JP4872400B2 - 連続溶融金属めっき設備 - Google Patents

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Description

本発明は、連続溶融金属めっき設備、特にスナウト内のアッシュやドロスに起因するに不めっき欠陥の防止に好適な連続溶融金属めっき設備に関する。
連続溶融金属めっき、例えば連続溶融亜鉛めっきは、一般に、焼鈍炉からスナウトを介してめっき浴槽に導かれた鋼帯が、浴中のシンクロールで上方に方向転換され、浴中のサポートロールにより反りが矯正された後、浴外に引上げられ、ガスワイピングノズルにより所定のめっき付着量に調整されるという手順で行われる。
このような連続溶融亜鉛めっきにおいて、ドロスと称される異物やアッシュと称される異物が浴槽にて鋼帯に付着し、品質上の欠陥を生じる場合がある。ドロスとは、鋼帯から亜鉛浴に溶出したFeと、めっき密着性向上等のために亜鉛浴に0.1〜0.2%添加されたAlとが反応して生じたFeAlであり、このようなドロスが付着した鋼板をプレス加工すると、押し傷となったり、金型を傷つけたりする不具合を招く。
また、アッシュとは、亜鉛ヒュームの固体であって、スナウト内で鋼帯に付着すると、ガスワイピング時に吹き飛ばされてその部分のめっきが不十分(不めっき欠陥)になる不具合を招く。なお、異物としては、上記ドロスやアッシュ以外にも、溶融亜鉛の浴面に常時生成されている亜鉛の酸化膜が、浴面の波立ちによって割れて、その下側の亜鉛浴が空気に接触することによって、過剰に生成した酸化亜鉛(酸化ドロスと称されるもの)があり、これが鋼板に付着すると、アッシュと同様、不めっき欠陥になる不具合を招く。
ドロスやアッシュ等の異物は、鋼帯が最初に亜鉛浴に進入するスナウト内浴面で鋼帯に付着する場合が多く、また、鋼帯の亜鉛浴中への進行に伴って生ずる流れにより亜鉛浴中を浮遊しているドロス等がスナウト内へ引き込まれ、スナウト内はドロス等が溜まりやすい状況にある。
このような問題への対処法として、スナウト内浴面のドロスをモータポンプにより溶融亜鉛と共にスナウト外へ吸い出す方法(特許文献1参照)が知られている。しかし、この方法では、モータポンプの寿命が、亜鉛による腐食や摩耗のため短く(3〜4ヶ月程度)、その補修費用が嵩むし、モータポンプは一般に大型で、スペース的な余裕の小さいめっき設備に対しては適用が困難であるという問題がある。
一方、ガスリフトポンプによりスナウト内のドロス等の異物を除去する手段として、図6に示すような連続溶融金属めっき設備の異物除去装置が知られている(特許文献2参照)。この装置は、U字形の連通管(U字管)21を、その一端側の吸込側配管21aの先端がスナウト4内の浴面位置に、その他端側の吐出側配管21bの先端がスナウト4外の浴面位置にくるように配設し、吐出側配管21bに同管内の溶融金属をガスリフト(浮上する気泡に随伴させて上昇)させる不活性ガス(例:Nガス)23の気泡を供給するガス供給管22を挿入したものである。このようなU字管21とガス供給管22とを組み合わせたガスリフトポンプが鋼帯Sの幅方向両端近傍に各1つずつ配置される。
ガス供給管22にNガス23を送り込むと、吐出側配管21b内に吐出したN2ガスの気泡23aの浮上により同管内の溶融金属がガスリフトされ、これに伴って吸込側配管21a内の溶融金属に下降流が誘発され、その結果、スナウト3内の浴面上の異物9が溶融金属と共にU字管6の一端側から吸い込まれ、他端側から吐出される。
ガスリフトポンプは、モータポンプに比べ安価で故障し難い利点があるが、特許文献2に示されているような構成のガスリフトポンプでは、以下のような問題があった。
ガス供給管22は吐出側配管21bの先端(吐出口)から挿入されているため、ガスリフト効率を高めるためには、U字管の底部近傍までガス供給管22の先端を位置させる必要があり、その結果、吐出側配管21b内において吸引ドロスの流れの抵抗となり、この部分でドロスが詰まることがある。そのため、吸引効率が低下し、異物除去効果が発揮できない問題があった。また、配管詰まりを防止するために、常時ガスリフトさせる必要があるためそのためのガス使用量が多くなるという問題があった。
