JP4898547B2 - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、緩衝器内に二つの圧力室を隔成するピストンと、当該ピストンに設けたポートの外周に配置される環状弁座に着座する環状のリーフバルブとを備え、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、リーフバルブの外周側を撓ませることによりポートを開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が低い場合には、作動液体は、環状弁座に設けた切欠あるいはリーフバルブの外周に設けた切欠によって形成されるオリフィスを通過して、圧縮される圧力室から拡張される圧力室へ移動する。
したがって、このような緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が低い場合には、オリフィス特有の二乗特性となる減衰特性(ピストン速度に対する減衰力変化)が発揮されて、ピストン速度が低速領域にあるときの減衰力を立ち上げるようにしている。
また、上記バルブ構造とは別に、低速領域においてピストン速度に対して減衰力をリニアに変化させるべく、弁座に着座するリーフバルブと、リーフバルブに積層されるサブリーフバルブとの間にリーフバルブの撓みを部分的に規制する十字状のシートを介装した緩衝器のバルブ構造の提案もなされている(たとえば、特許文献1参照)。
この提案のバルブ構造では、シートが十字状とされているので、リーフバルブの背面に部分的に当接して、ピストン速度が低速である場合にはリーフバルブは、シートが当接していない部位のみが撓んでポートを開放するので、ピストン速度に対して減衰力を比例的に変化させることができる。
特開平9−42357号公報(図2)
しかしながら、上述の各バルブ構造にあっては、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上述のオリフィス特性を備えた緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が低速領域にある場合、ピストン速度変化に対して減衰力変化が大きく、また、ピストン速度が低速領域を脱して中速となるとリーフバルブが環状弁座から離座するので中速領域における減衰特性が低速領域における減衰特性と大きく異なり、減衰特性が急激に変化してしまう。
また、リーフバルブの撓みをシートで部分的に規制する緩衝器のバルブ構造では、リーフバルブの撓み剛性を部分的に異ならしめることができず、ピストン速度が低速領域ある場合の減衰特性の調整幅が小さく、減衰特性の最適化には不向きである。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が低速領域ある場合の減衰特性の調整幅が大きく、低速領域と中速領域の境で減衰特性を急激に変化させない緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートとこのポートの外周に配置される環状弁座とを備えたバルブディスクと、このバルブディスクに積層されるとともに上記環状弁座に着座して上記ポートを開閉するリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記リーフバルブに上記リーフバルブより小径のサブリーフバルブを積層し、上記リーフバルブの撓み剛性を部分的に大きくする少なくとも一つ以上の当て板を上記リーフバルブの背面における上記サブリーフバルブより外周側に固定したことを特徴とする。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、低速領域における減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができるとともに、低速領域と中速領域の境で減衰特性を急激に変化させることがない。
そして、ピストン速度が低速領域における減衰特性は、当て板の長さ、材質、固定位置(当て板間隔長の調節)および板厚によって変化させる事ができ、従来技術のようにリーフバルブの背面にシートを設けて部分的にリーフバルブを支持するものに比較して、減衰特性の調整幅が大きくなり、減衰特性の設定の自由度が増して、車両に最適となる減衰特性を実現し得ることになる。
また、当て板がリーフバルブの背面であってサブリーフバルブの外周側に固定されるので、外部からの視認性が良好である。
したがって、バルブを組付加工時及び組付加工後に、当て板の有無の確認が容易であり、積層不良が発生したことをいち早く発見でき、さらに、組付加工時においても容易に当て板の有無を確認する事ができるので、積層不良の発生自体を抑制することができる。そして、積層不良の発生を抑制する事ができるから、製品歩留まりが向上する。
