JP2012066481A - ハードコート層を有する積層フィルム、およびタッチパネル用積層フィルム - Google Patents

ハードコート層を有する積層フィルム、およびタッチパネル用積層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】
光学特性に優れ、低アウトガスである積層フィルム、アンチブロッキング性、アンチニュートンリング性に優れたタッチパネル用積層フィルムを提供する。
【課題手段】
基材シートが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、基材シート表面に第1ハードコート層、反対側基材シート表面に第2ハードコート層が積層され、
前記第1ハードコート層に平均一次粒子径が10〜100nmである鱗片状の無機粒子を含み、当該積層フィルムの写像鮮明性が90%以上である積層フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハードコート層を有する積層フィルム、およびタッチパネル用積層フィルムに関し、さらに詳しくは、低アウトガス性があり、透明性に優れるなどの光学特性に優れたタッチパネル用積層シートに関する。
ノートパソコン、OA機器、医療機器、カーナビゲーション、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDP)等の電子機器においては、ディスプレーに入力手段を重ね備えるタッチパネルが広く利用されている。透明タッチパネルは2枚の透明電極層の電極面同士を相対するように配置された構造を有する。タッチパネルの方式には、光学式、超音波式、電磁誘導式、抵抗膜式が一般に使われている。
電極としては、導電膜としては、ITO(インジウム錫酸化物)、ATO(錫アンチモン酸)等の金属酸化物または金、パラジウム、アルミニウム、銀等の金属の薄膜が用いられている。近年、破損しやすいガラス基板に替わって、高分子フィルムを基板とした導電性透明シートを用いたタッチパネルの検討が進んでいる。
高分子フィルムとしては、機械的性質、表面平滑性、硬度、耐熱性、耐溶剤性、耐スクラッチ性、非透湿性、厚みが大きくても十分な透明性および光学特性を有することなど、様々な特性を満たさなければならない。そこで、ガラスに代わるポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のプラスチック基板や、熱硬化性アクリル樹脂や熱硬化エポキシ樹脂などのフィルム基板が用いられるようになってきた。
特許文献1においては、1/4波長板にITOを積層した導電性フィルムが記載されているが、直接ITOをスパッタすると、搬送時に傷が付く可能性がある。また、特許文献2には、脂環式構造含有重合体樹脂の両面ハードコード層を付与したものが挙げられている。しかし、巻取りの際、保護フィルムが必要となる。特許文献3に関してはノルボルネン系樹脂フィルム上に保護層を形成して、導電性塗料を塗工することが記載されている。しかし、密着性に問題点が残る。
また、光学用途の成形材料として広く使用されている、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などは、PCやPMMAは光弾性係数が大きいため、タッチパネルなどの応力がかかる部材に用いた場合には複屈折が大きくなることがあり、吸水性が高く、耐熱性も不十分である。さらに、PETは透明タッチパネルを液晶表示素子に重ね合わせて用いる使い方をすると、視認性、コントラストなどの点で不充分であるという問題点を有している。
さらに特許文献4では、ハードコートに燐片形状の粒子を含有させることが記載されているが、低アウトガス性、タッチパネルにおけるニュートンリング対策においては言及されていない。
特開2009−226932号公報 特開平11−282625号公報 特開2009−245935号公報 特開2004−42653号公報
タッチパネル用基材として利用する場合、透明導電層を形成するベースフィルムは光等方性を有することが要求され、従来使われているPETフィルムのような光等方性を有しないフィルムは用いることができない。また、ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)等の光学用プラスチックからなるフィルムは、複屈折値が小さいものの、吸水性が大きく、耐熱性も不十分である。そこで、透明性、耐湿性・吸水性に優れている熱可塑性ノルボルネン樹脂は、光学フィルムとして有望視されている。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光学フィルムは、吸水性に優れているだけでなく、面内及び厚み方向のレターデーション値を制御することができる。さらに、1軸又は2軸延伸を行うことにより、可視光550nmの透過光に対する面内のレターデーション値(Re)が120〜150nmを示し、厚み方向のレターデーション値(Rth)が60〜225nmの範囲にある1/4波長板機能を有する基材を成形することが可能である。
しかし、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材を単体で利用した場合、機械的性質、表面平滑性、硬度、耐熱性、耐溶剤性に劣るという問題点がある。さらにマスキングフィルムがなければ巻き取れないという課題もある。また、ITOやIZOを蒸着・スパッタ等によって積層する際、揮発ガス(アウトガス)によって、密着が阻害されるという問題点もある。さらに、抵抗膜式タッチパネルの場合、上部電極と下部電極が接触した際、ニュートンリングができるという課題もある。
本発明者は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を基材シートに用い、両面にハードコート層を設け、燐片形状の粒子をハードコート層に含有されることによって、ブロッキング防止、ニュートンリングの防止を実現し、マスキングフィルムなしで巻き取れ、写像鮮明性においては、90%以上を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は、
〔1〕 基材シートが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、基材シート表面に第1ハードコート層、反対側基材シート表面に第2ハードコート層が積層され、
前記第1ハードコート層に平均一次粒子径が10nm以上100nm以下である鱗片状の無機粒子を含み、当該積層フィルムの写像鮮明性が90%以上である積層フィルム。
〔2〕前記第1ハードコート層に含まれる無機粒子が、酸化ケイ素成分を35重量%以上含む〔1〕記載の積層フィルム。
〔3〕前記第2ハードコート層に、一次平均粒子径(D50)が500nm以下の微粒子、または一次平均粒子径が500nm以下の、異なる2種類もしくは3種類の粒子径の粒子を含有する〔1〕または〔2〕に記載の積層フィルム。
〔4〕前記基材シートの面内位相差が10nm以下、または面内位相差が120〜150nmかつ厚み方向位相差が60〜225nmである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の積層フィルム。
〔5〕アウトガスが1μg/g以下である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層フィルム。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の積層フィルムの第1ハードコート層上に、導電膜が積層されているタッチパネル用積層フィルム。
〔7〕前記導電膜が、ITO、IZO、またはポリチオフェンを含有する導電ポリマーからなる〔6〕に記載のタッチパネル用積層フィルム。
である。
