JP5824838B2 - 溶融金属めっき鋼帯製造装置 - Google Patents

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本発明は、溶融めっきプロセスにおいて、通常速度通板時においても、また高速通板時においても、溶融めっき浴上に発生するトップドロスの発生量を低減できる溶融金属めっき鋼帯製造装置に関するものである。
連続溶融めっきプロセス等においては、溶融金属めっき鋼帯は、図6に示すように、一般に溶融金属が満たされているめっき浴9に鋼帯5を浸漬させシンクロール8で方向転換した後、該鋼帯5を鉛直上方に引き上げる工程の後に、鋼帯表面に付着した溶融金属が板幅方向および板長手方向に均一に所定のめっき厚になるように、この鋼帯5を挟んで対向して設けた鋼帯幅方向に延在するワイピングノズル1から加圧気体を鋼帯上に噴出させて、余剰な溶融金属を絞り取り、溶融金属の付着量(めっき付着量)を制御することで製造される。
ガスワイピング部での鋼帯走行位置を安定化させるために、通常、シンクロール8上方の浴面下のめっき浴中に、サポートロール7が配置され、また合金化処理等を行う場合は必要に応じてワイピングノズル1上方にサポートロール6が設置される。
ワイピングノズル1は、多様な鋼帯幅に対応すると同時に鋼帯引き上げ時の幅方向のズレなどに対応するため、通常、鋼帯幅より長く、すなわち鋼帯5の幅端部より外側まで延びている。このようなガスワイピング装置では、衝突した噴流の乱れによって鋼帯下方に落下する溶融金属が周囲に飛び散る、いわゆるエッジスプラッシュが発生する。また同時に、図7に示すように、噴射されたガスが鋼帯に沿って流下してめっき浴面を激しく揺らしていわゆる浴面スプラッシュが発生する。エッジスプラッシュと浴面スプラッシュがトップドロスとなることで鋼帯の表面品質の低下を招くとともに、トップドロスを作業者が除去する必要がある等のデメリットが生じる。
また、連続プロセスにおいて、生産量を増加させるには、鋼帯通板速度を増加させればよいが、連続溶融めっきプロセスにおいてガスワイピング方式でめっき付着量を制御する場合、溶融金属の粘性により、鋼帯通板速度の増加に伴って鋼帯のめっき浴通過直後の初期付着量(持ち上げ量)が増加するため、めっき付着量を一定範囲内に制御するには、ワイピングガス圧力をより高圧に設定せざるを得ず、それによってトップドロスが大幅に増加し、トップドロス除去作業の頻度が増加する問題がある。
上記の問題を解決するため、トップドロスを排出する装置が以下の通り開示されている。
特許文献1には、溶融金属めっき浴中に浸漬されたシンクロールを介して鉛直に立ち上がる鋼帯を浴面近傍で包囲する外側壁の下端部を内側に折り返して底面壁と内側壁とを形成した浸漬トラフを、該浸漬トラフの外側壁が浴面上から浴面下に亘ると共に、底面壁と内側壁とが浴面上から浴面下に浸漬されるように配置し、この浸漬トラフの底部にトップドロスと共に溶融めっき金属を吸引して浸漬トラフ外へ排出する装置が開示されている。
特許文献2には、めっき浴中のサポートロールとガスワイピングノズルとの間に、鋼帯の両面に非接触で対向する溶融金属絞り部材を設けて余剰めっきを取り除いた後に、ガスワイピングでめっき厚を調整するとともに、該溶融金属絞り部材の形状は、矩形あるいは下端ほど鋼帯表裏面との距離が広くなる導入部を有する形状あるいは円柱体が望ましく、また該溶融金属絞り部材の設置位置は、めっき浴面の上下にまたがる位置が最も望ましいとする溶融金属めっき装置が開示されている。
特開平6−17214号公報 特開2004−76082号公報
ところが、特許文献1に開示された装置では、高温液体金属を大型ポンプで移動させるため、間欠的に使用すると配管詰まり等のトラブルが発生し、連続使用すると発生トップドロスに対する溶融金属排出量のコントロールが難しく、メンテナンス・コスト面での問題があって安定使用が困難であることがわかった。
特許文献2に開示された装置では、絞り部材が浴上にある場合は、絞り部材にめっき金属が固着し、固体化した金属が鋼帯に付着して表面欠陥が発生するなどの問題があった。また、絞り部材が浴中にある場合は、トップドロス低減には何ら効果がないことがわかった。
