JP2009128714A - レンズ鏡筒の製造方法、レンズ鏡筒、及び、カメラ - Google Patents

レンズ鏡筒の製造方法、レンズ鏡筒、及び、カメラ Download PDF

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Abstract

【課題】小型化することができるレンズ鏡筒の製造方法、レンズ鏡筒、及び、カメラを提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒の製造方法は、被写体側レンズ群の配置位置を、設計位置と、設計位置よりも被写体側の位置と、設計位置よりも像面側の位置であって被写体側の位置の調整代よりも大きい調整代をもたせた位置とに位置決め可能な位置決め手段によって、被写体側レンズ群の配置位置を設計位置に位置決めし(#101)、撮影光学系を第1の焦点距離に設定し(#102)、第1の焦点距離で撮影光学系の結像位置のずれを測定し(#103)、撮影光学系を第2の焦点距離に設定し(#104)、第2の焦点距離で撮影光学系の結像位置のずれを測定し(#105)、測定値の差分を計算し(#106)、位置決め手段によって、差分を減少させるように、被写体側レンズ群を調整位置に位置決めする(#107)。
【選択図】図3

Description

本発明は、レンズ鏡筒の製造方法、レンズ鏡筒、及び、カメラに関するものである。
従来、レンズ鏡筒のバックフォーカス調整は、ズームレンズを光軸方向に移動させ、望遠端(Tele)と広角端(Wide)とで差をとった後に、フォーカスレンズで残差分を補正するものであり、このときのズームレンズの移動量は、被写体方向と像面方向とでほぼ同じであった(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来の方法では、調整するズームレンズの移動量が被写体方向と像面方向とでほぼ同じであるため、その分のストロークを確保する必要があり、レンズ鏡筒の全長が長くなってしまうという問題があった。
また、ストロークが長くなると、レンズバリアとレンズとの距離が離れるため、レンズバリアの開口部も大きくなってしまうという問題があった。
特開2003−329912号公報
本発明の課題は、小型化することができるレンズ鏡筒の製造方法、レンズ鏡筒、及び、カメラを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の一実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、複数のレンズ群(L1,L2,L3)を有し、撮影光学系の焦点距離を第1の焦点距離及び前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離との間で変更可能なレンズ鏡筒(1)を製造するレンズ鏡筒の製造方法であって、前記複数のレンズ群(L1,L2,L3)のうち最も被写体側の被写体側レンズ群(L1)の配置位置を、設計位置と、前記設計位置よりも被写体側の位置と、前記設計位置よりも像面側の位置であって前記被写体側の位置の調整代よりも大きい調整代をもたせた位置とに位置決め可能な位置決め手段(W)があり、前記位置決め手段(W)によって、前記被写体側レンズ群(L1)の配置位置を設計位置に位置決めする設計位置位置決め工程(#101)と、前記被写体側レンズ群(L1)を設計位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第1の焦点距離に設定する第1の撮影光学系設定工程(#102)と、前記第1の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子(20)の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第1の測定工程(#103)と、前記被写体側レンズ群(L1)を設計位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第2の焦点距離に設定する第2の撮影光学系設定工程(#104)と、前記第2の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子(20)の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第2の測定工程(#105)と、前記第1及び第2の測定工程(#104,#105)で測定した測定値の差分を計算する計算工程(#106)と、前記位置決め手段(W)によって、前記計算工程(#106)で計算した前記差分を減少させるように、前記被写体側レンズ群(L1)を調整位置に位置決めする調整位置位置決め工程(#107)と、を備えるレンズ鏡筒の製造方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒の製造方法において、前記調整位置位置決め工程(#107)によって前記被写体側レンズ群(L1)を調整位