JP5835504B2 - ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム - Google Patents

ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP5835504B2
JP5835504B2 JP2014555658A JP2014555658A JP5835504B2 JP 5835504 B2 JP5835504 B2 JP 5835504B2 JP 2014555658 A JP2014555658 A JP 2014555658A JP 2014555658 A JP2014555658 A JP 2014555658A JP 5835504 B2 JP5835504 B2 JP 5835504B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
film
coat layer
particles
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014555658A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015079866A1 (ja
Inventor
清成 前田
清成 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Advanced Film Co Ltd
Original Assignee
Toray Advanced Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Advanced Film Co Ltd filed Critical Toray Advanced Film Co Ltd
Priority to JP2014555658A priority Critical patent/JP5835504B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5835504B2 publication Critical patent/JP5835504B2/ja
Publication of JPWO2015079866A1 publication Critical patent/JPWO2015079866A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B3/00Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form
    • B32B3/26Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer
    • B32B3/30Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer characterised by a layer formed with recesses or projections, e.g. hollows, grooves, protuberances, ribs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • B32B27/20Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives using fillers, pigments, thixotroping agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/36Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2255/00Coating on the layer surface
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2264/00Composition or properties of particles which form a particulate layer or are present as additives
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/20Properties of the layers or laminate having particular electrical or magnetic properties, e.g. piezoelectric
    • B32B2307/202Conductive
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/40Properties of the layers or laminate having particular optical properties
    • B32B2307/412Transparent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/40Properties of the layers or laminate having particular optical properties
    • B32B2307/418Refractive

Description

本発明は、透明性が高く、かつ耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムおよび透明導電性フィルムに関し、詳細には透明導電性フィルムに好適なハードコートフィルムおよび該ハードコートフィルムを用いてなる透明導電性フィルムに関する。
基材フィルムにハードコート層が積層されたハードコートフィルムは、ディスプレイやタッチパネルの表面保護として、あるいはタッチパネル用電極フィルム(タッチパネル用透明導電性フィルム)のベースフィルムとして用いられている。これらの用途に使用されるハードコートフィルムは、透明性が高く、かつ耐ブロッキング性が良好であることが要求されている。
ハードコートフィルムの耐ブロッキング性を改良するために、表面に粒子による突起を設けることが提案されている(特許文献1〜3)。
また、ディスプレイ表面に外光の反射や像の映り込みを防止するための防眩性フィルムを配置することが知られている。防眩性フィルムは、防眩層に比較的大きい粒子を含有させて防眩層表面に凹凸を形成することが一般に知られている(例えば特許文献4)。
特開2010−82864号公報 特開2010−241937号公報 特開2012−27401号公報 特開2013−33240号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示されている技術では、透明性および耐ブロッキング性を同時に十分に満足させるまでには至っていない。特許文献4に開示されているように防眩性フィルムは、比較的大きな粒子(例えば平均粒子径が1μm以上である粒子)を用いて表面に凹凸を形成するので比較的良好な耐ブロッキング性が得られる。しかし、このような防眩性フィルムは、ヘイズ値が高く、透明性が不十分であるので透明導電性フィルムのベースフィルムとしては不適である。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、透明性が高くかつ耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、透明導電性フィルムに好適なハードコートフィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
[1] 基材フィルムの少なくとも一方の面に第1ハードコート層を備えたハードコートフィルムであって、第1ハードコート層は、平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満でかつ第1ハードコート層の厚み(d:μm)に対して0.5倍以下である粒子が複数個集合した粒子集合体を含有し、第1ハードコート層表面に前記粒子集合体による突出部が第1ハードコート層表面の4μm平方当たり1個以上の密度で存在することを特徴とするハードコートフィルム。
[2] 前記突出部は、第1ハードコート層表面の面方向(平面的)に10個以上の粒子が集合した状態で形成されている、前記[1]に記載のハードコートフィルム。
[3]前記突出部の長さ(L)が0.4μm以上である、前記[1]または[2]に記載のハードコートフィルム。
[4]前記粒子がシリカ粒子であり、シリカ粒子またはシリカ粒子集合体が、表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理が施されている、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[5]前記シリカ粒子が気相法シリカである、前記[4]に記載のハードコートフィルム。
[6]ハードコートフィルムのヘイズ値が0.7%以下である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[7]前記第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)が25nm以下である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[8]前記粒子の平均粒子径(r:μm)が0.01μm以上0.4μm未満である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[9]前記第1ハードコート層の厚み(d:μm)が0.5μm以上4μm未満である、前記[1]〜[8]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[10]前記基材フィルムの両面に第1ハードコート層を備えた、前記[1]〜[9]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[11]前記基材フィルムが、屈折率が1.62〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面もしくは両面に、屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第1ハードコート層が積層されている、前記[1]〜[10]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[12]前記基材フィルムが、屈折率が1.62〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第1ハードコート層が積層されており、かつ前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第2ハードコート層が積層されている、前記[1]〜[9]のいずれかに記載のハードコートフィルム。
[13]前記[1]〜[12]のいずれかに記載のハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜を有する、透明導電性フィルム。
本発明によれば、透明性が高く、かつ耐ブロッキング性の良好なハードコートフィルムを提供することができる。本発明のハードコートフィルムは透明導電性フィルムのベースフィルムに好適である。
図1は、本発明のハードコートフィルムの模式断面図である。 図2は、本発明のハードコートフィルムにおける第1ハードコート層表面の模式平面図(俯瞰図)である。 図3は、本発明のハードコートフィルムにおける第1ハードコート層表面の走査型電子顕微鏡による表面写真の一例である。 図4は、粒子集合体を形成する個々の粒子を模式的に表した図である。
本発明のハードコートフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に第1ハードコート層を備える。この第1ハードコート層は、平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満でかつ第1ハードコート層の厚み(d:μm)に対して0.5倍以下である粒子が複数個集合した粒子集合体を含有し、第1ハードコート層表面に前記粒子集合体による突出部(以下、単に「突出部」と言う)が第1ハードコート層表面の4μm平方(4μm×4μm)当たり1個以上の密度で存在する。
本発明において、複数個の粒子が集合した粒子集合体とは、複数の粒子が凝集もしくは結合(繋がり合う)したものを言う。
突出部の存在密度(第1ハードコート層表面の4μm平方当たりの突出部個数)は、ハードコート層表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによって計測することができる。本発明における突出部の存在密度は、任意に選択した5箇所について突出部の個数を計測し、平均したものである。
突出部の存在密度が第1ハードコート層表面の4μm平方当たり1個未満では、良好な耐ブロッキング性が得られない。
突出部の存在密度は、耐ブロッキング性を向上させると言う観点から、第1ハードコート層表面の4μm平方当たり2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、4個以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、100個程度が適当である。突出部の存在密度が100個を超えると、ヘイズ値が上昇傾向にあり、ハードコートフィルムの透明性が低下することがある。この観点から、突出部の存在密度の上限は80個以下が好ましく、70個以下がより好ましく、50個以下が特に好ましい。
図1は、本発明のハードコートフィルムの一例を示す模式断面図である。このハードコートフィルムは、基材フィルム2上に第1ハードコート層3が積層されている。第1ハードコート層3の表面近傍に粒子1が複数個集合した粒子集合体10が存在し、第1ハードコート層表面には粒子集合体10による突出部11が形成されている。
図2は、本発明のハードコートフィルムの第1ハードコート層表面の一例を2つ示す模式平面図である。第1ハードコート層表面には、粒子1が複数個集合した粒子集合体による突出部11が存在する。
図1および図2に示すように、突出部は複数個の粒子で形成されていることが好ましく、更に、突出部は複数個の粒子が第1ハードコート層表面の面方向(平面的)に集合した状態で形成されていることが好ましい。上記の面方向に複数の粒子が集合した突出部を形成するためには、第1ハードコート層の表面近傍に、第1ハードコート層表面の面方向に多くの粒子が集合した粒子集合体を存在させることが好ましい。この粒子集合体は、第1ハードコート層表面に対して垂直方向(第1ハードコート層の厚み方向)への粒子の集合(粒子の積層)は比較的少ないことが好ましい。
このような粒子集合体を第1ハードコート層の表面近傍に存在させて突出部を形成することにより、粒子集合体を形成する全粒子数に対して突出部を形成する粒子数の比率が大きくなる。つまり、比較的少ない粒子数で比較的大きな面積の突出部を形成することができる。この結果、良好な透明性と良好な耐ブロッキング性を同時に満足させることができる。
上記態様とは逆に、氷山のように水面上(ハードコート層表面上)に極一部が突出し、水面下(ハードコート層中)に大部分が埋没しているような粒子集合体は、粒子集合体を形成する粒子数に対する突出部を形成する粒子数の比率が小さくなることから、良好な透明性と良好な耐ブロッキング性を安定的に得られないことがある。例えば、前述の特許文献3に開示されているような、一次粒子が単に凝集して形成された二次凝集粒子の一部をハードコート層表面に突出させる態様は、一般に上記の氷山のような形態に近くなることから、良好な透明性と良好な耐ブロッキング性を安定的に得られないことがある。
