JP5841859B2 - 硬化性シート及びそれを用いた硬化物 - Google Patents

硬化性シート及びそれを用いた硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線硬化性の硬化性シート及びそれを用いた硬化物に関するものである。
硬化性シートは、プリント配線板、航空機や自動車、スポーツ用品等の成型材料、土木建築物等の構造補強材、および配線や構造物の被覆固定材として用いられている。
特に、紫外線や可視光、近赤外光などの光源で硬化する光硬化性のシートは、施工性の高さから広く用いられている(例えば特許文献1〜4参照。)。中でも、波長250〜400nm前後の近紫外光によって硬化する光硬化性シートは、人工光の照明下で充分な可使時間を確保できる。しかも、光硬化性シートは一般に広く流通するブラックライトをはじめとする紫外線照射器により硬化可能なため、広く用いられている。
しかしこれらの硬化性シートに含まれる硬化材料は、光で硬化する故、活性の高い化合物であり、光が当たらなくても一定以上の熱で自己熱硬化反応を起こしてしまう。
特に広く用いられている(メタ)アクリレート誘導体は、活性が高く、130℃〜180℃の範囲で上記反応を起こしてしまう。また硬化材料に光開始剤や触媒(連鎖移動剤)等が含まれていると、更に低い温度で反応を起こしてしまうこともある。
硬化性シートの成型中に硬化材料が自己熱硬化反応を起こしてしまうと、シート状に成型した直後の状態で既に柔軟性が低く、所定の形状に成型することや、被補強物、被固定物に対して被覆すること等が不可能となってしまい、使用目的を果たすことができない。
また硬化性シートにおいて紫外線照射によって硬化する成分も相対的に少なくなるため、紫外線照射による初期ヤング率の変化も小さくなり、硬化性シートとしての機能も小さくなる。
上記のような点から、従来、上記の硬化性シートを製造する際は、常温もしくは100℃以下の温度でシート状に成型していた。
特開2002−18991号公報 特開2002−361804号公報 特開2006−116719号公報 特開2011−201936号公報
上記特許文献1は、硬化材料を増粘して樹脂に含浸させてシートとして用いる方法である。
上記特許文献2は、不飽和ポリエステルにスチレンモノマーと光開始剤などを混合した硬化材料を基材シート上のレーヨン不織布に含浸させて、更にフィルムで挟み込む積層体としたシートを得ている。
上記特許文献3及び特許文献4は、シートに含まれる繊維強化材又はガラス繊維に液体の硬化材料を含浸させ、更にそれら2種を張り合わせることで、硬化特性の良好なシートを得ている。
上記特許文献に記載の硬化性シートは、シート化する場合、いずれも、硬化材料が熱硬化を起こす虞がないように、常温もしくは100℃以下の温度で行われている。
しかしながら、上記硬化性シートは、硬化材料を含浸させるための樹脂や繊維を必要とする。また上記硬化性シートは樹脂や繊維を積層する必要があり、多種のフィルムやシートを組合せなければならない。そのため、作製が煩雑になり、低コストで作製することができないという問題があった。
また特許文献1の様に、硬化性樹脂を増粘させて流れ出しを防ぐ方法もとられてはいるが、基本的に液状の硬化材料を含浸させているため、流れ出しを完全に防ぐことはできず、流れ出した硬化材料が手や周辺基材へ付着することを防ぐことができないという問題があった。
硬化性シートにおいて、低コストでシート状に作成することを可能とし、作成した硬化性シートを用いた作業の作業性を良好とするためには、シートの基材をポリマーとし、それ自体に紫外線硬化材料を混合、分散させ、単層とする事が最良の方法であると考えられる。その場合に前記シートの基材に用いるポリマーとしては、以下の条件を兼ね備えている必要がある。
1)硬化性シートは、硬化前の状態では柔軟である必要があるので、柔軟なポリマーである事。
2)成型可能な可塑性ポリマーである事。
3)紫外線硬化材料との相溶性を有する事。
また、上記の条件を備えるポリマーを選択できたとしても、硬化材料を混合、分散させながら成型するには、ポリマーが軟化する温度まで加熱する必要がある。そして上記加熱温度における硬化材料の自己的熱硬化反応を防ぐ事が重要な課題となる。
そのため、軟化温度の低いポリマーを選択する事も一つの手法である。しかし軟化温度の低いポリマーを用いた場合には、硬化後の成型用シートの熱特性を損なうことになる。
また、ポリマーと硬化材料を、予め有機溶媒に溶解してシート状に延伸塗布後、乾燥させる「キャスト法」で作製する手法を用いて硬化性シートを得ることも考えられる。しかし上記の場合、有機溶媒を大量に必要とし、完全に乾燥させるには、所定の時間を要するため、効率的な方法とは言えず、コストを考慮すると実際にこの手法を利用するのは現実的ではない。