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第1の焦点距離に設定する第3の撮影光学系設定工程(#108)と、前記第1の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子(20)の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第3の測定工程(#109)と、前記調整位置位置決め工程(#107)によって前記被写体側レンズ群(L1)を調整位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第2の焦点距離に設定する第4の撮影光学系設定工程(#110)と、前記第2の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子(20)の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第4の測定工程(#111)と、前記第3の測定工程(#109)で測定した前記第1の焦点距離での測定値に基づいて、前記撮影光学系の結像位置と撮像素子(20)の設計位置とのずれをなくす方向に、前記被写体側レンズ群(L1)よりも像面側の像面側レンズ群(L3)を移動させる第1の像面側レンズ群移動工程(#112)と、前記第1の像面側レンズ群移動工程(#112)で移動させた、前記第1の焦点距離における前記像面側レンズ群(L3)の移動量を記憶部に記憶させる第1の記憶工程(#113)と、前記第4の測定工程(#111)で測定した前記第2の焦点距離での測定値に基づいて、前記撮影光学系の結像位置と撮像素子(20)の設計位置とのずれをなくす方向に、前記像面側レンズ群(L3)を移動させる第2の像面側レンズ群移動工程(#114)と、前記第2の像面側レンズ群移動工程(#114)で移動させた、前記第2の焦点距離における前記像面側レンズ群(L3)の移動量を記憶部に記憶させる第2の記憶工程(#115)と、を備えるレンズ鏡筒の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒の製造方法において、前記調整位置位置決め工程(#107)は、前記位置決め手段(W)によって、前記被写体側レンズ群(L1)を像面側に移動させること、を特徴とするレンズ鏡筒の製造方法である。
請求項4の発明は、請求項2に記載のレンズ鏡筒の製造方法において、前記第1及び第2の像面側レンズ群移動工程(#112,#114)は、前記像面側レンズ群(L3)を被写体側に移動させること、を特徴とするレンズ鏡筒の製造方法である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒の製造方法によって製造されたレンズ鏡筒(1)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のレンズ鏡筒(1)と、前記レンズ鏡筒(1)の撮影光学系によって結像される像を撮像する撮像素子(20)と、を備えるカメラ(3)である。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
本発明によれば、小型化することができるレンズ鏡筒の製造方法、レンズ鏡筒、及び、カメラを提供することができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげて、さらに詳しく説明する。
[実施形態]
図1は、実施形態のレンズ鏡筒を示す断面図である。
レンズ鏡筒1は、例えば、レンズ鏡筒一体型のデジタルカメラの沈胴式のレンズ鏡筒であり、撮影光学系の焦点距離を望遠端と広角端との間で変更可能なズーム式のレンズ鏡筒である。
レンズ鏡筒1は、撮像光学系として、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、LPF(ローパスフィルタ)10、撮像素子20を備えている。なお、本実施形態では、各レンズ群は、1つのレンズから構成する例で説明するが、複数のレンズで構成してもよい。
また、レンズ鏡筒1は、第1群筒110、回転カム筒120、固定筒130、第3レンズ室140、撮像素子固定部材150、シャッタユニット200、ブレ補正(VR)ユニット300を備えている。
第1レンズ群L1は、最も被写体側に配置されたズームレンズ群であり、後述する第1レンズ室111によって光軸I方向に移動可能に支持されている。
第2レンズ群L2は、手振れ補正用のレンズ群であり、第1レンズ群L1の像面側に配置され、ブレ補正VRユニット300によって光軸Iと直交する方向に変位(シフト)することによって結像面における像ブレを低減するものである。
第3レンズ群L3は、フォーカスレンズ群であり、第2レンズ群L2の像面側に設けられ、第3レンズ室140によって光軸I方向に移動可能に支持されている。
LPF10は、第3レンズ群L3の像面側に設けられ、撮像素子20の出力画像におけるモアレの発生等を防止する光学式のフィルタである。
