JP2021070467A - 車両構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、前面衝突時の荷重を効果的に吸収できる車両構造を提供する。【解決手段】車両構造100は、車両の左右両側に配置され、車両前後方向に延びるサイドメンバ1と、サイドメンバ1の上側に配置されるダッシュパネル3と、サイドメンバ1の下側に配置されるサスペンションメンバ4と、を備える。サスペンションメンバ4は、サイドメンバ1の下面に取り付けられる上端部40を有する。ダッシュパネル3の左右両側の下端部30とサスペンションメンバ4の上端部40とは、互いにサイドメンバ1を挟む車両上下方向の対向位置に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両構造に関する。
特許文献1、2には、自動車の前部の車両構造であって、車両前後方向に延びる左右のサイドメンバと、左右のサイドメンバの下側に架け渡されるように取り付けられるサスペンションメンバとを備える車両構造が開示されている。
特開平11−105744号公報 特開2015−189363号公報
自動車の車両構造は、衝突安全性の観点から、衝突時の荷重を吸収できるように変形可能に構成されている。例えば、車両の前面衝突時に車両の左右両側に配置されたサイドメンバが車両前後方向に座屈するように変形して、車両前方からの衝突荷重を吸収するように設計されている。車両構造において、前面衝突時、特にオフセット衝突時の大荷重をも効果的に吸収する必要がある。
車両の前部にエンジンルームが設けられる車両であれば、車両の前端から車室の前端までの距離がある程度長い。そのため、このような車両では、前面衝突時におけるサイドメンバの車両前後方向の座屈をコントロールし易く、車両前部の変形が車室まで及び難い。一方、キャビンが前輪の上方に位置するキャブオーバ車にあっては、その構造上、車両の前端から車室の前端までの距離が短い。そのため、キャブオーバ車では、車両の前面衝突時に、サイドメンバの車両前後方向の座屈によって前方からの荷重を十分に吸収することが難しく、車両前部の変形が車室まで及び易い。
そこで、車両の前面衝突時における車室の変形を抑制する対策として、例えば、サイドメンバの板厚を上げたり、サイドメンバに補強部材を追加したりするなどして、サイドメンバの車両前後方向の剛性を高めることが考えられる。しかしながら、上記対策では、サイドメンバのコスト、重量が増加したり、生産性が悪化したりするが、その割に効果が低いという問題がある。したがって、簡易な構成で、前面衝突時の荷重をサイドメンバによって効果的に吸収できる車両構造が望まれている。
本発明の目的の一つは、簡易な構成で、前面衝突時の荷重を効果的に吸収できる車両構造を提供することにある。
(1)本発明の一態様に係る車両構造は、
車両の左右両側に配置され、車両前後方向に延びるサイドメンバと、
前記サイドメンバの上側に配置されるダッシュパネルと、
前記サイドメンバの下側に配置されるサスペンションメンバと、を備え、
前記サスペンションメンバは、前記サイドメンバの下面に取り付けられる上端部を有し、
前記ダッシュパネルの左右両側の下端部と前記サスペンションメンバの前記上端部とは、互いに前記サイドメンバを挟む車両上下方向の対向位置に設けられている。
(2)上記の車両構造の一形態として、
前記ダッシュパネルの左右両側のうち少なくとも一方に、車両上下方向に延びる縦補強部材を有することが挙げられる。
(1)上記の車両構造は、ダッシュパネルの下端部とサスペンションメンバの上端部とが、サイドメンバの上下両側の対向する位置、即ち、サイドメンバに対して、車両上下方向から見て車両前後方向に重なる位置に取り付けられている。サイドメンバにおいて、ダッシュパネルの取付位置の下側にサスペンションメンバの上端部が固定されることにより、ダッシュパネルの取付位置近傍における下側部分の剛性がサスペンションメンバによって高められる。そのため、車両の前面衝突時、前方からの荷重によるサイドメンバの変形をダッシュパネルの手前までで終了させることができる。つまり、前面衝突時、サイドメンバにおけるダッシュパネルの取付位置よりも前方が変形することにより、サイドメンバの変形がダッシュパネルの後方まで及ぶことを抑制できる。よって、上記の車両構造は、前面衝突時の荷重をダッシュパネルの前方で吸収することが可能であり、前面衝突時における車両前部の変形が車室まで及び難く、車室前側の変形を抑制し易い。