本発明の積層フィルムは、ハードコート層に燐片形状の粒子を用いることによって、低アウトガス性の発現、およびニュートンリング対策を講じることができ、さらにブロッキングを防止し、かつマスキングレスにすることができる。さらに、ITOやIZO等を積層して、タッチパネル用積層フィルムにする際に、アウトガスによる密着不良を防止することができ、かつニュートンリング対策に直結するという利点がある。
図1は、本発明の積層体の構造を説明するための図である。
以下本発明を詳細に説明する。
(基材シート)
本発明で用いる基材シートは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、特開平3−14882号や特開平3−122137号、特開平4−63807号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合体、これらの重合体の変性物などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体は、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボエルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネン等;ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノオクタヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロー2,3−シクロペンタジエノアントラセン等;シクロペンタジエンの多量体である多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等;等が挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。極性基の種類としては、ヘテロ原子、またはヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などが挙げられる。飽和吸水率の小さいフィルムを得るためには。極性基の量が少ない方が好ましく、極性基を持たない方がより好ましい。
ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素添加物を、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エポキシ単量体を用いて変性させてもよい。
本発明においては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測定したポリスチレン換算値で、10,000〜200,000、好ましくは15,000〜100,000、より好ましくは20,000〜50,000のものである。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が分子構造中に不飽和結合を有している場合は、水素添加することにより、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とすることができる。水素添加する場合、水素添加率は耐熱劣化性、耐光劣化性などの観点から、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。
本発明で用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、所望により、フェノール系やリン系などの老化防止剤;フェノール系などの熱劣化防止剤;ベンゾフェノン系などの紫外線安定剤;アミン系などの帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エーテルなどの滑剤;などの各種添加剤を添加してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂などを混合して用いることもできる。
本発明で用いられる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。
本発明で用いる基材シートは熱可塑性ノルボルネン系樹脂をフィルム状に成形したものである。成形方法は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂の一般的成形法である、射出成形、溶融押し出し、熱プレス、溶剤キャスト、延伸などを用いることができる。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートは、膜厚が20μm以上250μm以下が好ましく、より好ましくは23μm以上188μm以下である。
本発明の一態様として、用いられる熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートは、10nm以下の面内及び厚み方向の面内位相差(レターデーション)を示す。バックライトから発せられた光および表面から入ってきた光をそのまま通す必要性がある場合は、レターデーション(複屈折率)値の小さい光学等方性有することが必要となる。レターデーション値が10nmを越えるような大きい値であると、バックライトから出射された光および偏光板を通過した光が互いに垂直な振動方向をもつ2つの光波に分けられ、光波の位相ずれが発生して円偏光が楕円偏光になり、バックライトから出射された色と異なる色になったり、色むらが生じたりする。
レターデーションとは、結晶その他の非等方性物質に入射した光が互いに垂直な振動方向を持つ2つの光波に分かれる現象である。複屈折を持つ材料に非偏光の光を入射すると、入射光は2つに分かれる。両者は振動方向が互いに直角で、一方を垂直偏光、他方を水平偏光という。垂直の方が異常光線、水平の方が常光線となり、常光線は伝搬速度が伝搬方向によらない光線で、異常光線は伝搬方向によって速度が異なる光線である。複屈折材料ではこの2つの光線の速度が一致する方向がありこれを光学軸という。レターデーション値Δndは、Δnd=(nx−ny)dで表される。ここで、dは試料の厚さ、nx、nyは試料の屈折率である。
本発明で用いる基材シートの面内及び厚み方向のレターデーション値の制御方法は特に限定されない。その方法の具体例としては、フィルムの膜厚制御やフィルムの成形速度が挙げられる。また、両面にハードコート層を形成したハードコートフィルムの熱処理を行うことにより制御できる。
本発明の別の一態様で用いる基材シートは、可視光550nmの透過光に対する面内のレターデーション値(Re)が120〜150nmを示し、厚み方向のレターデーション値(Rth)が60〜225nmの範囲にある1/4波長板の特性を有するフィルムである。
前記面内レターデーション(Re)とは、面内遅相軸方向の屈折率nxと面内で前記遅相軸に直交する方向の屈折率nyとの差にフィルムの平均厚みdを乗算した値(Re=(nx−ny)×d)である。
さらに、前記厚み方向のレターデーション(Rth)は、Rth(=((nx+ny)/2−nz)×dで表される。nxは面内遅相軸方向の屈折率;nyは面内で前記遅相軸に直交する方向の屈折率;nzは厚さ方向の屈折率;dはフィルムの平均厚さである。
上記基材シートの面内レターデーション値(Re)は、好ましくは120nm〜150nmであり、さらに好ましくは130nm〜150nmである。厚み方向のレターデーション値(Rth)は、60nm〜225nmであることが好ましい。上記基材シートを有することにより、反射光を防止することができ、高コントラストのタッチパネルが得られるという効果を奏する。
上記基材シートの厚み方向のレターデーション値(Rth)は、60nm〜225nmであることが好ましい。より好ましくは、60nm〜150nmである。バラツキは、好ましくは10nm以内、より好ましくは5nm以内、特に好ましくは2nm以内である。上記基材シートを有することにより、反射光を防止することができ、高コントラストのタッチパネルが得られるという効果を奏する。
