JP2004315187A - 物品の自動搬送水切り装置および自動搬送水切り方法、並びに物品の自動洗浄装置及び自動洗浄方法 - Google Patents

物品の自動搬送水切り装置および自動搬送水切り方法、並びに物品の自動洗浄装置及び自動洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物品の水切りを効果的に行うことのできる物品の自動搬送水切り装置、及び物品の自動洗浄装置を提供する。
【解決手段】物品20を自動的に搬送しながら水切りを行う物品の自動搬送水切り装置1であって、少なくとも前記物品20を載置して搬送する搬送ベルト部2と、該搬送ベルト部2を駆動させるベルト駆動部3と、前記物品20に上方向及び下方向から空気を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル14及び下側主ノズル15とを具備し、前記搬送ベルト部2は網状の構造を有するものであり、かつ前記上側主ノズル14及び下側主ノズル15が前記物品に対して傾斜方向から空気23を吹き付けるもの及び/または前記物品に対して傾斜させて設置されているものであることを特徴とする物品の自動搬送水切り装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を自動的に搬送しながら物品に水切りを行うための物品の自動搬送水切り装置及び自動搬送水切り方法、並びにこの物品の自動搬送水切り装置を用いて物品に洗浄及び乾燥処理を行う物品の自動洗浄装置及び自動洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、物品に例えば洗浄及び乾燥等の処理を施す際に、物品(被処理物)を搬送しながらその物品に純水や洗浄剤等を吹き付けて洗浄処理を行い、その後加熱した清浄空気(クリーンドライエア、以下、CDAと略すことがある)等を吹き付けて乾燥処理を行う方法が広く用いられている。
【0003】
例えば、半導体ウエーハを出荷する際にウエーハを保持・収納するキャリアボックスには、通常ウエーハへの汚染を防止するために非常に清浄なものが求められている。そのため、一般的にウエーハを収納する前にキャリアボックスに洗浄及び乾燥等の処理を施し、キャリアボックスに付着している塵(パーティクル)や有機物等を除去することが行われている。このようなキャリアボックスを洗浄する方法としては、例えば、特許文献1に開示されているような方法等が知られている。
【0004】
ここで、キャリアボックスの洗浄方法について簡単に説明する。
通常、このようなキャリアボックスに洗浄及び乾燥処理を行う場合、キャリアボックスは、先ず、ボックス本体、上蓋、インナーボックス、リテイナー、ガスケット等のパーツに分解され、その各パーツに分解されたキャリアボックスに純水による前洗浄を行う。続いて、前洗浄を行ったキャリアボックスに界面活性剤等の薬液を用いた薬液洗浄を行うことによって、付着しているパーティクルや有機物等を除去し、その後純水によるリンス(水洗)を十分に行う。
【0005】
リンスが行われた後、キャリアボックスを十分に乾燥させる。キャリアボックスの乾燥を行う方法としては、リンス後のキャリアボックスを例えばクリーンオーブン内に搬送し、オーブン内を60℃程度に保持して温風の循環により乾燥を行ったり、あるいはキャリアボックスの乾燥装置としてユニット内に組み込まれた回転機構を用いてキャリアボックスを装置内で回転させるとともに清浄な温風を吹き付ける、いわゆるスピンを利用した方法等を用いることによりキャリアボックスの乾燥が行われる。
【0006】
また、上記のようなキャリアボックスの洗浄及び乾燥処理では、キャリアボックスに洗浄処理を行った後、乾燥を行う前にキャリアボックスの水切りを行うことによって乾燥時間を短縮できることから、リンスが施されたキャリアボックスには、CDAを高速で吹き付けるCDAブローや、加圧した空気を利用するエアーナイフ等を用いて水切りが行われている。
【0007】
しかしながら、このような従来のCDAブローやエアーナイフ等のみによるキャリアボックスの水切りでは、キャリアボックスに付着している水滴が十分に水切りされているとは言えず、またキャリアボックスに空気を吹き付けた際に空気の流れが不規則で乱流状態を形成し易く、多量の空気をキャリアボックスに吹き付けても空気の供給量に対して十分な水切りの効果を得ることが難しいという欠点があった。そのため、従来では水切りを行ってもキャリアボックスの表面や内側には多くの水滴が残存しており、その後の乾燥処理でキャリアボックスを完全に乾燥させるためには依然長い処理時間が必要とされ、スループットの低下やコストアップの要因の一つとなっている。
【0008】
そして、このような水切りの効果が低いことにより乾燥処理に時間がかかるという問題は、半導体ウエーハのキャリアボックスを洗浄する場合に限定されて引き起こされるものではなく、様々な物品に洗浄及び乾燥処理を行う場合に共通して引き起こされる問題である。
【0009】
さらに上記の問題に加えて、被処理物を搬送しながら洗浄や乾燥等の各種処理を行うときには、被処理物が搬送中に滑って落下したり、また例えば処理中に加圧した空気やCDAの吹き付け等によって被処理物が飛散するのを防止して、被処理物を安定して搬送できるようにするため、一般的に専用のバスケットやラック等を用いて被処理物を保持・固定する必要があった。
【0010】
しかしながら、このように被処理物を専用のバスケットやラックに固定して搬送する場合、被処理物を専用のバスケットやラックに固定する前準備が必要であり、さらに洗浄や乾燥等の各種処理を行った後には搬送されてきたバスケットやラックから被処理物を取り出し、空のバスケットやラックを搬送装置の投入側に移動させて再び上記の前準備を開始しなければならないという手間が必要とされた。そのため、被処理物の搬送を効率的に行なうことができず、各種処理における処理時間の短縮やスループットの向上が妨げられ、大量処理を行うことが非常に困難であった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−156034号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、物品の水切りを効果的に行うことのできる物品の自動搬送水切り装置及び自動搬送水切り方法、並びにこの物品の自動搬送水切り装置を用いることにより物品に付着している処理溶液の水切りを効果的に行って、その後の乾燥処理を短時間で効率的に行うことができる物品の自動洗浄装置及び自動洗浄方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、物品を自動的に搬送しながら水切りを行う物品の自動搬送水切り装置であって、少なくとも前記物品を載置して搬送する搬送ベルト部と、該搬送ベルト部を駆動させるベルト駆動部と、前記物品に上方向及び下方向から空気を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル及び下側主ノズルとを具備し、前記搬送ベルト部は網状の構造を有するものであり、かつ前記上側主ノズル及び下側主ノズルが前記物品に対して傾斜方向から空気を吹き付けるもの及び/または前記物品に対して傾斜させて設置されているものであることを特徴とする物品の自動搬送水切り装置が提供される(請求項1)。
【0014】
