JP6293233B2 - 精錬装置及び精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、精錬装置及び精錬方法に係り、より詳しくは、装置の内部において溶鋼を還流させて精錬する際に溶鋼が局部的に渋滞することを抑制又は防止する精錬装置及び精錬方法に関する。
一般に、還流式真空脱ガス装置(RH Vacuum Degasser)は、転炉から出鋼された鋼の成分及び温度を微調整し且つ脱ガス処理を施すように設けられた装置である。鋼は、還流式真空脱ガス装置(以下、真空脱ガス装置と称する。)において脱ガス処理が施されて高清浄鋼として生産される。
真空脱ガス装置は、例えば、特許文献1に開示されているように、溶融された鋼が入れられる取鍋と、取鍋の上側に設けられて鋼の脱ガス処理に供され、内部に鋼を還流させる真空槽と、真空槽の下部に取り付けられて鋼に浸積される一対の浸積管と、を備える。
真空脱ガス装置において鋼を脱ガス処理を施す間に、取鍋に入れられた鋼は浸積管よりも低い個所において浸積管に出入しながら還流される。このため、浸積管よりも高い個所において鋼が局部的に渋滞して浸積管に流入できないという難点がある。特に、浸積管よりも高い位置で浸積管から遠く離れている個所には、デッドゾーン(Dead zone)と呼ばれる鋼の還流速度が急激に下がる渋滞領域が形成される。
真空脱ガス装置において鋼の脱ガス処理を終えるまでに要する時間は、デッドゾーンの大きさに影響を受ける。例えば、デッドゾーンが大きくなるほど、鋼の成分均一化及び脱ガス処理の完了が遅くなる。すなわち、鋼の精錬操業の生産性の向上のために、デッドゾーンを減らしたり、デッドゾーンが形成されることを防いだりしなければならない。
したがって、デッドゾーンを減らしたり、デッドゾーンの発生を防いだりして操業の生産性を向上させる新たな方策が求められている。
韓国登録特許公報10−0723376号 韓国特許公開公報10−2014−0058767A
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、溶鋼を還流させる間に溶鋼が局部的に渋滞することを抑制又は防止する精錬装置及び精錬方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明の精錬設備は、鋼を精錬する設備であって、内部に減圧可能な空間を有する真空槽と、真空槽の下部に取り付けられて真空槽と連通される複数本の浸積管と、真空槽の下側に配設され、内部が上側に開放される容器と、容器の内周面に突設される流動制御部と、を備えることを特徴とする。
流動制御部は、容器の内周面の一部を取り囲んで傾くように形成されることができる。
流動制御部は、複数本の浸積管のうちのいずれか一本の浸積管に近い一方の側から上向きに傾くように形成されることが好ましい。
流動制御部は、容器の中心部に回転対称となるように容器の内周面の複数の個所にそれぞれ形成されることがよい。
流動制御部は、浸積管よりも低い高さに形成されることがよい。
容器の外径の大きさを1としたとき、流動制御部は、容器の内周面から0.03〜0.10の厚さで突出することが好ましい。
流動制御部は、容器の内周面から150mm〜250mmの厚さで突出することができる。
容器の底面から上部の先端までの高さを1としたとき、流動制御部は、容器の底面から0.25〜0.75の高さに形成されることが好ましい。
流動制御部は、容器の底面から2,000mm〜3,800mmの高さに形成されることがよい。
流動制御部は、複数本の浸積管のうちのいずれか一本の浸積管に近い容器の内周面の一方の側から45°離れた個所に上向きに傾くように形成されることができる。
本発明の精錬方法は、鋼を精錬する方法であって、溶鋼が受鋼された容器を真空槽の下側に位置させる過程と、容器と真空槽を組み合わせる過程と、真空槽の内部を減圧して溶鋼を還流させながら溶鋼からガス成分を取り除く過程と、容器の内周面に設けられた流動制御部を用いて、容器の内部において溶鋼の少なくとも一部を還流させる過程と、を含むことを特徴とする。
容器と真空槽を組み合わせる過程は、真空槽の下部に取り付けられた浸積管を溶鋼に浸積させる過程を含むことができる。
容器の内部において溶鋼の一部を還流させる過程は、浸積管の端部よりも低い個所から高い個所に容器の内周面に沿って溶鋼の一部を還流させる過程を含むことがよい。
容器の内部において溶鋼の一部を還流させる過程は、容器の中心部に回転対称となるように溶鋼の一部を還流させる過程を含むことが好ましい。
