の弾発力より大きくなることによって開く。
この油圧式減衰器21によれば、このように圧縮側バルブ51または伸長側バルブ52が開くことによって減衰力が発生する。
前記伸長側バルブ52は、環状シム62によって初期荷重が付与されているから、ピストン23が図2において上側に移動する場合、環状シム62が設けられていない場合と較べると、伸長側バルブ52を作動油が通過し難くなるため、ピストン23の移動速度が相対的に小さくても相対的に大きな減衰力が発生する。
この実施の形態による油圧式減衰器21においては、環状シム62とその両側に位置する2枚のバルブプレート61,61との間に隙間が形成されることはないため、バルブプレート61が油圧によって押されたときに部分的に凹むことはない。このため、この油圧式減衰器21によれば、初期荷重付与用の環状シム62を備えているにもかかわらず、減衰力が応答性よく発生する。この結果、この油圧式減衰器21を車両の懸架装置に装備することによって、操縦安定性をさらに向上させることができるとともに、乗り心地をより一層高くすることができる。
環状シムは図6〜図8に示すように形成することができる。
図6は傾斜面を有する環状シムを備えた伸長側チェックバルブの一部を拡大して示す断面図、図7は2個のリングを有する環状シムを備えた伸長側チェックバルブの一部を拡大して示す断面図、図8は3個のリングを有する環状シムを備えた伸長側チェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図6に示す環状シム71は、径方向の内側に位置する環状のプレート72と、径方向の外側に位置するリング73とによって構成されている。これらの環状プレート72とリング73は、ばね材料によって形成されている。
図6に示した環状シム71は、図5に示した環状シム62と同様に、伸長側バルブ52の複数のバルブプレート61,61…のうちピストン23側から数えて2枚目のバルブプレート61と3枚目のバルブプレート61との間に介装されている。
前記環状のプレート72は、径方向において厚みが一定の環状の板によって形成されており、中心部にピストンロッド25の基端部25aが嵌合している。
前記リング73は、前記環状のプレート72の外周面に嵌合しており、径方向の外側から内側に向かうにしたがって厚みが漸次薄くなるように形成されている。この実施の形態においては、このリング73の上面は環状のプレート72の上面と同一平面上に位置するように形成され、リング73の下面は、径方向の外側から内側に向かうにしたがって徐々に上側に位置するように傾斜する傾斜面74を構成している。
この実施の形態による環状シム71の外径は、最も外径が大きいバルブプレート61の外径と同じ寸法に形成されており、前記リング73は、ピストン本体42に突設された伸長側バルブ52用バルブシート57と対応する部位に位置するように形成されている。すなわち、図示してはいないが、伸長側バルブ52をピストン23の軸線方向から見た状態では、前記リング73とバルブシート57とが重なるようになる。
環状シム71を図6に示すように形成する場合であっても、環状シム71とその両側に位置する2枚のバルブプレート61,61との間に隙間が形成されることはないから、図1〜図5に示した実施の形態と同等の効果を奏する。
なお、図5および図6に示したように、環状シム62,71の径方向外側の半部を厚みが漸次変化するように形成するに当たっては、外周側半部64、リング73の下面が内周側半部63の下面や環状のプレート72の下面と同一平面上に位置し、かつ外周側半部64、リング73の上面が傾斜する形態を採ることができるし、外周側半部64、リング73の上下両面がそれぞれ傾斜する形態を採ることもできる。
図7と図8とに示した環状シム81,91は、径方向の内側に位置する環状のプレート82,92と、径方向の外側に位置する複数のリングとによって構成されており、これらのリングは、内側に位置するリングより外側に位置するリングの方が厚くなるように形成されている。
詳述すると、図7に示す環状シム81は、ピストン23と同一軸線上に位置付けられかつピストン23に対して固定された環状のプレート82と、この環状のプレート82の外周面に嵌合した第1のリング83と、この第1のリング83の外周面に嵌合した第2のリング84とから構成されている。
前記第1のリング83の厚みは、前記環状のプレート82の厚みより厚く形成され、第2のリング84の厚みは、前記第1のリング83の厚みより厚く形成されている。これらの環状のプレート82、第1および第2のリング83,84は、それぞれ内周側端部から外周側端部にわたる全域において、厚みが変わることがないように形成されている。
図8に示す環状シム91は、ピストン23と同一軸線上に位置付けられかつピストン23に対して固定された環状のプレート92と、この環状のプレート92の外周面に嵌合した第1のリング93と、この第1のリング93の外周面に嵌合した第2のリング94と、この第2のリング94の外周面に嵌合した第3のリング95とから構成されている。
前記第1のリング93の厚みは、前記環状のプレート92の厚みより厚く形成され、第2のリング94の厚みは、前記第1のリング93の厚みより厚く形成され、第3のリング95の厚みは、前記第2のリング94の厚みより厚く形成されている。これらの環状のプレート92、第1〜第3のリング93〜95は、それぞれ内周側端部から外周側端部にわたる全域において、厚みが変わることがないように形成されている。
図7および図8に示した環状シム81,91は、図5に示した環状シム62と同様に、伸長側バルブ52の複数のバルブプレート61のうちピストン23側から数えて2枚目のバルブプレート61と3枚目のバルブプレート61との間に介装されている。
また、図7および図8に示した環状シム81,91の外径は、最も外径が大きいバルブプレート61の外径と同じ寸法に形成されている。図7に示した環状シム81の第1、第2のリング83,84と、図8に示した環状シム91の第1〜第3のリング93〜95とは、ピストン本体42に突設された伸長側バルブ52用バルブシート57と対応する部位に位置するように形成されている。
図7および図8に示した環状シム81,91の各構成部材は、この実施の形態においては、ばね材料によって形成しているが、少なくともリング83,84,93〜95は、必ずしもばね材料によって形成する必要はない。
