JP6330612B2 - 連続溶融金属めっき装置及び溶融金属めっき鋼帯の製造方法 - Google Patents

連続溶融金属めっき装置及び溶融金属めっき鋼帯の製造方法 Download PDF

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本発明は、連続搬送される鋼帯を焼鈍した後、当該鋼帯の表面に溶融金属を付着させてめっき処理を施す連続溶融金属めっき装置及び溶融金属めっき鋼帯の製造方法に関する。
溶融金属めっき鋼帯の製造が行われる連続溶融金属めっきラインでは、入側のコイル巻き戻し機から搬入される鋼帯が、焼鈍炉において高温に加熱された後に冷却されて焼鈍される。また、焼鈍された鋼帯は、ターンダウンロール及びスナウトを通って、溶融金属槽に導入され、溶融金属めっき浴に浸漬される。さらに、めっきが付着した鋼帯が溶融金属めっき浴から引き上げられた後、ガスワイピングによってめっきの付着量が調整される。
ターンダウンロールを収容するターンダウンロール室及びスナウトは、内部を大気雰囲気から遮断するために、一端が焼鈍炉に接続され、他端は溶融金属めっき浴中に浸漬されている。かかるターンダウンロール室及びスナウトの内部は、めっき層と鋼帯との密着性や鋼帯表面の酸化、汚れ等に起因するめっき付着性の低下を防ぐために、還元性雰囲気に維持される。例えば、ターンダウンロール室及びスナウトの内部は、酸素濃度が50ppm以下程度の低レベルに維持される。
しかしながら、連続溶融金属めっきラインにおいては、スナウト内における溶融金属めっき浴の表面から溶融金属が蒸発し、金属ヒュームが発生する。かかる金属ヒュームは、スナウト及びターンダウンロール室内を焼鈍炉側に流れる。金属ヒュームは、溶融金属の凝固点よりも低温の部分が存在すると、当該低温部分で冷却されて、金属状態あるいは酸化された状態で堆積する。この堆積物は、堆積量が多くなると落下する。堆積物が、鋼帯上又は搬送ロール上に落下すると、鋼板疵が発生することとなる。
また、金属ヒュームが、例えば、焼鈍炉の冷却帯に備えられたジェットクーラーの熱交換器に堆積した場合、ジェットクーラーを作動させて送風した際に、当該堆積物が鋼帯に吹き付けられて、鋼板疵が発生することとなる。したがって、スナウト内の溶融金属めっき浴の表面から発生した金属ヒュームを、焼鈍炉側へ侵入させないようにする必要がある。
これに対して、特許文献1には、亜鉛ヒュームを除去するための還流口と吸引口とをスナウト内の鋼板の表裏面に、それぞれ1対を上下に設けるとともに、吸引口をスナウトの全幅に渡って鋼板の表裏面に配設した技術が開示されている。また、特許文献2には、めっき浴と焼鈍炉あるいは冷却炉との間にシール装置を設け、めっき浴とシール装置との間で、鋼帯の幅方向両端近傍の排気口から設備内のガスを排出する技術が開示されている。
特開平08−176773号公報 特開平07−157853号公報
特許文献1に記載の技術は、スナウト内に循環流を発生させて、亜鉛ヒュームを吸引口から吸引することにより、上流側への亜鉛ヒュームの侵入を防ぐものである。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、鋼帯とスナウト内面との間が開放されており、大部分の亜鉛ヒュームを循環流に乗せて排出口から排出するには限界がある。
また、特許文献2に記載の技術は、鋼帯の表裏面に板状のシール装置を配置し、シール装置よりもめっき浴側に下方流れを形成して、めっき浴とシール装置との間でガスを排出するものである。しかしながら、特許文献2に開示の技術は、スナウト内にシール装置を設けるために、鋼帯の振動を考慮すると、鋼帯とシール装置との間の間隙を小さくすることが困難である。したがって、一枚の板状のシール装置でシール性を確保することは難しく、大部分の亜鉛ヒュームを下方流れに乗せて排出口から排出するには限界がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、連続溶融金属めっき装置のターンダウンロール室及びスナウト内から金属ヒュームを効率的に排出し、焼鈍炉側に流れる金属ヒュームの量を低減することが可能な、連続溶融金属めっき装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、連続搬送される鋼帯を加熱する焼鈍炉と、前記焼鈍炉により焼鈍された鋼帯の進行方向を下向きに変えるターンダウンロールと、前記ターンダウンロールにより進行方向が変えられた鋼帯が浸漬される溶融金属めっき浴が収容された溶融金属槽と、周囲雰囲気から区画され、前記ターンダウンロールにより進行方向が変えられた鋼帯を前記溶融金属めっき浴に導くスナウトと、前記焼鈍炉と前記スナウトとの間に設けられ、周囲雰囲気から区画されて前記ターンダウンロールを収容するターンダウンロール室と、を備えた連続溶融金属めっき装置において、前記ターンダウンロール室又は前記スナウト内に設けられ、前記鋼帯の一方の面側で前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽する第1の遮蔽板及び前記鋼帯の他方の面側で前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽する第2の遮蔽板を備え、前記第1の遮蔽板及び前記第2の遮蔽板の少なくとも一方は、前記焼鈍炉側に位置する上流側遮蔽板及び前記溶融金属めっき浴側に位置する下流側遮蔽板を含み、前記上流側遮蔽板と前記下流側遮蔽板との間の領域から所定量の雰囲気ガスを排出する排気口を備える、連続溶融金属めっき装置が提供される。
