JP5849989B2 - ドロス除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属ストリップの溶融めっき設備におけるスナウト内のドロス除去装置に関する。
鋼帯の連続亜鉛めっき等の金属ストリップの溶融めっき設備において、めっき浴内に金属酸化物、金属間化合物、不純物の酸化物等(以下これらを総称して「ドロス」という)が浮遊する。被めっき材である金属ストリップの表面に、ドロスが付着すると表面欠陥の原因となるので、常時これを除去することが重要である。
まず、金属ストリップの溶融めっき設備の一例を図12により説明する。この図は溶融ポット回りの構成を示す概念図で、Sは金属ストリップ、Mはめっき浴、11は焼鈍炉の出口、12はスナウト、13は溶融ポット、14はシンクロール、15はサポートロール、16はエアワイパである。
連続式の焼鈍炉11で焼鈍された金属ストリップSは、スナウト12に囲まれて焼鈍炉内の還元性ガスの雰囲気のまま、大気に触れることなくめっき浴Mに進入し、シンクロール14に巻きついて反転し、サポートロール15に支持されて垂直上方に引き上げられ、エアワイパ16で表面に付着しためっき厚を調整される。図12中の矢印は金属ストリップSの移動方向を示す。
スナウト12は金属ストリップSを還元性雰囲気のままめっき浴M内に導くことを目的としている。スナウト12内のめっき浴の表面(以下、めっき浴表面という場合がある)には、めっき浴中のアルミニウムの酸化等によって発生したドロスが存在し、これが金属ストリップSの表面に付着しやすい。これはめっき層の形状や外観に影響を与え、製品欠陥の要因となる。
特許文献1には、スナウト内に存在するドロスを除去することを目的として、多孔または隙間を有する板状体とこの板状体を金属ストリップの幅方向と平行に移動させる板状体移動手段を備え、さらにドロスを吸引する吸引手段を備えるドロス除去装置が記載されている。
前者の板状体は例えば金網であり、これを金属ストリップの幅方向と平行に移動させることにより、めっき浴表面にドロスが大量に発生しても、これを機械的にスナウト側壁の一端に移送し、金属ストリップへの付着を防止することができるとしている。また後者の吸引手段は、上記板状体の移動によってスナウト側壁の一端に集められたドロスを排出するためのものである。
一方、特許文献2には、同じくスナウト内に存在するドロスを除去することを目的として、金属ストリップの幅方向両端の一方に鉛直軸回りに旋回可能な案内羽根を備えるとともに、他方にドロスを吸引する吸引手段を備えたドロス除去装置が記載されている。
特許文献2のドロス除去装置では、スナウト内で被めっき材である金属ストリップに接触する位置に機械的な設備を設けることがないので、機器と被めっき材とが接触するおそれがなく、すり疵発生や破断等の事故が発生しないとしている。特許文献2に記載の吸引手段は特許文献1と同様である。
特開2000−273599号公報 特開2006−274414号公報
特許文献2において提案されているドロス除去装置は、案内羽根で発生した波によって、浮遊ドロスが吸引口まで移送されるものの、吸引口がドロスだけでなくめっき浴も多量に吸い込んでしまうため、除去し切れなかった多量のドロスが金属ストリップに接触して欠陥となってしまう問題がある。
本発明の課題は、めっき浴の吸引によるドロス吸引効率の低下を抑え、ドロスの除去を促進し、金属ストリップへのドロスの付着を効果的に抑えることである。
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた。その結果、ドロス吸引部の吸引口の近傍に鍔を設けることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的に、上記課題を解決する本発明の手段は次の通りである。
(1)金属ストリップの溶融めっき設備における溶融ポット入側スナウト内のめっき浴の表面に発生するドロスを除去するスナウト内のドロス除去装置であって、スナウト内のドロスがスナウト外に排出される際に通る配管と、該配管の端部に形成されドロスが前記配管に入る際の入り口となる吸引口とを有し、前記金属ストリップの側縁と対向する位置に設けられるドロス吸引部と、前記金属ストリップを挟んで前記ドロス吸引部と対向する位置に設けられ、前記吸引口に向けてドロスを移送するドロス移送部と、前記配管の周面から、めっき浴の表面に水平な方向であって、前記ドロス移送部に向かう方向に延びる板状の鍔と、を備えることを特徴とするドロス除去装置。
