JP2601407Y2 - 真空脱ガス槽の浸漬管構造 - Google Patents

真空脱ガス槽の浸漬管構造

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JP2601407Y2
JP2601407Y2 JP1993011878U JP1187893U JP2601407Y2 JP 2601407 Y2 JP2601407 Y2 JP 2601407Y2 JP 1993011878 U JP1993011878 U JP 1993011878U JP 1187893 U JP1187893 U JP 1187893U JP 2601407 Y2 JP2601407 Y2 JP 2601407Y2
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満司 堀
武美 堂原
三木  隆
清衛 平山
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、環流式真空脱ガス法に
使用される真空脱ガス槽の浸漬管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】環流式真空脱ガス法は、RH法とも呼ば
れ、鋼中の不純ガス、非金属介在物等を低減させること
ができるため、純度の高い鋼材の生産に適用されてい
る。
【0003】使用する真空脱ガス槽には、上昇管と下降
管からなる2本の浸漬管が設けられ、これら上昇管およ
び下降管を取鍋等の溶鋼中に浸して使用される。真空脱
ガス槽内を減圧することにより、前記上昇管から溶鋼を
吸い上げ、環流用のガス吹込口より不活性ガスを吹き込
んでそのガス浮上力を利用して、溶鋼を真空脱ガス槽内
に導き、下降管より下降させて溶鋼を循環、脱ガス精錬
処理が行われる。
【0004】環流式真空脱ガス法において、従来より、
溶鋼処理能力増大のため種々の対策が取られており、そ
の一つとして、環流量を増やすことを目的とし、浸漬管
全体の内径を拡大することが行われている。
【0005】しかしながら、このような手段では、他の
関連設備との問題で種々の制約を受け、設備の改造も必
要となるうえ、浸漬管のライニング層が薄くなり、寿命
が短くなって取換え作業が煩雑になる。
【0006】また、環流速度を早め脱ガス処理時間の短
縮を図るため、複数のガス吹込み孔を備えた真空脱ガス
槽の浸漬管が、実開平1−164752号公報において
開示されている。
【0007】図5は同公報に開示された浸漬管20の構
造を示す縦断面図で、図中、21は分割成形された焼成
耐火物、22は外張りキャスタブル、23は芯金、24
は取付け用のフランジである。供給された不活性ガス
は、焼成耐火物21のガス吹込孔25から、脱ガス槽
(図示せず)に吸い上げられる溶鋼流通路26内の溶鋼
中へと吹込まれる。
【0008】このようなガス吹込みに際し、溶鋼の環流
促進による脱ガス及び非金属介在物の除去等を効率的に
行うためには、吹き込まれる不活性ガスの溶鋼中の気泡
径を小さくさせることが必要となる。
【0009】しかしながら、この浸漬管20は、不活性
ガス吹込孔25が、内張り耐火物21の壁面と同一面上
にあるため、壁面に沿って上昇するガスの集合による大
気泡となり、この吹き込まれた不活性ガスと共に上昇す
る溶鋼の乱流からくる、いわゆるバックアタックによ
り、ガス吹込み位置より上部へ約200mmにわたっ
て、耐火物侵食損傷が大きくなる等の問題がある。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】本考案において解決す
べき課題は、浸漬管に供給される不活性ガスが、耐火物
表面近傍に集合することなく溶鋼中に効率良く小気泡化
され、不活性ガス吹込み位置より上部の耐火物侵食損傷
を抑えることによって、浸漬管の取換え頻度を減らし、
さらに、溶鋼環流速度を速めることで脱ガス精錬処理時
間の短縮を図ることにある。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】本考案は、溶鋼流通路
を形成する内張り耐火物壁面に、不活性ガス吹込み用の
ガス吹込孔を設けた真空脱ガス槽の浸漬管において、前
記ガス吹込孔のガス吹込口配設位置から上方に向かっ