また、前記第1及び第2の遮蔽板は、前記ターンダウンロール室内に設けられ、前記第1の遮蔽板の端部は、前記ターンダウンロール上の鋼帯に近接して配置され、前記第2の遮蔽板の端部は、前記ターンダウンロールの下方の面に近接して配置されてもよい。
また、前記第1の遮蔽板は、前記鋼帯の進行方向に沿って回動可能に軸支されてもよい。
また、前記第1及び第2の遮蔽板の端部が、前記ターンダウンロールの外形に対応する形状を有してもよい。
また、前記第1の遮蔽板は一枚の遮蔽板からなり、前記第2の遮蔽板は前記上流側遮蔽板及び前記下流側遮蔽板を含んでもよい。
また、前記スナウト内で前記溶融金属めっき浴から発生した金属ヒュームのうち、前記焼鈍炉に侵入する金属ヒュームの割合の上限目標値に基づいて、前記排気口の開口面積を設定してもよい。
また、前記排気口に接続された排気通路に、前記雰囲気ガスの排出量を調整可能な排気装置を備えてもよい。
また、前記スナウト内で前記溶融金属めっき浴から発生した金属ヒュームのうち、前記焼鈍炉に侵入する金属ヒュームの割合の上限目標値に基づいて、前記排気装置による排気量を設定してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、連続搬送される鋼帯を焼鈍炉で焼鈍した後、周囲雰囲気から区画されたターンダウンロール室及びスナウトを介して溶融金属めっき浴に浸漬することで前記鋼帯にめっきする溶融金属めっき鋼帯の製造方法において、前記ターンダウンロール室又は前記スナウト内で、前記鋼帯の一方の面側及び他方の面側でそれぞれ前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽するとともに、前記一方の面側及び前記他方の面側の少なくとも一方では、前記焼鈍炉側に位置する上流側遮蔽位置及び前記溶融金属めっき浴側に位置する下流側遮蔽位置で、前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽し、前記上流側遮蔽位置と前記下流側遮蔽位置との間の領域から所定量の雰囲気ガスを排出する、溶融金属めっき鋼帯の製造方法が提供される。
また、前記間の領域の雰囲気ガスの圧力は、前記焼鈍炉内の雰囲気ガスの圧力及び前記スナウト内の雰囲気ガスの圧力より低く設定されてもよい。
本発明によれば、ターンダウンロール室又はスナウト内に設けた上流側遮蔽板と下流側遮蔽板とにより、二段階で、焼鈍炉側への雰囲気ガスの流れを堰き止めることができる。また、上流側遮蔽板と下流側遮蔽板との間の領域には対流が発生することから、当該間の領域に設けられた排気口から雰囲気ガスを効率的に排出することができる。特に、間の領域の雰囲気ガスの圧力が焼鈍炉内又はスナウト内の雰囲気ガスの圧力よりも低く設定されていれば、雰囲気ガスを排気口からより効率的に排出することができる。したがって、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが排気口を介して効率的に排出され、焼鈍炉側に流れる金属ヒュームの量を低減することができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる連続溶融金属めっき装置の概略構成例を示す図である。 図2は、ターンダウンロール室内の雰囲気ガスの流れを説明するために示す図である。 図3は、変形例1にかかる連続溶融金属めっき装置の概略構成例を示す図である。 図4は、変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置の概略構成例を示す図である。 図5は、変形例2にかかるターンダウンロール及び遮蔽板を示す斜視図である。 図6は、変形例2にかかるターンダウンロール及び遮蔽板を示す図である。 図7は、変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置の概略構成例を示す図である。 図8は、変形例4にかかる連続溶融金属めっき装置の概略構成例を示す図である。 図9は、排気口からの排気量と焼鈍炉内への金属ヒュームの進入割合との関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.連続溶融金属めっき装置の構成例>
まず、本発明の実施の形態に係る連続溶融金属めっき装置の全体構成の一例について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る連続溶融金属めっき装置10の構成例を概略的に示す模式図である。連続溶融金属めっき装置10は、焼鈍炉20と、ターンダウンロール31が収容されたターンダウンロール室30と、スナウト40と、溶融金属槽50と、ガスワイピング装置60とを備える。
焼鈍炉20は、内部が還元性雰囲気に維持され、連続搬送される鋼帯Hを加熱する。かかる焼鈍炉20によって、鋼帯Hの表面が活性化され、また、鋼帯Hの機械的性質が調整される。一般に、焼鈍炉20内の雰囲気ガスの圧力は、大気圧よりも高く設定されている。ターンダウンロール室30は、上流側の端部が焼鈍炉20に接続され、下流側の端部がスナウト40に接続されている。スナウト40は、上流側の端部がターンダウンロール室30に接続され、下流側の端部が溶融金属めっき浴51中に浸漬されている。これにより、ターンダウンロール室30及びスナウト40の内部は、大気雰囲気から遮断されている。かかるターンダウンロール室30及びスナウト40の内部は、還元性雰囲気に維持されている。一般に、スナウト40内部の雰囲気ガスの圧力は大気圧よりも高く、かつ、焼鈍炉20内の雰囲気ガスの圧力よりも低く設定されている。