(2)さらに、前記鍔の側縁を挟むように設けられ、めっき浴の深さ方向に延びる邪魔板部を備える(1)に記載のドロス除去装置。
(3)さらに、めっき浴の表面の高さを計測する計測部と、前記計測部が計測した値に基づいて、前記吸引口の位置が前記表面の近傍になるように、前記ドロス吸引部を上下に動かす位置調整部と、を備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載のドロス除去装置。
本発明によれば、鍔を設けることで、めっき浴の吸引によるドロス吸引効率の低下が抑えられる結果、ドロスの除去を促進でき、金属ストリップへのドロスの付着を効果的に抑える。また、吸引口に鍔を設けるのみで、優れた効果を奏する本発明はコストが掛からず容易に実施可能である。
ドロス除去装置の一例を模式的に示す図である。 吸引口を模式的に示す正面図である。 吸引口を模式的に示す平面図である。 ドロス吸引部とドロス移送部の位置関係を説明する図である。 鍔を有さないドロス除去装置のドロス吸引部を示す模式図である。 鍔を有するドロス除去装置のドロス吸引部を示す模式図である。 邪魔板を有するドロス除去装置の一例を示す模式図である。 邪魔板の効果を説明するための図である。 計測部及び位置調整部を有するドロス除去装置の一例を示す模式図である。 発明例2で用いたドロス除去装置を説明するための図である。 浴面深さと、ドロス排出時間の関係を示す図である。 金属ストリップの溶融めっき設備の一例を示す模式図である。
以下、本発明に至った経緯とともに本発明について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
第一実施形態
本発明者らは、めっき浴の代わりに水を用いた簡易的なドロス除去装置に、模擬ドロスとしてプラスチックビーズを浮かべてドロスの挙動を調査した。使用したドロス除去装置が溶融めっき設備に配置された状態を模式的に図1に示した。図1に示すように、ドロス除去装置1は、図12に示すような一般的な溶融めっき設備のスナウト12に取り付けられる。また、図2は、吸引口の模式図であり、図3は鍔を有するドロス吸引部を模式的に示す平面図である。
図1に示すように、ドロス除去装置1は、ドロス吸引部2と、鍔3と、ドロス移送部4とを備える。
ドロス吸引部2は、スナウト12内にあるドロスをスナウト12外に排出できる。本実施形態において、ドロス吸引部2は、配管20と、配管20の端部に形成された吸引口21と、吸引口21から吸い上げたドロスを配管20内を通してスナウト12外に排出するポンプ22と、を有する。
配管20は、吸引口21が吸引したドロスがスナウト12外に排出されるまでの間に通る通路であればよい。このため、配管20が持つ端部の1つが吸引口21としてスナウト12内にあり、配管20が持つ端部の1つがスナウト12外にあればよい。本実施形態において配管20は、円柱状であり、折れ曲がり構造を有し、スナウト12のめっき浴側の端部からスナウト12外に出る構造になっている。
吸引口21は、配管20の端部に形成され、ドロスが配管20に入る際の入り口になる部分である。本発明において、吸引口21の形状や配置場所は特に限定されないが、以下の形状、配置場所が好ましい。
図2を用いて、吸引口21の形状と配置場所を説明する。本発明において、吸引口21の開口面の下端から吸引口21上端までの長さt、めっき浴表面に水平な方向と開口面とが成す角θを特定の範囲に調整することが好ましい。例えば、後述する浴面深さ、吸引口21の配置場所、ドロスD(図中のDはドロスを指す)の量(ドロスDの量はドロス深さt(ドロスのめっき浴に浸かっている部分の長さ(深さ))と相関関係があり、ドロスDの量が多くなるとドロス深さtが深くなる。)、吸引口21の開口面の浸漬長さt(めっき浴表面から開口面下端までの長さ(深さ))を考慮して調整する。より具体的には、ドロスDの量に応じて、ドロスが吸引口21に入りやすくなるように、開口面の大きさtを調整したり、t/tが1/3〜2/3の範囲になるように角θを調整したりすることが好ましい。また、図2に示すように、吸引口21の上記開口面が金属ストリップSを介してドロス移送部4と対向する位置にあればさらに好ましい。
また、本実施形態において吸引口21の開口は楕円であるが、四角形である方が好ましい。