本発明において、面内方向のレターデーション(Re)のバラツキ、厚み方向のレターデーション(Rth)のバラツキは、好ましくは10nm以内、より好ましくは5nm以内、特に好ましくは2nm以内である。前記面内方向のレターデーションReのバラツキ、厚み方向のレターデーション(Rth)のバラツキを、上記範囲にすることにより、液晶表示装置用の位相差フィルムとして用いた場合に表示品質を良好なものにすることが可能になる。
上記可視光550nmの透過光に対する面内のレターデーション値(Re)が120〜150nmを示し、厚み方向のレターデーション値(Rth)が60〜225nmの範囲にある1/4波長板の特性を有するフィルムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂から得られる未延伸フィルムを1軸、2軸又は斜め延伸することにより、好適に得られる。延伸方法は特に限定はされないが、ロール方式、フロート方式の縦延伸法、テンター方式の横一軸延伸と同時二軸延伸が挙げられる。さらに、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸処理することができるものであれば、特に制約されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
上記の斜め延伸によって得られるフィルムは、残留揮発性成分の含有量が、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下である。残留揮発性成分の含有量が多いと経時的に光学特性が変化するおそれがある。揮発性成分の含有量を上記範囲にすることにより、寸法安定性が向上し、面内方向レターデーションReや厚さ方向レターデーションRthの経時変化を小さくすることができる。
未延伸フィルムを斜め延伸するときの温度は、前記脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃ からTg+50℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
延伸された熱可塑性樹脂の平均厚みは、機械的強度などの観点から、好ましくは20μm以上250μm以下、さらに好ましくは23μm以上188μm以下である。また、延伸フィルムの幅方向の厚みムラは巻き取りの可否に影響を与えるため、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下である。
未延伸フィルムを成形する方法としては特に制約されず、公知の成形法を採用することができる。例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも採用することができるが、シート中の揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法を用いるのが好ましい。加熱溶融成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度および表面精度などに優れる延伸フィルムを得るためには、溶融押出し成形法を用いるのが好ましい。熱可塑性ノルボルネン系樹脂を成形したものである。成形方法は、特に限定されない。熱可塑性樹脂の一般的成形法である、射出成形、溶融押し出し、熱プレス、溶剤キャスト、延伸などを用いることができる。
成形条件は、使用目的や成形方法により適宜選択されるが、溶融押出成形法による場合は、シリンダー温度が、好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃ の範囲で適宜設定される。
未延伸フィルムの厚みは、得られる延伸フィルムの使用目的などに応じて適宜決定することができる。フィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な延伸フィルムが得られる観点から、好ましくは30μm以上300μm以下である。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる1/4波長機能を有するフィルムのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上である。該樹脂のTgが低すぎると、成形品の耐熱性が低下する。
さらに、ハードコート層の形成時およびタッチパネル製造工程を考慮すると、Tg120℃以上で光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下のものを用いるのが好ましい。Tgが120℃に満たないと、ハードコートの乾燥工程及び活性エネルギー線硬化させる際のストレスや導電層を積層する際の温度等により、基材シートに変形やしわが発生するおそれがある。また、光弾性係数が10×10−10・Pa−1を越えると、貼り合わせなどの引っ張りストレスにより、容易に面内及び厚み方向のレターデーション値が変化してしまい、部分的に光学等方性でなくなるおそれがある。
また、本発明における熱可塑性ノルボルネン系フィルムは、ハードコート層との接着性を高める目的で表面処理を施したものであってもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけコロナ処理を用いることで、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィルムとハードコート層の密着を強固とすることができる。
コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量として1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の熱可塑性ノルボルネン系フィルムの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。。また、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層の外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
(ハードコート層)
第1ハードコート層は、平均一次粒子径が10以上100nm以下である鱗片状の無機粒子を含み、当該積層フィルムの写像鮮明性が90%以上の層である。
ハードコート層は、粒子と活性エネルギー線硬化性樹脂を分散したコーティング組成物を、各種コーターによって塗工、乾燥させた後、該樹脂を硬化させてなる層である。
本発明でハードコート層の形成に用いる活性エネルギー線硬化型樹脂は、通常用いられるハードコート用活性エネルギー線硬化型樹脂成分であれば特に制限されない。JISK5600−5−4に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示す硬化膜を形成できる活性エネルギー線硬化型樹脂成分であれば特に好ましい。例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系等の活性エネルギー線硬化型材料等が挙げられる。なかでも、接着力が良好であり、強靭性、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系、又は多官能アクリレート系の紫外線硬化型樹脂成分材料が好ましい。