本発明は上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、硬化性シートを低コストで作成することが可能であり、得られた硬化性シートを用いた作業の作業性が良好である硬化性シートとその硬化物を提供することを課題とする。
本発明の硬化性シートは、熱可塑性ポリマーと(メタ)アクリレート基を含む紫外線硬化材料が混合成型されてなる単層の感光層を有するシートであって、前記感光層の初期ヤング率が200MPa以下の柔軟性を有し、更に前記感光層の初期ヤング率が紫外線照射によって200MPa超に増加するものであることを要旨とするものである。
本発明の硬化性シートの硬化物は、上記の硬化性シートが所定の形状に成型された状態で硬化されたものであることを要旨とするものである。
本発明の硬化性シートは、熱可塑性ポリマーと(メタ)アクリレート基を含む紫外線硬化材料が混合成型されてなる単層の感光層を有するシートであって、前記感光層の初期ヤング率が200MPa以下の柔軟性を有し、更に前記感光層の初期ヤング率が紫外線照射によって200MPa超に増加するものであるから、硬化性シートを低コストで作成することが可能であり、得られた硬化性シートを用いた作業の作業性が良好である。
また本発明の硬化性シートの硬化物は、上記の硬化性シートが所定の形状に成型された状態で硬化されたものであるから、硬化性シートを用いた作業の作業性に優れ、硬化性シートを所定の形状に成型加工することが容易である。
アクリレートの二重結合のFT−IRの測定結果を示すチャートである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の硬化性シートは、(A)熱可塑性ポリマーと(B)(メタ)アクリレート基を含む紫外線硬化材料(以下、紫外線硬化材料と略記することもある)が、混合されてシート状に成型されてなる感光層を有するシートである。感光層は、単層に形成されている。
硬化性シートは、紫外線が照射されない未硬化の状態では、感光層の紫外線硬化材料中に熱可塑性ポリマーが分散した状態の柔軟なシートである。また未硬化の感光層は、常温で非流動性であり、非粘着性の状態に形成されている。感光層は、初期ヤング率が200MPa以下の柔軟性を有する。硬化性シートは、感光層の柔軟性により所定の形状に変形させて成型加工を容易に行うことができる。
更に、硬化性シートに紫外線を照射することにより紫外線硬化性材料が硬化して、前記感光層の初期ヤング率が200MPa超に増加する。硬化後の硬化性シートは、強度が向上して所定の形状に成型した状態が保持される。硬化性シートは、固定材や補強材としての機能を発揮することができる。
本発明において感光層の初期ヤング率は、感光層の引張り試験を行い、引張り初期に得られる伸びと引張り応力との関係において測定される引張り弾性率の値である。上記引張り試験は、例えば厚さ0.2mmに形成した硬化性シートから、10mm×100mmの帯状の試験片を作成し、引張試験機を用いて、引張り速度20mm/minで試験を行い、1N〜5N荷重における弾性率を測定することができる。
未硬化の感光層の初期ヤング率が200MPa以下であるから、硬化性シートとして、シート状補強材のようなプレプリグシートとして、所定の形状に変形させて使用することが可能であり、取り扱い性が良好である。未硬化の感光層の初期ヤング率が200MPa超では、硬化性シートが硬すぎて取り扱いが困難になる。
また初期ヤング率が200MPaであるということは、紫外線硬化材料が硬化反応しておらず、(A)熱可塑性ポリマーと良好に相溶して、熱可塑性ポリマーの可塑化成分として機能していると考えられる。未硬化の感光層の初期ヤング率は、柔軟性が良好であり取り扱いに優れるという点から、好ましくは50MPa以下である。
硬化性シートに紫外線を照射すると、感光層の紫外線硬化材料が硬化する。硬化後の感光層は、初期ヤング率が高くなって、200MPa超となる。感光層の初期ヤング率が200MPa超に増加すれば、硬質のシート材料として、例えば補強材等の用途として十分利用が可能な強度が得られる。硬化後の感光層の初期ヤング率が、600MPa以上であるのが好ましい。初期ヤング率が600MPa以上であると、硬質材料とみなすことができ、固定材として利用した場合でも十分な強度が確保できる。
硬化前の感光層の初期ヤング率及び硬化後の感光層の初期ヤング率は、前記(A)熱可塑性ポリマー及び(B)紫外線硬化材料の種類、配合量などを適宜調節することで、得られる。以下、感光層を構成する各成分について説明する。