またさらに、当て板の有無の確認が容易であるから、当該確認作業に要する時間が短縮され、作業負担も飛躍的に軽減される。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造における一方側のリーフバルブの斜視図である。図3は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造における他方側のリーフバルブの斜視図である。図4は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。図5は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が固定オリフィスを持つバルブに具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側および圧側の両方の減衰バルブに具現化されており、緩衝器内に一方室41と他方室42とを隔成するとともに上記一方室41と他方室42とを連通する一方側のポート2aおよび他方側のポート2bと各ポート2a,2bの外周に配置される環状弁座1a,1bを備えたバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の一方室側面に積層されて一方側のポート2aを開閉する一方側のリーフバルブ10aと、リーフバルブ10aの背面外周に固定される当て板11a,11b,11cと、一方側のリーフバルブ10aに積層されるリーフバルブ10aより小径なサブリーフバルブ12aと、ピストン1の他方室側面に積層されて他方側のポート2bを開閉する他方側のリーフバルブ10bと、リーフバルブ10bの背面外周に固定される当て板13a,13bと、他方側のリーフバルブ10bに積層されるリーフバルブ10bより小径なサブリーフバルブ12bとを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の先端5aが挿通されて上記先端5aに固定されるピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される図1中上方側の一方室41と下方側の他方室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上下方に移動して、一方室41と他方室42とをポート2a,2bを介して作動油が交流するときに、その作動油の流れに対しそれぞれ対応するリーフバルブ10a,10bで抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、環状に形成されて、作動油が他方室42から一方室41へ通過することを許容する一方側のポート2aと、逆に作動油が一方室41から他方室42へ通過することを許容する他方側のポート2bと、各ポート2a,2bの出口端にそれぞれ連なる窓3a,3bと、各ポート2a,2bの出口端となる窓3a,3bの外周側に形成される環状弁座1a,1bとを備えている。
さらに、ポート2aは、環状弁座1bより外周側から開口してピストン1の他方室側面に積層される他方側のリーフバルブ10bによって閉塞されないように配慮され、他方のポート2bについても同様に、環状弁座1aより外周側から開口している。
そして、上述のように、ピストン1の内周側には緩衝器のピストンロッド5の先端5aが挿通され、ピストンロッド5の先端5aはピストン1の図1中下方側に突出させてある。
また、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端5aとの外径が異なる部分に段部5bが形成され、さらに、先端5aの図1中最下方の外周には螺子溝5cが形成されている。
また、ピストン1の図1中上下に積層されるリーフバルブ10a,10bは、それぞれ、環状に形成されており、一方側のリーフバルブ10aは、内周側がピストンロッド5の先端5aに固定されるとともにピストン1に形成の環状弁座1aに当接して、一方側のポート2aの出口端を閉塞し、他方側のリーフバルブ10bも、内周側がピストンロッド5の先端5aに固定されるとともにピストン1に形成の環状弁座1bに当接して、他方側のポート2bの出口端を閉塞している。
したがって、各リーフバルブ10a,10bは、内周側が固定端とされて外周側が撓むことによってポート2a,2bを開放することができるようになっている。
また、一方側のリーフバルブ10aのピストン1側とは反対側面である背面には、一方側のリーフバルブ10aより小径のサブリーフバルブ12aが積層され、また、他方側のリーフバルブ10bのピストン1側とは反対側面である背面には、他方側のリーフバルブ10bより小径のサブリーフバルブ12bが積層され、この実施の形態の場合、サブリーフバルブ12a,12bは、それぞれ二枚の環状板を積層して構成されている。
なお、リーフバルブ10a,10bは、本実施の形態では、一枚の環状板で構成されているが、複数の環状板を積層させて構成した積層リーフバルブとされてもよく、上記環状板の枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性によって任意とされ、また、サブリーフバルブ12a,12bにあっても環状板の枚数は本バルブ構造で実現する減衰特性によって任意に設定されてよい。
そして、一方側のリーフバルブ10aの背面外周、具体的には、リーフバルブ10aの背面であってサブリーフバルブ12aより外周側には、図2に示すように、三枚の円弧状の当て板11a,11b,11cが不等間隔に配置されて溶接あるいは接着されて固定されており、リーフバルブ10aにおける当て板11a,11b,11cが固定された部分の撓み剛性が大きくなっている。また、当て板11a,11b,11cの板厚は、それぞれ異なる厚さに設定されており、リーフバルブ10aの撓み剛性は、当て板11a,11b,11cが固定されて部位毎にも異なるようになっている。
また、他方側のリーフバルブ10bの背面外周、具体的には、リーフバルブ10bの背面であってサブリーフバルブ12bより外周側には、図3に示すように、二枚の円弧状の当て板13a,13bが溶接あるいは接着されて固定されており、リーフバルブ10bにおける当て板13a,13bが固定された部分の撓み剛性が大きくなっている。なお、当て板13a,13bは、リーフバルブ10bの外周に等間隔を持って固定されている。