このように、少なくとも搬送ベルト部、ベルト駆動部、上側主ノズル及び下側主ノズルを具備し、搬送ベルト部は網状の構造を有するものであり、かつ上側主ノズル及び下側主ノズルが物品に対して傾斜方向から空気を吹き付けるもの及び/または物品に対して傾斜させて設置されているものである物品の自動搬送水切り装置であれば、物品を自動搬送しながら上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して空気を吹き付けることによって、物品に付着している水や薬液等を十分に落とし、物品の水切りを効果的に行うことができる自動搬送水切り装置とすることができる。尚、本発明において物品に対して傾斜方向から空気を吹き付けるとは、以下に述べるように、ノズルが物品に対して傾斜させて設置されていることにより物品に対してノズルが斜めの方向から空気を吹き付けることや、物品を傾斜させて搬送することによりノズルに対して物品を傾斜させて空気を吹き付けることが含まれる。
【0015】
このとき、前記上側主ノズル及び/または下側主ノズルが、前記搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有するものであることが好ましい(請求項2)。
【0016】
このように上側主ノズル及び/または下側主ノズルが搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有するものであれば、上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して容易に傾斜方向から空気を吹き付けることのできる自動搬送水切り装置とすることができる。
【0017】
また、前記搬送ベルト部に、前記物品の向きを傾ける傾斜部及び/または段差部が形成されていることが好ましい(請求項3)。
本発明では、このように搬送ベルト部に傾斜部及び/または段差部が形成されていることによっても、物品を搬送しながらこの傾斜部及び/または段差部で物品の向きを傾けることができるので、物品の搬送時に上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して空気を容易に傾斜方向から吹き付けることのできる自動搬送水切り装置とすることができる。
【0018】
この場合、前記搬送ベルト部の傾斜部が、前記搬送ベルト部の搬送方向に向かって物品を上昇または下降させるような昇降傾斜、前記搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面全体を片側に傾斜させる片側傾斜、搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面を左右交互に傾斜させる交互傾斜、またはそれらが組合わされた傾斜となるように形成されているものとすることができる(請求項4)。
【0019】
自動搬送水切り装置において、搬送ベルト部の傾斜部が上記のような傾斜となるように形成されているものであれば、物品を搬送しながら物品の向きを傾けて空気を傾斜方向から容易に吹き付けることができるものとなるし、また物品に付着している水滴を物品の傾斜している方向に落としやすくすることができるので、物品の水切りを一層効果的に行うことができる装置となる。
【0020】
さらに、前記上側主ノズル及び/または下側主ノズルの各噴出口から噴射される空気の圧力を調節して前記物品に吹き付ける空気の圧力分布を制御する空気圧力調整手段が設置されていることが好ましい(請求項5)。
このように、本発明の自動搬送水切り装置に空気圧力調整手段が設置されていれば、ノズルの各噴出口から噴射される空気の圧力を調節して所望の圧力分布で空気を物品に吹き付けることができる。それによって、物品に吹き付けられた空気が乱流状態を形成せずに一方向に流れるように空気の流れを制御することが可能となるので、水切りの効果をさらに向上させることができる。
【0021】
また、本発明の自動搬送水切り装置では、前記搬送ベルト部が、O−リングベルトで構成されているものであることが好ましい(請求項6)。
このように、搬送ベルト部がO−リングベルトで構成されているものであれば、搬送ベルト部が容易に網状の構造を有するものとなるだけでなく、搬送ベルト部に傾斜部及び/または段差部を形成することも容易であり、また物品を安定して載置して搬送することができるものとなる。尚、ここで言うO−リングベルトとは、円筒状の弾性樹脂やゴムなどを環状に一体成形あるいは接着により形成した、いわゆるO−リングを物品搬送用のベルトとして用いたものを言う。
【0022】
さらに、前記ベルト駆動部が、少なくとも、前記搬送ベルト部を駆動させる駆動シャフトと、該駆動シャフトの両端に取り付けられた駆動チェーンと、該駆動チェーンを介して前記駆動シャフトに回転を与えるモーターと、該モーターの回転速度を制御して前記搬送ベルト部の搬送速度を制御する制御装置とを具備することが好ましい(請求項7)。
【0023】
ベルト駆動部が、このように、少なくとも駆動シャフト、駆動チェーン、モーター、制御装置を具備するものであれば、構成が簡単で組立ても容易であり、また搬送ベルト部の搬送速度を制御して安定して搬送ベルト部を駆動させることができるものとなる。
【0024】
また、本発明の自動搬送水切り装置は、前記物品を上方から押さえるとともに、前記搬送ベルト部の搬送速度と同期させて物品を搬送する上部ネット機構を有することが好ましい(請求項8)。
このように、本発明の物品の自動搬送水切り装置が上部ネット機構を有するものであれば、従来のようなバスケットやラック等の専用の治具を用いずに、物品を上方から押さえて物品の落下や飛散を防止でき、物品を連続的に安定して自動搬送しながら効率的に水切りを行うことができる自動搬送水切り装置とすることができる。
【0025】
さらに、前記搬送ベルト部に、前記搬送される物品の滑り落ちを防止するための滑り落ち防止手段が設けられていることが好ましい(請求項9)。
このように搬送ベルト部に滑り落ち防止手段が設けられていることによって、搬送ベルト部に傾斜部及び/または段差部等が形成されていても、物品を搬送ベルト部から滑り落とさずに安定して搬送しながら水切りすることができる。
【0026】
そして、本発明によれば、上記本発明の物品の自動搬送水切り装置を具備する物品の自動洗浄装置を提供することができる(請求項10)。
このような本発明の物品の自動洗浄装置であれば、洗浄処理が行われた物品の水切りを効果的に行うことができるので、その後の乾燥処理を短時間で効率的に行うことができる物品の自動洗浄装置とすることができる。
【0027】
さらに、本発明によれば、物品を自動的に搬送しながら水切りを行う物品の自動搬送水切り方法において、前記物品を網状の構造を有する搬送ベルト部に載置して自動的に搬送し、該物品の自動搬送時に、上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付ける、及び/または物品に対して傾斜させて設置した上側主ノズル及び/または下側主ノズルから空気を吹き付けることによって物品の水切りを行うことを特徴とする物品の自動搬送水切り方法が提供される(請求項11)。
【0028】
このように、物品を網状の構造を有する搬送ベルト部に載置して自動的に搬送し、その物品の自動搬送時に上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付ける、及び/または物品に対して傾斜させて設置した上側主ノズル及び/または下側主ノズルから空気を吹き付けることによって物品の水切りを行えば、物品に付着している水や薬液等をすばやく十分に落として、効果的に物品の水切りを行うことができる。
【0029】
このとき、前記搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有する前記上側主ノズル及び/または下側主ノズルを設置することにより、前記物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付けることが好ましい(請求項12)。
