JP5842686B2 - 立体的回路基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、立体的回路基板及びその製造方法に関し、特に、フィルム状回路基板が円筒形状又は円柱形状の基体の周面に接着された立体的回路基板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、多機能化及び低コスト化に伴い、筐体の内面や外面に、回路基板をコンパクトに形成することが要求されており、回路基板として平面的なだけではなく立体的なものが必要となる場合がある。
例えば、複写機の分野において、現像用ローラーなどのローラー表面の一部に、又は全周にわたって、回路を形成することにより、立体的回路基板を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この、ローラーの表面全周に回路基板を形成する方法として、ポリイミドなどの絶縁性フィルムの表面に、銅等の導体層を設けた基材を用いて導体層をパターニングし、得られた回路基板をローラーの表面全周に貼り付けする方法が提案されている。このようなフィルム状の回路基板は、多量に、かつ、安価に製造することができるため、これをローラーに貼り付けして立体的回路基板を形成できれば、製造コスト的に有利といえる。
ところで、切断したフィルムを円筒形状の缶体にラミネートする方法として、ロータリーカッターを用いてフィルムを円筒形状である缶体に貼り付けする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、自立保持不能な柔軟性フィルムを、高い精度で希望長さに切断し、切断して得たフィルムを缶体に供給して、良好にラミネートを行うことにより、フィルムの缶体への貼り付けを可能としている。より具体的には、巻き取り状態にある自立保持不能な柔軟性フィルムを、フィードロール及びカッティングロールに真空吸着させて巻き付け、フィードロールの周速をカッティングロールの周速より遅くし、フィルムにテンションを与え、カッティングロールの真空吸着部位を複数に分割して真空強度を調整する。これにより、フィルムに滑りを付与し、切断後のフィルムに一定の間隔を作り、缶体へのラミネートのタイミングを得て、ラミネートロールのラミネート部位では一転して加圧しフィルムの窪みを無くし、缶体とフィルムの間に空気を残存させないで缶体へ良好にラミネートを行っている。
特許文献2に記載されたロータリーカッター方式による貼り付け方法は、缶体やボトル等の飲料容器の表面にラベルを貼ることを目的として開発されたものである。そのため、ラベルを貼る位置精度等を厳密に管理する必要がなく、また、飲料容器の表面全周にラベルを貼り付けする場合は、フィルムに重なりや間隙が生じても問題となることはない。
特開平6−59568号公報 特開平10−236446号公報
しかしながら、電子機器用途のフィルム状回路基板をローラーの表面全周に貼り付けする場合、フィルム状回路基板に重なりや間隙、浮きがあると、回路を構成する配線に短絡や導通不良が発生し、回路の電気的特性に影響を及ぼすという問題があった。
また、このような問題に対応するべく、フィルム状回路基板を精度良く切断し、貼り付け時に重なりや浮き、大きな間隙が生じないよう貼り付けた場合でも、フィルム状回路基板を所定の大きさに切断する時にバラツキは存在し、かつ、貼り付けされるローラー自体にも仕上がり径のバラツキが存在するため、フィルム状回路基板の重なりや間隙を無くすことができていないという問題があった。
更に、貼り付け後の間隙については、フィルム状回路基板の表面保護用に樹脂を塗布して間隙を埋設できれば、短絡や導通不良防止に有効であるが、表面保護用の樹脂を塗布しても間隙の段差が埋めきれずに、フィルム状回路基板の端部が露出してしまう場合があるという問題があった。
そこで、本発明は、ローラーなど円筒形状又は円柱形状の基体の表面に、フィルム状回路基板を貼り付けした場合に、フィルム状回路基板の両端部の間隙に発生する段差を低減することができる立体的回路基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る立体的回路基板の製造方法は、フィルム状回路基板が円筒形状又は円柱形状の基体の周面に接着された立体的回路基板の製造方法であって、
前記基体の周面に熱硬化性の接着剤からなる接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
前記接着剤層を加熱して流動化させるとともに粘着性を発現させ、前記接着剤層の周囲に前記フィルム状回路基板を巻回させて前記基体の周面に前記フィルム状回路基板を仮接着する仮接着工程と、
前記フィルム状回路基板の端部間の間隙に加熱した平面状の金型を圧着し、前記間隙から隆起した前記接着剤層の表面を平坦化する圧着工程と、を有することを特徴とする。
また、前記圧着工程において、前記間隙から隆起した前記接着剤層の表面を硬化させることが好ましい。