スナウト内で酸化ドロスの皮膜が浴表面へ広く漂い始めると、この皮膜を巻き込み、不めっき欠陥が発生するが、この酸化ドロス皮膜の巻き込みによる不めっきは、鋼帯幅が広がる方向に変更されたときに発生するが、鋼帯幅が一定であるかまたは狭まる方向に変更されたときは発生しない。
特許文献3は、この知見を利用して、次のようにして前記のガスリフトポンプの問題点を改善することを開示する。すなわち、図7に示すように、ガスリフトポンプ25を、前記U字管21の吐出側配管21bの側壁を貫通して同管内に前記ガス供給管24の先端部が挿入させた構造とすることで、吐出側配管21bとガス供給管24とでなす二重管構造部分を削減して溶融金属の流路を拡げ、それによって吐出側配管21b内の詰まりを防止する。またこのガスリフトポンプ25を、浴上のスナウト4外位置に配置させる待機位置と、前記U字管21の吸込側配管21aをスナウト内に前記吐出側配管21bをスナウト外にそれぞれ配置させる稼動位置と、に切替えるためのエアシリンダ26およびエアモータ27を備えた昇降、回転装置32を設けて、酸化ドロス皮膜の巻き込みによる不めっきが発生しない時間帯にスナウト4内にガスリフトポンプ25を移動させて異物の除去を行
い、異物の除去を除去したらガスリフトポンプ25をスナウト4外で待機させること、すなわちガスリフトポンプ25の常時運転を不要とすることでガス使用量を低減する。図7は、ガスリフトポンプ25のU字管21の吸込側配管21aをスナウト内に前記吐出側配管21bをスナウト外にそれぞれ配置させる稼動位置を示し、二点差線のU字管21´は、ガスリフトポンプ25を、浴上のスナウト4外位置に配置させる待機位置のU字管21の位置を示す。
特開平3−140448号公報 特開2000−265254号公報 特開2005−264224号公報
特許文献3によれば、前記吐出側配管内の詰まりを防止でき、またガス使用量を低減出来る。しかし、ガスリフトポンプをスナウト内とスナウト外に移動させる昇降、回転装置の設置費用は高額となる。また、スナウト周辺にガスリフトポンプ本体を昇降、回転させるスペースが必要であり、これらのスペースを確保できない場合があり、あるいは確保できてもスナウト近傍でのめっき作業性を損なう問題がある。また、凝固した酸化ドロスを吸引する際の位置合わせが難しく吸引効果が発揮できないことがある。
本発明の課題は、上記のような問題点に鑑み、ガスリフトポンプ本体を昇降、回転させるスペースを必要とせず、吐出側配管詰まりの防止とガス使用量の低減を実現でき、またはさらに凝固した酸化ドロスを効率よく吸引できる、連続溶融金属めっき設備を提供することである。
上記課題を解決する本発明の手段は次のとおりである。
第1発明は、溶融金属の浴中に浸漬させたスナウトを昇降可能なスナウト昇降手段を備える鋼帯の連続溶融金属めっき設備であって、その一端部が前記スナウト内の前記溶融金属の浴面に位置してドロス吸込部となるようにスナウト内に配置される吸込側配管と、その一端部が前記スナウト外の前記溶融金属の略浴面に位置してドロス吐出部となるようにスナウト外に配置される吐出側配管とを設けて、前記吸込側配管と前記吐出側配管を前記ドロス吸込部および前記ドロス吐出部よりも下方のスナウト壁部に形成した貫通孔を介して連通させ、前記吐出側配管の側壁に開口部を設けて、該開口部に、その上端が溶融金属の浴上にあってその上端から、前記吐出側配管内の溶融金属をガスリフトさせるガスを供給するガス供給管を該ガス供給管の先端が前記吐出側配管内に位置するように挿入引き抜きが自在である差込用配管を取り付けてなることを特徴とする連続溶融金属めっき設備である。
第2発明は、前記吸込側配管は鋼帯幅方向両端部近傍に配置され、前記吐出側配管は、スナウト後方のスナウト幅方向両側に配置されるとともに、前記ナウト幅方向両側の吐出側配管の一端部は互いに近接配置され、また前記吸込側配管と前記吐出側配管を連通する前記スナウトの貫通孔は、該スナウト裏側のスナウト幅方向両端部側に設けられてなることを特徴とする第1発明に記載の連続溶融金属めっき設備である。
第3発明は、前記吸込側配管の一端は、浴面に略平行な円盤を備えることを特徴とする第1発明または第2発明に記載の連続溶融金属めっき設備である。
第4発明は、前記差込用配管内に、前記ガス供給管が、その先端が前記吐出側配管内に位置するように挿入されてなることを特徴とする第1発明〜第3発明のいずれかに記載の連続溶融金属めっき設備である。
