JP5848856B2 - コーティング織物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、下記特許文献2には、コーティング樹脂を布帛中にある程度浸透させる塗布方法により、被膜接着性を改良する技術が開示されている。しかし、経日後の高圧通気度を抑制することや、縫製部のガス漏れ抑制に関しては解決されていなかった。
すなわち、本発明は下記の発明を提供する。
(2)織物構成糸の昇温DSC吸熱曲線の溶融吸熱極大温度に対して高温度側の吸熱量の全体の吸熱量に対する前記比率が50%を超える、上記(1)に記載の織物。
(3)織物に配された樹脂量が10から50g/m2である、上記(1)又は(2)に記載の織物。
(4)油付率が0.005から0.20重量%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の織物。
(5)織物を構成する経糸と緯糸の扁平度(平面方向の単糸の広がり/厚み方向の単糸の広がり)の差が1.8以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の織物。
(6)95%RH及び85℃の環境下に100時間暴露後のスクラブ揉み試験による剥離耐性が200回以上である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の織物。
(7)95%RH及び85℃の環境下に100時間暴露後のステッチ通気度増分が1,000mm3/mm/sec以下である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の織物。
(8)合成繊維がポリアミド66繊維である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の織物。
(9)製織に用いる合成繊維のエア交絡が5〜30回/mである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の織物。
(10)無撚無糊の合成繊維をウォータージェット織機で製織し、引き続き70℃以下の精練を含む工程を経て製造された、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の織物。
(11)粘度が2万cPを超え50万cP未満の無溶媒のシリコーン樹脂含有塗工液によって樹脂被膜が配された、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の織物。
(12)塗工液が分子量500以下の低分子量アルコキシシランを1〜10重量%含有している、上記(11)に記載の織物。
(13)シリコーン樹脂が1万cP以下の低粘性シリコーンを45重量%以下含有している、上記(11)又は(12)に記載の織物。
(14)樹脂の架橋で1.5%以上熱収縮させた、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の織物。
(15)上記(1)〜(14)のいずれかに記載の織物を用いたエアバッグ。
本発明の織物は合成繊維からなり、織物を構成する合成繊維は、熱可塑性樹脂からなる繊維であって、例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などから選ぶことができる。
織物を構成するポリアミド繊維としては、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・10、ポリアミド6・12、ポリアミド4・6、それらの共重合体およびそれらの混合物の樹脂からなる繊維が挙げられる。特にポリアミド6・6繊維としては、主としてポリヘキサメチレンアジパミド樹脂からなる繊維であることが好ましい。ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂とは100%のヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とから構成される融点が250℃以上のポリアミド樹脂を指すが、本発明で用いられるポリアミド6・6樹脂からなる繊維は、樹脂の融点が250℃未満とならない範囲で、ポリヘキサメチレンアジパミドにポリアミド6、ポリアミド6・I、ポリアミド6・10、ポリアミド6・Tなどを共重合、あるいはブレンドした樹脂からなる繊維でもよい。
合成繊維からなる織糸は、好ましくは糊付けすること無しに整経工程に送られ、荒巻を経たのち、経糸用として整経ビームに捲返される。また、一部は緯糸として供給され、製織が実施される。
高温側吸熱量の比率が高い構造であれば、織物に配される樹脂による浸透固定構造が強固であり、応力負荷がかかったのちの通気性が抑制されている。さらには、縫製時の針穴において、織物に配される樹脂による繊維固定による単糸切れ抑制とともに、織糸拘束による引き締まりによって、通気性抑制に寄与する。