第1ハードコート層は平均粒子径が10nm以上100nm以下である鱗片状の無機粒子を含んでいる。平均粒子径が10nm未満の場合には、粘度が増加し塗工適性に欠け、平均粒子径が100nmを超える場合には、ヘイズが高くなることにより、写像鮮明性が不十分(90%未満)となる。ここで、無機粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、無機粒子を100個観察して、その長径の長さを求め、これらの長径を平均して求めることができる。鱗片状の形状とは、薄片形状ともいえ、長辺方向の長さ(厚さ方向に棲直な方向のうち、最も長さの長い方向の長さ)との平均アスペクト比40〜200、膜厚は2μm以下である。
なお、鱗片状無機粒子をいれたハードコート層のヘイズは12%以下が好ましい。
前記無機粒子は、酸化ケイ素成分を35重量%以上含むことが好ましい。上記好適な範囲とすることにより、ハードコート層上に低屈折率層を形成した場合に、低屈折率層との層間での密着をより高めることができて、その表面強度をより一層向上でき、特に、低屈折率層が酸化ケイ素成分を40重量%以上含む場合には、密着性をより一層向上できる利点がある。酸化ケイ素成分の含有割合の上限は、特に限定されないが80重量%以下とすることができる。
前記無機粒子は、ハードコート材料100重量部に対して、2〜50重量部含有することが好ましく、3〜40重量部含有することがより好ましい。上記好適な範囲とすることにより、表面硬度と写像鮮明性をより一層高めることができる。
前記無機粒子としては、例えば、マスコバイト、フロゴパイト、バイオタイト、フッ素金雲母、カオリナイト、タルク、セリサイト、有機処理雲母、シリカ、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトナイト、ソーコナイト、スチーブンサイト、バーミュキュラライト、合成スメクタイトが挙げられ、これらの中の1種類でもよいし、2種以上併用してもよい。また、無機粒子には、シランカップリング剤を付与してもよい。
第1ハードコート層は、前記無機粒子の他に、導電性微粒子を含むこともできる。導電性微粒子を含むことにより、高屈折率層としての機能だけでなく、帯電防止層としての機能も付与できる。前記導電性微粒子は、導電性を有する微粒子であれば特に限定されないが、透明性に優れる点で、金属酸化物の微粒子が好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、五酸化アンチモン、酸化スズ、リンがドープされた酸化スズ(PTO)、アンチモンがドープされた酸化スズ(ATO)、スズがドープされた酸化インジウム(ITO)、亜鉛がドープされた酸化インジウム(IZO)、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛(AZO)、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、アンチモン酸亜鉛等を挙げることができる。これらの金属酸化物の微粒子は、一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、導電層と同じ成分でさらに密着力が向上すること、透明性に優れること等から、ITO、IZOがより好ましい。
また、前記金属酸化物の微粒子としては、導電性を持たない金属酸化物の微粒子の表面に、導電性金属酸化物を被覆することによって、導電性を付与した微粒子も使用できる。例えば、屈折率は高いが導電性を有しない酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等の微粒子の表面に、前記導電性金属酸化物を被覆して導電性を付与して用いることができる。また、導電性を持たない無機粒子と、導電性金属酸化物の微粒子を併用してもよい
前記導電性微粒子の数平均粒子径は、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは15nm以上50nm以下である。数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより、又は動的光散乱法、静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により計測できる。
また、第1ハードコート層には、前記無機粒子の他に、他の無機粒子を含んでいてもよい。他の無機粒子としては、無機酸化物が一般的であり、例えば、SiO、Al、B、TiO、ZrO、SnO、CeO、P、MoO、ZnO、WO等の一種または二種以上を挙げることができる。前記他の無機粒子の数平均粒子径は、500nm以下であることが好ましく、より好ましくは15以上30nm以下である。数平均粒子径は、前述と同様にして計測できる。
第2ハードコート層にも、微粒子を含有させることができる。第2ハードコート層の微粒子の一次平均微粒子径は、500nm以下であることが好ましい。ここで、平均粒子径は、数平均粒子径をいう。粒径が小さいほど、ハードコート層のヘイズが低くなるが、粘度上昇の理由によりその下限は5nmが好ましい。
上記微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化樹脂を100部とした場合、微粒子は1部以上80部以下が好ましい。微粒子の含有量が上記範囲であると、ヘイズ値や全光線透過率等の光学特性に優れる。
2〜3種類の微粒子を組み合わせで使用する場合、微粒子の平均粒子径の組み合わせに好ましい組み合わせは、下記式を満たす組み合わせが好ましい。
×2<di+1<d×4
式中、dは、含有する微粒子の一次平均粒子径を表し、iは、ハードコート層に2種または3種、微粒子が含まれる場合の粒子の大きさの順を示す。例えば、一次平均粒子径の異なる粒子が2種類含有する場合、小さい方の微粒子の一次平均粒子径は、大きい方の微粒子の一次平均粒子径の2倍から4倍の範囲内であることを示す。ここで、2倍未満であると2未満であるとヘイズが高くなり、4より上であると、ブロッキング効果に乏しい。さらに、このましくは下記式を満たす組み合わせが好ましい。
di×2.5<d i+1<d×3.5
第2ハードコート層で用いる微粒子は、ハードコート層の導電性、屈折率などを調整することのできる微粒子である。微粒子としては、屈折率が1.4以上である微粒子が好ましい。
粒子としては、シリカ、ITO(スズをドープした酸化インジウム)、IZO(酸化亜鉛/酸化インジウム)、が挙げられる。これらの中でも特に、シリカ微粒子は基材シートとの密着性と透明性のバランスに優れるので、屈折率を調節するための成分として適している。これらは、一種単独又は3種以下で組合せて用いても良い。
第1ハードコート層および第2ハードコート層は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂と微粒子とを分散したコーティング組成物を、各種コーターによって基材シートに塗工、乾燥させた後、該樹脂を硬化させることによって得られる。
活性エネルギー線硬化型樹脂を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジアセトングリコール等のグリコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等のいずれでもよい。紫外線により硬化させる場合には活性エネルギー線硬化樹脂100重量部に対し、通常、光重合開始剤1〜15重量部程度を含有させることができる。光重合開始剤としては、ダロキュアー1173 、イルガキュアー651、イルガキュアー184、イルガキュアー907、イルガキュアー754(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ベンゾフェノン等の各種の公知のものを使用できる。必要に応じて、上記以外の各種添加剤、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、溶剤、消泡剤、レベリング剤などを配合してもよい。
