JP3480398B2 - 連続溶融金属めっき槽のボトムドロス巻き上がり防止装置 - Google Patents

連続溶融金属めっき槽のボトムドロス巻き上がり防止装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続溶融金属めっ
き槽のボトムドロス巻き上がり防止装置に関し、詳しく
は、鋼帯等、金属帯の溶融金属めっき設備において、め
っき槽内の金属帯表面に、浮遊してきたボトムドロスが
付着してめっき品質を損なわせないように、連続溶融金
属めっき槽の底部に溜った所謂ボトムドロスが、操業中
にめっき浴中で浮上するのを防止する技術である。
【0002】
【従来の技術】金属帯に溶融金属めっきを施す方法とし
て、例えば鋼帯に連続溶融亜鉛めっきを施す場合には、
一般に、次のような方法で行われる(図9参照)。
【0003】まず、被めっき材の鋼帯1は、焼鈍炉(図
示せず)からスナウト2を介して連続溶融亜鉛めっき槽
3(以下、単にめっき槽という)に導かれ、めっき浴中
のシンクロール4により上向きに方向転換され、浴中の
サポートロール5で反りを矯正された後、めっき槽3か
ら出される。その間に、鋼帯1の表面にめっきが施され
るのである。そして、ワイピングノズル6によりめっき
付着量を所望の値に調整され、鋼帯1のパスラインを安
定させるための支持ロール7を経て、次の工程である合
金化炉8に導かれる(合金化は、行われない場合もあ
る)。
【0004】このめっき槽3内においては、鋼帯1から
Fe分が溶融亜鉛めっき浴(以下、単にめっき浴とい
う)中に溶出し、金属間化合物であるFeZn7 を主成
分とするドロスが生成し、該ドロスは、比重がめっき浴
より大きいため、めっき槽底部に堆積する。なお、この
ドロスは、ボトムドロス9と称されている。このように
堆積したボトムドロス9は、図9に示すように、めっき
槽3中でのシンクロール4の回転に伴なうめっき浴の流
れ(以下、流れAという)と、鋼帯1の進行に伴なうめ
っき浴の流れ(以下、流れBという)のめっき槽底に向
かう下降流とがめっき槽底に衝突して反転することによ
り巻き上げられる。巻き上がったドロスは、めっき金属
と共に鋼帯1の表面に付着して、めっきの欠陥となる。
また、めっき浴中のAlと次式の反応を生じ、 2FeZn7 +5Al→Fe2 Al5 +14Zn 金属間化合物のFe2 Al5 を主成分とする所謂トップ
ドロスになり、前記ボトムドロスと同様に、鋼帯1の表
面に付着して欠陥となったり、めっき浴中のロールに付
着して、ロールの交換頻度を高めたりする問題があっ
た。
【0005】さらに、近年は、めっき品質の厳格化と生
産性の向上が強く求められているが、生産性向上のため
鋼帯1の走行速度を高めるにともない、前記したFe分
の溶出量が増え、ボトムドロス9の発生量が増加した
り、あるいは鋼帯1やシンクロール4によるめっき浴の
流が強くなり、ボトムドロス9の巻き上がり量がますま
す増加してしまう等、前記問題点の解決がますます重要
になってきている。
【0006】従来、これらの問題を回避するには、以下
のような方法が知られていた。 (1)めっき浴に積極的にAlを投入し、前記反応式に
したがいボトムドロスをトップドロス化し、浮上したト
ップドロスを人手で汲み出す。また、ボトムドロスをポ
ンプで直接ぬきだしたり、スノコをめっき槽の底に沈め
て、ボトムドロスが巻き上がらないようにする。 (2)シンクロールとめっき槽底部の間に、シンクロー
ルの全胴長を覆い、めっき浴の流れを抑制する遮蔽板を
設け、該遮蔽板の下方にボトムドロスが堆積しうる空間
を残すというボトムドロスの巻き上がり防止方法及び装
置(特公平6−21331号公報あるいは実公平5−3
8045号に記載)。 (3)シンクロールとめっき槽底部の間に、不都合な流
動を抑制する多孔板を設け、多孔板の孔面積が多孔板面
積の5〜40%とした装置(特開平6−158253号
公報記載)。 (4)シンクロールの下方のめっき槽内領域に隆起部を
設け、ボトムドロスの巻き上がりを抑制する方法及び装
置(特開平3−68746号公報記載)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来技術には、次のような問題点があった。
【0008】(1)の方法では、当然のことながら、め
っき浴中のAl濃度が上昇し、適正なAl濃度に復旧す
るまでの間に多量の鋼帯にめっきを施してしまう。つま
り、自然に濃度が低下するのを待つしかなく、本来の目
標とする品質以外の低級品を多量に作り出してしまうと
