JP5852010B2 - 抗Bv8抗体およびその使用 - Google Patents
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Description
本出願は、米国特許法規則1.53(b)(1)に基づき出願した非仮出願であり、米国特許法119(e)に基づき、2009年12月23日に出願の仮出願番号61/284743および2010年11月16日に出願の仮出願番号61/414052の優先権を主張するものであり、これら出願は出典明記によりここにその内容が援用される。
(技術分野)
本発明は、概して分子生物学の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、抗Bv8抗体およびその使用に関する。
(i) KASQSX1X2YX3X4X5SYMNを含むHVR−L1、このときX1はL又はVであり、X2はDまたはIであり、X3はD、F、G、S、W又はYであり、X4はA、G、H又はVであり、X5はD、E又はYである、
(ii) AASX1X2EX3を含むHVR−L2、このときX1はN又はYであり、X2はL又はRであり、X3はS又はTである、
(iii) QQINEDPFTを含むHVR−L3、
(iv) GYX1X2X3X4YDMHを含むHVR−H1、このときX1はS又はTであり、X2はF又はLであり、X3はF、M、P、T又はVであり、X4はD、E、H、I又はNである、
(v) YIX1X2YX3GX4T X5YNQKFKGを含むHVR−H2、このときX1はH、S又はTであり、X2はC、S又はTであり、X3はA、L、N、S又はTであり、X4はA、E又はSであり、X5はI、L、S又はTである、および、
(vi) DX1NYGEAYAMDYを含むHVR−H3、このときX1はG又はSである。
(i) KASQSX1X2YX3X4X5SYMNを含むHVR−L1、このときX1はL又はVであり、X2はDまたはIであり、X3はD、F、G、S、W又はYであり、X4はA、G、H又はVであり、X5はD、E又はYである、
(ii) AASX1X2EX3を含むHVR−L2、このときX1はN又はYであり、X2はL又はRであり、X3はS又はTである、および、
(iii) QQINEDPFTを含むHVR−L3、と、
ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列、配列番号240とを含む。
ある実施態様では、抗Bv8抗体は以下の3つのHVR配列:
(i) GYX1X2X3X4YDMHを含むHVR−H1、このときX1はS又はTであり、X2はF又はLであり、X3はF、M、P、T又はVであり、X4はD、E、H、I又はNである、
(ii) YIX1X2YX3GX4T X5YNQKFKGを含むHVR−H2、このときX1はH、S又はTであり、X2はC、S又はTであり、X3はA、L、N、S又はTであり、X4はA、E又はSであり、X5はI、L、S又はTである、および、
(iii) DX1NYGEAYAMDYを含むHVR−H3、このときX1はG又はSである、と、
ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列、配列番号241とを含む。
(i) KASQSX1X2YX3X4X5SYMNを含むHVR−L1、このときX1はL又はVであり、X2はDまたはIであり、X3はD、F、G、S、W又はYであり、X4はA、G、H又はVであり、X5はD、E又はYである、
(ii) AASX1X2EX3を含むHVR−L2、このときX1はN又はYであり、X2はL又はRであり、X3はS又はTである、
(iii) QQINEDPFTを含むHVR−L3、
(iv) GYX1X2X3X4YDMHを含むHVR−H1、このときX1はS又はTであり、X2はF又はLであり、X3はF、M、P、T又はVであり、X4はD、E、H、I又はNである、
(v) YIX1X2YX3GX4T X5YNQKFKGを含むHVR−H2、このときX1はH、S又はTであり、X2はC、S又はTであり、X3はA、L、N、S又はTであり、X4はA、E又はSであり、X5はI、L、S又はTである、および、
(vi) DX1NYGEAYAMDYを含むHVR−H3、このときX1はG又はSである。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、このときHVR−L1が配列番号:49、55、61、67、73、79、85、91、97、103、109、115、121、127、133、139、145および151からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、HVR−L2が配列番号:50、56、62、68、74、80、86、92、98、104、110、116、122、128、134、140、146および152からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、HVR−L3が配列番号:51、57、63、69、75、81、87、93、99、105、111、117、123、129、135、141、147および153からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、HVR−H1が配列番号:52、58、64、70、76、82、88、94、100、106、112、118、124、130、136、142、148および154からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、HVR−H2が配列番号:53、59、65、71、77、83、89、95、101、107、113、119、125、131、137、143、149および155からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、そして、HVR−H3が配列番号:54、60、66、72、78、84、90、96、102、108、114、120、126、132、138、144、150および156からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体が提供される。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列とヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列とを含む。ある実施態様では、ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列から3つの軽鎖HVR配列を除いたものは配列番号:240である。ある実施態様では、ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列から3つの重鎖HVR配列を除いたものは配列番号:241である。
(i) KASQSX1X2YX3X4X5SYMNを含むHVR−L1、このときX1はL又はVであり、X2はDまたはIであり、X3はF、G、S、W又はYであり、X4はA、G、H又はVであり、X5はD、E又はYである、
(ii) AASX1X2EX3を含むHVR−L2、このときX1はN又はYであり、X2はL又はRであり、X3はS又はTである、
(iii) QQINEDPFTを含むHVR−L3、
(iv) GYX1X2X3X4YDMHを含むHVR−H1、このときX1はS又はTであり、X2はF又はLであり、X3はF、M、P、T又はVであり、X4はD、E、H、I又はNである、
(v) YIX1X2YX3GX4T X5YNQKFKGを含むHVR−H2、このときX1はH、S又はTであり、X2はS又はTであり、X3はA、L、N、S又はTであり、X4はA、E又はSであり、X5はI、L、S又はTである、および、
(vi) DSNYGEAYAMDYを含むHVR−H3。
(i) KASQSX1X2YX3X4X5SYMNを含むHVR−L1、このときX1はL又はVであり、X2はDまたはIであり、X3はF、G、S、W又はYであり、X4はA、G、H又はVであり、X5はD、E又はYである、
(ii) AASX1X2EX3を含むHVR−L2、このときX1はN又はYであり、X2はL又はRであり、X3はS又はTである、
(iii) QQINEDPFTを含むHVR−L3、と、
ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列、配列番号240とを含む。
ある実施態様では、抗Bv8抗体は以下の3つのHVR配列:
(i) GYX1X2X3X4YDMHを含むHVR−H1、このときX1はS又はTであり、X2はF又はLであり、X3はF、M、P、T又はVであり、X4はD、E、H、I又はNである、
(ii) YIX1X2YX3GX4T X5YNQKFKGを含むHVR−H2、このときX1はH、S又はTであり、X2はS又はTであり、X3はA、L、N、S又はTであり、X4はA、E又はSであり、X5はI、L、S又はTである、および、
(iii) DSNYGEAYAMDYを含むHVR−H3、と、
ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列、配列番号241とを含む。
(i) KASQSX1X2YX3X4X5SYMNを含むHVR−L1、このときX1はL又はVであり、X2はDまたはIであり、X3はF、G、S、W又はYであり、X4はA、G、H又はVであり、X5はD、E又はYである、
(ii) AASX1X2EX3を含むHVR−L2、このときX1はN又はYであり、X2はL又はRであり、X3はS又はTである、
(iii) QQINEDPFTを含むHVR−L3、
(iv) GYX1X2X3X4YDMHを含むHVR−H1、このときX1はS又はTであり、X2はF又はLであり、X3はF、M、P、T又はVであり、X4はD、E、H、I又はNである、
(v) YIX1X2YX3GX4T X5YNQKFKGを含むHVR−H2、このときX1はH、S又はTであり、X2はS又はTであり、X3はA、L、N、S又はTであり、X4はA、E又はSであり、X5はI、L、S又はTである、および、
(vi) DSNYGEAYAMDYを含むHVR−H3。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列とヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列とを含む。ある実施態様では、ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列から3つの軽鎖HVR配列を除いたものは配列番号:240である。ある実施態様では、ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列から3つの重鎖HVR配列を除いたものは配列番号:241である。
(1)配列番号:61のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
(2)配列番号:62のアミノ酸配列を含むHVR−H2、
(3)配列番号:63のアミノ酸配列を含むHVR−H3、
(4)配列番号:64のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
(5)配列番号:65のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
(6)配列番号:66のアミノ酸配列を含むHVR−L3。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下を含む抗体が提供される。
(1)配列番号:85のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
(2)配列番号:86のアミノ酸配列を含むHVR−H2、
(3)配列番号:87のアミノ酸配列を含むHVR−H3、
(4)配列番号:88のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
(5)配列番号:89のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
(6)配列番号:90のアミノ酸配列を含むHVR−L3。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下を含む抗体が提供される。
(1)配列番号:91のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
(2)配列番号:92のアミノ酸配列を含むHVR−H2、
(3)配列番号:93のアミノ酸配列を含むHVR−H3、
(4)配列番号:94のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
(5)配列番号:95のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
(6)配列番号:96のアミノ酸配列を含むHVR−L3。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下を含む抗体が提供される。
(1)配列番号:121のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
(2)配列番号:122のアミノ酸配列を含むHVR−H2、
(3)配列番号:123のアミノ酸配列を含むHVR−H3、
(4)配列番号:124のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
(5)配列番号:125のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
(6)配列番号:126のアミノ酸配列を含むHVR−L3。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:7を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号:8を含む重鎖可変ドメインとを含んでなる抗体が提供される。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:9を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号:10を含む重鎖可変ドメインとを含んでなる抗体が提供される。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:11を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号:12を含む重鎖可変ドメインとを含んでなる抗体が提供される。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:13を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号:14を含む重鎖可変ドメインとを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:3、5、7、9、11、13および15からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:3、5、7、9、11、13および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:9のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:4、6、8、10、12、14および16からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:4、6、8、10、12、14および16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:8のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:10のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:12のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含んでなる抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、およそ0.02nM未満のKd値でヒトBv8に結合する抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、およそ0.01nM以下のKd値でヒトBv8に結合する抗体が提供される。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、キメラ2G9抗Bv8抗体よりも少なくとも2倍の強さでヒトBv8に結合する抗体が提供される。ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、キメラ2G9抗Bv8抗体よりも少なくとも5倍の強さでヒトBv8に結合する抗体が提供される。
ある実施態様では、Kd値は表面プラスモン共鳴アッセイを用いて測定される。ある実施態様では、Kd値は完全長抗Bv8抗体を用いて測定される。ある実施態様では、Kd値は抗Bv8抗体のFabバージョンを用いて測定される。
(i) SASS X1VFYMHを含むHVR−L1、このときX1はP又はSである、
(ii) DTSX1LASを含むHVR−L2、このときX1はK又はNである、
(iii) QQWS X1X2PX3Tを含むHVR−L3、このときX1はF、S、WまたはYであり、X2はDまたはEであり、X3はI、LまたはMである、
(iv) GFX1X2STX3GMGVSを含むHVR−H1、このときX1はL又はYであり、X2はI又はLであり、X3はP又はSである、
(v) HIYWDDDTRYNPSLKSを含むHVR−H2、と、
(vi) RDHGYYWFX1Yを含むHVR−H3、このときX1はD又はTである。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下の6つのHVR配列を含んでなる可変ドメインを含む抗体が提供される:
(i) SASS X1VFYMHを含むHVR−L1、このときX1はP又はSである、
(ii) DTSX1LASを含むHVR−L2、このときX1はK又はNである、
(iii) QQWS X1X2PX3Tを含むHVR−L3、このときX1はF、S、WまたはYであり、X2はDまたはEであり、X3はI、LまたはMである、
(iv) GFX1X2STX3GMGVSを含むHVR−H1、このときX1はL又はYであり、X2はI又はLであり、X3はP又はSである、
(v) HIYWDDDTRYNPSLKSを含むHVR−H2、および、
(vi) RDHGYYWFX1Yを含むHVR−H3、このときX1はD又はTである。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列とヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列とを含む。
(i) SASS X1VFYMHを含むHVR−L1、このときX1はP又はSである、
(ii) DTSX1LASを含むHVR−L2、このときX1はK又はNである、
(iii) QQWS X1X2PX3Tを含むHVR−L3、このときX1はF、S、WまたはYであり、X2はDまたはEであり、X3はI、LまたはMである、
(iv) GFX1X2STX3GMGVSを含むHVR−H1、このときX1はL又はYであり、X2はI又はLであり、X3はP又はSである、
(v) HIYWDDDTRYNPSLKSを含むHVR−H2、および、
(vi) RDHGYYWFDYを含むHVR−H3。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下の6つのHVR配列を含んでなる抗体が提供される:
(i) SASS X1VFYMHを含むHVR−L1、このときX1はP又はSである、
(ii) DTSX1LASを含むHVR−L2、このときX1はK又はNである、
(iii) QQWS X1X2PX3Tを含むHVR−L3、このときX1はF、S、WまたはYであり、X2はDまたはEであり、X3はI、LまたはMである、