更に、上記の車両構造は、サイドメンバにおける前方からの荷重に対する剛性が、ダッシュパネルの取付位置近傍において下側の方が上側よりも高い。ダッシュパネルよりもサスペンションメンバの方が高剛性だからである。これにより、車両の前面衝突時におけるサイドメンバの変形をコントロールでき、前面衝突時の荷重を効果的に吸収できる。具体的には、前面衝突時、前方からの荷重によってサイドメンバが車両前後方向に押し潰されて座屈する。また、オフセット衝突時など、前方から大荷重が入力されたときは、サイドメンバがダッシュパネルの取付位置を起点として、ダッシュパネルの取付位置よりもサイドメンバの前方側が上方に持ち上がるように屈曲する。つまり、前面衝突時の大荷重に対して、サイドメンバは、車両前後方向に押し潰されるだけでなく、ダッシュパネルの取付位置近傍で折れ曲がるように変形する。よって、上記の車両構造は、上記変形により、大荷重であっても効果的に吸収できる。
加えて、上記の車両構造は、ダッシュパネルの下端部とサスペンションメンバの上端部とを互いにサイドメンバを挟む上下の対向位置に設けるという簡易な構成で実現可能である。そのため、上記の車両構造は、サイドメンバの板厚を上げるなどの対策を不要にでき、サイドメンバのコスト、重量の増加や生産性の悪化を招き難い。
(2)上記の車両構造において、ダッシュパネルに上記の縦補強部材を有する形態では、前面衝突時におけるダッシュパネルの変形を抑制できる。そのため、前面衝突時、ダッシュパネルの上下方向の中央部分が車室内側に大きく突出するように変形することを抑制できる。よって、上記の形態によれば、前面衝突時にダッシュパネルが乗員の下肢に衝突することを抑制できる。
図1は、実施形態1に係る車両構造を下方から見た概略図である。 図2は、実施形態1に係る車両構造の要部を斜め前方から見た概略断面図である。 図3は、実施形態1に係る車両構造の要部を斜め後方から見た概略断面図である。 図4は、実施形態1に係る車両構造の要部を後方から見た概略断面図である。 図5は、実施形態1に係る車両構造のサイドメンバを上方から見た概略断面図である。 図6は、実施形態1に係る車両構造のサイドメンバを側方から見た概略断面図である。 図7は、実施形態1に係る車両構造のサイドメンバにおける内部補強部材を示す概略斜視図である。 図8は、実施形態1に係る車両構造について、フルラップ衝突時の挙動を示す説明図である。 図9は、実施形態1に係る車両構造について、オフセット衝突時の挙動を示す説明図である。 図10は、実施形態2に係る車両構造の要部を斜め後方から見た概略断面図である。 図11は、実施形態2に係る車両構造の要部を側方から見た概略断面図である。
本発明の実施形態に係る車両構造の具体例を、図面を参照して説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、図中、「FR」は車両の前方、「RR」は車両の後方、「LH」は車両の左方、「RH」は車両の右方、「UP」は車両の上方、「LWR」は車両の下方を示す。以下、単に、前方、後方などと呼ぶ。前後方向は車長方向に相当する。左右方向は車幅方向に相当する。上下方向は車高方向に相当する。車幅方向の中心側を内側、その逆側を外側とする。
図2、図3、図6、図8、図9、図10及び図11は、車両の前部の右側であって、サイドメンバ1におけるダッシュパネル3の取付位置を含む部分を、サイドメンバ1の車幅方向の略中心を通る鉛直面で前後方向に沿って切断した断面を示す。図4は、サイドメンバ1におけるダッシュパネル3の取付位置において、前後方向に直交する平面で切断した断面を示す。図5は、右側のサイドメンバ1におけるダッシュパネル3の取付位置を含む部分を、サイドメンバ1の上下方向の略中心を通る水平面で前後方向に沿って切断した断面を示す。なお、各図において、構成の一部を適宜省略したり、簡略化したりしている。本実施形態において、車両の右側が運転席側である。