ここで、前記接着剤層は、両面テープ状の接着剤層を前記基体の周面に仮接着することにより形成されることとしてもよい。
あるいは、前記接着剤層は、溶剤に溶解させた接着剤をスプレーにより前記基体の周面に塗布することにより形成されることとしてもよい。
また、前記金型は、前記接着剤層の硬化のための推奨温度以上の温度に加熱されることが好ましい。
なお、前記圧着工程の後、前記接着剤層を硬化させる接着剤層硬化工程を更に有することとしてもよい。
本発明の他の態様に係る立体的回路基板は、フィルム状回路基板が円筒形状又は円柱形状の基体の周面に巻回され、接着剤層により接着された立体的回路基板であって、
前記フィルム状回路基板の端部間の間隙を埋めるように、前記接着剤層が隆起したことを特徴とする。
ここで、前記フィルム状回路基板の表面と、前記間隙を埋めるように隆起した前記接着剤層の表面とで平坦面を形成していることが好ましい。
本発明によれば、フィルム状回路基板を貼り付けた立体的回路基板に生じていた間隙の段差を低減させることができる。
本発明の実施形態に係る立体的回路基板の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の基体準備工程の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の接着剤層形成工程の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の仮接着工程の途中段階の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の仮接着工程が終了した状態の一例を示した図である。 図5に示した仮接着工程の終了段階のフィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙35の部分を拡大した図である。 本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の圧着工程の一例を示した図である。 本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の圧着工程を行うための圧着装置の一例を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の一例を示した図である。本実施形態に係る立体的回路基板は、基体10と、接着剤層20と、フィルム状回路基板30とを有する。ここで、フィルム状回路基板30は、フィルム31と、金属配線32とを有する。また、フィルム状回路基板30の端部33、34の間の間隙35には、接着剤層隆起部21が形成されている。なお、接着剤層20は、間隙22を有してもよい。
本実施形態に係る立体的回路基板は、基体10の周囲に接着剤層20が形成され、接着剤層20の表面上にフィルム状回路基板30が設けられた構成となっている。また、フィルム状回路基板30は、端部33、34間に間隙35を有し、当該間隙35を埋め込むように接着剤層隆起部21が形成されている。
基体10は、円筒形状又は円柱形状の部材であり、フィルム状回路基板30を実装するための媒体である。例えば、立体的回路基板がプリンタ用の現像ローラーとして構成される場合には、基体10は、円筒形状のアルミパイプが用いられる。基体は、フィルム状回路基板30を周面に実装できる円筒形状又は円柱形状を有していれば、金属、樹脂等の種々の材料から構成することができる。
接着剤層20は、フィルム状回路基板30を基体10の周面に接着するための接着手段であり、熱硬化性の接着剤が用いられる。ここで、熱硬化性の接着剤とは、常温では固体であるが、加熱して温度を高くすることにより、タック性(粘着性)が発生し、接着剤として機能する接着剤を意味する。また、熱硬化性の接着剤は、加熱により徐々に硬化する性質を有し、少なくとも、仮接着の段階と、完全に熱硬化する2段階の接着段階を有することが好ましい。ここで、2段階の接着段階とは、タック性が発現する第1の温度と、完全に熱硬化する第2の温度が設定されており、第1の温度で仮接着を行い、第1の温度よりも高い第2の温度で熱硬化して本接着を行うことができる接着段階を意味する。
このような、複数段階の熱硬化性を有する接着剤を用いることにより、常温時での接着剤層20及びフィルム状回路基板30の取り扱いを容易にすることができるとともに、フィルム状回路基板30を基体10の周面に仮接着で貼り付け、フィルム状回路基板30の端部33、34の間隙を接着剤層隆起部21で埋めて平坦化を図ってから熱硬化を行うことが可能となる。これにより、本実施形態に係る立体的回路基板を容易に作製することができる。なお、立体的回路基板の製造方法については後述する。
接着剤層20は、溶剤に溶かして塗布するタイプの接着剤から構成されてもよいし、保護フィルムを剥がして用いる両面テープのような接着剤から構成されてもよい。図1においては、両面テープのような接着剤を用いた例を挙げているため、接着剤層20に間隙22が生じているが、溶剤タイプの接着剤を用いて基体10の全周面に接着剤層20を形成し、間隙22を無くすことも可能である。なお、溶剤タイプの接着剤を用いる場合には、例えば、スプレーで接着剤を基体10の外周表面に塗布するようにして接着剤層20を形成してもよい。