ハードコート層は、通常、活性エネルギー線硬化型樹脂、粒子及び必要に応じて光重合開始剤を配合し、溶解または分散させた液を、前記基材シート上に塗工し、60〜120℃で乾燥して塗膜を得て、次いで、活性エネルギー線を照射して、硬化させることにより得ることができる。塗工法としては、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイ塗工等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等のいずれでもよい。活性エネルギー線の照射強度及び照射時間は特に限定されず、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に応じて適宜、照射強度、照射時間などの照射条件を設定することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以上10μm以下であり、さらに好ましくは、0.5μm以上5μm以下である。この場合には、膜厚が5μm以下の場合は、硬化収縮による表面の面状悪化を問題ない程度に抑えることができる。一部の粒子は、樹脂の表面からその一部を突出させた状態となっていてもよい。また、粒子の突出した部分は、樹脂によって全面的に被覆されていても、一部のみが被覆されていてもよい。なお、粒子のすべてが、樹脂中に完全に埋没した状態であってもよい。
基材シートのカールを抑制するために、基材シート両面に塗布するハードコート層は、硬化収縮率が近いものを用いることが好ましい。
なお、人工的にハードコートフィルムにカールをつけ、偏光板や導電層等と積層体にした場合のカールを抑制する場合、ハードコート層の両面の厚さを同一でなくてもよい。
ハードコート層の鉛筆硬度は、JISK5600−5−4により測定する場合、HB以上であることが好ましい。より好ましくは、H以上である。
ハードコート層の耐擦傷性は、スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、ハードコートフィルムのハードコート層の表面を10往復させ観察する際、目視で傷が確認されないことが好ましい。
ハードコート層の鉛筆硬度がHB以下であるか又は、耐擦傷性が悪いと工程内でキズが発生することや、導電層成膜時に透明導電膜に傷が入ることがある。
ヘイズは、曇価ともよばれ、曇り具合、拡散度合いを表すものであって、例えば、市販されているヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」) 等を用いて、JISK−7136 に準拠してヘイズ(%) を測定することができる。両面ハードコートフィルムのヘイズは、1%以下が好ましい。ヘイズが上記範囲外であると、白ぼけが発生しタッチパネルの視認性が低下する。
全光線透過率は、例えば、市販されているヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」) 等を用いて、JISK−7361 に準拠して全光線透過率(%) を測定することができる。導電層つきの両面ハードコートフィルムの全光線透過率は、90%以上が好ましい。全光線透過率が以下の範囲より低いと視認性が低下する。
ハードコート層の屈折率は、熱可塑性ノルボルネン系フィルムとの屈折率差が5%以下であることが好ましい、より好ましくは、2%以内である。基材シートと屈折率差が高くなると、干渉ムラが発生するためである。
熱収縮率(%)は、150℃に加熱した強制循環式乾燥機の中に積層フィルムを60分間静置させ寸法変化を測定し、熱収縮率を算出する場合、1.5%以下が好ましく、より好ましくは1.0%以下である。熱収縮率が1.5%を超えると、タッチパネルの変形が発生する場合がある。
アウトガスは1μg/g以下が好ましい。これ以上であると、アウトガスによる導電層形成時の密着力に劣る。
燐片形状の粒子を入れることによって、ガスの揮発経路を遮断できやすくなり、アウトガス量を抑えることができる。
(導電膜)
本発明において、導電膜を積層して、タッチパネル用積層フィルムとする場合、ハードコート層上に直接、導電膜を積層することが好ましい。導電膜は透明で且つ導電性を有していればよく、液晶基板やタッチパネルに用いられている従来公知の材料を用いることができる。
導電膜を形成する導電性材料は、導電性ポリマー、銀ペーストやポリマーペースト等の導電性ペースト、さらに金や銅等の金属コロイド、ITO等の金属酸化物等が挙げられる。その材料としては、具体的には、錫をドープしたインジウム酸化物(ITO)、IZO、アンチモンまたはフッ素をドープした錫酸化物(ATOまたはFTO)、アルミニウムをドープした亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウムと錫の酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化銅などの金属酸化物、または金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属が挙げられる。導電性ポリマーとしては、ポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体、ポリアニリンまたはポリアニリン誘導体、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレンなどの高分子マトリクス中に、ハロゲン系、ルイス酸系、プロトン酸系、遷移金属ハライド系などのドーパントをドープしたものがある。これらの中でも、透明導電層を液晶表示素子用のタッチパネルとして用いる場合には、光線透過性、耐久性等の観点より、ITO、IZO、ポリチオフェンあるいはポリチオフェン誘導体、ポリアニリンまたはポリアニリン誘導体を含有する導電ポリマーが最も好ましい。
また、導電膜を積層する際、中間層としてケイ素化合物層を積層しても良い。ケイ素化合物を中間層とすることで、ITO等の導電膜との密着性がさらに改善されるためである。
導電膜の成膜方法は、特に限定されないが、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、ゾル・ゲル法、コーティング法などが例示される。導電膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜200nmである。また、導電層の表面抵抗率は、特に限定されないが、好ましくは100〜1000Ω/□程度である。
導電膜はパターン化しても良い。ITO、IZOの場合は、パターン露光・現像処理によって形成されるメッシュパターンがあり、具体的には、メッシュ状で、且つ、直線が略直交した形態の直線格子パターン、交差部間の導電部分が少なくとも1つの湾曲を有する波線格子パターン、ダイヤモンド状のパターン等がある。導電層が導電性ポリマーの場合は、スクリーン印刷やグラビア印刷にて任意の形状を付与することができる。
(その他の層)
本発明の積層フィルムは、可視光領域の透過度を向上させる目的で、ハードコート層上に低屈折率層を有することもできる。ここで、低屈折率層とは、ハードコート層よりも屈折率が低い層のことをいう。低屈折率層の屈折率は、前記条件を満たせばよいが、1.39以下であることが好ましく、1.38以下1.25以上であることがさらに好ましい。上記好ましい条件であることにより、反射防止性能と耐擦傷性、強度のバランスに優れる低屈折率層が形成される。
低屈折率層を構成する材料は、特に制限されないが、屈折率の制御が容易である点及び耐水性に優れる点で、エアロゲルが好ましい。エアロゲルは、マトリックス中に微小な気泡が分散した透明多孔質体である。気泡の大きさは大部分が200nm以下であり、気泡の含有量は通常10体積%以上60体積%以下、好ましくは20体積%以上40体積%以下である。微小な気泡が分散したエアロゲルの具体例としては、シリカエアロゲル、中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体が挙げられる。
