JP2861880B2 - ボイラの自動台数制御方法 - Google Patents

ボイラの自動台数制御方法

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JP2861880B2
JP2861880B2 JP21808095A JP21808095A JP2861880B2 JP 2861880 B2 JP2861880 B2 JP 2861880B2 JP 21808095 A JP21808095 A JP 21808095A JP 21808095 A JP21808095 A JP 21808095A JP 2861880 B2 JP2861880 B2 JP 2861880B2
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義信 平木
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Miura Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、温水ボイラ、熱
媒ボイラ、蒸気ボイラ等のボイラを複数台、並列に設置
し、負荷の状況に応じてその運転台数を自動的に制御す
る自動台数制御方式において、各ボイラの稼動状況を平
均化するための稼動優先順位の決定方法を含む自動台数
制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ボイラを複数台並列に設
置し、これらのボイラの運転台数を、負荷の状況に応じ
予め設定した稼動優先順位にしたがって自動的に制御す
るようにしたボイラの多缶設置システムが実施されてい
る。このボイラの多缶設置システムは、大容量のボイラ
を1台設置するのと比較して、各ボイラを高効率で運転
することができるので、省エネルギーに顕著な効果があ
るとともに、負荷の変動に対して応答性が優れていると
いう長所を有する。
【0003】このようなボイラの多缶設置システムにお
いて、複数台のボイラのうち一部のボイラ、例えば古く
なったボイラあるいは故障したボイラを、新しいボイラ
と入れ換えた場合、次のようなことが起こる。すなわ
ち、ボイラの稼動優先順位は、通常、燃焼時間の少ない
ものから起動するように設定されるので、新しいボイラ
の方が既に設置されている古いボイラより稼動優先順位
が高くなり、新しいボイラが優先的に稼動する。その反
面、古いボイラは、いつまでたっても稼動優先順位が下
位のままで、なかなか稼動しないという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うなケースにおいても、燃焼時間の少ない新しいボイラ
を優先的に稼動させつつ、古いボイラもときどき稼動さ
せ、ボイラの稼動が一部のボイラに集中しないようにす
ることを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述の課題
に鑑みてなされたもので、複数台のボイラを設置し、こ
れらのボイラの運転台数を負荷の状況に応じ予め設定し
た稼動優先順位にしたがって制御するボイラの自動台数
制御方法において、ボイラの稼動優先順位を第1設定期
間毎に順に1つずつずらして変更し、この第1設定期間
より長い第2設定期間毎に、燃焼時間の少ないものから
順に起動する第1の条件、着火回数の少ないものから順
に起動する第2の条件、およびこれらの条件を組み合わ
せた第3の条件のうちいずれかの条件にしたがって起動
するようにボイラの稼動優先順位を変更することを特徴
としている。
【0006】
【発明の実施の形態】複数台のボイラを設置し、これら
のボイラの運転台数を負荷の状況に応じ、予め設定した
稼動優先順位にしたがって制御するボイラの自動台数制
御方法において、稼動優先順位の変更(ローテーショ
ン)を行うにあたって、第1設定期間およびこの第1設
定期間より長い第2設定期間を設定する。そして、第1
設定期間毎にボイラの稼動優先順位を順に1つずつずら
して変更し、第2設定期間毎に燃焼時間あるいは着火回
数に基づいてそれらの値が少ないものから稼動するよう
に稼動優先順位を変更する。そうすることにより、ボイ
ラの稼動が一部のボイラに集中することなく全ボイラが
万遍なく稼動する。この発明は、温水ボイラ、熱媒ボイ
ラ、蒸気ボイラ等のボイラに適用することができる。
【0007】
【実施例】以下、この発明を温水ボイラに適用した実施
例を中心にして説明する。図1において、加熱手段を有
するボイラ1を複数台、並列に設置し、これらのボイラ
1の出口管4および戻り管5を、各ボイラ1に共通の往
きヘッダー6および戻りヘッダー7にそれぞれ接続して
いる。この往きヘッダー6と戻りヘッダー7とを、負荷
2および循環ポンプ8を挿設してなる循環ライン9で接
続している。
【0008】前記往きヘッダー6および戻りヘッダー7
は、前記ボイラ1からの加熱流体の集合部3に相当す
る。前記往きヘッダー6には、加熱流体の温度Tを検出
する温度検出器10を設けている。温水ボイラや熱媒ボ
イラの場合は、前記温度検出器10により加熱流体の温
度を検出し、蒸気ボイラの場合は、通常、温度ではなく
加熱流体の圧力を検出するようにする。前記温度検出器
10は、実施に応じて前記戻りヘッダー7に設けること
もできる。また、前記温度検出器10は信号線にて台数
制御装置11に接続されており、この台数制御装置11
は前記温度検出器10からの検出信号に基づいて、前記
ボイラ1の運転台数を制御するようになっている。検出
温度が高くなればボイラ1の運転台数を減らし、検出温
度が低くなればボイラ1の運転台数を増やすように制御
する。
【0009】ボイラ1は予め設定した稼動優先順位にし
たがって運転されるように設定してあるが、各ボイラ1
の運転時間(燃焼時間)を平均化するために、適宜、稼
動優先順位の変更(ローテーション)を行うようにして
いる。
【0010】図2に示すように、まず、第1設定期間毎
(例えば1日毎)に、各ボイラの稼動優先順位を順に1
つずつずらして変更し、この第1設定期間より長い第2