撮像素子20は、LPF10の像面側に配置され、例えば、CCD(charge coupled device)、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)等の光−電気変換素子を備え、その撮像面に、レンズ鏡筒1の撮影光学系によって結像される被写体像を撮像するものである。この撮像素子20は、撮像素子固定部材150に固定されている。
第1群筒110は、レンズ鏡筒1の鏡胴を構成する部材のうち使用時(撮影時)に最も被写体側に繰り出される筒体であり、その内径側には第1レンズ室111が結合されており、被写体側の先端部にはレンズバリア112が配置されている。第1群筒110は、外周面部に回転カム筒120の内周面のカム溝に挿入される突起状のカムフォロワピンを備え、後述する直進ガイド部材121によって光軸方向に平行移動可能に支持されている。
第1レンズ室111は、その内径側に第1レンズ群L1が固定される枠体であり、第1群筒110の被写体側の先端部に固定されている。
第1レンズ室111は、第1群筒110に結合されており、後述するように、第1レンズ室111と第1群筒110との間にはワッシャーWが入る構造になっている。
レンズバリア112は、第1群筒110の被写体側の先端部に配置され、レンズ鏡筒1の収納時(沈胴時)に第1レンズ群L1の被写体側の面をカバーする遮蔽部材113を備えている。
レンズバリア112は、開口部を有するケースを備え、そのケース内には、摺動シートを貼り付けた板金の間に4枚の羽根が配置され、その羽根が動く構造になっている。開口部の形状は、有効光線Aが蹴られないようにするために、後述するバックフォーカス調整で第1レンズ群L1が最も像面側に移動したときの状態から決定している。
回転カム筒120は、固定筒130の内径側に挿入されるとともに、その内径側に第1群筒110が挿入される筒体であり、直進ガイド部材121を備えている。
回転カム筒120は、外周面部に固定筒130の内周面部のカム溝に挿入される突起状のカムフォロワピンを備えている。また、回転カム筒120は、第1群筒110のカムフォロワピンが挿入されるカム溝がその内周面部に形成されている。
回転カム筒120は、固定筒130に対して光軸回りに回転可能でありかつ光軸方向に移動可能に支持され、その外周面部に形成されたギア列をギア122によって駆動することによって、光軸方向に移動するとともに、第1群筒110を回転カム筒120に対して光軸方向に移動させるものである。
直進ガイド部材121は、回転カム筒120と第1群筒110との間に配置され、第1群筒110を固定筒130に対して光軸回りに回転しないように直進案内するものである。
ギア122は、回転カム筒120の外周面部に形成されたギア120aと噛合し、DCモータの動力を用いて回転カム筒120を回転駆動するものである。
ギア軸123は、ギア122を固定筒130に対して回転可能に支持するものである。
固定筒130は、カメラボディ2に固定される筒体であり、その内周面部に、回転カム筒120のカムフォロワピンが挿入されるカム溝が形成されている。
第3レンズ室140は、第3レンズ群L3を収容する枠体を有し、固定筒130に対して光軸I方向に移動可能に支持されている。
また、第3レンズ室140は、ナット部141、スクリュ142、ステッピングモータ143、ガイドバー144等により構成されたユニットによって、光軸I方向に移動させることができる。
ナット部141は、スクリュ142とネジ結合されるネジ部が形成されている。
スクリュ142は、光軸Iと平行に延在し、ナット部141のネジ部に挿入され、これが回転することによって第3レンズ室140を光軸方向に送るものである。
ステッピングモータ143は、ギアを介してスクリュ142に接続され、このスクリュ142を回転駆動するものである。
ガイドバー144は、第3レンズ室140を光軸I方向に案内するものである。
撮像素子固定部材150は、固定筒130の光軸I方向の像面側の端部に配置され、LPF10、撮像素子20が固定されるものである。
シャッタユニット200は、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置され、被写体光の通過を許容する開状態と、被写体光の通過を許容しない閉状態との間を移行する樹脂製の薄片を備えている。
VRユニット300は、第2レンズ群L2に連結して配置され、第2レンズ群L2を光軸Iと直交する方向に変位させることによって、レンズ鏡筒1の振動に起因する被写体像の像ブレを低減するものである。
以下、上述したレンズ鏡筒1の動作について説明する。
レンズ鏡筒1が収納状態から使用状態に変化する際には、回転カム筒120は、ギア122によって光軸I回りに回転駆動され、第1群筒110は、各カム機構によって光軸I方向の被写体側に繰り出される。このとき、レンズバリア112は、第1群筒110の繰り出しに連動して開かれる。
また、レンズ鏡筒1が使用状態から収納状態に変化する際には、回転カム筒120は、ギア122によって光軸I回りに逆方向に回転駆動され、第1群筒110は、各カム機構によって光軸I方向の像面側の所定の位置まで引き込まれる。これと連動して、レンズバリア112は閉じられる。