シリカエアロゲルは、米国特許第4402927号公報、米国特許第4432956号公報、米国特許第4610863号公報等に開示されているように、アルコキシシランの加水分解重合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコールあるいは液化二酸化炭素等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥することによって製造することができる。超臨界乾燥は、例えばゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、ゲル状化合物が含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することによって、行うことができる。また、シリカエアロゲルは、米国特許第5137279号公報、米国特許5124364号公報等に開示されているように、ケイ酸ナトリウムを原料として、上記と同様にして製造しても良い。
ここで、特開平5−279011号公報、特開平7−138375号公報に開示されているように、上記のようにしてアルコキシシランの加水分解、重合反応によって得られたゲル状化合物を疎水化処理することによって、シリカエアロゲルに疎水性を付与することが好ましい。このように疎水性を付与した疎水性シリカエアロゲルは、湿気や水等が浸入し難くなり、シリカエアロゲルの屈折率や光透過性等の性能が劣化することを防ぐことができるものである。
この疎水化処理の工程は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前、あるいは超臨界乾燥中に行うことができる。疎水化処理は、ゲル状化合物の表面に存在するシラノール基の水酸基を疎水化処理剤の官能基と反応させ、疎水化処理剤の疎水基と置換させることによって疎水化するために行うものである。疎水化処理を行う手法としては、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲルを浸漬し、混合するなどしてゲル内に疎水化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱して、疎水化反応を行わせる方法があげられる。
疎水化処理に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、キシレン、トルエン、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができるが、疎水化処理剤が容易に溶解し、かつ、疎水化処理前のゲルが含有する溶媒と置換可能なものであればよく、これらに限定されるものではない。また後の工程で超臨界乾燥が行われる場合、超臨界乾燥の容易な媒体、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、液化二酸化炭素などと同一種類もしくはそれと置換可能なものが好ましい。また疎水化処理剤としては例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
シリカエアロゲルの屈折率は、シリカエアロゲルの原料配合比によって自由に変化させることができる。シリカエアロゲルからなる低屈折率層の、形成方法は特に制限されず、例えば、ハードコート層の上に前記ゲル状化合物を公知の塗工方法により塗工して、前記の超臨界乾燥を行って形成する方法が挙げられる。また、超臨界乾燥前又は超臨界乾燥中に疎水化処理を行ってもよい。超臨界乾燥は、例えば前記ゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、該ゲル状化合物を含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥を行うことによって行うことができる。
中空粒子をマトリックス中に分散させた多孔質体としては、特開2001−233611号公報および特開2003−149642号公報に開示されているような多孔質体が挙げられる。マトリックスに用いる材料は、中空粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度などの条件に適合する材料から選択され、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルコキシシランなどの加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物などが挙げられる。この中でも、中空粒子の分散性、多孔質体の強度から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物が好ましい。また、中空粒子としては、前述したものを用いることができる。
使用される中空微粒子は、特に制限されないが、無機中空微粒子が好ましい。無機中空微粒子を構成する無機化合物としては、SiO、Al、B、TiO、ZrO、SnO、Ce、P、Sb、MoO、ZnO、WO、TiO−Al、TiO−ZrO、In−SnO、Sb−SnOなどを例示することができる。なお、上記「−」は、複合酸化物であることを示す。この中でも、特にシリカ系の中空微粒子が好ましい。この多孔質物質の細孔内にも上記溶媒あるいは気体が存在してもよい。このときの核粒子の構成成分の除去量が多くなると、中空粒子の中空部分の容積が増大して屈折率の低い中空粒子が得られるため、当該中空粒子を用いることにより低屈折率層を簡単に得ることができ、反射防止性能に優れたものとすることができる。
中空粒子の粒径は、5nm〜2,000nmの範囲であることが好ましく、20nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。中空粒子の粒径が上記範囲内にあることにより、低屈折率層の透明性を維持することができる。ここで、中空粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡観察による数平均粒子径である。
中空粒子は、例えば、特開2001−233611号公報に記載された方法に基づいて製造できる。また、市販の中空粒子を用いてもよい。また、中空粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。中空粒子と界面活性化剤またはカップリング剤とを反応させる方法などによって、中空粒子の表面に水酸基等の親水基やアクリロイル基を導入してもよい。
中空粒子をマトリックス中に分散させた多孔質体としては、特開2001−233611号公報および特開2003−149642号公報に開示されているような多孔質体が挙げられる。マトリックスに用いる材料は、中空粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度などの条件に適合する材料から選択され、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルコキシシランなどの加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物などが挙げられる。この中でも、中空粒子の分散性、多孔質体の強度から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物が好ましい。また、中空粒子としては、前述したものを用いることができる。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコートフィルムの片面に偏光膜を形成してもよい。また、偏光板と貼り合わせしてもよい。偏光子は、偏光機能を有するものであれば、特に限定はされない。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系やポリエン系の偏光子が挙げられる。偏光子はその製造方法によって特に限定されない。
