JP5838326B2 - レンズ鏡筒およびカム機構 - Google Patents
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Description
以下、図面を参照して、実施の形態1について説明する。なお、説明の便宜上、デジタルカメラ1の被写体側を前方又は正面側、撮影者側を後方又は背面側、デジタルカメラ1の横撮り姿勢における鉛直上側を上側、デジタルカメラ1の横撮り姿勢における鉛直下側を下側、被写体側から見て右側を右側、被写体側から見て左側を左側と定義する。横撮り姿勢とは、CCD110の長辺方向が水平方向と平行になり、CCD110の短辺方向が鉛直方向と平行になる姿勢である。
図1に示すように、デジタルカメラ1は、レンズ鏡筒100を備える。デジタルカメラ1は、電源スイッチ10により電源が投入されると、レンズ鏡筒100が繰り出され、撮影が可能になる。
レンズ鏡筒100は、デジタルカメラ1の電源がOFFのとき、図2に示すように、沈胴状態である。沈胴状態のとき、レンズ鏡筒100の複数の枠が繰り込まれ、光軸AX方向のサイズが小さくなっている。レンズ鏡筒100は、デジタルカメラ1の電源がONのとき、図3に示すように、撮影可能な状態である。撮影可能状態のとき、レンズ鏡筒100の複数の枠が繰り出され、光軸AX方向のサイズが大きくなっている。
レンズ駆動機構は、1群枠101と、1群直進枠102と、カム枠103と、2群直進枠104と、ブレ補正枠105と、シャッターユニット106と、固定枠107と、3群枠108と、マスターフランジ109とを備える。
固定枠107の内面には、3本の第1カム溝112と、6本の第1直進案内溝113とが形成されている。固定枠107は、第1カム溝112を介して、カム枠103を支持する。また固定枠107は、第1直進案内溝113を介して、1群直進枠102を支持する。
図8に示すように、カム枠103は、筒状の筒部117と、筒部117の後方の端部から外周側に形成された第1フランジ部118とを有する。
図4から図7に示すように、1群直進枠102は、筒状の形状である。1群直進枠102の外面には、外側に突出した6個の第1直進案内凸部127が形成されている。第1直進案内凸部127は、第1直進案内溝113と係合している。第1直進案内溝113は光軸AX方向に伸びた溝であり、第1直進案内凸部127を案内する。1群直進枠102は、第1直進案内凸部127と第1直進案内溝113とによって、固定枠107に支持され、固定枠107に対して光軸AX方向に移動可能であり、固定枠107に対して光軸AXを中心とした回転方向に回転するのが規制される。
図4から図7に示すように、2群直進枠104は、第2フランジ部130と2本の腕部131を有する。腕部131は、第2フランジ部130の内周側から、光軸AXと平行に、前方へ伸びている。
図4から図9に示すように、1群枠101は、第1レンズ群G1を支持する。また、1群枠101は、前方に、バリアユニット134を支持する。バリアユニット134は、開閉可能なバリア部135を有する。沈胴時には、バリア部135が閉じられ、バリア部135は第1レンズ群G1を保護し、また、光学系Oへの光の進入を遮る。撮影時には、バリア部135が開かれ、光学系Oに光が導かれる。
図4から図7に示すように、ブレ補正枠105は、第2レンズ群G2を支持する。ブレ補正枠105は、シャッターユニット106に支持されている。ブレ補正枠105は、シャッターユニット106に対して光軸AXと直交する面内で移動可能であり、シャッターユニット106に対して光軸AX方向への移動が規制されている。第2レンズ群G2は、光軸AXと直交する面内で移動することにより、受光面上での光学像の位置を変更する。ブレ補正枠105は駆動手段によって駆動される。たとえば、ブレ補正枠105は、デジタルカメラ1のブレに起因して発生する光学像のブレを抑制するように駆動される。
シャッターユニット106は、図示しないシャッターを内包している。シャッターが開放されているとき、シャッターユニット106は光を透過し、シャッターが閉じられているとき、シャッターユニット106は光を遮蔽する。シャッターユニット106は、光学系Oの光の透過および遮蔽を制御可能である。