次に、図2〜図4を参照しながら、レンズ鏡筒1の製造方法について説明する。
図2は、第1レンズ群L1の移動状態を示す図であって、図1のB部分付近の拡大図であり、図3は、レンズ鏡筒1の製造方法を示す工程図であり、図4は、コリメータの測定値の一例を示す図である。
レンズ鏡筒1の製造方法は、その工程の中に、バックフォーカス調整の工程が含まれている。
バックフォーカス調整は、コリメータ等の機器を用いて行うものであり、レンズや鏡筒の部品の製造誤差によって生じる無限遠のピントのずれ、すなわち、無限遠物体に焦点合わせをしたときの、コリメータによる測定値と設計値とのずれを修正する作業である。
本実施形態においては、バックフォーカス調整は、第1レンズ群L1と第3レンズ群L3との配置位置を調整することによって行う。第1レンズ群L1の調整は、第1レンズ室111に挿入するワッシャーWの厚みを変更することによって行い、第3レンズ群L3の調整は、ステッピングモータ143を駆動させることにより第3レンズ群L3の配置位置を変更することによって行う。
ここで、第1レンズ群L1の調整に用いるワッシャーWは、厚みが異なるものが予め複数用意されており、その厚みによって、第1レンズ群L1の配置位置を、設計位置と、設計位置よりも像面側の位置とに位置決めすることができる。図2(A)では、第1レンズ群L1の配置位置を、設計位置に配置するワッシャーW1が挿入されている。図2(B)では、ワッシャーW1が挿入されておらず、第1レンズ群L1の配置位置を、設計位置よりも像面側の位置に位置決めすることができる。なお、図2では、2段階の調整が可能である例を図示しているが、厚みの異なるワッシャーを多数用意して、第1レンズ群L1の配置位置を、多段階で調整するようにすることもできる。
図3に示すように、この状態において、まず、第1レンズ群L1の配置位置を設計位置に位置決め可能なワッシャーW1を用いて、第1レンズ群L1を設計位置に位置決めする(設計位置位置決め工程;#101;図2(A))。
ついで、第1レンズ群L1を設計位置に位置決めした状態で、回転カム筒120を回転させ、撮影光学系の焦点距離を望遠端に設定する(第1の撮影光学系設定工程;#102)。そして、無限遠物体にピントをあわせる。
さらに、撮影光学系の焦点距離を望遠端に設定した状態で、撮影光学系の結像位置が撮像素子20の設計位置に対してどの程度ずれているかを、コリメータで測定する(第1の測定工程;#103)。
今度は、第1レンズ群L1を設計位置に位置決めした状態で、回転カム筒120を回転させ、撮影光学系の焦点距離を広角端に設定する(第2の撮影光学系設定工程;#104)。
ついで、撮影光学系の焦点距離を広角端に設定した状態で、撮影光学系の結像位置が撮像素子20の設計位置に対してどの程度ずれているかを、コリメータで測定する(第2の測定工程;#105)。
さらに、望遠端と広角端とで測定した、コリメータの測定値の差分を計算する(計算工程;#106)。
そして、上記差分を減少させるワッシャーWによって、第1レンズ群L1を調整位置に位置決めする(調整位置位置決め工程;#107)。
具体的には、望遠端と広角端とで測定した、コリメータの測定値の差分より、第1レンズ群L1の移動量を決定する。つまり、コリメータの測定値に基づいて、適切な厚みのワッシャーWを選択し、そのワッシャーWを挿入し、バックフォーカスが所定値となるように合わせ込む作業を行う。これは、バックフォーカス調整前の段階においては、レンズや部品の製造誤差により、バックフォーカスが被写体側にずれているか、像面側にずれているかが不明であるからである。
差分を計算して、望遠端の結像位置が広角端の結像位置より被写体側にある場合は、ワッシャーWの厚さを変更して、第1レンズ群L1を像面側に移動させる。場合によっては、図2(B)に示すように、ワッシャーW1を取り外してしまうこともある。
広角端の結像位置が望遠端の結像位置より被写体側にある場合は、ワッシャーW1は変更しない。その代わり、後述するように、第3レンズ群L3を被写体側に移動させて調整を行う。
第3レンズ群L3の移動係数は、第1レンズ群L1の移動係数より小さいため、第1レンズ群L1で調整を行う場合より第3レンズ群L3で調整を行う場合の方が、調整ストロークは多く必要になる。しかし、撮影状態において、第3レンズ群L3は、被写体側に移動スペースがあり、第3レンズ群L3のストロークは、被写体方向に余裕があるので(図1参照)、問題なく調整することができる。
次に、第1レンズ群L1を調整位置に位置決めした状態で、撮影光学系の焦点距離を、再度、望遠端に設定する(第3の撮影光学系設定工程;#108)。
ついで、撮影光学系の焦点距離を望遠端に設定した状態で、撮影光学系の結像位置が撮像素子20の設計位置に対してどの程度ずれているかを、コリメータで測定する(第3の測定工程;#109)。
今度は、第1レンズ群L1を調整位置に位置決めした状態で、撮影光学系の焦点距離を、再度、広角端に設定する(第4の撮影光学系設定工程;#110)。