鍔3は、図3に示すように、吸引口21の近傍の、配管20の周面から、めっき浴の表面に水平な方向であって、ドロス移送部4に向かう方向に延びる板状部分である。鍔3はドロスが流れてくる方向と対向する方向(めっき浴が流れる方向であり、図3の白抜き矢印方向)にあればよく、配管20の周面の全方位に亘って設けられる必要はない。本発明においては、本実施形態のように、流れてくるドロスと向かい合う位置を中心に−90°以上から+90°以上の範囲に、鍔3が形成されていることが好ましい。
鍔3の大きさは特に限定されないが、鍔3の長さLは浴面深さの2倍以上であることが好ましく、より好ましくは5倍以上7倍以下である。ここで、浴面深さとは鍔3の上面からめっき浴表面までの距離を指す。本実施形態では、鍔3の長さは浴面深さの6倍程度である。ただし、金属ストリップSと鍔3が接触しないようにする必要がある。
図4に示す通り、ドロス移送部4は、金属ストリップSを挟んでドロス吸引部と対向する位置に設けられ、吸引口21に向けてドロスを移送する。本実施形態において、ドロス移送部4は図示しない直進機構により、めっき浴面に対して水平方向に前進したり後退したりできる。本実施形態では、ドロス移送部4が前進することで、めっき浴が攪拌され、ドロスが吸引口21に向けて流れるようになっている。
また、本実施形態において、ドロス移送部4は、最も金属ストリップSに近づいたときであっても、金属ストリップSと接触しない。
次いで、本発明の効果について説明する。
図5は、鍔を有さないドロス除去装置のドロス吸引部を示す模式図である。図5中の実線矢印はドロスの流れを表し、破線矢印はめっき浴の流れを表す。図5に示すように、鍔を有さないドロス除去装置の場合、めっき浴表面付近のドロスとともに多量のめっき浴をドロス吸引部が吸いこんでいることが、プラスチックビーズ(ドロスに相当)を水(めっき浴)に浮かべて行った実験から明らかになった。この場合、ドロス吸引部がめっき浴を大量に吸い込むことで、ドロスが存在しているめっき浴表面部分の吸引速度が低下し、ドロスを効率的に吸引できない。
本実施形態のドロス除去装置1でも、表面側のめっき浴はドロスとともに吸引部21に吸引される場合がある。しかし、本実施形態のドロス除去装置は、吸引口21の近傍に鍔3を有するため、図6に示すように、内部側のめっき浴が吸引口21に吸引されるのを鍔3が抑える(図6においても、実線矢印はドロスの流れを表し、破線矢印はめっき浴の流れを表す)。内部側のめっき浴の吸引が抑えられる結果、ドロスの吸引が促進され、短時間でドロスを吸引することができる。このように、めっき浴の表面に水平な方向に延びる鍔を有することで、内部側のめっき浴の吸引が抑えられ、表面のドロスの吸引が促進されるが、「水平」とは完全に水平であることのみならず、略水平も含む概念である。鍔3がめっき浴表面側に傾くと、ドロスの吸引を妨げる可能性があり、鍔3がめっき浴内部側に傾くと、内部のめっき浴の吸引の抑制が不十分になる場合があるが、「略水平」であれば、これらの問題はほとんど生じず、本発明の効果を奏するからである。
また、本実施形態では、鍔3の長さLは浴面深さの2倍以上(6倍程度)である。鍔3の長さが短すぎると、ドロスと内側のめっき浴を分離する能力が失われ、内部側のめっき浴を多量に吸引する場合があるが、鍔3の長さLがめっき浴面深さの2倍以上であればこの問題はほとんど生じない。特に、本実施形態では鍔3の長さLは浴面深さの6倍程度(5倍以上7倍以下の範囲)であるため、吸引口21付近のドロスの流れが層流となり、安定した流れが形成される。その結果、ドロスの吸引口21への吸引はさらに促進される。
本実施形態では、流れてくるドロスと向かい合う位置を中心に−90°以上から+90°以上の範囲に鍔3が設けられている。めっき浴が流れてくる方向のみならず、両側90°の範囲まで鍔3が設けられることで、吸引口21へのめっき浴の吸引を充分に抑えることができる。
本実施形態においては、吸引口21の開口面の下端から吸引口21上端までの長さt、開口面とめっき浴表面が成す角θを特定の範囲に調整しており、さらに、吸引口21の上記開口面が金属ストリップSを介してドロス移送部4と対向する位置にある。その結果、ドロスが流れてこない方向から、めっき浴が吸引口21に入ろうとしても、めっき浴表面から吸引口21の一部露出した部分(吸引口21のスナウト側の部分)に妨げられる。一方、ドロスが流れてくる方向側では、吸引口21の一部(吸引口21の金属ストリップ側)がめっき浴中に浸かっており、めっき浴表面から露出しておらず、ドロスはスムーズに吸引口21に吸引される。