織物の織組織は、基本的に経緯とも同一繊維で単一繊維による平織物が好ましい。また、高密度の平織物を得るために、経緯とも2本の斜子織の手法で織って平織物を得ても良い。
CF=経糸密度(本/2.54cm)×√経糸繊度(dtex)+
緯糸密度(本/2.54cm)×√緯糸繊度(dtex)
カバーファクタは、織物平面方向における繊維の充填度合いであり、1900以上であれば、エアバッグに要求される機械強度を満たしてゆくことができる。カバーファクタが2600以下であれば、製織工程での困難が回避できる。
製織後の精練工程では、製織工程で形成された織糸が十分に噛み合った屈曲形態が、温水中の合成繊維の収縮作用で解消される。一方で、織物加工の最終工程である加硫工程において合成繊維の収縮を十分発現させるためには、製織後の精練工程では合成繊維の収縮を最小限にとどめておきたい。したがって、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下、一層好ましくは50℃以下の温度で、拡幅状態のままで、揉みなどの機械的変形の刺激を与えない精練方法を用いることが好ましい。
乾燥工程でも製織後に精練工程で織糸同士の相互拘束が緩和された状態を、織物に樹脂を配するコーティング工程まで維持することが必要である。好ましくは120℃以下、さらに好ましくは80℃以下で乾燥処理する。
コーティング工程の後の加硫工程で、合成繊維からなる織糸に充分熱収縮力を発生させることで織糸拘束による高温融解構造が得られる。加硫工程での収縮量は、経緯方向の収縮率の合算で1.5%以上であることが好ましい。より好ましくは2%以上である。できるだけ加硫工程で大きく収縮発現させることで織糸同士の相互拘束が形成される。織糸同士の相互拘束によって、縫製時に針穴の貫通の影響が抑制され、樹脂浸透とあいまって針穴での通気性が抑制される。収縮を抑えた精練工程を経れば、加硫工程の収縮率を上げることができる。織糸原糸として使用する合成繊維の収縮の性質によって、加硫工程の収縮率は4%以下となる。
通気度は、125Pa差圧でのFRAZIER法により、0.3cc/cm2/sec以下で、できる限り通気が検出されないことが好ましい。
また、本発明の織物は、95%RHで85℃に100時間暴露後のステッチ通気度増分が1,000mm3/mm/sec以下であることが好ましい。より好ましくは、800mm3/mm/sec以下である。湿熱経時後のステッチ通気度増分が少ないことで、エアバッグの耐環境性が向上し、展開作動の信頼性が高まる。増分は無いほうが好ましい。
本発明の織物は、縫製してエアバッグに用いるのに適している。
本発明の織物からなる縫製エアバッグを組み込んで、エアバッグモジュール、エアバッグ装置として用いることができる。
(1)織糸の交絡数:交絡数は、水浸法で求められた値である。交絡数測定用の水浴バスは、標線間長さ1.0m、幅10cm、高さ(水深)5cmの大きさであり、水浴の標線外部分に供給口から供給された水はオーバーフローして排水される。すなわち、常に新しい水を約500cc/分の流量で供給することによって測定バス内の水を更新させる。これは、糸条を浸漬すると糸条に付着している油分が水面に拡がり、次に新しい糸条を浸漬したときにその糸条が開繊しにくくなることを防止する上で有用である。したがって、常に新しい水を供することにより測定バス内に拡がった油分膜の除去を行うことができる。さらに水浸した糸条の交絡数を計測するに当り、バス内部は黒色であることが好ましい。測定バス内に糸条を弛緩状態で浸漬させ、交絡状態を観察し、長さ1m当りの交絡数を目視により読み取る。これらの測定を10回繰り返し、その平均値を評価する。
(3)塗布量:樹脂塗布工程における単位面積当たりの織物重量の増分を塗布量としている。一方で、以下のように織物の分析から塗布量を知ることができる。織物から正確に10cm角の試験片を採取し、およそ5mm角以下に刻み、シクロヘキサンを用い、25℃で5分間洗浄を2回繰り返し、風乾後に熱風乾燥機にて105℃で12時間乾燥する。溶媒で合成繊維を溶解する。織物を構成する繊維がポリアミド繊維であれば、90%蟻酸250mlを用いて常温の一夜で繊維を溶解し、溶解しない架橋シリコーン膜を濾別する。濾別したシリコーン膜を溶媒で良く洗い、水洗いした後、105℃で熱風乾燥し、絶乾質量w(g)を測定し、塗布量(g/m2)を算出する。
(5)扁平度差:織物の織糸中心を切断し、断面から経緯それぞれにつき織糸の単糸束の集束外形を観察した。織物厚み方向の単糸の広がりに対して、織物平面方向の単糸の広がりの比率(平面方向/厚み方向)を扁平度とした。次いで、経緯糸における扁平度の差の絶対値を扁平度差とした。
