JP5854938B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
この車体前部構造のなかには、フロントサブフレームに車体前後方向に延びる長孔が形成され、長孔に取付ボルトを介してステアリングギヤボックスが取り付けられたステアリングギヤボックスのボックス支持機構が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ステアリングギヤボックスを移動させることにより、ステアリングギヤボックスに動力源が当接したときの衝撃荷重を吸収することが可能である。
一方、車体前部構造の動力源は、エンジンおよびトランスミッションが連結されることにより一体化(ユニット化)され、エンジンおよびトランスミッションが横向きに配置された状態で車体に取り付けられる。
動力源を横向きに配置した状態において、エンジンに対してトランスミッションが車体後方に突出している。
このため、まず、トランスミッション側の長孔に沿って取付ボルトが移動しようとする。
このため、トランスミッション側の取付ボルトの移動が、エンジン側の取付ボルトで抑制され、ステアリングギヤボックスに動力源が当接したときの衝撃荷重を好適に吸収することが難しい。
第1取付部および第3取付部が破断することにより、ステアリングギヤボックスを第2取付部の取付ボルトを軸に揺動させ、ステアリングギヤボックスに動力源が当接したときの衝撃荷重を吸収することが可能である。
しかし、第1取付部のネック部が破断した後、第3取付部のネック部を迅速に破断させるためには、第1取付部のネック部や第3取付部のネック部の幅狭の設定が難しい。
請求項7は、前記スリットは、車体前方に向けてスリット幅が徐々に狭くなるように形成された部位と、この徐々に狭くなる部位と連続して、スリット幅が一定になるように平行に形成された部位とを有することを特徴とする。
この取付ブラケットの取付孔にスリットを連通させた。よって、ステアリングギヤボックスに動力源が当接したときの荷重(衝撃荷重)で、取付ブラケットを第2締結部材に沿って車体後方へ移動させ、第2締結部材から離脱させることができる。
これにより、ステアリングギヤボックス(他方の部位)の車体後方への移動量を十分に確保でき、ステアリングギヤボックスに動力源が当接したときの衝撃荷重を好適に吸収できる。
これにより、衝撃を好適に吸収できるステアリングギヤボックスのボックス支持機構を容易に形成できる。
よって、例えば、フロントサブフレームに僅かな凹凸部が形成されている場合でも、湾曲部をフロントサブフレームに沿って円滑に移動させることができる。
これにより、取付ブラケットを車体後方に円滑に移動できるので、衝撃荷重を一層好適に吸収することができる。
よって、第1締結部材を中心とする第1スリットの回転軌跡は、第2スリットの回転軌跡より半径が小さい。このため、ステアリングギヤボックスが第1締結部材を軸にして車体後方に揺動する際に、第1スリットの縁部が第2締結部材に強固に干渉して、ステアリングギヤボックスの円滑な揺動を妨げることが考えられる。
これにより、第1スリットを第2締結部材に沿わせて円滑に移動させることができるので、ステアリングギヤボックスを車体後方に一層円滑に揺動できる。
これにより、第2スリットを第1スリットと同様に第2締結部材に沿わせて移動させることができるので、ステアリングギヤボックスを車体後方に一層円滑に揺動できる。
これにより、取付ブラケットを車体後方に円滑に移動できるので、衝撃荷重を一層好適に吸収することができる。
図1、図2に示すように、車体前部構造10は、車体前後方向に向けて配置された左右のサイドフレーム(一対のサイドフレーム)11,12と、左サイドフレーム11の外側に設けられた左フロントサスペンション13と、右サイドフレーム12の外側に設けられた右フロントサスペンション14と、左右のサイドフレーム11,12の下方に取り付けられたフロントサブフレーム15とを備えている。
右フロントサスペンション14のナックルにハブ(図示せず)を介して右前輪29が取り付けられている。
この動力源25は、左取付部材31を介して左サイドフレーム11に取り付けられ、右取付部材32を介して右サイドフレーム12に取り付けられ、支持ロッド33を介してフロントサブフレーム15に連結されている。
動力源25を横向きに配置した状態において、エンジン26に対してトランスミッション27の凸部(例えば、トランスミッションケース)27aが車体後方に突出している。
このフロントサブフレーム15の上部15aには、右前取付部38の車体中心寄りに設けられた右ギヤボックス取付部41と、左前取付部36の車体中心寄りに設けられた左ギヤボックス取付部43と、左ギヤボックス取付部43の車体前方に設けられた規制ブラケット取付部45と、車幅方向略中央に設けられたロッド取付部47とを備えている。