いう問題があった。
【0009】(2)並びに(3)の方法や装置を用いて
も、シンクロール下部の幅方向全面にわたり遮蔽板又は
多孔板を一体に設けているので、シンクロール等の交換
時に、鋼帯をシンクロール等のめっき装置に通す作業が
非常に難しくなる。また、遮蔽板又は多孔板を、めっき
槽底部にシンクロールと切り離して設置することも可能
ではあるが、めっき槽内部が見えない状態で所定の位置
に確実に設置することは非常に困難である。さらに、遮
蔽板の上面に前記した流れAやBのめっき槽底に向かう
下降流が衝突して跳ね返り、上方向への流動が生じてめ
っき浴が撹乱され、浴中に浮遊しているドロスが鋼帯に
付着するようになる。つまり、ドロスの鋼帯への付着防
止効果が十分でなかった。
【0010】(4)の方法及び装置を用いても、予め隆
起部をめっき浴槽に設けてある場合はよいが、隆起部が
ない浴槽に適用しようとすると、上記(2)並びに
(3)と同様の問題が生じる。
【0011】本発明は、かかる事情に鑑み、ボトムドロ
スの巻き上がりを従来より確実に防止可能な溶融亜鉛め
っき槽のボトムドロス巻き上がり防止方法及び装置を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、まず、ボトムドロスの巻き上がり状況を観
察のための水モデル実験を行い、以下の知見を得た。
【0013】すなわち、図4(a)及び(b)に示すよ
うに、ボトムドロスの巻き上りを引き起こすめっき浴の
流れは、鋼帯の進行に伴なう流れBの下降流よりも、む
しろシンクロールの両端側で発生するロールの回転に伴
なう流れAのめっき槽底に向かう下降流が支配的である
という事実を発見した。従って、ボトムドロスの巻き上
がりを抑制するには、流れAが、直接底面に向かうのを
シンクロール両端の下方のみで遮蔽するように整流すれ
ば良いことになる。そこで、発明者は、この考えを、本
発明として具現化したのである。
【0014】すなわち、本発明は、金属帯の溶融金属め
っき設備において、めっき槽内に設けたシンクロールの
両端部から該ロールの中央部に向け、それぞれがロール
胴長の20〜40%に相当する長さの2枚の板状部材
を、該ロールの面から離隔して設けたことを特徴とする
連続溶融金属めっき槽のボトムドロス巻き上がり防止装
置である。
【0015】また、本発明は、前記板状部材の設置領域
を、下記条件で規定することを特徴とする連続溶融金属
めっき槽のボトムドロス巻き上がり防止装置である。
【0016】条件 シンクロールの回転中心(以下C点とする)から鉛直下
方に下した直線を基準線とし、該C点を中心に基準線と
なす金属帯入側方向の角度をθとした場合、θ=0〜4
5°の範囲では、シンクロール表面と該板状部材表面の
間隔を100mm以下とし、該板状部材の金属帯入側方
向先端位置が、θ=135°におけるシンクロールの接
線より、金属帯入側方向の領域に存在する。
【0017】さらに、本発明は、前記板状部材の一端
を、シンクロールの軸受を支持するアームに固定して取
り付けたことを特徴とする連続溶融金属めっき槽のボト
ムドロス巻き上がり防止装置である。
【0018】本発明によれば、ボトムドロスの巻き上が
りが確実に抑制され、金属帯に付着して欠陥となるのを
防止できると共に、シンクロールの下方の巻き付く金属
帯幅に相当する領域に、従来のような遮蔽板が存在しな
いので、シンクロール等を交換する際に、そこに金属帯
を通す作業を阻害しないようになる。また、該板状部材
をシンクロールの軸受けを支持するアームに取り付ける
ようにしたので、設置作業が容易になる。
【0019】なお、該アームに支持する板状部材がシン
クロールの全幅にわたる一体構造物であった場合には、
熱膨張による変形も懸念されるが、本発明のように、シ
ンクロールの両側に独立させ、一端をアームに固定して
設置される構造であれば、その熱変形も小さい。さら
に、比較的小さい構造物であると同時に、設置作業も簡
便に行えるので、設備コストも低く抑えられるといった
利点もある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
をなすに至った経緯もまじえ、「発明の実施の形態」及
び作用をさらに詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明に係る板状部材を備えた溶
融金属めっき槽の周辺を示す図であり、(a)は側面
図、(b)はそのA−A矢視図である。図1(a)に示
すように、金属帯1は、スナウト2を介してめっき槽3
に導かれ、浴中のシンクロール4により上向きに方向転