前述したように、突出部は複数個の粒子が第1ハードコート層表面の面方向に集合した状態で形成されていることが好ましい。具体的には、突出部は10個以上の粒子が第1ハードコート層表面の面方向に集合した状態で形成されていることが好ましい。更に、突出部は20個以上の粒子が第1ハードコート層表面の面方向に集合した状態で形成されていることが好ましい。突出部を形成する粒子数の上限は特に限定されないが、1000個程度が適当である。
つまり、本発明において、突出部は10個以上の粒子(より好ましくは20個以上の粒子)が第1ハードコート層表面の面方向に集合した状態で形成されており、かつこの突出部が第1ハードコート層表面の4μm平方当たり1個以上の密度で存在することが好ましい。この態様によって、良好な透明性と一段と向上した耐ブロッキング性とを実現することができる。
図3は、本発明のハードコートフィルムにおける第1ハードコート層表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による表面写真である。第1ハードコート層表面には粒子集合体の突出部が存在し、この突出部は第1ハードコート層表面の面方向(平面的)に10個以上の粒子が集合して形成されていることが分かる。
本発明において、突出部の長さ(L)は0.4μm以上であることが好ましい。ここで突出部の長さ(L)とは、突出部の最大直線長さである。図2の符号Lが突出部の長さ(L)である。
突出部の長さ(L)は、更に0.5μm以上が好ましく、0.7μm以上がより好ましく、1.0μm以上が特に好ましい。突出部の長さ(L)の上限は特に限定されないが、10μm程度が適当である。
つまり、本発明において、突出部の長さ(L)が0.4μm以上(好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.7μm以上、特に好ましくは1.0μm以上)である突出部が、第1ハードコート層表面の4μm平方当たり1個以上の密度で存在することが好ましい。この態様によって、良好な透明性と一段と向上した耐ブロッキング性とを実現することができる。
突出部の高さ(T)は、耐ブロッキング性を向上させると言う観点から、0.01μm以上が好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.03μm以上が特に好ましい。突出部の高さ(T)の上限は、ヘイズ値の上昇を抑制すると言う観点から、0.3μm以下が好ましく、0.2μm以下がより好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
突出部の高さ(T)は、第1ハードコート層表面から突出部の最も高い部分までの垂直距離である(図1の符号T)。突出部の高さ(T)は、第1ハードコート層の透過型電子顕微鏡(TEM)もしくは走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された断面写真から測定することができる。
第1ハードコート層は、平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満でかつ第1ハードコート層の厚み(d:μm)に対して0.5倍以下である粒子が複数個集合した粒子集合体を含有する。言い換えると、本発明においては、粒子集合体を形成する粒子の平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満であること、および粒子の平均粒子径(r:μm)と第1ハードコート層の厚み(d:μm)の比率(r/d)が0.5以下であることの2つの条件を満足することが重要である。
粒子の平均粒子径が0.5μm以上の場合は上記比率(r/d)が0.5以下であってもヘイズ値が高くなり、また粒子の平均粒子径が0.5μm未満であっても上記比率(r/d)が0.5を超えるとヘイズ値が高くなり、いずれもハードコートフィルムの透明性が低下する。
このような平均粒子径の小さい粒子およびこれらの粒子の集合体は、後述する表面処理等によって第1ハードコート層表面近傍に浮上しやすくなり、第1ハードコート層表面近傍に粒子集合体を偏在させやすくなる。この結果、耐ブロッキング性が向上する。また、このような平均粒子径の小さい粒子を用いることにより、ハードコート層のヘイズ値の上昇が抑制され、透明性が良好なハードコートフィルムが得られる。
本発明において、粒子集合体を形成するための個々の粒子は、第1ハードコート層表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察、あるいは第1ハードコート層断面の走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による観察において、視覚的にこれ以上細分化できない1つの塊を意味する。この意味において、粒子集合体を形成するための個々の粒子は、一次粒子の形態あるいは複数個の一次粒子が密に凝集した二次粒子の形態(一次粒子が判別できないほどに密に凝集した形態)を取り得る。
図4は、粒子集合体を形成する個々の粒子を模式的に表した図である。粒子集合体10は、複数個の一次粒子が密に凝集して1つの塊となった二次粒子1aと一次粒子1bで形成されている。この粒子集合体10を形成する個々の粒子は、二次粒子1aと一次粒子1bである。この二次粒子1aは一次粒子が判別できないほどに密に凝集して1つの塊となっている。
後述する鎖状コロイダルシリカは、ほぼ球形の一次粒子が結合して(繋がりあって)鎖状の粒子集合体を形成しており、ほぼ明確に個々の一次粒子が判別できるので、この粒子集合体における個々の粒子は一次粒子となる。
一方、後述する気相法シリカの場合は、粉砕あるいは分散しても一次粒子まで単分散させることは通常困難であり、この分散液およびこの分散液を用いたハードコート層には、一次粒子と複数個の一次粒子が密に凝集して1つの塊となった二次粒子とが混在し、これらの一次粒子と二次粒子が更に複数個集合して粒子集合体を形成すると推測される。このような形態における粒子集合体を形成する粒子には、一次粒子と二次粒子とが含まれる。
本発明において、粒子の平均粒子径(r:μm)は、第1ハードコート層の透過型電子顕微鏡(TEM)もしくは走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された断面写真から測定されたものである。
第1ハードコート層の厚み(d:μm)に対する粒子の平均粒子径(r:μm)の比率(r/d)は、上記の観点(良好な透明性と耐ブロッキング性の向上)から、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下であり、特に好ましくは0.2以下である。下限の比率(r/d)は、小さくなりすぎると耐ブロッキング性が低下することから、0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上が特に好ましい。
粒子の平均粒子径(r:μm)は、好ましくは0.4μm未満であり、より好ましくは0.3μm未満であり、特に好ましくは0.2μm未満である。下限は、0.005μm以上が好ましく、特に0.01μm以上が好ましい。
すなわち、本発明では、粒子の平均粒子径(r:μm)は、0.01μm以上0.4μm未満であることが好ましい。
以下、本発明のハードコートフィルムを構成する各構成要素について詳細に説明する。
[第1ハードコート層]
第1ハードコート層は、高い硬度を確保するという観点から、その厚み(d:μm)は0.5μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましく、0.9μm以上が特に好ましい。第1ハードコート層の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4(1999年))は、F以上が好ましく、H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
一方、第1ハードコート層表面近傍に粒子集合体を偏在させて、突出部を効率よく形成すると言う観点から、第1ハードコート層の上限の厚みは、4.0μm未満が好ましく、3.0μm未満がより好ましく、2.0μm未満が特に好ましく、1.7μm未満が最も好ましい。
すなわち、本発明では、第1ハードコート層の厚み(d:μm)が0.5μm以上4μm未満であることが好ましい。
第1ハードコート層は、粒子集合体を含有する。かかる粒子集合体を形成するための粒子としては、有機粒子や無機粒子が挙げられる。
有機粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、あるいは上記樹脂の合成に用いられる2種以上のモノマーの共重合樹脂が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂粒子が好ましく用いられる
アクリル系樹脂粒子としては、アクリル樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーと他のモノマー(例えば、スチレン、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンメタクリレート等)との共重合樹脂粒子が挙げられる。
これらの有機粒子は乳化重合法により合成されることが好ましく、乳化重合法で合成されることによって平均粒子径が0.5μm未満の有機粒子を得ることができる。
無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ゼオライトなどの無機粒子が挙げられる。これらの中でもシリカ粒子が好ましい。
第1ハードコート層に含有させる粒子の含有量は、耐ブロッキング性に有効な突出部を形成するという観点から、第1ハードコート層の固形分総量100質量%に対して3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、7質量%以上が特に好ましい。上限の含有量は、ハードコート層のヘイズ値の上昇を抑制すると言う観点から、30質量%未満が好ましく、25質量%未満がより好ましく、20質量%未満が特に好ましい。
第1ハードコート層表面に、平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満でかつ第1ハードコート層の厚み(d:μm)に対して0.5倍以下である粒子が複数個集合した粒子集合体による突出部を効率よく形成するには、粒子集合体を第1ハードコート層の表面近傍に比較的多く存在させること(偏在させること)が好ましい。
粒子集合体を第1ハードコート層の表面近傍に比較的多く存在させる方法として、第1ハードコート層の形成過程(塗布工程、乾燥工程、硬化工程)で、(1)粒子凝集体を第1ハードコート層の表面近傍に移動(浮上)させる方法、あるいは(2)粒子を第1ハードコート層の表面近傍に移動(浮上)させる過程もしくは移動(浮上)させた後に粒子集合体を形成する方法が挙げられる。上記(1)の方法が、第1ハードコート層表面近傍に粒子集合体を効率よく移動(浮上)させることができるので好ましい。
第1ハードコート層の表面近傍に粒子もしくは粒子集合体を移動(浮上)させるには、例えば、表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理が施された粒子あるいは粒子集合体を用いることが好ましい。
本発明の好ましい態様は、第1ハードコート層が、(i)表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理が施された粒子からなる粒子集合体および/または(ii)表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理が施された粒子集合体を含有する。
以下の説明において、「表面処理」なる表現は、断りのない限り、上述の表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理を意味する。また、この表面処理を「本発明の表面処理」ということがある。
表面処理が施される粒子および粒子集合体としては、無機粒子および無機粒子集合体が好適であり、特にシリカ粒子およびシリカ粒子集合体が好適である。シリカ粒子およびシリカ粒子集合体は、通常、表面にシラノール基を有しているので表面処理が施しやすいことから好ましい。表面処理の詳細は後述する。
したがって、本発明では、粒子がシリカ粒子であり、シリカ粒子またはシリカ粒子集合体が、表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理が施されていることが好ましい。
シリカ粒子は、湿式法シリカと気相法シリカに大別される。通常シリカ粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、このシリカゾルをゲル化させたシリカゲル(生成条件を変えることによって数μmから10μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子)が一般的に知られている。
気相法シリカは、上記湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
本発明に好ましく用いられるシリカ粒子として、コロイダルシリカを挙げることができる。かかるコロイダルシリカの平均一次粒子径は100nm未満が好ましく、80nm未満がより好ましく、70nm未満が特に好ましい。平均一次粒子径の下限は、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。
コロイダルシリカは、一般に市販されており入手することができる。市販品としては、例えば、日産化学工業(株)製の「オルガノシリカゾル」シリーズ、旭電化工業(株)製の「アデライトAT」シリーズ、クラリアントジャパン(株)製の「クレボゾール」シリーズ、デュポン(株)製の「ルドックス」シリーズ、扶桑化学工業(株)製の「クォートロンPL」シリーズ等が挙げられる。
一般に、コロイダルシリカはハードコート層塗布液中で凝集もしくは集合して粒子集合体を形成しやすい。しかし、表面処理が施されていないコロイダルシリカの粒子集合体はハードコート層の表面近傍に移動(浮上)しないので、ハードコート層表面に粒子集合体による突出部を効率よく形成することはできない。
従って、シリカ粒子としてコロイダルシリカを用いる場合は、ハードコート層塗布液にコロイダルシリカを添加する前に、コロイダルシリカの粒子集合体を調製しこの粒子集合体に予め表面処理を施しておくことが好ましい。表面処理が施されたコロイダルシリカは、凝集や結合が起こりにくくなるため、粒子集合体を形成させることが難しくなる。
コロイダルシリカを凝集もしくは結合させて粒子凝集体を調製する方法としては、電解質(例えば、クエン酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、硝酸塩、ヨウ化物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム等)を添加する方法、非イオン性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロール等)を添加する方法、高分子凝集剤(例えば、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート等のモノマーの重合体からなる高分子凝集剤)を添加する方法、酸や塩基を添加してpHを調整する方法、脱水剤(例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類)を添加する方法、四級アンモニウム塩のカチオン界面活性剤を添加する方法等が挙げられる。