[実施形態1]
<全体構成>
図1〜図4を参照して、実施形態1の車両構造100の概要を説明する。車両構造100は、車両の前部において、左右両側に配置されるサイドメンバ1と、サイドメンバ1の上側に配置されるダッシュパネル3と、サイドメンバ1の下側に配置されるサスペンションメンバ4とを備える。車両構造100の特徴の1つは、図2〜図4に示すように、ダッシュパネル3の下端部30とサスペンションメンバ4の上端部40とが互いにサイドメンバ1を挟む上下方向の対向位置に設けられている点にある。以下、図5〜図7も適宜参照しつつ、車両構造100の構成について詳しく説明する。図1では、ボディ110の外観を二点鎖線で示す。図2〜図6では、車両構造100の右側のみを図示し、左側については図示を省略する。以下の説明では、サイドメンバをサイメン、サスペンションメンバをサスメンと呼ぶ場合がある。
(サイドメンバ)
サイメン1は、図1に示すように、車両の左右両側に前後方向に延びるように設けられる車両の構造材である。サイメン1は、図4に示すように、前後方向に直交する断面が閉断面をなす筒体で構成されている。本例のサイメン1の形状は、上記断面が略四角形の角筒状である。サイメン1は、例えば、鋼やアルミニウム合金などの金属で形成されている。本例の場合、サイメン1は、上方が開口する断面逆ハット状の第1部材と、第1部材の上記開口を塞ぐ平板状の第2部材とを上下に重ね合わせて溶接することにより構成されている。溶接には、例えば、焼抜き栓溶接(SPW)、アーク溶接、スポット溶接などが挙げられる。
図4、図6に示すように、サイメン1の上面13には、後述するダッシュパネル3の下端部30が取り付けられる。サイメン1の下面14には、後述するサスメン4の上端部40が取り付けられる。また、本例では、図2、図3に示すように、サイメン1内に後述する下部補強部材15、内部補強部材20が配置されている。
本例の車両構造100は、図1に示すように、フロントクロスメンバ71、クロスメンバ72、フロアパネル8を備える。
(フロントクロスメンバ)
フロントクロスメンバ71は、サイメン1の前端部に配置される。フロントクロスメンバ71は、左右方向に延びてサイメン1間に架け渡されるように取り付けられている。本例では、フロントクロスメンバ71が左右のサイメン1の前端面に上記溶接やボルト締結などにより固定されている。
(クロスメンバ)
クロスメンバ72は、後述するサスメン4の後方であって、サイメン1の前後方向の途中に配置される。クロスメンバ72は、左右方向に延びてサイメン1間に架け渡されるように取り付けられている。本例では、クロスメンバ72が左右のサイメン1の下面14に上記溶接やボルト締結などにより固定されている。
(フロアパネル)
フロアパネル8は、車室の下面を構成する。フロアパネル8は、図3に示すように、サイメン1の上側であって、左右のサイメン1間に配置され、後述するダッシュパネル3の下端部30から後方に延びる(図1も参照)。上述したフロントクロスメンバ71、クロスメンバ72及びフロアパネル8は、上記金属で形成されている。
(ダッシュパネル)
ダッシュパネル3は、車室の前面を構成する。ダッシュパネル3は、図4に示すように、左右方向に延びて、左右両側の下端部30がサイメン1の上側に取り付けられる。ダッシュパネル3は、図2、図3に示すように、フロアパネル8の前端部に連結され、フロアパネル8から上方に立ち上がるように設けられている(図6も参照)。本例では、ダッシュパネル3の下端部30が後方に折り曲げられ、この折り曲げられた部分とフロアパネル8の前端部とが互いに重なるように接合されている。ダッシュパネル3の下端部30は左右のサイメン1の上面13に上記溶接により固定されている。ダッシュパネル3の上端部は、カウルパネル75(図3、図4)の下面に接合されている。カウルパネル75は、ダッシュパネル3の上端部に沿って配置され、車両の左右両側に設けられるフロントピラーに連結される。フロントピラーの図示は省略している。カウルパネル75の上方には、図示しないウインドシールドが配置される。