本発明は、上記問題点を考慮し、通常速度通板時においても、また高速通板時においても、トップドロスの発生量を低減できる溶融金属めっき鋼帯製造装置を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた。そして、めっき浴面上のガス流速を低減するとともに、一旦発生したトップドロスを、浴内に浸漬あるいは加熱することで、トップドロスから気泡を分離し、めっき浴外に排出されるトップドロス量を低減することができることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明の手段は下記のとおりである。
(1)溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ワイピングノズルから気体を吹き付け、鋼帯表面のめっき付着量の制御を行う溶融金属めっき鋼帯製造装置において、鋼帯の両側に、少なくとも一部がめっき浴中に没している回転部材を鋼帯幅方向に延在させて鋼帯と間隔をあけて設け、該回転部材は浴面下の浴面近傍の鋼帯幅方向に平行な軸を回転軸として回転可能で、該回転部材を回転したときに該回転部材の一部がめっき浴面より上に突出するようにしたことを特徴とする溶融金属めっき鋼帯製造装置。
(2)前記回転部材は、その表面温度をめっき金属の融点以上の温度に加熱する加熱手段を備えることを特徴とする(1)に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
(3)鋼帯表裏の両側に、前記回転部材を各々複数配置することを特徴とする(1)又は(2)に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
(4)前記回転部材は、回転方向の位置を任意の角度に設定可能であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
(5)前記回転部材は、回転方向の位置を所定角度に設定すると該回転部材全体を浴中に没するようになることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
本発明装置を用いると、通常通板速度においても、また通板速度上昇時においても、トップドロスから気泡を分離してトップドロスの体積を低減できることから、めっき浴からくみ出すトップドロスの発生量を大幅に低減することが可能となる。
本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置の一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置を用いてめっき付着量を制御する際の回転部材の配置状態及びワイピングガス流れを説明する模式図である。 本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置に設置される回転部材の作用を説明する断面模式図である。 本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置に設置する回転部材の別の実施形態を示す図である。 本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置において、鋼帯の両側に回転部材を複数配置の実施形態を示す図である。 一般的な溶融金属めっき鋼帯製造装置を示す図である。 トップドロスの生成過程を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置の一実施形態を図1及び図2に示す。図1は溶融金属めっき鋼帯製造装置の概略斜視図である。図2は本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置を用いてめっき付着量を制御する際の回転部材の配置状態及びワイピングガス流れを説明する模式図である。図1及び図2において、1はワイピングノズル、2は回転部材、3は回転部材2を回転する回転軸、5は鋼帯である。
回転部材2は、鋼帯5を挟んでその両側に配置された各々のワイピングノズル1の下方に、鋼帯面から所定距離離れた位置に設置されている。回転部材2は、鋼帯幅方向に延在した板状材で構成され、その幅はワイピングノズル1の長さと同等である。なお、以下の説明において、回転部材の幅は鋼帯幅方向寸法、長さ、厚さは、図2の鋼帯5の右側に配置された回転部材2における鉛直方向寸法、水平方向寸法を指している。
