JP5026693B2 - Rh脱ガス精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鋼に溶存する不純物元素を除去したり、合金鉄を投入して成分調整したりするRH脱ガス精錬方法に関する。
この種の技術として、例えば特許文献1が挙げられる。当該特許文献1に記載の真空精錬方法は、環流速度と真空槽内断面積と真空槽内浴深との関係を規定している。これによれば、溶鋼の脱ガス処理時間を短縮できるとされる。
特開2001−64719号公報
しかし、上記特許文献1には、浸漬管と環流管とを接続するためのフランジに関連する記載が一切ない。また、最近は極低S鋼等の処理や、介在物の形態制御等の処理等をRH工程に先立って前工程で実施した場合、スラグ厚みが大きくなる。
ところで、RH脱ガス精錬の精錬効率を向上するには、例えば溶鋼環流手段であるArガスの流量を増加したり、浸漬管を拡径したりすることなどが公知となっている。しかし、それによる作用効果は限定的なものであり、改善の余地が残されていた。特に前記スラグ厚みが大きい場合は、必要な真空槽内浴深をとることが困難となることがある。
本発明の主な目的は、スラグ厚みが大きい(例えば、250mm以上)場合でも、RH脱ガス精錬の精錬効率を向上することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明のRH脱ガス精錬方法は、極低硫鋼を製造するための脱硫処理が行われる取鍋精錬工程の後工程で行われるものである。
真空槽の槽底に設けられた2本の環流浸漬管の下端を取鍋内の溶鋼に浸漬させ、前記真空槽の内部気圧を低下させることにより前記溶鋼を所定高さまで吸い上げる。
適宜の溶鋼環流手段により、前記環流浸漬管の一方と、前記真空槽と、前記環流浸漬管の他方と、に順に前記溶鋼を環流させることにより、当該溶鋼の脱ガス処理を行う。
前記取鍋内の溶鋼上に浮設されるスラグの厚みを250mm以上とし、前記の真空槽及び環流浸漬管の壁は、鉄皮が覆設された耐火物からなるものとする。
前記2本の環流浸漬管の夫々は、前記真空槽の槽底から延びる環流管と、当該環流管に連結され、前記取鍋内の溶鋼中に下端が浸漬される浸漬管を備えるものとし、前記の環流管と浸漬管は、夫々に設けられるフランジを介して連結する。
以上のようなRH脱ガス精錬方法を更に以下のように規定する。
前記真空槽における溶鋼の流路断面積を、前記2本の環流浸漬管のうち少なくとも何れか一方における溶鋼の流路断面積以上の面積とする。
前記スラグから、前記浸漬管に設けられる前記フランジの下端に至るまでの鉛直方向距離を100mm以上とし、
前記スラグから、前記真空槽の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離を500mm以上とし、
前記スラグから、前記浸漬管の下端に至るまでの鉛直方向距離を300mm以上とする。
前記真空槽の前記耐火物の厚みを槽底において300mm以上500mm以下とし、
前記真空槽の前記鉄皮の厚みを槽底において25mm以上とする。
前記環流管の長さを200mm以上400mm以下とし、
前記浸漬管の長さを690mm以上1000mm以下とする。
前記の環流管と浸漬管の夫々に設けられる前記フランジの厚みを40mm以上とする。
これにより、RH脱ガス精錬の精錬効率を向上できる。また、上記RH脱ガス精錬方法に関する規定を、前記取鍋内の前記溶鋼に対する前記浸漬管の浸漬深さ及び前記真空槽の内部気圧を調節するだけで、極めて容易に満足できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るRH脱ガス精錬装置の断面図である。
図1に示すように本発明の一実施形態に係るRH脱ガス精錬装置100は、略円筒容器形状の真空槽1と、当該真空槽1の槽底に2本で設けられる略円筒状の環流浸漬管2・2と、を備えている。
前記の真空槽1は、図略の真空排気装置を備えることにより、当該真空槽1の内部気圧を低減可能に構成されている。
この真空槽1は、真空上部槽3と真空下部槽4から構成されている。より具体的には、当該真空槽1は、使用状態において上方に位置し、前記の真空排気装置と接続される真空上部槽3と、同使用状態において下方に位置し、前記の環流浸漬管2・2と接続される真空下部槽4と、から構成されており、これら真空上部槽3及び真空下部槽4は、ボルト等の適宜の締結手段により連結可能に構成されている。このように本実施形態における真空槽1は、RH脱ガス精錬の際に溶鋼と常時接することで溶損の程度が激しい部分(真空下部槽4)のみを取替可能とすることで、ランニングコストの低減が図られている。