本発明の実施形態によれば、溶融された鋼、例えば、溶鋼を装置の内部において還流させながら精錬する間に鋼がデッドゾーンを形成して局部的に渋滞することを抑制又は防止することができる。これにより、鋼の精錬が終わるまでに要する時間を短縮することができる。また、精錬した鋼の品質を向上させることができる。
例えば、製鉄所の真空脱ガス装置に適用される場合、耐火煉瓦を用いて取鍋の内壁に流動制御部を設け、これを用いて鋼の還流精錬の際に還流される鋼の流れの一部を制御して浸積管と溶湯面との間に鋼の流れを導くことができる。したがって、取鍋の内部にデッドゾーンが生成されることを抑制又は防止することができる。これにより、溶鋼の脱ガス処理が終わるまでかかる時間を効果的に短縮することができ、精錬済みの鋼の品質を向上させる効果を有する。
本発明の実施形態による精錬装置を示す概略図である。 本発明の実施形態による精錬装置の要部の内部構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。 本発明の比較例による精錬装置の作動を示す図である。
以下、添付した図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
以下、一つの製鉄所の真空脱ガス装置を例として本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、各種の溶融物を還流させて処理する装置としても使用可能である。
図1は、本発明の実施形態による精錬装置を示す概略図であり、図2の(a)は、本発明の実施形態による精錬装置の要部の内部構造を示す側面図であり、図2の(b)は、本発明の実施形態による精錬装置の要部の内部構造を示す平面図である。
図1及び図2に基づいて、本発明の精錬装置を説明する。
本発明の実施形態による精錬装置は、例えば、鋼Mを脱ガス処理するように設けられる精錬装置であり、真空槽10と、第1の浸積管20と、第2の浸積管30と、容器50及び流動制御部60を備える。
真空槽10は、例えば、RHベッセルを備えていることがよい。真空槽10は、内部に減圧可能な空間を有し、真空ポンプに連結されて内部の圧力を調節し、上部槽及び下部槽が高さ方向に組み合わせられる構造である。
上部槽は、内部が下側に開放された構造の容器50である。上部槽は、例えば、約数torrの高真空条件下で使えるように外皮が鋼板材質により製作さる。上部槽の内部面は、耐火物材質の放熱板により保護されることがよい。上部槽は、内部に酸素が吹込み可能なように一方の側にランス(図示せず)が貫設される。上部槽は、内部に合金鉄が投入可能なように他方の側に合金鉄投入口が延設される。下部槽は、内部が上側に開放される構造の容器50である。下部槽は、上部槽の開放された下部に組み付けられる。下部槽は、高真空条件下で工程が行えるように外皮が鋼板材質により製作される。下部槽の内部面には、耐火物が構築されることがよい。下部槽の内部に鋼が還流されながら脱ガス処理される。
第1の浸積管20は、例えば、上昇管であり、第2の浸積管30は、例えば、下降管である。上昇管は、高さ方向に延びる中空の管であり、真空槽10の下部の一方の側に取り付けられて真空槽10の内部と連通される。下降管は、高さ方向に延びる中空の管であり、真空槽10の下部の他方の側に取り付けられて真空槽10の内部と連通される。上昇管は、鋼を真空槽10に向かって上昇させる通路の役割を果たし、下降管は、鋼を容器50に向かって下降させる通路の役割を果たす。
上昇管に流入する鋼M、例えば、溶鋼を下部槽に向かって上昇させるように、上昇管は、内部にアルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスが噴射される。このために、上昇管には、一方の側に不活性ガスを供給するための供給管40が貫設される。
以下、第1の浸積管20及び第2の浸積管30を特別に区別して説明しなくてもよい場合、これらをまとめて浸積管と通称する。
容器50、例えば、取鍋(ladle)は、真空槽10の下側に配設され、内部が上側に開放される。容器50には、外壁を形成して構造及び形状を維持する筒状の鉄皮が備えられる。鉄皮には、鉄皮の内側を取り囲む少なくとも一つの耐火物層が形成される。耐火物層は、耐火煉瓦などの定形耐火物、又は、キャスタブル耐火物又は耐火モルタルなどの不定形耐火物を用いて構築される。