図4から図7に示すように、3群枠108は、第3レンズ群G3を支持する。3群枠108は、直進ガイド部141と、回転防止部142と、ナット係合部143とを有する。直進ガイド部141には、第1ガイドポール144が挿入されている。第1ガイドポール144は、光軸AXと平行な方向に伸びている。直進ガイド部141と第1ガイドポール144との係合によって、直進ガイド部141は光軸AX方向に移動可能であり、第1ガイドポール144と直交する移動が規制されている。回転防止部142には、第2ガイドポール145が係合している。第2ガイドポール145は、光軸AXと平行な方向に伸びている。回転防止部142と第2ガイドポール145との係合によって、3群枠108が第1ガイドポール144を中心として回転するのが規制される。ナット係合部143には、フォーカスモーターユニット148のナット149が係合する。フォーカスモーターユニット148は、モーターと、モーターによって回転されるリードスクリューとを有する。リードスクリューは、光軸AX方向に伸びている。ナットは、リードスクリューと係合し、リードスクリューの回転によって光軸AX方向に駆動される。つまり、3群枠108は、フォーカスモーターユニット148によって、光軸AX方向に駆動される。
マスターフランジ109には、第1ガイドポール144と第2ガイドポール145とが固定されている。つまり、マスターフランジ109は、第1ガイドポール144および第2ガイドポール145を介して、3群枠108を支持している。
次に、レンズ鏡筒100の動作を説明する。あわせて、さらに詳細な構成についても説明する。
1群枠101は、レンズを支持する枠である。レンズを支持する強度を保証するため、筒の厚みは一定以上必要である。1群枠101は、特に、第1レンズ群G1を支持している。第1レンズ群G1は光学系Oの中で最も被写体側に配置されるため、特に大きい。そのため、第1レンズ群G1を支持する枠は、特に、厚みが大きい必要がある。一方、1群枠101に第2カム溝138を設けても、強度の低下は小さい。1群枠101に第2カム溝138を形成することにより、1群枠101を大型化することなく、また、1群枠101の強度を維持しつつ、カム枠103に対する1群枠101の駆動機構を実現することができる。なお、第2カム溝138は1群枠101の外周側に設けてもよいが、第2カム溝138を内側に設ける方が外観上好ましい。また、他の実施形態としては、第1レンズ群G1以外のレンズを保持する枠に、枠を駆動する駆動機構を構成するカム溝を設ける構成が考えられる。
シャッターユニット106の外面の第4カムピン139は、光軸AX方向に同じ位置で、かつ、光軸AXを中心に略120°ピッチで配列した3個の第4前方カムピン139Aと、第4前方カムピン139Aに対して光軸AX方向にずれた位置で、かつ、光軸AXを中心に略120°ピッチで配列した3個の第4後方カムピン139Bから成る。カム枠103の内面の第4カム溝125は、光軸AX方向に同じ位置で、かつ、光軸AXを中心に略120°ピッチで配列した3本の第4前方カム溝125Aと、第4前方カム溝125Aに対して光軸AX方向にずれた位置で、かつ、光軸AXを中心に略120°ピッチで配列した第4後方カム溝125Bから成る。
(A)実施の形態1では、1群枠101の内側にカム枠103が収容される構成であったが、1群枠101の外側にカム枠103が収容される構成であってもよい。
特許文献1に開示された1群鏡筒のように、レンズを保持する筒は、レンズを保持するための強度が必要である。そのため、レンズを保持する筒は、ある程度の厚みが必要である。レンズを保持する筒において、ある程度の厚みを維持しつつ、その一部を駆動機構等に利用すれば、直径方向の小型化を維持しつつ、駆動機構の設計自由度を高めることができる。しかし、そのような提案はいまだなされていない。
被写体の光学像を形成する光学系(O)と、
前記光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズ(第1レンズ群G1)を支持する第1の筒(1群枠101)と、
前記第1の筒の内側または外側に設けられた第2の筒(カム枠103)と、を備え、
前記第1の筒は、前記第2の筒が設けられた方の側面に、第1のカム溝(第2カム溝138)を有する、レンズ鏡筒。
(効果)直径方向の小型化を維持しつつ、駆動機構の設計自由度を高めることができるレンズ鏡筒を提供することができる。
前記第2の筒は、前記第1の筒が設けられた方の側面に、第2のカム溝(第3カム溝123)を有し、
前記第1の筒は、前記第2のカム溝と係合する第2のカムフォロア(第3カムピン137)を有する、
F1に記載のレンズ鏡筒。
(効果)カムフォロアを第1の筒と第2の筒の双方に配置できるのでカムフォロアの本数を増やすことができ、落下強度を上げることができる。
前記第1のカム溝および前記第2のカム溝(第3カム溝123)の少なくとも一方は、光軸方向の一方に壁面(124)が設けられ、他方に壁面が設けられていない区間(123B)を有する、
F2に記載のレンズ鏡筒。