上記(A)熱可塑性ポリマーは、物性として柔軟性を持ち、高分子内に極性構造を持つ樹脂が好ましく用いられる。熱可塑性ポリマーの柔軟性は、好ましくは弾性率が5MPa〜1000MPaの範囲である。
上記(A)熱可塑性ポリマーとしては、分子中に極性構造を有することが好ましい。上記極性構造とは、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン等の、炭素、水素以外の原子で構成される構造のことである。具体的な極性構造として、(チオ)エステル、(チオ)エーテル、(チオ)カルボニル、(チオ)アミド結合、又は側鎖にハロゲンを持つ構造等が挙げられる。
上記の様な極性構造を有する熱可塑性ポリマーとしては、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、又はこれらのアロイ化樹脂等が挙げられる。
未硬化の感光層では、紫外線硬化材料が分散媒となって極性構造を持つ熱可塑性ポリマーのコロイド粒子が分散したゾル状になっている。紫外線硬化材料の(メタ)アクリレート等は、エステル結合等の極性部分を有するので極性物質である。未硬化の感光層において、紫外線硬化材料の極性部分は、熱可塑性ポリマーの極性構造の部分と水素結合等により弱く結合する。
感光層を有する硬化性シートは、例えば、熱可塑性ポリマーと紫外線硬化材料を混練機等で混練、混合し、シート状に押し出して成型することで、感光層を形成することができる。上記の混練、混合の場合、熱可塑性ポリマーの流動性を上げるために、各成分を加熱して溶融させて行う。一方、紫外線硬化材料は、紫外線の照射以外に、加熱により硬化が進行する。そのため感光層を混合成型する場合、加熱により紫外線硬化材料の自己熱硬化が進行する虞がある。紫外線硬化材料と熱可塑性ポリマーが水素結合していると、混練混合の際の加熱により(メタ)アクリレートの自己熱硬化が進行するのを良好に防止することができる。(メタ)アクリレートの熱硬化を防止可能であると、未硬化の感光層の初期ヤング率を低く抑制することができる。このように、感光層の熱可塑性ポリマーが極性構造を有することで、混合時の紫外線硬化材料の自己熱硬化を抑制して、所定の初期ヤング率を有し紫外線硬化性の良好な感光層を確実に形成することが可能であるという効果が得られる。
上記(B)紫外線硬化材料は、具体的には、液状の(メタ)アクリレート基を含む硬化性モノマー、オリゴマー等と光重合開始剤の混合物を基本組成物とし、紫外線が照射されることで硬化物が得られるものであれば使用することができる。尚、本発明において「(メタ)アクリレート」との記載はアクリレート及びメタクリレートの意味である。
紫外線硬化材料の硬化原理としては、紫外線(紫外光)を光重合開始剤が吸収して、ラジカル種等の活性種を発生させ、その活性種が(メタ)アクリレート等の炭素−炭素の2重結合をラジカル重合させ、硬化させるものである。
具体的な(B)紫外線硬化材料の組成としては、例えば(B-i)(メタ)アクリレート誘導体、(B-ii)光重合開始剤、(B-iii)連鎖移動剤、(B-iiii)その他添加剤等の成分から構成することができる。以下、本発明において用いられる紫外線硬化材料について詳述する。
(B-i)(メタ)アクリレート誘導体としては、分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物であれば特に制限されることなく、従来から公知のものを用いることができる。
上記(メタ)アクリレートは、具体例として、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等のモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンポリオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンポリオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのEO付加物又はPO付加物のポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加物トリ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラフルフリルアルコールオリゴ(メタ)アクリレート、エチルカルビトールオリゴ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンオリゴ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールオリゴ(メタ)アクリレート、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート、(ポリ)ブタジエン(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