この真空槽1の壁は、MgO、Cr、MgO−C等を主成分とする耐火物と、当該真空槽1を密閉状態とするために耐火物に覆設される鉄皮と、から構成されている。
前記2本の環流浸漬管2・2は、本図において鎖線で示す取鍋200内の溶鋼を前記の真空槽1に環流させるための誘導流路となるものである(図3も併せて参照)。従って本明細書では、前記2本の環流浸漬管2・2の何れか一方を上昇管2aと、他方を下降管2bと称する場合もある。
前記2本の環流浸漬管2・2は夫々、前記真空槽1の槽底から延びる環流管5と、当該環流管5に連結され、RH脱ガス精錬の際に前記取鍋200内の溶鋼中に下端が浸漬される浸漬管6と、から構成されている。
本図に示す如く前記環流管5の下端、及び、前記浸漬管6の上端には、互いに対向する上フランジ5aと下フランジ6aが夫々環状に設けられている。つまり、当該環流管5の下端には上フランジ5aが、当該浸漬管6の上端には下フランジ6aが、夫々形成されている。当該上フランジ5a及び下フランジ6aには図略の水冷構造が形成されている。
上フランジ5aと下フランジ6aには夫々、互いに対応する図略のボルト孔が円周状に複数並べて設けられており、前記の環流管5と浸漬管6は、これら上フランジ5aと下フランジ6aを介してボルト締結により連結可能に構成されている。ただし、締結手段はこれに限らない。
上フランジ5aと下フランジ6aとの間には、前記の環流管5と浸漬管6とを密に連結するための適宜のパッキン(本実施形態では合成ゴム製)が介装されている。
前記の環流浸漬管2・2の壁も、前記真空槽1と同様に、MgO、Cr、MgO―C等を主成分とする耐火物と、当該環流浸漬管2・2を密閉状態とするために耐火物に覆設される鉄皮と、から構成されている。
また本図に示すように前記真空下部槽4の周壁内面と前記環流管5の周壁内面は、互いに接するように構成されている。これにより、澱みの少ない溶鋼流れが実現されている。
また前記の環流管5と浸漬管6の連結部分近傍(両フランジ5a・6a近傍)には、図略のガス供給孔が穿孔されている(図3も併せて参照)。つまり、Arガスなどの不活性ガスを前記環流浸漬管2・2に適宜の流量で供給可能に構成されているのである。
次に、図1を参照しつつ、本実施形態における前記の真空槽1や環流浸漬管2・2の寸法に関して説明する。
本実施形態において前記真空槽1の前記耐火物厚みAは、槽底において300mm以上500mm以下に設定されている。
同様に本実施形態において前記真空槽1の前記鉄皮厚みBは、槽底において25mm以上に設定されている。なお、当該鉄皮厚みBの上限は、100mmとする。
また、本実施形態において前記環流管5の長さCは、200mm以上400mm以下に設定されている。なお当該環流管5の長さCとは、本図に示す如く環流管5の下端に設けられる上フランジ5aの下端から、前記真空槽1の槽底における鉄皮に至るまでの鉛直方向距離のことである。
また、本実施形態において前記浸漬管6の長さDは、690mm以上1000mm以下に設定されている。なお当該浸漬管6の長さDとは、本図に示す如く浸漬管6の上端に設けられる下フランジ6aの上端から、当該浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離のことである。
また、本実施形態において前記の上フランジ5a及び下フランジ6aのフランジ厚みWは何れも、40mm以上に設定されている。この範囲を満足する限りにおいては、上フランジ5aと下フランジ6aとは異なるフランジ厚みWであってもよい。
前記環流浸漬管2・2の内径Eと、前記真空槽1の内径Fは、適宜に決定される。
次に、上記実施形態における作動を説明する。図2・3は図1に類似する図であって、本発明の一実施形態に係るRH脱ガス精錬装置の一動作状態を示す図である。ここでは、当該RH脱ガス精錬装置100の作動のみならず、その前工程である出鋼工程や取鍋精錬工程も併せて説明する。
〔出鋼工程〕
最初に、転炉内において脱炭・脱燐された溶鋼を取鍋200に出鋼する。その際、溶鋼と共に多少の転炉のスラグも当該取鍋200に流出する。
〔取鍋精錬工程〕
次に、当該取鍋200内の溶鋼に、脱硫及び介在物制御のためのスラグ(精錬剤)を添加する(造滓)。当該スラグの主な成分は、焼石灰(CaO)や軽焼ドロマイト(MgO)などである。これにより、取鍋200内のスラグの厚み(スラグ厚みH:図2)は約250mmとなる。
