JP2009057613A - ステンレス鋼のrh脱ガス槽における脱炭方法 - Google Patents
ステンレス鋼のrh脱ガス槽における脱炭方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 ステンレス鋼の取鍋精錬において、酸素吹精時の吹精パイプの溶損を防止する冷却用のN2ガスに変えてエアを使用し、全ガス量は増やすことなく、酸素量のみを増やすことで排気系ダクトをスプラッシュにより閉塞を無くし、二次燃焼を促進させて脱炭処理時間を短縮し、かつ、吹精パイプの溶損を防止するRH脱ガス槽による脱炭法を提供する。
【解決手段】 ステンレス鋼の溶製時の酸素吹精パイプの冷却用ガスのN2では、CO+O→CO2のように二次燃焼させることができないので、冷却用ガスをエアに変えることで、エア中の酸素により二次燃焼を促進させる。この方法は、酸素吹精パイプ8からの酸素吹精時に、CO2濃度が10〜20%になるように酸素吹精パイプを冷却するエアの流量を10〜100Nm3/hrに調整しながら増量することからなるRH脱ガス槽におけるステンレス溶鋼の脱炭方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】 ステンレス鋼の溶製時の酸素吹精パイプの冷却用ガスのN2では、CO+O→CO2のように二次燃焼させることができないので、冷却用ガスをエアに変えることで、エア中の酸素により二次燃焼を促進させる。この方法は、酸素吹精パイプ8からの酸素吹精時に、CO2濃度が10〜20%になるように酸素吹精パイプを冷却するエアの流量を10〜100Nm3/hrに調整しながら増量することからなるRH脱ガス槽におけるステンレス溶鋼の脱炭方法である。
【選択図】 図1
Description
本願発明はステンレス鋼の二次精錬装置であるRH脱ガス槽における脱炭方法に関する。
ステンレス鋼の二次精錬において、RH脱ガス槽にて脱炭する際に、RH脱ガス槽内に酸素を吹き込む。ところで、酸素を吹き込む際の酸素吹精パイプの溶損を防ぐため、冷却ガスが必要である。このため、通常は酸素吹精パイプの冷却用ガスとしてN2ガスを使用している。しかし、N2ガスを使用しているため、脱炭処理中の二次燃焼は期待することはできず、このため溶鋼の温度上昇が遅く、脱炭処理に時間を要していた。
RH脱ガス槽における脱炭方法として、本出願人はRH脱ガス設備において、吹精酸素流量を増大した場合に伴うスプラッシュの増大を抑制し、RH排気系ダクトの閉塞を防止する方法を開発している(例えば、特許文献1参照。)。これは、取鍋をRH脱ガス槽の下に位置させ、RH脱ガス槽の2個の浸漬管を取鍋内のスラグの下の溶鋼内に浸漬させて、取鍋内と下部槽内で2個の浸漬管から形成される還流方向に溶鋼を循環しながらRH脱ガス槽の中間槽における酸素吹精パイプを備えた左右の2箇所の酸素吹精口より、左右合わせて目的の吹精量の酸素吹精を行い、1本当たりの吹精圧力を減少させ、このことにより吹精酸素流量を増大した場合に伴うスプラッシュの増大を抑制し、RH排気系ダクトの閉塞を防止する方法である。
さらに、ステンレス鋼の取鍋精錬において酸素吹精パイプの冷却ガスに高価なN2ガスである吹精ガスを用いることなく、RH脱ガス槽内の二次燃焼を促進し、脱炭時間を短縮させ、冷却ガスのコストダウンを図る方法を開示している(例えば、特許文献2参照。)。これは、電気炉又は転炉で溶製した溶鋼をRH脱ガス槽で酸素吹精により脱炭するステンレス鋼の溶製方法において、RH脱ガス槽に酸素を吹き込む酸素吹精パイプの冷却ガスにエアを使用し、このエアの流量を10〜100Nm3/hrとすることからなるRH脱ガス槽による脱炭法である。
発明が解決しようとする課題は、ステンレス鋼の溶製において、酸素吹精時の吹精パイプの溶損を防止するために使用する従来の冷却用のN2ガスに変えてエアを使用するが、全ガス量は増やすことなく、酸素量のみを適量に増やすことでスプラッシュによる排気系ダクトの閉塞を無くして、二次燃焼を促進させて脱炭処理時間を短縮し、かつ、吹精パイプの溶損を防止するRH脱ガス槽による脱炭法を提供することである。