〈縦補強部材〉
本例のダッシュパネル3は、図3、図4に示すように、サイメン1の上方に位置する部分に上下方向に延びる縦補強部材31を有する。縦補強部材31は、ダッシュパネル3の左右両側の少なくとも一方に設けられる。本例では、縦補強部材31がダッシュパネル3の右側、即ち運転席側にのみ設けられているが、縦補強部材31はダッシュパネル3の左右両側に設けられていてもよい。また、縦補強部材31は、ダッシュパネル3における車室内側の後面に配置されていてもよいし、車室外側の前面に配置されていてもよい。本例では、縦補強部材31がダッシュパネル3の後面に上記溶接により固定されている。ダッシュパネル3及び縦補強部材31は、上記金属で形成されている。
縦補強部材31は、ダッシュパネル3の下端部近傍から上端部近傍にかけて配置されている。本例では、図3に示すように、縦補強部材31の下端部がダッシュパネル3の下端部30まで達しておらず、ダッシュパネル3の下端部よりも若干上方に位置する(図6も参照)。つまり、縦補強部材31の下端部はフロアパネル8の前端部に接続されていない。これは、ダッシュパネル3の下端部に他の箇所に比べて屈曲し易い脆弱部を設けるためである。本例の場合、ダッシュパネル3の下端部以外の箇所が縦補強部材31によって補強されていることで、ダッシュパネル3の下端部が脆弱部になっている。そのため、前面衝突時における車両前部の変形に伴い、ダッシュパネル3の下端部が折れ曲がることで、縦補強部材31の下端部を支点にダッシュパネル3を車室内側に回動させることができる。縦補強部材31の上端部は、ダッシュパネル3の上端部まで達しており、カウルパネル75の下面まで延びている。縦補強部材31の上端部とカウルパネル75の下面とは、ダッシュパネル3の上端部を介して接合されている。本例の縦補強部材31は、ダッシュパネル3の上下方向に直交する断面が略ハット形状の帯材である。縦補強部材31の両側縁部がダッシュパネル3の後面に接している。
ダッシュパネル3の下端部に上記の脆弱部を設ける具体的な構成としては、本例のように縦補強部材31の下端部がダッシュパネル3の下端部30まで達していない構成とする他、次の構成が挙げられる。一例としては、縦補強部材31の下端部の厚みを他の箇所よりも薄くする。別の一例としては、縦補強部材31の下端部の形状を平板状とし、下端部以外の箇所の形状を断面ハット形状とする。更に、別の一例としては、縦補強部材31の下端部に孔や溝を設ける。いずれの構成でも、縦補強部材31の下端部の剛性が他の箇所に比べて低くなるため、縦補強部材31の下端部が相対的に脆弱部となる。上記の構成のうち少なくとも一つを備えることで、縦補強部材31の下端部がダッシュパネル3の下端部30まで達する場合であっても、ダッシュパネル3の下端部に脆弱部を設けることができる。
(サスペンションメンバ)
サスメン4は、図1、図4に示すように、左右方向に延びてサイメン1間に架け渡されるように、サイメン1の下側に取り付けられる。サスメン4は、サイメン1の下面14に取り付けられる上端部40(図4)を有する。上端部40は、サスメン4の左右の両端部から上方に突出するように設けられている。サスメン4の上端部40は左右のサイメン1の下面14にボルトなどの締結部材により固定されている。具体的には、図6に示すように、サイメン1の下面14にボルト45が挿通されるボルト挿通孔が形成されており、上端部40には、ボルト挿通孔に連通する貫通孔が形成されている。サイメン1の下面14には、ボルト挿通孔に対応する位置の上側にナット46が取り付けられている(図5も参照)。上端部40の貫通孔には、円筒状のカラー47が挿入されている。ナット46は、後述する下部補強部材15の底面部15a上に溶接により固定されている。この底面部15aには、サイメン1の下面14に設けられたボルト挿通孔と同じ位置にボルト挿通孔が形成されている。カラー47は、上端部40の下面に溶接により固定されている。そして、ボルト45が上端部40の下側からカラー47に挿通されてナット46に締結されている。サスメン4は、上記金属で形成されている。
