JP6119274B2 - ボイラシステム - Google Patents
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Description
そのため、ボイラシステムにおいては、優先順位を定期的に(例えば、24時間毎に)変更して、複数のボイラの稼動状態の均一化を図っている。
そこで、優先順位を変更した場合に、優先順位の変更後に運転対象となったボイラが給蒸可能となるまでの間、運転対象外のボイラのうち給蒸可能なボイラをバックアップ燃焼させて負荷機器への蒸気の供給を安定的に行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
本実施形態のボイラシステム1は、図1に示すように、複数(6台)のボイラ20を含むボイラ群2と、ボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する圧力センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する台数制御装置4と、を備える。
ボイラ20は、負荷率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラ、又は負荷率を段階的に変更して燃焼可能な多位置制御ボイラからなる。比例制御ボイラとは、少なくとも、最小燃焼状態(例えば、最大燃焼量の20%の燃焼量における燃焼状態)から最大燃焼状態の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。また、多位置制御ボイラとは、複数の燃焼位置(燃焼停止位置、低燃焼位置、中燃焼位置及び高燃焼位置等)を備え、燃焼位置を切り換えることで、燃焼量が段階的に制御可能とされているボイラである。
ローカル圧力センサ22は、ボイラ20の内部の蒸気圧力である缶内圧力を測定する。
ローカル制御部23は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部23は、信号線14を介して台数制御装置4から送信される制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。また、ローカル制御部23は、台数制御装置4で用いられる信号を、信号線14を介して台数制御装置4に送信する。台数制御装置4で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、ローカル圧力センサ22が測定した缶内圧力に係る信号(缶内圧力信号)、及びその他のデータが挙げられる。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
台数制御装置4は、記憶部4Bと、制御部4Aと、を備える。
記憶部4Bは、台数制御装置4(制御部4A)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報、ボイラシステム1に設定された各種閾値に関する情報等を記憶する。
台数制御装置4による制御の詳細については、後述する。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置4は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力の変動を、圧力センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧力(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
本実施形態では、台数制御装置4は、複数のボイラ20の優先順位が変更されたときに、優先順位の変更後に速やかに蒸気の供給(給蒸)を開始できないボイラである給蒸不可ボイラがあった場合には、この給蒸不可ボイラの優先順位を一端繰り下げる。そして、この給蒸不可ボイラが給蒸可能な状態になったときに、一端繰り下げた優先順位を元の優先順位に復帰させる。
具体的には、本実施形態では、給蒸準備状態とは、給蒸は行っていないがボイラ20の内部の圧力を保持し、燃焼指示を受けた場合に、速やかに給蒸を開始可能とされる状態を表す。
ここでは、図2(a)に示すように、ボイラ群2が1号機〜6号機の6台のボイラ20により構成されており、1号機〜6号機のそれぞれに「1位」〜「6位」の優先順位が設定された状態から、図2(b)に示すように、1号機〜6号機のそれぞれに「6位」〜「1位」の優先順位が設定された状態に優先順位が変更された場合のボイラシステム1の動作について説明する。
尚、図2〜図4においては、斜線が付されると共にボイラの号数が太字で記載されたボイラが給蒸中のボイラを示し、斜線は付されているがボイラの号数が細字で記載されたボイラ(図3(a)等参照)が給蒸準備が完了したボイラ(給蒸可能なボイラ)を示し、無印のボイラが給蒸不可ボイラを示す。
すると、給蒸不可ボイラ選択部41は、1号機〜6号機のボイラのうち、給蒸できないボイラを給蒸不可ボイラとして選択する。ここでは、給蒸不可ボイラ選択部41は、給蒸不可ボイラとして、6号機〜4号機のボイラを選択する。
また、ここで、制御部4Aは、優先順位が1位に復帰した6号機のボイラによる給蒸を開始させ、給蒸を行っていた1号機のボイラの給蒸を停止させる。