ターンダウンロール室30にはターンダウンロール31が収容されている。ターンダウンロール31は、鋼帯Hの幅方向に平行な回転軸を有する。ターンダウンロール31の外周面の幅は、鋼帯Hの幅以上となっている。かかるターンダウンロール31により、鋼帯Hの搬送方向が下向きに変えられる。溶融金属槽50は、溶融亜鉛めっき等の溶融金属めっき浴51を収容する。かかる溶融金属槽50には、シンクロール53が設けられている。シンクロール53は、鋼帯Hの幅方向に平行な回転軸を有する。シンクロール53の外周面の幅は、鋼帯Hの幅以上となっている。かかるシンクロール53により、鋼帯Hの搬送方向が上向きに変えられる。
ガスワイピング装置60は、溶融金属めっき浴51から導出される鋼帯Hの両面に対してガスを吹き付けることにより、鋼帯Hの表面に付着した溶融金属めっきの一部を掻き落とす。これにより、鋼帯Hの表面の溶融金属めっきの付着量が調整される。
かかる連続溶融金属めっき装置10において、鋼帯Hは、図示しない入側のコイル巻き戻し機から出側のコイル巻き取り機に向けて、一方向に搬送される。連続的に搬送される鋼帯Hは、焼鈍炉20で加熱された後に冷却されることにより焼鈍され、ターンダウンロール室30及びスナウト40を通って溶融金属めっき浴51に浸漬される。溶融金属めっき浴51に浸漬された鋼帯Hは、その後溶融金属めっき浴51から導出され、ガスワイピング装置60によってガスが吹き付けられることにより、溶融金属めっき層の厚さが調整される。
<2.遮蔽板及び排気口>
本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置10は、ターンダウンロール室30内に、第1の遮蔽板101及び第2の遮蔽板111を備える。第1の遮蔽板101は、鋼帯Hの一方の面(上面)側において、ターンダウンロール室30の上部の内壁に設けられる。第1の遮蔽板101の上端部は、ターンダウンロール室30の上部内壁に接合され、下端部は、ターンダウンロール31上の鋼帯Hの上面に近接して配置される。かかる第1の遮蔽板101は、鋼帯Hの上面側の空間において、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とを遮蔽している。
本実施形態では、第1の遮蔽板101は、焼鈍炉20側に位置する上流側遮蔽板101aと、溶融金属めっき浴51側に位置する下流側遮蔽板101bとを有する。上流側遮蔽板101a及び下流側遮蔽板101bは、それぞれの位置で、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とを遮蔽する。上流側遮蔽板101a及び下流側遮蔽板101bは、鋼帯Hの上面側のターンダウンロール室30内を、鋼帯Hの幅方向の全体に渡って、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とに遮蔽する。かかる上流側遮蔽板101aと下流側遮蔽板101bとの間の領域A1には、当該間の領域A1から雰囲気ガスを排出する排気口103が設けられている。
ここで、例えば、排気口103での雰囲気ガスの圧力が大気圧と同程度となるようにすれば、当該雰囲気ガスの圧力が、焼鈍炉20内の雰囲気ガスの圧力及びスナウト40内の雰囲気ガスの圧力よりも低くなる。これにより、金属ヒュームを含む雰囲気ガスを効率的に排出することができる。
第2の遮蔽板111は、鋼帯Hの他方の面(下面)側でターンダウンロール室30の底部の内壁に設けられる。第2の遮蔽板111の下端部は、ターンダウンロール室30の底部の内壁に接合され、上端部は、ターンダウンロール31の外周面に近接して配置される。第2の遮蔽板111は、鋼帯Hの下面側の空間において、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とを遮蔽している。
本実施形態では、第2の遮蔽板111は、焼鈍炉20側に位置する上流側遮蔽板111aと、溶融金属めっき浴51側に位置する下流側遮蔽板111bとを有する。上流側遮蔽板111a及び下流側遮蔽板111bは、それぞれの位置で、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とを遮蔽する。上流側遮蔽板111a及び下流側遮蔽板111bは、鋼帯Hの下面側におけるターンダウンロール31の下側の空間を、鋼帯Hの幅方向の全体に渡って、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とに遮蔽する。かかる上流側遮蔽板111aと下流側遮蔽板111bとの間の領域A2には、当該間の領域A2から雰囲気ガスを排出する排気口113が設けられている。
ここで、例えば、排気口113での雰囲気ガスの圧力が大気圧と同程度となるようにすれば、当該雰囲気ガスの圧力が、焼鈍炉20内の雰囲気ガスの圧力及びスナウト40内の雰囲気ガスの圧力よりも低くなる。これにより、金属ヒュームを含む雰囲気ガスを効率的に排出することができる。
第1及び第2の遮蔽板101,111は、少なくとも耐熱性を有する材料により構成される。例えば、第1及び第2の遮蔽板101,111は、耐熱性を有する金属板により構成される。なかでも、メンテナンス時等に大気雰囲気に晒されても酸化しにくく、また、安価であることから、ステンレス板により第1及び第2の遮蔽板101,111を構成することが好ましい。