この支持ロッド33は、前端部33bが支持ブラケット54を介して動力源25に取り付けられている。よって、動力源25が支持ロッド33を介してフロントサブフレーム15のロッド取付部47で支えられている。
このステアリングギヤボックス18は、フロントサブフレーム15の上部15aに沿って車体幅方向を向いて配置されるボックス本体56と、ボックス本体56の右端部(一方の部位)56aから車体前方に張り出された右取付部57と、ボックス本体56の左端部(他方の部位)56bに設けられた左取付部58とを有する。
ボックス本体56は、ステアリングギヤ61などが収容される円筒状のケースである。
これにより、フロントサブフレーム15の上部15aにステアリングギヤボックス18(ボックス本体56)が車体幅方向を向けて取り付けられている。
ステアリングホイール63を回転することにより左右のタイロッド64,65が車幅方向に移動する。左右のタイロッド64,65を車幅方向に移動することで、左右のナックルが回動して左右の前輪28,29の向きを変える。
また、ダッシュボード67およびフロアパネル68間の開口部69は、エンジンルーム73側が下カバー74で覆われている。下カバー74は、エンジンルーム73側に膨出されている。
キャタライザ27bは排気系に備えた触媒であり、トランスミッション27の車体後方側に膨出した状態で設けられている。
このキャタライザ27bは、下カバー74に対して所定間隔をおいて配置されている。
よって、右取付部57が第1ボルト21およびナットで右ギヤボックス取付部41に取り付けられている。
左取付部58は、ボックス本体56の左端部56bから左ギヤボックス取付部43に向けて下方に突出され、車体前方側に取付面58aが平坦に形成されている。
スライダ84は、脚部83の右側(第1ボルト21側)に張りされた右スライダ部85と、脚部83の左側(第1ボルト21の反対側)に張りされた左スライダ部86と、脚部83の車体後方に張り出された後スライダ部(車体後方側の端部)87とを有する。
右スリット92は、右取付孔91に連通されるとともに、車体前方に向けて幅寸法W1で形成されている。右スリット92の幅寸法W1は、右第2ボルト77の軸径D(図5参照)より小さく設定されている。
さらに、右スリット92の幅寸法W1は、左スリット95の幅寸法W2(後述する)より大きく設定されている。
左スリット95は、左取付孔94に連通されるとともに、車体前方に向けて幅寸法W2で形成されている。左スリット95の幅寸法W2は、左第2ボルト78の軸径Dより小さく設定されている。
このため、ステアリングギヤボックス18(図2参照)が第1ボルト21を軸にして車体後方に揺動する際に、右スリット92の縁部92aが右第2ボルト77に強固に干渉して、ステアリングギヤボックス18の円滑な揺動を妨げることが考えられる。
これにより、右スリット92を右第2ボルト77に沿わせて円滑に移動させることができるので、ステアリングギヤボックス18を車体後方に一層円滑に揺動できる。
また、図7に示すように、左取付孔94に左第2ボルト78が差し込まれ、差し込まれた左第2ボルト78が左ギヤボックス取付部43の左ナット102(図5参照)にねじ結合されている。左ナット102は左ギヤボックス取付部43の裏面に溶接されている。
よって、スライダ84(取付ブラケット76)が、右第2ボルト77および右ナット101と、左第2ボルト78および左ナット102で左ギヤボックス取付部43に取り付けられている。
これにより、ステアリングギヤボックス18に動力源25(図1参照)が当接して衝撃荷重(荷重)が入力した際に、入力した衝撃荷重で左右の第2ボルト78,77に沿って取付ブラケット76が車体後方に移動することが許容される。
これにより、ステアリングギヤボックス18(すなわち、ボックス本体56の左端部56b(図1参照))の車体後方への移動量を十分に確保でき、ステアリングギヤボックス18に動力源25が当接したときの衝撃荷重を好適に吸収できる。
これにより、衝撃荷重を好適に吸収できるステアリングギヤボックス18(図2も参照)のボックス支持機構20を容易に形成できる。
この後スライダ部87は、後部に湾曲部88を有する。湾曲部88は、後縁88aがフロントサブフレーム15(上部15a)に対して上方に位置するように上方に向けて湾曲状に形成されている。
これにより、取付ブラケット76を車体後方に円滑に移動できるので、衝撃荷重を一層好適に吸収することができる。
よって、取付ブラケット76をフロントサブフレーム15の表面15bに沿って円滑に移動させることができる。