【0030】
本発明の自動搬送水切り方法では、このように搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有する上側主ノズル及び/または下側主ノズルを設置することによって、物品に対して空気を容易に上下の傾斜方向から吹き付けることが可能となる。
【0031】
また、前記物品を搬送ベルト部に形成した傾斜部及び/または段差部に通過させながら前記上側主ノズル及び下側主ノズルにより空気を吹き付けることが好ましい(請求項13)。
【0032】
本発明では、このように物品を搬送ベルト部に形成した傾斜部及び/または段差部に通過させながら上側主ノズル及び下側主ノズルにより空気を吹き付けることによっても、物品に対して空気を容易に上下の傾斜方向から吹き付けることができる。
【0033】
さらに、前記物品に吹き付けた空気が一方向に流れるように、物品に対して吹き付ける空気の傾斜方向及び/または空気の圧力分布を制御することが好ましい(請求項14)。
このように、物品に対して吹き付ける空気の傾斜方向及び/または空気の圧力分布を制御することによって、物品に吹き付けた空気が乱流状態を形成せずに一方向に流れるように空気の流れを制御することができるので、物品の水切りを一層効果的に行うことができる。
【0034】
また、本発明の自動搬送水切り方法では、前記物品を搬送する際に、上部ネット機構を用いて物品を上方から押さえつつ、該上部ネット機構と前記搬送ベルト部との搬送速度を同期させて物品を搬送することが好ましい(請求項15)。
【0035】
このように上部ネット機構を用いて物品を上方から押さえつつ、上部ネット機構と搬送ベルト部との搬送速度を同期させて物品を搬送することにより、バスケットやラック等の専用の治具を用いずに物品の落下や飛散を防止して、物品を安定して自動搬送しながら水切りを行うことができる。さらに、このように上部ネット機構を用いれば、物品を連続的に搬送して水切りを行うことができるため、処理時間を短縮させてスループットを著しく向上させることができ、処理量の大幅な増加を図ることが可能となる。
【0036】
そして、本発明によれば、上記本発明の物品の自動搬送水切り方法を用いて、少なくとも、前記物品を自動的に搬送しながら洗浄処理を行った後に水切りを行い、該水切りと同時または該水切り後に前記物品に乾燥処理を行うことを特徴とする物品の自動洗浄方法が提供される(請求項16)。
【0037】
このような本発明の物品の自動洗浄方法であれば、洗浄処理が行われた物品の水切りを効果的に行うことができるため、その後物品に乾燥処理を行う際に、乾燥ムラを生じさせず、また短時間で効率的に物品を乾燥させることができるので、洗浄及び乾燥処理のスループットを向上させることができる。
【0038】
このとき、前記自動洗浄を行う物品をウエーハのキャリアボックスとすることができる(請求項17)。
このように、本発明の物品の自動洗浄方法は、ウエーハのキャリアボックスを洗浄する際に特に好適に用いることができ、それによって、キャリアボックスの洗浄及び乾燥処理を効率的に高いスループットで行うことができる。
【0039】
この場合、前記乾燥処理をCDAブローまたはエアーナイフにより行うことが好ましい(請求項18)。
このように、乾燥処理をCDAブローまたはエアーナイフにより行うことによって、ウエーハのキャリアボックス等のような物品を搬送しながら乾燥処理を効率的に、また高清浄度を保って行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、物品の洗浄及び乾燥処理において、洗浄処理が行われた物品に付着している処理溶液の液滴を効果的に水切りできる水切り装置について、鋭意実験及び検討を重ねた。その結果、少なくとも物品を載置して搬送する搬送ベルト部と、その搬送ベルト部を駆動させるベルト駆動部と、物品に上方向及び下方向から空気を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル及び下側主ノズルとを具備し、上記の搬送ベルト部は網状の構造を有するものであり、かつ上側主ノズル及び下側主ノズルが物品に対して傾斜方向から空気を吹き付けるもの及び/または物品に対して傾斜させて設置されているものである物品の自動搬送水切り装置であれば、物品を自動的に搬送しながら上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して空気を吹き付けることによって、物品に付着している水や薬液等をすばやく十分に落として、物品の水切りを効果的に行うことができることを見出して、本発明を完成させた。
【0041】
先ず、本発明に係る物品の自動搬送水切り装置について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。図1は、本発明の物品の自動搬送水切り装置の一例を示す概略説明図である。
本発明の物品の自動搬送水切り装置1は、図1に示すように、少なくとも物品20を載置して搬送する搬送ベルト部2と、搬送ベルト部2を駆動させるベルト駆動部3と、物品20に上方向及び下方向から空気23を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル14及び下側主ノズル15とを具備するものである。尚、この図1において、物品20は、ウエーハのキャリアボックスのような少なくとも一つの面(下側の面)が開放端となるものとする。
【0042】
上記の搬送ベルト部2は、網状の構造を有するものであり、例えば図2(a)に示すように、O−リングベルト4を用いることによって容易に構成することができる。搬送ベルト部2がこのようにO−リングベルト4で構成されているものであれば、搬送ベルト部2に物品20を安定して載置して搬送することができるし、また下側主ノズル15による物品20の下方向からの空気の吹き付けが妨げられずに空気を十分に吹き付けることができる。なお、このO−リングベルト4としては、例えば弾性を有するゴム製のものを使用することができる。
【0043】
ベルト駆動部3は、図2(a)及び(b)に示すように、搬送ベルト部2を駆動させる駆動シャフト5と、駆動シャフト5の両端にチェーンボックス6内でギア7を介して取り付けられた駆動チェーン8と、駆動チェーン8を介して駆動シャフト5に回転動力を与えるモーター9と、モーター9の回転速度を制御して搬送ベルト部2の搬送速度を制御する制御装置10とを具備するものである。
【0044】
また、このベルト駆動部3では、駆動チェーン8とモーター9とが変速ギアボックス11を介して連結されており、搬送ベルト部の搬送速度を容易にかつ円滑に制御することができるようになっている。さらに、上記のような駆動シャフト5や駆動チェーン8等は、強化プラスチックやクリーン塩ビなどの塩化ビニル樹脂製とすることで、発塵の問題や物品の金属汚染を防止することができる。このとき、駆動シャフト5の幅W及び各駆動シャフト5間の間隔D1の大きさは搬送する物品の寸法や形状を考慮して調整すれば良く、特に限定されるものではない。
【0045】
このようなベルト駆動部3において、各駆動シャフト5は、図2(b)に示すように、チェーンボックス6内で支持体12に支持されている中空ベアリング13で保持されている。この中空ベアリング13としては、例えば図3に示すような転がり接触させる構造のものを用いることができ、駆動シャフト5を回転可能に保持することができる。さらに、中空ベアリング13の外側には、ずり落ち防止ガイド18がギア7及び駆動チェーン8を挟み込むようにして配置されている。また、駆動シャフト5の表面には、O−リングベルト4のズレを防止するための突起物や溝を形成しておくことが好ましい。