なお、リーフバルブ10a,10bが複数の環状板を積層させて構成した積層リーフバルブとされる場合には、リーフバルブを背面側から支持するサブリーフバルブが当接する最背面に積層されるリーフバルブに当て板を固定すればよい。
また、当て板11a,11b,11c,13a,13bは、このバルブ構造で実現する減衰特性に応じて、リーフバルブ10a,10bの一枚あたりの固定枚数は任意に設定でき、さらに、各リーフバルブ10a,10b上に不等間隔に設置してもよいし、等間隔に設置してもよく、各当て板11a,11b,11c,13a,13bの形状も、サブリーフバルブ12a,12bに干渉せずにリーフバルブ10a,10bの剛性を部分的に大きくする事ができればよいので、必ずしも円弧状としなくともよい。
つづいて、一方側のサブリーフバルブ12aより図1中上方には、順に、間座14aおよびバルブストッパ15が積層され、他方側のサブリーフバルブ12bより図1中下方には、順に間座14bおよびバルブストッパ16が積層され、これら各部材は、ピストン1とともにピストンロッド5の先端5aに組み付けられ、上記先端5aに設けた螺子溝5cに螺着されるピストンナット17とピストンロッド5の段部5bとで挟持されてピストンロッド5に固定されている。
すなわち、このバルブ構造にあっては、ピストン1の上方側に配置されるリーフバルブ10a、サブリーフバルブ12a、間座14aおよびバルブストッパ15の構成と、ピストン1の下方側に配置されるリーフバルブ10b、サブリーフバルブ12b、間座14bおよびバルブストッパ16の構成とは、ピストン1を境にして天地逆とした対称の関係にある。
つづいて、上述のように構成されたバルブ構造の作用について説明する。まず、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方側に移動すると、他方室42内の圧力が高まり、他方室42内の作動油は一方側のポート2aを通過して一方室41内に移動しようとする。
そして、リーフバルブ10aの背面にそれぞれ当て板11a,11b,11cが部分的に固定されて、当該固定部分におけるリーフバルブ10a,10bの撓み剛性が大きくなっているので、ピストン速度が低速領域にある場合にはリーフバルブ10aはともに当て板11a,11b,11cで裏打ちされていない部分から撓み始め、ピストン速度の上昇に伴って徐々に撓み量が増加して、ピストン速度が中速領域に達すると、当て板11a,11b,11cで裏打ちしている部位も撓んで、リーフバルブ10aの外周全周が環状弁座1aから離座するようになっている。なお、当て板11a,11b,11cの板厚が異なるので、リーフバルブ10aは、薄い板厚の当て板で裏打ちしている部分から徐々に環状弁座1aから離座することになり、また、当て板11a,11b,11cは不等間隔に配置されているため、裏打ちされていない部分の3箇所も当て板間隔の弧の長さ(当て板間隔長)が長い順に撓むようになっている。
従って、このピストン速度が低速領域にある場合、一方側のリーフバルブ10aは最初のうちは部分的に撓み、ピストン速度の上昇に応じて徐々に薄い板厚の当て板固定部分も撓むようになり、ピストン速度が中速領域に達すると、リーフバルブ10aの全周が撓むようになる。
このように、リーフバルブ10aの全周が環状弁座1aから離座するまでに、リーフバルブ10aと環状弁座1aとの間に形成される隙間の大きさがピストン速度の上昇に伴って徐々に大きくなり、発生される減衰力はピストン速度に対して比例的に変化し、このバルブ構造が具現化した緩衝器が発生する圧側の減衰特性は、図4に示すが如くとなり、低速領域と中速領域との境で減衰特性が急激に変化するような事が無い。
また、環状弁座1aあるいはリーフバルブ10aの一部を切り欠いて固定オリフィスを備える構造とする場合にあっても、上記したように、リーフバルブ10aと環状弁座1aとの間に形成される隙間の大きさがピストン速度の上昇に伴って徐々に大きくなるようになっているので、図5に示すように、低速領域と中速領域との境で減衰特性が急激に変化するような事が無い。
逆に、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動する場合には、ピストン1の下方側に配置されるバルブ構造の構成がピストン1の上方側に配置される構成とが互いに天地逆となった構成とされているので、上記した処と同様の作動を呈することになる。
この場合、リーフバルブ10bの背面にそれぞれ当て板13a,13bが等間隔をもって部分的に固定されて、当該固定部分におけるリーフバルブ10a,10bの撓み剛性が大きくなっているので、ピストン速度が低速領域にある場合にはリーフバルブ10bは当て板13a,13bで裏打ちされていない部分から撓み始め、ピストン速度の上昇に伴って徐々に撓み量が増加して、ピストン速度が中速領域に達すると、当て板13a,13bで裏打ちしている部位も撓んで、リーフバルブ10bの外周全周が環状弁座1bから離座するようになっている。
なお、この他方側のリーフバルブ10bの場合、当て板13a,13bの板厚が同じで、当て板13a,13bは等間隔に配置されているため、当て板間隔長も同じであるので、裏打ちされていない部分は均等に撓むようになっている。