本発明の実施形態による流動制御部60は、真空槽10及び容器50を還流する鋼、例えば、溶鋼の流れの一部を制御して、鋼の上昇流動の方向を所望の方向にするために配設される。例えば、本発明の実施形態においては、容器50の内周面に流動制御部60が突設される。流動制御部60は、鋼の流れが渋滞する渋滞領域に鋼を誘導して容器50の内部に鋼が局部的に渋滞することを抑制又は防止する。これにより、鋼の還流に際して容器50の上部に渋滞領域、所謂、デッドゾーンが形成されることを抑制又は防止することができる。
流動制御部60は、例えば、耐火煉瓦により形成されてもよい。流動制御部60は、容器50の内側壁面に容器50の周に角度をもって突出施工されるか、或いは、容器50の内側壁面に螺旋状に突出施工される。ここでは、容器50の内部面に構築される耐火煉瓦と同じ材質の耐火煉瓦により施工された流動制御部60を例示する。この場合、流動制御部60は、容器50の内周面の所定の高さにおいて少なくとも2つの耐火煉瓦が一つの段をなして、約6個の段を有するように容器50の内周面に手軽に施工される。
もちろん、流動制御部60は、上述したとおり耐火煉瓦により複数の段をなして形成されてもよい。例えば、流動制御部60は、滑らかな傾斜面を有する一つの耐火ブロックや線形の突起などの形状に容器50の内周面に成形されてもよい。
流動制御部60は、容器50の内周面の一部において水平面に対し傾きをもって形成される。流動制御部60は、このような形状にすることにより鋼の流れの一部を容器50の内周面に沿って所望の高さまで上昇させることができる。このとき、流動制御部60は、容器50の底面の中心部が対称点となるように容器50の内周面の複数の個所、例えば、2個所にそれぞれ形成されることがよい。そうすることにより流動制御部60により形成される上昇流は、一方の側に偏心されることなく、安定的な流動を示す。もちろん、流動制御部60は、容器50の内周面の3個所以上に放射状に等間隔で形成されてもよく、この場合、流動制御部60の形成角度や位置及び高さなどが後述する流動制御部60の構造から適切に変更・調節されることがよい。
一方、流動制御部60は、複数本の浸積管のうちのいずれか一本の浸積管に近い一点から上向きに傾斜して設けられることが好ましい。流動制御部60は、浸積管に近い容器50の内側壁面に設けられた流動制御部60の一方の端部が最も低い位置に形成されてもよい。これは、デッドゾーン領域が相対的に大きく形成される位置(例えば、浸積管から遠い取鍋側)に鋼の上昇流を送るために、流動制御部60の最も低い端部(例えば、流動制御部60の開始点)を浸積管に近い取鍋の側面に配設させたものである。
流動制御部60は、浸積管に出入して流動する鋼の還流を用いて、鋼の渋滞領域側に上昇流を手軽に形成するために、浸積管よりも低い高さに形成される。ここで、容器50の底面から容器50の上部の先端までの高さを1としたとき、流動制御部60は、容器50の底面から0.25〜0.75の高さに形成されることがよい。例えば、容器50の底面から容器50の上部の先端までの高さが8000mmである場合、流動制御部60は、容器50の底面から2000mm〜6000mmの高さに形成される。より好ましくは、流動制御部60が容器50の底面から2000mm〜3800mmの高さに形成される。
本発明の実施形態として、高さ8000mmの容器50の底面から2000mm〜3800mmの高さに形成される流動制御部60を例示する。以下では、流動制御部60についての上述した数値及び割合の臨界的な意味について詳細に説明する。
流動制御部60の下限高さH1は、容器50の内周面に形成される耐火物層の物理的な浸食に対応する高さである。例えば、容器50の内部に溶融された鋼が受鋼されたとき、容器50の底面及び所定の高さの内周面においては、物理的な浸食が非常に強力に起こる。このような物理的な浸食が避けられる高さが、容器50の底面から上部の先端までの高さの1/4の個所に相当する高さ、例えば、約2000mmである。このため、流動制御部60を、容器50の底面から上部の先端までの高さの1/4の個所に相当する高さ、例えば、2000mmの高さから形成することにより、耐火物の寿命を向上させることできる。