(iv) GFX1X2STX3GMGVSを含むHVR−H1、このときX1はL又はYであり、X2はI又はLであり、X3はP又はSである、
(v) HIYWDDDTRYNPSLKSを含むHVR−H2、および、
(vi) RDHGYYWFDYを含むHVR−H3。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列とヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列とを含む。
他の実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、配列番号:23を含む軽鎖可変ドメインと、配列番号:24を含む重鎖可変ドメインとを含んでなる抗体が提供される。
(i) EASQSVDYDDDSYMNを含むHVR−L1、
(ii) ATSNLASを含むHVR−L2、
(iii) QQSNEDPFTを含むHVR−L3、
(iv) GYTFTNSWMNを含むHVR−H1、
(v) RIDPSDSETHYNQKFKDを含むHVR−H2、および、
(vi) DSSYDGFYAMDYを含むHVR−H3。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下の6つのHVR配列を含んでなる抗体が提供される:
(i) EASQSVDYDDDSYMNを含むHVR−L1、
(ii) ATSNLASを含むHVR−L2、
(iii) QQSNEDPFTを含むHVR−L3、
(iv) GYTFTNSWMNを含むHVR−H1、
(v) RIDPSDSETHYNQKFKDを含むHVR−H2、および、
(vi) DSSYDGFYAMDYを含むHVR−H3。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列とヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列とを含む。
(i) KSSEYVSNALSを含むHVR−L1、
(ii) GTNKLEDを含むHVR−L2、
(iii) QQGYDIPTを含むHVR−L3、
(iv) GFTFSDYFMGを含むHVR−H1、
(v) GIDTKSYNYATYYSGSVKGを含むHVR−H2、および、
(vi) NYGNYGAFDSを含むHVR−H3。
ある実施態様では、Bv8ないしその断片に結合する抗体であって、以下の6つのHVR配列を含んでなる抗体が提供される:
(i) KSSEYVSNALSを含むHVR−L1、
(ii) GTNKLEDを含むHVR−L2、
(iii) QQGYDIPTを含むHVR−L3、
(iv) GFTFSDYFMGを含むHVR−H1、
(v) GIDTKSYNYATYYSGSVKGを含むHVR−H2、および、
(vi) NYGNYGAFDSを含むHVR−H3。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列を含む。ある実施態様では、抗Bv8抗体はさらに、ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク配列とヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列とを含む。
ある実施態様では、抗Bv8抗体はモノクローナル抗体である。ある実施態様では、抗Bv8抗体はヒト化抗体である。ある実施態様では、抗Bv8抗体はヒト抗体である。ある実施態様では、抗Bv8抗体のフレームワーク配列の少なくとも一部は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列である。一実施態様では、抗体は、Fab、Fab'-SH、Fv、scFv、または(Fab')2から選択される抗体断片である。
ある実施態様では、本発明はさらに、上記いずれかの抗Bv8抗体を含む組成物に関する。ある実施態様では、本発明は、上記いずれかの抗Bv8抗体を薬学的に許容可能な担体と混合して含む薬学的組成物に関する。
ある実施態様では、本発明は、本明細書中に記載のいずれかの抗Bv8抗体の有効量を薬学的に許容可能な担体と混合して含む、腫瘍転移を予防または治療するための薬学的組成物に関する。
ある実施態様では、生物学的な試料におけるBv8の存在の検出方法であって、抗体がBv8に結合できる条件下で生物学的な試料を本発明の抗Bv8抗体と接触させ、抗体とBv8との間で複合体が形成されるか否かを検出することを含む方法が提供される。
ある実施態様では、本明細書中に記載のいずれかの抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含む、血管形成と関連する病的状態を有する被検体の血管形成を低減または阻害する方法が提供される。ある実施態様では、病的状態は腫瘍性状態である。ある実施態様では、病的状態は非腫瘍性状態である。考慮される非腫瘍性状態の例示的および非例示的な列挙は、「定義」の項に示す。ある実施態様では、非腫瘍性状態は、糖尿病性および他の増殖性の網膜症、未熟児の網膜症、血管新生緑内障、加齢性黄斑変性、糖尿病性黄斑浮腫、角膜血管新生、角膜移植片血管新生、網膜/脈絡叢血管新生および関節リウマチからなる群から選択される。
ある実施態様では、本明細書中に記載のいずれかの抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含む、好中球移動を阻害するための方法が提供される。
ある実施態様では、本明細書中に記載のいずれかの抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含む、腫瘍転移を阻害するための方法が提供される。ある実施態様では、転移はリンパ系のものである。ある実施態様では、転移は遠位の臓器のものである。
ある実施態様では、本明細書中に記載のいずれかの抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含む、疼痛を治療、予防または低減するための方法が提供される。ある実施態様では、疼痛は急性または慢性の痛みである。ある実施態様では、疼痛は急性または慢性の炎症性疼痛である。ある実施態様では、本明細書中に記載のいずれかの抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含む、関節リウマチの治療方法が提供される。
ある実施態様では、本明細書中に記載の方法および上記方法はさらに、第二医薬の有効量を被検体に投与することを含み、このとき抗Bv8抗体は第一医薬である。ある実施態様では、第二医薬は、他の抗体、化学療法剤、細胞障害性剤、抗血管形成剤、免疫抑制剤、プロドラッグ、サイトカイン、サイトカインアンタゴニスト、細胞障害性放射線療法、副腎皮質ステロイド、制吐剤、癌ワクチン、鎮痛剤又は増殖阻害性剤である。ある実施態様では、第二医薬は抗血管形成剤である。ある実施態様では、第二医薬または抗血管形成剤は抗VEGF抗体である。ある実施態様では、抗VEGF抗体はベバシズマブである。ある実施態様では、第二医薬は、抗Bv8抗体の投与の前または後に投与される。ある実施態様では、第二医薬は、抗Bv8抗体と同時に投与される。ある実施態様では、前記方法はさらに、第三医薬の有効量を被検体に投与することを含み、このとき第三医薬は化学療法剤である。
考慮される化学療法剤の例示的および非例示的な列挙は、「定義」の項に示す。ある実施態様では、化学療法剤は、パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン、ゲムシタビンおよびペメトレキセドからなる群から選択される。
ある実施態様では、被検体はヒト患者である。ある実施態様では、被検体はヒト癌患者である。ある実施態様では、被検体は、転移するリスクにあるか、またはそう診断されたヒト癌患者である。ある実施態様では、被検体は、VEGFアンタゴニストに不応性であるかまたは再発性である。ある実施態様では、VEGFアンタゴニストは抗VEGF抗体である。ある実施態様では、抗VEGF抗体はベバシズマブである。
ある実施態様では、抗血管形成剤は、抗Bv8抗体の投与の前または後に投与される。ある実施態様では、抗血管形成剤は、抗Bv8抗体と同時に投与される。ある実施態様では、抗血管形成剤は抗VEGF剤である。ある実施態様では、抗VEGF剤は抗VEGF抗体である。ある実施態様では、抗VEGF抗体はベバシズマブである。
本明細書中に記載のいずれかの実施態様またはこれらのいずれかの組合せは、本明細書中に記載のいずれかおよびすべての本発明の抗Bv8抗体および方法に適用する。
本発明は、抗Bv8抗体に関する方法、組成物、キットおよび製造品を提供する。これら方法、組成物、キットおよび製造品の詳細を本明細書中に示す。
本明細書中に記載又は引用される技術及び手順は、一般に十分に理解されるものであり、当業者によって従来の方法論を用いて共通して実施されるものである。その例として、以下の文献に記載される方法論が広く利用されている。Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3rd. edition (2001) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F. M. Ausubel, et al. eds., (2003)); the series METHODS IN ENZYMOLOGY (Academic Press, Inc.): PCR 2: A PRACTICAL APPROACH (M. J. MacPherson, B. D. Hames and G. R. Taylor eds. (1995)), Harlow and Lane, eds. (1988) ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL, and ANIMAL CELL CULTURE (R. I. Freshney, ed. (1987))。
「Bv8」、「Bv8ホモログ」、「プロキネチシン-2(別名「PK2」、「KAL4」及び「MIT1」)なる用語は、交換可能に本明細書中で用いられ、完全長ポリペプチドおよび/または完全長ポリペプチドの活性な断片を指す。天然配列Bv8は、Bv8の天然に生じるプレプロ、プロおよび成熟型および切断型、天然に生じる変異体型(例えばオルターナティブスプライス型)および天然に生じる対立遺伝子変異体を包含する。ある実施態様では、天然Bv8アミノ酸配列は配列番号:235から239に示される。ヒトおよびネズミ科Bv8配列は、例えばWechselberger et al.(FEBS Lett.462:177-181 (1999))およびLi et al.(Mol.Pharm.59:692-698 (2001))にも開示される。
「Bv8レセプター」はBv8が結合し、Bv8の生物学的性質を媒介する分子である。それ故に、「Bv8レセプター」なる用語は、PKR1/GPR73/EG−VEGFレセプター-1/PROKR1及びPKR2/GPR37L1/EG−VEGFレセプター-2/PROKR2を意味するものを包含する(LeCouter et al., 2003, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 100:2685-2690;Lin et al., 2002, J. Biol.Chem., 277:19276-19280;Masuda et al., 2002, Biochem.Biophys.Res.Commun., 293:396-402)。
ここでの目的に対するBV8に関して「活性な」又は「活性」とは、天然又は天然に生じるBv8の生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するBv8の形態を意味し、ここで「生物学的」活性とは、天然又は天然発生Bv8が保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘発する能力以外の、天然又は天然発生Bv8によって引き起こされる生物機能を意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生Bv8が保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘発する能力を意味する。ある実施態様では、Bv8の生物学的活性は、骨髄系細胞動員の調節、腫瘍血管形成の促進および/または腫瘍転移の促進をする能力である。
「抗Bv8抗体」又は「Bv8に結合する抗体」なる用語は、Bv8を標的とする診断用薬及び/又は治療剤として有用である程度に、十分な親和性でBv8に結合することが可能である抗体を意味する。ある実施態様では、Bv8に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、又は0.01nM以下の解離定数(Kd)を有する。ある実施態様では、抗Bv8抗体は、異なる種由来のBv8間で保存されるBv8のエピトープに結合する。ある実施態様では、抗Bv8抗体は、キメラ2G9、h2G9.K4G1.v19、h2G9.K4G1.v52、h2G9.K4G1.v55、h2G9.K4G1.v73およびキメラ2D3からなる群から選択される抗体と同じ、ヒトBv8上のエピトープに結合する。ある実施態様では、抗Bv8抗体は、キメラ2G9、h2G9.K4G1.v19、h2G9.K4G1.v52、h2G9.K4G1.v55、h2G9.K4G1.v73およびキメラ2D3からなる群から選択される抗体と、ヒトBv8への結合について競合する。
「単離された」抗体とは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治療的な使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様では、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95%を超える抗体、最も好ましくは99重量%を超えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに十分なほど、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEにより均一になるまで十分なほど精製される。抗体の自然環境の少なくとも一の成分が存在しないため、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイツでの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一の精製工程により調製される。
イムノグロブリンの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、イムノグロブリンは異なるクラスが割り当てられる。イムノグロブリンには5つの主なクラスがある:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM、更にそれらは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2等のサブクラス(アイソタイプ)に分かれる。イムノグロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。イムノグロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元立体配位はよく知られている。
多数のHVRの描写が使用され、ここに含まれる。カバット相補性決定領域(CDR)は配列変化に基づいており、最も一般的に使用されている(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置に言及している(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。AbM HVRは、カバットHVRとChothia構造的ループの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」HVRは、利用できる複合体結晶構造の分析に基づく。これらHVRのそれぞれからの残基を以下に示す。
ループ カバット AbM Chothia 接触
L1 L24-L34 L24-L34 L26-L32 L30-L36
L2 L50-L56 L50-L56 L50-L52 L46-L55
L3 L89-L97 L89-L97 L91-L96 L89-L96
H1 H31-H35B H26-H35B H26-H32 H30-H35B (カバット番号付け)
H1 H31-H35 H26-H35 H26-H32 H30-H35 (Chothia番号付け)
H2 H50-H65 H50-H58 H53-H55 H47-H58
H3 H95-H102 H95-H102 H96-H101 H93-H101
「フレームワーク」又は「FR」残基は、ここで定義する高頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
「モノクローナル」との形容は、抗体の、実質的に均一な抗体の集団から得られたものであるという特性を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は様々な技術によって作製することができ、それらの技術には、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein, Nature, 256:495-97 (1975);Hongo等, Hybridoma, 14 (3): 253-260 (1995);Harlow等, Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988);Hammerling等: Monoclonal Antibodies and T-Cell hybridomas 563-681 (Elsevier, N. Y., 1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4816567号参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson等, Nature, 352:624-628 (1991);Marks等, J. Mol. Biol. 222:581-597 (1992);Sidhu等, J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004);Lee等, J. Mol. Biol. 340(5);1073-1093 (2004);Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34):12467-12472 (2004);及びLee等, J. Immounol. Methods 284(1-2): 119-132 (2004))、並びに、ヒト免疫グロブリン座位の一部又は全部、或るいはヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子を有する動物にヒト又はヒト様抗体を生成する技術(例えば、国際公開第98/24893号;国際公開第96/34096号;国際公開第96/33735号;国際公開第91/10741号;Jakobovits等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2551 (1993);Jakobovits等, Nature 362: 255-258 (1993);Bruggemann等, Year in Immunol. 7:33 (1993);米国特許第5545807号;同第5545806号;同第5569825号;同第5625126号;同第5633425号;同第5661016号; Marks等, Bio.Technology 10: 779-783 (1992);Lonberg等, Nature 368: 856-859 (1994);Morrison, Nature 368: 812-813 (1994);Fishwild等, Nature Biotechnol. 14: 845-851 (1996);Neuberger, Nature Biotechnol. 14: 826 (1996)及びLonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13: 65-93 (1995)参照)が含まれる。