ターンダウンロール31は軸支されているために振動による位置ずれを生じにくい。また、ターンダウンロール31上の鋼帯Hについても、張力によりターンダウンロール31上に押え付けられているために位置ずれを生じにくい。したがって、ターンダウンロール31に対向する位置であれば、第1の遮蔽板101が鋼帯Hに接触しないように、第1及び第2の遮蔽板101,111の端部を、鋼帯Hの表面あるいはターンダウンロール31の外周面に対して近接して配置することができる。そのために、本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置10は、第1及び第2の遮蔽板101,111による遮蔽性を比較的高くすることができる。
第1の遮蔽板101の端部と鋼帯Hの表面との間の間隙の距離、及び、第2の遮蔽板111の端部とターンダウンロール31の外周面との間の間隙の距離は、望ましくは10mm〜20mmである。あるいは、鋼帯Hに発生したヒートバックルが通過する際に、当該ヒートバックルが第1の遮蔽板101に接触した場合であっても、ヒートバックルが引っ掛かって鋼帯Hが破断しないように、ゴムあるいは樹脂製の柔軟性を有する第1の遮蔽板101を用いてもよい。この場合、第1の遮蔽板101は、鋼帯Hに近接する端部側に部分的に柔軟性を持たせてもよいし、第1の遮蔽板101に全体的に柔軟性を持たせてもよい。かかる第1の遮蔽板101は、例えば、可撓性のカーボンシート等により構成することができる。
また、上述のとおり、間の領域A1,A2には、それぞれ排気口103,113が設けられている。排気口103,113は、それぞれ鋼帯Hの幅方向の両端側に設けられている。スナウト40内の溶融金属めっき浴51の表面から発生した金属ヒュームを含む雰囲気ガスは、焼鈍炉20側に流れる途中で、排気口103,113を介して外部に流出する。図1では、ターンダウンロール室30の壁面に排気口103,113が設けられているが、排気口103,113を設ける位置はかかる例に限定されない。排気口103,113は、上面又は底面に設けられていてもよい。
また、排気口103,113の開口面積は、スナウト40内の溶融金属めっき浴51の表面から発生した金属ヒュームのうち、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの割合の上限目標値に基づいて設定することができる。かかる上限目標値は、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの許容限界である。すなわち、排気口103,113の開口面積によって排気量が変わることから、所望の排気量に応じて排気口103,113の開口面積を設定することができる。
この場合、間の領域A1に設けられた排気口103の開口面積と、間の領域A2に設けられた排気口113の開口面積とは、異なっていてもよい。排気口103,113が同一系統の排気管に通じている場合、排気口103,113からの総排気量は一定量になるため、開口面積を異ならせることによって、各排気口103,113からの排気量の割合が調節される。
例えば、鋼帯Hの上面側においては、ターンダウンロール31の回転及び鋼帯Hの移動に伴って、第1の遮蔽板101と鋼帯Hとの間の間隙に、焼鈍炉20側からスナウト40側へと流れる随伴流が発生する。これにより、金属ヒュームを含む雰囲気ガスの焼鈍炉20側への流れに対する遮蔽性は、第2の遮蔽板111とターンダウンロール31との間隙の遮蔽性よりも高くなる。したがって、間の領域A2に設けられた排気口113の開口面積を、間の領域A1に設けられた排気口103の開口面積よりも大きくすることにより、第2の遮蔽板111とターンダウンロール31との間隙の遮蔽性を高めることができる。
排気口103,113の開口面積は、スナウト40内の溶融金属めっき浴51から発生した金属ヒュームのうち焼鈍炉20に流れ込む金属ヒュームの割合が上限目標値以下となるように、あらかじめ実機データを用いたシミュレーション等によって求めることが好ましい。
<3.雰囲気ガスの流れ>
次に、ターンダウンロール室30内における雰囲気ガスの流れについて説明する。図2は、ターンダウンロール室30内の雰囲気ガスの流れを示す図である。スナウト40内の溶融金属めっき浴51の表面から発生した金属ヒュームを含む雰囲気ガスは、ターンダウンロール室30側に向かって流れる。一般に、焼鈍炉20内の雰囲気ガスの圧力及びスナウト40内の雰囲気ガスの圧力は大気圧よりも高く設定される。また、焼鈍炉20内の雰囲気ガスの圧力は、スナウト40内の雰囲気ガスの圧力よりも高めに設定される。
鋼帯Hの一方の面(上面)側においては、金属ヒュームを含む雰囲気ガスは、下流側遮蔽板101bにより堰き止められつつ、下流側遮蔽板101bと鋼帯Hとの間の間隙を介して、排気口103が設けられた間の領域A1に進入する。一方、焼鈍炉20側の雰囲気ガスも、上流側遮蔽板101aと鋼帯Hとの間の間隙を介して、排気口103が設けられた間の領域A1に進入する。このとき、焼鈍炉20側の雰囲気ガスは、主として、ターンダウンロール31の回転及び鋼帯Hの移動に伴う随伴流となって、間の領域A1に流れ込む。
したがって、間の領域A1では、下流側から流れ込む金属ヒュームを含む雰囲気ガスの流れと、上流側から流れ込む雰囲気ガスの流れとにより対流が形成され、排気口103から効率よく金属ヒュームを含む雰囲気ガスが排出される。また、例えば、排気口103での雰囲気ガスの圧力が大気圧と同程度であれば、当該雰囲気ガスの圧力は、焼鈍炉20及びスナウト40内の雰囲気ガスの圧力よりも低くなる。したがって、金属ヒュームを含む雰囲気ガスを効率的に排出することができる。特に、鋼帯Hの上面側では、上述した随伴流の作用も相俟って、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが焼鈍炉20側に流れ込むことを抑制することができる。