本発明によれば、ガスリフトポンプのスナウト内にある吸込側配管とスナウト外にある吐出側配管とをスナウトと一体化して形成したことで、ガスリフトをコンパクトな設備にできる。
また、本発明では、スナウト内の異物を除去するときだけ、差込用配管内にガス供給管を挿入してガスリフトさせるので、ガス使用量を低減でき、また吐出側配管とガス供給管とでなす二重管構造部分を削減することで、溶融金属の流路が拡がるため、酸化ドロスが吐出側配管内に詰まりにくくなる。
また、スナウトを昇降させることで、吸込側配管のドロス吸込部を浴面位置に確実に配置でき、スナウト内の酸化ドロスを効率良くスナウト外に排出でき、さらに吸込側配管のドロス吸込部に浴面に略平行な円盤を備えることで、凝固した酸化ドロスであっても確実にスナウト外に排出できる。
また、ガスリフトのためのガス供給管の取り付けは、スナウト裏側に設けられた差込用配管内に挿入させるだけでよく、ガス供給管の取り付けを簡単に行うことができる。
また、スナウト幅方向両側に配置された吐出側配管のドロス吐出部はスナウト裏側の中央よりに近接配置されているので、スナウトから排出されたドロスのめっき槽外への取り出し作業が容易である。
また、スナウト内の異物を除去しないときは、ガスリフト用のガス供給管が設置されていないので作業を行いやすい。
スナウト内の浴面には、酸化ドロスだけでなく、焼鈍炉内を搬送された鋼帯によってもたらされた多様な異物が存在する。多くの異物は、後記するガスリフトポンプのような異物除去装置によってスナウト外に除去できる。しかし、例えば、中にはスナウト内固着ドロスのように、通常の異物除去装置ではスナウト外に除去困難なものがある。このような異物はライン停止してから除去される。
近年、ライン停止して異物を除去する際の作業性を改善する点から、スナウトを中間で上下に分割し、上部部分に昇降機構を設置し、下部部分を昇降自在にした構造のスナウトが広く採用されている。このような構造のスナウトは、通常操業では、スナウトの先端部は溶融金属浴中に浸漬され、異物除去作業の際は、炉内雰囲気をNガス雰囲気に置換した後またはシール装置によってスナウトと炉部間をシールした後、昇降機構を用いてスナウト先端部が浴上にくるようにスナウト下部部分を上昇させて、スナウト先端部を浴上に上昇させ、浴面の異物を除去する。異物を除去したら、昇降機構を用いてスナウト下部部分を降下させてスナウト先端部を浴中の元の位置に戻し、炉内雰囲気を元の還元性雰囲気に戻し、又はシールを解除する。
本発明では、スナウト内に存在する異物によって発生する問題をより確実に防止する観点から、連続溶融金属めっき設備は、上記のような溶融金属の浴中に浸漬させたスナウト先端部を溶融金属の浴上に引き上げ可能とするために、スナウトを昇降させるスナウト昇降手段を備える鋼帯の連続溶融金属めっき設備を対象とした。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る連続溶融金属めっき設備の要部を示す概略正面図である。図2は、スナウトに取り付けられる吸込側配管と吐出側配管の構造を説明する概略側面図で、図1の吸込側配管8および吐出側配管9の管軸中心線に沿った鉛直断面図である。
図1および図2において、Sは鋼帯、1は溶融金属浴、2は溶融金属浴槽、3はシンクロール、4はスナウト、5はスナウトシュート、7はスナウト昇降機構、8は吸込側配管、9は吐出側配管、10は差込用配管、11はガス供給管、12はスナウト4に設置された貫通孔、13は吐出側配管に形成された開口部、14は吸込側配管8の一端部に取り付けられた円盤、15はモニターカメラである。ガス供給管11は、不活性ガス配管16に接続されている。本実施形態では、不活性ガスとしてNガスを使用する。
なお、本明細書において、スナウト後方とはスナウトの鋼板下面に対向する側であり、図2においてスナウト4の左側方向を意味する。また、スナウト裏側は、図2のスナウト4の左側近傍を意味する。
スナウト4先端部は溶融金属浴1中に浸漬されている。スナウト4後面のスナウト先端部近傍の両端部側にスナウト4の内側と外側を連通する貫通孔12が設けられている。吸込側配管8は、スナウト4内に配置され、その一端部は前記スナウト4内の前記溶融金属浴1の浴面に位置して、ドロス吸込部81となるように配置されている。吐出配管9は、スナウト4外に配置され、その一端部は前記スナウト4外の前記溶融金属浴1の略浴面に位置して、ドロス吐出部91となるように設けられている。
