JP5275603B2 - 連続式熱処理装置 - Google Patents
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Description
この連続式熱処理装置100は、フィーダ11や昇降バスケット12などからなるワーク供給部10と、ラジアントヒータ21やメッシュベルトコンベア22などからなる加熱炉20と、ソルトなどの焼入液(塩浴)Lを溜めると共にヒータ31およびソルトコンベア32などを備えた冷却槽(ソルト槽)30と、洗浄機コンベア41やシャワー装置42などからなる洗浄部40と、乾燥機51や蒸気追出しブロア52などからなる乾燥部50とから主に構成されている。
次に、この冷却槽30内に投下されたワークを予め200〜300℃程度に加熱された焼入液Lによってその温度まで一気に冷却した後、その焼入液L内をソルトコンベア32によってゆっくりと搬送しながら所定時間漬け込んでその温度域で等温冷却処理(オーステンパ処理)を行う。
すなわち、冷却槽30内に溜められた高温の焼入液(ソルト)から発生する硝酸カリウムや亜硝酸ナトリウムなどの気体(ヒューム)が、この外部シュート60を通過して加熱炉20内に流れ込んで加熱炉20内の雰囲気(CO2などの雰囲気)と反応して凝結することがある。
また、この外部シュート60内には、搬出端から搬出されたワークを垂直下方に案内するための内部シュート(図示せず)が設けられているが、この凝結物(固形物)がそのシュートの表面に付着・堆積すると、ワークの通過を阻害してそのワークがシュート内で滞留したり、あるいはこのシュートを通過した際にそのワークの表面にこの凝結物が付着し、その品質を損なうことがある。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、加熱炉と冷却槽とを接続するシュート周辺での凝結物の発生を未然に防止することができる新規な連続式熱処理装置を提供するものである。
ワークを搬送させながら加熱処理する加熱炉内と、当該加熱炉の下方に位置するソルト槽内間を外部シュートで接続し、当該外部シュート内に前記加熱炉で加熱処理したワークをその搬出端から前記ソルト槽側に落下させて案内すべくワークの搬送方向における幅をワークの搬送方向と直交する方向における長さよりも狭く形成した内部シュートを備えた連続式熱処理装置において、前記内部シュートの上端または下端のいずれか一方あるいは両方に、前記内部シュートの長手方向に沿って設けられるとともに、当該内部シュートの開口部を横断するように不活性ガスを吹き出すガス吹出口をその長手方向に沿って複数形成したパイプ状のガス吹出ノズルを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置である。
請求項1に記載の連続式熱処理装置において、前記内部シュートに、当該内部シュートを所定温度以上に加熱するヒータを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置である。
請求項1又は2に記載の連続式熱処理装置において、前記外部シュートに、当該外部シュート内壁に沿って焼入液を流下させる焼入液流下ノズルを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置である。
また、請求項4の発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続式熱処理装置において、前記外部シュートに、当該外部シュート内の、ヒュームを含むガスを吸引して排出する排気ラインを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置である。
これによって、冷却槽で発生するヒュームと加熱炉の雰囲気が反応するのを阻止することができるため、凝結物の発生を未然に防止することができる。
これによって、ワークが内部シュートを通過する際に滞留したり、そのワークの表面に凝結物が付着するのを未然に回避することができる。
請求項4の記載の発明によれば、請求項1または3の効果に加えて請求項2の効果を同時に発揮することができる。
請求項5の記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて請求項3の効果を同時に発揮することができる。
請求項6の記載の発明によれば、請求項1〜3の全ての効果を同時に発揮することができる。
図1および図2は本発明に係る連続式熱処理装置100の実施の一形態を示したものである。
図において符号20は、ワークを加熱処理するための加熱炉であり、その外殻を構成する断熱性の炉本体23の内部には、ワークを水平に搬送するためのメッシュベルトコンベア22と、このメッシュベルトコンベア22によって搬送されるワークをその上下から加熱するための複数のラジアントヒータ21、21…とが収容された構造となっている。
なお、この内部シュート24は、ワークの搬送方向と直交する方向の大きさがメッシュベルトコンベア22の幅と同じ大きさになっているのに対し、ワークの搬送方向の幅はワークをできるだけ垂直に落下させるために狭くなっており、さらにその下端が上端に比べてやや狭まった構造となっている。
また、この加熱炉20の搬出端下方には、断面矩形のダクト状をした外部シュート60を介して冷却槽(ソルト槽)30が設けられている。
ヒータによってこの焼入液Lを所定温度(200〜300℃程度)に加熱・保持するようになっている。