また、鋼帯Hの他方の面(下面)側においては、金属ヒュームを含む雰囲気ガスは、下流側遮蔽板111bにより堰き止められつつ、下流側遮蔽板111bとターンダウンロール31との間の間隙を介して、排気口103が設けられた間の領域A2に進入する。一方、焼鈍炉20側の雰囲気ガスも、上流側遮蔽板111aとターンダウンロール31との間の間隙を介して、排気口103が設けられた間の領域A2に進入する。したがって、間の領域A2では、下流側から流れ込む金属ヒュームを含む雰囲気ガスの流れと、上流側から流れ込む雰囲気ガスの流れとにより対流が形成され、排気口113から効率よく金属ヒュームを含む雰囲気ガスが排出される。また、例えば、排気口113での雰囲気ガスの圧力が大気圧と同程度であれば、当該雰囲気ガスの圧力は、焼鈍炉20及びスナウト40内の雰囲気ガスの圧力よりも低くなる。したがって、金属ヒュームを含む雰囲気ガスを効率的に排出することができる。
このように、鋼帯Hの上面側及び下面側それぞれにおいて、スナウト40内の溶融金属めっき浴51から発生した金属ヒュームを含む雰囲気ガスが、排気口103,113を介して効率的に排出される。これにより、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの量が低減する。したがって、焼鈍炉20側の低温部分において金属ヒュームが凝固して形成される堆積物に起因する鋼板疵を低減することができる。
<4.変形例>
本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置10の構成は、種々の変形が可能である。以下、連続溶融金属めっき装置10の変形例について説明する。
(4−1.変形例1)
図3は、変形例1にかかる連続溶融金属めっき装置のターンダウンロール室30を概略的に示す図である。変形例1にかかる連続溶融金属めっき装置では、鋼帯Hの上面側に設けられた第1の遮蔽板101が、鋼帯Hの進行方向に沿って回動可能になっている。具体的には、鋼帯Hの上面側に設けられた上流側遮蔽板101a及び下流側遮蔽板101bは、それぞれ鋼帯Hの搬送方向に沿って回動可能に支持軸105a,105bに支持されている。これにより、鋼帯Hに発生したヒートバックルが上流側遮蔽板101a又は下流側遮蔽板101bに接触した場合であっても、上流側遮蔽板101a又は下流側遮蔽板101bが回動することによって、鋼帯Hの破断が回避される。
そのため、上流側遮蔽板101a及び下流側遮蔽板101bの端部を、より鋼帯Hに近接させて配置することができる。上流側遮蔽板101a及び下流側遮蔽板101bと鋼帯Hとの間の間隙の距離は、例えば、10mm〜20mmとすることができる。したがって、上流側遮蔽板101a及び下流側遮蔽板101bによる遮蔽性が高められ、金属ヒュームが焼鈍炉20側に流れ込むことに対する抑制効果を高めることができる。
(4−2.変形例2)
図4〜図6は、変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置を説明するために示す図である。図4は、変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置のターンダウンロール室30を概略的に示す図である。図5は、ターンダウンロール31及び第1及び第2の遮蔽板121,131を示す斜視図である。図6は、図5の一点鎖線に沿って第1及び第2の遮蔽板121,131及びターンダウンロール31を見た図である。
変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置では、第1及び第2の遮蔽板121,131における、鋼帯Hの幅方向に沿う方向の両端部が、ターンダウンロール31の外形に対応する形状を有する。本実施形態にかかるターンダウンロール31は、円柱状を成すロール胴部31aと、ロール胴部31aの両端部からそれぞれ軸方向の外側に向かって縮径するテーパ状のロール端部31ba,31bbとを有している。かかるターンダウンロール31の外形に対応するように、第1及び第2の遮蔽板121,131の両端部は、ロール端部31ba,31bbの外周面に近接するように張り出している。
これにより、ターンダウンロール31のロール胴部31aに対応する領域だけでなく、ターンダウンロール31の軸方向の両端部のロール端部31ba,31bbに対応する領域においても、第1及び第2の遮蔽板121,131による遮蔽性が高められている。したがって、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが焼鈍炉20側に流れ込むことに対する抑制効果を高めることができる。
特に、図4及び図5に示した例では、第1の遮蔽板121を構成する上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bが、鋼帯Hの搬送方向に沿って回動可能に、支持軸125a,125bに支持されている。したがって、変形例1にかかる連続溶融金属めっき装置と同様に、上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bの端部を、より鋼帯Hに近接させて配置することができる。したがって、上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bによる遮蔽性が高められ、金属ヒュームが焼鈍炉20側に流れ込むことに対する抑制効果をさらに高めることができる。