酸素吹精時に単に酸素吹精量を増量すると脱炭は促進するが、流量が多すぎるために溶鋼のスプラッシュが増大して排気系ダクトを閉塞させる恐れがある。そこで冷却用ガスをN2からエアに変更し、CO2濃度が10〜20%になるようにエア流量をバルブにて調整することで、RH槽内に吹き込む全ガス量を変えずに酸素量のみを増量することで、スプラッシュによる排気系ダクトの閉塞を無くしてRH脱ガス槽におけるステンレス溶鋼の脱炭を促進する。
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、ステンレス鋼の溶製時の脱炭工程における、酸素吹精パイプの冷却用ガスを従来のN2からエアに変更することで、RH槽内に吹き込む全ガス量を変えることなく酸素量のみを増量することからなるRH脱ガス槽におけるステンレス溶鋼の脱炭方法である。すなわち、冷却用ガスのN2では、CO+O→CO2のように二次燃焼させることができない。そこで、本発明の手段では、冷却用ガスをエアに変えることで、エア中の酸素により二次燃焼を促進させるのである。
上記の方法において、全ガス量を変えずに酸素量のみを増量する方法は、酸素吹精パイプから酸素を吹き込む酸素吹精時に、排ガス計を監視しながらCO2濃度が10〜20%になるように酸素吹精パイプを冷却するエアの流量を10〜100Nm3/hrにバルブで調整しながら増量することからなるRH脱ガス槽におけるステンレス溶鋼の脱炭方法である。
本発明の手段とすることで、ステンレス鋼の取鍋精錬に続くRH脱ガス槽における脱炭方法において、RH脱ガス槽に吹き込む吹精パイプの溶損あるいは曲がりを無くし、かつ、スプラッシュによる排気系ダクトの閉塞を無くし、二次燃焼促進による脱炭時間の短縮を図り、かつ、二次燃焼促進による電力原単位の低減を図ることができるなど、本発明は優れた効果を奏する。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明では、ステンレス鋼の取鍋精錬後のRH脱ガス処理において、冷却用ガスとして従来のN2に変えてエアを使用するが、その使用するエアの量は、10Nm3/hrの流量があれば、酸素吹精パイプの冷却効果は確保できる。しかし、100Nm3/hrを超えるエアでは、これ以上の酸素吹精パイプの冷却効果が得られないだけでなく、RH脱ガス槽内の真空度低下により脱炭が阻害される。なお、脱炭用の酸素ガスは溶鋼の脱炭に寄与するので、一部は二次燃焼するものの、二次燃焼の促進までには到らない。しかし、本発明の方法では、冷却用ガスとしてのエアの量を、所定の流量を満足するものとし、かつ、CO2濃度が10〜20%になるように排ガス計を監視しながらバルブでエア流量を調整することで、二次燃焼の促進が期待できる。以下の実施の形態で説明する。
図1は、本発明を実施するための装置の概略を示す。溶鋼1を取鍋2で取鍋精錬した後、次いでRH脱ガス槽をその上に設置し、取鍋2内の溶鋼1を脱ガス処理して脱炭する。この方法では、取鍋2の上に載置したRH脱ガス槽の下部槽6に取鍋2内の溶鋼1を上昇管3で上昇流として吸い上げ、下部槽6内を還流5させる。この場合、上方の中間槽7の左右に設置の冷却用ガスパイプ9により周囲を冷却した酸素吹精用パイプ8から酸素を下部槽6の溶鋼中に吹き込んで酸素吹精して二次燃焼させる。下部槽6における還流5は下降流として下降管4から取鍋2の溶鋼1に還流され脱炭される。
上記したように、従来の冷却用ガスのN2では二次燃焼させることができないが、本発明の手段では、冷却用ガスをエアとしているので、エア中の酸素により吹精用酸素量を増加しなくとも、二次燃焼が促進されてRH脱ガス槽内の温度を上昇できて脱炭時間の短縮が図れる。したがって、従来の酸素吹精量を上げることによりスプラッシュが増大して排気ダクトが閉塞されるようなことは、本発明の方法では生じない。
表1に、RH脱ガス槽の冷却用ガスとして、本発明のエアを用いた場合と、従来のN2を対比して示す。表1において、冷却用ガス流量は10〜100Nm3/hrと150Nm3/hrで評価し、このとき発生したCO2濃度を(%)で示し、冷却効果は酸素吹精用パイプの溶損や曲がりの無いものを〇で示しているがいずれも〇である。脱炭時間はminで示し、排気ダクトの詰まりは酸素吹精によるスプラッシュの増大による排気ダクトの詰まりを示しており、〇は詰まりが生じたもので、×は詰まりの生じなかったものを示す。