て、溶鋼流通路の内径を拡大させた傾斜面を形成したこ
とによって、上記課題を解決した。
【0012】この傾斜面の傾斜角としては、上昇管の溶
鋼流通路内垂直線若しくはガス吹込口下部壁面延長線に
対して、約18度以内、特に3〜12度の範囲とするの
が好ましい。
【0013】また、溶鋼流通路を形成する内張り耐火物
壁面に不活性ガス吹込用のガス吹込孔を設けた真空脱ガ
ス槽の浸漬管において、前記ガス吹込孔の吹込口を同吹
込口上部の内張り耐火物壁面よりも内側に30〜50m
m突設させた突出部を形成したものとすることもでき
る。
【0014】なお、内張り耐火物としては、焼成れん
が、不焼成れんが、不定形材料をブロック化したもの等
が使用される。
【0015】
【作用】溶鋼へ吹込まれた不活性ガスは、一般に、図3
に示すように、上方向に約24度(中心線からみて12
度)の角度の範囲内で上昇,拡散することが知られてい
る。本考案はこの性状を利用したもので、不活性ガス拡
散角に沿うよう内張り円周側に向けて入り込ませること
によって、ガスの集合がなくなり、また溶鋼上昇速度も
加速され、吹き込まれた不活性ガスによる効率的な溶鋼
の環流が可能となる。
【0016】図4は、傾斜角度と鋼中カーボンの減少量
との関係を示す図で、同図に示すように、特に、傾斜角
度が3〜12度の範囲内で、優れた効果が見られた。ま
た傾斜角の上限は18度程度が望ましい。これ以上にな
ると、構造的な問題として、上昇管のガス吹込口より上
部のライニング層が薄くなり、寿命を縮めることにな
る。
【0017】また、このような効果は、上記した傾斜面
を形成することなく、ガス吹込孔の吹込口を同吹込口上
部の内張り耐火物壁面よりも内側に30〜50mm突設
させることによっても、同様に奏することができる。
【0018】つまり、傾斜面または突出部を形成するこ
とで、上昇管ガス吹込口上部の内径が、ガス拡散角と一
致した大きさとなることで、不活性ガス気泡の集合を減
らして上昇する溶鋼の乱流を減少させて、侵食作用を抑
え、さらに環流速度を早めさせる。
【0019】
【実施例】図1は本考案の第1の実施例を示す真空脱ガ
ス槽の浸漬管構造の縦断面図である。
【0020】同図において、1a,1b,1cは3段か
らなる内張り耐火物、2は外張りキャスタブル、3は外
張りキャスタブル2内に形成された耐火物保持用及びガ
スシール用の芯金、4は取付け用のフランジである。
【0021】内張り耐火物1a,1b,1cは、内部に
水平断面が円形の溶鋼流通路5を形成する。中段の内張
り耐火物1bには、不活性ガス吹込管(図示せず)と連
通したガス吹込孔6が形成されている。さらに内張り耐
火物1bのガス吹込口7の形成位置から上方に向かっ
て、内径をD1 からD2 に増大させ、ここを傾斜面8と
している。本実施例では、傾斜面8が、ガス吹込口7の
配設位置より下部壁面の延長線に対して、12度となる
ように形成した。
【0022】上記構成において、不活性ガス供給管から
供給された不活性ガスは、内張り耐火物1bの不活性ガ
ス吹込孔6から、溶鋼流通路5内を真空脱ガス槽(図示
せず)に吸い上げられる溶鋼中に吹込まれる。その際、
不活性ガス吹込口7上部の壁面に12度の傾斜面8が形
成されているため、吹込まれた不活性ガスが、この傾斜
面8に片寄ることなく拡散しながら上昇する。これによ
って、気泡の集合もなくなり、環流速度を速めることが
できる。また、ガス吹込口7上部の傾斜面8の角度と合
うように不活性ガスが拡散上昇し、ガス吹込口7上部の
内張り耐火物壁面と不活性ガスによる溶鋼乱流が減少す
るため、侵食作用が減り、浸漬管の取り換え頻度が減少
する。
【0023】図1に示す浸漬管を実際のRH炉槽におい
て使用したところ、鋼中カーボン量を10-3 ×15%
まで下げる処理時間(分/チャージ)が、従来構造では
20分を要していたところを15分で可能となった。更
に、浸漬管の耐火物寿命は、従来の45〜50回処理
が、110回へと向上して浸漬管交換頻度も減り、簡単
な構造で真空脱ガス処理能力を大巾に向上させることが
できた。
【0024】更に図2は、本考案の第2の実施例を示す
縦断面図である。なお図2に示す実施例において、図1
の真空脱ガス槽の浸漬管構造に対応するものは、同じ符
号を付けて説明を省略する。
【0025】本実施例の浸漬管は、4段からなる第1,