フィルム状回路基板30は、フィルム31の表面に金属配線32が形成されたフィルム状の回路基板である。基板となるフィルム31は、フィルム状の絶縁材料であれば種々の材料を用いることができるが、例えば、ポリイミド等の樹脂から構成されてもよい。
フィルム状回路基板30に形成される金属配線32は、種々の配線用の金属材料を用いることができるが、例えば、銅を用いるようにしてもよい。その他、用途に応じて、銀、アルミニウム等を含む種々の金属材料を用いることができる。また、フィルム状回路基板30に形成される回路は、用途に応じた回路を形成することができるが、必ずしも複雑な回路を構成する必要は無く、単なる金属パターンのような回路であってもよい。例えば、立体的回路基板が、プリンタの現像ローラーに利用される場合には、櫛歯形状又はストライプ形状等の金属パターンが形成されてもよい。
なお、図1においては、金属配線32は、具体的な配線パターンではなく、単にフィルム31の上に形成された金属膜として簡略化されて示されているが、用途に応じて、任意の配線パターンを有する金属配線32とすることができる。
例えば、フィルム状回路基板30は、銅層による配線が形成されたポリイミドフィルムを準備し、金型によって所定の大きさに切断されて用意されてもよい。このときのフィルム状回路基板30に使用するフィルム31は、絶縁性が良好でフィルム31と銅層の密着性が良好なものであれば特に良く、フィルム31に蒸着やスパッタ法、又は無電解めっき法などの方法で金属層を形成する方法が適当である。またフィルム31に接着剤で金属箔を貼り付ける方法で形成しても良い。
フィルム状回路基板30は、円筒形状又は円柱形状の基体10の外周表面を覆う細長い長方形の形状を有する。つまり、フィルム状回路基板30の長方形の長手方向が、基体10の軸方向に平行となるように配置される。そして、基体10の周面を覆うように貼り付けられるが、表面には配線が形成されているため、フィルム状回路基板30の端部33、34同士が重なるようには形成されず、端部33、34間に若干の間隙が生じるように形成される。かかる間隙は、接着剤層20の表面との段差を生じるおそれがあるが、本実施形態に係る立体的回路基板においては、フィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙に、接着剤層隆起部21を形成し、フィルム状回路基板30との表面に段差が生じないように構成されている。つまり、フィルム状回路基板30の表面と、接着剤層隆起部21の表面とで連続的な平坦面を形成している。
接着剤層隆起部21は、接着剤層20を加熱して流動性を生じさせ、フィルム状回路基板30の表面に圧力を加えることにより、接着剤層20を端部33、34間の間隙に隆起させて形成した部分である。かかる接着剤層隆起部21を有することにより、フィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙に段差が生じず、連続的に立体的回路基板の表面を平坦化することができる。
なお、接着剤層隆起部21は、フィルム状回路基板30の表面と同じ高さまで隆起していれば、端部33、34間の段差を解消することができるが、間隙から露出した表面が平坦であることが好ましい。例えば、接着剤層隆起部21を形成する際、平面状の金型を用いて圧着すれば、そのような平坦化された表面を形成することができる。なお、この点の詳細については後述する。
このように、本実施形態に係る立体的回路基板によれば、フィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙の段差を低減させ、平坦な表面を形成することができる。
次に、図2〜8を用いて、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る立体的回路基板の製造方法において、今まで説明した構成要素と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明を省略するものとする。
図2は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の基体準備工程の一例を示した図である。基体準備工程においては、フィルム状回路基板30を実装する媒体として基体10が用意される。基体10は、円筒形状又は円柱形状を有すれば、アルミパイプ等を含む種々の材料から構成されてよい。
図3は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の接着剤層形成工程の一例を示した図である。接着剤層形成工程においては、基体10の外周表面に、接着剤層20が形成される。その際、接着剤層20は、溶剤に溶かした熱硬化性の接着剤が基体10の表面にスプレー等により塗布されて形成されてもよいし、剥離紙、剥離フィルム等により保護された両面テープのような接着剤を基体10の表面に貼り付けて形成するようにしてもよい。図3においては、両面テープタイプの接着剤を用いた例が挙げられており、接着剤層20には間隙22が形成されている。