【0046】
また、上記の上側主ノズル14及び下側主ノズル15は、空気を噴射する噴出口をそれぞれいくつか有しており、不図示の空気供給装置から送られてきた空気を噴出口から噴射し、搬送されてきた物品20に対して上方向及び下方向から空気23を吹き付けることができるようになっている。
【0047】
そして、本発明の自動搬送水切り装置1は、これらの上側主ノズル14及び下側主ノズル15が、搬送ベルト部2に載置して搬送される物品20に対して傾斜方向から空気を吹き付けるものである。ここで、上側主ノズル及び下側主ノズルの設置状態の一例として、図4(a)に図1の(A)−(A’)における概略断面図を示す。この図4(a)に示したように、例えば上側主ノズル14及び下側主ノズル15が、搬送ベルト部2の搬送面に対して傾斜させて設置されていることにより、搬送面上の物品20に対して傾斜方向から空気を吹き付けることができる自動搬送水切り装置とすることができる。尚、この図4において、上下の各主ノズルから物品に向けて出ている矢印の向き及び長さは、上側主ノズル14及び下側主ノズル15から物品20に対して噴射される空気の方向及び強さを示している。
【0048】
このとき、上側主ノズル14及び下側主ノズル15は、搬送面に対する傾斜角度θが2°以上、特に3°〜5°程度となるようにして設置されることが好ましい。上側主ノズル14及び下側主ノズル15がこのような傾斜角度を有するように設置されていれば、各主ノズルの設置も容易であり、また物品20に傾斜方向からの空気の吹き付けを容易に行うことができる。
【0049】
尚、上側主ノズル14及び下側主ノズル15を傾斜させる方向は特に限定されるものではなく、図4(a)に示したように、上側主ノズル14と下側主ノズル15が共に搬送方向に対して右下がり(または共に左下がり)の傾斜方向となるように設置しても良いし、また図4(b)に示したように、上側主ノズル14を傾斜させる方向と下側主ノズル15を傾斜させる方向とが互いに反対の向き(右下がりと左下がり)となるように設置しても良い。
【0050】
また、本発明の自動搬送水切り装置において、上側主ノズル14及び/または下側主ノズル15は、物品に対して吹きつける空気を図4に示したようにノズルから垂直に噴射させるものに限定されるものではなく、空気を傾斜させて噴出するような傾斜した噴出口を有するものとすることができる。例えば物品に対して傾斜させて設置した上側主ノズル14及び下側主ノズル15を、図5に示したように傾斜した噴出口を有するものとし、上側主ノズル14及び下側主ノズル15から噴射される空気の方向を垂直方向にすることができる。
【0051】
さらに、上記本発明の自動搬送水切り装置は、図1に示すように、物品を上方から押さえるとともに、搬送ベルト部の搬送速度と同期させて物品を搬送する上部ネット機構17が設けられていることが好ましい。この上部ネット機構17の構成は特に限定されるものではないが、例えば、網状の構造を有して物品を上方から押さえる押さえネット部と、押さえネット部の両端に取り付けられた押さえネット駆動チェーンと、押さえネット駆動チェーンを駆動させる押さえネット駆動ギアとからなるものとすることができる。このような上部ネット機構17が自動搬送水切り装置1に設置されていることにより、物品を搬送しながら空気を吹き付けて水切りを行う際に、上方からの空気の吹き付けが妨げられず、従来のようなバスケットやラック等の専用の治具を用いずに物品を上方から押さえて物品の落下や飛散を防止することができるし、また物品を連続的に安定して自動搬送することも可能となる。
【0052】
続いて、本発明の物品の自動搬送水切り方法について、図1に示した物品の自動搬送水切り装置1を参照しながら詳細に説明する。尚、この図1の物品の自動搬送水切り装置1において、上側主ノズル14及び下側主ノズル15は、図4(a)に示したようにして搬送ベルト部2の搬送面に対して傾斜させて設置されているものとする。
【0053】
本発明の物品の自動搬送水切り方法は、物品20を網状の構造を有する搬送ベルト部2に載置して自動的に搬送し、その物品20の自動搬送時に、図4(a)に示したように搬送ベルト部2の搬送面上の物品に対して傾斜させて設置した上側主ノズル14及び下側主ノズル15により物品20に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付けることによって、物品20の水切りを行うことができる。このようにして物品20を自動搬送しながら水切りすることによって、物品に吹き付けた空気の流れ21が乱流状態を形成せずに、物品20の上面及び内側で一方向となるように制御することができるので、物品20に付着している水や薬液等をすばやく十分に落として物品の水切りを非常に効果的に行うことができる。この場合、ノズルは物品に対して傾斜配置されているので、例えば図4(a)の下側主ノズルで言えば、左方のノズル噴出口は物品に近く、右方は離れることになる。従って、均等圧及び流量で空気を物品に吹き付けても物品に対する空気の流れは、全体として右方の一方向21に流れ、乱流とならない。よって効率的に物品の水切りを行うことができる。
【0054】
尚、本発明の自動搬送水切り方法は、物品20の自動搬送時に上側主ノズル14及び下側主ノズル15により物品20に対して上下の傾斜方向から空気23を吹き付ける、及び/または物品20に対して傾斜させて設置した上側主ノズル14及び/または下側主ノズル15から空気を吹き付けることができれば、物品の水切りを非常に効果的に行うことができるものである。したがって、例えば図4(b)に示したように、上側主ノズル14及び下側主ノズル15を互いに反対の向きとなるように物品20に対して傾斜させて設置し、物品20に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付けて物品の水切りを行うことによっても、物品に吹き付けた空気の流れ21が物品20の上面及び内側で一方向となるように制御することができ、物品の水切りを非常に効果的に行うことができる。
【0055】
また、例えば図5に示したように、傾斜した噴出口を有する上側主ノズル14及び下側主ノズル15が物品20に対して傾斜させて設置されているものであれば、これらの上側主ノズル14及び下側主ノズル15から物品20に対して空気を吹き付けることによって、上記のように物品20に吹き付けた空気の流れ21を一方向となるようにすることができるので、物品20の水切りを非常に効果的に行うことができる。
【0056】
さらに、本発明の自動搬送水切り装置1には、前述のように上部ネット機構17が設置されているので、搬送ベルト部2に載置した物品20を上部ネット機構17を用いて上方から押さえつつ、この上部ネット機構17と搬送ベルト部2との搬送速度を同期させて物品20を自動的に搬送することによって、物品が様々な形状を有していたり、また種類の全く異なるものであっても、バスケットやラック等の専用の治具を用いずに物品の落下や飛散を防止して、物品を安定して自動搬送しながら水切りを行うことができる。さらに、このように上部ネット機構を用いれば、物品を連続的に搬送して水切りすることが可能となるため、処理時間を短縮させてスループットを著しく向上させることができ、処理量の大幅な増加を図ることが可能となる。
【0057】
次に、本発明の自動搬送水切り装置の別の形態として、搬送ベルト部に傾斜部が形成されている自動搬送水切り装置について、図6及び図7を参照しながら詳細に説明する。尚、この図6及び図7は、本発明の自動搬送水切り装置の構成を解かりやすくするために簡便に図示した構成概略図であり、駆動シャフトの傾き等については理解を容易にする為に、意図的に部分的に視点を変えて図示されている。