(ロアアーム)
サスメン4の両端部には、図1に示すように、図示しない前輪を懸架するロアアーム5が取り付けられている。ロアアーム5は、サスメン4の端部から外側に張り出すように設けられる。本例のロアアーム5は、左右方向に略沿って延びる前アーム部51と、前アーム部51から後方斜め内側に向かって延びる後アーム部52とを有する。
前アーム部51の内側の端部はブッシュ53を介してサスメン4の端部に連結されている。後アーム部52の後側の端部はブッシュ54を介してクロスメンバ72の端部に連結されている。前アーム部51及び後アーム部52は、ブッシュ53及びブッシュ54により揺動可能に支持されている。前アーム部51の外側の端部には、前輪を支持するナックル6が取り付けられている。
ナックル6は、前輪が装着されるハブ61が取り付けられる。また、ナックル6は、前方に延びるアーム部62を有する。アーム部62の前端部には、ステアリングギアボックス90(図4)から延びるタイロッド91が連結されている。本例では、ステアリングギアボックス90がサスメン4に取り付けられている。
(ダッシュパネルの下端部とサスペンションメンバの上端部との位置関係)
ダッシュパネル3の下端部30とサスメン4の上端部40とは、図2、図3に示すように、サイメン1の上下両側の対向する位置に取り付けられている(図6も参照)。換言すれば、ダッシュパネル3の下端部30とサスメン4の上端部40とが、サイメン1に対して、上下方向から見て前後方向に重なる位置に配置されている。そのため、サイメン1において、ダッシュパネル3の取付位置とサスメン4の取付位置とが前後方向に重なるように設けられている。ダッシュパネル3の取付位置とは、サイメン1の上面13における下端部30との接合面である。サスメン4の取付位置とは、サイメン1における上端部40が接続される位置であって、サイメン1の下面14(図6)のうち、上端部40が接する部分をいう。
(下部補強部材)
下部補強部材15は、図2、図3に示すように、サイメン1におけるダッシュパネル3の取付位置のうち、下側部分にのみ設けられる(図5、図6も参照)。下部補強部材15は、サイメン1の下側を補強して、サイメン1のダッシュパネル3及びサスメン4の取付位置において上側と下側とで剛性差を付与する。本例の場合、サイメン1の下側を上側よりも高剛性とする。下部補強部材15の形状は、上方が開口する樋状である。下部補強部材15は、図5、図6に示すように、底面部15aと、底面部15aの左右両端部から上方に立ち上がる側面部15bとを有し、底面部15aがサイメン1の内部の下面に、側面部15bがサイメン1の内部の左右側面に接するように取り付けられている。底面部15aの幅、即ち左右方向の長さは、サイメン1の内部の下面の幅と略同じである。側面部15bの高さ、即ち上下方向の長さは、サイメン1の左右側面の高さの半分以下である。下部補強部材15は、サイメン1の内部の下面に沿って配置され、上記溶接により固定されている。下部補強部材15は、上記金属で形成されている。下部補強部材15は、左右のサイメン1の双方に設けられていてもよいし、運転席側、即ち右側のサイメン1にのみ設けられていてもよい。本例では、下部補強部材15は、サスメン4の上端部40よりも前後方向に長く形成されており、ダッシュパネル3の取付位置から前方及び後方に延びている。
(内部補強部材)