各貫通孔12は、ドロス吸込部81およびドロス吐出部91よりも下方に位置しており、各貫通孔12のスナウト4内側壁部に吸込側配管8の他端、貫通孔12のスナウト4外側壁部に吐出配管9の他端が接続され、吸込側配管8と吸込側配管8は貫通孔12を介して連通している。吸込側配管8の管内および吐出側配管9の浴面下の配管内には溶融金属浴が入っている。
スナウト4の両端部側に設置された各吐出配管9のドロス吐出部は、浴面上のスナウト4幅方向中央寄りに吐出方向が反スナウト4側となるようにして近接配置されている。
各吐出側配管9の側壁の浴面下にある場所に開口部13が設けられ、該開口部13に、差込用配管10の下端が取り付けられ、該差込用配管10上端はドロス吸込部81を浴面位置と合わせた時に、溶融金属浴1の浴面上となるように長さが設定されている。この差込用配管10は、その上端から、前記吐出側配管9内の溶融金属をガスリフトさせるガスを供給するガス供給管11を、該ガス供給管11先端を前記吐出側配管9内まで挿入し、またその先端が該挿入位置にあるガス供給管11を差込用配管10外に引き抜くことが可能に形成されている。ガス供給管11を差込用配管10内に挿入しやすくするため、差込用配管10の管軸方向は鉛直ではなく、スナウト後方側および/又はスナウト端部側の適宜の方向に傾斜して形成される。
本設備では、通常めっき作業中は、ガス供給管11は取り外されている。スナウト4内の酸化ドロスをスナウト4外に取り出すときだけ、ガス供給管11を差込用配管10内に挿入してガスを供給して、酸化ドロスを排出し、酸化ドロスの排出が終わったらガスの供給を停止し、ガス供給管11を取り出す。
スナウト4には、スナウト4内の酸化ドロスの生成状態およびスナウト4内に設置されている吸込側配管8の端部が浴面位置にあることを確認できるモニターカメラ15が設置され、該モニターカメラ15で観察されるスナウト4内の浴面の状態および吸込側配管8の端部の位置は運転室のモニターテレビに表示されている。
スナウトシュート5には、スナウト4の昇降機構7が備わっており、この昇降機構7を駆動することで、スナウト4はパスライン方向に沿っての上昇、下降が自在である。モニターカメラ15で観察されるスナウト4内の浴面に酸化ドロスが漂う状態になったら、スナウト4内の酸化ドロスを取り出す作業を開始する。作業中に鋼帯に酸化ドロスによる不めっき欠陥が発生するのを防止するため、鋼帯幅が同じか狭まる方向にある間にこの作業行うようにする。具体的には、以下のようにする。
すなわち、モニターテレビを見ながら、駆動機構7を駆動してスナウト4を上昇させることで、吸込側配管8のドロス吸込部81を溶融金属浴1の液面位置に確実に配置させる。
引き続き、吐出側配管9内の溶融金属をガスリフトさせるガスを供給するガス供給管11を、差込用配管10内に、その先端が前記吐出側配管9内に達する位置まで挿入する。次にNガス配管16のバルブ17を開きNガスを供給し、ガスリフトを開始する。図3は、差込用配管10内にガス供給管11を挿入した状態を説明する概略断面図である。
このガスリフトによって、吐出側配管9内の溶融金属はスナウト4外に排出され、この溶融金属の排出によって誘起された流れによって、スナウト4内浴面の酸化ドロスは吸込側配管8内に流れこみ、吐出側配管9のドロス吐出部91からスナウト外に吐出される。鋼帯走行によって誘起される流れと吸込側配管8内に流入する流れによって、スナウト4内浴面の酸化ドロスは効果的に吸込側配管8内に吸い込まれる。吸込側配管8のドロス吸込部が管を切断して形成されただけの形状であると、凝固した酸化ドロスが端部に引っかかり、吸込側配管8内に流れ込み難くなる。本設備では、図4(a)に示すように、吸込側配管8のドロス吸込部にほぼ水平な円盤14を備えることで、浴面に浮遊した酸化ドロスが吸込側配管8にスムーズに流れ込み、この酸化ドロスを確実にスナウト4外に排出することができる。また吐出側配管9とガス供給管11とでなす二重管構造部分が削減されたことで、溶融金属の流路が拡がるため、酸化ドロスが吐出側配管9内に詰まりにくくなる。円盤14の幅は50〜150mmが好ましい。50mm未満では凝固した酸化ドロスが吸込側配管8内に流し込む作用が十分に発揮されない。150mm超になると鋼帯への干渉が懸念される。ここで円盤14は、図4(b)に示すように、底部に吸い込み側配管8を接続するようにした椀状とすることが、吸引効率の観点からさらに好ましい。さらに、図4(c)に示すように、吸込側配管8のドロス吸込部81の直下に絞り82を設けて、ドロス吸込部81における流速を速めるようにすることがさらに好ましい。