【0058】
図6に示した物品の自動搬送水切り装置31は、少なくとも、物品20を載置して搬送する搬送ベルト部32と、搬送ベルト部32を駆動させるベルト駆動部33と、物品20に上方向及び下方向から空気を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル14及び下側主ノズル15とを具備するものである。尚、図6に示した物品20は、図1と同様に少なくとも一つの面(下側の面)が開放端となるものとする。
【0059】
このような物品の自動搬送水切り装置31において、搬送ベルト部32は、網状の構造を有するものであり、図7(a)に示すように、O−リングベルト4を用いることによって容易に構成することができる。
【0060】
また図7(a)及び(b)に示すように、ベルト駆動部33は、図2に示したベルト駆動部3と同様に、搬送ベルト部32を駆動させる駆動シャフト5と、駆動シャフト5の両端にチェーンボックス6内でギア7を介して取り付けられた駆動チェーン8と、駆動チェーン8を介して駆動シャフト5に回転動力を与えるモーター9と、モーター9の回転速度を制御して搬送ベルト部32の搬送速度を制御する制御装置10とを具備しており、また駆動チェーン8とモーター9との間には変速ギアボックス11が設置されている。
【0061】
そして、上記の搬送ベルト部32には、図7(b)に示すように各駆動シャフト5を傾斜角度θで傾けることによって、すなわち図8に示すように駆動シャフトの一端を他方のもう一端の高さよりも高くなるようにして駆動シャフト5を保持することによって、搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面全体を片側に傾斜させる片側傾斜となるような傾斜部が形成されている。このとき、傾斜部の傾斜角度θは2°以上、特に3°〜5°程度であることが好ましい。搬送ベルト部32に傾斜部がこのような傾斜角度で形成されていることによって、物品を傾斜させて安定して搬送することができるとともに、物品を傾斜部に通過させた際に物品に付着している水滴を水滴の自重を利用して非常に落としやすくすることができる。
【0062】
ここで、図9の(a)〜(i)に、図6において上側主ノズル14及び下側主ノズル15を種々の方向で設置した場合の(B)−(B’)における概略断面図を示す。
上記のように、この態様の自動搬送水切り装置31は、搬送ベルト部32に物品20の向きを傾ける傾斜部が形成されているため、例えば図9(a)に示したように、搬送ベルト部32上の物品20をノズルに対して傾斜させることができる。したがって、この自動搬送水切り装置31は、上側主ノズル14及び下側主ノズル15が搬送ベルト部32で搬送される物品20に対して傾斜させて設置されているものとなり、物品20に対して傾斜方向から空気を吹き付けることができるものとなる。
【0063】
さらに、本発明の自動搬送水切り装置31は、上側主ノズル及び/または下側主ノズルを搬送方向に対して右下がりや左下がりとなるように傾斜させた状態で設置することができ、例えば図9(b)〜(i)に示したように上側主ノズル及び/または下側主ノズルを搬送方向に対して右下がりや左下がりに傾斜させて設置しても良い。
【0064】
このとき、上側主ノズル14及び下側主ノズル15は、物品20に吹き付けた空気が一方向に流れるようにして設置されていることが好ましい。例えば、図9の(a)、(c)、(g)、(i)に示したようにして上側主ノズル14及び下側主ノズル15を設置したり、またその他に上側主ノズル14及び/または下側主ノズル15の設置位置や設置数を調整すること等によって、物品に吹き付けた空気の流れが一方向に流れるように制御することができる。
【0065】
さらに本発明では、上側主ノズル14及び/または下側主ノズル15に、各噴出口から噴射される空気の圧力を調節して物品に吹きつける空気の圧力分布を制御する空気圧力調節手段を設置することができる。例えば図9(b)のようにして上側主ノズル及び下側主ノズルを設置した場合に、図10のように下側主ノズル15の各噴出口に例えば圧力計とバルブとからなる空気圧力調節手段22を設けておき、下側主ノズル15の各噴出口から噴射される空気の圧力を圧力計で測定しながらバルブで調節して、物品に吹きつける空気の圧力分布を制御することができ、物品に吹き付けた空気が一方向に流れるように空気の流れを制御することができる。
【0066】
また、このように片側傾斜の傾斜部を有する自動搬送水切り装置31において、図7に示すように、物品を傾斜部に通過(搬送)させる際に物品を搬送ベルト部から滑り落ちないようにするために滑り落ち防止手段34が搬送ベルト部32に設置されていることが好ましい。滑り落ち防止手段34は、チェーンボックス6の外壁にボルト等により固定することができ、その材質は、例えばステンレスにフッ素樹脂をコートしたものを用いれば、金属等の汚染を防止すると同時に搬送物品が接触しても滑りやすい表面なので摩擦による引っ掛かりがなく、スムーズな搬送ができる。
【0067】
さらに、この自動搬送水切り装置32には、図1に示したような上部ネット機構17が設けられていることが好ましい。例えば、上部ネット機構を片側傾斜している搬送ベルト部の傾斜角度θに合わせて傾けて設置することにより、バスケットやラック等の専用の治具を用いなくても物品の搬送を非常に安定して行うことができる。
【0068】
続いて、図6に示した物品の自動搬送水切り装置31を用いて、物品の水切りを行う自動搬送水切り方法について説明する。
自動搬送水切り装置31を用いて物品の水切りを行う方法は、物品20を網状の構造を有する搬送ベルト部32に載置し、搬送ベルト部32に形成した片側傾斜の傾斜部に通過させて物品の向きを傾けながら上側主ノズル14及び下側主ノズル15により空気を吹き付けることによって、物品20の水切りを行うことができるものである。このようにして物品の水切りを行えば、傾斜配置された物品への空気の吹き付けにより水切りを促進させることができるとともに、物品20に付着している水滴を水滴自体の自重を利用して物品20の傾斜している方向に向かって落としやすくすることができるので、物品の水切りを非常に効果的に行うことができる。
【0069】
このとき、上側主ノズル14及び下側主ノズル15から物品20に吹き付けた空気が一方向に流れるようにして、上下の主ノズルから物品に対して吹き付ける空気の傾斜方向及び/または空気の圧力分布を制御することが好ましい。例えば、前述したように、図9の(a)、(c)、(g)、(i)に示したようにして上側主ノズル14及び下側主ノズル15を設置したり、また図10に示したように空気圧力調整手段22を用いて物品に吹き付ける空気の圧力分布を制御することによって、物品に吹き付けた空気の流れ21が乱流状態を形成せずに物品20の上面及び内側で一方向となるように制御することができる。このように物品に吹き付けた空気が一方向に流れるように空気の流れを制御することによって、物品20の水切りの効果を一層高めることができる。特に、図10に示したように、物品に吹き付けた空気の流れる向きが、水滴が自重で落ちていく方向と同じ方向になるように空気の傾斜方向及び/または空気の圧力分布を制御することによって、極めて効果的に水切りを行うことが可能となる。
【0070】
尚、図6に示した物品の自動搬送装置31は、搬送ベルト部32に物品の向きを傾ける傾斜部として、搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面全体を片側に傾斜させる片側傾斜が形成されているものであるが、本発明において搬送ベルト部に形成する傾斜部は上記のような片側傾斜に限定されるものではない。