また、両面にハードコート層積層されたフィルムの透明導電層と反対側の面に、感圧性接着剤により偏光膜及び偏光板と接着されて、偏光板を構成するのが好ましい
〔評価方法〕
I.ヘイズ
ハードコートフィルム(導電膜を積層する前の積層フィルム)にてヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」)を用いて測定した。
II.全光線透過率
タッチパネル用積層フィルムをヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」)を用いて測定した。
III.反射率
作製したタッチパネル用積層フィルム上に直線偏光板をおき、(日本分光、製品名「V−550」)を用いて測定した。
IV.密着性
いわゆる碁盤目剥離試験法により評価した。すなわち、導電層の上からカッターにより1mm間隔で縦横互いに直角に交わる各11本の切れ目を入れ、1mm四方の碁盤目を100目作り、セロハン粘着テープ[積水化学社製]を貼り、粘着テープを表面に対して垂直方向に引っ張って剥がす試験により、100目中の剥離しなかった目の数で表した。
○:100/100 (剥れ無しの数)
△:95〜99/100 (剥れ無しの数)
×:0〜94/100 (剥れ無しの数)
VII.ブロッキングの評価方法
テンション150Nで2000mの巻きを作製し、60℃保管倉庫で1ヶ月保存後、巻きを繰り出して確認。
○:外観に変化なし。
△:音はするが、外観変化なし。
×:外観にひっついたような跡あり。
VIII.アウトガスの発生量の測定
アウトガスの発生量(有機物放出量)は、クリーンルーム(クラス1000)内において、成形したフィルムを5g採取し、多量の超純水で洗浄後、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去したガラス製の試料容器に入れ、その試料容器を80℃で60分間加熱し、試料容器から出てきた気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計(アジレント・テクノロジー社製、TDS−GC−MS)により測定した。この際、日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルム(登録商標)ZF16」(以下ZFと省略)は10ng/gであった。
IX.ニュートンリングの評価方法
ハードコートフィルムにおいてガラスの下に黒色の布をおき、第1ハードコート面をガラスにのせ、100g/cm2の荷重でローラーでこすったときに、ニュートンリングが発生するかどうか確認する。
○:ニュートンリングなし
×:ニュートンリングあり。
X.写像鮮明性
導電膜を積層する前の積層フィルムにおいて、JIS K 7105に準じ、写像鮮明性測定装置(スガ試験機社製)により、0.5mm幅の光学くしで測定した。数値が高いほど鮮明性が高いことを意味する。写像鮮明性は、試料からの透過光を移動する光学クシを通して測定し、その値を計算によって求めるものである。試料がボケを生じるものの場合、光学クシ上に結像されるスリットの像は、そのボケの影響で太くなるため、透過部の位置ではスリット像の両端が不透明部にかかり、100%あった光量が減少する。また、不透明部の位置ではスリット像の両端は不透明部から光が漏れて、0%の光量が増加する。鮮明性の値は、光学クシの透明部の透過光最大値Mと、不透明部の最小値mから次式によって定義される。写像鮮明性は、下記値Cが90(%)以上の場合(より好ましくは95%以上)に良好であると判断できる。
写像鮮明性の値 C(%)=((M−m)/(M+m))×100
〔試薬の調整方法〕
調製例1(ハードコート層形成用組成物H1の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、燐片形状粒子(コープケミカル製SAN 酸化ケイ素成分を35重量%以上)15部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H1を得た。
調製例2(ハードコート層形成用組成物H2の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、燐片形状粒子(コープケミカル製SAN 酸化ケイ素成分を35重量%以上)50部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H2を得た。
調製例3(ハードコート層形成用組成物H3の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、燐片形状粒子(コープケミカル製SAN 酸化ケイ素成分を35重量%以上)15部とシリカ粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径30nm)40部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H3を得た
調製例4(ハードコート層形成用組成物H4の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、燐片形状粒子(コープケミカル製SAN 酸化ケイ素成分を35重量%以上)15部とITO粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径30nm)40部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H4を得た
調製例5(ハードコート層形成用組成物H5の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、シリカ粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径30nm)40部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H5を得た。
調製例6(ハードコート層形成用組成物H6の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、シリカ粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径30nm)40部、シリカ粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径100nm)10部、シリカ粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径250nm)5部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H6を得た。
調製例7(ハードコート層形成用組成物H7の調製)
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部を加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H7を得た。
〔ハードコート層の形成方法〕
ワイヤーバーを用いて、基材シート上に、前記ハードコート層形成組成物Hを塗布し、乾燥(60℃×1分)、紫外線照射(積算光量200mW/cm)を行うことにより、両面の膜厚が各1μmになるように、同様の工程をもう片面に行うことにより、両面ハードコートフィルムを得た。