また、本実施形態において、ドロス深さを考慮して決めたt/tが1/3〜2/3の範囲になるように角θを調整することで、ドロスとともに吸引されるめっき浴の量を充分に抑えながら、ドロスの吸引を促進できる。
また、本発明において、吸引口21の開口の形状が略正方形であれば、略正方形の1辺の長さと円の直径が同じ場合、略正方形の方が面積が大きくなるので、開口面の全面積中のめっき浴に浸かる面積が増加し、ドロスを効率よく吸引できる。なお、吸引口21の開口の形状が正方形の場合には、通常、配管20内の中空部分は四角柱状であり、配管20の外形も四角柱状である。
本実施形態では、ドロス移送部4は金属ストリップSを挟んでドロス吸引部2と対向する位置に設けられる。このため、ドロス移送部4が移送するドロスは金属ストリップSの幅方向に沿って流れるため、金属ストリップSがドロスの流れを妨げたり、ドロスが金属ストリップSに付着したりすることはほとんど無い。このように、ドロス吸引部2、ドロス移送部4、金属ストリップSの位置関係を調整することで、ドロスの吸引がさらにスムーズになる。
また、本実施形態では、ドロス移送部4は、めっき浴表面に対して水平方向に直進可能であり、ドロス移送部4が前進することで、めっき浴が攪拌され、ドロスが吸引口21に向けて流れるようになっている。また、ドロス移送部4は、最も金属ストリップSに近づいたときであっても、金属ストリップSと接触しない。したがって、本実施形態のドロス除去装置であれば、金属ストリップSに接触する位置にドロス移送部4を設けることが無いので(ドロス吸引部2等も金属ストリップSと接触する位置に配置されていない)、ドロス移送部4等と金属ストリップSとが接触する恐れがなく、すり疵発生や破断などの事故がほとんど発生しない。
また、本実施形態のドロス除去装置は簡素で安価であり、作業性、経済性ともに優れる。さらに、上記の通り、本発明のドロス除去装置を用いれば、金属ストリップへのドロスの付着が充分抑えられるため、めっき製品の品質が向上するという、優れた効果も奏する。
第二実施形態
次いで、第二実施形態のドロス除去装置について説明する。以下の説明において、第一実施形態におけるドロス除去装置の構成と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する場合がある。
図7に第二実施形態のドロス除去装置1を模式的に示す。第二実施形態のドロス除去装置1は、邪魔板部5を2箇所に備える点で第一実施形態のドロス除去装置1と異なる。
邪魔板部5は、鍔3の両側縁を挟むように設けられ、めっき浴の深さ方向に延びる板状部材である。本実施形態において、邪魔板部5の幅方向と金属ストリップ面に水平な方向とが成す角Φは、0°以上40°以下が好ましい。
第二実施形態のドロス除去装置1は、第一実施形態のドロス除去装置が奏する効果を奏し、さらに、以下の効果も奏する。
図8は邪魔板部5の効果を説明する図であり、破線矢印はめっき浴の流れを表す。邪魔板部5の設置によって、吸引口の側方(ドロスが流れてくるのは正面方向とする)からのめっき浴の流入を防ぎ、吸引口前方に滞留しているドロスの流速が上昇する。その結果、ドロスをより効率良く吸引することができる。この効果は、めっき浴の深さ方向に延びる板状部材が、めっき浴が吸引口21に吸引されることを阻む壁のように働くことで奏する。この効果は深さ方向とほぼ平行な方向に延びる邪魔板部5であれば実現可能であるため、「板上部材がめっき浴の深さ方向に延びる」とは、上記深さ方向と略同一方向に延びる場合も含む。
また、本実施形態では、角Φは、0°以上40°以下の範囲にある。角Φは吸引口21の前方を塞がない角度であれば特に限定されないが、上記範囲にあれば、前方からのドロスの吸引を促進しつつ、側方からのめっき浴の吸引を効果的に抑えることができる。
第三実施形態
次いで、第三実施形態のドロス除去装置1について説明する。以下の説明において、第一実施形態におけるドロス除去装置の構成と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する場合がある。図9に、第三実施形態のドロス除去装置を模式的に示した。第三実施形態のドロス除去装置は、計測部6及び位置調整部7を有する点が、第一実施形態のドロス除去装置と異なる。
計測部6はめっき浴の表面の高さを計測する。高さとは、任意に決めた基準からの高さであり、例えば、溶融ポットの底を基準とし、そこからの高さを計測してもよいし、スナウト12のめっき浴側の端部を基準として、そこからの高さを計測してもよい。本実施形態では、計測部6は溶融ポットに固定して設けられ、めっき浴表面の高さを連続的に測定し、その情報を位置調整部7に入力する。