【0071】
搬送ベルト部に形成する傾斜部としては、上記片側傾斜の他に、搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面を左右交互に傾斜させる交互傾斜や、搬送ベルト部の搬送方向に向かって物品を上昇または下降させるような昇降傾斜、またこれらの片側傾斜、交互傾斜、昇降傾斜を組合わせた傾斜となるように傾斜部を形成することができる。
【0072】
例えば、搬送ベルト部に交互傾斜の傾斜部を形成する場合であれば、図11に搬送ベルト部32およびベルト駆動部33の構成を簡単に示すように、1本の駆動シャフトの一端を搬送面よりも高くなるように保持して1段目の傾斜を作り、次に2段目の傾斜を1段目の傾斜の向きと反対になるように駆動シャフトのもう一端を搬送面よりも高くなるように保持して形成する。そして、この1段目の傾斜と2段目の傾斜を交互に繰り返し形成していくことによって、搬送面を左右交互に傾斜させる交互傾斜の傾斜部を搬送ベルト部に形成することができる。尚、図11において、点線で示された駆動シャフトの一端は、傾斜させた駆動シャフトの紙面奥側の端面を示している。
【0073】
そして、このような交互傾斜の傾斜部に物品を通過させて物品の向きを傾けながら、上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付けて物品の水切りを行うことによって、前記物品を片側傾斜の傾斜部に通過させたときと同様に、物品の水切りを促進させるとともに物品に付着している水滴を物品の傾斜方向に向かって落としやすくすることができるので、物品の水切りを非常に効果的に行うことができる。
【0074】
さらに、例えばベルト駆動部33の駆動シャフトを図12に示すようにして高さを変えて保持することによって、搬送ベルト部32に物品を下降させる(または上昇させる)昇降傾斜の傾斜部を形成した場合も、物品を搬送ベルト部に載置して搬送しながら上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付けて物品の水切りを行うことができるので、物品の水切りを非常に効果的に行うことができる。
【0075】
次に、本発明の自動搬送水切り装置の更に別の形態として、搬送ベルト部に段差部が形成されている自動搬送水切り装置について、図13を参照しながら詳細に説明する。
図13(a)に示した物品の自動搬送水切り装置41は、少なくとも、物品20を載置して搬送する搬送ベルト部42と、搬送ベルト部42を駆動させるベルト駆動部43と、物品20に上方向及び下方向から空気を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル44及び下側主ノズル45とを具備するものである。
【0076】
このような物品の自動搬送水切り装置41において、搬送ベルト部42及びベルト駆動部43は、上記図1に示した搬送ベルト部2及びベルト駆動部3と同様の構成を有するものである。また、この搬送ベルト部42には、物品20の向きを傾けるための段差部46が形成されている。このような段差部46は、例えばチェーンボックス内で例えば支持体の長さを調節して駆動シャフトの高さを変えることにより容易に形成することができる。このとき、段差部46の傾斜角度θは、2°以上、特に3°〜5°程度であることが好ましい。
【0077】
このように自動搬送水切り装置41の搬送ベルト部42に段差部が形成されていることにより、搬送ベルト部42で搬送される物品20をノズルに対して傾斜させることができるので、上側主ノズル44及び下側主ノズル45が物品に対して傾斜させて設置されているものとすることができる。
【0078】
この自動搬送水切り装置41において、下側主ノズル45は、ノズル先端部に噴出口として図13(c)に示したようなスリット孔47及びアレイ孔48a、48b、48cが形成されている複合ノズルとなっている。尚、下側主ノズル45及び上側主ノズル44における噴出口の形状は特に限定されるものではなく、物品の形状等に応じて適切な噴出口の形状を選択することができる。
【0079】
ここで、下側主ノズル45の具体的な構成を図14に示す。
図14に示したように、下側主ノズル45は、先端部に形成されたスリット孔47及びアレイ孔48a〜48cのそれぞれに空気供給装置49から空気が供給され、各噴出口から空気を物品に向けて噴射することができるようになっている。このとき、空気供給装置49と、スリット孔47及びアレイ孔48a〜48cとの間には、例えばバルブ50、圧力計51、フローメータ52、フィルター53等からなる空気圧力調整手段が設置されており、空気供給装置49からスリット孔47及びアレイ孔48a〜48cに供給される空気の圧力を圧力計51で計測したり、また空気の流量をフローメータ52でそれぞれ計測しながら、バルブ50で空気の供給量を調節することによって、各噴出口から空気を適切な圧力及び流量で物品に吹き付けることができる。
【0080】
このような下側主ノズル45において、スリット孔47は、図13及び図14に示すように、搬送ベルト部42の搬送面に対して傾斜した噴出口を有しており、また搬送されてきた物品20の内側上面の中間部に幅広くに空気を吹き付けるようにスリット幅が調節されていることが好ましい。また、アレイ孔48a〜48cについては、例えばアレイ孔48a及び48cが物品20の内側上面の角隅に空気を吹き付けるように、アレイ孔48bが物品20の内側上面の真中程度に空気を吹き付けるように傾斜しているものであることが好ましい。
【0081】
一方、上側主ノズル44は、その先端部に噴出口として例えば図13(b)に示すようなスリット孔47またはアレイ孔48が形成されている。このとき、上側主ノズル44は、搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有するものとすることができる。
【0082】
そして、このような搬送ベルト部42に段差部46が形成されている自動搬送水切り装置41を用いて物品20に水切りを行う場合、図13に示したように、物品20を網状の構造を有する搬送ベルト部42で自動的に搬送して段差部46に通過させながら、物品に対して傾斜させて設置されている上側主ノズル44及び下側主ノズル45から物品20に対して空気23を吹き付けて水切りを行うことができる。
【0083】
このようにして水切りを行うことによって、物品20の水切りを促進させることができるとともに、物品20に付着している水滴19を水滴の自重を利用して物品20の傾斜している方向に向かって落としやすくすることができるし、さらに上側主ノズル44及び下側主ノズル45によって物品に吹き付けられた空気が乱流状態を形成せずに一方向に流れるように空気の流れを制御することもできる。したがって、このような物品の自動搬送水切り装置41を用いることにより、物品20の水切りを非常に効果的に行うことができ、特に物品の上面や進行方向に向いている前面及び後面に付着している水滴、また物品内側の内壁上面、内壁前面、内壁後面に付着している水滴等を極めて効果的に水切りすることができる。
【0084】
また、このような自動搬送水切り装置41には、前記の図1に示すような上部ネット機構を設置することができ、それによって物品の落下や飛散を防止して、物品を連続的に安定して自動搬送することができる。
【0085】
さらに、本発明では、図13に示した物品の自動搬送水切り装置41に、前記図1に示した物品の自動搬送水切り装置1や、図6に示した物品の自動搬送水切り装置31等を組合せて水切りすることによって、物品全体の水切りを極めて効果的に行うことが可能となる。
【0086】
そして、本発明では、上記本発明の自動搬送水切り装置を具備する物品の自動洗浄装置を提供することができる。