「多エピトープ特異性」は、同じ又は異なる抗原(一又は複数)上の2以上の異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。例えばここで用いる「二重特異性」は2つの異なるエピトープを結合する能力を指す。「単一特異性」は唯一のエピトープを結合する能力を指す。
「単一ドメイン抗体」(sdAb)又は「単一可変ドメイン(SVD)抗体」なる表現は、一般に、単一の可変ドメイン(VH又はVL)が抗原結合を与えうる抗体を指す。換言すれば、単一可変ドメインは、標的抗原を認識するために他の可変ドメインと相互作用する必要はない。単一ドメイン抗体の例には、ラクダ科(ラマおよびラクダ)および軟骨魚(例えばテンジクザメ)由来のもの、および、ヒトおよびマウス抗体由来の組換え方法から得られるもの(Nature (1989) 341:544-546; Dev Comp Immunol (2006) 30:43-56;Trend Biochem Sci (2001) 26:230-235;Trends Biotechnol (2003):21:484-490;国際公開公報2005/035572;国際公開公報03/035694;Febs Lett (1994) 339:285-290;国際公開公報00/29004;国際公開公報02/051870)。
「抗原」とは、抗体が選択的に結合できる既定の抗原である。標的抗原はポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、ハプテン、又は他の自然に生じる又は合成化合物である。
カバット番号付けシステムは一般に、可変ドメイン内の残基を指す場合に用いられる(軽鎖のおよそ残基1−107及び重鎖の残基1−113)(例えばKabat et al., Sequences of Immunological Interest. 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))。「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」は一般に、イムノグロブリン重鎖定常領域を指す場合に用いられる(例えば上掲のKabat et al.において報告されたEUインデックス)。「カバットにおけるEUインデックス」はヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号の参照は、カバット番号付けシステムによって番号付けする残基を意味する。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号の参照は、EU番号付けシステムによる残基番号付けを意味する(例えば、米国特許仮出願第60/640323のEU番号付けに関する図を参照のこと)。
「ブロック(遮断)」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、結合する抗原の生物学的活性を阻害するか又は低減するものである。あるブロック抗体又はアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を実質的ないしは完全に阻害する。
ここで用いる「実質的に低減する」又は「実質的に異なる」という句は、当業者が2つの数値(一般に、分子に関連するもの、及び参照/比較分子に関連する他のもの)の差異に、該値(例えばKd値)によって測定される生物学的性質上統計学的に有意であると認められるほど、2つの数値が有意に異なっていることを意味する。前記2つの値間の差異は、参照/比較分子の値の、例えば約10%より大きく、約20%より大きく、約30%より大きく、約40%より大きく、及び/又は約50%より大きい。
「Fc領域」なる用語は、天然配列Fc領域及び変異形Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化するかも知れないが、通常、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226の位置又はPro230からの位置のアミノ酸残基からFc領域のカルボキシル末端まで伸長すると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによれば残基447)は、例えば、抗体の産生又は精製中に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え遺伝子操作することによって取り除かれてもよい。したがって、インタクト抗体の組成物は、すべてのK447残基が除去された抗体群、K447残基が除去されていない抗体群、及びK447残基を有する抗体と有さない抗体の混合を含む抗体群を含みうる。
「機能的Fc領域」は、天然配列Fc領域の「エフェクター機能」を有する。例示的「エフェクター機能」には、C1q結合、補体依存性細胞障害作用(CDC)、Fcレセプター結合、抗体依存性細胞媒介性細胞障害作用(ADCC)、食作用、細胞表面レセプター(例えばB細胞レセプター;BCR)の下方制御などが含まれる。そのようなエフェクター機能は、通常、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と組み合わさることを必要とし、例えば本明細書中の定義に開示される様々なアッセイを使用して評価される。
「変異体Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾、好ましくは一又は複数のアミノ酸置換により、天然配列のFc領域とは異なるアミノ酸配列を包含するものである。好ましくは、変異体Fc領域は、天然配列のFc領域もしくは親ポリペプチドのFc領域と比較した場合、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列のFc領域又は親のポリペプチドのFC領域におよそ1からおよそ10のアミノ酸置換、好ましくはおよそ1からおよそ5のアミノ酸置換を有する。本明細書中の変異体Fc領域は、好ましくは、天然配列のFc領域及び/又は親ポリペプチドのFc領域と、少なくともおよそ80%の同一性を有するか、最も好ましくは少なくともおよそ90%の配列同一性を、より好ましくは少なくともおよそ95%の配列又はそれ以上の同一性を有するものであろう。
インビボでのヒトFcRnへの結合とヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドの血清半減期は、例えばヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウス又は形質転換されたヒト細胞株、又は変異体Fc領域を有するポリペプチドを投与された霊長類動物においてアッセイすることができる。国際公開公報00/42072(Presta)および米国特許出願12/577967(Lowman) にFcRへの結合を向上又は減弱させた抗体変異型が述べられている。例としてShields等, J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)も参照のこと。
「VHサブグループIコンセンサスフレームワーク」は、Kabat等の可変重鎖サブグループIのアミノ酸配列由来のコンセンサス配列を含む。
「VHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク」は、Kabat等の可変重鎖サブグループIIIのアミノ酸配列由来のコンセンサス配列を含む。
「VLサブグループIVコンセンサスフレームワーク」は、Kabat等の可変軽鎖κサブグループIVのアミノ酸配列由来のコンセンサス配列を含む。
「VLサブグループIコンセンサスフレームワーク」は、Kabat等の可変軽鎖κサブグループIのアミノ酸配列由来のコンセンサス配列を含む。
「疾病」又は「疾患」は、本発明の物質/分子又は方法を用いた治療によって利益を得る任意の症状である。これには、問題とする疾患に哺乳動物がかかりやすくなる病理学的症状を含む慢性及び急性の疾病又は疾患を含む。限定的なものではなく、ここで治療する疾患の例には、悪性及び良性の腫瘍;癌腫、芽腫及び肉腫が含まれる。
疾患の「病的状態」には、患者の幸福を損なうすべての現象が含まれる。癌では、異常な又は制御不能の細胞増殖、転移、隣接細胞の通常の機能への干渉、異常なレベルのサイトカイン又は他の分泌生成物の放出、炎症性ないし免疫学的応答の抑圧現象又は悪化などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
「細胞増殖性疾患(障害)」及び「増殖性疾患(障害)」なる用語は、異常な細胞増殖にある程度関連している疾患を意味する。一実施態様では、細胞増殖性疾患は癌である。
本明細書中の「腫瘍」とは、悪性か良性かにかかわらず、すべての腫瘍性細胞成長及び増殖と、すべての前癌性及び癌性細胞及び組織を意味する。「癌」」「癌性」「細胞増殖性疾患」、「増殖性疾患」及び「腫瘍」なる用語は、本明細書に参照されるように相互に限定的なものでない。
血管新生の調節不全により、本発明の組成物及び方法により治療されうる多くの疾患が引き起こされうる。これらの疾患には、非腫瘍性及び腫瘍性の両方の状態が含まれる。腫瘍性状態には上記のものが含まれるが、これに限定されるものではない。
「形成異常」は、組織、臓器又は細胞の任意の異常な成長ないしは発達を意味する。ある実施態様では、形成異常は高いグレードであるか、前癌性である。
「転移」とは、その原発性部位から体の他の場所への癌の蔓延を意味する。癌細胞は、原発性腫瘍から切り離れ、リンパ管および血管へ浸透し、血流を循環し、身体の至る所の正常組織の離れた病巣で成長しうる(転移)。転移は局所又は遠位でありうる。転移は経時的な過程であり、原発性腫瘍から切り離れ、血流を駆けめぐり、遠位部位に止まる腫瘍細胞に付随するものである。新たな部位で、細胞は、血液供給を確立し、成長して生命を脅かす体積を形成しうる。ある実施態様では、転移性腫瘍なる用語は、転移性であるが身体中の至る所の組織又は臓器には転移していない腫瘍を指す。ある実施態様では、転移性腫瘍なる用語は、身体中の至る所の組織又は臓器には転移している腫瘍を指す。
腫瘍細胞内の刺激性分子および阻害性分子の経路はこの作用を制御するものであり、腫瘍細胞と遠位部位の宿主細胞との間の相互作用も有意である。
「非転移性」とは、良性である癌、又は原発部位に止まり、リンパ管や血管系ないしは原発部位以外の組織に浸透しない癌を意味する。一般的に、非転移性癌は、ステージ0、I又はIIの癌、場合によってステージIIIの癌のいずれかの癌である。
「原発性腫瘍」又は「原発性癌」は元の癌を意味し、被検体の身体の他の組織、臓器又は部位に位置する転移性病巣を意味しない。
「転移性臓器」又は「転移性組織」は広義の意味で用いられ、原発性腫瘍から又は身体の他の部位から癌細胞が蔓延した臓器又は組織を指す。転移性臓器又は転移性組織の例には肺、肝臓、脳、卵巣、骨および骨髄が含まれるがこれらに限定されない。
ここでの「癌再発」は、治療の後に癌が回復することを指し、原発性臓器での癌の回復だけでなく、癌が原発性臓器以外で回復する遠位性再発も包含する。
「腫瘍数」は腫瘍の数を意味する。
抗VEGF中和抗体はヌードマウスの様々なヒト腫瘍細胞株の増殖を抑制し(Kim等, Nature 362:841-844 (1993);Warren等, J. Clin. Invest. 95:1789-1797 (1995);Borgstrom等, Cancer Res. 56: 4032-4039 (1996);Melnyk等, Cancer Res. 56: 921-924 (1996))、更に、虚血性網膜疾患のモデルの眼内血管新生も阻害する。Adamis等, Arch. Ophthalmol. 114:66-71 (1996)。
「毒素」は、細胞の成長又は増殖に対して有害な影響を有する任意の物質である。
本発明の物質/分子の「治療的有効量」は、例えば個体の疾病ステージ、年齢、性別、及び体重、並びに個体に所望の応答を誘発する物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの能力などの因子に従って変わりうる。また、治療的有効量は物質/分子、アゴニスト又はアンタゴニストの任意の毒性又は有害な効果よりも治療的に恩恵のある効果が上回る量を包含する。「予防的有効量」とは所望の予防結果を達成するために必要な用量及び時間での効果的な量を意味する。典型的には必ずではないが、予防的用量は疾患の初期ステージ又はその前の患者に用いるので、予防的有効量は治療的有効量よりも少ないであろう。
「再発性」とは、以前の罹患状態への患者の病気の逆戻り、特に明らかな回復又は部分的な回復後の症状の復活を指す。ある実施態様では、再発状態は、VEGFアンタゴニスト、抗血管形成剤及び/又は化学療法治療を含むがこれに限定しない既存の治療前の病気への逆戻り又は逆戻りの過程を指す。ある実施態様では、再発状態は、VEGFアンタゴニスト、抗血管形成剤及び/又は化学療法治療を含む癌治療に対する初期強応答前の病気への逆戻り又は逆戻りの過程を指す。ある実施態様では、VEGFアンタゴニストは抗VEGF抗体である。
「EC50」なる用語は、ベースラインと最大値の間の半分の応答を誘導する免疫グロブリン、抗体又はFc融合タンパク質の濃度を意味する。ある実施態様では、EC50は、その最大効果の50%が観察される免疫グロブリン、抗体又はFc融合タンパク質の濃度を表す。ある実施態様では、EC50は、最大のインビボ効果の50%を得るのに必要とされる血漿又は血清中濃度を表す。
ここでの「アジュバント(補助)療法」は、手術後に施される治療を指し、疾患の再発のリスクを低減するために、残存する疾患の所見が検出されないものとする。アジュバント療法の目的は、癌の再発を予防することによって、癌関連の死亡の機会を低減することである。
「同時に」又は「共に」なる用語は、投与の時間の少なくとも一部がオーバーラップしている、2以上の治療薬の投与を指すためにここで用いられる。従って、同時投与には、一又は複数の薬剤の投与が一又は複数の他の薬剤の投与をやめた後に続く場合の投薬計画が包含される。
「薬学的製剤」、「薬学的組成物」又は「治療製剤」なる用語は、活性成分の生物学的活性が効果的であることを可能にするような形態であり、製剤が投与される被検体に毒性が許容されない更なる成分を含まない調製物を意味する。かかる製剤は無菌でありうる。
「無菌」製剤は無菌的又はあらゆる生きている微生物やその芽胞を含まない。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物の送達に有用である。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
本発明の抗Bv8抗体は望ましくはモノクローナルである。また、本明細書中で提供される抗Bv8抗体のFab、Fab'、Fab'-SH及びF(ab')2断片も本発明の範囲内に包含される。これらの抗体断片は、従来の方法、例えば酵素消化により作製されるか、組換え体技術により生成されてもよい。このような抗体断片は、キメラでもよいし、ヒト化のものでもよい。これらの断片は、後述する診断目的及び治療目的のために有用である。
本発明の抗Bv8モノクローナル抗体は、Kohler等, Nature, 256:495 (1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作製でき、又は組換えDNA法(米国特許第4816567号)によって作製することができる。
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunsonほか, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のスキャッチャード分析法によって測定することができる。
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-SEPHAROSE、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又はアフィニティークロマトグラフィーのような常套的な免疫グロブリン精製法により、培地、腹水、又は血清から好適に分離される。
Bv8を産生するために使用される哺乳動物宿主細胞は、様々な培地で培養することができる。その培地は当分野で周知であり、そのいくつかを本明細書中に記載する。
この開示で言及している宿主細胞には、宿主動物内の細胞だけでなくインビトロ培養物の細胞が含まれる。
ファージディスプレイクローンのアフィニティークロマトグラフィー分離での利用のために、例えば、アガロースビーズ、アクリルアミドビーズ、ガラスビーズ、セルロース、種々のアクリルコポリマー、ヒドロキシルメタクリルゲル、ポリアクリル及びポリメタクリルコポリマー、ナイロン、中性及びイオン性担体等の適切な基質へ精製したBv8を付着させることが可能である。基質へのBv8タンパク質の付着は、Methods in Enzymology, 44巻(1976)に記載されている方法によって完遂することができる。アガロース、デキストラン又はセルロース等の多糖類基質へタンパク質リガンドを付着させるために広く用いられている技術には、ハロゲン化シアンによる担体の活性化、それに続く、活性化基質へのペプチドリガンドの第1級脂肪族又は芳香族アミンのカップリングが含まれる。
本発明は抗体断片を包含する。抗体断片は、酵素消化などの従来の手段又は組み換え技術によって生成されうる。場合によって、全抗体よりも抗体断片の利用に利点がある。より小さいサイズの断片によりクリアランスが速くなり、固形腫瘍へのアクセスが改善されうる。抗体断片の例については、Hudson et al.(2003) Nat. Med.9:129-134を参照のこと。
本発明はヒト化抗体を包含する。非ヒト抗体をヒト化する様々な方法は従来からよく知られている。例えば、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入されている。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と呼ばれる。ヒト化は、本質的にはヒト抗体の該当する高頻度可変領域配列を置換することによりウィンターと共同研究者の方法(Jonesほか, Nature, 321:522-525 (1986)、Riechmannほか, Nature, 332:323-327 (1988)、Verhoeyenほか, Science, 239:1534-1536(1988))を使用して実施することができる。よって、このような「ヒト化」抗体は、完全なヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の該当する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4816567号)である。実際には、ヒト化抗体は、典型的にはいくつかの高頻度可変領域残基及び場合によってはいくらかのFR残基が齧歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
本発明のヒト抗体は、上記のように、ヒト由来のファージディスプレイライブラリから選択したFvクローン可変ドメイン配列を公知のヒト定常ドメイン配列と結合することによって構築することができる。あるいは、本発明のヒトモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法によって作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の生産のためのヒトミエローマ及びマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株は,例えば,Kozbor, J. Immunol. 133, 3001(1984);Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.51-63(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987);及びBoerner 等, J. Immunol., 147: 86 (1991)によって記載されている。