さらに、撮影光学系の焦点距離を広角端に設定した状態で、撮影光学系の結像位置が撮像素子20の設計位置に対してどの程度ずれているかを、コリメータで測定する(第4の測定工程;#111)。
なお、望遠端と広角端以外にも、望遠端と広角端との間の部分(ミドル)で同様の測定を行ってもよい。測定点は、レンズ鏡筒1の構成や求める精度によって適宜変更することができる。例えば、望遠端とミドルと広角端とで測定した場合の測定値の一例を図示すると、図4のようになる。
図4のような測定結果であれば、広角端(W)では、設計値からのずれがないので第3レンズ群L3の調整が不要であることが分かる。また、ミドル(M)では、第3レンズ群L3を少し被写体側に移動させる必要があることが分かる。さらに、望遠端(T)では、第3レンズ群L3を多めに被写体側に移動させる必要があることが分かる。
そして、望遠端での測定値に基づいて、被写体側に第3レンズ群L3を移動させる(第1の像面側レンズ群移動工程;#112)。
また、望遠端での第3レンズ群L3の移動量をメモリ等の記憶部に記憶させる(第1の記憶工程;#113)。
同様にして、広角端での測定値に基づいて、被写体側に第3レンズ群L3を移動させる(第2の像面側レンズ群移動工程;#114)。
そして、広角端での第3レンズ群L3の移動量を記憶部に記憶させる(第2の記憶工程;#115)。
なお、図4のような測定値であった場合は、広角端では第3レンズ群L3を移動させる必要はないが、移動量は0と記憶させておく。また、必要に応じて、ミドルでの第3レンズ群L3の移動量を記憶部に記憶させてもよく、その他の点をスプライン補完等で補うようにしてもよい。
このようなバックフォーカス調整により、第1レンズ群L1は、ワッシャーWによって適切な位置に配置され、第3レンズ群L3は、記憶部に記憶された移動量によって、撮影時には適切な位置に配置されるようになる。
このように、本実施形態によれば、バックフォーカス調整において、第1レンズ群L1の移動は像面方向のみとし、第3レンズ群L3の移動は被写体方向のみとしているので、第1レンズ群L1を被写体側に移動させる必要はなくなり、鏡筒外形や沈胴厚を小型化することができる。
図5は、比較例のレンズ鏡筒を示す図である。
比較例のレンズ鏡筒1Aは、図5(B)の位置が設計位置となっており、第1レンズ群L1を被写体側と(図5(A)参照)、像面側と(図5(C)参照)の両方に移動してバックフォーカス調整を行うものである。第1レンズ群L1を設計位置に位置決めする場合は、ワッシャーW1を挿入し、設計位置よりも被写体側に位置決めする場合は、ワッシャーW1よりも厚みの厚いワッシャーW2を挿入し、設計位置よりも像面側に位置決めする場合は、ワッシャーWを取り外すことによって行っている。
従って、第1レンズ群L1の調整ストロークは、図5(B)の状態から、両方向に確保する必要があるため、第1群筒110Aの長さは長くなり沈胴厚も厚くなる。また、有効光線Aが蹴られてしまわないようにするために、図5(C)の状態の第1レンズ群L1が最も像面側に移動したときの状態を想定して、レンズバリア112の開口部を設計する必要があり、鏡筒外形も大きくなってしまう。
また、第3レンズ群L3は、上述した実施形態のレンズ鏡筒1ほど、被写体方向に移動させる必要はなくなるものの、その部分には構造物は配置されていないのでデットスペースとなる。
これに対して、実施形態のレンズ鏡筒1は、鏡筒全長や鏡筒外形を小型化することができ、第3レンズ群L3の被写体側の空間も有効利用することができる。
[変形形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述した実施形態では、バックフォーカス調整において、第1レンズ群L1の移動は像面方向のみとし、第3レンズ群L3の移動は被写体方向のみとする例で説明したが、第1レンズ群L1の調整代が被写体側よりも像面側のほうが大きければ、第1レンズ群L1を被写体側に移動させてもよい。
この場合は、第1レンズ群L1の配置位置を、設計位置と、設計位置よりも被写体側の位置と、設計位置よりも像面側の位置であって被写体側の位置の調整代よりも大きい調整代をもたせた位置とに位置決め可能な複数のワッシャーを用意する。
このようにしても、第1レンズ群L1の調整領域は、被写体側よりも像面側の方が大きいので、第1レンズ群L1を最も被写体側に調整した位置でレンズ鏡筒を設計しても、鏡筒外形や沈胴厚を小型化することができる。
(2)上述した実施形態では、第1レンズ群L1の配置位置の調整は、ワッシャーWの厚みによって調整する例で説明したが、第1レンズ室111に通じる専用のネジ等を第1群筒110に設け、そのネジで第1レンズ群L1の配置位置を調整するようにしてもよい。
(3)上述した実施形態では、デジタルカメラのレンズ鏡筒の例で説明したが、本発明はこれに限らず、ビデオカメラ(ムービーカメラ)や交換レンズにも適用することができる。また、例えば、携帯電話機や携帯情報端末等に組み込まれるレンズ鏡筒、カメラにも適用することをできる。