流動制御部60の上限高さH2は、浸積管の端部の高さに対応する高さである。容器50の内部の鋼は、浸積管の端部を介してその内部に出入しながら還流される。このため、流動制御部60の上限高さH2が浸積管の端部の高さよりも高く形成された場合、鋼の還流速度が相対的に低い容器50の上部に鋼の上昇流が過剰に形成されて上昇流の終点の高さが浸積管の端部から上側に約200mm〜300mmの高さに形成される鋼の湯面のさらに上側に形成される。この場合、湯面の不安定化を引き起こし、湯面を保護しているスラグ層を押し出してしまうという問題がある。このため、流動制御部60を容器50の底面から上部の先端までの高さの1/4の個所に相当する高さ、例えば、6000mmの高さまでに形成することが好ましく、より好ましくは、流動制御部60を容器50の底面から3800mmの高さまでに形成して、流動制御部60により誘導される鋼の上昇流の終点を鋼の湯面の下に位置させる。
流動制御部60は、容器50の外径の大きさを1としたとき、0.03〜0.10の厚さに容器50の内周面から突設されることがよい。このとき、流動制御部60の開始点、例えば、下側端部と、終点、例えば、上側端部との間において選択される所定の高さを基準として、容器50の外径は、流動制御部60が設けられた高さにおける容器50の外径である。例えば、流動制御部60が設けられた高さにおける容器50の外径の大きさが2500mmであれば、流動制御部60は、容器50の内周面から75mm〜250mmの厚さに突出されることが好ましい。
この場合、容器50の外径の大きさ1を基準として、流動制御部60の厚さが0.03未満である場合、鋼の上昇流が発生され難いため、流動制御部60の上部面に所望の幅の流路を形成し難いという問題がある。また、容器50の外径の大きさ1を基準として、流動制御部60が0.10を超える場合、容器50の容積が小さくなるだけではなく、流動制御部60により発生された鋼の上昇流が真空槽10と容器50との間の還流を妨げる虞がある。このため、容器50の外径の大きさ1を基準として、流動制御部60の厚さを0.03〜0.10の範囲の厚さにすることにより、操業に際して鋼の上昇流を円滑に誘導することができ、精錬操業に必要な鋼の容積を確保することができる。
一方、流動制御部60の厚さは、下記のとおり他の方式により定められてもよい。流動制御部60は、容器50の内周面から150mm〜250mmの厚さdに突出されてもよい。容器50の内周面から突出される流動制御部60の厚さが150mm未満の場合、流動制御部60の上部面に所望の幅の流路を形成することができないため、鋼の上昇流を発生させることが難く、流動制御部60を形成する耐火煉瓦の浸食速度を考慮すると、流動制御部60の所望の使用寿命を確保し難い。このため、流動制御部60は、容器50の内周面から150mm以上の厚さに突設されて所望の使用寿命を確保し、操業に際して鋼の上昇流を円滑に誘導することがよい。
流動制御部60が容器50の内周面から250mm以上に突出された場合、容器50の内部容積が小さくなって、容器50の内部に所望の容積を確保し難いという問題がある。流動制御部60が容器50の内周面から250mm未満に突出することにより、精錬操業に必要な鋼の容積を確保することができる。
流動制御部60は、いずれか一本の浸積管に近い容器50の内周面上の点から45°離れた個所から上向きに傾くように設けられることができる。また、流動制御部60は、上述した浸積管に近い容器50の内周面上の点から容器50の中心角度として60°〜65°離れた個所に形成されてもよい。すなわち、図2(b)に示したとおり、流動制御部60の開始点の中心角度θ1は、浸積管に近い容器50の内周面上の一垂線を基準として容器50の内周面の周方向に45°の角度であってもよく、流動制御部60の終点の中心角度θ2は、浸積管に近い容器50の内周面上の一垂線を基準として容器50の内周面の周方向に60°〜65°の角度であってもよい。
例えば、流動制御部60がいずれか一本の浸積管に近い容器50の内周面上の一点から45°を超える個所に上向きに傾くように形成されて上述した浸積管に近い容器50の内周面上の一点から65°を超える個所まで形成される場合、流動制御部60により誘導される鋼の上昇流の終点が浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から容器50の内周面の周方向に90°離れる容器50の内周面の他方の側を逸脱して形成される。