本発明の二重特異性抗体の一例は、Bv8と他の抗原に結合する抗体がある。他の実施態様では二重特異性抗体はBv8の2つの異なるエピトープに結合しうる。二重特異性抗体はBv8を発現する細胞に細胞障害剤を局在化するためにも使用されうる。これらの抗体はBv8結合アーム及び細胞障害剤(例えば、サポリン(saporin)、抗インターフェロン-α、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセート又は放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有する。二重特異性抗体は完全長抗体又は抗体断片(例えばF(ab')2二重特異性抗体)として調製することができる。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt等, J.Immunol. 147:60(1991)。
多価抗体は、抗体が結合する抗原を発現する細胞により、二価抗体よりも早くインターナリゼーション(及び/又は異化)されうる。本発明の抗体は、3又はそれ以上の結合部位を有する多価抗体(IgMクラス以外のもの)であり得(例えば四価抗体)、抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組換え発現により容易に生成することができる。多価抗体は二量化ドメインと3又はそれ以上の抗原結合部位を有する。ある実施態様では、二量化ドメインはFc領域又はヒンジ領域を有する(又はそれらからなる)。このシナリオにおいて、抗体はFc領域と、Fc領域のアミノ末端に3又はそれ以上の抗原結合部位を有しているであろう。ある実施態様では、多価抗体は3ないし8の抗原結合部位を有する(又はそれらからなる)。ある実施態様では、多価抗体は4の抗原結合部位を有する(又はそれらからなる)。多価抗体は少なくとも1つのポリペプチド鎖(例えば2つのポリペプチド鎖)を有し、ポリペプチド鎖(類)は2又はそれ以上の可変ドメインを有する。例えば、ポリペプチド鎖(類)はVD1-(X1)n-VD2-(X2)n-Fcを有し、ここでVD1は第1の可変ドメインであり、VD2は第2の可変ドメインであり、FcはFc領域のポリペプチド鎖の一つであり、X1及びX2はアミノ酸又はポリペプチドを表し、nは0又は1である。例えば、ポリペプチド鎖(類)は:VH-CH1-柔軟なリンカー-VH-CH1-Fc領域鎖;又はVH-CH1-VH-CH1-Fc領域鎖を有し得る。ここで多価抗体は、少なくとも2つ(好ましくは4つ)の軽鎖可変ドメインポリペプチドをさらに有しうる。ここで多価抗体は、例えば約2〜約8の軽鎖可変ドメインポリペプチドを有しうる。ここで考察される軽鎖可変ドメインポリペプチドは軽鎖可変ドメインを有し、場合によってはCLドメインを更に有する。
ある実施態様では、本発明の抗Bv8抗体は単一ドメイン抗体である。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインのすべてないしは一部又は軽鎖可変ドメインのすべてないしは一部を含む単一ポリペプチド鎖である。ある実施態様では、単一ドメイン抗体はヒト単一ドメイン抗体である(Domantis, Inc., Waltham, MA;例として米国特許第6248516号B1を参照)。一実施態様では、単一ドメイン抗体は抗体の重鎖可変ドメインのすべてないしは一部からなる。
いくつかの実施態様では、ここに開示する抗Bv8抗体のアミノ酸配列の修飾を考える。例えば、抗体の結合親和性及び/又は生物学的特性を向上することができれば望ましい。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な変化を導入して、又はペプチド合成により調製される。そのような修飾は、抗体のアミノ酸配列内の残基の、例えば、欠失型、又は挿入或いは置換を含む。最終構成物が所望する特徴を有していれば、欠失、挿入又は置換をどのように組合せてもよい。アミノ酸変化は、配列ができるときに被検体の抗体アミノ酸配列に導入されうる。
ある実施態様では、本発明は、これをインビボでの抗体の半減期が重要であるがある種のエフェクター機能(例えば補体及びADCC)が不必要であるか有害である多くの用途のための望ましい候補にする、エフェクター機能の全てではないが幾らかを有する抗体変異体を考慮する。ある実施態様では、所望の性質のみが維持されるようにする抗体のFc活性が測定される。インビトロ及び/又はインビボ細胞傷害性アッセイを実施して、CDC及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認できる。例えば、Fcレセプター(FcR)結合アッセイを実施して、抗体がFcγR結合を欠く(よってADCC活性を欠く可能性がある)が、FcRn結合能を保持していることを確認する。ADCCを媒介する一次細胞のNK細胞はFcγRIIIのみを発現する一方、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcRの発現がRavetch及びKinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-92 (1991)の464頁の表3にまとめられている。興味ある分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5500362号(例えばHellstrom, I.等 Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 83:7059-7063 (1986)を参照)及び Hellstrom, I 等, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 82:1499-1502 (1985);第5821337号(Bruggemann, M. 等, J. Exp. Med. 166:1351-1361 (1987)を参照)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えばフローサイトメトリーのためのACTI<SUP>TM</SUP>非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology, Inc. Mountain View, CA;及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ (Promega, Madison, WI)。このようなアッセイのために有用なエフェクター細胞は末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む。あるいは、又は加えて、興味ある分子のADCC活性はインビボで、例えばClynes等 Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 95:652-656 (1998)に開示されているもののような動物モデルにおいて評価することができる。C1q結合アッセイをまた実施して、抗体がC1qに結合できず、よってCDC活性を欠くことを確認することができる。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施してもよい(例えばGazzano-Santoro等, J. Immunol. Methods 202:163 (1996);Cragg, M.S. 等, Blood 101:1045-1052 (2003);及びCragg, M.S.及びM.J. Glennie, Blood 103:2738-2743 (2004)を参照のこと)。FcRn結合及びインビボクリアランス/半減期決定はまた当該分野で知られている方法を使用して実施することもできる(例えばPetkova, S.B. 等, Int’l. Immunol. 18(12):1759-1769 (2006)を参照)。
(1)無極性:Ala(A),Val(V),Leu(L),Ile(I),Pro(P),Phe(F),Trp(W),Met(M)
(2)無電荷極性:Gly(G),Ser(S),Thr(T),Cys(C),Tyr(Y),Asn(N),Gln(Q)
(3)酸性:Asp(D),Glu(E)
(4)塩基性:Lys(K),Arg(R),His(H)
別法では、天然に生じる残基は共通の側鎖特性に基づいて群に分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;及び
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
本発明の抗Bv8抗体は当該分野において知られ直ぐに利用できる更なる非タンパク質性部分を含むように更に修飾することができる。好ましくは、抗体の誘導体化に適した部分は水溶性ポリマーである。水溶性ポリマーの非限定的な例には、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーかランダムコポリマー)、及びデキストラン又はポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール、及びそれらの混合物が含まれる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは水中におけるその安定性のために製造の際に有利であろう。ポリマーは任意の分子量であってよく、分枝状でも非分枝状でもよい。抗体に結合するポリマーの数は変化してもよく、一を超えるポリマーが結合する場合、それらは同じでも異なった分子でもよい。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/又はタイプは、限定されるものではないが、その抗体誘導体が定まった条件下での治療に使用されるかどうか、改善される抗体の特定の性質又は機能を含む考慮事項に基づいて決定することができる。
本発明の抗体は当該分野で知られている様々なアッセイによってその物理的/化学的特性及び生物学的機能について特徴付けることができる。
ある態様では、アッセイが、生物学的活性を有する抗Bv8抗体を識別するために提供される。生物学的活性は、例えば、Bv8が関与する効果の一又は複数の態様の調節を含み、限定はされないが、Bv8結合、Bv8介在による内皮細胞増殖、腫瘍転移を含む。
幾つかの実施態様では、本発明は、増加されたエフェクター機能及び/又は増加された半減期を有する、変更された抗体を提供する。例として米国出願番号12/577967を参照のこと。
本発明の抗体の組み換え生成のために、コードする核酸を単離して、更なるクローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製ベクターに挿入する。抗体をコードするDNAは従来の手順で簡単に単離し、配列決定される(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)。多くのベクターが利用可能である。用いる宿主細胞にある程度依存してベクターを選択する。一般的に、好適な宿主細胞は原核生物又は真核生物(一般的に哺乳動物)由来の細胞である。IgG、IgM、IgA、IgD及びIgE定常領域を含め、任意のアイソタイプの定常領域がこの目的のために使われてもよく、このような定常領域はヒト又は動物種の何れかから得られうることは理解されるであろう。
i. ベクターの構築
本発明の抗体のポリペプチド成分をコードしているポリヌクレオチド配列は標準的な組換え技術を使用して得ることができる。所望のポリヌクレオチド配列はハイブリドーマ細胞のような抗体産生細胞から単離し配列決定することができる。あるいは、ポリヌクレオチドはヌクレオチド合成機又はPCR法を使用して合成することができる。ひとたび得られると、ポリペプチドをコードしている配列は原核生物宿主中で異種ポリヌクレオチドを複製し、発現することが可能な組換えベクター中に挿入される。当該分野において入手でき知られている多くのベクターを本発明の目的のために使用することができる。適切なベクターの選択は、主として、ベクターに挿入される核酸のサイズとベクターで形質転換される特定の宿主に依存する。各ベクターは、機能(異種性ポリヌクレオチドの増幅又は発現ないしその両方)及び属する特定の宿主細胞への適合性に応じて、様々な成分を含む。一般的に、限定するものではないが、ベクター成分には複製起源、選択マーカー遺伝子、プロモータ、リボゾーム結合部位(RBS)、シグナル配列、異種性核酸挿入及び転写終末配列が含まれる。
上述した発現ベクターで宿主細胞を形質転換又は形質移入し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するのに適するように修飾された通常の栄養培地中で培養する。
形質転換とは、DNAを原核生物宿主中に導入し、そのDNAを染色体外要素として、又は染色体組込みによって複製可能にすることを意味する。使用される宿主細胞に応じて、形質転換はそのような細胞に適した標準的技術を使用してなされる。塩化カルシウムを用いるカルシウム処理は実質的な細胞壁障害を含む細菌細胞のために一般に使用される。形質転換のための他の方法はポリエチレングリコール/DMSOを用いる。さらに別の方法はエレクトロポレーションである。
ある実施態様では、タンパク質溶解性酵素を欠損した、一以上のシャペロンタンパク質を過剰発現するプラスミドで形質転換した大腸菌株を本発明の発現系の宿主細胞として用いる。
当分野で公知の標準的なタンパク質精製方法を用いることができる。以下の方法は好適な精製手順の例である:免疫親和性又はイオン交換カラムによる分画化、エタノール沈降法、逆相HPLC、シリカ又はDEAEなどの陽性交換樹脂によるクロマトグラフィ、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、硫酸アンモニウム沈降法及び、例えばSephadex(登録商標)G-75を用いたゲル濾過法。
一般的に、ベクターは、限定するものではないが、以下の一以上を含む:シグナル配列、複製起点、一以上のマーカ遺伝子、エンハンサー因子、プロモータ及び転写終末因子。
真核生物の宿主細胞に用いるベクターは、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいは対象とするポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドを含んでいてもよい。好ましく選択された異種シグナル配列は宿主細胞によって認識され加工される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。哺乳動物細胞での発現においては、哺乳動物のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダー、例えば単純ヘルペスgDシグナルが利用できる。
このような前駆体領域のDNAは、多価抗体をコードするDNAに読み取り枠を一致させて結合される。
一般には、哺乳動物の発現ベクターには複製開始点成分は不要である。例えば、SV40開始点は典型的にはただ初期プロモーターを有しているために用いられる。
発現及びクローニングベクターは、選択可能マーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)必要があれば栄養要求性欠陥を補い、又は(c)複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
選択方法の一例では、宿主細胞の成長を抑止する薬物が用いられる。異種性遺伝子で首尾よく形質転換した細胞は、薬物耐性を付与するタンパク質を生産し、よって選択工程を生存する。このような優性選択の例は、薬剤ネオマイシン、ミコフェノール酸及びハイグロマイシンを使用する。
例えば、DHFR選択遺伝子によって形質転換された細胞は、先ず、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトリキセート(Mtx)を含む培地において形質転換物の全てを培養することで同定される。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、DHFR活性に欠陥のあるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)株化細胞である(例として、ATCC(登録商標)CRL-9096)。
あるいは、抗体をコードするDNA配列、野生型DHFRタンパク質、及びアミノグリコシド3'-ホスホトランスフェラーゼ(APH)のような他の選択可能マーカーで形質転換あるいは同時形質転換した宿主細胞(特に、内在性DHFRを含む野生型宿主)は、カナマイシン、ネオマイシンあるいはG418のようなアミノグリコシド抗生物質のような選択可能マーカーの選択剤を含む培地中での細胞増殖により選択することができる。米国特許第4965199号を参照のこと。
発現及びクローニングベクターは通常は宿主生物体によって認識され抗体ポリペプチド核酸に作用可能に結合しているプロモーターを含む。真核生物のプロモーター配列が知られている。実質的に全ての真核生物の遺伝子が、転写開始部位からおよそ25ないし30塩基上流に見出されるATリッチ領域を有している。多数の遺伝子の転写開始位置から70ないし80塩基上流に見出される他の配列は、Nが任意のヌクレオチドであるCNCAAT(配列番号:206)領域である。大部分の真核生物遺伝子の3'末端には、コード配列の3'末端へのポリA尾部の付加に対するシグナルであるAATAAA(配列番号:207)配列がある。これらの配列は全て真核生物の発現ベクターに適切に挿入される。
SV40ウィルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製起点を更に含むSV40制限断片として簡便に得られる。ヒトサイトメガロウィルスの最初期プロモーターは、HindIIIE制限断片として簡便に得られる。ベクターとしてウシ乳頭腫ウィルスを用いて哺乳動物宿主中でDNAを発現させる系が、米国特許第4419446号に開示されている。この系の変形例は米国特許第4601978号に開示されている。あるいは、ラウス肉腫ウィルス長末端反復をプロモーターとして使用することができる。
より高等の真核生物によるこの発明の抗体ポリペプチドをコードしているDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによってしばしば増強される。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。真核生物プロモーターの活性化のための増強要素については、Yaniv, Nature, 297:17-18 (1982)もまた参照のこと。エンハンサーは、抗体ポリペプチドコード配列の5'又は3'位でベクター中にスプライシングされうるが、好ましくはプロモーターから5'位に位置している。
また、真核生物宿主細胞に用いられる発現ベクターは、典型的には、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列を含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの5'、時には3'の非翻訳領域から一般に取得できる。これらの領域は、抗体をコードしているmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。一つの有用な転写終結成分はウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際公開第94/11026号とそこに開示された発現ベクターを参照のこと。