内部補強部材20は、図2、図3に示すように、サイメン1におけるダッシュパネル3の取付位置に設けられる(図5、図6も参照)。内部補強部材20は、サイメン1がダッシュパネル3の取付位置で屈曲する際、サイメン1が上下方向に押し潰されるように変形することを抑制する。内部補強部材20の形状は、側面視で、下方が開口する逆ハット状である。内部補強部材20は、図6、図7に示すように、サイメン1の内部の上面に接する上壁部21と、上壁部21の前後両端部からサイメン1の内部の下面に向かって延びる前壁部22及び後壁部23とを有する。上壁部21の幅、即ち左右方向の長さは、サイメン1の内部の上面の幅と略同じである。前壁部22及び後壁部23の形状は、サイメン1の内部の断面形状と略同じである。前壁部22及び後壁部23には、下端部から前後方向に突出する下フランジ部22a、23aと、左右両端部から前後方向に突出する横フランジ部22b、23bとが設けられている。下フランジ部22a、23aがサイメン1の内部の下面に上記溶接により固定されると共に、横フランジ部22b、23bがサイメン1の内部の左右側面に上記溶接により固定されている。内部補強部材20は、左右のサイメン1の双方に設けられていてもよいし、運転席側、即ち右側のサイメン1にのみ設けられていてもよい。
(前面衝突時の挙動)
次に、図8、図9を参照して、実施形態1の車両構造100について、前面衝突時の挙動を説明する。図8、図9では、衝突前の状態を二点鎖線で仮想的に示し、衝突後の状態を実線で示す。
図8に示すように、フルラップ衝突時は、前方からの荷重によってフロントクロスメンバ71が後退することで、サイメン1が前後方向に押し潰されて、座屈するように変形する。
ダッシュパネル3の下端部30とサスメン4の上端部40とがサイメン1の上下両側の対向する位置に取り付けられており、サイメン1において、ダッシュパネル3の取付位置の下側にサスメン4の上端部40が固定されていることから、ダッシュパネル3の取付位置近傍の剛性が高い。そのため、フルラップ衝突時、ダッシュパネル3の取付位置よりもサイメン1の前方側が変形することになり、サイメン1の変形がダッシュパネル3の取付位置よりも後方側まで及び難い。つまり、フルラップ衝突時におけるサイメン1の変形をダッシュパネル3の手前までで終了させることができる。内部補強部材20は下方が開口しているため、サイメン1の上記座屈による変形を阻害することも少ない。
一方、オフセット衝突時は、図9に示すように、サイメン1が前後方向に押し潰されて座屈しつつ、ダッシュパネル3の取付位置近傍で折れ曲がるように変形する。
フルラップ衝突時とオフセット衝突時とでサイメン1の変形の仕方が異なる理由は次のとおりである。上述したように、サイメン1において、ダッシュパネル3の取付位置の下側にサスメン4の上端部40が固定されていることから、サイメン1における前方からの荷重に対する剛性が、ダッシュパネル3の取付位置近傍において下側の方が上側よりも高い。ダッシュパネル3よりもサスメン4の方が高剛性だからである。そのため、オフセット衝突時、より大荷重が入力された場合は、サイメン1がダッシュパネル3の取付位置を起点として、ダッシュパネル3の取付位置よりもサイメン1の前方側が上方に持ち上がるように屈曲することになる。つまり、オフセット衝突時では、サイメン1が座屈するだけでなく、ダッシュパネル3の取付位置近傍で折れ曲がるように変形する。なお、オフセット衝突時でも、サイメン1の変形がダッシュパネル3の取付位置よりも後方側まで及ぶことを抑制でき、サイメン1の変形をダッシュパネル3の手前までで終了できる点は、上述したフルラップ衝突時の場合と同じである。
本例では、サイメン1内に下部補強部材15が設けられていることから、ダッシュパネル3の取付位置においてサイメン1の下側が補強される。そのため、サイメン1の上側の剛性が相対的に低く、オフセット衝突時にサイメン1の上側が屈曲の内側となる。よって、オフセット衝突時にサイメン1の上記屈曲による変形が生じ易くなる。
更に、本例では、サイメン1内に内部補強部材20が設けられていることで、オフセット衝突時にダッシュパネル3が下方向に動くことによってサイメン1が上下方向に押し潰されることを抑制できる。サイメン1に対してダッシュパネル3から下方向に荷重が入力されても、内部補強部材20が突っ張ることでサイメン1の上面を支えるからである。また、内部補強部材20は下方が開口しているため、フルラップ衝突時におけるサイメン1の上記座屈による変形を阻害し難い。