また、シリカ粒子集合体として、コロイダルシリカが二次的に鎖状(数珠状、パールネックレス状)に結合したコロイダルシリカ集合体を用いることができる。この鎖状コロイダルシリカ集合体を形成するためのコロイダルシリカの平均一次粒子径は、100nm未満が好ましく、80nm未満がより好ましく、70nm未満が特に好ましい。平均一次粒子径の下限は、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。この鎖状コロイダルシリカ集合体は表面処理が施されていることが好ましい。
鎖状コロイダルシリカ集合体は、日産化学工業(株)から、オルガノシリカゾルIPA−ST−UP、同MEK−ST−UP、同MA−ST−UP等として市販されており、これらの鎖状コロイダルシリカ集合体に表面処理を施して使用することが好ましい。
また、本発明に好ましく用いられるシリカ粒子として、気相法シリカが挙げられる。かかる気相法シリカの平均一次粒子径は100nm未満が好ましく、80nm未満がより好ましく、70nm未満が特に好ましい。平均一次粒子径の下限は、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。
気相法シリカは乾式法シリカやヒュームドシリカとも呼ばれ、例えば、日本アエロジル(株)から「アエロジル」として、また(株)トクヤマから「レオシール」として市販されており入手することができる。
気相法シリカは、湿式法シリカに比べて、粒子表面におけるシラノール基の密度が少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となりやすく、一次粒子もしくは二次粒子が網目構造または鎖状に繋がりあった凝集状態で存在しやすいという特徴がある。従って、気相法シリカを溶媒中で適度に粉砕あるいは分散することにより、適度な大きさの粒子集合体を得ることができる。そして、この気相法シリカ粒子集合体に表面処理を施すことにより、第1ハードコート層表面近傍に移動(浮上)させて、偏在させることができる。
気相法シリカを溶媒中で粉砕あるいは分散する装置としては、ビーズミル、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル、超音波分散機、アルティマイザー、ナノマイザー、ディスパー、タービン翼等攪拌翼を有する分散機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、薄膜施回型分散機等が挙げられる。
以下に、粒子もしくは粒子集合体に施される表面処理について詳しく説明する。
上記の粒子もしくは粒子集合体の表面自由エネルギーを小さくするための表面処理としては、下記の一般式(1)で示されるフッ素原子を有するオルガノシラン化合物、該オルガノシランの加水分解物、および該オルガノシランの加水分解物の部分縮合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1つの化合物で表面処理する方法が挙げられる。
2n+1−(CH−Si(Q)
・・・・一般式(1)
(一般式(1)において、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。Qは炭素数1〜5のアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。)。
一般式(1)の化合物として、具体的には下記の化合物を例示することができる。
CHCHSi(OCH
13CHCHSi(OCH
17CHCHSi(OCH
13CHCHCHSi(OCH
13CHCHCHCHSi(OCH
13CHCHSi(OC
17CHCHCHSi(OC
13CHCHCHCHSi(OC
13CHCHSiCl
13CHCHSiBr
13CHCHCHSiCl
13CHCHSi(OCH)Cl
また、粒子もしくは粒子集合体の表面自由エネルギーを小さくするための他の表面処理として、下記一般式(2)で示される化合物で処理し、更に下記一般式(3)で示されるフッ素化合物で表面処理する方法が挙げられる。
B−R−SiR (OR3−n
・・・・一般式(2)。
D−R−Rf
・・・・一般式(3)。
(一般式(2)および(3)において、BおよびDはそれぞれ独立に反応性部位を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキレン基、あるいは前記アルキレン基から導出されるエステル構造を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素あるいは炭素数が1から4のアルキル基を表し、Rfはフルオロアルキル基を表し、nは0から2の整数を表す。)。
BおよびDで表される反応性部位としては、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基などが挙げられる。
一般式(2)の具体例としては、アクリロキシエチルトリアルコキシシラン、アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、
アクリロキシブチルトリアルコキシシラン、アクリロキシペンチルトリアルコキシシラン、アクリロキシヘキシルトリアルコキシシラン、アクリロキシヘプチルトリアルコキシシラン、メタクリロキシエチルトリアルコキシシラン、メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリロキシブチルトリアルコキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリアルコキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリアルコキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジアルコキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジアルコキシシラン及びこれら化合物中のアルコキシ基が水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。ここで、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。
一般式(3)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、パーフルオロオクチルメチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、パーフルオロオクチルメチルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
前述の界面活性剤による表面処理に用いられる界面活性剤としては、分子中にエチレンオキシ基を有する界面活性剤が好ましく用いられる。かかる界面活性剤として、以下の化合物が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤;例えば、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、バルミチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート等、
陰イオン性界面活性剤;例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリラウリルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリルニナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ニナトリウム、ポリオキシスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリエキシアルキレン分岐デシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸ナトリウム等、
非イオン性界面活性剤;例えば、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリエキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウルルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリエキシエチレンステアリン酸エステル、ポリエキシエチレンソルビタンモノココエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等、
が挙げられる。
第1ハードコート層は、樹脂として熱硬化性樹脂あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって重合されて硬化する樹脂を意味する。
活性エネルギー線硬化性樹脂を得るための重合性化合物としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基等の重合性官能基を有する化合物(モノマーやオリゴマー)が挙げられる。
第1ハードコート層は、上記重合性化合物および前述の粒子もしくは粒子集合体を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成されたものであることが好ましい。
ウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗布方法を用いることができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、線、β線、γ線などが挙げられる。これらの活性エネルギー線の中でも、紫外線および電子線が好ましく、特に紫外線が好ましく用いられる。
紫外線を照射するための光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく用いられる。
また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。
紫外線の照射光量は、50mJ/cm以上が好ましく、100mJ/cm以上がより好ましく、特に150mJ/cm以上が好ましい。上限は2000mJ/cm以下が好ましく、1000mJ/cm以下がより好ましい。
以下に、活性エネルギー線硬化性樹脂を得るための重合性化合物(モノマーやオリゴマー)を例示するが、これらの化合物に限定されない。尚、以下の説明において、「・・・(メタ)アクリレート」なる表現は、「・・・アクリレート」と「・・・メタクリレート」との2つの化合物を含む。
モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等を挙げることができる。
上記したモノマーの中でも、1分子中に重合性官能基を3個以上有する多官能モノマーが好ましく用いられる。
オリゴマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルキット(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記オリゴマーの中でも、1分子中に重合性官能基を3個以上有する多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく用いられる。かかる多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、市販されているものを使用することができる。例えば、共栄社化学(株)製のウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、根上工業(株)製のUN−3320シリーズ、UN−900シリーズ、新中村化学工業(株)製のNKオリゴUシリーズ、ダイセル・ユーシービー社製のEbecryl1290シリーズなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物における重合性化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、更に60質量%以上であることが好ましく、特に70質量%以上であることが好ましい。上限は97質量%以下好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が特に好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合は、活性エネルギー線硬化性組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。かかる光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
また、光重合開始剤は一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(登録商標)184、イルガキュア907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173等、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46等、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量の範囲は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が適当であり、0.5〜8質量%の範囲が好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、更に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、有機系帯電防止剤、着色剤、顔料等を含有することができる。
第1ハードコート層表面には突出部を有しているが、一方、ハードコートフィルムのヘイズ値を小さくするという観点から第1ハードコート層表面は比較的平滑であることが好ましい。即ち、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)は25nm以下であることが好ましい。前述した第1ハードコート層表面の突出部の単位面積当たりの個数、突出部の長さ(L)、突出部の高さ(T)を上述の好ましい範囲内で調整することにより、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)を25nm以下に制御することができる。
第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)は、更に20nm以下が好ましく、18nm以下がより好ましく、15nm以下が特に好ましく、13nm以下が最も好ましい。一方、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)が小さくなりすぎると耐ブロッキング性が低下することがあるので、下限の中心線平均粗さ(Ra1)は3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。
第1ハードコート層の屈折率の範囲は、1.48〜1.54の範囲であることが好ましく、1.50〜1.54の範囲がより好ましい。上述した活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより第1ハードコート層を形成することにより、屈折率が1.48〜1.54の範囲の第1ハードコート層を得ることができる。
なお、本発明において、第1ハードコート層の屈折率、および後述する基材フィルム、樹脂層、第2ハードコート層、並びに屈折率調整層における各屈折率は、特に断りの無い限り、波長589nmにおける屈折率を言う。
[基材フィルム]