なお、接着剤層形成工程においては、一旦、タック性を有する状態で基体10の表面に接着剤層20が形成され、基体10の表面上に接着剤層20が仮接着した状態となるが、その後、常温に戻して乾燥させ、固体状態で接着剤層20が形成される。
図4は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の仮接着工程の途中段階の一例を示した図である。仮接着工程においては、接着剤層20を加熱してタック性を発現させるとともに流動化させ、接着剤層20の表面にフィルム状回路基板30を巻回し、基体10の周面上にフィルム状回路基板30を仮接着する。
その際、接着剤層20は、熱硬化はせず、タック性が発現するレベルの温度で加熱される。例えば、100℃でタック性が発現し、200℃で熱硬化が発生するような2段階の熱硬化性を有する接着剤であれば、100℃以上で200℃未満であり、かつ100℃付近の温度となるように加熱される(例えば、110〜130℃)。なお、接着剤層20の加熱は、基体10を加熱し、基体10から伝達する熱により行われる。
ここで、接着剤層20は流動化した状態であるため、図4に示すように、フィルム状回路基板30を接着剤層20に巻き回す際、接着剤層20が薄く延ばされるとともに、余分な接着剤層20が先の方に移動する。
仮接着工程の前半においては、フィルム状回路基板30の端部33、34の間には、間隙35が生じている。
図5は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の仮接着工程が終了した状態の一例を示した図である。図5に示すように、仮接着工程の終了状態では、接着剤層20の周囲にフィルム状回路基板30が巻回され、フィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙35を埋めるように接着剤層隆起部21が形成される。
図6は、図5に示した仮接着工程の終了段階のフィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙35の部分を拡大した図である。
図6に示すように、接着剤層20から隆起した接着剤層隆起部21は、フィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙35を充填して埋めるとともに、フィルム状回路基板30の表面よりも高く盛り上がっている。このように、仮接着工程の終了段階では、フィルム状回路基板30を接着剤層20に仮接着する際に、流動化した接着剤層20が貼り付け時の圧力により先の方に順次押し出され、最終的にフィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙35から隆起した状態となる。
図7は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の圧着工程の一例を示した図である。圧着工程では、接着剤層隆起部21が盛り上がったフィルム状回路基板30の端部33、34間の間隙35に、加熱した平面状の金型40が圧着される。これにより、図7に示すように、接着剤層隆起部21の表面は、フィルム状回路基板30の表面と同じ高さで平坦化され、フィルム状回路基板30の表面との段差を有しない平坦化された表面が形成される。
圧着工程における金型40の温度、圧力及び圧着時間は、接着剤層20の種類によって異なるため、最適な条件を求める必要がある。例えば、通常温度については、接着剤層20が硬化する温度以上が適当である。
また、圧力も接着剤層20の種類によって異なり、圧着する温度によっても条件が異なるため、温度と圧力の関係によって変化するが、通常、その接着剤接合する推奨圧力から推奨圧力以上の圧力が適当である。
圧着時間についても、接着剤の種類と圧着する温度と圧力によって最適な条件を検討する必要があるが、あまり長い時間圧着すると生産性が悪くなるなどの問題があるため、通常20分以内が適当である。
また、図7に示すように、接着剤層隆起部21の表面は、圧着により平坦化されるとともに、一部隙間35からはみ出し、フィルム状回路基板30の表面を薄く覆うような状態となる。かかる接着剤層20のはみ出し量も、上述の温度、圧力及び圧着時間を適切に設定することにより、調整することができる。
なお、金型40が接触している接着剤層隆起部21の表面については、圧着時の加熱により、硬化させてしまうことが好ましい。圧着工程において、基体10の周面にフィルム状回路基板30を接着させた立体的回路基板は、その後、オーブンなどの加熱装置で、基体10に塗布又は貼り付けた接着剤層20を完全に硬化する必要がある。この時、本実施形態のような熱圧着を行わずに仮接着のみを行った場合、そのままの状態では、基体10に貼り付けたフィルム状回路基板30は、基板自身の固さによって、基体10から剥がれようとする力が働く。熱硬化型の接着剤は通常、温度をかけると最初に軟化しその後硬化が進み反応が生じる。このとき、フィルム状回路基板30は、硬化が進むまでの間に、基体10から剥がれてしまう場合がある。
