JP5836652B2 - インプリント方法、インプリント装置及び物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インプリント方法、インプリント装置及び物品の製造方法に関する。
特許文献1には、基板の外周を含む周辺ショット領域に対する3つの態様のインプリント方法が記載されている。第1の態様では、周辺ショット領域についてはインプリント処理を行わない。第2の態様では、基板の外周を含まない内側ショット領域をインプリントするために使用する型を用いて周辺ショット領域にインプリント処理を行う。第3の態様では、内側ショット領域をインプリントするために使用する型とは異なる、周辺ショット領域の形状に対応する型を用いて周辺ショット領域にインプリント処理を行う。
特開2007-019466号公報
ショット領域は、通常、複数のチップ領域を含む。第1の態様では、周辺ショット領域にチップパターンを形成しないため、歩留まりが低い。第2の態様では、周辺ショット領域内の基板の外周を含まないチップ領域(有効チップ領域)にチップパターンが有効に転写され、基板の外周を含むチップ領域(無効チップ領域)に転写されたチップパターンのみが無効とされる。そのため、第2の態様は、歩留まりの面では第1の態様よりも優れている。第2の態様では、内側ショット領域をインプリントするために使用する型を使用して周辺ショット領域をインプリントするので、周辺ショット領域の全域に樹脂を塗布すると推察される。その場合、周辺ショット領域のインプリント処理を行うときに、基板の周辺に位置する無効チップ領域に塗布された樹脂が型と基板との間から基板の外に押し出されてしまうおそれがある。インプリント装置は、基板上に微細なパターンを転写する装置であるため、押し出された樹脂が型または基板保持部に付着してしまうことは信頼性の面で好ましくない。特に、型に樹脂が付着すると、パターン欠陥を引き起こす可能性が大きい。
第3の態様は、周辺ショット領域のインプリント処理に内側ショット領域用の型を使用すると応力集中等により当該型の破損を生じるおそれがあるので、周辺ショット領域に対応する形状の型を使用する。第3の態様における周辺領域に対するインプリント処理は、ドライエッチングやイオン注入等のプロセスにおける基板全体の均一性を向上させるためのもので、しかも、インプリント処理を有効チップ領域と無効チップ領域とで区別して行うものではない。また、周辺領域に対するインプリント処理を、周辺ショット領域の全域に樹脂を塗布して行うと、第2の態様と同様に、樹脂が型と基板との間から基板の外に押し出されてパターン欠陥を引き起こすおそれがある。さらに、第3の態様では、内側ショット領域のショットレイアウト等に応じて周辺ショット領域の形状が変わるとその形状に対応する周辺ショット領域の型を新たに用意しなければならない。そのため、第3の態様では、周辺ショット領域用の型を多数用意することで高コストを要する。
本発明は、パターン欠陥の発生の防止と歩留まりの向上とを両立するインプリント技術を提供することを目的とする。
本発明の一つの側面は、基板の複数のショット領域のそれぞれにインプリント処理を行うインプリント方法であって、各ショット領域は、チップ領域の外周が前記基板の外周を含まず有効なチップを取得できる少なくとも1つの有効チップ領域と、チップ領域の外周が前記基板の外周を含み有効なチップを取得できない少なくとも1つの無効チップ領域との少なくともいずれかを含み、前記無効チップ領域は、前記基板の外周から所定の距離にわたり樹脂の塗布が禁止される前記基板上の禁止領域を含み、前記無効チップ領域と前記有効チップ領域との双方を含むショット領域に対する前記インプリント処理は、当該ショット領域の前記有効チップ領域に前記樹脂を塗布する工程と、各有効チップ領域に塗布された樹脂と型のパターン面とを接触させる工程と、前記樹脂と前記パターン面とを接触させた状態で前記樹脂を硬化させる工程とを含み、前記塗布する工程では、前記無効チップ領域のうち少なくとも前記禁止領域には前記樹脂を塗布しない、ことを特徴とする。
本発明によれば、パターン欠陥の発生の防止と歩留まりの向上とを両立するインプリント技術を提供することができる。
インプリント装置を示した図である。 ショット領域を示した図である。 有効チップ領域、無効チップ領域、禁止領域を示した図である。 第1実施形態のサブマスクを示した図である。 第2実施形態のマスクを示した図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
<インプリント装置の概要構成>
インプリント装置24を図1に示す。基板1は基板保持部19に保持され、マスク2はマスク保持部23に保持されている。塗布部20によって樹脂3が塗布された基板1に、パタ−ンが形成されたマスク(型)2のパターン面15を押し付けて(押印動作)、樹脂3をマスク2のパターン面15の凹部内に充填している。その状態で照射部21によって樹脂3を硬化させる光22を照射して(露光動作)樹脂3を硬化した後、樹脂3からマスク2を引き離す(離型動作)。駆動部9によって、基板1を水平方向へ移動させ、複数あるショット領域に対して、これらの一連のインプリント処理を順に繰り返すことで、基板1の各ショット領域にマスク2のパターン面15の凹凸形状に基づいたパターンを形成する。不図示の制御部は、基板保持部19、マスク保持部23、塗布部20、照射部21の動作を制御している。
<ショット領域とエッジショット領域>
図2に、基板1上のショット領域を示す。各ショット領域は、長方形で複数のチップ領域を含む。白塗り部で示される、ショット領域の外周が基板1の外周6を含むショット領域4を「エッジショット領域」と呼ぶ。斜線部で示される、ショット領域の外周が基板1の外周6を含まないショット領域5を「非エッジショット領域」と呼ぶ。そうすると、基板1上のショット領域は、エッジショット領域4と非エッジショット領域5とを含む。
<有効チップ領域8と無効チップ領域7>
図3はエッジショット領域4を含む基板1の一部を拡大した図である。基板1上のチップ領域のうち、チップ領域の外周が基板1の外周6を含み有効なチップを取得できないチップ領域7を「無効チップ領域」と呼ぶ。チップ領域の外周が基板1の外周6を含まず有効なチップを取得できるチップ領域8を「有効チップ領域」と呼ぶ。図3中、各長方形(細線)がチップ領域を示し、複数のチップ領域が集まった太線で表される領域がショット領域である。1つのショット領域5は、複数(図中、非エッジショット領域5では16個)のチップ領域を含む。白塗り部は有効チップ領域8を示し、斜線部は無効チップ領域7を示している。非エッジショット領域5内のチップ領域はすべて有効チップ領域8である。一方、エッジショット領域4では、無効チップ領域7と有効チップ領域8との双方が混在している場合(図3中の右下のショット領域)と、すべての領域が無効チップ領域7である場合(図3中の左上のショット領域)とがある。無効チップ領域7は、基板1の外周6から所定の距離にわたり樹脂の塗布が禁止される禁止領域7aを含んでいる。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。無効チップ領域7が存在せず有効チップ領域8のみが含む非エッジショット領域5については、ショット領域内の全領域に樹脂3を塗布する。一方、有効チップ領域8と無効チップ領域7が混在しているエッジショット領域4については、有効チップ領域8のみに樹脂3を塗布する。無効チップ領域7しか含まないエッジショット領域4については、樹脂3を塗布しない。塗布された有効チップ領域8に対して、押印動作、露光動作、離型動作を含むインプリント処理が行われ、有効チップ領域8上にパターンが形成される。
非エッジショット領域5にインプリント処理を行う場合には、非エッジショット領域5のサイズに応じたパターン面を有し、非エッジショット領域5のそれぞれにパターンを形成するマスク2(第1の型)を使用する。一方、エッジショット領域4の有効チップ領域8にインプリント処理を行う場合には、図4に示される、有効チップ領域8のサイズに応じたパターン面18を有し、有効チップ領域8のそれぞれにパターンを形成するサブマスク14(第2の型)を使用する。
インプリント処理は、各非エッジショット領域5に対するインプリント処理、次いで、エッジショット領域4の各有効チップ領域に対するインプリント処理の順に行われる。無効チップ領域7中の領域7bに対してもインプリント処理を行う場合、当該領域7bに対するインプリント処理は、非エッジショット領域5およびエッジショット領域4の有効チップ領域に対するインプリント処理の後で行われる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、非エッジショット領域5のインプリント処理に使用するマスク2とエッジショット領域4の有効チップ領域のインプリント処理に使用するサブマスク14とを別のマスクとした。第2実施形態では、非エッジショット領域5のインプリント処理に使用するマスクとエッジショット領域4の有効チップ領域のインプリント処理に使用するマスクとを1つのマスク2として構成する。実施例2のマスク2は、各非エッジショット領域5にパターンを形成する第1のパターン面17と各有効チップ領域8にパターンを形成する第2のパターン面18とを有する。図5に、第1のパターン面17(斜線部)と第2のパターン面18(黒塗り部)とを有するマスク2を示す。図5(a)はマスク2の側面図を示し、図5(b)はマスク2の正面図を示す。図5(a)に示すように、第1のパターン面17が基板1に接触する際、第2のパターン面18が基板1に接触しないように、第1のパターン面17と第2のパターン面18の高さに段差を付けている。第2のパターン面18は、マスク2の端部に配置される。
[その他の実施形態]
第1、第2実施形態では、インプリント処理の際に、有効チップ領域8のみに樹脂3を塗布し、無効チップ領域7には樹脂3を塗布しないこととした。しかし、インプリント処理の際に、有効チップ領域8の全部と無効チップ領域7のうちの禁止領域7aを除く領域7bには樹脂3を塗布し、禁止領域7aには樹脂3を塗布しないようにすることもできる。有効なチップを取得できない無効チップ領域7のうち領域7bに樹脂を塗布することの技術的意義は次のとおりである。基板の外周6にかかる無効チップ領域7は、ドライエッチやイオン注入といった周囲のパターンの粗密や大きさに影響を受けるプロセスにおいて、エッチング量や注入量の均一性を向上させる役割を持っている。そのような場合、樹脂3が基板1から押し出されることを防止しつつ無効チップ領域7にも樹脂3が存在するようにするため、無効チップ領域7のうち禁止領域7aを除く領域7bに樹脂3を塗布してもよい。
また、無効チップ領域7は、他のプロセスにおいてテストパターンの役割を果たすこともあり、樹脂を塗布した無効チップ領域7bに対してもパターンを形成したい場合がある。領域7bに対するインプリント処理には、サブマスク14が使用される。樹脂3の広がり具合を観察可能な画像検出機を用いて樹脂3の広がりをモニターし、樹脂3が漏れ出す前に露光し樹脂3を硬化させるようにすれば、領域7bに対するインプリント処理により樹脂3が基板1から押し出されることを確実に阻止することができる。もしくは、樹脂が基板1から漏れ出す時間を事前に計測しておいて樹脂3が漏れ出す前に露光し硬化させることができる。
なお、無効チップ領域7中の領域7bにパターンを形成するサブマスクは、有効チップ領域8にパターンを形成するサブマスク14とは別のものでよく、パターン面は凹凸がない平面でも良い。無効チップ領域7の領域7bに関しては、樹脂3を塗布するがマスクを樹脂3に接触させずに露光光22を照射させ樹脂3を硬化しても良い。さらに、無効チップ領域7の領域7bに樹脂3を塗布する際に、禁止領域7aに近づくにつれて樹脂3の塗布密度を小さくすることができる。
[物品の製造方法]
物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを転写(形成)する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンを転写された基板をエッチングする工程を含みうる。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりに、パターンを転写された基板を加工する他の処理を含みうる。以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内において様々な変形及び変更が可能である。

Claims (7)

  1. 基板の複数のショット領域のそれぞれにインプリント処理を行うインプリント方法であって、
    各ショット領域は、チップ領域の外周が前記基板の外周を含まず有効なチップを取得できる少なくとも1つの有効チップ領域と、チップ領域の外周が前記基板の外周を含み有効なチップを取得できない少なくとも1つの無効チップ領域との少なくともいずれかを含み、前記無効チップ領域は、前記基板の外周から所定の距離にわたり樹脂の塗布が禁止される前記基板上の禁止領域を含み、
    前記無効チップ領域と前記有効チップ領域との双方を含むショット領域に対する前記インプリント処理は、当該ショット領域の前記有効チップ領域に前記樹脂を塗布する工程と、各有効チップ領域に塗布された樹脂と型のパターン面とを接触させる工程と、前記樹脂と前記パターン面とを接触させた状態で前記樹脂を硬化させる工程とを含み、
    前記塗布する工程では、前記無効チップ領域のうち少なくとも前記禁止領域には前記樹脂を塗布しない、
    ことを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記塗布する工程では、前記有効チップ領域には前記樹脂を塗布し、前記無効チップ領域内のいずれの領域にも前記樹脂を塗布しないことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記塗布する工程では、前記無効チップ領域のうちの前記禁止領域を除く領域と前記有効チップ領域とには前記樹脂を塗布し、前記禁止領域には前記樹脂を塗布しないことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  4. 前記型は、前記有効チップ領域のみを含むショット領域のそれぞれにパターンを形成する第1の型と前記有効チップ領域にパターンを形成する第2の型とを含み、
    前記有効チップ領域のみを含む各ショット領域に対して前記第1の型を用いて前記インプリント処理を行い、
    前記無効チップ領域と前記有効チップ領域とを含むショット領域の前記有効チップ領域に対して前記第2の型を用いて前記インプリント処理を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  5. 前記型は、前記有効チップ領域のみを含むショット領域のそれぞれにパターンを形成する第1のパターン面と前記各有効チップ領域にパターンを形成する第2のパターン面とを有し、
    前記有効チップ領域のみを含む各ショット領域に対して前記第1のパターン面を用いて前記インプリント処理を行い、
    前記無効チップ領域と前記有効チップ領域とを含むショット領域の前記有効チップ領域に対して前記第2のパターン面を用いて前記インプリント処理を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインプリント方法を用いてパタ−ンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パタ−ンを形成された基板を加工する工程と、
    を含む物品の製造方法。
  7. 基板に塗布された樹脂とパターン面を有するマスクとを接触させて前記樹脂を硬化させることによりパターンを形成するインプリント処理を複数のショット領域に対して行うインプリント装置であって、
    前記マスクを保持するマスク保持部と、
    前記基板を保持する基板保持部と、
    前記樹脂を前記基板に塗布する塗布部と、
    制御部と、
    を備え、
    各ショット領域は、チップ領域の外周が前記基板の外周を含まず有効なチップを取得できる少なくとも1つの有効チップ領域と、チップ領域の外周が前記基板の外周を含み有効なチップを取得できない少なくとも1つの無効チップ領域との少なくともいずれかを含み、前記無効チップ領域は、前記基板の外周から所定の距離にわたり樹脂の塗布が禁止される前記基板上の禁止領域を含み、
    前記制御部は、前記無効チップ領域と前記有効チップ領域との双方を含むショット領域に対してインプリント処理を行う場合に、前記塗布部が、当該ショット領域の前記無効チップ領域のうち少なくとも前記禁止領域には前記樹脂を塗布せずに前記有効チップ領域に前記樹脂を塗布し、前記マスク保持部及び前記基板保持部の少なくともいずれかを駆動して各有効チップ領域に塗布された樹脂と型のパターン面とを接触させるように、前記塗布部と前記マスク保持部及び前記基板保持部の少なくともいずれかとを制御する、
    ことを特徴とするインプリント装置。
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