本発明の基材フィルムは、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。基材フィルムを構成する材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、およびこれら樹脂を混合および/または共重合したものが挙げられる。これらの樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとしたものを基材フィルムとして適用することができる。
上記した基材フィルムの中でも、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性などに優れていることから、ポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が好ましく、中でも二軸延伸されたPETフィルムが好ましく用いられる。
基材フィルムの厚みは、20〜300μmの範囲が適当であり、30〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
基材フィルムは、少なくとも第1ハードコート層が積層される面に以下に示すような樹脂層を有していることが好ましい。つまり、本発明のハードコートフィルムは、基材フィルムと第1ハードコート層との間に以下に示す樹脂層を有していることが好ましい。
[樹脂層]
基材フィルムと第1ハードコート層の密着性を強化するために、基材フィルムは少なくとも第1ハードコート層が積層される面に樹脂層が設けられていることが好ましい。
樹脂層は、樹脂を主成分として含有する層である。具体的には、樹脂層は、樹脂を樹脂層の固形分総量100質量%に対して50質量%以上含有する。樹脂層を形成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは複数種併用することができる。
樹脂層は、基材フィルムと第1ハードコート層との間に介在し、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性を向上させるという観点から、樹脂としてポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。特に、樹脂層は樹脂として少なくともポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
樹脂層における樹脂の含有量は、樹脂層の固形分総量100質量%に対して60質量%以が好ましく、70質量%以上がより好ましく、特に80質量%以上が好ましい。上限に関しては、樹脂層における樹脂の含有量は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
また、樹脂層は2層構成にて形成されていてもよい。2層構成の場合は、基材フィルム側から順にポリエステル樹脂を主成分とする第1樹脂層とアクリル樹脂を主成分とする第2樹脂層で構成されることが好ましい。2層構成について詳細は後述する。
樹脂層は、ハードコートフィルムの製造工程における適度な滑り性や巻き取り性を確保するという観点から、粒子を含有することが好ましい。
樹脂層に含有される粒子としては特に限定されないが、シリカ粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ゼオライト粒子などの無機粒子や、アクリル粒子、シリコーン粒子、ポリイミド粒子、テフロン(登録商標)粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋重合体粒子、コアシェル粒子などの有機粒子が挙げられる。これらの中でもシリカ粒子が好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。
樹脂層に含有される粒子は、その平均粒子径が樹脂層の厚みより大きいことが好ましい。具体的には、平均粒子径は樹脂層の厚みの1.3倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、2.0倍以上が特に好ましい。上限は20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下が特に好ましい。
樹脂層に含有される粒子の平均粒子径は樹脂層の厚み設計に応じて適宜選択されるが、具体的には平均粒子径は0.02〜1μmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.7μmの範囲がより好ましく、特に0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。平均粒子径が0.02μm未満であると滑り性が低下することがある。平均粒子径が1μmを越えると粒子が脱落したり、透明性が低下したり、あるいは外観が悪化することがある。
樹脂層の厚みの範囲は、0.005〜0.3μmの範囲であることが好ましい。樹脂層の厚みが0.005μm未満の場合は、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性が低下する。また、樹脂層の厚みが0.3μmより大きくなると第1ハードコート層を積層した後の耐ブロッキング性が低下することがある。なお、樹脂層が複数層で構成されている場合は、複数層の合計厚みを樹脂層の厚みとする。
樹脂層の厚みは、さらに0.01μm以上が好ましく、0.015μm以上がより好ましく、特に0.02μm以上が好ましい。上限に関し、樹脂層の厚みは0.25μm以下が好ましく、0.2μm以下が好ましく、特に0.15μm以下が好ましい。
樹脂層における粒子の含有量の範囲は、樹脂層の固形分総量100質量%に対して0.05〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜8質量%の範囲がより好ましく、特に0.5〜5質量%の範囲が好ましい。樹脂層における粒子の含有量が0.05質量%未満であると、良好な滑り性が得られないことがあり、粒子の含有量が10質量%を越えると、透明性が低下したり、第1ハードコート層の塗布性が悪化したり、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性が低下することがある。
樹脂層は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。樹脂層は上述の樹脂と架橋剤を含有する熱硬化層であることが好ましい。樹脂層をこのような熱硬化層とすることにより、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性をさらに向上させることができる。樹脂層を熱硬化するときの条件(加熱温度、時間)は特に限定されないが、加熱温度は70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、150℃以上が特に好ましく、200℃以上が最も好ましい。上限に関し、加熱温度は300℃以下が好ましい。加熱時間の範囲は5〜300秒の範囲が好ましく、10〜200秒の範囲がより好ましい。
上記架橋剤としては、例えばメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などが挙げられる。これらの中でも、ラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤が好ましく、特にメラミン系架橋剤が好ましい。
メラミン系架橋剤としては、例えばイミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、イミノ基型メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂が好ましく用いられる。
樹脂層における架橋剤の含有量の範囲は、樹脂層の固形分総量100質量%に対して0.5〜40質量%の範囲が好ましく、1〜30質量%の範囲がより好ましく、特に2〜20質量%の範囲が好ましい。
基材フィルム上に樹脂層を介して第1ハードコート層を積層して得られるハードコートフィルムの反射色はニュートラルな無色の色相が好ましい。この観点から、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用いた場合、樹脂層の屈折率の範囲は1.55〜1.61の範囲が好ましく、1.56〜1.60の範囲がより好ましく、1.57〜1.59の範囲が特に好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の屈折率は一般に1.62〜1.70程度であり、樹脂層の屈折率を上記の範囲(1.55〜1.61)とすることにより、ハードコートフィルムの反射色をニュートラルな無色に近づけることができる。
つまり、本発明においては、基材フィルムが、屈折率が1.62〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、ポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも一方の面に(すなわち、片面もしくは両面に)、屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第1ハードコート層が積層されていることが好ましい。
樹脂層の屈折率を1.55〜1.61とするには、樹脂として分子中にナフタレン環を含むポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ナフタレン環を含むポリエステル樹脂は、例えば、共重合成分として1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの多価カルボン酸を使用することによって合成することができる。
樹脂層における分子中にナフタレン環を含むポリエステル樹脂の含有量の範囲は、全樹脂総量100質量%に対して5〜70質量%の範囲が好ましく、10〜60質量%の範囲がより好ましい。
樹脂層は、基材フィルム上にウェットコーティング法で塗布し、熱硬化して積層されることが好ましい。さらに基材フィルムの製造工程内で樹脂層をウェットコーティング法で塗布する、いわゆるインラインコーティング法によって塗布し、熱硬化して積層されることが好ましい。ウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
前述したように、樹脂層は2層構成のものを採用することができる。かかる2層構成の樹脂層は、1つの塗布液を1回塗布し、その乾燥過程で自己相分離を生起させて形成されることが好ましい。つまり、第1樹脂層の主成分(ポリエステル樹脂)と第2樹脂層の主成分(アクリル樹脂)とを含有する塗布液を塗布し、その乾燥過程でそれぞれの成分の自己相分離を利用して第1樹脂層と第2樹脂層を形成する方法を採用することが好ましい。
この相分離方法を実施するに際し、第1樹脂層の主成分(ポリエステル樹脂)と第2樹脂層の主成分(アクリル樹脂)との表面エネルギー差を大きくすることが好ましい。つまり、表面エネルギーの高いポリエステル樹脂と表面エネルギーの低いアクリル樹脂を用いることが好ましい。特に、ポリエステル樹脂の表面エネルギーを高くするために、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
樹脂層が2層構成の場合、基材フィルムと第1ハードコート層との密着性を強化し、ハードコートフィルムの反射色をニュートラルな無色に近づけるという観点から、第1樹脂層の厚みが第2樹脂層の厚みより大きいことが好ましい。第1樹脂層の厚みは第2樹脂層の厚みの1.5倍以上が好ましく、2.0倍以上がより好ましく、特に3.0倍以上が好ましい。
第1樹脂層の厚みの範囲は、具体的には0.02〜0.2μmの範囲が好ましく、0.03〜0.15μmの範囲がより好ましく、特に0.05〜0.12μmの範囲が好ましい。第2樹脂層の厚みの範囲は0.005〜0.1μmの範囲が好ましく、0.01〜0.07μmの範囲がより好ましく、特に0.01〜0.05μmの範囲が好ましい。
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に第1ハードコート層を有する。ハードコートフィルムは、基材フィルムの片面のみに第1ハードコート層を有していてもよいし、基材フィルムの両面に第1ハードコート層を有していてもよい。
本発明のハードコートフィルムは、基材フィルムの両面に第1ハードコート層を有していることが好ましい。この構成によって、高い透明性(ヘイズ値が小さいこと)を維持しながら、耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。基材フィルムの両面に第1ハードコート層を設ける場合は、基材フィルムの両面にそれぞれ前述の樹脂層を介して第1ハードコート層を設けることが好ましい。
また、本発明のハードコートフィルムの他の好ましい態様として、基材フィルムの一方の面に第1ハードコート層を有し、基材フィルムの他方の面に(つまり、基材フィルムの第1ハードコート層が設けられた面とは反対面に)第2ハードコート層を有するハードコートフィルムが挙げられる。
本発明のハードコートフィルムは後述するように透明導電性フィルムのベースフィルムとして好適である。透明導電性フィルムは高い透明性が要求されることから、ベースフィルム(ハードコートフィルム)のヘイズ値は小さいことが好ましい。
上記の観点から、本発明のハードコートフィルムは、ヘイズ値が0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることが特に好ましい。下限のヘイズ値は小さいほど好ましく、従って特に限定されない。
[第2ハードコート層]
以下、基材フィルムの他方の面に設けられる第2ハードコート層について説明する。
第2ハードコート層は、高い硬度を確保するという観点から、その厚みは0.5μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましく、0.9μm以上が特に好ましい。第2ハードコート層の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4(1999年))は、F以上が好ましく、H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
一方、第2ハードコート層の上限の厚みは、ハードコートフィルムのカールを抑制すると言う観点から、4.0μm未満が好ましく、3.0μm未満がより好ましく、2.0μm未満が特に好ましい。
上述したように、ハードコートフィルムのヘイズ値を小さくするという観点から、第2ハードコート層の表面は平滑でクリアーであることが好ましい。即ち、第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さ(Ra2)は、20nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましく、13nm以下が特に好ましい。下限は特に限定されないが、現実的には0.1nm程度である。
第2ハードコート層は、第2ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra2)を20nm以下とするために、第2ハードコート層は平均粒子径が0.5μm以上である粒子を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、第2ハードコート層が、平均粒子径が0.5μm以上である粒子を実質的に含有しないとは、第2ハードコート層を形成するための塗布液(例えば、活性エネルギー線硬化性組成物)に平均粒子径が0.5μm以上である粒子を意図的に添加しないことを意味する。なお、第2ハードコート層に含まれる粒子の平均径は、第1ハードコート層に含まれる粒子の平均粒子径の測定方法と同様の方法によって、求められる。
