JP5838886B2 - ボイラシステム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、複数のボイラを高効率燃焼位置に移行させた後に、いずれかのボイラを高効率燃焼位置よりも高い燃焼位置に移行させるボイラシステムが提案されている。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。
ボイラシステム1は、複数(4台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
本実施形態のボイラ20は、複数の段階的な燃焼位置を有する段階値制御ボイラからなる。段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整したりすること等により燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。
本実施形態においては、図3に示すように、燃焼パターンは、ボイラを高燃焼位置で燃焼させる状態(高燃焼状態)にする場合を「H」、中燃焼位置で燃焼させる状態(中燃焼状態)にする場合を「M」、低燃焼位置で燃焼させる状態(低燃焼状態)にする場合を「L」、燃焼停止状態にする場合を「−」として示す。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼位置(燃焼状態)を算出し、各ボイラ20(後述のローカル制御部25)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
また、ローカル制御部25は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の内部の蒸気圧、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
本実施形態では、ボイラ群2のうちのいずれかのボイラ20において、ベース燃焼位置としての中燃焼位置(M)と、高位燃焼位置としての高燃焼位置(H)と、の間で燃焼位置の変更が所定時間(例えば、10分間)に所定回数(例えば、5回)行われた場合、燃焼位置の変更が行われた対象ボイラの優先順位を変更する。
具体的には、例えば、図3に示すボイラ群2において、要求負荷が65%(7800kg/h)付近で安定している場合には、図3及び図4(a)に示すように、2号ボイラ、3号ボイラ及び4号ボイラが中燃焼位置(M)で燃焼し、1号ボイラが高燃焼位置(H)で燃焼する状態が継続することで、ボイラ群2により生成される蒸気量(8400kg/h)が蒸気使用設備18で使用される蒸気量(7800kg/h)を上回る。すると、蒸気ヘッダ6で測定される蒸気圧の値は、徐々に上昇する。そして、蒸気ヘッダ6で測定される蒸気圧の値が蒸気圧帯jの上限値(iの下限値)を上回ると、制御部4は、1号ボイラを中燃焼位置(M)で燃焼させる指示を出す。
具体的には、例えば、図3に示すように、蒸気ヘッダ6で測定される蒸気圧の値が蒸気圧帯lの上限値(kの下限値)をまたいで上下を繰り返す場合、1号ボイラ20及び2号ボイラ20が高燃焼位置(H)で燃焼し、3号ボイラ20及び4号ボイラ20が中燃焼位置(M)で燃焼する状態と、1号ボイラ20から3号ボイラ20が高燃焼位置(H)で燃焼し、4号ボイラ20が中燃焼位置(M)で燃焼する状態とが繰り返される。つまり、この場合、図5(a)に示すように、対象ボイラとしての3号ボイラ20が燃焼位置の変更を繰り返すこととなる。
この場合、制御部4は、対象ボイラ(ここでは3号ボイラ20)を高燃焼位置(H)で燃焼させる指示の回数が所定時間内に所定回数に達した場合、図5(b)に示すように、3号ボイラ20(優先順位3位)と、この3号ボイラの次に優先順位が高い4号ボイラ20(優先順位4位)の優先順位を入れ替える。
また、対象ボイラ(ここでは3号ボイラ20)を缶水の沸騰状態が相対的に穏やかなベース燃焼位置である中燃焼位置(M)に維持させられるので、セパレータの内部の水位を速やかに低下させられる。
具体的には、例えば、図3に示すように、蒸気ヘッダ6で測定される蒸気圧の値が蒸気圧帯mの上限値(lの下限値)をまたいで上下を繰り返す場合、1号ボイラ20から3号ボイラ20が高燃焼位置(H)で燃焼し、4号ボイラ20が中燃焼位置(M)で燃焼する状態と、1号ボイラ20から4号ボイラ20がいずれも高燃焼位置(H)で燃焼する状態とが繰り返される。つまり、この場合、図6(a)に示すように、優先順位が最下位の4位である対象ボイラとしての4号ボイラ20が燃焼位置の変更を繰り返すこととなる。
この場合、制御部4は、優先順位が最下位である対象ボイラ(ここでは4号ボイラ20)を高燃焼位置(H)で燃焼させる指示の回数が所定時間内に所定回数に達した場合には、図6(b)に示すように、4号ボイラ20(優先順位4位)と、この4号ボイラ20よりも優先順位が高い3号ボイラ20(優先順位3位)の優先順位を入れ替える。
ここでは、まず、図3及び図4(b)に示すように、ボイラ20の1号機から4号機のそれぞれに「1」〜「4」の優先順位が割り当てられている場合において、1号機のボイラ20から4号機のボイラ20がいずれもベース燃焼位置としての中燃焼位置(M)で燃焼している状態で、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の蒸気圧が蒸気圧帯iの下限値(jの上限値)である第1閾値をまたいで上下を繰り返した場合のボイラシステム1の動作について説明する。この状態では、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の蒸気圧は、図3に示す蒸気圧帯jの範囲に位置している。
例えば、本実施形態では、本発明のボイラシステム1を、4位置制御のボイラ20に適用したが、これに限らない。即ち、本発明のボイラシステム1を、3位置制御のボイラに適用してもよく、複数の中燃焼位置を有する5位置制御以上のボイラに適用してもよい。
2 ボイラ群
4 制御部
20 ボイラ
M 中燃焼位置(ベース燃焼位置)
H 高燃焼位置(高位燃焼位置)
Claims (4)
- ベース燃焼位置、及び該ベース燃焼位置よりも高い燃焼位置である高位燃焼位置を含む複数の段階的な燃焼位置で燃焼可能なボイラを複数備え、複数の前記ボイラに優先順位が設定されたボイラ群と、該ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、前記ボイラ群のうちのいずれかのボイラにおいて、前記ベース燃焼位置と前記高位燃焼位置との間で燃焼位置の変更が所定時間に所定回数行われた場合、該燃焼位置の変更が行われた対象ボイラの優先順位を変更するボイラシステム。 - 前記制御部は、複数の前記ボイラの優先順位を一つずつ繰り上げて、又は繰り下げて前記対象ボイラの優先順位を変更する請求項1に記載のボイラシステム。
- 前記制御部は、前記対象ボイラと、該対象ボイラの次に優先順位の高いボイラとの間で優先順位を入れ替えて前記対象ボイラの優先順位を変更する請求項1に記載のボイラシステム。
- 前記制御部は、前記対象ボイラの優先順位が最下位であった場合には、該対象ボイラよりも優先順位の高いいずれかのボイラとの間で優先順位を入れ替えて前記対象ボイラの優先順位を変更する請求項3に記載のボイラシステム。
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