そして、攪拌ランスを溶鋼に浸漬し、例えばArガスなどの不活性ガスを溶鋼に吹き込むことによって溶鋼を脱硫攪拌する。なお、極低硫鋼(例えば、溶存硫黄濃度が20ppm以下)を製造する場合には、当該取鍋精錬工程における脱硫攪拌の動力(攪拌動力)は極めて高く設定される。
そして、取鍋200内の溶鋼の成分値が目標値に達したら、取鍋200をRH脱ガス精錬装置100へ搬出する(図2参照)。
〔RH脱ガス精錬工程(RH脱ガス精錬装置の作動)〕
本実施形態におけるRH脱ガス精錬方法は、取鍋200内の溶鋼に浮設(浮遊状態に設けること)されているスラグのスラグ厚みHが250mm以上である場合を対象としている。本実施形態において当該スラグ厚みHは、上述の如く約250mmとされている。なお、当該スラグ厚みHの上限は400mmとする。
まず図2に示すように、前記RH脱ガス精錬装置100が備える前記2本の浸漬管6(前記環流浸漬管2・2)の下端を、取鍋200内の溶鋼に所定の浸漬深さIだけ浸漬させる。なお当該浸漬深さIとは、スラグと溶鋼との境界面(つまり、溶鋼湯面)から前記浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離のことである。なお、前記取鍋200は、図略の取鍋昇降装置により昇降可能に構成されている。
このとき本実施形態において、前記スラグから、前記浸漬管6に設けられる前記下フランジ6a(フランジ)の下端に至るまでの鉛直方向距離Lを100mm以上確保するようにする。
また、当該スラグ(の上端)から、前記真空槽1の槽底の前記鉄皮(の下端)に至るまでの鉛直方向距離Mを500mm以上確保するようにする。
また、当該スラグ(の端)から、前記浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離Nを300mm以上確保するようにする。なお、この鉛直方向距離Nは、前述した浸漬深さIに他ならない。
次に、前述の真空排気装置を用いて前記真空槽1の内部気圧P(以下、真空度Pとも称する場合がある。)を低下させる。これにより、大気圧との気圧差によって、前記取鍋200内の溶鋼が所定の溶鋼吸引上昇幅Qだけ上方に前記真空槽1に吸い上げられる。
このとき本実施形態において、前記真空槽1における溶鋼の流路断面積Sを、前記2本の環流浸漬管2・2のうち少なくとも何れか一方における溶鋼の流路断面積T以上は確保するようにする。
なお、前記真空槽1における溶鋼の前記流路断面(流路断面積S)は、図2におけるIII−III断面図に示すように、前記環流浸漬管2・2の一方を介して上昇した溶鋼が、他方を介して下降する前に通過する、真空槽1内の流路の断面のことである。
念のため、前記環流浸漬管2・2における溶鋼の前記流路断面(流路断面積T)を、図1におけるII−II断面図(横断面図)に示しておく。
そして、前記真空槽1における溶鋼の流路断面積Sを、「前記2本の環流浸漬管2・2のうち少なくとも何れか一方における溶鋼の流路断面積T以上は確保するようにする」とは、換言すれば、「前記2本の環流浸漬管2・2の夫々における流路断面積T・Tのうち、少なくとも小さい方以上は確保するようにする」ということである。
次に、図3に示すように前述のガス供給孔を介して、上昇管2a(前記環流浸漬管2・2の何れか一方)にArガスなどの不活性ガスを供給する。
すると、ガスリフトポンプの原理(溶鋼環流手段)によって、当該上昇管2a(前記環流浸漬管2・2の一方)と、前記真空槽1と、下降管2b(前記環流浸漬管2・2の他方)と、に順に前記溶鋼が環流し始める(図3太線矢印)。また、環流する溶鋼が当該下降管2bを流れる際に生じる溶鋼流れにより押し出されるように、前記取鍋200内の他の溶鋼が上昇管2aを介して前記真空槽1に吸い上げられる。
これによって、前記取鍋200内の溶鋼が順次、前記真空槽1に導かれ、真空状態に曝されることにより脱ガス処理(脱ガス反応)が行われるようになっている。なお、このとき脱気されるのは、溶鋼中に溶存している不純物元素(例えば、CやN、H、O)である。
通常、上記脱ガス処理の際に同時に適宜の成分調整も行う。具体的には脱ガス処理中に、前記真空槽1の側壁に設けられた適宜の投入口(不図示)よりFeCrやFeMn、FeSi、FeNbなどの合金鉄などを添加する。
上記脱ガス処理中は、溶鋼の成分が目標値に到達したかを確認するために適時、前記取鍋200から溶鋼試料を採集する。なお、当該溶鋼試料の溶存水素濃度の分析時間は約40秒と、また、その他の成分(例えば、C、Si、Mn、P、S、Cr、Nb、N)に関しては約2〜3分とされる。
