JP6450105B2 - インプリント装置及び物品製造方法 - Google Patents

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本発明は、インプリント装置及び物品製造方法に関する。
半導体デバイスの微細化の要求が進み、モールド(型)と基板上の未硬化樹脂とを互いに接触させて、モールドに形成された微細なパターンに対応する樹脂のパターンを基板上に形成する微細加工技術が存在する。この技術は、インプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造体を形成することができる。
インプリント領域に異物や凹凸が存在する場合には、モールドを基板上の樹脂に接触させると、モールドのパターンが破損することがある。特許文献1には、この問題を回避するために、基板上にパターンを形成するためのパターンを有する第1型部(第1型)とダミー用の第2型部(第2型)とを有するモールド(テンプレート)を使用するインプリント装置が記載されている。特許文献1に記載のインプリント装置は、インプリント領域に異物や凹凸が存在する場合、第1型部の替りに第2型部を用いてインプリント処理を行う。
特開2012−146699号公報
しかし、特許文献1記載のインプリント装置では、インプリント領域に異物や凹凸が存在しても存在しなくても使用する型(型部)を除いてインプリント処理に基本的な違いはなく、同じだけの処理時間を要している。本発明は、不良とされたインプリント領域に対して型を切り替えた場合にスループットの点で有利なインプリント装置を提供することを例示的目的とする。
本発明は、基板上のインプリント材を型で成形して前記基板上にパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置であって、不良とされた前記基板上の第1インプリント領域に第1型を用い、前記第1インプリント領域とは異なる第2インプリント領域に前記第1型とは異なる第2型を用いるように、前記インプリント処理を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記第1インプリント領域に関して前記インプリント処理に要する時間が、前記第2インプリント領域に関して前記インプリント処理に要する時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、不良とされたインプリント領域に対して型を切り替えた場合にスループットの点で有利なインプリント装置を提供することができる。
インプリント装置の構成を示す図である。 型を示す図である。 型の状態の検査の様子を示す図である。 インプリント処理を示すフローチャートである。 基板上のインプリント領域を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面等を参照して説明する。
[インプリント装置]
本発明に係るインプリント装置を、図1を用いて説明する。インプリント装置は、半導体デバイス製造工程に使用される、被処理対象であるウエハ上(基板上)に型(モールド)の凹凸パターンを転写する。本実施形態のインプリント装置は、光硬化法を採用しているが、他のタイプの装置であってもよい。各図において、型3に対する紫外線の照射軸と平行にZ軸(鉛直方向)を取り、Z軸に垂直な平面内で後述の型保持部を基準としてウエハステージ(基板ステージ)が移動する方向にX軸(水平方向)を取り、X軸に直交する方向にY軸をとって説明する。
インプリント装置1は、照射部2と、型保持部4と、ウエハステージ6と、塗布部(ディスペンサ)7と、異物検出器8と、位置検出器9と、制御部10と、型検査部11とを含んでいる。照射部2は、ウエハ5の上に塗布された樹脂に型3を介して紫外線(光)を照射する。型保持部4は、型3を保持してZ方向に駆動する。ウエハステージ6は、ウエハ5を保持してXY方向に移動可能である。異物検出器8は、ウエハ5の表面に存在するトレランス外の異物や凸部や凹部などのウエハ5の表面の欠陥を検査する検査部である。位置検出器9は、ウエハ5に形成されたマークを検出してウエハ5のXY方向の位置を検出する。
型3は、ウエハ5への対向面に、回路パターンのような所定の凹凸パターンが3次元状に形成された型材(型)である。図2は、本実施形態に係る型3を示す。図2(a)は、型3をZ方向の下方から見た平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A’断面を示す図である。本実施形態の型3の特徴は、図2に示すように、ウエハ5側の面3aにおいて、通常のインプリント工程に使用する少なくとも1つの第2型20に加えて、ダミー用の第1型21を含む複数の押印部を有する点にある。第2型20は、面3aの中心部に形成され、第1基部23と、第1基部23上に形成される凹凸パターン24とを含む。この実施形態では、第1型21は、図2(b)に示されるように、凹凸パターン24を有していない。
型検査部11は、第2型20上に異物や亀裂が存在しているかどうか、型3が摩耗しているかどうかを検査する。図3は、型検査部11による検査の様子を示す概略図である。型検査部11は、第2型20に向けて光を投光する投光系と、第2型20からの反射光を受光する受光系とを備える。第2型20上に異物30が存在しない場合には、第2型20に対して光を投光すると、凹凸パターンに沿って光が正反射し、受光系は、その反射光を受光する。
第2型20上に異物30が存在する場合には、異物30にて光が正反射角度以外に散乱し、受光系は、この散乱光を受光することで異物30の存在を検出する。また、第2型20に亀裂が存在する場合には、亀裂にて光が正反射角度以外に散乱し、受光系は、この散乱光を受光することで亀裂を検出するか、又は亀裂にて想定時間内に反射光を受光できないことで亀裂を検出する。第2型20が摩耗している場合は、摩耗にて想定時間内に反射光を受光できないことで摩耗を検出する。
次に、インプリント装置1によるインプリント処理の一連の流れについて説明する。図4は、本実施形態に係るインプリント処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部10は、S1で、ウエハステージ6を駆動して目標のインプリント領域である第1ショットを異物検出器8の検出位置へ移動させ、異物検出器8により欠陥の有無を検査する(欠陥検査工程)。次に、制御部10は、S2で、ウエハステージ6を再度駆動して第1ショットを塗布部7の塗布位置へ移動させ、第1ショットへ樹脂を塗布する(塗布工程)。
次に、制御部10は、S3で、S1での検査結果に基づいて、第1ショットに欠陥が存在するかどうかの判定を実行する。異物検出器8の検出結果に基づいて欠陥が存在しないインプリント領域(第2インプリント領域)と判定された場合には、制御部10は、S3で、使用する押印部として第2型20を選択し、S4に移行する。次に、制御部10は、S4で、第2型20とウエハ5との位置合わせ、倍率補正機構による型3やウエハ5の形状の補正を実施する。また、制御部10は、S4で、先のインプリント処理で発生した熱によるウエハ5の膨張を考慮して一定時間待機する。制御部10は、その後、型保持部4を駆動させてウエハ5上の樹脂に第2型20を接触させ、樹脂を凹凸パターン内に充填するために一定時間接触状態を維持する(第1押印工程)。
次に、制御部10は、S5で、照射部2により型3に向けて紫外線を照射させ、樹脂を硬化させる(第1硬化工程)。そして、制御部10は、樹脂が硬化した後、S6で、型保持部を再び駆動させ、第2型20をウエハ5上の樹脂から引き離し(第1離型工程)、その後、第1ショットに対するインプリント処理を終了する。
一方、S3にて、欠陥が存在する第1インプリント領域と判定された場合には、制御部10は、S7で、第1型21を選択し、S4〜S6とそれぞれ同様の第2押印工程(S7)、第2硬化工程(S8)、第2離型工程(S9)を実行する。欠陥が存在する第1インプリント領域に対するインプリント処理は、欠陥が存在せず正常にパターンを形成する第2インプリント領域ほどの精度は通常必要とされない。そのため、ウエハ5に対するインプリント処理全体に要する時間を短縮するために、本実施形態では、欠陥が存在する第1インプリント領域に対するインプリント処理を簡略化する。簡略化の対象とされる工程は、S7の第2押印工程、S8の第2硬化工程、S9の第2離型工程の少なくとも1つである。具体的には、以下に示す動作が、省略または簡略化し得る。
S7の第2押印工程:アライメント処理に要する時間の短縮。倍率補正機構による型3やウエハ5の寸法の調整の省略。先のインプリント処理により加熱されたウエハ5を冷却するための待機の短縮または省略。インプリント材を型で成形する時間(樹脂を凹凸パターン内へ充填するための時間)の短縮。
S8の第2硬化工程:照射部2が照射する紫外線強度を増大することによる硬化に要する短縮。
S9の第2離型工程:離型速度を増大することによる離型に要する時間の短縮。
異物30が存在するインプリント領域を押印した第1型21には、異物30が付着することが考えられる。第1型21に異物30を付着させたままで、他のインプリント領域にインプリント処理を続けると、正常にパターンが形成された先立つインプリント領域(第2インプリント領域)の上に異物を落下させてしまう可能性がある。これを防ぐために、異物30が存在しないインプリント領域に第2型20を用いてインプリント処理を行うときに、第1型21が、インプリント処理が終了したインプリント領域の上に位置しないようにする。すなわち、複数のインプリント領域に対するインプリント処理を行う順番を、インプリント処理が終了したインプリント領域以外の領域の上に第1型21が位置するように、決定する。
上述したように、異物30が存在するインプリント領域を押印した第1型21には、異物30が付着することが考えられる。そこで、異物30が存在するインプリント領域を押印した後に、第1型21に異物が付着したか否か、異物を押印したことにより第1型21が破損したか否かを、型検査部11を用いて検査することができる。検査のタイミングは、第1型21を使用した直後でもよいし、ウエハ5全面のインプリント処理がすべて終了した後でもよい。型検査部11の検査結果から第1型21の破損を検知した場合、第1型21のみを交換、あるいは型3全体を交換する。
S1の異物検査工程で異物を検知した場合には、ウエハ5全面のインプリント処理がすべて終了した後で、第1型21をクリーニングすることができる。粘着性のあるクリーニング専用のダミー基板をウエハステージ6に搭載し、異物が付着した第1型21をダミー基板に押印して異物30をダミー基板に付着させることで、型3を装置から取り外すことなく、第1型21をクリーニングし得る。
インプリント領域が、図5の50のように、ウエハ5上の外縁部により領域が制限され、型3の押印部の一部がウエハ5の外側に位置する場合に、型3をウエハ5上の樹脂に接触させると押印部の凹凸パターンが破損することがある。インプリント処理の後に行われるエッチング処理における均一性を確保するために、ウエハ5の周縁部に位置するインプリント領域50に、凹凸パターンは必要ないものの樹脂の硬化層を形成する必要がある。このようなウエハ5の周縁部に位置するインプリント領域50は、前述したトレランス外の異物、凸部、凹部を有するインプリント領域とともに不良とされる。そこで、ウエハ5の周縁部に位置するインプリント領域50にインプリント処理を行うためにダミー用の第1型21を使用すれば、ウエハ5の中央部に位置するインプリント領域のために使用する第2型20の変形や破損を防ぐことができる。
本実施形態によれば、型3は、第2型20に加えて、ダミー用の第1型21を有し、インプリント領域に異物が存在したり、インプリント領域が周縁部に位置したりする場合に、第1型21を使用してインプリント処理を続行できる。そして、本実施形態によれば、第1型21を用いてインプリント処理を行う場合には、第2型20を用いる場合に比べ、インプリント処理時間を短縮するので、1枚のウエハ5に対するインプリント処理時間を短縮し得る。