(8)スクラブ回数:ISO5981で規定されるスクラブもみ試験を実施。もみ回数50回ごとに樹脂被覆面の剥離の有無を観察し、剥離の無かった最大もみ回数をスクラブ回数とした。
(9)湿熱経時後スクラブ回数:織物試料を95%RHで85℃の恒温恒湿槽中に100時間置き、標準状態に戻したのちに上記(8)に記載のスクラブ回数を評価した。
1)ステッチ処理:織物試料を樹脂被膜面を下側にして縫い糸を付けずにミシン掛けした。すなわち、針は織物から樹脂被膜面側に向けて刺している。ミシン針が#21番手、運針50回/10cmの10cm長のステッチで織物の織糸方向に沿って1cm間隔で平行に4ライン設けた。
2)ステッチ通気度:TEXTEST社製FX3350の動的通気度測定器を用いた。織物試料の樹脂被覆面を充填タンクの反対側にし、織物試料を挟む通気開口(81mmφ)に、ステッチラインが全て掛かるように挟んだ。すなわち、織物から樹脂被覆面側に向けての加圧通気の計測とした。充填圧100kPa、充填容量404ccの充填タンクを用い、通気度−圧力曲線から50kPa時の動的通気度(mm/sec)を測定した。通気度計測後に、開口部内径に入っているステッチ長を測って合計し、およそ300mmほどになる通気長(mm)を求めた。測定器の動的通気度(mm/sec)の値は、開口面積(5,026mm2)当たりで表示されるため、これを通気長(mm)当たりに換算して、ステッチ通気度(mm3/mm/sec)を求めた。
充填タンクで蓄圧された圧力空気が放出されずに計測が行なわれない場合は、実質的に通気がないものとして、通気度は0mm/secと判定した。
ポリヘキサメチレンアジパミド繊維で、強度8.5cN/dtexの繊維を織糸として用いた。繊維には銅元素が50ppm含有され、沃素が1500ppm含有されていた。この繊維は、繊度が470dtex、単糸が136本の丸断面糸、沸水収縮率が7.5%であり、水浸法の交絡数は15個/mであった。この繊維を経糸用に無撚無糊で引き揃え、整経ビームとし、緯糸用には無撚無糊で巻取りパッケージからそのまま織機に供給した。ウォータージェット織機にて織機上での経糸張力を0.25cN/dtexに設定し、400回転/分で平織物を得た。
製織後の精練を60℃とし、加硫温度を200℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。DSC分析の高温側吸熱量比率は高く、もみ試験も、湿熱経時後のもみ試験も良好である。さらに、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も抑制されていた。
製織後の精練を70℃とし、加硫温度を190℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。DSC分析の高温側吸熱量比率は高く、もみ試験も、湿熱経時後のもみ試験も良好である。さらに、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も抑制されていた。
製織後の精練を70℃とし、加硫温度を150℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。DSC分析の高温側吸熱量比率は高く、もみ試験も、湿熱経時後のもみ試験も良好である。さらに、ステッチ通気度と、湿熱経時後ステッチ通気度はやや増えるが、よく抑制されていた。
ポリヘキサメチレンアジパミド繊維の水浸法の交絡数を25個/mのものとした以外は実施例4と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。樹脂の浸透が少々抑制され、DSC分析の高温側吸熱量比率がやや下がるが、もみ試験も、湿熱経時後のもみ試験も良好である。さらに、ステッチ通気度と、湿熱経時後ステッチ通気度はやや増えるが、よく抑制されていた。
粘度6万cPの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂を主成分とする付加反応架橋シリコーン液にテトラエトキシシラン(TES)を8重量%添加した塗工液を、フローティングナイフコーターを用い、コーティングを行い、塗布量を35g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。織物の重量が増加し、厚みは厚くなったが、もみ試験も、湿熱経時後のもみ試験も良好である。さらに、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も抑制されていた。