この上部シュート61は、加熱炉20側に設けられた内部シュート24の下端を囲繞するようにその加熱炉20の底部に設けられていると共に、その側面にはガス排気通路63がこれより水平に延びるように設けられている。一方、下部シュート62は、その下端がこれより冷却槽30の天井壁35を貫通してその焼入液Lの液面下に臨むように設けられている。なお、図示するように、この下部シュート62の下端は、この冷却槽30内に投下されたワークがソルトコンベア32上に確実に載るように、そのソルトコンベア32の幅とほぼ一致するようにやや狭められていると共に、そのソルトコンベア32の搬送方向下流側にやや傾斜するように加工されている。
このガス吹出ノズル25,25は、図2に示すように、外部シュート60の上部シュート61および加熱炉20の炉本体23を外部から水平に貫通するように設けられた耐熱性の金属パイプ体26に微小なガス吹出口27をその長手方向に沿って形成したものである。そして、図示するように、ガス供給ラインL1から供給される窒素ガス(N2)などの不活性ガスをこの金属パイプ体26のガス吹出口27から内部シュート24の上端開口部24aおよび下端開口部24bを横断するようにカーテン状に吹き出してこれを塞ぐようになっている。
そのため、このガス吹出ノズル25,25から吹き出された不活性ガスが加熱炉20内に流れ込んでその雰囲気を壊したり、その不活性ガスの吹き出しによる、その加熱路20内や冷却槽30内の圧力上昇などを抑えることができる。なお、この際しては排気ラインL2による不活性ガスの吸引・排気に際しては、その周囲に存在するヒュームなども吸引されて排気されることがあることから、図1に示すように、この排気ラインL2には浄化フィルター68などのガス浄化装置や、吸引した不活性ガスを再利用すべく回収装置(図示せず)などをさらに設けるようにしても良い。
このシュート加熱用ヒータ28,28は、図2に示すようにメッシュベルトコンベア22によって搬送されるワークを加熱するためのラジアントヒータ21と同様な構造をしたロッド状の加熱体であり、そのステンレス製の内部シュート24をその前後から所定温度、例えば600℃以上に加熱するようになっている。
これによって、内部シュート24を所定温度以上に加熱することができるため、仮に冷却槽30で発生するヒュームと加熱炉20の雰囲気が反応して凝結物が発生してもこの凝結物が内部シュート24の表面に付着・堆積することがなくなる。
図示するように、このシュート加熱用ヒータ28,28がない例では、その上端付近の温度は800℃以上となっているが、その内部シュート24の下端にいくに従って温度が急激に低下しその最下端の温度は、約300℃となっている。
これに対し、このシュート加熱用ヒータ28,28を備えた本発明では、同じくその内部シュート24の下端にいくに従って温度が低下するものの、その中間部の温度はこのシュート加熱用ヒータ28,28がない場合に比べて高くなっている。そのため、冷却槽30で発生するヒュームが加熱炉20のCO2などの雰囲気と反応することによって発生する凝結物がその内部シュート24の表面へ付着し難くなる。
また、本発明の連続式熱処理装置100にあっては、図示するように、外部シュート60の上部シュート61と下部シュート62と接続部に、その外部シュート60の内壁に沿って焼入液を流下させる焼入液流下ノズル65が設けられている。
この焼入液流下ノズル65は、下部シュート62の上端縁部に沿って環状に延びる中空管66の内周部に沿って焼入液噴出口67を複数穿孔したものであり、図2に示すようにこの中空管66に接続される焼入液供給ラインL3から供給される焼入液をその外部シュート60の内壁面、より具体的には下部シュート62の内壁面に沿って流下させるようになっている。
20…加熱炉
24…内部シュート
24a…上端開口部
24b…下端開口部
25…ガス吹出ノズル
28…シュート加熱用ヒータ
30…冷却槽(ソルト槽)
60…外部シュート
61…上部シュート
62…下部シュート
63…ガス排気通路
65…焼入液噴出ノズル
L1…ガス供給ライン
L2…排気ライン
L3…焼入液供給ライン
Claims (4)
- ワークを搬送させながら加熱処理する加熱炉内と、当該加熱炉の下方に位置するソルト槽内間を外部シュートで接続し、当該外部シュート内に前記加熱炉で加熱処理したワークをその搬出端から前記ソルト槽側に落下させて案内すべくワークの搬送方向における幅をワークの搬送方向と直交する方向における長さよりも狭く形成した内部シュートを備えた連続式熱処理装置において、
前記内部シュートの上端または下端のいずれか一方あるいは両方に、前記内部シュートの長手方向に沿って設けられるとともに、当該内部シュートの開口部を横断するように不活性ガスを吹き出すガス吹出口をその長手方向に沿って複数形成したパイプ状のガス吹出ノズルを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置。 - 請求項1に記載の連続式熱処理装置において、
前記内部シュートに、当該内部シュートを所定温度以上に加熱するヒータを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置。 - 請求項1又は2に記載の連続式熱処理装置において、
前記外部シュートに、当該外部シュート内壁に沿って焼入液を流下させる焼入液流下ノズルを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続式熱処理装置において、
前記外部シュートに、当該外部シュート内の、ヒュームを含むガスを吸引して排出する排気ラインを備えたことを特徴とする連続式熱処理装置。
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