ここに記載のベクター中のDNAをクローニングあるいは発現させるために適切な宿主細胞は、脊椎動物の宿主細胞を含む本明細書中に記載の高等真核生物細胞を含む。培養(組織培養)中での脊椎動物細胞の増殖は常套的な手順になっている。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS-7, ATCC(登録商標)CRL1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Graham等, J. Gen Virol., 36:59 (1977));ハムスター乳児腎細胞(BHK, ATCC(登録商標)CCL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO, Urlaub等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980));サルの腎細胞 (CV1 ATCC(登録商標)CCL70); アフリカミドリザルの腎細胞(VERO-76, ATCC(登録商標)CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞 (HELA, ATCC(登録商標)CCL2);イヌ腎細胞 (MDCK, ATCC(登録商標)CCL34);バッファローラット肝細胞 (BRL3A, ATCC(登録商標)CRL1442);ヒト肺細胞 (W138, ATCC(登録商標)CCL75);ヒト肝細胞 (Hep G2, HB8065);マウス乳房腫瘍細胞 (MMT060562, ATCC(登録商標)CCL51);TRI細胞(Mather等, Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44-68 (1982));MRC5細胞;FS4細胞;及びヒト肝癌株(HepG2)である。
宿主細胞は、抗体生産のために上述の発現又はクローニングベクターで形質転換され、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードしている遺伝子を増幅するために適切に修飾された常套的栄養培地で培養される。
本発明の抗体を産生するために用いられる宿主細胞は種々の培地において培養することができる。市販培地の例としては、ハム(Ham)のF10(シグマ)、最小必須培地((MEM),(シグマ)、RPMI-1640(シグマ)及びダルベッコの改良イーグル培地((DMEM),シグマ)が宿主細胞の培養に好適である。また、Ham等, Meth. Enz. 58:44 (1979), Barnes等, Anal. Biochem. 102:255 (1980), 米国特許第4767704号;同4657866号;同4927762号;同4560655号;又は同5122469号;国際公開第90/03430号;国際公開第87/00195号;又は米国再発行特許第30985号に記載された何れの培地も宿主細胞に対する培地として使用できる。これらの培地には何れもホルモン及び/又は他の成長因子(例えばインシュリン、トランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオチド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、GENTAMYCINTM薬)、微量元素(最終濃度がマイクロモル範囲で通常存在する無機化合物として定義される)及びグルコース又は等価なエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適当な濃度で含むことができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について過去に用いられているものであり、当業者には明らかであろう。
組換え技術を用いる場合、抗体は細胞内で生成され、又は培地内に直接分泌される。抗体が細胞内に生成された場合、第1の工程として、宿主細胞か溶解された断片の何れにしても、粒子状の細片が、例えば遠心分離又は限外濾過によって除去される。抗体が培地に分泌された場合は、そのような発現系からの上清を、一般的には先ず市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmicon又はPelliconの限外濾過装置を用いて濃縮する。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤を上記の任意の工程に含めて、タンパク質分解を阻害してもよく、また抗生物質を含めて外来性の汚染物の成長を防止してもよい。
予備的精製工程に続いて、目的の抗体及び混入物を含む混合液をpH約2.5−4.5、好ましくは低塩濃度(例として、約0−0.25M塩)の溶出緩衝液を用いて低pH疎水性作用クロマトグラフィを行う。
また、本発明は、化学療法剤、薬剤、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、糸状菌、植物又は動物由来の酵素活性性毒素、又はその断片)、又は放射性同位体(すなわち放射性コンジュゲート)などの一又は複数の細胞毒性剤にコンジュゲートした抗体を含んで成る、イムノコンジュゲート(「抗体−薬剤コンジュゲート」又は「ADC」と交換可能に称される)を提供する。
抗体のコンジュゲートと一又は複数の小分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、ドラスタチン、アウロスタチン、トリコセン(trichothene)及びCC1065、及び毒性活性を有するこれらの毒素の誘導体が、ここで考察される。
いくつかの実施態様では、イムノコンジュゲートは一又は複数のメイタンシノイド分子と結合している抗体(完全長又は断片)を含んでなる。
メイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害するように作用する分裂阻害剤である。メイタンシンは、最初、東アフリカシラブMaytenus serrataから単離されたものである(米国特許第3896111号)。その後、ある種の微生物がメイタンシノイド類、例えばメイタンシノール及びC-3メイタンシノールエステルを生成することが発見された(米国特許第4151042号)。合成メイタンシノール及びその誘導体及び類似体は、例えば米国特許第4137230号;同4248870号;同4256746号;同4260608号;同4265814号;同4294757号;同4307016号;同4308268号;同4308269号;同4309428号;同4313946号;同4315929号;同4317821号;同4322348号;同4331598号;同4361650号;同4364866号;同4424219号;同4450254号;同4362663号;及び同4371533号に開示されている。
メイタンシノイド薬剤成分は、(i) 発酵又は化学修飾、発酵産物の誘導体化によって調製するために相対的に利用可能である(ii) 抗体に対する非ジスルフィドリンカーによる共役に好適な官能基による誘導体化に従う、(iii) 血漿中で安定、そして(iv) 様々な腫瘍細胞株に対して有効であるため、抗体薬剤コンジュゲートの魅力的な薬剤成分である。
リンカーは結合の種類に応じて、種々の位置でメイタンシノイド分子に結合し得る。例えば、従来からのカップリング技術を使用してヒドロキシル基と反応させることによりエステル結合を形成することができる。反応はヒドロキシル基を有するC-3位、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14位、ヒドロキシル基で修飾されたC-15位、及びヒドロキシル基を有するC-20位で生じる。好ましい実施形態において、結合はメイタンシノール又はメイタンシノールの類似体のC-3位で形成される。
いくつかの実施態様では、イムノコンジュゲートは、ドラスタチン又はドロスタチンペプチジル類似体及び誘導体、アウリスタチン(auristatin) (米国特許第5635483号;同第5780588号)にコンジュゲートした本発明の抗体を含んでなる。ドラスタチン及びアウリスタチンは、微小管動態、GTP加水分解及び核と細胞の分割を妨げ(Woyke 等 (2001) Antimicrob. Agents and Chemother. 45(12): 3580-3584)、抗癌活性(米国特許第5663149号)及び抗真菌性活性(Pettit 等 (1998) Antimicrob. Agents Chemother. 42:2961-2965)を有することが示されている。ドラスタチン又はアウリスタチン薬剤成分は、ペプチジル薬剤分子のN(アミノ)末端又はC(カルボキシル)末端により抗体に接着しうる(国際公開公報02/088172)。
例示的なアウリスタチンの実施態様は、N末端連結モノメチルアウリスタチン薬剤成分DE及びDFを含み、"Monomethylvaline Compounds Capable of Conjugation to Ligands", US Ser. No. 10/983,340, filed Nov. 5, 2004に開示される。
他の実施態様では、イムノコンジュゲートは、一又は複数のカリケアマイシン分子と結合した抗体を含んでなる。抗生物質のカリケアマイシンファミリーはサブ-ピコモルの濃度で二重鎖DNA破壊を生じることができる。カリケアマイシンファミリーのコンジュゲートの調製については、米国特許第5712374号、同5714586号、同5739116号、同5767285号、同5770701号、同5770710号、同5773001号、同5877296号(全て、American Cyanamid Company)を参照のこと。使用可能なカリケアマイシンの構造類似体には、限定するものではないが、γ1 I、α2 I、α3 I、N-アセチル-γ1 I、PSAG及びθI 1(Hinman等, Cancer Research, 53:3336-3342(1993)、Lode等 Cancer Research, 58:2925-2928(1998)及び上述したAmerican Cyanamidの米国特許)が含まれる。抗体が結合可能な他の抗腫瘍剤は、葉酸代謝拮抗薬であるQFAである。カリケアマイシン及びQFAは双方共、細胞内に作用部位を有し、原形質膜を容易に通過しない。よって抗体媒介性インターナリゼーションによるこれらの薬剤の細胞への取込により、細胞障害効果が大きく向上する。
抗体と結合可能な他の抗腫瘍剤には、BCNU、ストレプトゾイシン、ビンクリスチン及び5-フルオロウラシル、米国特許第5053394号、同5770710号に記載されており、集合的にLL-E33288複合体として公知の薬剤のファミリー、並びにエスペラマイシン(esperamicine)(米国特許第5877296号)が含まれる。
使用可能な酵素活性毒及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa))、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン(sarcin)、アレウライツ・フォルディイ(Aleurites fordii)プロテイン、ジアンシン(dianthin)プロテイン、フィトラッカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)プロテイン(PAPI、PAPII及びPAP-S)、モモルディカ・キャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)オフィシナリスインヒビター、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコセセンス(tricothecenes)が含まれる。例えば、1993年10月28日公開の国際公開第93/21232号を参照のこと。
本発明は、抗体と核酸分解活性を有する化合物(例えばリボヌクレアーゼ又はDNAエンドヌクレアーゼ、例えばデオキシリボヌクレアーゼ;DNアーゼ)との間に形成されるイムノコンジュゲートをさらに考察する。
放射-又は他の標識が、公知の方法でコンジュゲートに導入される。例えば、ペプチドは生物合成されるか、又は水素の代わりにフッ素-19を含む適切なアミノ酸前駆体を使用する化学的なアミノ酸合成により合成される。標識、例えばtc99m又はI123、Re186、Re188及びIn111は、ペプチドのシステイン残基を介して結合可能である。イットリウム-90はリジン残基を介して結合可能である。IODOGEN法(Fraker等(1978) Biochem. Biophys. Res. Commun. 80:49-57)は、ヨウ素-123の導入に使用することができる。他の方法の詳細は、「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」(Chatal, CRC Press 1989)に記載されている。
本発明の化合物は、限定するものではないが、架橋剤:市販されている(例えば、Pierce Biotechnology, Inc., Rockford, IL., U.S.Aより)BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、及びスルホ−SMPB、及びSVSB (succinimidyl-(4-ビニルスルホン)安息香酸塩)にて調製したADCが特に考えられる。2003-2004 Applications Handbook and Catalogの467-498頁を参照。
抗体薬剤コンジュゲート(ADC)において、抗体(Ab)を、リンカー(L)を介して、一つ以上の薬剤部分(D)、例えば抗体につき約1〜約20の薬剤部分にコンジュゲートする。式IのADCはいくつかの手段、当業者に公知の有機化学反応、状態及び試薬を用いて調製されうる:(1) 共有結合の後に薬剤部分Dと反応してAb-Lを形成するための、二価のリンカー試薬を用いた抗体の求核基の反応;及び(2) 共有結合の後に抗体の求核基と反応してD-Lを形成するための、二価のリンカー試薬を用いた薬剤部分の求核基の反応、が含まれる。ADCを調製するための更なる方法は本願明細書中に記載される。
Ab−(L−D)p I
リンカーは、一つ以上のリンカー成分から成ってもよい。例示的なリンカー成分は、6-マレイミドカプロイル(「MC」)、マレイミドプロパノイル(「MP」)、バリン-シトルリン(「val-cit」)、アラニン-フェニルアラニン(「ala-phe」)、p-アミノベンジルオキシカルボンイル(「PAB」)、N-スクシンイミジル4(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(「SPP」)、N-スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1カルボキシレート(「SMCC」)、及びN-スクシンイミジル(4-イオド-アセチル)アミノ安息香酸エステル(「SIAB」)を含む。更なるリンカー成分は当分野で公知であり、そのいくつかは本願明細書において、記述される。また、"Monomethylvaline Compounds Capable of Conjugation to Ligands"、2004年11月5日に出願した米出願番号10/983340を参照。
別法として、抗体及び細胞障害剤を含有する融合タンパク質は、例えば組換え技術又はペプチド合成により作製される。DNAの長さは、コンジュゲートの所望する特性を破壊しないリンカーペプチドをコードする領域により離間しているか、又は互いに隣接しているコンジュゲートの2つの部分をコードする領域をそれぞれ含有する。
他の実施態様において、腫瘍の事前ターゲティングに利用するために、「レセプター」(例えばストレプトアビジン)に抗体をコンジュゲートし、ここで抗体-レセプターコンジュゲートを患者に投与し、続いて清澄剤を使用し、循環から非結合コンジュゲートを除去し、細胞障害剤(例えば放射性ヌクレオチド)にコンジュゲートする「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
本発明はまた、抗Bv8抗体を含有する医薬組成物等の組成物、および抗Bv8抗体をコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。ここで用いるように、組成物は、Bv8に結合する一又は複数の抗体、および/または、Bv8に結合する一又は複数の抗体をコードする配列を含む一又は複数のポリヌクレオチドを含有する。これらの組成物はさらに適切な担体、例えばバッファ等の薬学的に許容される賦形剤を含有してもよく、それは当分野でよく知られている。
本発明の抗Bv8抗体を含んでなる治療用製剤は、所望の純度を持つ抗体と、場合によっては生理学的に許容される担体、賦形剤又は安定化剤を混合することにより(Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th edition (2000))、水溶液、凍結乾燥又は他の乾燥製剤の形態に調製されて保存される。許容される担体、賦形剤又は安定化剤は、用いられる用量と濃度でレシピエントに非毒性であり、ホスフェート、シトレート、ヒスチジン及び他の有機酸等のバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;保存料(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;ベンザルコニウムクロリド、ベンズエトニウムクロリド;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート化剤;スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール等の糖;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);及び/又はTWEENTM、PLURONICSTM又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
また活性成分は、例えばコアセルベーション技術あるいは界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチンマイクロカプセル及びポリ-(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルに、コロイド状ドラッグデリバリー系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルション、ナノ-粒子及びナノカプセル)に、あるいはマクロエマルションに捕捉させてもよい。このような技術は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 20th edition (2000)に開示されている。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通して濾過することにより容易に達成される。
本発明の抗体は、例えばインビトロ、エクスビボ、及びインビボ治療法において使用され得る。
本発明は、例えば、増加した発現及び/又は活性又は望まない発現及び/又は活性等の、Bv8の発現及び/又は活性に伴う疾病状態を調節するために有用な方法及び組成物を提供し、前記方法は、このような治療が必要である個体に有効量の抗Bv8抗体を投与することを含んでなる。
一態様では、本発明は、腫瘍、癌、及び/又は細胞増殖性疾患を治療又は防止するための方法を提供し、該方法は、このような治療が必要である個体に有効量の抗Bv8抗体を投与することを含んでなる。
一態様では、本発明は、血管形成を阻害するための方法を提供し、該方法は、このような治療が必要である個体に有効量の抗Bv8抗体を投与することを含んでなる。
一態様では、本発明は、腫瘍転移を阻害するための方法を提供し、該方法は、このような治療が必要である個体に有効量の抗Bv8抗体を投与することを含んでなる。
一態様では、本発明は、内皮細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、このような治療が必要である個体に有効量の抗Bv8抗体を投与することを含んでなる。
一態様では、本発明は別の抗血管新生剤の効果を増強するための方法を提供し、該方法は、このような治療が必要である個体に有効量の抗Bv8抗体を投与することを含んでなる。幾つかの実施態様では、個体は腫瘍、癌、及び/又は細胞増殖性疾患を有する。幾つかの実施態様では、他の抗血管新生剤はVEGFを標的とし、例えば抗VEGF抗体等である。
治療の方法において、何れの適切な抗Bv8抗体が使用されてもよいことが理解され、モノクローナル及び/又はポリクローナル抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、親和性成熟抗体、ヒト化抗体、及び/又は抗体断片を含む。幾つかの実施態様では、ここに記載される何れの抗Bv8抗体が治療のために使用される。