この場合において、図6に示すように、ロール胴部31aと上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bとの間の間隙の距離d1は、通板する鋼帯Hの板厚を考慮する必要があるが、例えば10mm〜20mmとすることができる。また、ロール端部31ba,31bbと上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bとの間の間隙の距離d2は、例えば25mm〜35mmとすることができる。距離d2を大きめに設けることにより、ターンダウンロール31の交換する際等に、ターンダウンロール31の軸方向位置がずれた場合であっても、上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bがターンダウンロール31に接触することを防ぐことができる。
(4−3.変形例3)
図7は、変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置のターンダウンロール室30を概略的に示す図である。変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置は、鋼帯Hの上面側に設けられた第1の遮蔽板141が一枚の遮蔽板からなり、鋼帯Hの上面側に排気口が設けられていない点で、変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置と異なる。
すでに述べたように、本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置では、鋼帯Hの振動が少ない位置において、第1の遮蔽板141及び第2の遮蔽板131が設けられている。したがって、第1の遮蔽板141及び第2の遮蔽板131は、鋼帯H又はターンダウンロール31に対して近接して配置されている。このうち、鋼帯Hの上面側に設けられた第1の遮蔽板141と鋼帯Hの表面との間の間隙には、ターンダウンロール31の回転及び鋼帯Hの移動に伴って、焼鈍炉20側から溶融金属めっき浴51側へと随伴流が通過する。
したがって、鋼帯Hの上面側においては、排気口を設けることなく、一枚の遮蔽板で焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とを遮蔽するのみで、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが焼鈍炉20側に流れ込むことに対する抑制効果が得られている。また、鋼帯Hの上面側の排気口が省略され、鋼帯Hの下面側にのみ排気口113が設けられることによって、排気口113からの排気量が増大する。したがって、鋼帯Hの下面側においては、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが、より効率的に、排気口113を介して排出される。これにより、変形例2と比較して、より簡易な構成によって、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの量を低減することができる。
(4−4.変形例4)
図8は、変形例4にかかる連続溶融金属めっき装置10Aの構成を概略的に示す図である。変形例4にかかる連続溶融金属めっき装置10Aは、排気装置を備える点において、変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置とは異なる。変形例4にかかる連続溶融金属めっき装置10Aは、排気口113に連通する排気管71に、排気装置としてのエジェクタ70と、金属ヒューム回収装置としてのサイクロン80とを、排気口113側からこの順に備えている。
エジェクタ70は、作動流体として不活性ガスGをシリンダ内に供給することによってシリンダ内を真空状態とし、排気口113を介して、上流側遮蔽板131a及び下流側遮蔽板131bの間の領域A2から、金属ヒュームを含む雰囲気ガスを吸引する。サイクロン80は、排気される雰囲気ガス中に含まれる金属ヒュームを分離して回収する。金属ヒュームが除かれた雰囲気ガスは、そのまま排気等される。
変形例4にかかる連続溶融金属めっき装置10Aは、エジェクタ70に導入する不活性ガスGの流量を調節することによって、間の領域A2からの排気量を調整することができる。これにより、スナウト40内の溶融金属めっき浴51から発生した金属ヒュームのうち、焼鈍炉20に流れ込む金属ヒュームの割合を定量的に調節することができる。したがって、排気口113の開口面積を変えずに、焼鈍炉20に流れ込む金属ヒュームの割合を、上限目標値以下に制御することができる。
なお、図8に示した連続溶融金属めっき装置10Aは、変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置に対して排気装置を設けたものであるが、図1や図3,図4に示した連続溶融金属めっき装置に対して排気装置を設けてもよい。また、排気装置はエジェクタに限られず、ブロア等の送気装置であってもよい。