位置調整部7は、計測部6が計測した値に基づいて、吸引口21の位置がめっき浴表面の近傍になるように、ドロス吸引部2を上下に動かす。ドロス吸引部2を動かす方法は特に限定されないが、本実施形態における位置調整部7は、制御装置70と、モーター71と、ラック72と、ピニオン73とを有する。
制御装置70は、計測部6が計測しためっき浴表面の高さのデータを連続的に受信し、このデータに基づいてモーター71を動かすことにより、ピニオン73をラック72上で回転させて、吸引口21の位置がめっき浴表面の近傍になるように調整する(例えば、図2に示すtが所望の値になるように調整する)。
また、本実施形態の位置調整部7は、計測部6からのめっき浴表面高さの測定データに基づき、ドロス移送部4及び吸引口21の侵入深さがめっき浴面の変動分だけ変化するようモーターMの回転数制御を行う機能を有する(図示せず)。つまり、ドロス移送部4の位置もめっき浴表面の高さに応じて移動させることができる。
第三実施形態のドロス除去装置1は、第一実施形態のドロス除去装置が奏する効果を奏し、さらに、以下の効果も奏する。
本実施形態のドロス除去装置1は、計測部6と位置調整部7を備えるため、ドロスを吸引する吸引口21及び吸引口21と一体化した鍔3が、めっき浴表面と連動して上下に作動することで、めっき浴が増減した際にドロスを吸引するのに最適な高さへ吸引口21をセットすることができる。
そして、本実施形態の計測部6はデータを連続的に制御装置70に入力するため、めっき浴の増減に迅速に対応できる。
また、ドロス移送部4の高さも同時に制御することで、ドロスの移送もスムーズになるため、ドロスの吸引がさらに促進される。
発明例1、2、比較例1
発明例1、2、比較例1においては、図12に示すタイプの溶融めっき設備及び図1に示すタイプのドロス除去装置を用いた。具体的には、発明例1では図1に示すドロス除去装置を用い、発明例2では吸引口21の開口が正方形になっている以外は図1と同様のドロス除去装置を用い(図10)、比較例1では鍔3を設けない以外は図1と同様のドロス除去装置を用いた。
いずれのドロス除去装置においても、ドロス吸引部2はSUS316製(ステンレス鋼板製)とした。発明例1、比較例1で使用した装置においては吸引口21の開口の内径は80mm(開口面は、長径が82.8mmの楕円である)、発明例2で使用した装置においては吸引口21の開口面は高さ80mm×幅80mmの正方形とした。また、いずれの装置においても、吸引口21の開口面とめっき浴表面が成す角θは15°とし、吸引口21の開口面の下端から吸引口21上端までの長さtは21mmとする。また、開口面の浸漬長さtは10mmとした。ドロスは1150kg/minのポンプ22で吸引した。鍔3として、SUS316製の2mmの板を、吸引口21の周囲半分を吸引口端から50mm延長した位置までで囲うように(Lが50mm)、吸引口21の下端に取り付けた。また鍔3の上面が浴面下10mmになるよう設置した(浴面深さ10mm)。
ドロス移送部4は、SUS316製で、幅300mm、厚み2mmとし、ドロス移送部の一部がめっき浴に浸漬するように設置した。
いずれのドロス除去装置においても、スナウト側壁には図示しない覗き窓があり、カメラが取り付けられている。このカメラの画像を運転室等でモニタすることにより、ドロスの発生を確認することができる。本発明のドロス除去装置は常時稼動させる必要はなく、ドロスの発生を確認した場合に使用することで十分である。
発明例1、2、比較例1における、ドロス除去装置の使用方法の一例を鋼帯の連続溶融亜鉛めっき設備の例で説明する。コイルを2本通板した時点で、スナウト12内の鋼帯(金属ストリップ)Sの幅方向両端部分にドロスが発生し始めたので、鋼帯Sに付着しそうになった段階でドロス除去装置の運転を開始した。運転を開始した時点におけるドロス深さは、ドロス深さを考慮して決めたt/tが1/3〜2/3になる程度であった。
また、ドロス移送部1の操業条件として、往復運動の可動範囲は200mm、速度は1往復/secで実施した。往復運動を繰り返し、めっき浴を攪拌して流れを起こし、めっき浴表面に浮遊する全てのドロスが吸引口21に到達し、さらに吸引口21周辺のドロスが順次排出されて正常な浴面状態に回復するまでの時間をドロス排出時間としてカウントした。また、ドロス排出後、溶融亜鉛めっき製品コイルの全長についてすり疵の有無を目視で観察して判定し、すり疵が1箇所でも確認されたコイルは不良発生と登録し、全コイル数(10000)に対する不良発生コイル数を調査した。不良発生コイル数にはスキミング中に発生した不良コイルも含むこととする。不良コイル数を欠陥率((欠陥コイル数/全コイル数)×100(%))で評価した。ドロス排出時間、欠陥率を表1に示した。