本発明の抗体は腫瘍成長を阻害するが、例えば、腫瘍の成長を阻害する一又は複数の他の療法剤と組み合わせることが特に望まれ得る。例えば、本発明の抗体は、例えば、結腸直腸癌、肺癌、肝細胞癌、乳癌及び/又は膵臓癌を含む、本明細書に記載される何れの疾病の治療における治療スキームにおいて、例えば、抗VEGF抗体(例えばAVASTIN(登録商標))及び/又は抗ERBB抗体(例えば、HERCEPTIN(登録商標)トラツズマブ抗HER2抗体又はEGFRインヒビター(例えばエルロチニブ(TARCEVA(登録商標)))又はHER2のドメインIIに結合する抗HER2抗体、例えばOMNITARGTMパーツズマブ抗HER2抗体)等の抗血管新生剤と併用されてもよい。別法では、又は更には、患者は、放射線療法(例えば、遠隔照射、又は抗体等の放射線標識された薬剤を用いた治療)を組み合わせて受けてもよい。上記のこのような組合せ両方は、組合せ投与(二又は複数の薬剤が同じ又は別の製剤に含まれる)、及び個別投与、この場合は、本発明の抗体の投与はアジュバント療法又は複数のアジュバント療法の実施の前及び/又は後に行われ得る、を含む。更に、本発明の抗体を、比較的否細胞障害性の薬剤、例えば、別の抗体等の別の生物学的分子と組み合わせることが、抗体を、細胞に高い毒性である他の薬剤の化学療法剤と組み合わせることと比べ、細胞傷害性を低減するのに期待される。
癌の治療では、第二医薬は好ましくは別の抗体、化学療法剤(化学療法剤のカクテルを含む)、抗血管新生剤、免疫抑制剤、プロドラッグ、サイトカイン、サイトカインアンタゴニスト、細胞障害性放射療法、コルチコステロイド、制吐剤、癌ワクチン、鎮痛剤、抗血管剤(antivascular agent)、及び/又は増殖阻害剤である。細胞障害剤は、DNAと相互作用する物質、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼI又はII阻害剤、又はスピンドル阻害剤(spindle inhibitor)又はスタビライザー(例えば、好ましくはビンカ・アルカロイド、より好ましくは、ビンブラスチン、デオキシビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビネピジン、ビンフォシルチン、ビンゾリジン、及びビンフニンから選択される)、又は例えば、5-FU、タキサン、ドキソルビシン、又はデキサメタゾン等の化学療法で使用される何れかの薬剤を含む。
幾つかの実施態様では、第二医薬は、癌を治療するために使用される別の抗体であり、例えば、HER2/neuレセプターの細胞外ドメインに指向されるもの、例えばトラツズマブ、又はその機能的断片、pan-HER阻害剤、Src阻害剤、MEK阻害剤、又はEGFR阻害剤(例えば、抗EGFR抗体(例えばEGFRのチロシンキナーゼ活性を阻害するもの)、例えばセツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、ジアニリノフタルイミド、ピラゾロ又はピロロピリドピリミジン、キナゾリン、ゲフィチニブ、セツキシマブ、ABX−EFG、カネルチニブ、EKB−569及びPKI−166)、又は二重EGFR/HER-2阻害剤、例えばラパチニブである。更なる第二医薬は、アレムツズマブ(CAMPATHTM)、FAVID(IDKLH)、変更グリコシル化のCD20抗体、例えば、GA−101/GLYCARTTM、オブリメルセン(GENASENSETM)、サリドマイド及びその類似体、例えばレナリドミド (REVLIMIDTM)、イマチニブ、ソラフェニブ、オファツムマブ(HUMAX−CD20TM)、抗CD40抗体、例えばSGN−40、及び抗CD−80抗体、例えばガリキシマブを含む。
多くの抗血管新生剤が当該分野で同定され知られており、ここに挙げられているもの、例えば定義の下に挙げられているもの、及び例えばCarmeliet and Jain, Nature 407:249-257 (2000); Ferrara等, Nature Reviews:Drug Discovery, 3:391-400 (2004);及びSato Int. J. Clin. Oncol., 8:200-206 (2003)によるもの等を含む。米国公開特許20030055006も参照。一実施態様では、抗Bv8抗体は、抗VEGF中和抗体(又は断片)及び/又は別のVEGFアンタゴニスト又はVEGFレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用され、限定するものではないが、例えば、可溶性VEGFレセプター(例えば、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、ニューロピリン(例えば、NRP1、NRP2))断片、VEGF又はVEGFRを遮断可能なアプタマー、中和抗VEGFR抗体、VEGFRチロシンキナーゼ(RTK)の低分子量阻害剤、VEGFに対するアンチセンスストラテジー、VEGF又はVEGFレセプターに対するリボザイム、VEGFのアンタゴニスト変異体、;及びこれらの組合せを含む。別法では、又は更には、二又はそれ以上の血管新生阻害剤が、VEGFアンタゴニスト及び他の薬剤に加えて、場合によっては患者に共投与され得る。ある実施態様では、例えば抗癌剤等の一又は複数の更なる治療剤が、抗Bv8抗体、VEGFアンタゴニスト、及び抗血管新生剤と組み合わせて投与されることが出来る。
ここで使用される化学療法剤は上記、例えば「化学療法剤」の定義に記載されている。
ここでの抗体は、第二医薬と同時に、連続的に、又は交互に、又は他の療法で非反応性の際に投与されることが出来る。このように、第二医薬の併用投与は、個別の製剤又は単一の薬剤的製剤を使用しての同時投与(並行投与)、及び何れかの順番での連続投与、ここでは好ましくは両方(又は全て)の医薬がそれらの生物学的活性を同時に行使する一定期間がある。これらの全ての第二医薬は、お互いに組み合わせて、又は第一医薬とそれらのみによって使用されてもよく、従ってここで使用される「第二医薬」の表現は、それぞれ、第一医薬に加えてそれが唯一の医薬という意味ではない。従って、第二医薬は一つの医薬である必要はなく、一以上のこのような薬剤を構成又は含み得る。
ここに記載のこれらの第二医薬は、一般的には第一医薬と同じ用量及び同じ投与ルートで、又は第一医薬の用量の約1から99%で使用される。このような第二医薬が使用される場合は、特に第一医薬による初回投与の後の連続的投与においては治療による副作用を除く又は低減するために、好ましくは第一医薬が存在しない場合より少ない量で使用される。
ある実施態様では、核酸(場合によってベクターに含まれている)は患者の細胞内へインビボ及びエクスビボの方法によって導入されてよい。インビボ運搬の一例では、患者の例えば治療的介入を必要とする部位に核酸が直接注入される。インビボ運搬の更なる例では、核酸は、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、単純ヘルペスIウイルス、又はアデノ関連ウイルス)、及び脂質ベースの系(例えば、遺伝子の脂質媒介移入に有用な脂質は、DOTMA、DOPE、及びDC-Cholである)による形質移入を用いて細胞内に導入される。遺伝子マーキング及び遺伝子治療プロトコールの概説については、Anderson et al., Science, 256:808-813 (1992)、及び国際公開93/25673及びそこに引用された参考文献を参照のこと。エクスビボ治療の例では、患者の細胞が取り除かれ、核酸がこれら単離した細胞内に導入され、変更した細胞が直接又は、例えば、患者内に着床される多孔性膜内に被包して患者に投与される(例として米国特許第4892538号及び同第5283187号を参照)。核酸のエクスビボ運搬のために一般的に用いられるベクターはレトロウイルスである。
標的細胞への抗体の移入は、当分野で公知の他の方法によって増強することができる。例えば、HIV Tat又はアンテナペディアホメオドメインタンパク質由来の配列のような特定の配列は、細胞膜全体に異種タンパク質の効率的な取り込みを導くことができる。例としてChen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999), 96:4325-4329を参照。
血液脳関門に抗体を搬送する物理的方法には、限定するものではないが、血液脳関門を完全に包囲すること、又は血液脳関門に開口部を形成することが含まれる。包囲法には、限定するものではないが、脳への直接注入(例えば、Papanastassiou等, Gene Therapy 9: 398-406 (2002))、間質性注入/対流強化送達(例えば、Bobo等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 2076-2080 (1994)参照)、及び脳への送達装置の移植(例えば、Gill等, Nature Med. 9: 589-595 (2003);及びGliadel WafersTM, Guildford Pharmaceutical参照)が含まれる。関門に開口を形成する方法には、限定するものではないが、超音波(例えば、米国特許出願公開第2004/0038086号参照)、浸透圧(例えば、高浸透圧性マンニトールの投与による(Neuwelt, E. A., Implication of the Blood-Brain Barrier and its Manipulation, Vols 1 & 2, Plenum Press, N.Y. (1989)))、例えば、ブラジキニン又はパーミアライザーA−7による透過性化(例えば、米国特許第5112596号、同第5268164号、同第5506206号、及び同第5686416号参照)、及び抗体をコードする遺伝子を含むベクターによる血液脳関門にまたがるニューロンの形質移入(例えば、米国特許出願公開第2003/0083299号)が含まれる。
血液脳関門を越えて抗体を搬送する幹細胞に基づく方法は、対象の抗体を発現するように神経前駆細胞(NPC)を遺伝的に操作し、次いで、治療する個体の脳に幹細胞を移植することを伴う。詳細なオンライン文献であるBehrstock等 (2005) Gene Ther. 15 Dec. 2005(神経栄養因子GDNFを発現するように遺伝子操作したNPCが齧歯類及び霊長類のモデルの脳に移植した場合にパーキンソン病の症状を低減したことを報告している)を参照。
本発明の抗Bv8抗体は、医学的実用性に合わせた様式で調製し、1回分に分けて、投与される。ここで考慮する要因は、治療する特定の疾患、治療する特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、疾患の原因、薬剤の運搬部位、投与の方法、投与の日程計画、及び医師が知る他の因子を含む。必要ではないが場合によっては、問題の疾患を予防するか又は治療するために一般に用いられる一つ以上の作用剤と抗体とを調製する。そのような他の作用剤の有効量は、製剤中の抗体の量、疾患の型又は治療、及び上記の他の因子に依存する。これらは、一般的に、ここに記載されるものと同じ用量及び投与経路で、又はここに記載される用量の1〜99%で、或いは経験的/臨床的に適切と判断される任意の用量及任意の投与経路で、用いられる。
本発明の抗Bv8抗体は、特定の細胞又は組織におけるBv8の発現を検出するアッセイ(例えば診断アッセイ又は予後のアッセイ)に有用であり、このアッセイでは抗体は後述のように標識され、及び/又は不溶性の基質に固定される。
別の態様では、本発明は、試料中のBv8-抗Bv8抗体複合体を検出することを含む、Bv8の検出方法を提供する。本明細書において、用いられる「検出」なる用語は、コントロールに対する参照の有無にかかわらず、定性的及び/又は定量的な検出(測定レベル)を含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の何れかの抗Bv8抗体を提供するものであって、この抗Bv8抗体は検出可能な標識を含んでなる。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の何れかの抗Bv8抗体とBv8の複合体を提供する。いくつかの実施態様では、複合体はインビボ又はインビトロである。いくつかの実施態様では、複合体は癌細胞を含んでなる。いくつかの実施態様では、抗Bv8抗体は検出可能に標識される。
例えば、所望する起源から試料を得て、抗体が混合物中に存在する任意のBv8と抗体/Bv8複合体を形成するように試料と抗Bv8抗体を混合させ、混合物に存在する任意の抗体/Bv8複合体を検出することによって、Bv8に関して生物学的試料をアッセイすることができる。特定の試料に適した当該分野で知られた方法によって、アッセイのために生物学的試料を調製することができる。用いられるアッセイの型によって、抗体と試料を混合させる方法、及び抗体/Bv8複合体を検出する方法を選択する。そのようなアッセイには、免疫組織化学法、競合及びサンドイッチアッセイ、及び立体阻害アッセイが含まれる。試料の調製のために、哺乳類動物(典型的にはヒト患者)からの組織又は細胞試料が使用され得る。試料の例は、限定するものではないが、例えば結腸、前立腺、卵巣、肺、胃、膵臓、リンパ腫、及び白血病癌細胞等を含む。また、Bv8は血清で測定されてもよい。試料は、当該技術で知られる様々な手順によって得られ、限定するものではないが、外科的切除、吸引(aspiration)、生検を含む。組織は、フレッシュ又は冷凍であり得る。一実施態様では、試料は、パラフィン又は同様なものに固定及び包埋される。組織試料は、一般的な方法 (例えば“Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology,” 3rd edition (1960) Lee G. Luna, HT (ASCP) Editor, The Blakston Division McGraw-Hill Book Company, New York; The Armed Forces Institute of Pathology Advanced Laboratory Methods in Histology and Pathology (1994) Ulreka V. Mikel, Editor, Armed Forces Institute of Pathology, American Registry of Pathology, Washington, D.C.を参照)によって固定(つまり保存)され得る。当業者であれば、試料が、組織学的に染色されるか、又は他の方法で分析されるかといった目的により、固定剤の選択が決定されると理解しているであろう。また、当業者であれば、固定長さが、組織試料の大きさ及び使用した固定剤に依存していることを理解しているであろう。例を挙げると、中性の緩衝ホルマリン、ブアン、又はパラホルムアルデヒドを、試料の固定に使用することができる。一般的に、試料をまず固定し、ついで、上昇列のアルコールを介して脱水され、浸潤させ、組織試料を切片化可能なように、パラフィン又は他の切片用培地に包埋される。また、組織を切片化し、得られた切片を固定することもできる。例として、組織試料は包埋し、一般的な方法により、パラフィンにおいてプロセシングすることができる(例えば、「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」, 上掲を参照)。使用可能なパラフィンの例には、限定されるものではないが、Paraplast、Broloid、及びTissuemayが含まれる。ひとたび組織試料が包埋されると、試料はミクロトーム等により切片化することができる(例えば、「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」, 上掲を参照)。この手順の例として、切片は、約3ミクロンから約5ミクロン厚の範囲とすることができる。切片化すると、切片はいくつかの標準的な方法により、スライドに付着させられる。スライド用付着剤の例には、限定されるものではないが、シラン、ゼラチン、ポリ-L-リジン等が含まれる。例として、パラフィン包埋切片は、正に帯電したスライド及び/又はポリ-L-リジンでコーティングされたスライドに付着させることができる。パラフィンが包埋物質として使用されているならば、組織切片は、一般的に脱パラフィン化され、水に再水和される。組織切片は、いくつかの一般的な標準方法により、脱パラフィン化することができる。例えば、キシレン及び徐々に下降列のアルコールを使用することができる(例えば、「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」, 上掲)。また、商業的に入手可能な脱パラフィン用の非有機剤、例えばホモ-De7(CMS, Houston, Texas)が使用可能である。
Bv8についての分析法では、すべて、1つ又はそれより多い次の試薬を用いる:標識Bv8アナログ、固定化Bv8アナログ、標識抗Bv8抗体、固定化抗Bv8抗体及び立体コンジュゲート。標識試薬は、「トレーサー」としても知られている。
用いられる標識はBv8と抗Bv8抗体の結合を干渉しないいくらか検出可能な機能がある。イムノアッセイでの使用のための多くの標識が公知であり、例えば、直接検出されうる成分、例えば、蛍光色素、化学発光、及び放射性標識、並びに検出されるように反応される又は誘導体化される酵素などの成分がある。このような標識の例には、ラジオアイソトープ32P、14C、125I、3H、及び131I、フルオロフォア、例えば希土類キレート又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルシェフェラーゼ、例えばホタルルシェフェラーゼ及び細菌ルシェフェラーゼ(米国特許第4737456号)、ルシェフェリン、2,3-ジヒドロフタルジネジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ、例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘテロサイクリックオキシダーゼ、例えばウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ、色素前駆体、例えばHRP、ラクトペルオキシダーゼ、又はマイクロペルオキシダーゼ、ビオチン/アビジン、スピンラベル、バクテリオファージラベル、安定な遊離ラジカルなどを酸化する過酸化水素を利用する酵素とカップリングさせたもの、などが含まれる。
試料におけるタンパク質の発現は、免疫組織化学及び染色プロトコールを用いて試験しうる。組織切片の免疫組織化学染色は、試料中のタンパク質の存在を評価ないしは検出するための確実な方法であることが示されている。免疫組織学法(「IHC」)技術は、抗体を用いて、一般的には色素生産性方法又は蛍光性方法によって、インサイツで細胞性抗原を探索して視覚化する。試料の調整では、哺乳動物(典型的にはヒト患者)の組織又は細胞試料を用いてもよい。前記試料は、当分野で公知の様々な手順、限定するものではないが、外科的切除、吸引又は生検などによって採取することができる。組織は新鮮なものでも凍結したものでもよい。一実施態様では、前記試料は固定し、パラフィンなどに包埋する。前記組織試料は従来の方法によって固定(すなわち保存)されてもよい。当分野の通常の技術者は、組織学的染色ないしは他の分析に供する試料の目的に応じて固定液を選択することは理解するところであろう。また、当分野の通常の技術者は、組織試料の大きさ及び用いる固定液に応じて固定の長さを決定することも理解するであろう。
一般的に、免疫組織化学に使用する一次及び/又は二次抗体は、検出可能な成分にて標識されるであろう。多くの標識が利用可能である。
場合によって行うブロック処置の後に、一次抗体が組織試料中の標的タンパク質抗原と結合するような好適な条件下と十分な時間、組織切片を一次抗体に曝露させる。これを達成するための好適な条件は慣例的な実験によって決定できる。試料に対する抗体の結合の範囲は、上記の検出可能な標識の何れか一つを用いて決定される。標識は、3,3'-ジアミノベンジジンクロモゲンなどの色素生産性基質の化学変化を触媒する酵素標識(例えばHRPO)であることが望ましい。好ましくは、酵素標識は、一次抗体(例えば、一次抗体はウサギポリクローナル抗体であり、二次抗体はヤギ抗ウサギ抗体である)に特異的に結合する抗体にコンジュゲートさせる。