また、流動制御部60がいずれか一本の浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から45°未満の個所に上向きに傾くように形成されて上述した浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から65°未満に離れた個所まで形成される場合、流動制御部60により誘導される鋼の上昇流の終点が浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から容器50の内周面の周方向に90°離れる容器50の内周面の他方の側の手前に形成されてもよい。
ここで、浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から容器50の内周面の周方向に90°離れる容器50の内周面の他方の側は、鋼の還流がほとんど起こらないため鋼が渋滞する渋滞領域、所謂、デッドゾーンになり易い個所である。
すなわち、本発明の実施形態においては、流動制御部60がいずれか一本の浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から45°離れた個所に上向きに傾くように設けられると、上述した浸積管に近い容器50の内周面の一方の側から60°〜65°離れた個所まで形成されるため、容器50の内部の渋滞領域、すなわち、デッドゾーンに鋼の上昇流の終点を位置させることが好ましい。これにより、容器50の上部の局部位置、例えば、デッドゾーンに鋼の流れが渋滞することを抑制又は防止することができる。
図3は、本発明の比較例による精錬装置の作動を示す図である。この図は比較例の精錬装置における鋼の流れをコンピュータシミュレーションを用いて解析し、その結果を示している。この図3に示した精錬装置は、上述した本発明の流動制御部60の構成を除いた精錬装置である。
図1から図3を基にして、本発明の実施形態による精錬装置が適用される精錬方法について説明する。
本発明の実施形態による精錬方法は、鋼を精錬する方法であって、鋼Mが受鋼された容器50を真空槽10の下側に位置させる過程と、容器50と真空槽10を組み合わせる過程と、真空槽10の内部を減圧して鋼Mを還流させて鋼Mからガス成分を取り除く過程と、容器50の内周面に設けられた流動制御部60を用いて、容器50の内部において鋼Mの一部を還流させる過程と、を含む。
まず、容器50の内部に溶融された鋼M、例えば、溶鋼を受鋼して設け、容器50を運んで真空槽10の下側に位置させる。
次いで、容器50を上昇、又は、真空槽10を下降させ、真空槽10の下部に取り付けられた浸積管を鋼に浸積させて容器50と真空槽10を組み合わせる。
次いで、真空槽10の内部を減圧して鋼を真空槽10の内側に流入させ、上昇管の内部に不活性ガスを注入して鋼を還流させる。鋼は、真空槽10の内部を還流する間に真空槽10の内部の2torr以下の低圧雰囲気下で脱ガス処理されてもよい。このとき、除去されるガスは、主に一酸化炭素、水素及び窒素ガスである。
図3に示した、本発明の比較例による鋼の脱ガス処理中の鋼の還流状態を見ると、単純反復的に還流される過程中に、浸積管から遠い領域において浸積管よりも高い個所の鋼は還流速度が相対的に非常に遅くなり、このため、当該個所に渋滞領域、すなわち、デッドゾーンが形成される。これは、結果的に、脱ガス処理時間を遅延させる要因となる。
このため、本発明の実施形態においては、流動制御部60を容器50内に設けて鋼の流動方向を適切に制御することにより、デッドゾーンの最小化又はデッドゾーンの生成の防止を図ることができる。
流動制御部60は、耐火煉瓦を容器50の内周面に螺旋状に施工するなどして形成される。このため、流動制御部60は、容器50の内周面に鋼の上昇流が形成可能な流路を形成することができる。以下、精錬方法の残りの過程について説明する。
鋼を還流させる過程と同時に(又は、鋼を還流させる過程とともに)、容器50の内部において鋼の一部が上昇するように誘導してデッドゾーンに還流させる。具体的には、流動制御部60を用いて、浸積管の端部よりも低い個所から高い個所に向かって容器50の内周面に沿って鋼Mの流れの一部を上昇させて還流させる。一方、鋼の上昇流の流れは、容器50の底面中心部に回転対称となるように形成される。これにより、容器50の内部において鋼が局部的に渋滞してデッドゾーンに形成されることが抑制又は防止される。
上記の脱ガス処理が終わると、次いで、真空槽10から容器50を取り外し、容器50を後続工程設備に運んで後続工程を行う。