ポリエチレンテレフタレート繊維で、繊度が550dtex、単糸数が144本、強度が7cN/dtex、沸水収縮率が2.2%、交絡数が15個/mの繊維を織糸として用いた。ウォータージェット織機にて平織りし、その後、加硫温度を220℃とした以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。DSC分析の高温側吸熱量比率は高く、もみ試験も、湿熱経時後のもみ試験も良好である。さらに、ステッチ通気度と、湿熱経時後ステッチ通気度はやや増えるが、よく抑制されていた。
製織後の精練を90℃とし、精練後の乾燥に替えて190℃の熱セットを施し、加硫温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。精練時にポリアミド繊維の収縮が多く加硫工程での収縮が少ないため、織糸拘束の発達が期待できず、DSC分析の高温側吸熱量比率は低い。精練による織物構造緩和で樹脂の織物繊維への浸透があって、もみ試験は良好であるが、織物繊維同士の樹脂浸透後のひきしまり拘束が少なく、湿熱経時後のもみ試験評価は低下する。繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
製織後の精練を80℃とし、精練後の乾燥に替えて190℃の熱セットを施し、加硫温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。精練時にポリアミド繊維の収縮が多く加硫工程での収縮が少ないため、織糸拘束の発達が期待できず、DSC分析の高温側吸熱量比率は低い。精練による織物構造緩和で樹脂の織物繊維への浸透があり、もみ試験は良好であるが、織物繊維同士の樹脂浸透後のひきしまり拘束が少なく、湿熱経時後のもみ試験評価は低下する。繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
製織後の精練を90℃とし、加硫温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。精練時にポリアミド繊維の収縮が多く、加硫工程での収縮が少ないため、織糸拘束の発達が期待できず、DSC分析の高温側吸熱量比率は低い。精練による織物構造緩和で樹脂の織物繊維への浸透があり、もみ試験は良好であるが、織物繊維同士の樹脂浸透後のひきしまり拘束が少なく、湿熱経時後のもみ試験評価が低下する。繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
製織後の精練を80℃とし、加硫温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。精練時にポリアミド繊維の織糸拘束の緩和が無く、コーティング樹脂の内部浸透が妨げられている。加硫工程での収縮が少ないため、織糸拘束の発達が期待できず、DSC分析の高温側吸熱量比率は低い。精練による織物構造緩和で樹脂の織物繊維への浸透があり、もみ試験は良好であるが、織物繊維同士の樹脂浸透後のひきしまり拘束が少なく、湿熱経時後のもみ試験評価が低下する。繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
実施例1に対して製織後の精練を80℃とし、精練後の乾燥に替えて190℃の熱セットを施し、加硫温度を190℃と変更した。さらに、コーティングで粘度1.2万cPの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂を主成分とする付加反応架橋シリコーン塗工液を、フローティングナイフコーターを用い、コーティングを行い、塗布量を23g/m2とした。評価結果を表1に示す。
実施例1に対して、製織後の精練を実施せず、190℃の熱セットを施した。さらに、コーティングで粘度1.5万cPの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂を主成分とする付加反応架橋シリコーン液の塗工液を、フローティングナイフコーターを用い、コーティングを行い、塗布量を18g/m2とした。評価結果を表1に示す。
無精練でポリアミド繊維の織糸拘束の緩和が無く、コーティング樹脂の内部浸透が抑制されている。加硫工程での収縮が少ないため、織糸拘束の発達が期待できず、DSC分析の高温側吸熱量比率は著しく低い。残留油分の影響もあり、もみ試験評価はやや低い。さらに、織物繊維同士の樹脂浸透後のひきしまり拘束がなく、湿熱経時後のもみ試験評価が著しく悪い。樹脂浸透が少なく、繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
実施例1に対して、製織後の精練を実施せず、加硫温度を180℃と変更した。さらに、コーティングで粘度1.2万cPの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂を主成分とする付加反応架橋シリコーン液の塗工液を、フローティングナイフコーターを用い、コーティングを行い、塗布量を25g/m2とした。評価結果を表1に示す。