そして、溶鋼の成分が目標値に到達したこと(RH脱ガス精錬が完了したこと)が確認できたら、前記真空槽1の内部気圧Pを大気圧に至るまで徐々に上昇させる。
最後に、前記取鍋200を約2mだけ下降させて当該取鍋200を前記RH脱ガス精錬装置100から取り外し、当該取鍋200を連続鋳造設備へ搬出する。
次に、本発明の技術的効果を確認するための試験に関して説明する。表1は、本発明が適用された試験(実施例)と適用されていない試験(比較例)における試験条件と試験結果を夫々示すものである。
Figure 0005026693
まず、比較例10〜16を説明し、次いで、実施例1〜3を説明する。
〔比較例10〕
本比較例では、目標成分値に至るまでに要したRH脱ガス精錬の処理時間が、目安とする25分を上回ってしまい、具体的には55分だった。換言すれば、RH脱ガス精錬の精錬効率が悪かったために、溶鋼中の不純物元素の十分な脱気や添加合金元素の均一な溶解に多くの時間を要した。これは、下記の理由によるものだと考えられる。
すなわち本比較例においては前記スラグから、前記浸漬管6に設けられている前記下フランジ6aの下端に至るまでの鉛直方向距離Lが、十分には確保されていなかった(図2参照)。
これにより、前記取鍋200内の溶鋼熱及びスラグ熱(以下、単に溶鋼熱と称する場合もある。)により当該下フランジ6aが昇温・熱変形した。それに伴い、前記の下フランジ6aと上フランジ5aとの間に介装される合成ゴム製のパッキンが劣化(熱変形や硬化など、以下同じ)した。
その結果、上フランジ5aと下フランジ6aとの間から大気が混入して、前記真空槽1の真空度Pが処理の途中より悪化(上昇)し、設定値である1Torr(処理開始5分後)から約50Torrとなった。これにより、前記溶鋼吸引上昇幅Qが低下し、真空槽1における溶鋼の流路断面積Sが減少した(なお、表1における溶鋼吸引上昇幅Qは計算値であって実測値ではない。)。
要するに、前記上昇管2aから始まり前記下降管2bで終わる溶鋼の環流流量が低減したことで、脱ガス処理の効率(精錬効率)が低下し、これにより処理時間が増大したと考えられる。
また、上記鉛直方向距離Lと、前記真空槽1内の溶鋼の流路断面積Sと、を同時に確保したいという点から言えば、前記環流管の長さCは短い方が好ましい。
一方、上フランジ5aと下フランジ6aとを連結する際のボルト締結作業の作業効率を考慮すれば、当該環流管の長さCはある程度確保しておくことが好ましい。
〔比較例11〕
本比較例でも、目標成分値に至るまでに要したRH脱ガス精錬の処理時間が、目安とする25分を上回ってしまい、具体的には45分だった。これは、下記の理由によるものだと考えられる。
即ち、前記真空槽1における溶鋼の流路断面積Sが十分には確保されていなかった(図1・2参照)。具体的には、前記2本の環流浸漬管2・2の双方における溶鋼の流路断面積T未満の面積しか確保されていなかった。つまり、環流浸漬管2・2の一方における溶鋼の流路断面積Tと、他方における流路断面積Tと、上記流路断面積Sとを比較した場合、当該流路断面積Sが最も小さかった。
これにより、前記上昇管2aから始まり前記下降管2bで終わる溶鋼の環流が当該真空槽1内で滞ってしまい、環流流量が低減したことで、脱ガス処理の効率(精錬効率)が低下し、処理時間が増大した。つまり、当該真空槽1内の溶鋼流れが障害となっていたのである。
なお、当該流路断面積Sは、ガスリフトポンプの原理によりその静止状態(図2参照)よりも若干拡大されるが(図3参照)、その拡大面積分は一様ではない。そこで、余裕を持たせる意味で、静止状態(図2の状態)における面積を前記流路断面積Tとの比較対象とした。
ところで、本比較例において流路断面積Sが確保し難いのは、前記環流管の長さCが過大(600mm)となっていたからである。
〔比較例12〕
本比較例では、真空下部槽4の寿命が、目安とする400回を下回ってしまい、具体的には290回だった。これは、前記真空槽1の槽底における耐火物厚みAが十分には確保されておらず、溶損による寿命が短くなっていたからである。このように真空下部槽4の交換頻度が増加すると、耐火物などのランニングコストがかさむ原因となったり、生産性が落ちたりすることになる。従って、前記真空槽1の槽底における耐火物厚みAはより厚い方が好ましい。
一方で、当該耐火物厚みAが厚くなればなるほど、真空槽1内の溶鋼高さR(図2参照:所謂浴深)が確保し難くなる。つまり、前記真空槽1内の溶鋼の流路断面積Sが確保し難くなるので、一概には言えない。