このように、本発明の実施形態においては、容器50及び真空槽10に渡って形成される鋼の主還流の流れとは別途に容器50の内部に鋼の上昇流を補助的に形成することにより、容器50の内部に形成されるデッドゾーンの面積をかなり狭めることができる。実際に、鋼の脱ガス処理を終えるためには、デッドゾーンに渋滞された鋼を攪拌して全体の鋼を漏れなく脱ガス処理することが重要である。このために、本発明の実施形態においては、流動制御部60を用いてデッドゾーンを最小化して、脱ガス処理の時間を短縮させ、その結果、全体の工程の生産性を向上させることができる。
以上、実施例をについて説明したが、本発明の範囲は特定の実施例に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって解釈されなければならない。また、当該技術分野で通常の知識を習得した者なら、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能なことは自明であろう。
10:真空槽
20:第1の浸積管
30:第2の浸積管
40:供給管
50:容器
60:流動制御部
d:容器の内周面から突出した流動制御部の厚さ
H1:流動制御部の下限高さ
H2:流動制御部の上限高さ
M:綱
θ1:流動制御部の開始点の角度
θ2:流動制御部の終点の角度

Claims (11)

  1. 内部に減圧可能な空間を有する真空槽と、
    前記真空槽の下部に取り付けられて前記真空槽と連通される複数本の浸積管と、
    前記真空槽の下側に配設され、内部が上側に開放される容器と、
    前記容器の内周面に突設される流動制御部と、
    を備え、
    前記流動制御部は、前記容器の内周面の一部を取り囲んで周方向に傾くように形成されることを特徴とする精錬装置。
  2. 前記流動制御部は、前記複数本の浸積管のうちのいずれか一本の浸積管に近い一方の側から上向きに傾くように形成されることを特徴とする請求項1に記載の精錬装置。
  3. 前記流動制御部は、前記容器の底面の中心部が回転対称の対称点となるように前記容器の内周面の複数の個所にそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項1に記載の精錬装置。
  4. 前記流動制御部は、前記浸積管よりも低い高さに形成されることを特徴とする請求項1に記載の精錬装置。
  5. 前記容器の外径の大きさを1としたとき、
    前記流動制御部は、前記容器の内周面から0.03〜0.10の厚さで突出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の精錬装置。
  6. 前記容器の底面から上部の先端までの高さを1としたとき、
    前記流動制御部は、前記容器の底面から0.25〜0.75の高さに形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の精錬装置。
  7. 前記流動制御部は、前記複数本の浸積管のうちのいずれか一本の浸積管に近い前記容器の内周面の一方の側から45°離れた個所に上向きに傾くように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の精錬装置。
  8. 鋼を精錬する方法であって、
    溶鋼が受鋼された容器を真空槽の下側に位置させる過程と、
    前記容器と真空槽を組み合わせる過程と、
    前記真空槽の内部を減圧して前記溶鋼を還流させながら前記溶鋼からガス成分を取り除く過程と、
    前記容器の上部に形成される渋滞領域に前記溶鋼の流れの一部を導くように、前記容器の内周面の一部を取り囲んで周方向に傾くように形成された流動制御部を用いて、前記容器の内部において前記溶鋼の一部を還流させる過程と、
    を含むことを特徴とする精錬方法。
  9. 前記容器と真空槽を組み合わせる過程は、前記真空槽の下部に取り付けられた浸積管を前記溶鋼に浸積させる過程を含むことを特徴とする請求項8に記載の精錬方法。
  10. 前記容器の内部において前記溶鋼の一部を還流させる過程は、
    前記浸積管の端部よりも低い個所から高い個所に前記容器の内周面に沿って前記溶鋼の一部を還流させる過程を含むことを特徴とする請求項9に記載の精錬方法。
  11. 前記容器の内部において前記溶鋼の一部を還流させる過程は、
    前記容器の底面の中心部が回転対称の対称点となるように前記容器の内周面に沿って前記溶鋼の一部を還流させる過程を含むことを特徴とする請求項10に記載の精錬方法。
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