以上説明したように、本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置10は、ターンダウンロール室30内に、それぞれ上流側遮蔽板101a,111aと下流側遮蔽板101b、111bとを含む第1の遮蔽板101及び第2の遮蔽板111を備えている。かかる第1の遮蔽板101及び第2の遮蔽板111は、それぞれ鋼帯Hの一方の面(上面)側及び他方の面(下面)側において、焼鈍炉20側と溶融金属めっき浴51側とを遮蔽する。したがって、スナウト40内の溶融金属めっき浴51の表面から発生した金属ヒュームが、直接的に焼鈍炉20側に流れ込まないようになっている。
また、これらの上流側遮蔽板101a,111aと下流側遮蔽板101b、111bとの間の領域A1,A2には、排気口103,113が設けられ、当該間の領域A1,A2から、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが効率的に排出される。したがって、焼鈍炉20に流れ込む金属ヒュームの量を低減して、金属ヒュームの堆積物に起因する鋼板疵の発生を抑制することができる。
次に、本実施形態の実施例について説明する。
本実施例では、鋼帯Hの板幅、焼鈍炉20の炉内圧力及び炉内ガス温度を同じ条件とする一方、遮蔽板の構成を異ならせて、それぞれ排気量と、金属ヒュームの炉内進入割合との関係をシミュレーションにより求めた。実施例1〜3は、図1に示す本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置10を使用した場合の例とした。実施例4〜6は、図4に示す変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置を使用した場合の例とした。実施例7〜9は、図7に示す変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置を使用した場合の例とした。また、ターンダウンロール31は、図5及び図6に示す構成のターンダウンロールを使用した。
いずれの実施例1〜9においても、鋼帯Hの板幅を1,850mm、焼鈍炉20の炉内圧力を0.2939kPa、焼鈍炉20の炉内ガス温度を340℃と仮定してシミュレーションを行った。また、第1及び第2の遮蔽板101,111,121,131,141,151の構成、ロール胴部31aと第1及び第2の遮蔽板101,111,121,131,141,151との間の距離d1、ロール端部31ba,31bbと第1及び第2の遮蔽板101,111,121,131,141,151との間の距離d2はそれぞれ表1に示す条件とした。
Figure 0006330612
図9は、それぞれ同じ装置を使用した実施例1〜3(破線)、実施例4〜6(一点鎖線)、実施例7〜9(実線)について、表1に示した排気量(Nm3/Hr)と、金属ヒュームの炉内進入割合(%)との関係を表すグラフを示している。かかる図9のグラフに示すように、同じ装置を用いる場合、排気口103,113を介して排出する雰囲気ガスの流量が多いほど、スナウト40内の溶融金属めっき浴51の表面から発生した金属ヒュームのうち、焼鈍炉20内に侵入する割合が小さくなることが分かる。
特に、排気量が大きくなるほど、間の領域A1,A2の雰囲気ガスの圧力が大気圧程度まで低下し、焼鈍炉20及びスナウト40内の雰囲気ガスの圧力に対して十分に減圧される。したがって、金属ヒュームを含む雰囲気ガスが効率的に排出され、金属ヒュームの炉内侵入割合がより低下する。例えば、図1に示す本実施形態にかかる連続溶融金属めっき装置を使用した場合(破線)には、排気量が205Nm3/Hr以上であれば金属ヒュームの炉内侵入割合が10%以下に低下する。また、図4に示す変形例2にかかる連続溶融金属めっき装置を使用した場合(一点鎖線)には、排気量が150Nm3/Hr以上であれば金属ヒュームの炉内侵入割合が10%以下に低下する。さらに、図7に示す変形例3にかかる連続溶融金属めっき装置を使用した場合(実線)には、排気量が110Nm3/Hr以上であれば金属ヒュームの炉内侵入割合が10%以下に低下する。
また、第1の遮蔽板101,121が上流側遮蔽板101a,101b,121a,121bを含む同一の装置の場合、ロール端部31ba,31bbの周囲を遮蔽した実施例4〜6が、ロール端部31ba,31bbの周囲を遮蔽しない実施例1〜3に比べて、少ない排気量で、金属ヒュームの炉内侵入割合を小さくすることができることが分かる。さらに、ロール端部31ba,31bbの周囲を遮蔽した場合、一枚の第1の遮蔽板141を有する実施例7〜9が、上流側遮蔽板121a及び下流側遮蔽板121bを含む第1の遮蔽板121を有する実施例4〜6に比べて、さらに少ない排気量で、金属ヒュームの炉内侵入割合を小さくすることができる。
例えば、スナウト40内の溶融金属めっき浴51から発生した金属ヒュームのうち、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの割合を5%以下とするには、図1に示す遮蔽板の場合、排気量を約240Nm3/Hr以下とすればよい。同様に、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの割合を5%以下とするには、図4に示す遮蔽板の場合、排気量を約180Nm3/Hr以下とすればよい。同様に、焼鈍炉20側に流れ込む金属ヒュームの割合を5%以下とするには、図7に示す遮蔽板の場合、排気量を約140Nm3/Hr以下とすればよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の実施形態においては、ターンダウンロール室内において、鋼帯Hの一方の面(上面)側及び他方の面(下面)側にそれぞれ第1及び第2の遮蔽板を設けていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第1及び第2の遮蔽板は、スナウト内に設けてもよい。この場合、スナウト内では、鋼帯Hの搬送に伴う鋼帯Hの振動幅が、ターンダウンロール上の鋼帯Hの振動幅よりも大きくなりやすいことから、第1及び第2の遮蔽板と鋼帯Hとの間の距離を、やや広めに設定するとよい。