また本比較例では、前述の真空排気装置の内部(例えばガスクーラーなどの冷却器)に対するスラグの付着が散見された。これは、下記の理由によるものだと考えられる。
即ち、前記浸漬管6の浸漬深さI(図2参照)が十分には確保されていなかったため、前記真空度Pの変動などに起因して前記取鍋200内の溶鋼湯面が変動したときに、前記上昇管2aがスラグを吸い上げてしまったからだと考えられる。
スラグは、比重が軽いので、そのまま前記真空上部槽3の上部に設けられている排気流路を通じて前記真空排気装置の内部に到達してしまったものと考えられる。
なお、当該真空排気装置にスラグが付着すると、前記真空槽1の真空度Pを良好に維持できなくなるので、付着した当該スラグを取り除く必要がある。このとき、RH脱ガス精錬を完全に停止させるので、その作業効率は低下する。
〔比較例13〕
本比較例では、目標成分値に至るまでに要したRH脱ガス精錬の処理時間が、目安とする25分を上回ってしまい、具体的には55分だった。これは、前記スラグから、前記真空槽1の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離Mが十分には確保されていなかったためだと考えられる(図2参照)。これにより、冷却されていない前記鉄皮に、溶鋼熱による変形・亀裂(穴あきを含む。)が生じ、その結果、前記真空槽1内に大気が混入し真空度Pが悪化した(約20Torr)と考えられる。当該大気の混入が脱ガス処理の効率(精錬効率)を低下させるのは前述した通りである(比較例10参照)。
なお、脱ガス処理の処理時間が30分を超えると、後工程である連続鋳造設備の稼動を調節する必要が生じるとされる。
また本比較例では、前記浸漬管6の単価が過大となる(実施例1の1.2倍)。これは、当該浸漬管6の長さDを比較的長くしたため、浸漬管6の壁を構成する耐火物にかかる費用が増大するからである。
また本比較例では、当該長さDを比較的長く確保したため、前記取鍋200を前記RH脱ガス精錬装置100に取り付ける際に要する当該取鍋200の昇降ストロークも大きく(約200mm延長)確保しなければならなかった。
従って、前記浸漬管6の長さDは短い方が好ましいといえる。
一方で、前記取鍋200内の溶鋼に浮設されるスラグのスラグ厚みHを考慮すれば、一概には言い難い。つまり、浸漬管6は、短すぎると、厚みHを有するスラグを貫通して溶鋼に到達することが難しくなってしまう。しかも、前記の鉛直方向距離L及び鉛直方向距離Nとを同時に確保する必要性を考慮すると、当該浸漬管6の長さDはある程度は確保しておくことが必要だといえる。
〔比較例14〕
本比較例でも、目標成分値に至るまでに要したRH脱ガス精錬の処理時間が、目安とする25分を上回ってしまい、具体的には55分だった。これは、前記真空槽1の前記鉄皮厚みBが十分には確保されていなかったためだと考えられる。つまり、当該鉄皮厚みBが十分に確保されていなかったために、溶鋼熱により前記鉄皮に変形・亀裂が生じ、その結果、前記真空槽1内に大気が混入し真空度Pが悪化した(約100Torr)と考えられる。当該大気の混入が脱ガス処理の効率(精錬効率)を低下させるのは前述した通りである(比較例10参照)。
〔比較例15〕
本比較例でも、目標成分値に至るまでに要したRH脱ガス精錬の処理時間が、目安とする25分を上回ってしまい、具体的には55分だった。これは、前記フランジ厚みWが十分には確保されていなかったためだと考えられる。つまり、当該フランジ厚みWが十分に確保されていなかったために、上記比較例14における上記鉄皮と同様、溶鋼熱により前記フランジ(上フランジ5a及び下フランジ6a)に変形・亀裂が生じ、その結果、前記真空槽1内に大気が混入し真空度Pが悪化した(約100Torr)と考えられる。当該大気の混入が脱ガス処理の効率(精錬効率)を低下させるのは前述した通りである(比較例10参照)。
〔比較例16〕
本比較例でも、目標成分値に至るまでに要したRH脱ガス精錬の処理時間が、目安とする25分を上回ってしまい、具体的には75分だった。これも、上記比較例15と同様、前記フランジ厚みWが十分には確保されていなかったためだと考えられる。
また本比較例では、上記比較例15の場合よりも更に処理時間が増大した。これは、前記フランジ厚みWが十分確保されていなかったことに加え、前記スラグから、前記真空槽1の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離Mも十分確保されていなかったためだと考えられる(当該因果関係に関しては比較例13参照)。