この他方側のリーフバルブ10bにあっては、当て板の数、板厚、配置の違いによって、リーフバルブ10bの撓み量が上述のリーフバルブ10aとは異なるものの、ピストン速度が低速領域にある場合、他方側のリーフバルブ10bは最初のうちは裏打ちされていない部分が撓み、ピストン速度が中速領域に達すると、リーフバルブ10bの全周が撓むようになる。
このように、他方側のリーフバルブ10bにあっても、リーフバルブ10bの全周が環状弁座1bから離座するまでに、リーフバルブ10bと環状弁座1bとの間に形成される隙間の大きさがピストン速度の上昇に伴って徐々に大きくなるので、発生される減衰力はピストン速度に対して比例的に変化し、このバルブ構造が具現化した緩衝器が発生する伸側の減衰特性は、図4に示すが如くとなり、低速領域と中速領域との境で減衰特性が急激に変化するような事が無く、また、図5に示すように、固定オリフィスを備える構造とする場合にあっても、同様である。
したがって、本実施の形態の緩衝器のバルブ構造にあっては、低速領域における減衰力をピストン速度に対して比例的に変化させることができる。
そして、上記したピストン速度が低速領域における減衰特性は、当て板11a,11b,11c,13a,13bの長さ、材質、固定位置(当て板間隔長の調節)および板厚によって変化させる事ができ、従来技術のようにリーフバルブの背面にシートを設けて部分的にリーフバルブを支持するものに比較して、減衰特性の調整幅が大きくなり、減衰特性の設定の自由度が増して、車両に最適となる減衰特性を実現し得ることになる。
さらに、このバルブ構造の場合、リーフバルブ10a,10bの背面外周に固定される当て板11a,11b,11c,13a,13bは、リーフバルブ10a,10bとサブリーフバルブ12a,12bとの間に介装されるのではなく、これらリーフバルブ10a,10bの背面であってサブリーフバルブ12a,12bの外周側に固定されるので、外部からの視認性が良好である。つまり、当て板11a,11b,11c,13a,13bは、外部から容易に視認でき、かつ、リーフバルブ10a,10bの撓み剛性を部分的に大きくすることができるのである。
したがって、このバルブ構造が具現化したバルブを組付加工時及び組付加工後に、当て板11a,11b,11c,13a,13bの有無の確認が容易であり、積層不良が発生したことをいち早く発見でき、さらに、組付加工時においても容易に当て板11a,11b,11c,13a,13bの有無を確認する事ができるので、積層不良の発生自体を抑制することができる。そして、積層不良の発生を抑制する事ができるから、製品歩留まりが向上する。
またさらに、当て板11a,11b,11c,13a,13bの有無の確認が容易であるから、当該確認作業に要する時間が短縮され、作業負担も飛躍的に軽減される。
また、なお、上記したところでは、緩衝器のピストン部の伸圧両側の減衰バルブに具現化した例を用いて本発明のバルブ構造を説明しているが、伸側のみ、あるいは、圧側のみの減衰バルブに具現化することも可能で、さらには、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。すなわち、バルブ構造がベースバルブ部に具現化される場合には、一方室をピストン側室あるいはリザーバ室の一方とし、他方室をピストン側室あるいはリザーバ室の他方とすればよい。
以上で緩衝器のバルブ構造の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造における一方側のリーフバルブの斜視図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造における他方側のリーフバルブの斜視図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が固定オリフィスを持つバルブに具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a,1b 環状弁座
2a 一方側のポート
2b 他方側のポート
3a,3b 窓
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドの先端
5b ピストンロッドの段部
5c ピストンロッドの螺子溝
10a 一方側のリーフバルブ
10b 他方側のリーフバルブ
11a,11b,11c,13a,13b 当て板
12a,12b サブリーフバルブ
14a,14b 間座
15,16 バルブストッパ
17 ピストンナット
40 シリンダ
41 一方室
42 他方室

Claims (2)

  1. ポートとこのポートの外周に配置される環状弁座とを備えたバルブディスクと、このバルブディスクに積層されるとともに上記環状弁座に着座して上記ポートを開閉するリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記リーフバルブに上記リーフバルブより小径のサブリーフバルブを積層し、上記リーフバルブの撓み剛性を部分的に大きくする少なくとも一つ以上の当て板を上記リーフバルブの背面における上記サブリーフバルブより外周側に固定したことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 上記リーフバルブには、上記当て板が複数固定されており、これらの当て板の板厚がそれぞれ異なる厚さに設定される事を特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
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