以下、本発明に係る物品の自動洗浄装置について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。図15は、本発明の物品の自動洗浄装置の一例を示す概略説明図である。
【0087】
本発明の物品の自動洗浄装置は、物品20を自動的に搬送しながら、例えば前洗浄、薬液洗浄、リンス等の洗浄処理を行った後、この洗浄処理が施された物品20に少なくとも上記本発明の自動搬送水切り装置、例えば図1に示した自動搬送水切り装置1を用いて、物品20に対して傾斜させて設置した上側主ノズル14及び下側主ノズル15により物品20に上下の傾斜方向から空気を吹き付けることにより水切りを行い、さらにその後、例えばエアーナイフやCDAブローによる乾燥処理を行うものである。
【0088】
このように、洗浄処理が施された物品に本発明の自動搬送水切り装置を用いて水切りを行うことにより、非常に効果的に水切りを行って物品に付着している水滴を十分に落とすことができる。したがって、その後エアーナイフ等による乾燥処理を行う際に、乾燥時間を大幅に短縮してスループットを従来に比べて著しく向上させることができるし、また乾燥ムラを生じさせずに均一に物品を乾燥させることもできる。
【0089】
さらに、本発明では、物品に水切りを行う際に、物品に吹き付ける空気の流量や温度を調節したり、物品に空気を吹き付ける時間を長くしたりすること等により物品の乾燥を同時に行うことが可能となり、その後の乾燥処理を省略して処理時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0090】
そして、このような本発明の自動洗浄方法は、前述のようなウエーハを保持・収納するキャリアボックスを洗浄する際に特に好適に用いることができる。ウエーハのキャリアボックスの洗浄を本発明の自動洗浄方法で行うことによって、キャリアボックスの洗浄処理及び乾燥処理を効率的に非常に高いスループットで行うことができる。
【0091】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、先ず、直径200mmのシリコンウエーハを収納できるキャリアボックスに前洗浄、薬液洗浄、リンスによる洗浄処理を行った後、図1に示した物品の自動搬送水切り装置1を用いて、洗浄処理が行われたキャリアボックスを搬送ベルト部2に載置し自動的に搬送しながら、上側主ノズル14及び下側主ノズル15により物品20に対して上下の傾斜方向からCDAを吹き付けることにより水切りを行った。このとき、自動搬送水切り装置1の上側主ノズル14及び下側主ノズル15は、図4(a)のようにして搬送ベルト部2の搬送面に対して傾斜角度θが5°となるように傾斜させて設置されている。
【0092】
この自動搬送水切り装置1による水切りの効果を確かめるために、洗浄処理が行われる前のキャリアボックスの重量を予め求めておき、そして洗浄処理直後の水滴の付着したキャリアボックスの重量、及び自動搬送水切り装置1により水切りが行われたキャリアボックスの重量を測定して洗浄処理前のキャリアボックスの重量との差を算出することによって、それぞれの段階でキャリアボックスに付着している水滴の量を求めた。
その結果、洗浄処理直後にキャリアボックスに付着している水滴の量はおよそ68g、自動搬送水切り装置1による水切り後の水滴の量はおよそ49gであることが分かった。
【0093】
(実施例2)
実施例2として、上記実施例1と同様に、先ずキャリアボックスに前洗浄、薬液洗浄、リンスによる洗浄処理を行った後、図6に示した物品の自動搬送水切り装置31を用いて、洗浄処理が行われたキャリアボックスを搬送ベルト部32に載置し自動的に搬送しながら、上側主ノズル14及び下側主ノズル15により物品20に対して上下の方向からCDAを吹き付けることにより水切りを行った。このとき、物品の自動搬送水切り装置31の搬送ベルト部32に形成されている片側傾斜の傾斜部は、傾斜角度θが5°となるように形成されており、また上側主ノズル14及び下側主ノズル15は、図9(a)に示したように設置されている。また、上側主ノズル及び下側主ノズルから物品に対して吹き付けるCDAの圧力及び流量は、上記実施例1と同様の条件となるようにした。
【0094】
この自動搬送水切り装置31による水切りの効果を確かめるために、上記実施例1と同様に、洗浄処理が行われる前のキャリアボックスの重量を予め求めておき、そして洗浄処理直後の水滴の付着したキャリアボックスの重量、及び自動搬送水切り装置31により水切りが行われたキャリアボックスの重量を測定することによって、それぞれの段階でキャリアボックスに付着している水滴の量を求めた。
その結果、洗浄処理後にキャリアボックスに付着している水滴の量はおよそ68g、自動搬送水切り装置1による水切り後の水滴の量はおよそ38gであることが分かった。
【0095】
(比較例)
比較例として、先ずキャリアボックスに前洗浄、薬液洗浄、リンスによる洗浄処理を行った後、物品を搬送しながらCDAを上下方向から物品に対して垂直に吹き付けるCDAブローによりキャリアボックスの水切りを行った。このとき、物品に吹き付けるCDAの圧力及び流量は、上記実施例1及び2と同様の条件となるようにした。
【0096】
この垂直方向からのCDAブローによる水切りの効果を確かめるために、洗浄処理が行われる前のキャリアボックスの重量を予め求めておき、そして洗浄処理後の水滴の付着したキャリアボックスの重量、及びCDAブロー直後のキャリアボックスの重量を測定することによって、それぞれの段階でキャリアボックスに付着している水滴の量を求めた。
【0097】
その結果、洗浄処理後にキャリアボックスに付着している水滴の量はおよそ68g、CDAブロー直後の水滴の量は58gであることが分かった。このように、CDAブローによるキャリアボックスの水切りでは、実施例1及び実施例2に比べて水切りの効果が非常に低いことがわかった。
【0098】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0099】
例えば、上記では、上下に配置されるノズルとして主ノズルが配置される場合を例示したが、これに加えて複数の補助ノズルを設置しても良い。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、物品を自動搬送しながら上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付ける、及び/または物品に対して傾斜させて設置した上側主ノズル及び/または下側主ノズルから空気を吹き付けることによって、物品に付着している水滴を十分に落として物品の水切りを効果的に行うことができる。また、本発明の物品の自動洗浄方法によれば、洗浄処理が施された物品に水切りを効果的に行うことができるので、物品の乾燥処理を短時間で効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品の自動搬送水切り装置の一例を示す構成概略図である。
【図2】(a)、(b)は、搬送ベルト部及びベルト駆動部の構成を示す構成概略図である。
【図3】中空ベアリングの構成を示す構成概略図である。
【図4】(a)、(b)は、上側主ノズル及び下側主ノズルの設置状態の一例を示す概略断面図である。
【図5】傾斜した噴出口を有する上側主ノズル及び下側主ノズルの設置状態の一例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の物品の自動搬送水切り装置の別の例を示す構成概略図である。
【図7】(a)、(b)は、搬送ベルト部及びベルト駆動部の構成を示す構成概略図である。