〔実施例1〕
一方、本実施例では、目標成分値に至るまでに要した処理時間を、目安とする25分以内に収めることができた。換言すれば、RH脱ガス精錬の効率(精錬効率)を向上できた。これは、下記の複合的理由によるものである。
・第1に、前記真空槽1における溶鋼の流路断面積Sを、前記2本の環流浸漬管2・2のうち少なくとも何れか一方における溶鋼の流路断面積T以上確保したからである。これにより、前記環流浸漬管2・2の内径Eに見合う溶鋼の環流流量が問題なく確保されたのである。
・第2に、前記スラグから、前記浸漬管6に設けられる前記下フランジ6aの下端に至るまでの鉛直方向距離Lを十分確保したからである。これにより、前記取鍋200内の溶鋼熱による当該下フランジ6aの昇温及び熱変形を抑制できた。加えて、前記環流管5と前記浸漬管6とを密に連結するための、上記2枚のフランジ(上フランジ5a・下フランジ6a)間に介装される合成ゴムからなるパッキンの劣化が抑制されたので、前記真空槽1の真空状態を問題なく維持できたのである。前記真空槽1の真空状態と、溶鋼の環流流量との関連性は上述した通りである。
なお、当該鉛直方向距離Lは、当該実施例1と前述の比較例10とを比較考慮すると、少なくとも100mm以上確保すれば十分だと考えられる。
・第3に、前記スラグから、前記真空槽1の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離Mを十分確保したからである。これにより、前記取鍋200内の溶鋼熱による当該鉄皮の変形や亀裂が抑制されたので、前記真空槽1の真空状態を問題なく維持できたのである。
なお、当該鉛直方向距離Mは、当該実施例1と前述の比較例13及び16とを比較考慮すると、少なくとも500mm以上確保すれば十分だと考えられる。
・第4に、前記スラグから、前記浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離N、即ち前記浸漬管6の浸漬深さIを十分確保したからである。これにより、当該スラグが前記真空槽1に吸い上げられてしまうのが確実に防止されたので、前記の真空排気装置に対するスラグの付着がなかったから、RH脱ガス精錬を問題なく継続操業できたのである。
なお、当該鉛直方向距離Nは、当該実施例1と前述の比較例12とを比較考慮すると、少なくとも300mm以上確保すれば十分だと考えられる。
そして、以上の如く環流流量が十分に確保された結果、(a)溶鋼の温度を均一に維持でき、(b)溶鋼中から不純物元素を短時間で脱気させることができ、(c)添加された合金元素を溶鋼中に短時間で均一に溶解できた。端的に言えば、RH脱ガス精錬の効率(精錬効率)が向上したのである。
〔実施例2・3〕
また本実施例の如く、真空度Pの設定値を30Torrや50Torrとしても、上記実施例1の項目に掲げた4項目の要件さえ満足していれば、問題なくRH脱ガス精錬の効率(精錬効率)を向上できることが判った。
以上説明したように上記実施形態においては、以下のような方法でRH脱ガス精錬が行われている。
即ち、真空槽1の槽底に設けられた2本の環流浸漬管2・2の下端を取鍋200内の溶鋼に浸漬させ、前記真空槽1の内部気圧Pを低下させることにより前記溶鋼を所定高さまで吸い上げる。そして、適宜の溶鋼環流手段(例えば、上記実施形態に示されるArガスを用いたガスリフトポンプの原理)により、前記環流浸漬管2・2の一方(上昇管2a)と、前記真空槽1と、前記環流浸漬管2・2の他方(下降管2b)と、に順に前記溶鋼を環流させることにより、当該溶鋼の脱ガス処理を行うようにする。
・前記取鍋200内の溶鋼上に浮設されるスラグの厚みHを250mm以上とする。
・前記の真空槽1及び環流浸漬管2・2の壁は、鉄皮が覆設された耐火物からなるものとする。
・前記2本の環流浸漬管2・2の夫々は、前記真空槽1の槽底から延びる環流管5と、当該環流管5に連結され、前記取鍋200内の溶鋼中に下端が浸漬される浸漬管6を備えるものとする。
・前記の環流管5と浸漬管6は、夫々に設けられるフランジ(上フランジ5a・下フランジ6a)を介して連結するものとする。
・前記真空槽1における溶鋼の流路断面積Sを、前記2本の環流浸漬管2・2のうち少なくとも何れか一方における溶鋼の流路断面積T以上の面積とする。
・前記スラグから、前記浸漬管6に設けられる前記フランジ(下フランジ6a)の下端に至るまでの鉛直方向距離Lを100mm以上とする。