各回転部材2は、鋼帯幅方向の一方の端部に接続された回転軸3により片端保持されている。回転軸3を回転すると回転部材2が回転する構造となっている(回転軸3の駆動モータは図示されていない)。回転軸3の回転、停止操作によって、回転部材2は正逆回転が自在で、回転方向の停止位置の設定も自在である。なお、回転方向の位置は、例えば回転部材が板状の場合、回転部材の板面が鉛直面となす角度で表すことができる。
回転軸3は回転部材2の長さ方向の中央に接続されている。回転軸3は、その軸心が鋼帯幅方向と平行になるように配置され、該軸心の位置は浴面下の浴面近傍になるように配置されている。従って、回転部材2は少なくとも一部がめっき浴中に没している。
各回転部材2は、回転しても鋼帯5と接触しないように、鋼帯5から所定距離離れた位置に配置されている。回転部材2を略水平にすると、回転部材2全体が浴面に没するようになり、回転軸を回転させて回転部材2を鉛直に近づけると、回転部材2の上部はめっき液面より上に突出するように配置されている。
鋼帯5を挟んで両側に配置されたワイピングノズル1から鋼帯5にガスを吹き付けて鋼帯表裏のめっき付着量を制御したときに、掻き落とされた余剰な溶融金属は鋼板上を浴面に向かって流れおち、浴面に達するとワイピングガス流に乗って、鋼帯から離れる方向に流れ、その間に酸化されて冷却されることでトップドロスを形成する。一方、両側のワイピングノズル1からの噴流の衝突で発生した乱れによって発生したエッジスプラッシュは浴面に落下し、前記余剰溶融金属とともに鋼帯5から離れる方向に流れ、同様にトップドロスを形成する。
本発明者らの調査から、次の事項がわかった。ガスワイピングガスで掻き落とされた余剰な溶融金属から形成されるトップドロスは気泡を多く含み、嵩密度が低下するため、排出するトップドロスの体積が増加する。また、浴面に達するワイピングガス流れによって、めっき浴面上に溜まったトップドロスの表面温度がめっき金属の融点近くまで低下し、その状態で気泡および酸化皮膜と溶融金属とが混合するため、トップドロスの粘度低下が起こり、気泡および溶融金属が分離されにくくなる。
ワイピングガスは、浴面に沿って鋼帯から離れる方向(反鋼帯側)に流れ、この流れによって、めっき浴面上のトップドロスは鋼帯5から離れる方向に流れる。図2の鋼帯右側の回転部材2のように、回転部材2の板面が略鉛直になるように回転部材の回転方向の位置を設定すると、回転部材2の上部がめっき浴面より上に突出し、回転部材2がワイピングガス流れに対して堰として作用する。そのため、浴面上のトップドロスは、図3(a)に示すように、回転部材2近傍により多くのトップドロスが溜まるようになって堰き止められる。堰き止められている間に、浴中からの熱によって、堰き止められたトップドロスから気泡及び溶融金属が一部分離される。また回転部材2より反鋼帯側では、ワイピングガスの浴面に沿ったガス流れがなくなるため、浴面振動が減少して気泡・溶融金属の巻き込みが減少し、トップドロス生成が抑制される。
回転部材2によって堰き止められたトップドロスからの気泡、溶融金属の分離効果をさらに高めるには、回転部材2を加熱する加熱手段を備えることが好ましい。加熱手段は、回転部材2の表面温度を、当該めっき金属の融点以上の温度まで加熱できることが好ましく、めっき金属融点より200℃以上まで加熱できることがさらに好ましい。これによりトップドロスからの気泡、溶融金属の分離がさらに促進される。本実施形態の装置では、回転部材2は、電熱線を内蔵する(電熱線は図示されていない。)。なお、加熱手段は、電熱線加熱に限定されず、誘導加熱、高温ガス供給によるチューブヒーター式など、どんな方式でも構わない。
回転部材2によって堰き止められたトップドロスの量が増加してきたら、適宜時期に一旦加熱手段による加熱を停止し、トップドロスの温度を下げてトップドロス塊Dにして回転部材2に付着させる(図3(a)参照)。その後、回転部材を180°回転させ、浴面位置で回転部材2に付着しているトップドロス塊Dは、浴中に没した状態にする(図3(b)参照)。浴面下に没したトップドロス塊Dから気泡及び溶融金属の分離が促進され、酸化されためっき金属だけが、回転部材2近傍に浮上する。