発明例3
図7、8に示す邪魔板部5を有するドロス除去装置を用いて、発明例1等と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。なお、発明例3において、邪魔板部5は厚さ2mmのステンレス(SUS316)であり、邪魔板設置角度(角Φ)はストリップ面に対して30°の角度で固定した。
発明例4
発明例3の邪魔板部を設けた以外は図9と同様のドロス除去装置を用い、発明例1等と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、本評価は、以下に示す最適位置を維持するように行った。
また、計測部6、位置調整部7、制御装置70、モーター71、ラック72、ピニオン73を用いて吸引口21及びそれに付随する鍔3、邪魔板部5の高さを調整して実験した。図11に鍔3の浴面深さと、ドロス排出時間の関係を示す(実験結果はプロットで記載)。本実施例における鍔3の最適浴面深さは12mmと判明した。しかし、スナウト形状やシンクロールの高さ等の条件により浮遊ドロスの流れが変化するため、各操業条件により鍔3の最適浴面深さが異なると考えられる。さらに、めっき浴のインゴット投入時にはめっき浴表面が大きく変動する。従って、計測部6、位置制御部7により顎3の浴面深さを調整し、最適位置を保持することが重要である。
Figure 0005849989
表1に示す通り、吸引口21に鍔3を設置せず、上記条件でドロス除去装置の運転を行ったところ、浴面に浮遊する全てのドロスが吸引口21に到達し、さらに吸引口21周辺のドロスが順次排出されて正常な浴面状態に回復するまでに合計120秒かかった。(比較例1)。
吸引口21の下部に板状の鍔3を設置した発明例1では、ドロス除去時間は76秒に短縮し、かつコイル欠陥率は0.45%に低下した。(発明例1)。
さらに、吸引口の形状を四角形(本発明例では正方形)にしたところ、ドロス除去時間は円形時と同等であったが、欠陥率は0.45%から0.37%にわずかに減少した(発明例2)。
邪魔板部を有する場合、ドロスの除去時間は34秒に短縮され、欠陥率は0.17%に減少した(発明例3)。
邪魔板部、計測部及び位置制御部を有する発明例4では、ドロスの除去時間は21秒に短縮され、欠陥率は0.03%に減少した。
1 ドロス除去装置
2 ドロス吸引部
20 配管
21 吸引口
3 鍔
4 ドロス移送部
5 邪魔板部
6 計測部
7 位置調整部
70 制御装置
71 モーター
72 ラック
73 ピニオン
11 焼鈍炉の出口
12 スナウト
13 溶融ポット
14 シンクロール
15 サポートロール
16 エアワイパ

Claims (3)

  1. 金属ストリップの溶融めっき設備における溶融ポット入側スナウト内のめっき浴の表面に発生するドロスを除去するスナウト内のドロス除去装置であって、
    スナウト内のドロスがスナウト外に排出される際に通る配管と、該配管の端部に形成されドロスが前記配管に入る際の入り口となる吸引口とを有し、前記金属ストリップの側縁と対向する位置に設けられるドロス吸引部と、
    前記金属ストリップを挟んで前記ドロス吸引部と対向する位置に設けられ、前記吸引口に向けてドロスを移送するドロス移送部と、
    前記配管の周面から、めっき浴の表面に水平な方向であって、前記ドロス移送部に向かう方向に延びる板状の鍔と、を備え、
    前記鍔はめっき浴中に存在し、前記鍔の長さは浴面深さの2倍以上であることを特徴とするドロス除去装置。
  2. さらに、前記鍔の側縁を挟むように設けられ、めっき浴の深さ方向に延びる邪魔板部を備える請求項1に記載のドロス除去装置。
  3. さらに、めっき浴の表面の高さを計測する計測部と、
    前記計測部が計測した値に基づいて、前記吸引口の位置が前記表面の近傍になるように、前記ドロス吸引部を上下に動かす位置調整部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のドロス除去装置。
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