第2,第3,第4の内張り耐火物10a,10b,10
c,10dで構成し、第3の内張り耐火物10cに不活
性ガス吹込孔6を設け、さらに、第1,第2,第4の内
張り耐火物10a,10b,10dの壁面よりも、内側
へ30mm突設させて突出部11を形成しガス吹込口7
を設けている。
【0026】なお、このガス吹込孔6は上向きに穿孔さ
れ、上昇する溶鋼流に吹込み易くし、突出部11も角を
落として溶鋼流の抵抗を少なくした。
【0027】このような構造によっても、第3の耐火物
10cの突出部11と、第2の耐火物10bとの間の段
差によって、上部へ約200mm前後にわたって耐火物
と不活性ガスの気泡を含んだ溶鋼の乱流発生を減少させ
ることができ、12度の傾斜角を持たせた図1の実施例
と同様の効果を得られる。特に図1のものに比べ、内張
り耐火物の形状が簡単ですむ。
【0028】
【考案の効果】本考案によって以下の効果を奏すること
ができる。
【0029】(1)傾斜面あるいは突起の形成により、
不活性ガスの拡散が効果的に行われ、上昇管内の溶鋼比
重も均一に下げることができ、環流速度が向上し溶鋼脱
ガス反応の促進が達成され、脱ガス精錬処理効率の向上
が可能になった。
【0030】(2)吹込みガスのバックアタックが軽減
されることから、耐火物の侵食も小さくなり、浸漬管の
寿命が向上した。
【0031】(3)浸漬管交換頻度の減少により、真空
脱ガス処理能力が大巾に向上した。
【0032】(4)従来の浸漬管の金物構造を変更する
必要もなく施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例である真空脱ガス槽の浸漬
管構造の縦断面図である。
【図2】本考案の第2実施例である真空脱ガス槽の浸漬
管構造の縦断面図である。
【図3】溶鋼中におけるガス拡散状態を示す図である。
【図4】傾斜角度と鋼中カーボンの減少量との関係を示
す図である。
【図5】従来の浸漬管構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1a〜1c,10a〜10d 内張り耐火物 2 外張りキャスタブル 3 芯金 4 フランジ 5 溶鋼流通路 6 ガス吹込孔 7 ガス吹込口 8 傾斜面 11 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 三木 隆 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社 鹿島製鐵所内 (72)考案者 平山 清衛 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社 鹿島製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭51−6103(JP,A) 特開 平2−122015(JP,A) 実開 平2−11150(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 7/10

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼流通路を形成する内張り耐火物壁面
    に、不活性ガス吹込み用のガス吹込孔を設けた真空脱ガ
    ス槽の浸漬管において、前記ガス吹込孔のガス吹込口配
    設位置から上方に向かって、溶鋼流通路の内径を拡大さ
    せた傾斜面を形成したことを特徴とする真空脱ガス槽の
    浸漬管構造。
  2. 【請求項2】 溶鋼流通路を形成する内張り耐火物壁面
    に、不活性ガス吹込み用のガス吹込孔を設けた真空脱ガ
    ス槽の浸漬管において、 前記ガス吹込孔を有する耐火物をその上部の溶鋼流通炉
    壁面を形成する耐火物の内面より内側に30〜50mm
    突設させた突出部とし、 前記ガス吹込孔のガス吹込口を前記突出部の先端に開口
    したことを特徴とする真空脱ガス槽の浸漬管構造。
JP1993011878U 1993-03-17 1993-03-17 真空脱ガス槽の浸漬管構造 Expired - Lifetime JP2601407Y2 (ja)

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