なお、上述した実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した実施形態や変形形態によって限定されることはない。
実施形態のレンズ鏡筒を示す断面図である。 第1レンズ群L1の移動状態を示す図である。 レンズ鏡筒1の製造方法を示す工程図である。 コリメータの測定値の一例を示す図である。 比較例のレンズ鏡筒を示す図である。
符号の説明
1:レンズ鏡筒、2:カメラボディ、20:撮像素子、L1:第1レンズ群、L2:第2レンズ群、L3:第3レンズ群、W:ワッシャー

Claims (6)

  1. 複数のレンズ群を有し、撮影光学系の焦点距離を第1の焦点距離及び前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離との間で変更可能なレンズ鏡筒を製造するレンズ鏡筒の製造方法であって、
    前記複数のレンズ群のうち最も被写体側の被写体側レンズ群の配置位置を、設計位置と、前記設計位置よりも被写体側の位置と、前記設計位置よりも像面側の位置であって前記被写体側の位置の調整代よりも大きい調整代をもたせた位置とに位置決め可能な位置決め手段があり、
    前記位置決め手段によって、前記被写体側レンズ群の配置位置を設計位置に位置決めする設計位置位置決め工程と、
    前記被写体側レンズ群を設計位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第1の焦点距離に設定する第1の撮影光学系設定工程と、
    前記第1の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第1の測定工程と、
    前記被写体側レンズ群を設計位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第2の焦点距離に設定する第2の撮影光学系設定工程と、
    前記第2の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第2の測定工程と、
    前記第1及び第2の測定工程で測定した測定値の差分を計算する計算工程と、
    前記位置決め手段によって、前記計算工程で計算した前記差分を減少させるように、前記被写体側レンズ群を調整位置に位置決めする調整位置位置決め工程と、
    を備えるレンズ鏡筒の製造方法。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒の製造方法において、
    前記調整位置位置決め工程によって前記被写体側レンズ群を調整位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第1の焦点距離に設定する第3の撮影光学系設定工程と、
    前記第1の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第3の測定工程と、
    前記調整位置位置決め工程によって前記被写体側レンズ群を調整位置に位置決めした状態で、前記撮影光学系を前記第2の焦点距離に設定する第4の撮影光学系設定工程と、
    前記第2の焦点距離で、前記撮影光学系の結像位置が撮像素子の設計位置に対してどの程度ずれているかを測定する第4の測定工程と、
    前記第3の測定工程で測定した前記第1の焦点距離での測定値に基づいて、前記撮影光学系の結像位置と撮像素子の設計位置とのずれをなくす方向に、前記被写体側レンズ群よりも像面側の像面側レンズ群を移動させる第1の像面側レンズ群移動工程と、
    前記第1の像面側レンズ群移動工程で移動させた、前記第1の焦点距離における前記像面側レンズ群の移動量を記憶部に記憶させる第1の記憶工程と、
    前記第4の測定工程で測定した前記第2の焦点距離での測定値に基づいて、前記撮影光学系の結像位置と撮像素子の設計位置とのずれをなくす方向に、前記像面側レンズ群を移動させる第2の像面側レンズ群移動工程と、
    前記第2の像面側レンズ群移動工程で移動させた、前記第2の焦点距離における前記像面側レンズ群の移動量を記憶部に記憶させる第2の記憶工程と、
    を備えるレンズ鏡筒の製造方法。
  3. 請求項1に記載のレンズ鏡筒の製造方法において、
    前記調整位置位置決め工程は、前記位置決め手段によって、前記被写体側レンズ群を像面側に移動させること、
    を特徴とするレンズ鏡筒の製造方法。
  4. 請求項2に記載のレンズ鏡筒の製造方法において、
    前記第1及び第2の像面側レンズ群移動工程は、前記像面側レンズ群を被写体側に移動させること、
    を特徴とするレンズ鏡筒の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒の製造方法によって製造されたレンズ鏡筒。
  6. 請求項5に記載のレンズ鏡筒と、
    前記レンズ鏡筒の撮影光学系によって結像される像を撮像する撮像素子と、
    を備えるカメラ。
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