換され、サポートロール5により反りを矯正された後、
めっき槽3から引き上げられ、ワイピングノズル6によ
りめっき金属付着量を所望の値に調整される。該めっき
槽3の底部には、ボトムドロス9が堆積しており、通常
は、めっき浴に生じる流れにより巻き上げられ、金属帯
1やシンクロール4等へドロスが付着するという問題を
発生させる。しかし、本発明では、図1(b)に示すよ
うに、シンクロール4の両端下方に板状部材10を設置
し、ボトムドロス9の巻き上がりを抑制している。
【0022】ここで、本発明に係る板状部材10は、図
2に示すように、シンクロール4の回転中心(C点)を
中心に、C点から鉛直下方に下した基準線となす金属帯
入側方向の角度をθとすると、θ=0〜45°の範囲は
シンクロール4と板状部材10の間隔Xが100mm以
下、板状部材10の金属帯入側方向先端(E点)が、θ
=135°となるシンクロールの接線(接線Y)を境に
金属帯入側方向の領域にあり、かつシンクロール端部か
らセンター側にロール長Lの20%以上としてシンクロ
ール4の両端下部に設置されている。また、板状部材1
0は、図1に示すように、ロール端面での流れを防止す
るため、ロール端面からロール長Lの5%以上必要であ
り、シンクロール4の軸受11を支持するアーム12に
取り付けられた構造となっている。
【0023】以下に、本発明の板状部材10の設置範囲
を上記のように規定した根拠、及びその効果を発明者等
が行った水モデル実験結果(図3〜図8参照)に基づい
て具体的に説明する。
【0024】図3は、発明者が実施した水モデル実験の
装置であり、めっき槽3に相当する水槽14内に水を張
り、底部にめっき槽3内でのボトムドロス9の動きと流
動力学的相似則を満たすビーズ玉13を均一に堆積させ
た後、鋼帯1を走行させると共に、シンクロール4及び
浴中サポートロール5も回転させ、水浴で発生する流れ
により巻き上げられたビーズ玉13の流動状態の観察、
及び単位体積当りの浮遊ビーズ玉13の個数を数えた。
ビーズ玉個数の計数は、図3に示すように、シンクロー
ル4の近傍を浮遊するビーズ玉13を吸引パイプ15で
採取し、水を濾過した後に、ビーズ個数を数えることで
行った。
【0025】図4(a)に、板状部材10がない場合の
水浴内流れを観察した結果を示す。水浴内では、金属帯
1に伴なう流れ(流れB)、シンクロール4の回転に伴
なう流れ(流れA)が発生するが、ビーズ玉の巻き上が
りを発生させる流れは、主に流れAのうち、金属帯が巻
き付いていないシンクロール両端部から直接底部に向か
う流れであり、その底部に向かう流れは、θ=135°
となるシンクロール4の外周円上の点(D点)付近を起
点に、その接線(接線Y)より下方のものが殆どであっ
た。これは、シンクロールの両端では、流れAが金属帯
1によって遮断されずに発達すると共に、ビーズ玉13
が堆積する水槽3底部に近いので、巻き上がりに大きく
影響を及ぼすからである。また、流れBは、シンクロー
ル4により金属帯の進行方向が変わっても、金属帯1に
沿ったまま流れて底面に向かうような流れは発生せず、
この流れによるビーズ玉の巻き上がりは観察されなかっ
た。
【0026】上記した実験結果より、流れAが直接底面
に向かわないように整流する板状部材10をシンクロー
ル4の両端下方にのみ設置すれば、ボトムドロス9の巻
き上がりを効果的に抑制できると推定でき、板状部材1
0の効果が検証されたのである。
【0027】図5は、板状部材10の金属帯入側方向先
端位置(E点)が接線Yより金属帯出側の領域にある場
合の水浴内流れの観察結果を示すものであり、(a)は
側面図、(b)透過斜視図である。また、図6は、E点
が接線Yより金属帯入側の領域にある場合(本発明の板
状部材)の水浴内流れの観察結果を示すものであり、
(a)は側面図、(b)透過斜視図である。なお、ここ
での板状部材10の金属帯幅方向設置範囲、つまり長さ
は、図1に示したように、シンクロール端部からセンタ
ー側にロール胴長の20%の範囲で設置するものとし
た。これらの観察結果から、E点が接線Yを境に金属帯
出側の領域にあれば、流れAの一部がE点を通り越して
底面に向かい(図5(a)参照)、シンクロール4の両
端直下で巻上りを発生させるが(図5(b)参照)、E
点が接線Yより金属帯入側の領域にあれば流れAが直接
底面に向かうのを完全に遮蔽し(図6(a)参照)、シ
ンクロール4の両端直下での巻き上がりが無くなる(図
6(b)参照)。また、この場合、流れAは、板状部材
10により金属帯進行方向に向きを変え、水槽の垂直面