図7と図8とに示した環状シム81,91と隣り合うバルブプレート61,61は、環状シム81,91の複数の厚みの異なるリング83,84,93〜95に接触することにより撓み、初期荷重が付与される。このため、環状シム81,91よりピストン23側に位置するバルブプレート61,61が受けた油圧は、環状シム81,91を挟んで対向するバルブプレート61,61…に複数のリング83,84,93〜95を介して伝達される。
したがって、環状シム62と3枚目のバルブプレート61との間に階段状に隙間が形成されることになり、リングが一つしかない従来の油圧式減衰器に較べて前記隙間を狭く形成することができる。すなわち、図7および図8に示す環状シム81,91を備えた油圧式減衰器においても、図1〜図5に示した実施の形態と同様に、バルブプレート61が油圧によって押されたときにバルブプレート61が部分的に凹むことなくピストン23から離れるようになるから、初期荷重付与用の環状シム81,91を備えているにもかかわらず、減衰力が応答性よく発生するようになる。この結果、この油圧式減衰器を車両の懸架装置に装備することによって、操縦安定性をさらに向上させることができるとともに、乗り心地をより一層高くすることができる。
また、図7および図8に示す環状シム81,91を備えた油圧式減衰器は、リングの数、各リングの厚みを変更することにより、減衰力特性(ピストン23の移動速度に対する減衰力の大きさ)を容易に変えることができる。このため、この油圧式減衰器は、減衰力特性を設定するうえで自由度が高いものとなる。
ピストン本体42は、図9に示すように形成することができる。
図9はピストン本体の他の実施の形態を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は(A)図におけるB−B線断面図である。同図において前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図9に示すピストン本体42の第1および第2の貫通孔54,55は、入口54a,55aと出口54b,55bの位置が図4に示す第1、第2の貫通孔54,55とは異なっている。図9に示す第1、第2の貫通孔54,55の入口54a,55aは、出口54b,55bよりピストン本体42の径方向の外側に形成されている。
また、ピストン本体42の圧縮側バルブ51用バルブシート56と、伸長側バルブ52用バルブシート57とは、それぞれピストン本体42に同心円状に形成された一対の円形突条101,102によって構成されている。これらの円形突条101,102によって囲まれた環状の溝内に第1または第2の貫通孔54,55の出口54b,55bが開口している。
ピストン本体42を図9に示すように形成しても図1ないし図5で示した実施の形態を採る場合と同等の効果を奏する。
なお、上述した各実施の形態においては、環状シム62,71,81,91を伸長側バルブ52に設ける例を示したが、この環状シムは、圧縮側バルブ51のみに設けたり、圧縮側バルブ51と伸長側バルブ52との両方に設けることもできる。
本発明に係る油圧式減衰器の正面図である。 油圧シリンダのピストンロッド貫通部とピストンとを拡大して示す断面図である。 油圧シリンダの先端部とフリーピストンとを拡大して示す断面図である。 ピストン本体を示す図である。 チェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。 傾斜面を有する環状シムを備えた伸長側チェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。 2個のリングを有する環状シムを備えた伸長側チェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。 3個のリングを有する環状シムを備えた伸長側チェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。 ピストン本体の他の実施の形態を示す図である。 従来のチェックバルブの一部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
21…油圧式減衰器、22…油圧シリンダ、23…ピストン、24…チェックバルブ、51…圧縮側バルブ、52…伸長側バルブ、54…第1の貫通孔、55…第2の貫通孔、61…バルブプレート、62,71,81,91…環状シム、63…内周側半部、64…外周側半部、65…傾斜面、72,82,92…環状のプレート、83,93…第1のリング、84,94…第2のリング、95…第3のリング。

Claims (2)

  1. 油圧シリンダのピストンに穿設された貫通孔を開閉する減衰力発生用のチェックバルブを備え、
    前記チェックバルブが複数のバルブプレートと、これらのバルブプレートのうち互いに隣接する2枚のバルブプレートの間に介装された初期荷重付与用の環状シムとから構成された油圧式減衰器において、
    前記環状シムの表面と裏面とのうち少なくとも一方の面に、径方向の内側に向かうにしたがって環状シムの厚みが漸次薄くなる傾斜面を形成し
    前記環状シムの表面と裏面とは、それぞれ対向する前記バルブプレートの全面にわたって密着することを特徴とする油圧式減衰器。
  2. 油圧シリンダのピストンに穿設された貫通孔を開閉する減衰力発生用のチェックバルブを備え、
    前記チェックバルブが複数のバルブプレートと、これらのバルブプレートのうち互いに隣接する2枚のバルブプレートの間に介装された初期荷重付与用の環状シムとから構成された油圧式減衰器において、
    前記環状シムを、前記ピストンと同一軸線上に位置付けられかつピストンに対して固定された環状のプレートと、
    この環状のプレートの外周面に嵌合する第1のリングを含みかつ前記環状のプレートより厚みが厚く形成された複数のリングとから構成してなり、
    これらのリングを、前記第1のリングが最も内側に位置する状態で互いに嵌合するように形成し、
    各リングの厚みを、内側に位置するリングより外側に位置するリングの方が厚くなるように形成し
    前記環状シムと隣り合う前記2枚のバルブプレートは、前記各リングに接触することにより撓んでいることを特徴とする油圧式減衰器。
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