(効果)光軸方向の一方に壁面が設けられ、他方に壁面が設けられていない区間を有するカム溝に係合するカムフォロアの幅を大きくすることができるため、カムフォロアの強度を高めることができる。よって、レンズ鏡筒への衝撃に対する強度を高めることができる。また、他方に壁面が設けられていないため、一方の壁面形状がアンダーカットになりにくく、金型で筒を成型する際に容易である。その際、壁面の角度を光軸と直交する角度に近づけることができ、衝撃によってカムフォロアと壁面が接触する際にカムフォロアが脱落しにくくなる。よって、レンズ鏡筒への衝撃に対する強度を高めることができる。
前記第1のカムフォロア(第2カムピン122)の前記第1のカム溝(第2カム溝138)と係合する部分の幅の最大値は、前記第2のカムフォロア(第3カムピン137)の前記第2のカム溝(第3カム溝123)と係合する部分の幅の最大値と異なる、
F2に記載のレンズ鏡筒。
(効果)設計自由度を確保できる。たとえば、設計都合で一方のカムフォロアを小さくし、他方を大きくすることで、落下強度を確保できる。
外側または内側の一方の側面に、第1のカム溝(第2カム溝138)と、第1のカムフォロア(第3カムピン137)とを有する、第1の筒(1群枠101)と、
前記第1の筒の前記側面側に配置され、前記第1のカムフォロア(第3カムピン137)と係合する第2のカム溝(第3カム溝123)と、前記第1のカム溝と係合する第2のカムフォロア(第2カムピン122)とを有する、第2の筒(カム枠103)と、
を備えるカム機構。
(効果)前記第2の筒は、前記第1の筒に対して相対的に回転することにより、前記第1の筒に対して相対的に回転軸方向に移動する。そして、カムフォロアを第1の筒と第2の筒の双方に配置できるのでカムフォロアの本数を増やすことができ、落下強度を上げることができる。
前記第1のカムフォロア(第3カムピン137)の前記第2のカム溝(第3カム溝123)と係合する部分の幅の最大値は、前記第2のカムフォロア(第2カムピン122)の前記第1のカム溝(第2カム溝138)と係合する部分の幅の最大値よりも、広い、F5に記載のカム機構。
(効果)設計自由度を確保できる。たとえば、設計都合で一方のカムフォロアを小さくし、他方を大きくすることで、落下強度を確保できる。
前記第2の筒(カム枠103)が、前記第1の筒(1群枠101)に対して相対的に回転し、前記第1の筒に対して相対的に回転軸方向に移動するとき、前記第1のカムフォロア(第3カムピン137)が移動する領域の一部は、前記第2の筒の前記回転軸方向の端部よりも外側に位置している、
F6に記載のカム機構。
(効果)第2の筒の長さを短くすることができる。とくに、第1のカムフォロアが通過する第2のカム溝が第1の筒の中で長さ方向にはみ出していることで、幅の広い溝を有する第2の筒が長さ方向に大きくなることを防げる。総合的に、カム機構全体の沈胴時の長さを小さくすることができる。
前記第1のカムフォロア(第3カムピン137)は、前記領域の一部に位置しているとき(図11または図12)、前記第1の筒と前記第2の筒が繰り込む方向の力を受けると、前記第2の筒と接触する、
F7に記載のカム機構。
(効果)筒が繰り込む方向への落下強度を確保することができる。
次に実施の形態2にかかるレンズ鏡筒200(図示せず)について説明する。ここでは、図13、14に示す1群枠201とカム枠203との関係について説明するが、レンズ鏡筒200の他の構成についての説明は省略する。なお、カム枠203は、実施の形態1におけるカム枠103と異なり、ズームモータで直接駆動されない。そのため、カム枠203は、ギア部を有していない。しかし、ギア部は、ここに開示される技術を限定するものではない。
その際の、第1補助ピン221の移動軌跡221T、および、第2補助ピン224の移動軌跡224Tを図15から図17に図示している。
(A)実施の形態2では、1群枠201の内側にカム枠203が収容される構成であったが、1群枠201の外側にカム枠203が収容される構成であってもよい。
上記実施形態において特徴的な部分を以下に列記する。なお、上記実施形態に含まれる発明は、以下に限定されるものではない。各構成の後ろに括弧で記載したものは、特徴の理解を助けるために記載した、各構成の具体例である。各構成はこれらの具体例に限定されるものではない。また、各特徴について記載された効果を得るためは、記載された特徴以外の構成は変形または削除されてもよい。
レンズ鏡筒200は、
被写体の光学像を形成する光学系(O)と、
前記光学系(O)に含まれる少なくとも1枚のレンズ(G1)を支持する第1の筒(1群枠201)と、
前記第1の筒の内側または外側に設けられた第2の筒(カム枠203)と、を備え、