これにより、取付ブラケット76を車体後方に円滑に移動できるので、衝撃荷重を一層好適に吸収することができる。
規制ブラケット81は、帯状に形成されたブラケット本体103と、ブラケット本体103の他端部103bに設けられた取付ボス(他端部)104とを有する。
ブラケット本体103は、平面視略S字状に形成され、一端部103aが取付面58aにボルト108およびナット109で設けられている。
また、取付ボス104が規制ブラケット取付部45にボルト106およびナット107で設けられている。
さらに、規制ブラケット81は、取付ブラケット76が車体後方(矢印方向)に移動する際に、取付ブラケット76の車体後方への移動量を規制する機能を備えている。
これにより、ステアリングギヤボックス18が車体後方に必要以上移動することを確実に規制し、ステアリングギヤボックス18が下カバー74(すなわち、車体)(図3参照)に当接することを防止できる。
図9(a)に示すように、動力源25が車体後方に向けて矢印Aの如く移動することにより、トランスミッション27の凸部27aがステアリングギヤボックス18(ボックス本体56)の左端部56bに当接する。
トランスミッション27(凸部27a)がステアリングギヤボックス18の左端部56bに当接することにより左端部56bに衝撃荷重F1が入力する。
左取付部58に伝えられた衝撃荷重F1が取付ブラケット76に衝撃荷重F2として伝えられる。
これにより、取付ブラケット76が左右の第2ボルト78,77に沿って車体後方へ矢印Bの如く移動する。
取付ブラケット76が離脱することにより、取付ブラケット76が車体後方へ矢印Bの如く移動する。取付ブラケット76が移動することにより規制ブラケット81のブラケット本体103が変形する。
よって、ステアリングギヤボックス18(すなわち、ボックス本体56の左端部56b)の車体後方への移動量を十分に確保できる。これにより、ステアリングギヤボックス18に動力源25が当接したときの衝撃荷重F1を好適に吸収できる。
取付ブラケット76の移動量を規制することにより、ステアリングギヤボックス18(図10(b)参照)が車体後方に必要以上移動することを規制する。
これにより、トランスミッション27側のキャタライザ27bが下カバー74(すなわち、車体)に当接することを防止できる。
図12に示すように、取付ブラケット120は、実施例1の左スリット95に代えて左スリット(スリット、第2スリット)122に代えたもので、その他の構成は実施例1の取付ブラケット76と同様である。
傾斜角θは、取付ブラケット120の前縁120aに対する傾斜角である。
第2回転軌跡98は、ステアリングギヤボックス18(図10(b)参照)が第1ボルト21を軸に回転する際の左スリット122の回転軌跡である。
これにより、左スリット122を右スリット92と同様に左第2ボルト78に沿わせて移動させることができるので、ステアリングギヤボックス18を車体後方に円滑に揺動できる。
図13に示すように、取付ブラケット130は、実施例1の右スリット92に代えて右スリット(スリット、第1スリット)132に代えたもので、その他の構成は実施例1の取付ブラケット76と同様である。
一対の壁面132aは、右取付孔91から取付ブラケット130の前縁130aに向けてスリット幅が徐々に狭くなるようにテーパ状(傾斜状)に形成されている。
よって、取付ブラケット130に衝撃荷重が車体前方から入力した際に、衝撃荷重が最大に到達する前に取付ブラケット130を車体後方に移動するように調整できる。
これにより、衝撃荷重が車体前方から入力した際に、取付ブラケット130を迅速に車体後方に移動することができる。
図14に示すように、取付ブラケット140は、実施例1の右スリット92に代えて右スリット(スリット、第1スリット)142に代えたもので、その他の構成は実施例1の取付ブラケット76と同様である。
一対の壁面142aは、スリット幅が徐々に狭くなるようにテーパ状(傾斜状)に形成された部位と、スリット幅が一定になるように平行に形成された部位を有する。
すなわち、一対の壁面142aは、右取付孔91から取付ブラケット140の前縁140aの途中までスリット幅が徐々に狭くなるようにテーパ状(傾斜状)に形成され、途中から取付ブラケット140の前縁140aまでスリット幅が一定になるように平行に形成されている。
これにより、衝撃荷重が車体前方から入力した際に、衝撃荷重が最大に到達するまで取付ブラケット140の車体後方への移動を抑えることができる。
例えば、前記実施例1〜実施例4では、取付ブラケット76,120,130,140にスリットとして左右のスリット95,92を設けた例について説明したが、これに限らないで、スリットの個数は適宜変更することが可能である。
Claims (7)