無精練でポリアミド繊維の織糸拘束の緩和が無く、コーティング樹脂の内部浸透が抑制されている。加硫工程での収縮があり織糸拘束となるが、樹脂浸透が少ないため、DSC分析の高温側吸熱量比率は低い。残留油分の影響もあり、もみ試験評価はやや低い。さらに、織物繊維同士の樹脂浸透を伴ったひきしまり拘束がなく、湿熱経時後のもみ試験評価が著しく悪い。樹脂浸透が少なく、繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
実施例1に対して、製織後の精練を実施せず、加硫温度を180℃と変更した。さらに、コーティング工程で粘度50万cPの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂を18重量部、粘度2万cPの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂を43重量部、トルエン溶媒を39重量部からなるシリコーン塗工液を、フローティングナイフコーターを用い、コーティングを行い、塗布量を30g/m2とした。評価結果を表1に示す。
無精練でポリアミド繊維の織糸拘束の緩和が無く、溶媒希釈で低粘性ながら浸透は抑制され、不十分である。加硫工程での収縮があり織糸拘束となるが、樹脂浸透が少ないため、DSC分析の高温側吸熱量比率は低い。残留油分の影響もあり、もみ試験評価はやや低い。さらに、織物繊維同士の樹脂浸透を伴ったひきしまり拘束がなく、湿熱経時後のもみ試験評価が著しく悪い。樹脂浸透が少なく、繊維同士の拘束の少なさから、ステッチ通気度も、湿熱経時後ステッチ通気度も多い。
Claims (15)
- ポリアミド66繊維及びポリエチレンテレフタレート繊維からなる群から選ばれる合成繊維からなり、シリコーン樹脂が配された織物であって、その織物の昇温DSC吸熱曲線において、織物構成糸の昇温DSC吸熱曲線の溶融吸熱極大温度に対して高温度側の吸熱量の全体の吸熱量に対する比率が45%を超えることを特徴とする織物。
- 織物構成糸の昇温DSC吸熱曲線の溶融吸熱極大温度に対して高温度側の吸熱量の全体の吸熱量に対する前記比率が50%を超える、請求項1に記載の織物。
- 織物に配された樹脂量が10から50g/m2である、請求項1又は2に記載の織物。
- 油付率が0.005から0.20重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の織物。
- 織物を構成する経糸と緯糸の扁平度(平面方向の単糸の広がり/厚み方向の単糸の広がり)の差が1.8以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の織物。
- 95%RH及び85℃の環境下に100時間暴露後のスクラブ揉み試験による剥離耐性が200回以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の織物。
- 95%RH及び85℃の環境下に100時間暴露後のステッチ通気度増分が1,000mm3/mm/sec以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の織物。
- 合成繊維がポリアミド66繊維である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の織物。
- 製織に用いる合成繊維のエア交絡が5〜30回/mである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の織物の製造方法。
- 無撚無糊の合成繊維をウォータージェット織機で製織し、引き続き70℃以下の精練を行う工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の織物の製造方法。
- 粘度が2万cPを超え50万cP未満の無溶媒のシリコーン樹脂含有塗工液による樹脂被膜を配する工程を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の織物の製造方法。
- 前記塗工液が分子量500以下の低分子量アルコキシシランを1〜10重量%含有している、請求項11に記載の方法。
- シリコーン樹脂が1万cP以下の低粘性シリコーンを45重量%以下含有している、請求項11又は12に記載の方法。
- 樹脂の架橋により織物を1.5%以上熱収縮させる工程をさらに含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の織物を用いたエアバッグ。
Priority Applications (1)
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