設定期間毎(例えば30日毎)に、燃焼時間の少ないも
のから順に起動する第1の条件、着火回数の少ないもの
から順に起動する第2の条件、およびこれらの条件を組
み合わせた第3の条件のうちいずれかの条件にしたがっ
た起動するように各ボイラの稼動優先順位を変更するよ
うにしている。
【0011】同図に示す実施例においては、4台のボイ
ラ(A,B,C,D)を設置しており、当初、各ボイラ
の稼動優先順位はA,B,C,Dの順になっている。こ
れを第1設定期間毎(1日毎)に、各ボイラの稼動優先
順位を順に1つずつずらしてA,B,C,D→D,A,
B,C→C,D,A,B→B,C,D,Aのように変更
し、以下、これを繰り返す。その他の実施例としては、
A,B,C,D→B,C,D,A→C,D,A,B→
D,A,B,Cのように、稼動優先順位を順に1つずつ
ずらし、以下、これを繰り返すようにしてもよい。
【0012】そして、第2設定期間毎(30日毎)に、
例えば燃焼時間の少ないものから順に起動するように
(上述の第1の条件)、すなわち燃焼時間の少ない順に
稼動優先順位を変更する。このとき、この条件にしたが
って稼動優先順位を変更した結果、B,D,A,Cの順
になったとすると、再び、第1設定期間毎(1日毎)に
各ボイラの稼動優先順位を順に1つずつずらして変更
し、B,D,A,C→C,B,D,A→A,C,B,D
→D,A,C,Bのように変更する。
【0013】このようにして、第1設定期間毎の稼動優
先順位の変更と、第2設定期間毎の稼動優先順位の変更
を繰り返して行い、全ボイラを万遍なく稼動させる。
【0014】上述の、燃焼時間の少ないものから順に起
動する条件と着火回数の少ないものから順に起動する条
件とを組み合わせた第3の条件について、補足説明す
る。まず、燃焼時間の大小を比較するが、そのとき、ボ
イラの燃焼時間を所定の最小単位(例えば10時間単
位)で比較し、例えば、燃焼時間が100時間〜110
時間の範囲にあるものは、燃焼時間は同じとみなし、そ
れらのボイラは着火回数の大小により稼動優先順位を設
定するようにする。
【0015】つぎに、上述の構成についてその作用を説
明する。ボイラ1で加熱された流体は、各出口管4を通
って往きヘッダー6に集合し、この往きヘッダー6より
循環ライン9を通して負荷2に供給される。負荷2に所
定の熱量を供給した流体は、循環ライン9を通して戻り
ヘッダー7に戻り、この戻りヘッダー7より各戻り管5
を通ってボイラ1に戻る。集合部3としての前記往きヘ
ッダー6に設けた温度検出器10より、温度検出信号が
台数制御装置11に送られる。温度検出信号を受けた台
数制御装置11は、予め設定されたプログラムに従い、
流体の温度に応じてボイラ1の運転台数を制御する。
【0016】ボイラ1の稼動優先順位は予め設定された
順位にしたがうが、この稼動優先順位は、所定の期間毎
に適宜変更し、ローテーションさせるようにする。ま
ず、第1設定期間毎(例えば1日毎)に、各ボイラ1の
稼動優先順位を順に1つずつずらして変更し、これを繰
り返す。続いて、この第1設定期間より長い第2設定期
間毎(例えば30日毎)に、所定の条件にしたがって各
ボイラ1の稼動優先順位の変更を行う。所定の条件とし
ては、燃焼時間の少ないものから順に起動する第1の条
件、着火回数の少ないものから順に起動する第2の条
件、およびこれらの条件を組み合わせた第3の条件のう
ちいずれかの条件を採用する。このようにして、第1設
定期間毎の稼動優先順位の変更と、第2設定期間毎の稼
動優先順位の変更を繰り返して行う。
【0017】上述の稼動優先順位の変更方法によれば、
ボイラの稼動が一部のボイラに集中することなく、全ボ
イラが万遍なく稼動する。したがって、各ボイラの運転
時間(燃焼時間)を平均化することができ、新しいボイ
ラと古いボイラが混在しているシステムにおいても、新
しいボイラを優先的に稼動させつつ、古いボイラも適
宜、稼動させることができる。
【0018】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成であるの
で、第1設定期間毎にボイラの稼動優先順位を順に1つ
ずつずらして変更し、第2設定期間毎に燃焼時間あるい
は着火回数に基づいてそれらの値が少ないものから稼動
するように稼動優先順位を変更し、ボイラの稼動が一部
のボイラに集中することなく全ボイラを万遍なく稼動さ
せることができる。特に、新しいボイラと古いボイラが
混在しているシステムにおいても、新しいボイラを優先
的に稼動させつつも、新しいボイラに稼動が集中するこ
とがなく、古いボイラも適宜、稼動させることができ、
全ボイラを万遍なく稼動させて、各ボイラの運転時間
(燃焼時間)を平均化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す説明図である。
【図2】この発明の一実施例における稼動優先順位の変
更例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボイラ 2 負荷 3 集合部 4 出口管 5 戻り管 6 往きヘッダー 7 戻りヘッダー 8 循環ポンプ 9 循環ライン 10 温度検出器 11 台数制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台のボイラを設置し、これらのボイ
    ラの運転台数を負荷の状況に応じ予め設定した稼動優先
    順位にしたがって制御するボイラの自動台数制御方法に
    おいて、ボイラの稼動優先順位を第1設定期間毎に順に
    1つずつずらして変更し、この第1設定期間より長い第
    2設定期間毎に、燃焼時間の少ないものから順に起動す
    る第1の条件、着火回数の少ないものから順に起動する
    第2の条件、およびこれらの条件を組み合わせた第3の
    条件のうちいずれかの条件にしたがって起動するように
    ボイラの稼動優先順位を変更することを特徴とするボイ
    ラの自動台数制御方法。
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