前記操作により、浴面下にあった回転部材2の下部は浴面より上に突出し、発生したトップドロスを堰き止める。堰き止められたトップドロスの量が増加してきたら前記の操作を行う。
以上の工程を複数回行うとめっき浴面上に、気泡及び溶融金属が分離されたトップドロスが浮上、堆積してくる。トップドロスの堆積量が増えたら、図2の鋼帯左側の回転部材2のように、回転部材2全体が浴中に没するように回転部材2の回転方向の位置を設定する。回転部材2全体が浴中に没するようにしたことで、浴面上のトップドロスは反鋼帯側に流れる。反鋼帯側に流れたトップドロスをロボットあるいはオペレーターによってめっき浴外に排出する。
前記の実施形態では、回転部材2の上部をめっき浴面より上に突出させるのに、回転部材2の回転方向の位置を回転部材2の板面が略鉛直になる位置、すなわち板面が鉛直面となす角度が略0°になる位置に設定し、また、回転部材2の表面に付着させたトップドロス塊を浴中に没した状態にするのに、前記の状態にある回転部材を180°回転した位置、すなわち回転部材2の回転方向の位置を板面が鉛直面となす角度が略180°になる位置に設定したが、上記の作用が損なわれないなら、回転部材2の回転方向の位置は、前記角度に限定されず、適宜の角度に設定してもよい。
回転部材2は、鋼帯あるいは他の浴機器と干渉しない寸法でなくてはならない。回転部材2は、鋼帯の片面側に各々2基以上並べてもよい(図5参照)。鋼帯と鋼帯に最も近い回転部材2の回転軸との距離は、200mm未満になると堆積したトップドロスが鋼板に付着しやすくなり、2000mmを超えるとトップドロス抑制効果が小さくなるので、200mm以上2000mm以下であることが好ましい。
回転部材2の長さおよび回転軸の浴面からの距離は、鋼帯および周辺浴機器との干渉を考慮して設計しなければならない。接触によるトラブル回避のため、鋼帯および浴中ロールとの最近接距離は50mm以上が好ましい。また、ワイピングガスがこもることによるスプラッシュ欠陥発生を回避するため、回転部材2のワイピングノズルとの最近接距離は200mm以上とした上で、回転部材2の浴面からの突出高さは、低すぎるとトップドロス捕集効果が低下し、高すぎると浴上の気流および浴中の溶融金属流れを乱してスプラッシュ・ドロス欠陥の原因となるため、50mm以上300mm以下であることが好ましい。
回転部材2の回転軸の浴面からの距離は、小さすぎると回転部材全体が浴中に沈まなくなり、大きすぎると回転部材を突出させるために部材長さが大きくなってしまうので、20mm以上200mm以下が好ましい。
回転部材2には、図4に示すように、回転部材2の板面を略鉛直にしたときに、鋼帯に対向する側の板面の浴面に没する位置に、板面と略直角になるように板状の突起部材4を設けることが好ましい。トップドロスをトップドロス塊Dにして回転部材2に付着させた後、該回転部材を180°回転させ回転部材2に付着しているトップドロスDを浴中に没する状態にするが、回転部材2に板状の突起部材4を設けることで、トップドロス塊を形成する効果をより高め、またトップドロス塊を浴中に没したときにトップドロスを浴中により長時間滞留させることができるようになり、トップドロスからの気泡及び溶融金属の分離をより効果的に行うことができるようになる。突起部材4を設けても、回転部材を所定角度にすると回転部材全体が浴中に没した状態になるようにすることが好ましい。突起部材4を加熱する加熱手段を備えることが好ましい。
本発明では、トップドロスの発生をゼロにはできないが、特許文献1や2のように浴面から浴中にトップドロスを回収するための構造物を設置する必要がない利点があり、少量発生したトップドロスは従来通りに手動で回収することが可能である。
以下の溶融亜鉛めっき鋼帯の製造試験を行った。溶融亜鉛めっき鋼帯の製造条件は、ワイピングノズルのスリットギャップ0.9mm、ワイピングノズル−鋼帯距離8mm、溶融亜鉛浴からのワイピングノズル高さ450mm、溶融亜鉛浴温度460℃とし、製造する鋼帯サイズは、厚さ0.8〜1.2mm×幅900〜1400mm、めっき付着量は片面50g/mとした。(ただし、平均通板速度と鋼帯幅の時間平均値は各条件で一致するようにした。)