本実施形態では、第1型21を、図2(b)に示されるように、凹凸パターン24を有していない構造に設けた。しかし、第1型21を、図2(b)の第2型20のように、第1基部23と第1基部23上に形成される凹凸パターン24とを含む構造とすることができる。第2型20は使用するたびに摩耗していき、摩耗した第2型20を使用して製造されたデバイスは不良品となる可能性が高くなる。第2型20が摩耗した場合、型3を交換する必要があるが、型3の交換には時間がかかる。そこで、第1型21を第2型20と同様に凹凸パターン24を有する構造のものを使用すると、第2型20が摩耗したら第2型20と第1型21との役割を交替させる。そうすれば、型3の交換間隔を2倍にすることができる。
[物品製造方法]
物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。更に、該製造方法は、パターンが形成された基板をエッチングする工程を含みうる。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子等の他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりに、パターンが形成された基板を加工する他の処理を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1:インプリント装置。3:型。5:ウエハ(基板)。8:(異物)検出器。10:制御部。20:第2型(押印部)。21:第1型(押印部)。24:凹凸パターン。

Claims (11)

  1. 基板上のインプリント材を型で成形して前記基板上にパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置であって、
    不良とされた前記基板上の第1インプリント領域に第1型を用い、前記第1インプリント領域とは異なる第2インプリント領域に前記第1型とは異なる第2型を用いるように、前記インプリント処理を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記第1インプリント領域に関して前記インプリント処理に要する時間が、前記第2インプリント領域に関して前記インプリント処理に要する時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記基板上の領域の欠陥を検査する検査部をさらに備え、
    前記制御部は、前記検査部の検査結果に基づいて、前記基板上のインプリント領域を不良とすることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記制御部は、前記基板上の外縁部により領域が制限されたインプリント領域を不良とすることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。
  4. 前記制御部は、前記第2インプリント領域に前記第2型で前記インプリント処理を行う場合に、前記インプリント処理がすでに行われた前記第2インプリント領域の上に前記第1型が存在しないように、前記基板上のインプリント領域に対して前記インプリント処理を行う順番を決定することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御部は、前記第1インプリント領域に関してアライメント処理に要する時間が、前記第2インプリント領域に関してアライメント処理に要する時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記制御部は、前記第1インプリント領域に関して前記基板および前記型のうち少なくとも一方の寸法を調整する処理に要する時間が、前記第2インプリント領域に関して当該処理に要する時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記制御部は、前記第1インプリント領域に関して前記インプリント材を前記型で成形する時間が、前記第2インプリント領域に関して前記インプリント材を前記型で成形する時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記制御部は、前記第1インプリント領域に関して前記インプリント材を硬化させる時間が、前記第2インプリント領域に関して前記インプリント材を硬化させる時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記制御部は、前記第1インプリント領域に関して離型に要する時間が、前記第2インプリント領域に関して離型に要する時間より短くなるように、前記インプリント処理を制御することを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  10. 基板上のインプリント材を型で成形して前記基板上にパターンを形成するインプリント処理を行って物品を製造する物品製造方法であって、
    前記インプリント処理は、不良とされた前記基板上の第1インプリント領域には第1型を用いて行い、前記第1インプリント領域とは異なる第2インプリント領域には前記第1型とは異なる第2型を用いて行い、
    前記第1インプリント領域に関して前記インプリント処理に要する時間が、前記第2インプリント領域に関して前記インプリント処理に要する時間より短くなるように、前記インプリント処理を行うことを特徴とする物品製造方法。
  11. 請求項1ないしのうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板にパターンを形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された前記基板を加工する工程と、
    を含むことを特徴とする物品製造方法。
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