本例では、ダッシュパネル3に縦補強部材31が設けられていることで、前面衝突時にダッシュパネル3が車室内側に大きく変形することを抑制できる。更に、上述したように、ダッシュパネル3の下端部に屈曲し易い脆弱部が設けられている。そのため、例えばオフセット衝突時、縦補強部材31によってダッシュパネル3が形状をほぼ保ったまま、縦補強部材31の下端部を支点としてダッシュパネル3が車室内側に回動する。ダッシュパネル3が縦補強部材31の下端部を支点に回動することで、ダッシュパネル3が車室内側に大きく変形することを回避できる。仮に縦補強部材31がなければ、車両前部の変形によって、ダッシュパネルの上下方向の中央部分が車室内側に大きく突出するように変形することがある。
<作用効果>
上述した実施形態1の車両構造100は、次の作用効果を奏する。
(主要な効果)
サイメン1において、ダッシュパネル3の取付位置の下側にサスメン4の上端部40が固定されることにより、ダッシュパネル3の取付位置近傍における剛性がサスメン4によって高められる。そのため、前面衝突時、前方からの荷重によるサイメン1の変形をダッシュパネル3の手前までで終了させることができ、前面衝突時の荷重をダッシュパネル3の前方で吸収することが可能である。よって、車両前部の変形が車室まで及び難く、車室前側の変形を抑制し易い。
サイメン1における前方からの荷重に対する剛性が、ダッシュパネル3の取付位置近傍において下側の方が上側よりも高いことにより、前面衝突時におけるサイメン1の変形をコントロールできる。例えば、フルラップ衝突時では、前方からの荷重によってサイメン1が前後方向に押し潰されて座屈するように変形する。一方、オフセット衝突時では、前方から大荷重が入力されることによって、サイメン1がダッシュパネル3の取付位置を起点として、サイメン1の前方側が上方に持ち上がるように屈曲する。サイメン1が座屈するだけでなく、ダッシュパネル3の取付位置近傍で折れ曲がるように変形することにより、大荷重であっても効果的に吸収できる。
車両構造100は、ダッシュパネル3の下端部30とサスメン4の上端部40とを互いにサイメン1を挟む上下の対向位置に設けるという簡易な構成で実現可能である。そのため、サイメン1の板厚を上げるなどの対策を不要にでき、サイメン1のコスト、重量の増加や生産性の悪化を招き難い。
(その他の効果)
サイメン1内に下部補強部材15が設けられていることで、ダッシュパネル3の取付位置近傍においてサイメン1の下側の剛性をより高めることができる。そのため、サイメン1の上記屈曲による変形をコントロールして、前面衝突時の荷重をより効果的に吸収できる。
サイメン1内に内部補強部材20が設けられていることで、前面衝突時にサイメン1がダッシュパネル3の取付位置で屈曲する際、サイメン1が上下方向に押し潰されることを抑制できる。内部補強部材20は下方が開口しているため、サイメン1の座屈による変形を阻害し難い。また、内部補強部材20によってサイメン1における左右方向の剛性が向上することから、走行時の騒音・振動性能(NV性能)を高める効果も期待できる。
ダッシュパネル3に縦補強部材31が設けられていることで、前面衝突時のダッシュパネル3の変形を抑制できる。更に、ダッシュパネル3の下端部に屈曲し易い脆弱部が設けられている。そのため、前面衝突時、縦補強部材31によってダッシュパネル3の形状をほぼ維持したまま、縦補強部材31の下端部を支点にダッシュパネル3が車室内側に回動することができる。前面衝突時における車両前部の変形に伴い、ダッシュパネル3が縦補強部材31の下端部を支点に車室内側に回動することで、ダッシュパネル3の上下方向の中央部分が車室内側に大きく突出するように変形することを抑制できる。よって、前面衝突時にダッシュパネル3が乗員の下肢に衝突することを効果的に抑制できる。
[実施形態2]
実施形態2に係る車両構造100を図10、図11に基づいて説明する。実施形態2の車両構造100は、フロア補強部材81を有する点で、実施形態1と異なる。以下では、実施形態1との相違点を中心に説明し、実施形態1と共通する事項についてはその説明を省略する。図10、図11では、図3、図6と同様に、車両構造100の右側のみを図示し、左側については図示を省略する。