・前記スラグから、前記真空槽1の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離Mを500mm以上とする。
・前記スラグから、前記浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離Nを300mm以上とする。
以上の如く前記真空槽1における溶鋼の流路断面積Sを規定することにより、前記環流浸漬管2・2の内径Eに見合う溶鋼の環流流量を問題なく確保できる。換言すれば、溶鋼の当該環流流量に対して、前記真空槽1における溶鋼流れが障害となることがない。
また、以上の如く前記スラグから、前記浸漬管6に設けられる前記フランジ(下フランジ6a)の下端に至るまでの鉛直方向距離Lを十分に確保することにより、溶鋼熱による当該フランジ(下フランジ6a)の昇温及び熱変形を抑制できる。例えば前記環流管5と前記浸漬管6とを密に連結するために、上記2枚のフランジ(上フランジ5a・下フランジ6a)間に合成ゴムなどからなるパッキンが介装されている場合は、当該パッキンの劣化が抑制されるので、前記真空槽1の真空状態を問題なく維持できる。つまり、溶鋼の環流流量を問題なく確保できる。なお、当該パッキンの有無に関わらず、少なくとも下フランジ6aの熱変形が抑制されれば、当該抑制が前記真空槽1の真空状態の維持に寄与するといえる。
また、以上の如く前記スラグから、前記真空槽1の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離Mを十分に確保することにより、溶鋼熱による当該鉄皮の熱変形や亀裂を抑制できる。これにより前記真空槽1の真空状態を問題なく維持できる。
また、以上の如く前記スラグから、前記浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離Nを十分に確保することにより、当該スラグが前記真空槽1に吸い上げられてしまうのを防止できる。これによれば、前記真空槽1に設けられる真空排気系(例えば、真空排気装置など)に対するスラグの付着が防止されるので、RH脱ガス精錬を問題なく継続操業できる。
そして、以上の如く環流流量が十分に確保される結果、(a)溶鋼の温度を均一に維持でき、(b)溶鋼中から不純物元素を短時間で脱気させることができ、(c)添加された合金元素を溶鋼中に短時間で均一に溶解できる。端的に言えば、RH脱ガス精錬の効率(精錬効率)を向上できるのである。
また以上説明したように上記実施形態においては、更に以下のような方法でRH脱ガス精錬が行われることが好ましい。
・前記真空槽1の前記耐火物の厚みAを槽底において300mm以上500mm以下とする。なお、当該耐火物厚みAの範囲は、実施例1と実施例12とを比較考慮して求めたものである。
・前記真空槽1の前記鉄皮の厚みBを槽底において25mm以上とする。なお、当該鉄皮厚みBの範囲は、実施例3と比較例14との対比に基づくものである。
・前記環流管5の長さCを200mm以上400mm以下とする。なお、当該長さCの範囲は、実施例1と比較例10・11との対比に基づくものである。
・前記浸漬管6の長さDを690mm以上1000mm以下とする。なお、当該長さDの範囲は、実施例1と比較例13との対比に基づくものである。
・前記の環流管5と浸漬管6の夫々に設けられる前記フランジ(上フランジ5a・下フランジ6a)の厚み(フランジ厚みW)を40mm以上とする。なお、当該フランジ厚みWの範囲は、実施例1と比較例15・16との対比に基づくものである。
これにより、上述したRH脱ガス精錬方法に関する規定を、前記浸漬深さI及び前記真空槽1の内部気圧Pのみを調節するだけで、極めて容易に満足できる。
また、高効率のRH脱ガス精錬を操業可能なRH脱ガス精錬装置を提供できる。具体的には、以下の作用効果が奏される。
・以上の如く前記真空槽1の槽底における前記耐火物の厚みAを規定することにより、前記真空槽1(真空下部槽4)の寿命と、前記真空槽1内の溶鋼の流路断面積Sと、を同時に確保できる。
・また以上の如く前記真空槽1の槽底における前記鉄皮の厚みBを規定することにより、前記鉄皮の変形や亀裂が抑制されるので、前記真空槽1の真空状態を問題なく維持できる。また、これにより前記真空槽1への空気の混入が防止されるので、溶鋼の溶存窒素濃度が上昇することがない。