10,10A 連続溶融金属めっき装置
20 焼鈍炉
30 ターンダウンロール室
31 ターンダウンロール
31a ロール胴部
31ba,31bb ロール端部
40 スナウト
50 溶融金属槽
51 溶融金属めっき浴
53 シンクロール
60 ガスワイピング装置
70 エジェクタ
80 サイクロン
101,121,141 第1の遮蔽板
101a,121a 上流側遮蔽板
101b,121b 下流側遮蔽板
103,113 排気口
105a,105b 支持軸
111,131,151 第2の遮蔽板
111a,131a,151a 上流側遮蔽板
111b,131b,151b 下流側遮蔽板
125a,125b 支持軸

Claims (10)

  1. 連続搬送される鋼帯を加熱する焼鈍炉と、
    前記焼鈍炉により焼鈍された鋼帯の進行方向を下向きに変えるターンダウンロールと、
    前記ターンダウンロールにより進行方向が変えられた鋼帯が浸漬される溶融金属めっき浴が収容された溶融金属槽と、
    周囲雰囲気から区画され、前記ターンダウンロールにより進行方向が変えられた鋼帯を前記溶融金属めっき浴に導くスナウトと、
    前記焼鈍炉と前記スナウトとの間に設けられ、周囲雰囲気から区画されて前記ターンダウンロールを収容するターンダウンロール室と、
    を備えた連続溶融金属めっき装置において、
    前記ターンダウンロール室又は前記スナウト内に設けられ、前記鋼帯の一方の面側で前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽する第1の遮蔽板及び前記鋼帯の他方の面側で前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽する第2の遮蔽板を備え、
    前記第1の遮蔽板及び前記第2の遮蔽板の少なくとも一方は、前記焼鈍炉側に位置する上流側遮蔽板及び前記溶融金属めっき浴側に位置する下流側遮蔽板を含み、
    前記上流側遮蔽板と前記下流側遮蔽板との間の領域から所定量の雰囲気ガスを排出する排気口を備える、連続溶融金属めっき装置。
  2. 前記第1及び第2の遮蔽板は、前記ターンダウンロール室内に設けられ、
    前記第1の遮蔽板の端部は、前記ターンダウンロール上の鋼帯に近接して配置され、
    前記第2の遮蔽板の端部は、前記ターンダウンロールの下方の面に近接して配置される、請求項1に記載の連続溶融金属めっき装置。
  3. 前記第1の遮蔽板は、前記鋼帯の進行方向に沿って回動可能に軸支される、請求項2に記載の連続溶融金属めっき装置。
  4. 前記第1及び第2の遮蔽板の端部が、前記ターンダウンロールの外形に対応する形状を有する、請求項2又は3に記載の連続溶融金属めっき装置。
  5. 前記第1の遮蔽板は一枚の遮蔽板からなり、前記第2の遮蔽板は前記上流側遮蔽板及び前記下流側遮蔽板を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の連続溶融金属めっき装置。
  6. 前記スナウト内で前記溶融金属めっき浴から発生した金属ヒュームのうち、前記焼鈍炉に侵入する金属ヒュームの割合の上限目標値に基づいて、前記排気口の開口面積を設定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続溶融金属めっき装置。
  7. 前記排気口に接続された排気通路に、前記雰囲気ガスの排出量を調整可能な排気装置を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続溶融金属めっき装置。
  8. 前記スナウト内で前記溶融金属めっき浴から発生した金属ヒュームのうち、前記焼鈍炉に侵入する金属ヒュームの割合の上限目標値に基づいて、前記排気装置による排気量を設定する、請求項7に記載の連続溶融金属めっき装置。
  9. 連続搬送される鋼帯を焼鈍炉で焼鈍した後、周囲雰囲気から区画されたターンダウンロール室及びスナウトを介して溶融金属めっき浴に浸漬することで前記鋼帯にめっきする溶融金属めっき鋼帯の製造方法において、
    前記ターンダウンロール室又は前記スナウト内で、前記鋼帯の一方の面側及び他方の面側でそれぞれ前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽するとともに、
    前記一方の面側及び前記他方の面側の少なくとも一方では、前記焼鈍炉側に位置する上流側遮蔽位置及び前記溶融金属めっき浴側に位置する下流側遮蔽位置で、前記溶融金属めっき浴側と前記焼鈍炉側とを遮蔽し、
    前記上流側遮蔽位置と前記下流側遮蔽位置との間の領域から所定量の雰囲気ガスを排出する、溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
  10. 前記間の領域の雰囲気ガスの圧力は、前記焼鈍炉内の雰囲気ガスの圧力及び前記スナウト内の雰囲気ガスの圧力より低く設定される、請求項9に記載の溶融金属めっき鋼帯の製造方法。
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