【図8】搬送ベルト部に形成されている傾斜部の一例を示す構成概略図である。
【図9】(a)〜(i)は、物品が傾斜配置された場合の上側主ノズル及び下側主ノズルの設置状態の例を示す概略断面図である。
【図10】空気圧力調整手段を有する場合の上側主ノズル及び下側主ノズルの設置状態の一例を示す概略断面図である。
【図11】搬送ベルト部に交互傾斜の傾斜部を形成する場合の搬送ベルト部及びベルト駆動部の構成の一例を簡単に示した概略説明図である。
【図12】搬送ベルト部に昇降傾斜の傾斜部を形成する場合の搬送ベルト部及びベルト駆動部の構成の一例を簡単に示した概略説明図である。
【図13】(a)は、搬送ベルト部に段差部が形成されている本発明の物品の自動搬送水切り装置の一例を示す構成概略図であり、(b)は、上側主ノズルの噴出口を示す構成概略図であり、(c)は、下側主ノズルの噴出口を示す構成概略図である。
【図14】(a)は、下側主ノズルの概略断面図であり、(b)は、下側主ノズルの透視図である。
【図15】本発明の物品の自動洗浄装置の一例を示す構成概略図である。
【符号の説明】
1…物品の自動搬送水切り装置、 2…搬送ベルト部、
3…ベルト駆動部、 4…O−リングベルト、
5…駆動シャフト、 6…チェーンボックス、 7…ギア、
8…駆動チェーン、 9…モーター、 10…制御装置、
11…変速ギアボックス、 12…支持体、
13…中空ベアリング、 14…上側主ノズル、
15…下側主ノズル、 17…上部ネット機構、
18…ずり落ち防止ガイド、 19…水滴、
20…物品、 21…空気の流れ、
22…空気圧力調整手段、 23…空気、
31…物品の自動搬送水切り装置、
32…搬送ベルト部、 33…ベルト駆動部、
34…滑り落ち防止手段、
41…物品の自動搬送水切り装置、
42…搬送ベルト部、 43…ベルト駆動部、
44…上側主ノズル、 45…下側主ノズル、
46…段差部、 47…スリット孔、
48,48a,48b,48c…アレイ孔、
49…空気供給装置、 50…バルブ、 51…圧力計、
52…フローメータ、 53…フィルター、
D1…駆動シャフトの間隔、 W…駆動シャフトの幅。

Claims (18)

  1. 物品を自動的に搬送しながら水切りを行う物品の自動搬送水切り装置であって、少なくとも前記物品を載置して搬送する搬送ベルト部と、該搬送ベルト部を駆動させるベルト駆動部と、前記物品に上方向及び下方向から空気を吹き付けて水切りを行う上側主ノズル及び下側主ノズルとを具備し、前記搬送ベルト部は網状の構造を有するものであり、かつ前記上側主ノズル及び下側主ノズルが前記物品に対して傾斜方向から空気を吹き付けるもの及び/または前記物品に対して傾斜させて設置されているものであることを特徴とする物品の自動搬送水切り装置。
  2. 前記上側主ノズル及び/または下側主ノズルが、前記搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  3. 前記搬送ベルト部に、前記物品の向きを傾ける傾斜部及び/または段差部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  4. 前記搬送ベルト部の傾斜部が、前記搬送ベルト部の搬送方向に向かって物品を上昇または下降させるような昇降傾斜、前記搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面全体を片側に傾斜させる片側傾斜、搬送ベルト部の搬送方向に対して搬送面を左右交互に傾斜させる交互傾斜、またはそれらが組合わされた傾斜となるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  5. 前記上側主ノズル及び/または下側主ノズルの各噴出口から噴射される空気の圧力を調節して前記物品に吹き付ける空気の圧力分布を制御する空気圧力調整手段が設置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  6. 前記搬送ベルト部が、O−リングベルトで構成されているものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  7. 前記ベルト駆動部が、少なくとも、前記搬送ベルト部を駆動させる駆動シャフトと、該駆動シャフトの両端に取り付けられた駆動チェーンと、該駆動チェーンを介して前記駆動シャフトに回転を与えるモーターと、該モーターの回転速度を制御して前記搬送ベルト部の搬送速度を制御する制御装置とを具備することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  8. 前記物品を上方から押さえるとともに、前記搬送ベルト部の搬送速度と同期させて物品を搬送する上部ネット機構を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  9. 前記搬送ベルト部に、前記搬送される物品の滑り落ちを防止するための滑り落ち防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り装置を具備する物品の自動洗浄装置。
  11. 物品を自動的に搬送しながら水切りを行う物品の自動搬送水切り方法において、前記物品を網状の構造を有する搬送ベルト部に載置して自動的に搬送し、該物品の自動搬送時に、上側主ノズル及び下側主ノズルにより物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付ける、及び/または物品に対して傾斜させて設置した上側主ノズル及び/または下側主ノズルから空気を吹き付けることによって物品の水切りを行うことを特徴とする物品の自動搬送水切り方法。
  12. 前記搬送ベルト部の搬送面に対して傾斜した噴出口を有する前記上側主ノズル及び/または下側主ノズルを設置することにより、前記物品に対して上下の傾斜方向から空気を吹き付けることを特徴とする請求項11に記載の物品の自動搬送水切り方法。
  13. 前記物品を搬送ベルト部に形成した傾斜部及び/または段差部に通過させながら前記上側主ノズル及び下側主ノズルにより空気を吹き付けることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の物品の自動搬送水切り方法。
  14. 前記物品に吹き付けた空気が一方向に流れるように、物品に対して吹き付ける空気の傾斜方向及び/または空気の圧力分布を制御することを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り方法。
  15. 前記物品を搬送する際に、上部ネット機構を用いて物品を上方から押さえつつ、該上部ネット機構と前記搬送ベルト部との搬送速度を同期させて物品を搬送することを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り方法。
  16. 請求項11ないし請求項15のいずれか一項に記載の物品の自動搬送水切り方法を用いて、少なくとも、前記物品を自動的に搬送しながら洗浄処理を行った後に水切りを行い、該水切りと同時または該水切り後に前記物品に乾燥処理を行うことを特徴とする物品の自動洗浄方法。
  17. 前記自動洗浄を行う物品をウエーハのキャリアボックスとすることを特徴とする請求項16に記載の物品の自動洗浄方法。
  18. 前記乾燥処理をCDAブローまたはエアーナイフにより行うことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の物品の自動洗浄方法。
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