スナウト4内浴面の酸化ドロスの排出状況をモニターテレビで観察し、酸化ドロスの排出が完了したと判断したら、Nガスの供給を停止し、ガス供給管7を差込用配管10から取り出し、スナウト4内の酸化ドロスの排出作業を終了する。
スナウト4外に排出された酸化ドロスは、溶融金属浴槽2の外に取り出す必要がある。本設備では、スナウト幅方向両側に配置された吐出配管9のドロス吐出部同士が近接して配置されているので、ドロスが1箇所にまとまって排出され、排出されたドロスの溶融金属浴槽2の外への取り出し作業を効率よく行うことができ、作業負荷を軽減できる。
吸込側配管8、吐出側配管9および差込用配管10およびガス供給管11の諸部位の寸法の定義を図3に示す。これら寸法の好適範囲は次のとおりである。
吐出側配管9の差込用配管10接続部から吐出側配管9先端までの鉛直高さD1は、200〜600mmが好ましい。D1が200mm未満であると、ガスリフトの効果が十分に発現されない。一方、D1が600mm超であると、吸引ドロス排出時の抵抗となるおそれがある。
また、差込用配管10を吐出側配管9の側壁に接続する位置(開口部13の位置)は、吐出側配管9のスナウトへの接続部から鉛直距離D2が10〜200mmとなるようにすることが好ましい。D2が10mm未満であると差込みが困難となる。一方、D2を200mm超とすることは、設備が大型化するので好ましくない。
吸込側配管8の鉛直方向長さD3は、D1とD2の合計長さと同一とすることが最も好ましいが、D1+D2−100mm≦D3≦D1+D2+100mmを満足することが好適である。D1+D2−100mm≦D3を満足しないと、ドロス吸引部81を浴面と一致(正確には浴面より若干下部に一致)させた際に、ドロス吐出部91が浴面より100mmを超えて上方に突出することとなり、この場合、ドロス吐出部91から吐出したドロスが飛散する。一方、D3≦D1+D2+100mmを満足しないと、ドロス吸引部81を浴面と一致(正確には浴面より若干下部に一致)させた際に、ドロス吐出部91が浴面よりも100mmを超えて下方に位置することとなるため、ドロス吐出部91からドロス排出が確実に行われていることを目視で確認できなくなる。
また、差込用配管10の鉛直長さD4は、差込用配管10の上端がドロス吸込部81の高さよりも高くなるように設定することが好ましい。D4が短く、差込用配管10の上端がドロス吸込部81の高さよりも低くなると、ドロス吸込部81を浴面と一致(正確には浴面より若干下部に一致)させた際に、差込用配管10の上端が浴面より下方に位置してしまうため、目視によりその位置を確認できなくなり、ガス供給管11を差し込むことが困難となる。
吸込側配管8、吐出側配管9およびスナウト4の貫通孔12の径D5は、80〜150mmとするのが好ましい。80mm未満であるとドロス詰まりが発生しやすくなる。一方、150mm超であるとガスリフトさせるための必要なガス流量が増大する。
差込用配管10の管径D6は6〜20mmとするのが好ましい。D6が6mm未満であると、ガス流量不足で吸引力が不十分となる。一方、D6が20mm超であると、ガス流量過多により吸引効率が低下する。
また、吐出側配管9同士の間隔は作業性の点から0〜300mm程度が好ましい。
発明の実施の形態で説明した本発明の連続溶融金属めっき設備を用いて溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、モニターテレビでスナウト内の酸化ドロスを観察し、鋼帯幅が広幅に変化しないめっき操業の間に、差込用配管内にガス供給管を挿入し、Nガスを供給してガスリフトを行い、酸化ドロスが除去されたら、ガスリフトを停止した。ガスリフトを行わないときは、Nガスの供給を停止し、ガス供給管を取り外した。この実施例で用いた寸法D1〜D6は、次のとおりである。
D1:450mm、D2:50mm、D3:400mm、D4:500mm
D5:80mm、D6:12mm