・また以上の如く前記環流管5の長さCを規定することにより、前記スラグから、前記浸漬管6に設けられている前記下フランジ6aの下端に至るまでの鉛直方向距離Lと、前記真空槽1内の溶鋼の流路断面積Sと、前記環流管5に設けられる上フランジ5aと前記真空槽1との間の空間と、を同時に確保できる。例えば前記の上フランジ5aと下フランジ6aとがボルト締結により連結されている場合は、十分に確保された当該空間により当該ボルト締結を容易に行える。
・また以上の如く前記浸漬管6の長さDを規定することにより、消耗品である前記浸漬管6の単価を抑えることができる。また、前記取鍋200を前記RH脱ガス精錬装置100に取り付ける際に要する当該取鍋200の昇降ストロークが過大となることがない。また、前記浸漬管6を前記取鍋200内に浸漬させた際に、当該浸漬管6を、前記スラグ(スラグ厚みH:250〜400mm)に貫通させ、溶鋼に確実に到達させることができる。また、前記スラグから、前記浸漬管6に設けられる前記フランジ(下フランジ6a)の下端に至るまでの鉛直方向距離Lと、同じく前記スラグから、前記浸漬管6の下端に至るまでの鉛直方向距離Nと、を同時に確保できる。
・また以上の如く前記のフランジ厚みWを規定することにより、前記の上フランジ5a及び下フランジ6aの変形や亀裂が抑制されるので、前記真空槽1の真空状態を問題なく維持できる。また、これにより前記真空槽1への空気の混入が防止されるので、溶鋼の溶存窒素濃度が上昇することがない。
・そして、単に前記真空槽1の内部気圧Pと前記浸漬管6の溶鋼に対する浸漬深さIを調節するだけで、溶鋼の環流流量が十分に確保される結果、(a)溶鋼の温度を均一に維持でき、(b)溶鋼中から不純物元素を短時間で脱気させることができ、(c)添加された合金元素を溶鋼中に短時間で均一に溶解できる。端的に言えば、RH脱ガス精錬の効率(精錬効率)を向上できるのである。
本発明の一実施形態に係るRH脱ガス精錬装置の断面図。 図1に類似する図であって、本発明の一実施形態に係るRH脱ガス精錬装置の一動作状態を示す図。 図1に類似する図であって、本発明の一実施形態に係るRH脱ガス精錬装置の一動作状態を示す図。
符号の説明
1 真空槽
2 環流浸漬管
5 環流管
5a 上フランジ
6 浸漬管
6a 下フランジ
A 真空槽の槽底における耐火物厚み
B 真空槽の槽底における鉄皮厚み
C 環流管の長さ
D 浸漬管の長さ
L、M、N スラグを基準とする鉛直方向距離
W フランジ厚み
100 RH脱ガス精錬装置

Claims (1)

  1. 極低硫鋼を製造するための脱硫処理が行われる取鍋精錬工程の後工程で行われるRH脱ガス精錬方法であって、
    真空槽の槽底に設けられた2本の環流浸漬管の下端を取鍋内の溶鋼に浸漬させ、
    前記真空槽の内部気圧を低下させることにより前記溶鋼を所定高さまで吸い上げ、
    適宜の溶鋼環流手段により、前記環流浸漬管の一方と、前記真空槽と、前記環流浸漬管の他方と、に順に前記溶鋼を環流させることにより、当該溶鋼の脱ガス処理を行うRH脱ガス精錬方法であって、
    前記取鍋内の溶鋼上に浮設されるスラグの厚みを250mm以上とし、
    前記の真空槽及び環流浸漬管の壁は、鉄皮が覆設された耐火物からなるものとし、
    前記2本の環流浸漬管の夫々は、前記真空槽の槽底から延びる環流管と、当該環流管に連結され、前記取鍋内の溶鋼中に下端が浸漬される浸漬管を備えるものとし、
    前記の環流管と浸漬管は、夫々に設けられるフランジを介して連結するものにおいて、
    前記真空槽における溶鋼の流路断面積を、前記2本の環流浸漬管のうち少なくとも何れか一方における溶鋼の流路断面積以上の面積とし、
    前記スラグから、前記浸漬管に設けられる前記フランジの下端に至るまでの鉛直方向距離を100mm以上とし、
    前記スラグから、前記真空槽の槽底の前記鉄皮に至るまでの鉛直方向距離を500mm以上とし、
    前記スラグから、前記浸漬管の下端に至るまでの鉛直方向距離を300mm以上とし、
    前記真空槽の前記耐火物の厚みを槽底において300mm以上500mm以下とし、
    前記真空槽の前記鉄皮の厚みを槽底において25mm以上とし、
    前記環流管の長さを200mm以上400mm以下とし、
    前記浸漬管の長さを690mm以上1000mm以下とし、
    前記の環流管と浸漬管の夫々に設けられる前記フランジの厚みを40mm以上とする、
    ことを特徴とするRH脱ガス精錬方法。
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