- 一対のサイドフレームの下方にフロントサブフレームが取り付けられ、前記フロントサブフレームにステアリングギヤボックスが車体幅方向を向けて取り付けられ、前記ステアリングギヤボックスの車体前方に動力源が設けられた車体前部構造において、
前記ステアリングギヤボックスは、
車幅方向の一方の部位が前記フロントサブフレームに第1締結部材で取り付けられ、かつ、車幅方向の他方の部位が前記フロントサブフレームに支持手段で取り付けられ、
前記支持手段は、
前記他方の部位に設けられた取付ブラケットと、
前記取付ブラケットの取付孔に差し込まれ、前記取付ブラケットを前記フロントサブフレームに取り付ける第2締結部材と、を備え、
前記取付ブラケットは、
前記取付孔に連通されるとともに車体前方に向けて形成され、前記ステアリングギヤボックスに前記動力源が当接したときの荷重で前記第2締結部材に沿った前記取付ブラケットの車体後方への移動を許容するスリットを有し、
前記取付ブラケットは、
車体後方側の端部に、上方へ向けて湾曲状に形成された湾曲部を有することを特徴とする車体前部構造。 - 一対のサイドフレームの下方にフロントサブフレームが取り付けられ、前記フロントサブフレームにステアリングギヤボックスが車体幅方向を向けて取り付けられ、前記ステアリングギヤボックスの車体前方に動力源が設けられた車体前部構造において、
前記ステアリングギヤボックスは、
車幅方向の一方の部位が前記フロントサブフレームに第1締結部材で取り付けられ、かつ、車幅方向の他方の部位が前記フロントサブフレームに支持手段で取り付けられ、
前記支持手段は、
前記他方の部位に設けられた取付ブラケットと、
前記取付ブラケットの取付孔に差し込まれ、前記取付ブラケットを前記フロントサブフレームに取り付ける第2締結部材と、を備え、
前記取付ブラケットは、
前記取付孔に連通されるとともに車体前方に向けて形成され、前記ステアリングギヤボックスに前記動力源が当接したときの荷重で前記第2締結部材に沿った前記取付ブラケットの車体後方への移動を許容するスリットを有し、
前記スリットは、
前記第1締結部材側に設けられた第1スリットと、
前記第1締結部材の反対側に設けられた第2スリットと、
を有し、
前記第1スリットの幅寸法が前記第2スリットの幅寸法より大きいことを特徴とする車体前部構造。 - 一対のサイドフレームの下方にフロントサブフレームが取り付けられ、前記フロントサブフレームにステアリングギヤボックスが車体幅方向を向けて取り付けられ、前記ステアリングギヤボックスの車体前方に動力源が設けられた車体前部構造において、
前記ステアリングギヤボックスは、
車幅方向の一方の部位が前記フロントサブフレームに第1締結部材で取り付けられ、かつ、車幅方向の他方の部位が前記フロントサブフレームに支持手段で取り付けられ、
前記支持手段は、
前記他方の部位に設けられた取付ブラケットと、
前記取付ブラケットの取付孔に差し込まれ、前記取付ブラケットを前記フロントサブフレームに取り付ける第2締結部材と、を備え、
前記取付ブラケットは、
前記取付孔に連通されるとともに車体前方に向けて形成され、前記ステアリングギヤボックスに前記動力源が当接したときの荷重で前記第2締結部材に沿った前記取付ブラケットの車体後方への移動を許容するスリットを有し、
前記支持手段は、
前記取付ブラケットに一端部が設けられ、前記フロントサブフレームに他端部が設けられることにより、前記取付ブラケットの車体後方への移動量を規制する規制ブラケットを備え、
前記他端部は、前記フロントサブフレームに対して、ボルトを用いて締結され、前記ボルトの軸方向は、車高方向であることを特徴とする車体前部構造。 - 前記第2スリットは、
前記第1締結部材を軸に回転する前記ステアリングギヤボックスの回転軌跡に沿って傾斜されたことを特徴とする請求項2記載の車体前部構造。 - 前記フロントサブフレームは、
前記取付ブラケットが取り付けられる表面が、前記取付ブラケットの車体後方において平坦に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体前部構造。 - 前記スリットは、車体前方に向けてスリット幅が徐々に狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の車体前部構造。
- 前記スリットは、車体前方に向けてスリット幅が徐々に狭くなるように形成された部位と、この徐々に狭くなる部位と連続して、スリット幅が一定になるように平行に形成された部位とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の車体前部構造。
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