に沿って下降して底面に至るが、この際には十分に流速
が落ちているため、巻上がりの発生領域も大幅に減少し
た。
【0028】そこで、板状部材なし、板状部材の設置範
囲のE点が接線Yよりも金属帯出側、E点が接線Yより
も金属帯入側(本発明の板状部材)の場合について、ビ
ーズ玉個数の計数を行った。図7は、板状部材なしでの
個数を100%として整理した計数結果であり、板状部
材を設置してもE点が接線Yよりも金属帯出側にあるよ
うでは、板状部材なしに比べて巻き上がり量が約40%
に軽減する程度である。これに対し、本発明の板状部材
では、板状部材なしに比べて、約10%にまで軽減する
効果を確認した。この結果から、本発明の板状部材10
では、ボトムドロス9の巻き上りを確実に抑制できると
言える。なお、シンクロール4と板状部材10の間隔X
が開きすぎると、板状部材10上でのめっき浴の流速が
小さくなって、ボトムドロス9が板状部材10上に堆積
するようになり、金属帯1の速度が上昇したとき等に、
この部分から巻き上がりが発生して、金属帯1に付着す
る等の問題が懸念されるため、板状部材10が比較的水
平面に近くなるθ=0〜45°の範囲は、シンクロール
4と板状部材10の間隔Xを100mm以下とすること
が望ましい。なお、熱変形等で金属帯との接触トラブル
の生じることが懸念される場合には、下限を30mmと
するのが好ましい。
【0029】次に、巻き上がりの抑制に対する板状部材
10の金属帯幅方向の有効設置範囲(長さ)を水モデル
実験により調査した。ここでは、板状部材なし、及びシ
ンクロール端部からセンター側にロール胴長Lの10〜
50%(設置範囲50%は、シンクロール全胴長にわた
る長さであることを意味する)の範囲でシンクロール4
の両端下部に設置した場合について、巻き上げられたビ
ーズ玉13の個数を計数した。図8が実験結果であり、
板状部材の設置範囲が20%〜40%(本発明の板状部
材)であれば、設置範囲によらず板状部材なしに比べて
約10%に減少した。従って、板状部材10は、シンク
ロール4の両端下部にのみロール長の20%〜40%の
長さで設置すれば、ボトムドロス9の巻き上がりを確実
に抑制できる。また、シンクロール4の金属帯幅下部に
該板状部材10が存在しないため、シンクロールの交換
時、金属帯1をシンクロールに通す作業で、従来のよう
な困難が回避できる。40%を上限としたのは、それを
超えると、流れAとBのシンクロール前面金属帯出側方
向への流れが増大し、めっき槽の垂直面に沿って巻き上
げ量が多くなるからである。ただし、板状部材10の金
属帯幅方向設置範囲を大きく採りすぎると、2枚の板状
部材同士の間隔L2 が最小板幅以下となり、シンクロ
ール等のめっき装置に金属帯1を通す作業を困難にする
ため、注意が必要である。
【0030】なお、本発明では、板状部材の材質や形状
を限定するものではないが、ステンレス鋼、セラミック
ス等であることが好ましく、また、形状は、例えば円弧
形状でも、いくつかの平面で構成されるような形状でも
良い。
【0031】
【実施例】ロール径750mm、ロール長2000mm
のシンクロールの両端下方に、シンクロール端部からセ
ンター方向へ500mmの幅の本発明に係る板状部材を
設置し、金属帯として冷延鋼帯を採用し、溶融亜鉛めっ
きを施した。使用した冷延鋼帯は、幅が1200mmで
あり、めっき成績は、鋼帯100m当りに付着したドロ
スの個数を測定し、従来の板状部材なしでのデータと比
較して評価した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より、めっき速度が100m/min
でのドロス付着数は、従来の10%に軽減し、150m
/minで従来の100m/minの時と同程度となっ
たことがわかる。この結果は、本発明の適用でめっき速
度を従来よりアップできることを示唆するものである。
また、シンクロール等のめっき装置へのドロス付着も低
減し、めっき装置の交換周期が従来の約2倍に向上し
た。さらに、本発明の狙い通り、板状部材の設置作業が
基本的にめっき浴外から出ためっき装置に対して行える
ようになったので、精度よく簡便に行うことができると
共に、めっき装置に鋼帯を通す作業に要する時間が従来
と変わらずに簡便に行うことができた。なお、本発明の
板状部材自体が比較的小さな構造物であると同時に、設
置作業も簡便であるため、比較的安価な設備コストで本
発明を実施できる。
【0034】なお、上記実施例は、被めっき材の金属帯
を鋼帯、めっき金属を亜鉛としたが、本発明は、それら