(実施例1)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H1を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH5を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H2上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学シートを得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H1を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH5を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H1上に導電性ポリマー(信越ポリマー製 セブルジーダ)を150nm塗工し、120℃2分熱処理を行うことにより、透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H1を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH5を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H2上にIZOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す
(実施例4)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材上シートに、ハードコート層形成組成物H1を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH3を1μmと塗布紫外線照射により硬化を行った。H3上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材上シートに、ハードコート層形成組成物H4を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH5を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H5上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す
(実施例6)
140nmのレターデーションを有する基材シートとして、厚みが60μmの日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルム(登録商標)ZD14」(以下ZDと省略)を用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H3を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH5を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H3上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す。
(実施例7)
140nmのレターデーションを有する基材シートとして、厚みが60μm(日本ゼオン社製、商品名ZD)を用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H3を1μm片面に塗布し、もう片面にH6紫外線照射により硬化を行った。H3面上に、導電性ポリマー(信越ポリマー製 セブルジーダ)を150nmの厚みにて塗工氏、120℃2分熱処理を行うことにより、透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μm(日本ゼオン社製、ZF)を用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H7を1μm両面に塗布し、紫外線照射により硬化を行った。片面上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す
(比較例2)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H5を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH2を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H2上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す
(比較例3)
10nm以下のレターデーションを有する基材シートとして、厚みが100μmのZFを用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H6を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH7を1μm塗布し紫外線照射により硬化を行った。H6上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す
(比較例4)
140nmのレターデーションを有する基材シートとして、厚みが80μmのポリカーボネートを用いた。前記基材シート上に、ハードコート層形成組成物H1を1μm片面に塗布し、もう一方の面にH5を1μm塗布し、紫外線照射により硬化を行った。H1上にITOを150℃でスパッタリングして、さらに150℃で1時間熱処理を行うことにより、結晶性に優れた透明電極を形成し、タッチパネル用光学積層体を得た。結果を表1に示す。
Figure 2012066481
燐片形状粒子を用いることによって、アウトガスを抑制でき、導電層との密着が良好となった。また、ニュートンリング防止およびブロッキング防止、コントラストに相関する写像鮮明性も90%以上となり、良好なフィルムを形成するにいたった。
1・・・・・本発明のタッチパネル用積層フィルム
11・・・・・第1のハードコート層
12・・・・・基材シート
13・・・・・第2のハードコート層
14・・・・・導電膜

Claims (7)

  1. 基材シートが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、基材シート表面に第1ハードコート層、反対側基材シート表面に第2ハードコート層が積層され、
    前記第1ハードコート層に平均一次粒子径が10nm以上100nm以下である鱗片状の無機粒子を含み、当該積層フィルムの写像鮮明性が90%以上である積層フィルム。
  2. 前記第1ハードコート層に含まれる無機粒子が、酸化ケイ素成分を35重量%以上含む請求項1記載の積層フィルム。
  3. 前記第2ハードコート層に、一次平均粒子径(D50)が500nm以下の微粒子、または一次平均粒子径が500nm以下の、異なる2種類もしくは3種類の粒子径の粒子を含有する請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記基材シートの面内位相差が10nm以下、または面内位相差が120〜150nmかつ厚み方向位相差が60〜225nmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. アウトガスが1μg/g以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルムの第1ハードコート層上に、導電膜が積層されているタッチパネル用積層フィルム。
  7. 前記導電膜が、ITO、IZO、またはポリチオフェンを含有する導電ポリマーからなる請求項6記載のタッチパネル用積層フィルム。
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