第2ハードコート層は、その表面には粒子あるいは粒子凝集体による突出部は存在しないことが好ましい。第2ハードコート層は、平均粒子径が0.5μm未満の粒子を含有することができるが、上記の観点から第2ハードコート層に含有させる粒子の平均粒子径は調整することが好ましい。
第2ハードコート層に粒子を含有させる場合は、粒子の平均粒子径は0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。このような粒子の含有量は、第2ハードコート層の固形分総量100質量%に対して0.1〜15質量%の範囲が適当であり、0.5〜10質量%の範囲がより好ましく、特に1〜8質量%の範囲が好ましい。
第2ハードコート層は、粒子を全く含有しないことが最も好ましい。
第2ハードコート層は、樹脂として熱硬化性樹脂あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましい。ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって重合されて硬化された樹脂を意味する。
活性エネルギー線硬化性樹脂を得るための重合性化合物としては、前述の第1ハードコート層の中で説明したものと同様のものを用いることができる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂の含有量についても、前述の第1ハードコート層における含有量と同様である。
第2ハードコート層は、第1ハードコート層と同様に重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成されたものであることが好ましい。
第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。かかる光重合開始剤は、前述の第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物に含有される光重合開始剤と同様のものを用いることができる。また、光重合開始剤の含有量についても、前述の第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物における含有量と同様である。
第2ハードコート層の屈折率の範囲は、1.48〜1.54の範囲であることが好ましく、1.50〜1.54の範囲がより好ましい。第2ハードコート層を、上述した活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成することにより、屈折率が1.48〜1.54の範囲の第2ハードコート層を得ることができる。
基材フィルムと第2ハードコート層との密着性を強化するために、前述の樹脂層を基材フィルムと第2ハードコート層との間に介在させることが好ましい。基材フィルムと第2ハードコート層との間に設けられる樹脂層の屈折率の範囲は、1.55〜1.61の範囲が好ましく、1.56〜1.60の範囲がより好ましく、1.57〜1.59の範囲が特に好ましい。これによって、ハードコートフィルムの反射色をニュートラルな無色に近づけることができる。
本発明のハードコートフィルムの好ましい態様として、屈折率が1.62〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第1ハードコート層が積層され、かつポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第2ハードコート層が積層された態様が挙げられる。
また、上記の好ましいハードコートフィルムの少なくとも一方のハードコート層上に、後述の屈折率調整層を介してパターン化された透明導電膜が形成された透明導電性フィルムは、パターン化された透明導電膜のパターン部が視認される、いわゆる「骨見え」が有効に抑制される。
[透明導電性フィルム]
本発明のハードコートフィルムは、透明導電性フィルムのベースフィルムとして好適である。つまり、本発明のハードコートフィルムをベースフィルムとして用いた透明導電性フィルムは、本発明のハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が積層されたものである。
透明導電膜は、本発明のハードコートフィルムのどちらか一方の面のみに積層されていてもよいし、両方の面に積層されていてもよい。
本発明のハードコートフィルムをベースフィルムとして用いた透明導電性フィルムの構成例の幾つかを以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
i)第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第1ハードコート層/透明導電膜
ii)透明導電膜/第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第1ハードコート層/透明導電膜
iii)第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第2ハードコート層/透明導電膜
iv)透明導電膜/第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第2ハードコート層
v)透明導電膜/第1ハードコート層/樹脂層/基材フィルム/樹脂層/第2ハードコート層/透明導電膜。
上記の構成例の中でも、i)もしくはiii)が好ましい。つまり、透明導電膜の積層工程や加工工程におけるハードコートフィルムの耐ブロッキング性を確保するという観点から、一方の第1ハードコート層には透明導電膜を積層せず露出させておくことが好ましい。
また更に、透明導電膜を積層する面のハードコート層は比較的平滑でクリアーであることが好ましい。従って、i)もしくはiii)の構成例において、第1ハードコート層表面の中心線平均粗さRa1あるいは第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さRa2は20nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましく、特に13nm以下が好ましい。
[透明導電膜]
透明導電膜を形成する材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)等の金属酸化物、金属ナノワイヤー(例えば銀ナノワイヤー)、カーボンナノチューブが挙げられる。これらの中でも、ITOが好ましく用いられる。
透明導電膜の厚みは、表面抵抗値を10Ω/□以下の良好な導電性を確保するという観点から、8nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。一方、透明導電膜の厚みが大きくなりすぎると、色味(着色)が強くなったり、透明性が低下するという不都合が生じることがあるので、透明導電膜の厚みの上限は、60nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、特に40nm以下が好ましい。
透明導電膜の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライ製膜法(気相製膜法)、あるいはウェットコーティング法が挙げられる。
上記のようにして製膜された透明導電膜はパターン化されていてもよい。パターン化は、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、各種のパターンを形成することができる。なお、透明導電膜のパターン化により、パターン部(ハードコートフィルムの表面において透明導電膜が積層されている部分)と非パターン部(ハードコートフィルムの表面において透明導電膜が積層されていない部分)が形成されるが、パターン部の形状としては、例えば、ストライプ状、格子状等が挙げられる。
透明導電膜のパターン化は、一般的にはエッチングによって行われる。例えば、透明導電膜上にパターン状のエッチングレジスト膜を、フォトリソグラフィ法、レーザー露光法、あるいは印刷法により形成した後エッチング処理することにより、透明導電膜がパターン化される。透明導電膜がパターン化された後、エッチングレジスト膜がアルカリ水溶液で剥離除去される。
エッチング液としては、従来から公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が用いられる。
エッチングレジスト膜の剥離除去に用いられるアルカリ水溶液としては、1〜5質量%の水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。
[屈折率調整層]
上記透明導電性フィルムの構成例において、透明導電膜は第1ハードコート層あるいは第2ハードコート層の上に直接に積層されてもよいが、透明導電膜と第1ハードコート層あるいは第2ハードコート層との間に屈折率調整層を介在させることが好ましい。以下、屈折率調整層について説明する。
屈折率調整層は、1層のみで構成されてもよいし、2層以上の積層構成であってもよい。屈折率調整層は、その上に積層される透明導電膜の反射色や透過色を調整するための機能、あるいはパターン化された透明導電膜のパターン部が視認される、いわゆる「骨見え」を抑制するための機能を有する層である。
屈折率調整層の構成としては、例えば、屈折率が1.60〜1.80の高屈折率層の1層構成、屈折率が1.30〜1.55の低屈折率層の1層構成、あるいは上記高屈折率層と低屈折率層との積層構成(低屈折率層が透明導電膜側に配置)などが挙げられる。
上記高屈折率層の屈折率は、さらに1.63〜1.78の範囲が好ましく、1.65〜1.75の範囲がより好ましい。上記低屈折率層の屈折率は、さらに1.35〜1.53の範囲が好ましく、1.40〜1.51の範囲がより好ましい。
屈折率調整層の厚み(複数層の積層構成の場合は合計厚みを指す)は、0.2μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましく、0.12μm以下が特に好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。下限の厚みは0.03μm以上が好ましく、0.04μm以上がより好ましく、0.05μm以上が特に好ましく、0.06μm以上が最も好ましい。
高屈折率層は、例えば屈折率が1.65以上の金属酸化物微粒子を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成することができる。ここで活性エネルギー線硬化性組成物は、前述の第1ハードコート層で説明した活性エネルギー線硬化性樹脂と光重合開始剤を少なくとも含有する組成物である。
金属酸化物微粒子としては、チタン、ジルコニウム、亜鉛、錫、アンチモン、セリウム、鉄、インジウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いてもよいし、複数併用してもよい。上記金属酸化物微粒子の中でも、特に酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが、透明性を低下させずに屈折率を高めることができるので好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物における金属酸化物微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。上限は70質量%以下が好ましく、60質量%以下が好ましい。
低屈折率層は、例えば、低屈折率材料として低屈折率無機粒子および/または含フッ素化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をウェットコーティング法により塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成することができる。ここで活性エネルギー線硬化性組成物は、前述の第1ハードコート層で説明した活性エネルギー線硬化性樹脂および光重合開始剤を含有する組成物である。
低屈折率無機粒子としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機粒子が好ましい。さらにこれらの無機粒子は中空状や多孔質のものが好ましい。このような低屈折率無機粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して1〜50質量%の範囲が好ましく、3〜40質量%の範囲がより好ましく、特に5〜35質量%の範囲が好ましい。
含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。ここで、含フッ素モノマーあるいは含フッ素オリゴマーは、分子中に前述のエチレン性不飽和基とフッ素原子とを有するモノマーあるいはオリゴマーである。
含フッ素モノマー、含フッ素オリゴマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、βー(パーフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類、 ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,2−トリフルオロエチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルエチレングリコール、ジ−(α−フルオロアクリル酸)−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニルエチレングリコールなどのジ−(α−フルオロアクリル酸)フルオロアルキルエステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
含フッ素化合物の含有量は活性エネルギー線硬化性組成物の固形分総量100質量%に対して、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜45質量%の範囲がより好ましく、特に15〜40質量%の範囲が好ましい。
[タッチパネル]
本発明のハードコートフィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、タッチパネルの構成部材の1つとして好ましく用いられる。
抵抗膜式タッチパネルは、通常、上部電極と下部電極がスペーサーを介して配置された構成となっているが、本発明のハードコートフィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、上部電極および下部電極のどちらか一方あるいは両方に用いることができる。
また、静電容量式タッチパネルは、通常、パターン化されたX電極とY電極で構成されるが、本発明のハードコートフィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、X電極およびY電極のどちらか一方あるいは両方に用いることができる。
本発明のハードコートフィルムは、静電容量式タッチパネルの透明導電性フィルムのベースフィルムとして好適である。
タッチパネルに使用される透明導電性フィルムは、透明性および加工性(耐ブロッキング性)が良好なことが要求されるが、本発明のハードコートフィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、上記特性を十分に満足することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
(1)各層の屈折率の測定
それぞれの塗布液をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で589nmの屈折率を測定した。
また、基材フィルム(PETフィルム)の屈折率は、JIS K7105(1981)に準じて、アッベ屈折率計で589nmの屈折率を測定した。
(2)樹脂層の厚みの測定