に限らず、如何なる金属帯あるいはめっき金属にも適用
できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、ボト
ムドロスの巻き上がりを従来より確実に抑制でき、金属
帯へのドロス付着を従来の約10%に低減できると共
に、めっき速度のアップも達成できた。また、シンクロ
ール等のめっき装置へのドロス付着が低減し、それらの
交換周期が延長できた。さらに、板状部材の設置作業、
及びめっき装置に金属帯を通す作業等も従来より簡便に
行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板状部材を備えた溶融金属めっき
槽周辺を示す図であり、(a)は側面図、(b)は
(a)のA−A矢視図である。
【図2】本発明に係る板状部材の設置範囲を説明する図
である。
【図3】水モデル実験装置を示す図である。
【図4】水モデル実験で、板状部材がない場合の水浴内
流れを示す図であり、(a)は、側面図で、(b)は透
過斜視図である。
【図5】水モデル実験で板状部材を設置した場合の水浴
内流れを示す図であり、(a)は側面図で、(b)は透
過斜視図である。
【図6】水モデル実験で、板状部材を設置した場合の水
浴内流れを示す図であり、(a)は側面図で、(b)は
透過斜視図である。
【図7】水モデル実験で得た板状部材の金属帯進行方向
設置範囲(長さ)とビーズ玉の個数密度との関係を示す
図である。
【図8】別の水モデル実験で得た板状部材の金属帯幅方
向設置範囲(長さ)とビーズ玉の個数密度との関係を示
した図である。
【図9】一般的な連続溶融亜鉛めっき装置を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 金属帯(例えば、鋼帯) 2 スナウト 3 めっき槽 4 シンクロール 5 浴中サポートロール 6 ワイピングノズル 7 支持ロール 8 合金化炉 9 ボトムドロス 10 板状部材 11 シンクロール軸受 12 アーム 13 ビーズ玉 14 水槽 15 吸引パイプ A シンクロール4の回転に伴なう流れ B 金属帯1の進行に随伴する流れ C シンクロール4の回転中心 D θ=135°となるシンクロール4の外周円上の
点 E 板状部材10の金属帯入側方法先端位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西坂 智明 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 田中 俊吾 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 鍛治 光城 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平7−268578(JP,A) 特開 平6−330267(JP,A) 特開 平3−277754(JP,A) 特開 平9−41106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯の溶融金属めっき設備において、
    めっき槽内に設けたシンクロールの両端部から該ロール
    の中央部に向け、それぞれがロール胴長の20〜40%
    に相当する長さの2枚の板状部材を、該ロールの面から
    離隔して設けたことを特徴とする連続溶融金属めっき槽
    のボトムドロス巻き上がり防止装置。
  2. 【請求項2】 前記板状部材の設置領域を、下記条件で
    規定することを特徴とする請求項1記載の連続溶融金属
    めっき槽のボトムドロス巻き上がり防止装置。 条件 シンクロールの回転中心(以下C点とする)から鉛直下
    方に下した直線を基準線とし、該C点を中心に基準線と
    なす金属帯入側方向の角度をθとした場合、θ=0〜4
    5°の範囲では、シンクロール表面と該板状部材表面の
    間隔を100mm以下とし、該板状部材の金属帯入側方
    向先端位置が、θ=135°におけるシンクロールの接
    線より、金属帯入側方向の領域に存在する。
  3. 【請求項3】 前記板状部材の一端を、シンクロールの
    軸受を支持するアームに固定して取り付けたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の連続溶融金属めっき槽のボ
    トムドロス巻き上がり防止装置。
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