前記第1の筒および前記第2の筒の一方(カム枠203)は、カム溝(第2カム溝222)を有し、
前記第1の筒および前記第2の筒の他方(1群枠201)は、前記カム溝と係合するカムフォロア(第2カムピン223)を有し、
前記第1の筒は、前記第2の筒の側に突出した第1の突起(第2補助ピン224)を有し、
前記第2の筒は、前記第1の筒の側に突出した第2の突起(第1補助ピン221)を有し、
前記第1の筒は、前記カムフォロアが前記カム溝に沿って移動するときに前記第2の突起(第1補助ピン221)が移動する移動軌跡に沿って形成された第1の壁(壁230)を有し、
前記第2の筒は、前記カムフォロアが前記カム溝に沿って移動するときに前記第1の突起(第2補助ピン224)が移動する移動軌跡に沿って形成された第2の壁(第1補助溝225)を有する。
100 レンズ鏡筒
O 光学系
AX 光軸
101 1群枠
102 1群直進枠
103 カム枠
104 2群直進枠
105 ブレ補正枠
106 シャッターユニット
107 固定枠
108 3群枠
110 CCD
G1 第1レンズ群
112 第1カム溝
113 第1直進案内溝
114 第1駆動ギア
115 取付部
116 ズームモーターユニット
117 筒部
118 第1フランジ部
119 第1カムピン
120 ギア部
121 第1バヨネット係合部
122AT 移動軌跡
122BT 移動軌跡
122A 第2前方カムピン
122B 第2後方カムピン
122 第2カムピン
123 第3カム溝
124 壁面
125A 第4前方カム溝
125B 第4後方カム溝
125 第4カム溝
126 第2バヨネット係合部
127 第1直進案内凸部
128 第2直進案内溝
129 第3バヨネット係合部
130 第2フランジ部
131 腕部
132 第2直進案内凸部
133 第4バヨネット係合部
134 バリアユニット
135 バリア部
136 第3直進案内凸部
137T 移動軌跡
137 第3カムピン
138A 第2前方カム溝
138B 第2後方カム溝
138 第2カム溝
139A 第4前方カムピン
139B 第4後方カムピン
139 第4カムピン
140 第3直進案内溝
141 直進ガイド部
142 回転防止部
143 ナット係合部
144 第1ガイドポール
145 第2ガイドポール
146 CCD取付板
147 開口部
148 フォーカスモーターユニット
149 ナット
200 レンズ鏡筒
201 1群枠
203 カム枠
221 第1補助ピン
221T 移動軌跡
222 第2カム溝
223 第2カムピン
224 第2補助ピン
224T 移動軌跡
225 第1補助溝
230 壁
Claims (3)
- 外側または内側の一方の側面に、第1のカム溝と、第1のカムフォロアとを有する、第1の筒と、
前記第1の筒の前記側面側に配置され、前記第1のカムフォロアと係合する第2のカム溝と、前記第1のカム溝と係合する第2のカムフォロアとを有する、第2の筒と、
を備え、
前記第2のカムフォロアの前記第1のカム溝と係合する部分の幅の最大値は、前記第1のカムフォロアの前記第2のカム溝と係合する部分の幅の最大値よりも、広く、
前記第2の筒が、前記第1の筒に対して相対的に回転し、前記第1の筒に対して相対的に回転軸方向に移動するとき、前記第1のカムフォロアが移動する領域の一部は、前記第2の筒の前記回転軸方向の端部よりも外側に位置している、カム機構。 - 前記第1のカムフォロアは、前記領域の一部に位置しているとき、
前記第1の筒と前記第2の筒が繰り込む方向の力を受けると、前記第2の筒と接触する、
請求項1に記載のカム機構。 - 被写体の光学像を形成する光学系と、
前記光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズを支持する第1の筒と、
前記第1の筒の内側または外側に設けられた第2の筒と、を備え、
前記第1の筒および前記第2の筒の一方は、カム溝を有し、
前記第1の筒および前記第2の筒の他方は、前記カム溝と係合するカムフォロアを有し、
前記第1の筒は、前記第2の筒の側に突出した第1の突起を有し、
前記第2の筒は、前記第1の筒の側に突出した第2の突起を有し、
前記第1の筒は、前記カムフォロアが前記カム溝に沿って移動するときに前記第2の突起が移動する移動軌跡に沿って形成された第1の壁を有し、
前記第2の筒は、前記カムフォロアが前記カム溝に沿って移動するときに前記第1の突起が移動する移動軌跡に沿って形成された第2の壁を有する、レンズ鏡筒。
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