そのため、本実施形態に係る立体的回路基板の製造方法においては、図3に示すように、つなぎ目部分を固定して硬化することが好ましい。その場合、連続的に生産する方法においては、固定した状態で連続的に流す方法は非常に複雑な装置が必要になることや、固定した状態を管理するためのチェック方法などが必要となるため、生産上非効率である。
よって、本実施形態に係る立体的回路基板の製造方法においては、圧着工程における熱圧着により、つなぎ目部分の接着剤層20を先に硬化させて固定し、その後に接着剤層20全体を硬化させることとしている。かかる方法を採用することにより、固定しながら接着剤層20を完全に硬化する必要がなくなるため、連続的な生産が容易になることや、品質的な管理方法も簡単になることから、生産効率的にも非常に有利な方法である。
また、本実施形態における圧着工程においては、金型40で圧着したときに、盛り上がった接着剤層隆起部21は、金型40の圧着面の位置まで盛り上がり、そこで硬化するため、金型40に接着剤層20が接合する懸念があるため、接合を防止する対策を行うことが好ましい。また、盛り上がった接着剤層隆起部21の表面を平滑にするために、金型40の表面が、平滑になっている必要がある。
まず、接着剤層隆起部21と金型40の圧着面が接合することを防止する方法については、接着剤との接合性を防止する方法であれば特にどの方法でも良いが、通常、金型40の表面にテフロン(登録商標)のようなコーティングを行う方法や、金型40自体をテフロン製にするなどの対策が考えられる。また、接着剤層20の種類によっては、テフロンなどの材料でも完全に防止できないことがあるが、その場合は、金型40とフィルム状回路基板30のつなぎ目部分の間に、フィルムを入れて熱圧着し、使用したフィルムは使い捨てとする方法が適当である。このときのフィルムはテフロンなどのフィルムやフィルム表面に離型処理を施したフィルムが適当であるが、使い捨てのため、価格的に安価なものが最適である。
図8は、本発明の実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の圧着工程を行うための圧着装置の一例を示した図である。図8において、平面状の圧着面を有する平板状の金型40が、基体10を上方から圧着できるように構成されている。例えば、このような圧着装置を用いて、加熱した金型40をフィルム状回路基板30の端部33、34間の隙間35に圧着させることにより、本実施形態に係る立体的回路基板の製造方法の圧着工程を行うことができる。
次に、本実施形態に係る立体的回路基板の製造方法を実施した実施例について説明する。なお、本実施形態に係る立体的回路基板及びその製造方法と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明を省略するものとする。
本発明の実施例1に係る立体的回路基板の製造方法において、まず、フィルム状回路基板30の作製を行った。フィルム状回路基板30の基材材料に用いるフィルム31として、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)を用いた。
具体的には、厚さ35μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製 商品名 A4100)を用い、その表面にスパッタリング法により薄い銅層を設け、次いで、この銅層の上に、電気銅めっき法で全厚さ10μmとなるように銅層を設けた。電気銅めっき条件は以下のとおりである。
<めっき浴組成>
硫酸銅濃度 90g/リットル
硫酸濃度 180g/リットル
塩素濃度 50ppm
<めっき温度>
室温
<電流密度>
陰極電流密度 2A/dm
次に、銅層表面にドライフィルムレジスト(旭化成株式会社製 商品名 AQ−1158)を貼り、配線形状を有するマスクを用いて露光し、現像し、露出した銅層をエッチングした。次いで、銅層表面に残存するドライフィルムレジストを剥離して、表面に金属配線32が形成されたフィルム状回路基板シートを作製した。
次いで、フィルム状回路基板シートの裏側に、熱圧着タイプの接着剤(ニッカン工業製ASAFW)を、100℃の温度でラミネートして仮接着した。そして、金型40を用いて所定形状に切断し、フィルム状回路基板30を作成した。
一方、基体10には、直径16mm、長さ300mmのアルミパイプを用いた。この基体10の表面全面に、前述の所定形状に切断して得たフィルム状回路基板30を貼り付けた。フィルム状回路基板30の両端部33、34により形成された間隙35を測定すると、幅は平均で0.60mmであった。
なお、使用した接着剤(ニッカン工業製SAFW)の接合メーカー推奨条件は、温度160℃、圧力2〜4MPa、時間40〜60分である。