このようにして調製される検査材料はマウントしてカバーグラスをかけてもよい。その後、例えば顕微鏡を使用してスライドの評価を行い、当分野で通常用いられる染色強度判定基準を用いてもよい。
競合アッセイは、限られた数の抗Bv8抗体抗原結合部位について試験試料Bv8と競合するトレーサーBv8類似体の能力に依存する。一般的に、抗Bv8抗体は、競合の前又は競合の後に不溶化して、次いで抗Bv8抗体に結合したBv8とトレーサーを結合していないトレーサーとBv8から分離する。この分離は、別の容器へ移す(結合パートナーが予め不溶化された場合)か、又は遠心分離する(結合パートナーが競合反応の後で沈殿した場合)ことにより達成される。マーカー物質の量で測定されるように、試験試料Bv8の量は結合したトレーサーの量に反比例する。Bv8の既知量による用量-反応曲線を作成して、試験結果と比較して試験試料に存在するBv8の量を量的に決定する。検出可能なマーカーとして酵素が用いられる場合に、これらのアッセイはELISAシステムと呼ばれている。
「均質な」アッセイと称される競合アッセイの他の種類は、相分離を必要としない。ここで、Bv8と酵素とのコンジュゲートが調製され、抗Bv8抗体がBv8に結合する場合に抗Bv8抗体の存在により酵素活性が修飾されるように用いられる。この場合、Bv8又はその免疫学的に活性な断片は、二機能性有機架橋によって、ペルオキシダーゼなどの酵素にコンジュゲートされる。抗Bv8抗体の結合が標識の酵素活性を阻害するか又は強化するために、抗Bv8抗体により使用についてコンジュゲートを選別する。この方法自体は、EMITという名前で広く実施される。
サンドイッチアッセイは、Bv8又は抗Bv8抗体の測定のために特に有用である。一連のサンドイッチアッセイにおいて、固定された抗Bv8抗体を用いて、試験試料Bv8を吸着し、洗浄によって、試験試料を除去し、結合したBv8を用いて第二の標識した抗Bv8抗体を吸着して、次いで結合した材料を残留するトレーサーから分離する。結合したトレーサーの量は、試験試料Bv8に正比例する。「同時」サンドイッチアッセイにおいて、試験試料は、標識した抗Bv8を加える前に分離されない。一抗体として抗Bv8モノクローナル抗体を、他方の抗体としてポリクローナル抗Bv8抗体を用いる一連のサンドイッチアッセイは、試料をBv8について試験する際に有用である。
前述は、単にBv8のための例示的な検出アッセイにすぎない。Bv8の測定のために抗Bv8抗体を用いる、現在の他の方法又は今後開発される方法は、本明細書に記載のバイオアッセイを含め、本願の権利内に包含される。
ポリヌクレオチド(例えばmRNA)の検出方法は周知であり、例えば、相補的DNAプローブを用いたハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、標識したBv8のリボプローブを用いたインサイツハイブリダイゼーション)、ノーザンブロット及び関連した技術、及び様々な核酸増幅アッセイ(例えば、Bv8に特異的な相補的プライマーを用いたRT-PCR及び、他の増幅型の検出法、例えば枝分れDNA、SPIA、Ribo-SPIA、SISBA、TMAなど)が含まれる。
プローブ及び/又はプライマーは、検出可能なマーカー、例えば放射性同位体、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤又は酵素にて標識されてもよい。このようなプローブ及びプライマーを、試料中のBv8のポリヌクレオチドの存在を検出するため、及び、Bv8のタンパク質を発現する細胞を検出するための手段として用いることができる。技術者に理解されるように、多数の異なるプライマー及びプローブは、(例えば、本願明細書中で示される配列に基づいて)調製されてもよく、Bv8のmRNAの有無及び/又は量を増幅、クローン化及び/又は決定するために効率的に用いてもよい。
生物学的試料は、本明細書、例えば生物学的試料の定義に記載されている。
本発明の他の態様では、上記の疾患の治療、予防及び/又は診断に有用な物質を含む製造品が提供される。該製造品は容器と該容器上又は該容器に付随するラベル又はパッケージ挿入物を具備する。好適な容器には、例えば、ビン、バイアル、シリンジ等々が含まれる。容器は、様々な材料、例えばガラス又はプラスチックから形成されうる。容器は、症状を治療、予防及び/又は診断するのに有効な組成物を収容し、滅菌アクセスポートを有しうる(例えば、容器は皮下注射針が貫通可能なストッパーを有するバイアル又は静脈内投与溶液バッグでありうる)。組成物中の少なくとも一つの活性剤は本発明の抗体である。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物が喘息のような選択した症状の治療に使用されることを示す。更に、製造品は、(a)本発明の抗体を含有する組成物を中に収容する第一の容器;と(b)組成物を中に収容する第二の容器とを含みうる。本発明のこの実施態様における製造品は、第一及び第二の抗体組成物を癌などの特定の症状の治療に使用することができることを示しているパッケージ挿入物を更に含む。あるいは、もしくは付加的に、製造品は、薬学的に許容されるバッファー、例えば注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー液及びデキストロース溶液を含む第二の(又は第三の)容器を更に具備してもよい。更に、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業上及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
この実施例は、Bv8に対するネズミ科抗Bv8抗体のヒト化を示す。残基の番号はカバット(Kabat et al., Sequences of proteins of immunological interest, 5th Ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))に従う。一文字アミノ酸表記を用いる。
組み換えヒトBv8細胞外ドメインポリペプチド(PeproTech, Rock Hill, NJ)にてマウスまたはハムスターを免疫化することによって抗Bv8抗体を生成した。図2A、2B、3A、3B、4Aおよび4Bに示す可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)を含む、マウスハイブリドーマ由来のクローン2G9、2B9、3F1を選択した。図5Aおよび5Bに示すVHおよびVL配列を含む、ハムスターハイブリドーマ由来のクローン2D3も選択した。
RNeasyミニキット(カタログ番号74104; QIAGEN; Valencia, CA)を用いて、マウス抗Bv8モノクローナル抗体である2B9、3F1および2G9並びにハムスター抗Bv8モノクローナル抗体である2D3をそれぞれ産生するハイブリドーマ細胞から全RNAを抽出した。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)のドメインは、以下の変性プライマーを用いたRT−PCRを用いて増幅した。
2B9 軽鎖(LC)フォワード:
5’GTCAGATATCGTKCTSACMCARTCTCCAGCAATMA3’(配列番号:225)
2B9 重鎖(HC)フォワード:
’GATCGACGTACGCTCAGGTGACKCTGAARGAGTCWGG3’(配列番号:226)
3F1 軽鎖(LC)フォワード:
5’GTACGATATCGTKCTSACCCARTCTCC3’(配列番号:227)
3F1 重鎖(HC)フォワード:
5’GATCGACGTACGCTCAGGTGACKCTGAARGAGTCWGG3’(配列番号:228)
2G9 軽鎖(LC)フォワード:
5’ GTACGATATCGTKCTSACCCARTCTCC 3’(配列番号:229)
2G9 重鎖(HC)フォワード:
’GATCGACGTACGCTGAGGTYCAGCTSCAGCAGTCTGG3’(配列番号:230)
2D3 軽鎖(LC)フォワード:
5’ GATCGATATCCARATGACNCARACNCC 3’(配列番号:231)
2D3 重鎖(HC)フォワード:
5’ GATCGA CGTACGCTGARGTGCARYTGGTGGARTCTGG3’(配列番号:232)
軽鎖リバース:5’GCTGTAGGTGCTGTCTTTGCT3’(配列番号:233)
重鎖リバース:5’CTGGWCAGGGMTCCAGAGTTCCA3’(配列番号:234)
以下のIUBコードに従ってプライマー配列を示す。
IUBコード
G グアニン
A アデニン
T チミン
C シトシン
R (AまたはG)
Y (CまたはT)
M (AまたはC)
K (GまたはT)
S (CまたはG)
W (AまたはT)
H (AまたはCまたはT)
B (CまたはGまたはT)
V (AまたはCまたはG)
D (AまたはGまたはT)
N (AまたはCまたはGまたはT)
フォワードプライマーはVLおよびVH領域のN末端アミノ酸配列に特異的であった。それぞれ軽鎖(LC)および重鎖(HC)リバースプライマーは、消化して、種間で高く保存されている定常軽鎖(CL)および定常重鎖ドメイン1(CH1)内の領域にアニールさせた。
その後、増幅したPCR産生物をTAクローニングベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)にライゲートし、配列決定した。次いで、同定したVL DNA配列を、ヒトκ定常ドメインを含むpRK哺乳動物細胞発現ベクター(Carter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 4285-4289 (1992))内にサブクローニングした。VH DNA配列は、完全長ヒトγ1定常ドメインをコードするpRKベクター内に挿入した。
LCおよびHCの発現ベクターは、Fugene形質移入試薬(Roche, Mannheim, Germany)を用いてアデノウイルス形質転換ヒト胚性腎細胞株293に同時形質移入した。抗体は、無血清培地中で製造され、プロテインAクロマトグラフィにて精製した。
この作業に用いたファジミドは一価性Fab−g3ディスプレイベクターであって、単一phoAプロモーターの制御下の2つのオープンリーディングフレームからなる。第一オープンリーディングフレームは、stIIシグナル配列とそれに融合したアクセプター軽鎖のVL及びCLドメインからなり、第二オープンリーディングフレームは、stIIシグナル配列とそれに融合したアクセプター重鎖のVH及びCH1ドメインと、それに続くマイナーファージコートタンパク質P3からなる。
抗Bv8抗体のCDR移植変異体を生成する前に、マウス抗体の可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)ドメインをヒトコンセンサス配列と配列アラインさせた。
クローン2B9および3F1では、ヒトコンセンサス軽鎖κI(huKI)とヒトコンセンサス重鎖サブグループIII(huGIII)は最も近いヒトフレームワークであり、マウス2B9(m2B9)およびマウス3F1(m3F1)の軽鎖および重鎖の配列の高頻度可変領域は、huKIおよびhuGIIIコンセンサスアクセプターフレームワークにそれぞれ移植し、h2B9.v1(図6Aおよび6B)およびh3F1.v1(図4Aおよび4B)と称する直接CDR移植変異体を生成した。
興味深いことに、クローン2G9では、マウス2G9に最も近いヒトフレームワークは、ヒトコンセンサス軽鎖κIV(huKIV)およびヒトコンセンサス重鎖サブグループI(huGI)であった。ゆえに、初め、マウス2G9(m2G9)の軽鎖および重鎖の高頻度可変領域は、huKIおよびhuGIIIにだけでなく、huKIVおよびhuGIコンセンサスアクセプターフレームワークにそれぞれ移植し、h2G9.K1G1、h2G9.K1G3、h2G9.K4G1およびh2G9.K4G3として識別される4つの異なるCDR移植変異体を生成した(図14および15)。ヒトVLκサブグループIVコンセンサスフレームワーク配列からカバット軽鎖HVR配列を除いたものは配列番号:240に示される。ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワーク配列から重鎖HVR配列を除いたものは配列番号:241に示される。図1Gを参照のこと。VLドメインでは、以下の領域を、ヒトコンセンサスアクセプター:L1の24−34位、L2の50−56位およびL3の89−97位に移植した。VHドメインでは、H1の26−35位、H2の49−65、71および73位、H3の95−102位に移植した。
各々の高頻度可変領域に別々のオリゴヌクレオチドを用いて、ファージ上に表出したFabとIgGとしてキュンケル突然変異誘発により、直接CDR移植変異体(h2B9.v1、h3F1.v1、h2G9.K1G1、h2G9.K1G3、h2G9.K4G1、h2G9.K4G3)を生成した。正しいクローンはDNA配列決定法によって識別した。
4つのCDR移植抗Bv8抗体変異体であるh2G9.K1G1、h2G9.K1G3、h2G9.K4G1およびh2G9.K4G3の結合親和性は、本明細書中に記載のBIAcoreTM−3000機器を用いたBiacoreによって測定した。加えて、ここに記載のように、4つの変異体のBv8中和活性を調べるために、副腎皮質内皮細胞(ACE)増殖アッセイを行った。
Biacore分析の結果は、変異体h2G9.K1G1およびh2G9.K1G3が、h2G9.K4G1およびh2G9.K4G3と比較して高濃度の分析で有意に速い解離速度を有していたことを示した。さらに、ACE増殖アッセイは、4つの変異体の中でも、変異体h2G9.K4G1がACE細胞へのBv8の結合をほとんど完全に遮断したので、最も良好な活性を有していたことを示した。しかしながら、BIAcore分析とACE増殖アッセイは、h2G9.K4G1抗Bv8抗体の結合親和性と中和活性はキメラ2G9抗Bv8抗体のものよりも低かったことを示した。ゆえに、抗Bv8抗体h2G9.K4G1は親和性成熟について選択されており、さらにその結合親和性を改善していた。
抗Bv8抗体h2G9.K4G1の親和性成熟開始前に、HVR配列を、製造工程の間の異性化、システイン不対合および脱アミドに関する起こりうる安定性の問題について分析した。潜在的な問題は以下の部位に認識した。(i) 軽鎖可変配列の28位および29位の隣接残基、(ii) 重鎖可変配列の52a位、(iii) 重鎖可変配列の54位、および(iv) 重鎖可変配列の95位および96位の隣接残基。
上記の残基位置に単一アミノ酸置換を有する抗Bv8抗体h2G9.K4G1の変異体を生成し、各変異体をファージ上にFabとして表出させた。以下の単一アミノ酸修飾を有する全12の変異体を生成し、その結合親和性をファージ競合ELISAによって評価した。CDR-L1 - D28E、D28S、G29A、G29S;CDR-H2 - C52aA、C52aS、N54A、N54S;CDR-H3: D95E、D95S、G96A、G96S。h2G9.K4G1と比較して12の変異体の結合親和性を図14Aおよび14Bに示す。図は、ほとんどの変異体が同じかまたはわずかに改善した結合親和性を持っていたことを示す。驚いたことに、CDR−H3内にD95S置換を有する変異体は1μMのヒトBv8で完全に結合を失っていた。さらに、CDR−H3内にD95E置換を有する変異体は、h2G9.K4G1と比較して100倍の顕著な結合親和性の低下を示した。
h2G9.K4G1.Polishとして識別したクローンは、以下の4つすべてのアミノ酸置換、CDR-L1 - D28S;CDR-H2 - C52aS、N54S;CDR-H3: G96Sを組み合わせて作製した。BIAcore分析は、キメラ2G9 Fabおよびh2G9.K4G1.Polish Fabについて同程度の結合親和性を示し、キメラ2G9 IgGおよびh2G9.K4G1.Polish IgGはいずれもBv8誘導性ACE細胞増殖の完全な遮断を示した(図21)。さらに、CDR-L1 - D28S;CDR-H2 - C52aS、N54S;CDR-H3: G96Sでのアミノ酸置換(抗Bv8抗体h2G9.K4G1.Polish)は、予測外にも、キメラ2G9抗Bv8抗体のものに近い結合親和性に戻した。
各々の高頻度可変領域に配列多様性を導入して、ネズミ科高頻度可変領域配列に対するバイアスを維持するソフトランダム化方策を用いてクローンh2G9.K4G1.Polishについての親和性をさらに改善した。これは、Gallop et al., J. Med. Chem. 37:1233-1251 (1994)に最初に記載されたポイズン(poisoned)オリゴヌクレオチド合成方策を用いて達成された。変異させる高頻度可変領域内の所定の位置について、野生型のアミノ酸をコードするコドンを、各々の位置について平均50%の変異率となるように70−10−10−10のヌクレオチド混合物でポイズン化した。ソフトランダム化オリゴヌクレオチドは、ネズミ科高頻度可変領域配列にならって作製され、直接高頻度可変領域移植によって定められる同じ領域を包含した。
各々の高頻度可変領域について設定したランダム化オリゴヌクレオチドは、660ngのオリゴヌクレオチド、50mM トリス pH7.5、10mM MgCl2、1mM ATP、20mM DTT及び5Uポリヌクレオチドキナーゼを含有する20μLの反応液中で、37℃で1時間かけて別々にリン酸化した。次いで、6つのリン酸化したオリゴヌクレオチドプールを、20μgのキュンケル鋳型を含む50mM トリス pH7.5、10mM MgCl2と合わせ、終体積500μlにし、鋳型に対するオリゴヌクレオチド比率を3とした。混合物は、90℃で4分間、50℃で5分間アニーリングし、その後氷上で冷ました。過剰のアニールしなかったオリゴヌクレオチドは、変更プロトコールを用いたQIAquick PCR精製キット(カタログ番号28106, QIAGEN Inc., Valencia, CA)にて除去し、アニールしたDNAの過度な変性を予防した。500μlのアニールした混合物に対して、150μlのPBを添加し、混合物を2つのシリカカラムに分けた。各々のカラムを750μlのPEにて洗浄した後、さらに回転させてカラムを乾燥させ、各々のカラムを、110μlの10mM トリス、1mM EDTA、pH8にて溶出した。次いで、アニールして浄化した鋳型(220μl)を、1μlの100mM ATP、10μlの25mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP及びdTTPを各々25mM) 、15μlの100mM DTT、25μlの10×TMバッファ(0.5M トリス pH7.5、0.1M MgCl2)、2400UのT4リガーゼ、及び30UのT7ポリメラーゼを添加することによって満たし、室温に3時間置いた。
満たした生成物をトリス−アセテート−EDTA/アガロースゲルにて分析した(Sidhu et al., Methods in Enzymology 328:333-363 (2000))。通常3つのバンドが可視化され、下のバンドは正しく満たされライゲートされた生成物であり、真ん中のバンドは満たされているがライゲートしなかった生成物であり、上のバンドは変位した鎖である。上のバンドはT7ポリメラーゼの内因性側鎖活性によって生成され、避けることが難しい (Lechner et al., J. Biol. Chem. 258:11174-11184 (1983))。しかしながら、このバンドは上のバンドの30分の1の効率で形質転換されるので、通常ライブラリにはほとんど影響しない。この真ん中のバンドは最終ライゲーション反応物に5'リン酸塩がないことによるものであり、このバンドは、効率よく形質転換され、残念ながら主に野生型の配列とする。
次いで、満たした生成物を浄化し、SS320細胞に電気穿孔し、 Sidhu et al., Methods in Enzymology 328:333-363 (2000)に記載のようにM13/KO7ヘルパーファージの存在下で増殖させた。ライブラリのサイズは1〜2×109の独立クローンとなった。開始ライブラリからのランダムなクローンを配列決定し、ライブラリの質を評価した。