樹脂層が積層された基材フィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO染色、OsO 染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で断面構造が目視可能な以下の条件にて観察し、その断面写真から樹脂層の厚みを測定する。尚、測定個所は粒子が存在しない部分である。なお、5箇所を測定して、その平均値を樹脂層の厚みとした。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法
・倍率:30万倍。
(3)第1および第2ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層の厚みの測定
ハードコートフィルムの断面を超薄切片に切り出し、TEM(透過型電子顕微鏡)で加速電圧100kVにて観察(1〜30万倍の倍率で観察)し、その断面写真から厚みを測定する。尚、第1ハードコート層のように表面に突出部を有する層については、突出部が存在しない部分における厚みである。厚みの測定は5箇所で行い、その平均値を厚みとした。
(4)第1ハードコート層に含有される粒子の平均粒子径の測定
第1ハードコート層の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察(約1万〜10万倍)し、その断面写真から、無作為に選択した30個の粒子(ここで、粒子(粒子が粒子集合体を形成している場合は、粒子集合体を形成している個々の粒子)とは、TEMによる観察において、視覚的にこれ以上細分化できない1つの塊を意味する。この意味において、粒子は、一次粒子の形態あるいは複数個の一次粒子が密に凝集した二次粒子の形態(一次粒子が判別できないほどに密に凝集した形態)を取り得る。)のそれぞれの最大長さを計測し、それらを平均した値を粒子の平均粒子径とした。
(5)樹脂層に含有される粒子の平均粒子径の測定
基材フィルムに積層された樹脂層(易接着層)表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率一万倍で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えてデータを取り込み、合計粒子数5000個以上となったところで次の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径dを平均粒径(直径)とした。
・d=Σdi /N
ここでdi は粒子の等価円直径(粒子の断面積と同じ面積を持つ円の直径)、Nは個数である。
(6)第1および第2ハードコート層の表面の中心線平均粗さRaの測定
JIS B0601(1982)に基づき、触針式表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)を用いて測定した。
<測定条件>
送り速さ;0.5mm/s
評価長さ;8mm
カットオフ値λc;0.08mm。
(7)第1ハードコート層表面における突出部の個数および突出部を形成する粒子個数の計測
ハードコートフィルムのカットサンプル(20cm×15cm)を用意し、このカットサンプルの第1ハードコート層の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)にてランダムに5箇所撮影(約1万〜10万倍)し、5つの画像(表面写真)を作製する。次に、5つの画像それぞれについて、画像の4μm平方(面積16μm)の範囲に存在する突出部の個数を計測し、平均した。
また、上記と同様の画像にて、1つの突出部を形成する粒子個数を、全ての突出部について計測し、平均した。
(8)第1ハードコート層表面における突出部の長さ(L)の測定
上記(7)で撮影した画像(表面写真)の中から無作為に選択した10個の突出部の長さ(L)を測定し、平均した。
(9)第1ハードコート層表面における突出部の高さ(T)の測定
ハードコートフィルムのカットサンプル(20cm×15cm)を用意し、このカットサンプルの第1ハードコート層の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)にて5箇所撮影(約1万〜10万倍)し、5つの断面写真を作製する。次に、5つの断面写真に存在する全ての突出部の高さを測定し、平均した。
(10)ハードコートフィルムのヘイズ値の測定
JIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−2000」を用いて測定した。測定に際し、ハードコートフィルムの第1ハードコート層が設けられている側の表面に光が入射するように配置する。
尚、両面に第1ハードコート層が設けられたハードコートフィルムについては、どちらか一方の面の第1ハードコート層表面に光が入射するように配置して測定した。
(11)耐ブロッキング性の評価
ハードコートフィルムの一方の表面を第1面とし、他方の表面を第2面とする。
ハードコートフィルムを切断して2枚のシート片(20cm×15cm)を作製する。この2枚のシートの第1面と第2面とが向き合うようにして重ね合わせる。次に、2枚のシート片を重ね合わせた試料をガラス板で挟み込み、約3kgの重りを載せて、50℃、90%(RH)の雰囲気下に48時間放置する。次に、重ね合わせ面を目視により観察しニュートンリングの発生状況を確認した後、両者を剥離し、以下の基準で評価した。
○(極めて良好):剥離前はニュートンリングが発生しておらず、剥離時には剥離音を立てずに軽く剥離される。
△(良好):剥離前は一部ニュートンリングが発生しており、剥離時には小さな剥離音を立てながら剥離される。
×(不良):剥離前は全面にニュートンリングが発生しており、剥離時には大きな剥離音を立てて剥離される。
(12)ハードコートフィルムの反射色の目視評価
ハードコートフィルムの第2ハードコート層の面に黒粘着テープ(日東電工製“ビニルテープNo.21 トクハバ 黒”)を貼り付け、第1ハードコート層の面の反射色を暗室三波長蛍光灯下にて目視にて観察し、以下の基準で行った。
同様に、ハードコートフィルムの第1ハードコート層の面に黒粘着テープ(日東電工製“ビニルテープNo.21 トクハバ 黒”)を貼り付け、第2ハードコート層の面の反射色を暗室三波長蛍光灯下にて目視にて観察し、以下の基準で行った。
○:反射色がニュートラルでほぼ無色である。
×:反射色が着色を呈している。
尚、両面に第1ハードコート層が設けられたハードコートフィルムについては、上記と同様にして片面ずつ評価した。
(13)透明導電膜パターンの視認性
黒い板の上に透明導電性フィルムを置き、目視により透明導電膜のパターン部が視認できるかどうか以下の基準で評価した。
○:パターン部が視認できない。
×:パターン部が視認できる。
続いて、以下の実施例および比較例において、用いた原料等について説明する。
<樹脂層形成用塗布液>
(樹脂層形成用塗布液a)
固形分質量比で、Tg(ガラス転移温度)が120℃のポリエステル樹脂aを26質量%、Tgが80℃のポリエステル樹脂bを54質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂a;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%、エチレングリコールを含むジオール成分50モル%を共重合して得られたポリエステル樹脂
・ポリエステル樹脂b;テレフタル酸38モル%、トリメリット酸12モル%、エチレングリコールを含むジオール成分50モル%を共重合して得られたポリエステル樹脂
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
(樹脂層形成用塗布液b)
固形分質量比で、下記のアクリル樹脂を80質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・アクリル樹脂(下記の共重合組成からなるアクリル樹脂)
メチルメタクリレート 63重量%
エチルアクリレート 35重量%
アクリル酸 1重量%
N−メチロールアクリルアミド 1重量%
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
<粒子分散液の調製>
(粒子分散液A)
気相法シリカ(日本アエロジル(株)の「アエロジルOX50」、平均一次粒子径が40nm)を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)中で分散してシリカ濃度が15質量%の分散液を得た。分散装置としてビーズミルを用いた。
次に、この分散液300質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌し、次いで、フッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)13.8質量部および2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.57質量部を加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して、粒子分散液A(表面処理されたシリカ粒子の分散液)を得た。
(粒子分散液B)
気相法シリカ(日本アエロジル(株)の「アエロジルOX50」、平均一次粒子径が40nm)を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)中で分散してシリカ濃度が15質量%の分散液を得た。分散装置としてビーズミルを用いた。
次に、この分散液300質量部に、KBM7103(信越化学(株)製、フルオロアルキルアルコキシシラン)を8質量部混合し、50℃で1時間加熱撹拌して粒子分散液B(表面処理されたシリカ粒子の分散液)を得た。
(粒子分散液C)
気相法シリカ(日本アエロジル(株)の「アエロジルOX50」、平均一次粒子径が40nm)100質量部に、有機溶剤(メチルイソブチルケトン)を570質量部、フルオロアルキルアルコキシシラン(信越化学(株)製の「KBM7103」)を17質量部混合し、ペイントシェーカーを用いて3時間分散した。次いで、分散液を50℃で1時間加熱撹拌して粒子分散液C(表面処理されたシリカ粒子の分散液)を得た。
(粒子分散液D)
気相法シリカ(日本アエロジル(株)の「アエロジルOX50」、平均一次粒子径が40nm)を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)中で分散してシリカ濃度が15質量%の分散液を得た。分散装置としてビーズミルを用いた。
次に、この分散液300質量部に、分子中にエチレンオキシ基を有する陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)3質量部を混合し20時間撹拌して、界面活性剤で処理した粒子分散液D(表面処理されたシリカ粒子の分散液)を得た。
(粒子分散液E)
鎖状コロイダルシリカ(日産化学工業(株)の「オルガノシリカゾルMEK−ST−UP」、平均一次粒子径10〜20nm)150質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌し、次いで、フッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)13.8質量部および2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.57質量部を加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して、粒子分散液E(表面処理されたシリカ粒子の分散液)を得た。
(粒子分散液F)
鎖状コロイダルシリカ(日産化学工業(株)の「オルガノシリカゾルMEK−ST−UP」、平均一次粒子径10〜20nm)150質量部に、分子中にエチレンオキシ基を有する陰イオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:プライサーフA212E)3質量部を混合し20時間撹拌して、界面活性剤で処理した粒子分散液F(表面処理されたシリカ粒子の分散液)を得た。
(粒子分散液G)
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)の「オルガノシリカゾルMIBK−ST−L」、平均一次粒子径が40nm)100重量部に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量部添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランで処理された粒子分散液G(反応性シリカの分散液)を得た。但し、この処理は、先に定義した本発明の表面処理には含まれない。
(粒子分散液H)
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)の「オルガノシリカゾルMEK−ST−2040」、平均一次粒子径170〜230nm)をそのまま用いた。
(粒子分散液I)
有機粒子としてポリメタクリル酸メチル粒子(綜研化学(株)のPMMA粒子「MPシリーズ」、平均一次粒子径が700nm)を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)中で分散して粒子濃度が15質量%の分散液を得た。分散装置としてビーズミルを用いた。
[実施例1]
下記の要領でハードコートフィルムを作製した。
<樹脂層積層PETフィルムの作製>
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの両面にそれぞれ樹脂層塗布液aを塗布した。
次に、両面にそれぞれの樹脂層塗布液aが塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥した後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した二軸延伸PETフィルムを作製した。
このようにして得られた樹脂層積層PETフィルムの厚みは100μm、両面に積層されたに樹脂層の厚みは、それぞれ0.09μmであった。また、PETフィルムの屈折率は1.65、両面に積層された樹脂層の屈折率はそれぞれ1.59であった。
尚、PETフィルムの屈折率は、両面に樹脂層を積層しない以外は上記と同様の条件で製造したPETフィルムの屈折率を測定し、その値をPETフィルムの屈折率とした。
<第1ハードコート層の積層>
上記で得られた樹脂層積層PETフィルムの一方の面の樹脂層上に下記の第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物aをグラビアコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射し硬化させて、第1ハードコート層を形成した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物a>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Aを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
<第2ハードコート層の積層>