この結果、使用開始から12ヶ月以上経っても腐食による溶損はほとんどなく、異物による吐出側配管の閉塞や凝固した酸化ドロスの排出不良の問題もなく、良好に使用可能な状態が続いている。この耐用期間は図6の形態の従来型ガスリフトポンプ(これは常時浸漬・稼働形態でないとU字管が異物により閉塞する)の実績耐用期間6ヶ月程度に比べ、格段に長くなった。
また、図5に示すように、従来型ガスリフトポンプでは常時浸漬してガスを流し続けねばならないため、ガス使用量が大きく嵩むが、本発明型ガスリフトポンプでは必要なとき以外はガス供給を停止して浴面上方に待機でき、ガス使用量を大幅に節減することができた。
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼帯などの溶融金属めっき鋼帯の製造設備として利用することができる。
本発明の実施の形態に係る連続溶融金属めっき設備の要部を示す概略正面図である。 スナウトに取り付けられる吸込側配管と吐出側配管の構造を説明する概略側面図で、図1の吸込側配管および吐出側配管の管軸中心線に沿った鉛直断面図である。 差込用配管内にガス供給管を挿入した状態を説明する概略断面図である。 吸込側配管の吸い込み部の端部形状を説明する斜視図である。 本発明型ガスリフトポンプと従来型ガスリフトポンプとでガス使用量(累積値)を比較して示す推移図である。 従来のガスリフトポンプ方式のスナウト内異物除去装置の1例を示す側断面図である。 特許文献3のガスリフトポンプ方式のスナウト内異物除去装置の1例を示す断面図で、ガスリフトポンプは稼働位置を示す。
符号の説明
S 鋼帯
1 溶融金属浴
2 溶融金属浴槽
3 シンクロール
4 スナウト
5 スナウトシュート、
7 スナウト昇降機構
8 吸込側配管
81 ドロス吸込部
9 吐出側配管
91 ドロス吐出部
10 差込用配管
11 ガス供給管
12 スナウトの貫通孔
13 吐出側配管の開口部
14 円盤
15 モニターカメラ
16 不活性ガス配管
17 バルブ
21 U字管(U字型の連通管)
21a 吸込側配管
21b 吐出側配管
22、24 ガス供給管
23 不活性ガス
23a 気泡
25 ガスリフトポンプ
26 エアシリンダ
27 エアモータ
30 昇降
31 回転
32 ガスリフトポンプ昇降・回転装置(移動手段)
99 異物

Claims (4)

  1. 溶融金属の浴中に浸漬させたスナウトを昇降可能なスナウト昇降手段を備える鋼帯の連続溶融金属めっき設備であって、その一端部が前記スナウト内の前記溶融金属の浴面に位置してドロス吸込部となるようにスナウト内に配置される吸込側配管と、その一端部が前記スナウト外の前記溶融金属の略浴面に位置してドロス吐出部となるようにスナウト外に配置される吐出側配管とを設けて、前記吸込側配管と前記吐出側配管を前記ドロス吸込部および前記ドロス吐出部よりも下方のスナウト壁部に形成した貫通孔を介して連通させ、前記吐出側配管の側壁に開口部を設けて、該開口部に、その上端が溶融金属の浴上にあってその上端から、前記吐出側配管内の溶融金属をガスリフトさせるガスを供給するガス供給管を該ガス供給管の先端が前記吐出側配管内に位置するように挿入引き抜きが自在である差込用配管を取り付けてなることを特徴とする連続溶融金属めっき設備。
  2. 前記吸込側配管は鋼帯幅方向両端部近傍に配置され、前記吐出側配管は、スナウト後方のスナウト幅方向両側に配置されるとともに、前記ナウト幅方向両側の吐出側配管の一端部は互いに近接配置され、また前記吸込側配管と前記吐出側配管を連通する前記スナウトの貫通孔は、該スナウト裏側のスナウト幅方向両端部側に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の連続溶融金属めっき設備。
  3. 前記吸込側配管の一端は、浴面に略平行な円盤を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の連続溶融金属めっき設備。
  4. 前記差込用配管内に、前記ガス供給管が、その先端が前記吐出側配管内に位置するように挿入されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の連続溶融金属めっき設備。
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