また、ここで、制御部4Aは、優先順位が2位に復帰した5号機のボイラによる給蒸を開始させ、給蒸を行っていた2号機のボイラの給蒸を停止させる。
また、ここで、制御部4Aは、優先順位が3位に復帰した4号機のボイラによる給蒸を開始させ、給蒸を行っていた3号機のボイラの給蒸を停止させる。
制御部4Aを、給蒸不可ボイラを選択する給蒸不可ボイラ選択部41と、給蒸不可ボイラの優先順位を繰り下げる優先順位補正部と、給蒸不可ボイラを給蒸準備状態に移行させる移行指示部と、給蒸不可ボイラの給蒸準備が完了した場合に、優先順位を繰り下げ前の順位に復帰させる優先順位復帰部と、を含んで構成した。これにより、優先順位を変更した場合に給蒸不可ボイラの優先順位が高くなったとしても、この給蒸不可ボイラの優先順位を一端繰り下げ、給蒸可能なボイラ20の優先順位を繰り上げることで、優先順位に基づいたボイラ群2の燃焼制御を行いつつ、蒸気使用設備18への蒸気供給を安定的に行える。そして、給蒸不可ボイラが給蒸可能な状態になった場合に、一端繰り下げていた優先順位を元の優先順位に復帰させるので、優先順位の変更に伴って蒸気使用設備18への蒸気の供給が不安定になることを防げる。よって、複雑な制御を行うことなく、蒸気使用設備18への蒸気の供給を安定させた状態で燃焼させるボイラを変更させられる。
尚、予備ボイラの設定に関する情報は、記憶部4Bに記憶されており、予備ボイラ設定部46は、記憶部4Bに記憶された情報に基いて所定の台数のボイラ20を予備ボイラに設定する。
ここでは、図6(a)に示すように、ボイラ群2が1号機〜6号機の6台のボイラにより構成されており、1号機〜6号機のそれぞれに「1位」〜「6位」の優先順位が設定された状態から、図6(b)に示すように、1号機〜6号機のそれぞれに「6位」〜「1位」の優先順位が設定された状態に優先順位が変更された場合のボイラシステム1の動作について説明する。また、ここでは、優先順位が4位〜6位のボイラが予備ボイラに設定される場合について説明する。
即ち、この場合、優先順位の変更後には、優先順位が4位〜6位となる3号機〜1号機のボイラが予備ボイラに設定される。
すると、給蒸不可ボイラ選択部41は、1号機〜6号機のボイラのうち、給蒸できないボイラを給蒸不可ボイラとして選択する。ここでは、給蒸不可ボイラ選択部41は、給蒸不可ボイラとして、6号機〜3号機のボイラを選択する。
また、ここで、制御部4Aは、優先順位が1位に復帰した6号機のボイラによる給蒸を開始させ、給蒸を行っていた1号機のボイラの給蒸を停止させる。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、本発明を、6台のボイラ20からなるボイラ群2を備えるボイラシステム1に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、7台以上のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよく、また、5台以下のボイラからなるボイラ群を備えるボイラシステムに適用してもよい。
この場合、優先順位の変更後に要求負荷が増加し、燃焼させるボイラの台数の増加が必要になった状態で、移行指示部は、他のボイラを給蒸準備状態に移行させる。
これにより、優先順位の変更後に燃焼させる可能性の低いボイラを給蒸準備状態に移行させることなく、必要な範囲の優先順位の変更を行えるので、ボイラシステムの運転効率をより向上させられる。
2 ボイラ群
20 ボイラ
4 台数制御装置
4A 制御部
41 給蒸不可ボイラ選択部
42 優先順位補正部
43 移行指示部
44 判定部
45 優先順位復帰部
46 予備ボイラ設定部
Claims (2)
- 複数のボイラを備え、該複数のボイラに優先順位が設定されたボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
前記制御部は、
前記複数のボイラの優先順位が変更された場合に、該複数のボイラのうち、給蒸できないボイラを給蒸不可ボイラとして選択する給蒸不可ボイラ選択部と、
前記給蒸不可ボイラ選択部により選択された給蒸不可ボイラの優先順位を、給蒸できる給蒸可能ボイラよりも下位に繰り下げ、前記給蒸可能ボイラの優先順位をそれぞれ繰り上げる優先順位補正部と、
前記給蒸不可ボイラを給蒸準備状態に移行させる移行指示部と、
前記移行指示部により給蒸準備状態に移行させた給蒸不可ボイラの給蒸準備が完了したかを判定する判定部と、
前記判定部により前記給蒸不可ボイラの給蒸準備が完了したと判定された場合に、該給蒸準備が完了した給蒸不可ボイラの優先順位を繰り下げ前の順位に復帰させるとともに、前記給蒸可能ボイラの優先順位を繰り上げ前の順位に復帰させる優先順位復帰部と、を備えるボイラシステム。 - 前記制御部は、前記複数のボイラのうちの所定の台数のボイラを予備ボイラとして設定する予備ボイラ設定部を更に備え、
前記移行指示部は、前記給蒸不可ボイラ選択部により選択された給蒸不可ボイラのうち、優先順位の変更後に前記予備ボイラとして設定されていないボイラを給蒸準備状態に移行させる請求項1に記載のボイラシステム。
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