ヒトBv8(PeproTech)をファージ選別の標的として用いた。第一ラウンドパニングのために、PBS中10μg/mlのヒトBv8をMaxiSorpマイクロタイタープレート(Nunc)にコートした。第一ラウンドの選別のために、8ウェルの標的を用い、単一ウェルの標的を選別の次のラウンドに用いた。スーパーブロッカー(Pierce)を用いて1時間かけてウェルをブロックした。培養上清からファージを回収し、1%BSAおよび0.05%トゥイーン20を含有するPBS(PBST)に懸濁した。2時間ウェルに結合させた後、結合しなかったファージは、0.05%トゥイーン20を含有するPBS(PBT)にて十分に洗浄して除去した。結合したファージは、50mM HCl、0.5M KClにてウェルを30分間培養することによって溶出した。ファージは、XL1ブルー細胞(Strategene)及びM13/KO7ヘルパーファージ(New England BioLabs)を用いて増殖および増幅させ、次のラウンドのパニングのために2YT、50μg/mlカルベニシリン中で37℃で終夜生育させた。標的コートウェルから溶出したファージの力価は、非標的コートウェルから回収したファージの力価と比較して、濃縮を評価した。
第二ラウンドの分類の初めに、溶液分類法(Lee, C.V., et al. (2004) J. Mol. Biol 340(5): 1073-93)を用いてファージライブラリを分類し、これにより選別ストリンジェンシーが増加し、親和性改善クローンの単離が可能となる。ヒトBv8は、スルホ−NHS−LC−ビオチン(b-Bv8, Pierce, Rockford, IL)を用いてビオチン化した。マイクロタイターウェルは、PBS中10μg/mlのニュートラビジンにて4℃で終夜かけてコートし、次いで、スーパーブロッカー(Pierce)を用いて1時間かけてブロックした。選別の第二ラウンドでは、PBSTバッファに懸濁した200μlのファージを、5nM b−Bv8と室温(RT)で2時間かけて混合した。b−Bv8に結合したファージは、ニュートラビジンコートウェルにRTで15分かけて捕捉し、結合しなかったファージはPBTバッファにて洗い流した。ファージは、100mM HClを用いて30分かけて溶出し、中和し、上記のように増殖させた。ラウンド3および4ではb−Bv8終濃度を0.1nMとし、ラウンド5ではb−Bv8終濃度を0.05nMとした点を除き、ラウンド2選別と同様に以降の選別ラウンドを行った。ラウンド4および5の初めに、b−Bv8とのファージ結合の後、500および1000倍過剰量の非ビオチン化ヒトBv8をそれぞれ混合物に添加し、RTに1〜2時間置き、ニュートラビジン上への捕捉前に速い解離速度の結合体を競合させた。
MAXISORPTMマイクロタイタープレートは、PBS中2μg/mlの組み換えヒトBv8(PeproTech)にて終夜をかけてコートし、次いで、PBSTバッファ(0.5%BSAおよび0.05%トゥイーン20を含むPBS)にて室温(RT)で1時間かけてブロックした。培養上清からのファージは、組織培養マイクロタイタープレート中でPBSTバッファにて段階的に希釈したヒトBv8と共にRTで1時間培養し、その後、80μlの混合物を標的コートウェルに移し、15分置いて、結合していないファージを捕捉した。プレートをPBTバッファ(0.05%トゥイーン20を含むPBS)にて洗浄し、HRP−コンジュゲート抗M13(Amersham Pharmacia Biotech)を添加(PBSTバッファ中1:5000)して40分置いた。プレートをPBTバッファにて洗浄し、テトラメチルベンジジン基質(Kirkegaard and Perry Laboratories, Gaithersburg, MD)を添加することによって反応させた。450nmの吸光度を溶液中の標的濃度に対してプロットし、ファージIC50を決定した。これは、ファージ表面上に表出したFabクローンについての親和性概算値として用いた。図14Aおよび14Bは、ヒトBv8に対する精製(polish)したh2G9.K4G1変異体(L1: D28E、D28S、G29A、G29S、H2: C52aA、C52aS、N54A、N54S、H3: D95E、D95S、G96AおよびG96S)の結合を示すファージ競合アッセイの結果を示す。図16および17は、ヒトBv8に対する親和性改善h2G9.K4G1.Polish変異体(L1/L2ソフトランダム化ライブラリからのh2G9.K4G1.v27、v52、v55、v63、v64、v67、v77、v80;H1/H2ソフトランダム化ライブラリからのh2G9.K4G1.v19、v25、v37、v65、v73、v75、v77、v92)の結合を示すファージ競合アッセイの結果を示す。
抗Bv8抗体(FabまたはIgG)の結合親和性を決定するために、BIAcoreTM-3000機器による表面プラスモン共鳴(SRP)測定を用いた。簡単に言うと、提供者の指示に従って、CM5バイオセンサーチップはEDCおよびNHS試薬にて活性化し、ヒトBv8(PeproTech)またはカニクイザル(Genentech; PUR21590)をカップリングさせ、およそ150応答単位(RU)を達成し、その後1Mのエタノールアミンにて反応していない基をブロックした。動態学的な測定のために、抗Bv8 Fab(0.19nMから25nM)またはIgG(0.019nMから10nM)の2倍の段階希釈物を含むHBS-Pバッファ(0.01M HEPES pH 7.4、0.15M NaCl、0.005% 界面活性剤P20)を、30μl/分の流速で25℃で注入した。会合(結合)速度(kon)と解離速度(koff)は、単一の1対1ラングミュア結合モデル(BIAcore評価ソフトウェアバージョン3.2)を用いて算出した。平衡解離定数(Kd)を比率koff/konとして算出した。図18から21を参照のこと。結果は、ヒト化抗Bv8抗体であるh2G9.K4G1.v19およびh2G9.K4G1.v55が、キメラ2G9抗Bv8抗体より少なくとも2倍の強さでヒトおよびカニクイザルのBv8に結合することを示す。
ACE細胞は、6ウェルプレートの増殖培地中で1ウェル当たり5000細胞の密度で播種した。阻害アッセイのために、初めに抗Bv8抗体を示した濃度(μg/ml)で添加した。0.5〜1時間後、ヒトBv8(Peprotech)を10nMの終濃度にまで添加した。6日後、各々のウェルに1mlの2×トリプシン(GIBCO)を添加することによって細胞を解離し、Z2コールター粒子計数とサイズ分析機(Beckman Coulter)を用いて2通りのウェルを計数した。図12、13、15、23および24を参照のこと。図23は、ヒト化抗Bv8抗体であるh2G9K4G1.v19、h2G9K4G1.v52、h2G9K4G1.v55およびh2G9K4G1.v73が、ヒトBv8誘導性ACE増殖の遮断において有意な改善を示したことを示す。
NUNCTM96ウェルMaxisorpイムノプレート(NUNC; Roskilde, Denmark)を、1μg/mlのキメラ2B9 IgGを含むPBSにて終夜をかけてコートし、次いで、PBSTバッファ(0.5% BSAおよび0.05% トゥイーン20を含むPBS)にて室温で1時間かけてブロックした。ヒトBv8のビオチン化は、EZ-結合 スルホ-NHS-LC-ビオチン(カタログ番号21335; Pierce; Rockford, IL)試薬を1:4(HuBv8:ビオチン)のモル比で使用して調製した。
競合アッセイにおいてビオチン化したヒトBv8の量を決定するために、100nMから0.04nMの3倍の段階希釈したビオチン化ヒトBv8を抗体コートプレートに添加して15分置いた。次いで、そのプレートをPBTバッファ(PBSおよび0.05% トゥイーン20)にて洗浄した。結合したビオチン化はストレプトアビジンを用いて検出した。このストレプトアビジンは、西洋ワサビペルオキシダーゼ(カタログ番号21126; Pierce; Rockford, IL)とコンジュゲートし、PBSTバッファで1:2500に希釈したものである。45分間インキュベートした後、プレートを洗浄し、100μlのテトラメチルベンジジン(R&D Systems)を各々のウェルに添加して、およそ5分間おき、シグナルの顕色を誘導した。青色が見られたら、100μlの1M リン酸塩を各ウェルに添加し、顕色反応を止めた。吸光度は450nmの分光測定により読み取った。
キメラ2B9によりBv8抗体エピトープをマッピングするために、IgG(キメラ2B9、キメラ3F1、キメラ2D3、キメラ2G9およびコントロールIgG)の3倍段階希釈物を、まず、上記結合アッセイによって決定した2nMのビオチン化ヒトBv8を含むPBSTバッファ中で室温で1〜2時間インキュベートし、次いで、それを抗体(キメラ2B9 IgG、1μg/ml)コートプレート上に移して15分置いた。次いで、プレートをPBTバッファにて洗浄し、プレート上のキメラ2B9 IgGに結合したビオチン化ヒトBv8の量を、上記のプロトコールによって検出した。
競合アッセイでは、キメラ3F1およびキメラ2G9抗体はヒトBv8に結合するキメラ2B9と競合したことから、両抗体はキメラ2B9とオーバーラップしたエピトープを有していることが示唆される。しかしながら、キメラ2D3のみは、ヒトBv8に結合するキメラ2B9抗体と部分的に競合したことを示したことから、キメラ2D3抗体はキメラ2B9並びにキメラ3F1およびキメラ2G9抗体とは異なるエピトープを有しうることが示唆される(図11)。
ヒトHT−55、Colo−205(結腸直腸カルシノーマ)、A673(横紋筋肉腫)、HPAC(膵臓カルシノーマ)およびCalu−6(肺カルシノーマ)細胞をアメリカ培養細胞保存機関(Manassas, VA)より入手した。ヒト結腸直腸カルシノーマHM7細胞株はLS 174Tの派生体である。Calu−6、A673、HPACおよびHM7をハムF12、低グルコースDMEM1:1中で生育させた。Colo−205およびHT−55はRPMI1640培地中で生育させた。両培地は、10% v/v FBS、1%v/v ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen, Carlsbad, CA)、2mM L-グルタミン(Invitrogen, Carlsbad, CA)および1μg/ml FUNGIZONETM(Invitrogen, Carlsbad, CA)を補充した。細胞は、コンフルエンスな状態にまで37℃、5%CO2で生育させ、回収し、1mlあたり15×106細胞で滅菌マトリゲルに懸濁した。異種移植片は、6〜8週齢のBALB/cヌードマウス(Charles River; Hollister, CA)の背側腹に1マウスあたり1.5×106細胞を皮下(S.C.)注射により摂取し、成長させた。週2回10mg/kgの用量の抗Bv8抗体であるキメラ2D3、キメラ3F1、キメラ2B9およびキメラ2G9、ヒト化2G9変異体19、ヒト化2G9変異体55およびヒト化2G9.K4G1.Polishのi.p.による処置は腫瘍細胞の接種後24時間に開始した。コントロールとして、10mg/kgの抗GP-120 Mab、週2回と、5mg/kgの抗VEGF Mab G6.31またはB20、週2回を用いた(Liang, W.C., et al., J Biol Chem 281, 951-961 (2006))。すべての実験の移植した腫瘍は、カリパーを用いて長軸および垂直軸に沿って週2回測定した。腫瘍体積は、楕円体の体積式(0.5×L×W×W)を用いて算出し、すべての処置において1群あたり10マウスからの平均腫瘍体積と標準偏差を図に示した。また、抗Bv8抗体は、抗VEGF抗体と組み合わせて用いると、LXFL529ヒト肺非小細胞カルシノーマにおいて相加効果を有する。ベージュヌードマウス(n=7〜9)に、LXFL529ヒト肺非小細胞カルシノーマ細胞を移植した。次いで、腫瘍の移植後24時間以内に、マウスを、コントロール抗ブタクサ1428および抗Bv8マウス抗体(3F1および2B9)にて処置した。腫瘍がおよそ400mm3に達した後にマウスを抗VEGF抗体にて処置した。結果は、単剤として及び抗VEGF抗体と組み合わせたキメラ及びヒト化抗Bv8抗体による処置により様々な腫瘍において腫瘍増殖が低減したことを示す。図25から37を参照のこと。
Maxisorp384ウェルプレートは、1μg/mlの親マウス2G9 IgG1抗体を含む25μl/ウェルの50mM 炭酸ナトリウムバッファ、pH9.6にて4℃で終夜をかけてコートした。プレートは、0.05%ポリソルベート、pH7.4を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)にて洗浄し、80μl/ウェルの0.5% BSA、10ppm Proclin、pH7.4を含むPBSにて遮断した。室温で1時間インキュベートした後、プレートを洗浄した。0.5% BSA、0.05% ポリソルベート20、pH 7.4およびビオチン化ヒトBv8(終濃度0.5ng/mlまたは57pM)を含むPBSに段階希釈したヒト2G9抗体(0.11pM〜180nM)の混合物を25μl/ウェル添加した。2時間のインキュベートの後、プレートを洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートストレプトアビジン(GE Healthcare)を添加した。最後の30分のインキュベートの後、プレートを洗浄し、基質である3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(Kirkegaard & Perry Laboratories)を添加した。1Mのリン酸を添加することによって反応を止め、Multiskan Ascent読み取り機(Thermo Scientific, Hudson, NH)にて450nmの吸光度を読み取った。データ分析のために、4-パラメーター非線形回帰曲線-フィッティングプログラムを用いて力価曲線をフィットし、IC50濃度を決定した(KaleidaGraph, Synergy Software, Reading, PA)。
結果は、ヒト化抗Bv8抗体であるh2G9.K4G1.v19, h2G9.K4G1.v52, h2G9.K4G1.v55, h2G9.K4G1.v73 and h2G9.K4G1.v19H/v55Lは、キメラ2G9およびh2G9.K4G1.Polish抗Bv8抗体と比較して、マウス2G9抗体へのヒトBv8の結合を遮断する能力が大きいことを示す。図22を参照のこと。
本発明は、特定の実施態様であるとみなして参照して記載されており、本発明がこれら実施態様に限定されないことが理解できる。だが、本発明は、添付の特許請求の範囲とその精神の範囲内で施される様々な変更および均等物も包含するものである。
特許請求の範囲を含め本出願全体を通して、「含む」なる用語は、包括的な限定をしない遷移句として用いられ、他の、列挙していない要素または方法工程を除外するものではない。
Claims (27)
- 抗体が、
(1)配列番号:61のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(2)配列番号:62のアミノ酸配列を含むHVR−L2;
(3)配列番号:63のアミノ酸配列を含むHVR−L3;
(4)配列番号:64のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(5)配列番号:65のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び
(6)配列番号:66のアミノ酸配列を含むHVR−H3
を含むか、又はその抗原結合断片を含む、抗Bv8抗体。 - 抗体が、
(1)配列番号:91のアミノ酸配列を含むHVR−L1;
(2)配列番号:92のアミノ酸配列を含むHVR−L2;
(3)配列番号:93のアミノ酸配列を含むHVR−L3;
(4)配列番号:94のアミノ酸配列を含むHVR−H1;
(5)配列番号:95のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び
(6)配列番号:96のアミノ酸配列を含むHVR−H3
を含むか、又はその抗原結合断片を含む、抗Bv8抗体。 - 配列番号:7を含む軽鎖可変ドメインと配列番号:8を含む重鎖可変ドメイン、又はその抗原結合断片を含む、請求項1に記載の抗Bv8抗体。
- 配列番号:11を含む軽鎖可変ドメインと配列番号:12を含む重鎖可変ドメイン、又はその抗原結合断片を含む、請求項2に記載の抗Bv8抗体。
- 抗Bv8抗体が0.02nM未満のKd値でヒトBv8に結合する、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗Bv8抗体。
- 抗Bv8抗体が、配列番号:49のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号:50のアミノ酸配列を含むHVR−L2、配列番号:51のアミノ酸配列を含むHVR−L3、配列番号:52のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号:53のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号:54のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む抗Bv8抗体よりも少なくとも2倍の強さでヒトBv8に結合する、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗Bv8抗体。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体をコードする核酸。
- 請求項7に記載の核酸を含むベクター。
- ベクターが発現ベクターである、請求項8に記載のベクター。
- 請求項8または9に記載のベクターを含む宿主細胞。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体を含む組成物。
- 前記組成物が担体を含む、請求項11に記載の組成物。
- 薬学的組成物である、請求項11または12に記載の組成物。
- (a) 適切な宿主細胞において請求項8または9に記載のベクターを発現させ、(b) 抗体を回収することを含む、抗Bv8抗体の作製方法。
- 宿主細胞が原核生物のものである、請求項14に記載の方法。
- 宿主細胞が真核生物のものである、請求項14に記載の方法。
- 抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含む、腫瘍、癌または細胞増殖性疾患の治療に使用するための請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体。
- 癌が、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、腎臓癌、神経膠芽腫、食道癌、メラノーマ、膀胱癌、卵巣癌、膵癌および肝細胞癌からなる群から選択される、請求項17に記載の抗体。
- 血管形成に関連する病的状態を有する被検体において血管形成を低減または阻害するのに使用するための請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体であって、使用が抗Bv8抗体の有効量を被検体に投与することを含み、それによって被検体において血管形成が低減または阻害される、抗体。
- 前記病的状態が腫瘍性状態である、請求項19に記載の抗体。
- 内皮細胞増殖を阻害するのに使用するための請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体であって、使用が前記抗体の有効量を被検体に投与することを含む、抗体。
- 使用が第二医薬の有効量を被検体に投与することをさらに含み、このとき抗Bv8抗体が第一医薬である、請求項17から21のいずれか一項に記載の抗体。
- 第二医薬が、他の抗体、化学療法剤、細胞障害性剤、抗血管形成剤、免疫抑制剤、プロドラッグ、サイトカイン、サイトカインアンタゴニスト、細胞障害性放射線療法、副腎皮質ステロイド、制吐剤、癌ワクチン、鎮痛剤又は増殖阻害性剤である、請求項22に記載の抗体。
- 第二医薬が抗血管形成剤である、請求項23に記載の抗体。
- 抗血管形成剤が抗VEGF抗体である、請求項24に記載の抗体。
- 抗VEGF抗体がベバシズマブである、請求項25に記載の抗体。
- 化学療法剤の有効量を被検体に投与することをさらに含む、請求項17から26のいずれか一項に記載の抗体。
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