次いで、樹脂層積層PETフィルムの他方の面(第1ハードコート層が積層された面とは反対面)の樹脂層上に、下記の第2ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物Zをグラビアコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射し硬化させて、第2ハードコート層を形成した。この第2ハードコート層は、厚みが1.5μmm、屈折率が1.52であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物Z>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート48質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)47質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[実施例2]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物b>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Bを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[実施例3]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物c>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Cを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[実施例4]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物d>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Dを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[実施例5]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物e>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Eを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[実施例6]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物f>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Fを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[比較例1]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物g>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート35質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)30質量部、粒子分散液Gを固形分換算で30質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[比較例2]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.51であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物h>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Hを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[比較例3]
第1ハードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物を下記の組成物に変更する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。この第1ハードコート層は、厚みが1.0μmm、屈折率が1.52であった。
<活性エネルギー線硬化性組成物i>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)40質量部、粒子分散液Iを固形分換算で15質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルイソブチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[比較例4]
比較例3において、第1ハードコート層の厚みを2.0μmに変更する以外は比較例3と同様にしてハードコートフィルムを作成した。
[比較例5]
実施例1の樹脂層積層PETフィルムの作製において、樹脂層形成用塗布液を樹脂層形成用塗布液bに変更する以外は、実施例1と同様にして両面に樹脂層が積層されたPETフィルムを作製した。PETフィルムの両面に積層された樹脂層はそれぞれ、屈折率が1.52で、厚みが0.09μmであった。
<第1および第2ハードコート層の積層>
上記の樹脂層積層PETフィルムの一方の面に第1ハードコート層を比較例1と同様にして積層し、他方の面に第2ハードコート層を実施例1と同様にして積層してハードコートフィルムを作製した。第1ハードコート層の厚みは1.0μm、屈折率は1.51であり、第2ハードコート層の厚みは1.5μm、屈折率は1.52であった。
[評価]
上記の実施例および比較例で得られたハードコートフィルムについて、前述の測定方法および評価方法に従って、各項目の測定および評価を行った。その結果を表1および表2に示す。
尚、第2ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra2)は、いずれも5nmであった。
なお、表1において「組成物」とは「活性エネルギー線硬化性組成物」を指す。また、表2において、突出部個数の「0.1以下」とは、ランダムに撮影された5箇所全てに突出部は確認されないが、走査型電子顕微鏡によって広く観察すると極少数の突出部が確認される場合を意味する。なお、そのようなサンプルについては、突出部の長さ(L)、高さ(T)および突出部形成粒子個数の測定は行わなかった。
表1および表2の結果から、本発明の実施例はいずれも、ヘイズ値が小さく、また第1ハードコート層表面に粒子集合体による突出部が4μm平方当たり1個以上存在しており、耐ブロッキング性が良好であることが分かる。
また、本発明の実施例1〜4はいずれも、突出部の長さ(L)が0.7μm以上である突出部が4μm平方当たり1個以上存在することが確認される。その結果、実施例1〜4は、耐ブロッキング性が極めて良好である。
また更に、本発明の実施例1〜4はいずれも、突出部を形成する粒子個数が20個以上である突出部が4μm平方当たり1個以上存在することが確認される。その結果、実施例1〜4は、耐ブロッキング性が極めて良好である。
一方、比較例1、2、5は、突出部が0.1個以下であり、十分な耐ブロッキング性が得られていない。これは、シリカ粒子あるいはシリカ粒子集合体に本発明の表面処理が施されていないために、シリカ粒子集合体が第1ハードコート層表面近傍に十分に移動(浮上)しないことが原因であると推測される。
比較例3は、第1ハードコート層が、平均粒子径(r:μm)が0.5μm以上で、平均粒子径(r:μm)と第1ハードコート層の厚み(d:μm)との比率(r/d)が0.5を超える粒子を含有する。このハードコートフィルムは、耐ブロッキング性は良好であるが、粒子の平均粒子径(r:μm)と比率(r/d)が本発明の範囲を超えており、ハードコートフィルムのヘイズ値が大幅に上昇している。
比較例4は、比較例3における第1ハードコート層の厚み(d:μm)を2.0μmと大きくし、平均粒子径(r:μm)と第1ハードコート層の厚み(d:μm)との比率(r/d)を0.5以下にしたものであるが、依然とハードコートフィルムのヘイズ値が大きい。
比較例3、4の結果から、平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満であること、および平均粒子径(r:μm)と第1ハードコート層の厚み(d:μm)との比率(r/d)が0.5以下であることの2つの条件を満足することが重要であることが分かる。
また、比較例3、4のようにヘイズ値の高いハードコートフィルムは、高い透明性が要求される透明導電性フィルムのベースフィルム等への適用は不適である。
比較例5は、樹脂層の屈折率が1.55〜1.61の範囲を外れているため、ハードコートフィルムの反射色が着色を呈している。
[実施例11〜16]
実施例1〜6で得られたそれぞれのハードコートフィルムの第2ハードコート層の面に、下記の高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層し、次いで低屈折率層の上に下記の透明導電膜を形成して、静電容量式タッチパネル用の透明導電性フィルムを作製した。
<高屈折率層の積層>
下記の高屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて厚みが0.04μmの高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.65であった。
(高屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート47質量部、酸化ジルコニウム50質量部、および重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶媒(プロピレングリコールモノエチルエーテル)に分散・溶解して調製した。
<低屈折率層の積層>
下記の低屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて厚みが0.04μmの低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.46であった。
(低屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート84質量部、中空シリカ14質量部、単量体の重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。
<透明導電膜の積層>
ITO膜を厚みが22nmとなるようにスパッタリング法で積層し、格子状パターンにパターン加工(エッチング処理)して透明導電膜を形成した。
[評価]
実施例11〜16の透明導電性フィルムについて、耐ブロッキング性および透明導電膜パターンの視認性を評価した。その結果を表3に示す。
尚、透明導電性フィルムの耐ブロッキング性の評価は、前述の「(10)耐ブロッキング性の評価」において、第1ハードコート層の面と透明導電膜の面とが向き合うように重ねるように変更した以外は同様にして評価した。
実施例11〜16の透明導電性フィルムはいずれも、耐ブロッキング性および透明導電膜パターンの視認性は良好であった。
[実施例21]
実施例1において、樹脂層積層PETフィルムの両面にそれぞれ第1ハードコート層を積層する以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。樹脂層積層PETフィルムの両面に設けられた第1ハードコート層の厚みは、それぞれ1.0μmであった。
[実施例22]
実施例2において、樹脂層積層PETフィルムの両面にそれぞれ第1ハードコート層を積層する以外は、実施例2と同様にしてハードコートフィルムを作製した。樹脂層積層PETフィルムの両面に設けられた第1ハードコート層の厚みは、それぞれ1.0μmであった。
[実施例23]
実施例3において、樹脂層積層PETフィルムの両面にそれぞれ第1ハードコート層を積層する以外は、実施例3と同様にしてハードコートフィルムを作製した。樹脂層積層PETフィルムの両面に設けられた第1ハードコート層の厚みは、それぞれ1.0μmであった。
[実施例24]
実施例4において、樹脂層積層PETフィルムの両面にそれぞれ第1ハードコート層を積層する以外は、実施例4と同様にしてハードコートフィルムを作製した。樹脂層積層PETフィルムの両面に設けられた第1ハードコート層の厚みは、それぞれ1.0μmであった。
[実施例25]
実施例5において、樹脂層積層PETフィルムの両面にそれぞれ第1ハードコート層を積層する以外は、実施例5と同様にしてハードコートフィルムを作製した。樹脂層積層PETフィルムの両面に設けられた第1ハードコート層の厚みは、それぞれ1.0μmであった。
[実施例26]
実施例6において、樹脂層積層PETフィルムの両面にそれぞれ第1ハードコート層を積層する以外は、実施例6と同様にしてハードコートフィルムを作製した。樹脂層積層PETフィルムの両面に設けられた第1ハードコート層の厚みは、それぞれ1.0μmであった。
[評価]
上記の実施例21〜26で得られたハードコートフィルムについて、前述の測定方法および評価方法に従って、各項目の測定および評価を行った。その結果を表4に示す。
尚、実施例21〜26において、両面に設けられた第1ハードコート層の表面における突出部の個数、長さ(L)、高さ(T)および突出部を形成する粒子の個数については、両面ともに実施例21〜26が対応する実施例1〜6とほぼ同程度の結果であった(表2における実施例1〜6と同程度の結果であった)。
実施例21〜26は、いずれもヘイズ値が小さく、耐ブロッキング性が良好である。
[実施例31〜36]
実施例21〜26で得られたそれぞれのハードコートフィルムの一方の面の第1ハードコート層の面に、下記の高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層し、次いで低屈折率層の上に下記の透明導電膜を形成して、静電容量式タッチパネル用の透明導電性フィルムを作製した。
<高屈折率層の積層>
下記の高屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて厚みが0.03μmの高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.70であった。
(高屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート37質量部、酸化ジルコニウム60質量部、および光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を有機溶媒(プロピレングリコールモノエチルエーテル)に分散・溶解して調製した。
<低屈折率層の積層>
下記の低屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法により塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射して硬化させて厚みが0.04μmの低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.51であった。
(低屈折率層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを88質量部、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)のオルガノシリカゾル「MIBK−SD−L」、平均粒子径45nm)を固形分換算で10質量部、重合開始剤としてオリゴマー型光重合開始剤(ランベルティ社製のエザキュアワン;ポリ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン])2質量部を有機溶媒(メチルイソブチルケトンとプロピレングリコールモノエチルエーテルとの質量比1:1の混合溶媒)に分散・溶解して調製した。
<透明導電膜の積層>
ITO膜を厚みが20nmとなるようにスパッタリング法で積層し、格子状パターンにパターン加工(エッチング処理)して透明導電膜を形成した。
[評価]
実施例31〜36の透明導電性フィルムについて、耐ブロッキング性および透明導電膜パターンの視認性を評価した。その結果を表5に示す。