(B-ii)光重合開始剤としては、紫外線を吸収してラジカル重合を開始させる化合物であれば特に制限されることなく、従来から公知のものを用いることができる。
上記光重合開始剤は、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、エチルアントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また(B−ii)光重合開始剤は、市販品として、例えば、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173,LucirinTPO(以上、BASF社の商品名)、ユベクリルP36(UCB社の商品名)等を用いることができる。
(B-iii)連鎖移動剤は、光硬化反応時にラジカル種等の活性種を材料中にスムーズにいきわたらせ、硬化反応効率を高めるためもので、チオール系化合物等の硫黄原子を分子内に持つ化合物、α−メチルスチレン二量体、メタクリル酸エステルn量体、イミダゾール系化合物の芳香系窒素原子を持つ化合物、1個以上のウレタン結合又は尿素結合又はイソシアネート基を含む化合物と含金属化合物の複合体等が挙げられる。市販品としては2−メルカプトベンズイミダゾール、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等を用いることができる。
硬化層に(B-iii)連鎖移動剤を添加することで、例えば紫外線等の照射光が届かない部分でも硬化させることができるといった効果が得られる。
(B-iiii)各種の添加剤としては、例えば、安定化剤、可塑剤、増感剤、抗菌抗カビ剤が挙げられる。
上記安定化剤としては、老化防止剤、酸化防止剤、着色防止剤、脱水剤等が挙げられる。これらは具体的には、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物(老化防止剤)、ブチルヒドロキシトルエン
、ブチルヒドロキシアニソール、トリフェニルフォスフェート等 (酸化防止剤)、ハイドロタルサイト、長鎖アルキルカルボン酸、金属石鹸、β−ジケトン誘導体(着色防止剤)、無水マレイン酸、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、生石灰、カルボジイミド誘導体、ステアリルクロライド等の酸クロライド(脱水剤)が挙げられる。また少量のメタキノン等の重合禁止剤等も安定化剤として使用できる。市販品としてはイルガノックスシリーズ(BASF社の商品名:老化防止剤)、アデカスタブACシリーズ、Rup100シリーズ(以上、ADEKA社の商品名:着色防止剤)等が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル類、トリメリト酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、コハク酸エステル類、安息香酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル類、オレイン酸エステル類、アセチルリシノール酸エステル類、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、ラウリル酸、ステアリン酸、ドコサン酸、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。
上記増感剤としては、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、市販品としてユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社の商品名)等が挙げられる。
上記分散剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル等の界面活性剤が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
(B)紫外線硬化材料は(B-i)(メタ)アクリレート誘導体、(B-ii)光重合開始剤、(B-iii)連鎖移動剤、(B-iiii)その他の添加剤を混合して作製される。上記各成分の混合方法は、各成分を常温、又は加温条件で混合すれば良く、特に限定されない。好ましい混合方としては、上記各成分を、減圧下又は窒素等の不活性ガス雰囲気下で、適当な温度にて、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に攪拌又は混練し、溶解させるか均一に分散させる方法が挙げられる。
上記(B-ii)成分の配合比としては(B-i)成分に対し、質量比で、(B-i):(B-ii)=100:0.001〜100:10の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは、(B-i):(B-ii)=100:0.005〜100:5の範囲内である。(B-ii)光重合開始剤の配合量が多過ぎると、不溶物となったり、作成後の物性に悪影響を及ぼすようになってしまう。反対に配合量が少な過ぎると光照射によるラジカル発生が少なくなり、(メタ)アクリレートの硬化反応を起こさなくなってしまう。
上記(B-iii)成分の配合比としては(B-i)成分に対し、質量比で、(B-i):(B-iii)=90:10〜10:90の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは、(B-i):(B-iii)=80:20〜20:80の範囲内である。(B-iii)連鎖移動剤の配合量が多過ぎると、不溶物となったり、作製後の物性に悪影響を及ぼす虞がある。
上記方法にて作成した(B)紫外線硬化材料を(A)熱可塑性ポリマーに添加混合して加熱溶融成型し、シート状に成型することで感光層を形成することができる。感光層形成の際、加熱による(B)紫外線硬化材料成分の自己硬化を抑制するため、予め(A)成分と(B)成分を、ガラス転移温度(Tg)以上〜130℃以下の温度範囲で加熱攪拌して、(A)熱可塑性ポリマーを紫外線硬化材料中に膨潤させておくことが好ましい。
上記膨潤方法としては、特に限定されず、(A)熱可塑性ポリマーの形状によって適宜選択されるが、温度可変式の混合ミキサー、ヘンシェルミキサー等で5〜20分間十分に攪拌する方法が好ましい。熱可塑性ポリマーを紫外線硬化材料中に膨潤させることで、紫外線硬化材料の安定性を高めることができる。感光層において紫外線硬化材料の安定性が高めることができると、感光層をシート状に成型する際に、紫外線硬化材料が自己加熱硬化して柔軟性が低下することを防止できる。
また(A)熱可塑性ポリマーの形状がペレット状など、比較的大きな粒子であれば、上記攪拌後にTg+5℃程度の温度で1〜2時間静置する方法もとることができる。
(A)熱可塑性ポリマーと(B)紫外線硬化材料の配合量は、質量比で、(A):(B)=99:1〜30:70の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは(A):(B)=95:5〜50:50の範囲内である。(A)成分の配合量が多すぎると、紫外線硬化に関わる(B)成分比が相対的に少なくなり、光照射後も十分な硬化物が得られない虞がある。また(B)成分の配合量が多すぎると、基材となるポリマーの量が不足して、成型体を得ることができなくなってしまう。
硬化性シートの機能付加の目的で、上記組成物に充填もしくは混合され得る物質は特に限定されないが、用途を考慮した上でも、それ自体の安定性が高いものであることが好ましい。
また上記硬化性シートに充填もしくは混合され得る物質の量も特に限定されないが、充填もしくは混合されることで、取り扱いに支障をきたさない量であることが好ましい。
上記(A)熱可塑性ポリマーと(B)紫外線硬化材料の膨潤混合物は、(A)成分の成型適正温度で目的のシート状に溶融成型されるが、その成型方法としては特に限定されず、ミキサー混練又はロール混練後、プレス成型、Tダイを用いた押出し成型、カレンダー成型などの方法が好ましい。
硬化性シートの感光層の厚みや形状、大きさ等は特に制限されることはないが、取り扱い性の面から0.1mm〜1mm厚のシートであることが好ましい。
また、前記方法で作成された硬化性シートに粘着剤を塗布して粘着剤層を積層し、粘着シートの形状にする事もできる。粘着剤層は少なくとも感光層の片面側にあればよいが、感光層の表裏両面に形成してもよい。また上記粘着剤層の表面に更に剥離性のシート等を積層してもよい。
その際粘着剤の種類や塗布方法は特に制限されることは無いが、アクリル樹脂系、ゴム系の既存の粘着剤をコーターや転写紙等を用いた既存の方法で塗布することができる。
本発明の硬化性シートの硬化物は、上記硬化性シートに紫外線が照射されて感光層が硬化されてなるものである。感光層の硬化は、硬化性シートを成形する等して所定の形状に形成した状態で、紫外線照射装置から紫外線等の照射光を照射して、硬化性シート全体を硬化させる。
感光層を硬化させる照射光は、紫外線以外に可視光であってもよい。紫外線照射装置は、従来公知の各種照射装置を用いることができる。また紫外線の照射条件も、硬化性シートの形状等に応じて、適宜設定することができる。
本発明の硬化性シートは、プリント配線板、航空機や自動車、スポーツ用品等の成型材料、土木建築物等の構造補強材、および配線や構造物の被覆固定材等のような各分野における構造物の補修、補強、防水等のプレプリグとして用いることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表1に(B)紫外線硬化材料調製例A−1〜A−5を示す。表1の組成は質量部である。表中の各成分の略称は以下の通りである。特にメーカー名を表示していないものは東京化成社製の試薬グレードのものを用いた。また(B−iii)連鎖移動剤は、以下に示す合成方法で作製した、ウレタン結合を含む化合物と含金属化合物の複合体を用いた。
(B−i)(メタ)アクリレート
・IBA:イソボルニルアクリレート
・DPGA:ジプロピレングリコールジアクリレート
・TEGA:テトラエチレングリコールジアクリレート
・TMPTA:トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート:大阪有機化学工業社製、商品名「V#360」
(B−ii)光重合開始剤
・HCHPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(B−iii)連鎖移動剤の合成
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が400のポリプロピレングリコール80g(200mmol)、ヘキサメチレンジイソシアネート40g(238mmol)とジブチルすずジラウレート0.05gを仕込み、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げた。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続けた。FT−IRの吸収面積から残留イソシアネート基の含有量を計算し、反応前と比較して約15%まで減少して変化が無くなった時を中間反応終了点とし、無色透明粘調性液体を得た。更に2−ヒドロキシエチルアクリレート9.84g(84.7mmol)、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]0.02gを加え、攪拌しながら液温度を室温から50℃まで1時間かけて上げた。その後少量をサンプリングしFT−IRを測定して2300cm−1付近のイソシアネートの吸収を確認しながら、50℃にて攪拌を続けた。FT−IRの吸収面積から残留イソシアネート基の含有量見積り、その吸収が消失した時を反応終了とし、無色透明粘調性液体のウレタン結合を含む化合物を130g得た。更にビス(2,4−ペンタンジオナト)亜鉛(II)を1.08g加え20分間常温で激しく攪拌し、ウレタン結合を含む化合物と含金属化合物の複合体からなる連鎖移動剤を得た。
(B−iiii)その他添加剤
・イルガノックス1010:BASF社の商品名(老化防止剤)
・Rup-109:ADEKA社の商品名(着色防止剤混合品)
・DINP:ジイソノニルフタレート(可塑剤)
Figure 0005841859
(A)熱可塑性ポリマーと(B)紫外線硬化材料とを、表2(実施例1〜17)及び表3(比較例1〜5)に示す配合割合(質量部)で、表中に記載の膨潤混合温度、予備混合時間で、攪拌機を用いて混合し溶解又は分散させて膨潤混合物を調製した。この膨潤混合物の自己熱硬化温度(熱硬化温度)を測定し、紫外線硬化材料の熱安定性を評価した。
更に上記膨潤混合物を用いて、下記の方法でシート成型を行い、成型シートを得た。得られた成型シートを用いて、引張り試験を行い成型シート初期ヤング率を測定した。また成型シートのFT−IR測定を行い成型シート硬化率を測定した。更に、成型シートを硬化させ、引張り試験を行い紫外線硬化後初期ヤング率を測定し、FT−IR測定を行い紫外線硬化後硬化率を求めた。成型シートの硬化は、UVランプ(SEN特殊光源社製100mW/cm)を用いて成型シートの表面に紫外線を20秒間照射した。これらの結果を合わせて表2及び表3に示す。表2及び表3中の略称及び試験方法を以下に示す。
表中の略称は以下の通りである。
・PVC(700):ポリ塩化ビニル(重合度700、Tg=87℃):大洋塩ビ社製
・PVC(1000):ポリ塩化ビニル(重合度1000、Tg=87℃):大洋塩ビ社製
・PMMA:ポリメタクリル酸メチル(Mn=48000,Tg=90℃):和光純薬社製
・PP:ポリプロピレン(Mn=50000、Tg=0℃):シグマアルドリッチ社製
(熱硬化温度測定方法)
熱硬化温度の測定は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて、膨潤混合品10mgをアルミパンに秤量して10℃/minの速度での昇温DSC測定を行った。自己熱硬化反応には大きな発熱を伴うので、発熱が始まった温度を熱硬化温度とした。尚、(B)紫外線硬化材料のみを用いる場合は粘度が低いため、ガラス容器中、ラボプラストミル混練と同じ加熱温度、加熱時間で均一に攪拌した。
本実施例で用いる(B)紫外線硬化材料に用いた(メタ)アクリレート誘導体は、それぞれ150℃付近から熱硬化反応が始まるため、膨潤操作による安定化効果が無ければ、160℃以下で発熱が始まるはずである。
成型シートの耐熱性を考慮すると、100℃以下で軟化してしまう熱可塑性ポリマーの使用は現実的では無いため、ここで用いた(A)熱可塑性ポリマーの溶融成型可能温度はそれぞれ、160℃付近にある。
よって、膨潤混合されている(B)紫外線硬化材料の熱硬化温度が160℃以下にあると、溶融成型時に自己硬化を起こしてしまうため、成型不可であり、160℃以上であれば溶融成型が可能、より高ければ、より安定な状態で溶融成型可能ということになる。
(成型シート作成方法)
成型シートの作成は、膨潤混合物をラボプラストミル(東洋精機製)を用いて170℃、10分混練し、混練物をミニテストプレス機(東洋精機製)を用いて温度180℃で熱プレスを行い、0.2mm厚の成型シートを作成した。
(成型シートの初期ヤング率の測定方法)
紫外線硬化前後の成型シートを10mm×100mmの帯状に裁断して引張り試験片を作成した。引張試験機(島津製作所製)を用いて、試験片を20mm/minの引張速度で引張り試験を行い、1N−5N荷重中の初期ヤング率を測定した。紫外線硬化前の初期ヤング率は成型シート初期ヤング率として、紫外線硬化後のヤング率は紫外線硬化後初期ヤング率として表に記載した。
(硬化率の測定方法)
試験片として上記引張り試験に用いた紫外線硬化前後の成型シートを用いた。硬化率は、成型シートのFT−IRを測定し、(B)成分中の硬化重合に関わるアクリレート二重結合の吸収ピークから、アクリレート二重結合の残量を定量することにより求めた。図1に示すように、アクリレートの不飽和二重結合は811cm−1に特有の赤外吸収ピークaを持つ。この吸収ピークaは、硬化反応が進行するとアクリレートの二重結合が消費されて減少し(図1の82%硬化を参照)、アクリレートが完全に硬化すると消失する(図1の100%硬化を参照)。また成分中には重合反応と無関係のアミド基のN−H結合が775cm−1の吸収ピークbがある。吸収ピークaのスペクトル面積Aaと吸収bのスペクトル面積Abの比率Aa/Abと紫外線硬化材料の硬化率の関係を表4に示す。試験片のFT−IRの測定結果からAa/Abを算出し、そこから硬化率(%)を算出した。
Figure 0005841859
Figure 0005841859
Figure 0005841859
<評価結果>
実施例1〜11は、各(B)紫外線硬化材料を(A)熱可塑性ポリマー(PMMA:Tg=99℃、PVC:Tg=87℃)に混合する際、Tg以上の膨潤混合温度で予め混合膨潤させることで、自己熱硬化温度(熱硬化温度)がほぼ200℃付近まで高められており、(A)成分の溶融成型温度を十分上回っている。
また実施例1〜11は、成型シートの評価において、成型シート初期ヤング率が、いずれも50MPa以下を示し、柔軟性の高いシートを得ることができた。また実施例1〜11は、更に紫外線照射によって紫外線硬化後初期ヤング率が600MPa以上の硬質材料に変化している。実施例1〜11の硬化性シートは、固定材用途としての硬化性シートとしても十分な性能を備えていることを確認できた。
また実施例1〜11の硬化率は、硬化前はいずれも1%未満で、シート状に溶融成型する際は(B)紫外線硬化材料が自己熱硬化反応を起こす事無く成型されていることが確認できた。
また実施例1〜11の紫外線照射後の紫外線硬化後硬化率は90%以上である事が確認された。これにより紫外線照射による成型シート初期ヤング率から紫外線硬化後初期ヤング率への初期ヤング率の変化が、成型シートに含まれる(B)紫外線硬化材料が光硬化反応を起こしているためという事が確認できた。
上記(A)熱可塑性ポリマーとの予備的膨潤混合による(B)紫外線硬化材料の熱的安定化は、(B)成分に含まれるアクリレート基と(A)成分に含まれる極性構造が、水素結合を形成して、(B)成分の自己熱硬化反応が抑えられていると推測される。
実施例12〜14は極性構造を持っていないポリオレフィンを(A)熱可塑性ポリマーとして用いているため、極性構造を有する熱可塑性ポリマーを用いた実施例1〜11と比較すると、極性物質である(B)紫外線硬化材料と相溶効率が若干低い値となっている。
一般に低極性であるポリオレフィンは極性物質との水素結合能が低いとされている。そのため実施例12〜14は(A)熱可塑性ポリマーと(B)紫外線硬化材料の水素結合形成効率が低くなっていると推測される。それは、熱硬化温度が実施例1〜11と比較して低くなっていることから裏付けられる。
実施例12〜14は、(B)紫外線硬化材料の一部が混練中に自己熱硬化反応を引き起こしているため、成型シート初期ヤング率が高くなっている。実施例12〜14は、実施例1〜11と比較すると成型シート初期ヤング率が高くなっていても、紫外線照射後の紫外線硬化後初期ヤング率の上昇が確認できる。
実施例15、16は極性構造を持つPVCを(A)熱可塑性ポリマーとして用いたものである。(B)紫外線硬化材料は、(A)熱可塑性ポリマーのTg以下の温度で該熱可塑性ポリマーと混合されている。そのため(B)紫外線硬化材料に対する前記(A)熱可塑性ポリマーの膨潤が不十分となって、水素結合形成効率が低くなっているものと推測される。実施例15、16の成型シート初期ヤング率、成型シート硬化率は実施例12〜14と同様に、実施例1〜11と比較すると作成された成型シートの物性は劣るが、紫外線照射による紫外線硬化後初期ヤング率の上昇が確認できた。
実施例17は、膨潤混合温度を150℃としており、(B)紫外線硬化材料に含まれるアクリレートの自己熱硬化温度に近いため、膨潤混合時に自己熱硬化反応が一部平行して起こっている。そのため実施例17の成型シート初期ヤング率、成型シート硬化率は、実施例1〜11と比較して高い値を示す結果となっている。
一方、表3に示すように比較例1〜3は(B)紫外線硬化材料が全く含まれていないため、紫外線照射前後による初期ヤング率の変化はない。そもそも比較例1〜3の成型シートは、初期の状態から硬質シートとして形成され、柔軟性がないので硬化性シートとしては機能しない。
また、比較例4、5は(B)紫外線硬化材料のみから形成したシートであり、熱硬化温度が140℃以下である。これは(A)熱可塑性ポリマーの溶融成型温度を下回っている。また比較例4、5の硬化率を見ると、成型シートの状態で既に75%が硬化反応を引き起こしていることが確認された。(B)紫外線硬化材料は、安定化が達成されない状態では(A)熱可塑性ポリマーの成型温度以下の温度でも自己熱硬化反応を引き起こすことを示している。(B)紫外線硬化材料だけでは、柔軟性を有するシートの成型は不可能であることが証明された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
a アクリレートの不飽和二重結合の赤外吸収ピーク
b アミド基のN−H結合の赤外吸収ピーク

Claims (6)

  1. 熱可塑性ポリマーと(メタ)アクリレート基を含む紫外線硬化材料が混合成型されてなる単層の感光層を有するシートであって、前記感光層の初期ヤング率が200MPa以下の柔軟性を有し、更に前記感光層の初期ヤング率が紫外線照射によって200MPa超に増加するものであり、前記熱可塑性ポリマーが、極性構造を有することを特徴とする硬化性シート。
  2. 熱可塑性ポリマーと(メタ)アクリレート基を含む紫外線硬化材料が混合成型されてなる単層の感光層を有するシートであって、前記感光層の初期ヤング率が200MPa以下の柔軟性を有し、更に前記感光層の初期ヤング率が紫外線照射によって200MPa超に増加するものであり、前記感光層における前記熱可塑性ポリマーと前記紫外線硬化材料の配合割合が、質量比で熱可塑性ポリマー:紫外線硬化材料=99:1〜30:70の範囲内であることを特徴とする硬化性シート。
  3. 熱可塑性ポリマーと(メタ)アクリレート基を含む紫外線硬化材料が混合成型されてなる単層の感光層を有するシートであって、前記感光層の初期ヤング率が200MPa以下の柔軟性を有し、更に前記感光層の初期ヤング率が紫外線照射によって200MPa超に増加するものであり、前記感光層の少なくとも一方の面に粘着剤層が積層されていることを特徴とする硬化性シート。
  4. 前記感光層が、連鎖移動剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性シート。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載された硬化性シートが所定の形状に成型された状態で硬化されたものであることを特徴とする硬化性シートの硬化物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載された硬化性シートが所定の形状に成型した状態で光硬化されたものであることを特徴とする硬化性シートの硬化物。
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