次に、得られたフィルム状回路基板30を貼り付けた基体10を試料として、つなぎ目をテフロンコーティングされた金型(11)を150℃〜190℃に過熱し、それを2〜5MPaで5分〜10分間熱圧着した。熱圧着した後、つなぎ目の凹凸を測定した。また熱圧着した後、180℃で60分間オーブンに入れて接着剤を完全に硬化させて、つなぎ目部分のフィルム状回路基板が浮くことなく接合しているかどうか確認した。
表1は、実施例1の結果を示している。
Figure 0005842686
表1において、今回使用した接着剤のメーカー推奨温度の160℃よりも低い温度条件の試料1では、つなぎ目の凹みは完全に解消できず、またつなぎ目の接着剤の硬化が不十分であったため、最後の接着剤硬化の工程で、フィルム状回路基板が浮くなどの不良が認められた。
一方、メーカー推奨条件以上の圧力、温度の条件を有する試料2〜5では、問題無い結果を得ることができた。これらの結果より、接着剤の推奨条件以上の温度、圧力で熱圧着することで、つなぎ目の隙間をフラットにすることが可能であることを確認した。
このように、実施例1に係る立体的回路基板及びその製造方法においては、接着剤の推奨条件を満たす限りは、フィルム状回路基板30を適切に基体30に接着することができ、平坦な表面を有する立体的回路基板を構成することができた。
実施例2においては、ポリイミドのフィルム31を用いて、フィルム状回路基板30を作製した。ポリイミドに銅箔を形成した2層基板(住友金属鉱山株式会社製S’perFlex)を用いた。Cu厚8μm、ポリイミド38μmの基材を使用した。エッチングによる配線形成は前述フォトレジスト方式により配線形成を行った。
この回路基板シートに金型を用いて所定形状に切断してフィルム状回路基板30を作製した。次いで、直径16mm、長さ300mmのアルミパイプを基体10とし、この表面に熱圧着タイプの接着剤(ニッカン工業製SAFW)を100℃の温度でラミネートして仮接着し、その上から所定形状に切断してフィルム状回路基板30を貼り付けた。フィルム状回路基板30の両端部33、34により形成された間隙35を測定すると、幅は平均で0.60mmであった。
なお、使用した接着剤(ニッカン工業製SAEW)は、実施例1と同じ接着剤であり、接合メーカー推奨条件は、温度160℃、圧力2〜4MPa、時間40〜60分である。
その他の条件は、総て実施例1と同様の条件で実施したが、実施例1と同様に、接着剤の推奨条件の圧力、温度以上の圧力、温度で圧着を行うことにより、実施例1と同様に良好な接合を行うことができ、平坦な表面を有する立体的回路基板を構成することができた。
実施例1及び実施例2から、本実施形態に係る立体的回路基板及びその製造方法は、種々のフィルム状回路基板30に有効であることを示すことができた。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明は、現像トナー等の円筒形状又は円柱形状を有する立体的回路基板に利用することができる。
10 基体
20 接着剤層
21 接着剤層隆起部
30 立体的回路基板
31 フィルム
32 金属配線
33、34 端部
35 間隙
40 金型

Claims (6)

  1. フィルム状回路基板が円筒形状又は円柱形状の基体の周面に接着された立体的回路基板の製造方法であって、
    前記基体の周面に熱硬化性の接着剤からなる接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
    前記接着剤層を加熱して流動化させるとともに粘着性を発現させ、前記接着剤層の周囲に前記フィルム状回路基板を巻回させて前記基体の周面に前記フィルム状回路基板を仮接着する仮接着工程と、
    前記フィルム状回路基板の端部間の間隙に加熱した平面状の金型を圧着し、前記間隙から隆起した前記接着剤層の表面を平坦化する圧着工程と、を有することを特徴とする立体的回路基板の製造方法。
  2. 前記圧着工程において、前記間隙から隆起した前記接着剤層の表面を硬化させることを特徴とする請求項1に記載の立体的回路基板の製造方法。
  3. 前記接着剤層は、両面テープ状の接着剤層を前記基体の周面に仮接着することにより形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体的回路基板の製造方法。
  4. 前記接着剤層は、溶剤に溶解させた接着剤をスプレーにより前記基体の周面に塗布することにより形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体的回路基板の製造方法。
  5. 前記金型は、前記接着剤層の硬化のための推奨温度以上の温度に加熱されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の立体的回路基板の製造方法。
  6. 前記圧着工程の後、前記接着剤層を硬化させる接着剤層硬化工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の立体的回路基板の製造方法
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