表1の結果、本発明の冷却用ガスとしてエアを用いた場合は、発生したCO2濃度から見て二次燃焼が促進されており、さらに排気ダクトの詰まりから見て冷却用ガス流量の10〜100Nm3/hrであるものが冷却効果もあって、かつ、脱炭時間も短縮できていることが判明した。一方、冷却用ガスとしてエアを用いても、冷却用ガス流量が150Nm3/hrの場合は、排気系ダクトに詰まりが生じた。
1 溶鋼
2 取鍋
3 上昇管
4 下降管
5 還流
6 下部槽
7 中間槽
8 酸素吹精用パイプ
9 冷却用ガスパイプ
2 取鍋
3 上昇管
4 下降管
5 還流
6 下部槽
7 中間槽
8 酸素吹精用パイプ
9 冷却用ガスパイプ
Claims (2)
- ステンレス鋼の二次精錬プロセスにおける取鍋内の溶鋼をRH脱ガスにより脱炭する方法において、RH脱ガス槽による脱炭時に二次精錬装置のRH脱ガス槽内への酸素吹精用パイプの冷却用ガスをN2からエアに変更し、かつ、排ガスのCO2濃度を調整することで、RH槽内に吹き込む全ガス量を変更することなく酸素量のみを増量して脱炭することを特徴とするステンレス鋼のRH脱ガス槽における脱炭方法。
- 排ガス計を監視しながらCO2濃度が10〜20%になるように酸素吹精パイプを冷却するエアの流量を10〜100Nm3/hrに調整することで酸素量のみを増量して脱炭することを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼のRH脱ガス槽における脱炭方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007227222A JP2009057613A (ja) | 2007-09-01 | 2007-09-01 | ステンレス鋼のrh脱ガス槽における脱炭方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007227222A JP2009057613A (ja) | 2007-09-01 | 2007-09-01 | ステンレス鋼のrh脱ガス槽における脱炭方法 |
Publications (1)
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JP2009057613A true JP2009057613A (ja) | 2009-03-19 |
Family
ID=40553623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007227222A Pending JP2009057613A (ja) | 2007-09-01 | 2007-09-01 | ステンレス鋼のrh脱ガス槽における脱炭方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009057613A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105200195A (zh) * | 2015-10-26 | 2015-12-30 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种提高锑元素收得率的rh真空精炼方法 |
CN109182658A (zh) * | 2018-09-26 | 2019-01-11 | 首钢集团有限公司 | 一种rh精炼控制方法及装置 |
CN109680125A (zh) * | 2019-02-19 | 2019-04-26 | 南京钢铁股份有限公司 | 采用二氧化碳作为提升气体的真空精炼方法 |
-
2007
- 2007-09-01 JP JP2007227222A patent/JP2009057613A/ja active Pending
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