〈フロア補強部材〉
本実施形態では、フロアパネル8は、図10、図11に示すように、サイメン1の上方に位置する部分に前後方向に延びるフロア補強部材81を有する。つまり、サイメン1,フロアパネル8及びフロア補強部材81は上下方向に重なるように設けられている。フロア補強部材81は、フロアパネル8の上面に前後方向に沿って設けられている。フロア補強部材81は、フロアパネル8の左右両側の少なくとも一方に設けられていればよい。本例では、フロア補強部材81がフロアパネル8の左右両側に設けられている。フロア補強部材81はフロアパネル8の上面に上記溶接により固定されている。フロア補強部材81は、上記金属で形成されている。
フロア補強部材81は、図11に示すように、フロアパネル8の前端部から後方に延びるように配置されている。フロア補強部材81の前端部と縦補強部材31の下端部とは接続されていない。本例のフロア補強部材81は、フロアパネル8の前後方向に直交する断面が略ハット形状の帯材である。フロア補強部材81の両側縁部がフロアパネル8の上面に接している。
<作用効果>
上述した実施形態2の車両構造100では、実施形態1の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
フロアパネル8の上面にフロア補強部材81が設けられていることで、フロアパネル8の上側を補強できる。これにより、前面衝突時におけるサイメン1の座屈をよりコントロールし易い。ここで、フロア補強部材81の前端部と縦補強部材31の下端部とが接続されていると、サイメン1におけるダッシュパネル3の取付位置近傍の剛性が高くなり過ぎる。ダッシュパネル3の取付位置近傍の剛性が高くなり過ぎると、前面衝突時、ダッシュパネル3の取付位置よりもサイメン1の前方側が跳ね上がってしまい、サイメン1の座屈をうまくコントロールできないことがある。本実施形態では、フロア補強部材81の前端部と縦補強部材31の下端部とが接続されていないので、サイメン1におけるダッシュパネル3の取付位置近傍の剛性が高くなり過ぎることがない。そのため、前面衝突時におけるサイメン1の座屈をコントロールできる。
本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 車両構造
110 ボディ
1 サイドメンバ(サイメン)
13 上面
14 下面
15 下部補強部材
15a 底面部
15b 側面部
20 内部補強部材
21 上壁部
22 前壁部
23 後壁部
22a、23a 下フランジ部
22b、23b 横フランジ部
3 ダッシュパネル
30 下端部
31 縦補強部材
4 サスペンションメンバ(サスメン)
40 上端部
45 ボルト 46 ナット 47 カラー
5 ロアアーム
51 前アーム部
52 後アーム部
53、54 ブッシュ
6 ナックル
61 ハブ
62 アーム部
71 フロントクロスメンバ
72 クロスメンバ
75 カウルパネル
8 フロアパネル
81 フロア補強部材
90 ステアリングギアボックス
91 タイロッド

Claims (2)

  1. 車両の左右両側に配置され、車両前後方向に延びるサイドメンバと、
    前記サイドメンバの上側に配置されるダッシュパネルと、
    前記サイドメンバの下側に配置されるサスペンションメンバと、を備え、
    前記サスペンションメンバは、前記サイドメンバの下面に取り付けられる上端部を有し、
    前記ダッシュパネルの左右両側の下端部と前記サスペンションメンバの前記上端部とは、互いに前記サイドメンバを挟む車両上下方向の対向位置に設けられている車両構造。
  2. 前記ダッシュパネルの左右両側のうち少なくとも一方に、車両上下方向に延びる縦補強部材を有する請求項1に記載の車両構造。
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