尚、透明導電性フィルムの耐ブロッキング性の評価は、前述の「(10)耐ブロッキング性の評価」において、他方の面の第1ハードコート層の面と透明導電膜の面とが向き合うように重ねるように変更した以外は同様にして評価した。
実施例31〜36の透明導電性フィルムはいずれも、耐ブロッキング性および透明導電膜パターンの視認性は良好であった。
1 粒子
2 基材フィルム
3 第1ハードコート層
10 粒子集合体
11 突出部
1a 二次粒子
1b 一次粒子
T 突出部の高さ
L 突出部の長さ

Claims (13)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に第1ハードコート層を備えたハードコートフィルムであって、第1ハードコート層は、平均粒子径(r:μm)が0.5μm未満でかつ第1ハードコート層の厚み(d:μm)に対して0.5倍以下である粒子が複数個集合した粒子集合体を含有し、第1ハードコート層表面に前記粒子集合体による突出部を有し、該突出部は10個以上の粒子が第1ハードコート層表面の面方向(平面的)に集合した状態で形成されており、かつこの突出部が第1ハードコート層表面の4μm平方当たり2個以上の密度で存在し、
    前記基材フィルムが、屈折率が1.62〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面もしくは両面に、屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第1ハードコート層が積層されていることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記第1ハードコート層における粒子の含有量が、第1ハードコート層の固形分総量100質量%に対して3質量%以上30質量%未満である、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記突出部の長さ(L)が0.4μm以上、突出部の高さ(T)が0.01μm以上である、請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記粒子がシリカ粒子であり、シリカ粒子またはシリカ粒子集合体が、表面自由エネルギーを小さくするための表面処理もしくは界面活性剤による表面処理が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 前記シリカ粒子が気相法シリカである、請求項4に記載のハードコートフィルム。
  6. ハードコートフィルムのヘイズ値が0.7%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  7. 前記第1ハードコート層表面の中心線平均粗さ(Ra1)が25nm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  8. 前記粒子の平均粒子径(r:μm)が0.01μm以上0.4μm未満である、請求項1〜7のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  9. 前記第1ハードコート層の厚み(d:μm)が0.5μm以上4μm未満である、請求項1〜8のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  10. 前記基材フィルムの両面に第1ハードコート層を備えた、請求項1〜9のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  11. 前記樹脂層が粒子を含有し、該粒子の平均粒子径が樹脂層の厚みより大きいことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  12. 前記基材フィルムが、屈折率が1.62〜1.70であるポリエチレンテレフタレートフィルムであり、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第1ハードコート層が積層されており、かつ前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に屈折率が1.55〜1.61である樹脂層を介して屈折率が1.48〜1.54である第2ハードコート層が積層されている、請求項1〜9のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜を有する、透明導電性フィルム。
JP2014555658A 2013-11-27 2014-10-31 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム Expired - Fee Related JP5835504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014555658A JP5835504B2 (ja) 2013-11-27 2014-10-31 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244653 2013-11-27
JP2013244653 2013-11-27
PCT/JP2014/079063 WO2015079866A1 (ja) 2013-11-27 2014-10-31 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム
JP2014555658A JP5835504B2 (ja) 2013-11-27 2014-10-31 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015161576A Division JP5835517B1 (ja) 2013-11-27 2015-08-19 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5835504B2 true JP5835504B2 (ja) 2015-12-24
JPWO2015079866A1 JPWO2015079866A1 (ja) 2017-03-16

Family

ID=53198814

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014555658A Expired - Fee Related JP5835504B2 (ja) 2013-11-27 2014-10-31 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム
JP2015161576A Expired - Fee Related JP5835517B1 (ja) 2013-11-27 2015-08-19 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015161576A Expired - Fee Related JP5835517B1 (ja) 2013-11-27 2015-08-19 ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム

Country Status (4)

Country Link
JP (2) JP5835504B2 (ja)
KR (1) KR20160090799A (ja)
CN (1) CN105764690B (ja)
WO (1) WO2015079866A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6821969B2 (ja) * 2016-06-30 2021-01-27 東レ株式会社 ポリエステルフィルム
JP6983586B2 (ja) * 2016-09-07 2021-12-17 東山フイルム株式会社 透明導電性フィルム用のハードコートフィルム
KR102232647B1 (ko) * 2017-12-11 2021-03-25 주식회사 엘지화학 투명 도전성 필름 및 이를 포함하는 터치 패널

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241937A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Dainippon Printing Co Ltd ハードコート層用硬化性樹脂組成物、ハードコートフィルム、及び透過型光学表示装置
JP2014141075A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液
JP2015058550A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 東レフィルム加工株式会社 積層フィルムおよび透明導電性フィルム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5504605B2 (ja) * 2007-10-30 2014-05-28 大日本印刷株式会社 ハードコート層用硬化性樹脂組成物、及びハードコートフィルム
JP5104698B2 (ja) 2008-09-30 2012-12-19 大日本印刷株式会社 ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、及びハードコート層用硬化性樹脂組成物
JP5503241B2 (ja) * 2009-09-28 2014-05-28 日揮触媒化成株式会社 ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液
JP2012027401A (ja) 2010-07-27 2012-02-09 Panasonic Electric Works Co Ltd ハードコートフィルムおよび反射防止フィルム
JP2012066481A (ja) * 2010-09-24 2012-04-05 Nippon Zeon Co Ltd ハードコート層を有する積層フィルム、およびタッチパネル用積層フィルム
KR101927558B1 (ko) 2011-06-29 2018-12-10 닛토덴코 가부시키가이샤 방현성 필름, 편광판, 화상 표시 장치 및 방현성 필름의 제조 방법
JP5858278B2 (ja) * 2011-11-22 2016-02-10 Dic株式会社 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の製造方法、塗料、塗膜、及びフィルム
JP6080032B2 (ja) * 2012-03-15 2017-02-15 東レフィルム加工株式会社 反射防止フィルム
JP6078938B2 (ja) * 2012-03-15 2017-02-15 大日本印刷株式会社 光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置
WO2013147151A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 三菱化学株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、積層体およびロール状積層体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241937A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Dainippon Printing Co Ltd ハードコート層用硬化性樹脂組成物、ハードコートフィルム、及び透過型光学表示装置
JP2014141075A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液
JP2015058550A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 東レフィルム加工株式会社 積層フィルムおよび透明導電性フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016027404A (ja) 2016-02-18
JPWO2015079866A1 (ja) 2017-03-16
KR20160090799A (ko) 2016-08-01
CN105764690B (zh) 2018-05-18
WO2015079866A1 (ja) 2015-06-04
CN105764690A (zh) 2016-07-13
JP5835517B1 (ja) 2015-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5528645B1 (ja) ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム
KR101524580B1 (ko) 투명 도전성 필름, 터치 패널 및 표시 장치
JP6481368B2 (ja) 光学積層体、その製造方法、並びにこれを用いた偏光板及び液晶表示装置
KR101344132B1 (ko) 광학 적층체
JP2010085759A (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP2009104076A (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP2009098654A (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP2015176465A (ja) タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム
JP5835517B1 (ja) ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム
WO2014103686A1 (ja) 光学積層体、これを用いた偏光板及び画像表示装置
JP2008151866A (ja) 光学フィルム、偏光板、画像表示装置、及び光学フィルムの製造方法
JP5821099B2 (ja) タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム
JP6263980B2 (ja) 透明導電膜形成用基材、透明導電性基材及びタッチパネル
JP2014026071A (ja) ハードコートフィルム、透明導電性フィルムおよびタッチパネル
JP6103306B2 (ja) 積層フィルムおよび透明導電性フィルム
JP2015176466A (ja) タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム
JP6256154B2 (ja) 積層体、該積層体を用いたタッチパネル及び積層体の製造方法
JP6217365B2 (ja) 光学積層体、その製造方法、並びにこれを用いた偏光板及び画像表示装置
JP2016179603A (ja) ハードコートフィルムおよび透明導電性フィルム
JP2016055583A (ja) 導電性積層体およびそれを用いたタッチパネル
JP5907243B2 (ja) タッチパネル用ハードコートフィルム、及び、タッチパネル
TWI362502B (en) Optical laminate
JP2016137611A (ja) 透明積層フィルムおよびその製造方法
JP2015098138A (ja) 透明導電膜形成用基材、透明導電性基材及びタッチパネル
KR20150015222A (ko) 투명 도전성 필름

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5835504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees