JP7252465B2 - 溶融金属めっき装置 - Google Patents
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Description
このような溶融金属めっき装置において、スナウト内の浴面に浴表面異物(スカム、ヒューム、浮遊ドロスなど)が発生する場合があり、この浴表面異物が金属板の表面に付着すると、金属板の品質が悪化するおそれがある。
特許文献1に記載の溶融金属めっき装置は、スナウト内の浴表面異物を含む溶融金属を、連通管の一端部から吸引しつつ連通管の他端部からスナウト外に排出して、浴表面異物を回収している。
〔溶融金属めっき装置の構成〕
本発明の実施形態に係る溶融金属めっき装置1は、連続搬送される鋼板等の金属板Sをめっきする装置である。図1に示すように、溶融金属めっき装置1は、溶融金属槽2と、スナウト3と、異物除去装置4と、を備えている。
スナウト3は、下端部が溶融金属浴中に斜め上方から浸漬され、その内部を金属板Sが通過するようになっている。金属板Sは、スナウト3から溶融金属浴中へ浸漬される。浸漬された金属板Sは、ポットロール5および案内ロール6を通過して引上げられる。その後、金属板Sに付着しためっき付着量は、ガスワイピングノズル7によって調整される。
連通管9は、一端9A側において吸引ヘッド8と接続されている。連通管9の他端9B側には排出構造11が設けられている。連通管9は、スナウト3内の溶融金属浴の浴面に浮遊する浴表面異物FMを含む溶融金属Mを一端9A側から導入し、他端9B側からスナウト3外に排出するように形成されている。連通管9は、例えば、内径60mm~120mmの円管状のパイプで形成することができる。
本実施形態の溶融金属めっき装置1では、連通管第一部12と連通管第三部14との間で金属板Sが上方に引き上げられるように構成されている。換言すれば、連通管9は、吸引ヘッド8から吸引された浴表面異物FMを含む溶融金属Mをポットロール5および案内ロール6によって引き上げられる金属板Sよりも遠い位置に排出するように形成されている。
噴射ポンプ21は、噴射ヘッド20に接続されている。噴射ポンプ21は、スナウト3の外部の溶融金属Mを噴射ヘッド20に供給し、溶融金属Mを噴射ヘッド20から噴射する。
図3に示されるように、排出構造11は、連通管9に形成された吐出口25と、ガイド部材26と、複数(本実施形態では2つ)の干渉板29と、を有する。
吐出口25は、連通管9に形成されており、吸引ヘッド8で吸引された溶融金属Mが吐出される矩形状の孔である。吐出口25の幅(連通管9の周方向における寸法)は、例えば、連通管9の周長の約1/2とすることができる。吐出口25の長さLH(連通管9の軸方向の長さ)は、150mm~200mmとすることができる。吐出口25は、溶融金属浴の浴面が吐出口25の上端と下端との間に位置するように形成されている。
上部板27の幅WGは、例えば、120mm~180mmとすることができる。また、側部板28の高さHGは、例えば、80mm~120mmとすることができる。
さらに、図5に示されるように、第1の干渉板29Aと第2の干渉板29Bとは、第1の干渉板29Aと第2の干渉板29Bが全体として流路Fの全体を閉塞するように形成されている。
具体的には、本実施形態において、第1の干渉板29Aが矩形状の流路Fの幅方向の一方側だけを閉塞し、第2の干渉板29Bが矩形状の流路Fの幅方向の他方側を閉塞するように配置されている。さらに、第1の干渉板29Aの幅W1と第2の干渉板29Bの幅W2との和がガイド部材26の流路Fの幅WFと略同一となるように形成されている。
つまり、本実施形態において、第1の干渉板29Aおよび第2の干渉板29Bは互いに重複せず、流路Fの全体を過不足なく閉塞している。第1の干渉板29Aと第2の干渉板29Bとが同形状をなし、略同面積となるように形成してもよい。これによって、流路Fの閉塞が溶融金属Mの流れに及ぼす影響を均等化し、偏流の発生を抑制することができる。
溶融金属めっき装置1は、スナウト3内の溶融金属Mに金属板Sを順次浸漬して、金属板Sのめっき処理を行う。また、めっき処理と同時に、噴射装置19の噴射ポンプ21および吸引装置10を作動させ、噴射ヘッド20から溶融金属Mを噴射するとともに、吸引ヘッド8で吸引を行う。
一方で、第1の干渉板29Aと第2の干渉板29Bとが流れ方向Dに離隔して配置され、かつ、流れ方向Dから見て重ならないように形成されていることによって、溶融金属Mの流れが完全に阻害されることがなく、確実に流路Fの出口まで到達するため、浴表面異物FMの回収に支障をきたすことがない。
さらに、溶融金属Mが引き上げられた金属板Sに向かわない方向に排出されることで、排出された浴表面異物FMが金属板Sに付着しにくくなる。
従って、本実施形態では、上方に引き上げられる金属板Sに付着する浴表面異物FMを低減することができる。発明者らによる実験の結果、金属板Sに付着する浴表面異物FMに起因する不良率(歩留り落ち)を4%から1%に低減することができた。これにより、製造される金属板Sの歩留まりを改善することができた。
例えば、図6に示されるように、3つの干渉板29C,29D,29Dを配置する構成としてもよい。図6に示す、変形例の排出構造11は、流れ方向Dで、吐出口25に近い位置に配置された第3の干渉板29Cと、第1の干渉板29Aに対して流れ方向Dの下流側に配置された2つの第4の干渉板29Dと、を有している。
第3の干渉板29Cは、流路Fの幅方向の中央に配置され、第4の干渉板29Dは、流路Fの幅方向の両側に配置されている。第3の干渉板29Cと第4の干渉板29Dとは、流れ方向Dから見て重ならないように形成されているとともに、第3の干渉板29Cと第4の干渉板29Dとによって、ガイド部材26の流路Fの全体を覆うように形成されている。
Claims (2)
- スナウト内を通過する金属板を溶融金属浴に浸漬させる溶融金属めっき装置であって、
一端側において前記スナウト内の前記溶融金属浴の浴面に浮遊する浴表面異物を含む溶融金属を導入し、他端側において前記スナウト外に前記溶融金属を排出する連通管と、
前記連通管の他端側に設けられ、前記溶融金属を前記連通管の他端側に導く吸引装置と、
前記連通管の他端側に設けられ、前記吸引装置によって吐出される前記溶融金属を引き上げられた前記金属板に向かわない方向に排出する排出構造と、を有し、
前記排出構造は、
前記連通管の他端側の前記浴面を含む位置に形成された吐出口と、
前記吐出口から吐出された前記溶融金属が導入される流路を形成する1対の側部板を有し、前記溶融金属の流れ方向に延びるガイド部材と、
前記流路に前記流れ方向に離隔して設けられた複数の干渉板とを有し、
前記流れ方向から見た場合に、前記複数の干渉板のそれぞれは前記流路の一部だけを閉塞し、かつ前記複数の干渉板は全体として前記流路の全体を閉塞するように配置されている溶融金属めっき装置。 - 前記複数の干渉板は、
前記流れ方向の上流側に配置された第1の干渉板と、前記流れ方向の下流側に配置された第2の干渉板と、を有し、
前記第1の干渉板は、前記流路の前記流れ方向と直交する水平方向の一方側だけを閉塞し、
前記第2の干渉板は、前記流路の前記水平方向の他方側だけを閉塞し、
前記第1の干渉板と前記第2の干渉板とは、略同面積となるように形成されている請求項1に記載の溶融金属めっき装置。
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