回転部材は、厚さ40mm×長さ300mm×幅2000mmで、内部に電熱線を設けて回転部材表面温度が最大700℃まで加熱できるようにした。また、回転角度は、回転軸が接続したサーボモータで任意に設定可能とした。回転部材の軸心と鋼帯の間隔は500mm、回転部材の長さ方向中央に回転軸の中心が位置するように回転軸を取り付け、回転軸の中心と浴面との間隔が50mm(浴面上の最大突出高さ100mm)となるようにした。そして、回転部材の上部を浴面より上に突出させてトップドロスから気泡等を分離、回転部材にトップドロス塊を付着させる工程、トップドロス塊を付着させた回転部材を180°回転して浴中でトップドロスから気泡等を分離する工程を1回又は複数回行った後、回転部材を浴中に完全に沈め、浴面上のトップドロスを反鋼帯側に移動させ、反鋼帯側に移動したトップドロスを回収した。回転部材は、表面温度が700℃になるように加熱した。その他の製造条件および製品品質の指標となるトップドロス発生量の調査結果を表1に示す。トップドロス発生量は、トップドロスを1辺50cmの回収箱に回収し、その回収箱数をポット通過鋼帯表面積100km当たりの数字で示した数値である。
通板速度2.2m/sの条件では、本発明装置を使用しない通常操業の比較例1はトップドロス発生量(亜鉛浴通過鋼帯表面積100km当たり)が2.7箱、先行文献2の比較例2では2.2箱であったのに対し、本発明例1は1.4箱でそれぞれ48%、36%減少した。
通板速度を3.0m/sに上昇した条件では、本発明装置を使用しない通常操業の比較例3は、比較例1と比べて、通板速度は1.36倍であるのに対して、トップドロス発生量は5.2箱で1.93倍に増加した。この発生量では、トップドロスを汲み出すために工場オペレーターが常時2名で作業しなければならず、表面欠陥の増加だけでなく、オペレーター人数の増加によるコストアップの問題がある。先行文献2の比較例4もトップドロス発生量は4.8箱で比較例3とほぼ変わらない状況であった。一方、本発明例2はトップドロス発生量が2.3箱となり、比較例3より56%減少し、比較例1と比べても15%減と良好な操業性を確認できた。
本発明装置を用いると、通常通板速度においても、また通板速度上昇時においても、トップドロスから気泡を分離してトップドロスの体積を低減できることから、めっき浴からくみ出すトップドロスの発生量を大幅に低減することが可能となる。
1 ワイピングノズル
2 回転部材
3 回転軸
4 突起部材
5 鋼帯
6 サポートロール
7 サポートロール
8 シンクロール
9 めっき浴
D トップドロス塊

Claims (5)

  1. 溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ワイピングノズルから気体を吹き付け、鋼帯表面のめっき付着量の制御を行う溶融金属めっき鋼帯製造装置において、
    鋼帯の両側に、少なくとも一部がめっき浴中に没している、板状の回転部材を鋼帯幅方向に延在させて鋼帯と間隔をあけて設け、
    該回転部材は、浴面下の浴面近傍において、鋼帯幅方向に平行な軸を回転軸として回転可能で、
    該回転部材を回転したときに該回転部材の一部がめっき浴面より上に突出するようにしたことを特徴とする溶融金属めっき鋼帯製造装置。
  2. 前記回転部材は、その表面温度をめっき金属の融点以上の温度に加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
  3. 鋼帯表裏の両側に、前記回転部材を各々複数配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
  4. 前記回転部材は、回転方向の位置を任意の角度に設定可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
  5. 前記回転部材は、回転方向の位置を所定角度に設定すると該回転部材全体を浴中に没するようになることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
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JP5831072B2 (ja) 溶融金属めっき鋼帯の製造方法

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