JP2012108394A - ハードコート層を有する反射防止積層体 - Google Patents

ハードコート層を有する反射防止積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】
基材にノルボルネン系重合体を使用し、低屈折率層にエアロゲルを使用する場合に、ハードコート層の密着性、視認性が十分である積層体を提供する。
【課題手段】
ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂および、低屈折率粒子と高屈折粒子がハードコート層に50重量%以上75重量%以下含有してなり、前記低屈折率粒子と前記高屈折粒子の重量比が1/1〜2.5/1の範囲であり、前記低屈折率層がエアロゲルからなり屈折率が1.40未満であることを特徴とする反射防止積層体
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートの少なくとも片面にハードコート層及び低屈折率層を有する反射防止積層体、この反射防止積層体を備える液晶表示装置に関する。
陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するフィルム状の反射防止積層体がディスプレイの最表面に一般に配置される。
反射防止積層体は、一般に透明樹脂基材の上に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層などの光学的機能層を積層して形成されている。特許文献1には、基材としてノルボルネン系重合体フィルムを使用して、ハードコート層、中空粒子を含むエアロゲルからなる低屈折率を積層した反射防止フィルムが開示されている。このハードコート層を形成するためのハードコート形成 塗布液中には、五酸化アンチモン、UV硬化樹脂が含まれることが開示されている。特許文献1の反射防止積層体は、低屈折率層のムラ、はじきが無く、ハードコート層と低屈折率層との密着性が良好であり、反射率とヘイズと密着性と耐擦傷性のバランスに優れており、また視認性も優れている旨が記載されている。
しかし、その後の検討によると、基材にノルボルネン系重合体を使用し、低屈折率層にエアロゲルを使用する場合、ハードコート層が特許文献1の組成では、密着性、視認性が不十分であることが判ってきた。
2006−181731公報
本発明の目的は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートの少なくとも片面にハードコート層及び低屈折率層を有する反射防止積層体において、低屈折率層と基材シートの密着性が優れて、視認性が優れた反射防止積層体を提供することにある。
本発明者は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートの少なくとも片面にハードコート層及び低屈折率層を有する反射防止積層体において、ハードコート層に含有させる粒子の種類、含量、その比率を特定のものとすることによって上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、
〔1〕基材シートが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、基材シートの少なくとも片面にハードコート層及び低屈折率層を有する反射防止積層体であり、
該ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂および、低屈折率粒子と高屈折粒子がハードコート層に50重量%以上75重量%以下含有してなり、前記低屈折率粒子と前記高屈折粒子の重量比が1/1〜2.5/1の範囲であり、前記低屈折率層がエアロゲルからなり屈折率が1.40未満であることを特徴とする反射防止積層体。
〔2〕前記低屈折粒子がシリカ粒子であり、高屈折率粒子が五酸化アンチモン粒子または/およびジルコニア粒子からなることを特徴とする〔1〕に記載の反射防止積層体。
〔3〕前記ハードコート層に使用される低屈折率粒子および/または高屈折率粒子が表面修飾微粒子であり、1次粒子径が50nm以下であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の反射防止積層体。
〔4〕前記ハードコート層の屈折率が1.45〜1.61であり、基材シートとの屈折率差が5%以内であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の反射防止積層体。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の反射防止積層体を備える液晶表示装置。
である。
本発明によれば、密着性および視認性が優れた、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートの少なくとも片面にハードコート層及び低屈折率層を有する反射防止積層体において、反射防止積層体を得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
(基材シート)
本発明で用いる基材シートは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、特開平3−14882号や特開平3−122137号、特開平4−63807号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合体、これらの重合体の変性物などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体は、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボエルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネン等;ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノオクタヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロー2,3−シクロペンタジエノアントラセン等;シクロペンタジエンの多量体である多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等;等が挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素添加物を、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エポキシ単量体を用いて変性させてもよい。
本発明においては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測定したポリスチレン換算値で、10,000〜200,000、好ましくは15,000〜100,000、より好ましくは20,000〜50,000のものである。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が分子構造中に不飽和結合を有している場合は、水素添加することにより、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とすることができる。水素添加する場合、水素添加率は耐熱劣化性、耐光劣化性などの観点から、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。
本発明で用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、所望により、フェノール系やリン系などの老化防止剤;フェノール系などの熱劣化防止剤;ベンゾフェノン系などの紫外線安定剤;アミン系などの帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エーテルなどの滑剤;などの各種添加剤を添加してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂などを混合して用いることもできる。
本発明で用いられる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、ガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃である。
本発明で用いる基材シートは熱可塑性ノルボルネン系樹脂をフィルム状に成形したものである。成形方法は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂の一般的成形法である、射出成形、溶融押し出し、熱プレス、溶剤キャスト、延伸などを用いることができる。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートは、膜厚が20μm以上250μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以上200μm以下である。
本発明で使用される熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる基材シートは、その目的によって、10nm以下の面内及び/または厚み方向のレターデーション値であるものや、可視光550nmの透過光に対する面内のレターデーション値が120〜150nmを示し、厚み方向のレターデーション値が60〜225nmの範囲にある1/4波長板の特性を有するフィルムであってもよい。
面内方向のレターデーション(Re)のバラツキ、厚み方向のレターデーション(Rth)のバラツキは、好ましくは10nm以内、より好ましくは5nm以内、特に好ましくは2nm以内である。前記面内方向のレターデーションReのバラツキ、厚み方向のレターデーション(Rth)のバラツキを、上記範囲にすることにより、液晶表示装置用の位相差フィルムとして用いた場合に表示品質を良好なものにすることが可能になる。
上記可視光550nmの透過光に対する面内のレターデーション値が120〜150nmを示し、厚み方向のレターデーション値が60〜225nmの範囲にある1/4波長板の特性を有するフィルムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂から得られる未延伸フィルムを1軸、2軸又は斜め延伸することにより、好適に得られる。延伸方法は特に限定はされないが、ロール方式、フロート方式の縦延伸法、テンター方式の横一軸延伸と同時二軸延伸が挙げられる。さらに、長尺のフィルムを連続的に斜め延伸処理することができるものであれば、特に制約されず、種々のタイプの延伸機を使用することができる。
上記の斜め延伸によって得られるフィルムは、残留揮発性成分の含有量が、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下である。残留揮発性成分の含有量が多いと経時的に光学特性が変化するおそれがある。揮発性成分の含有量を上記範囲にすることにより、寸法安定性が向上し、面内方向レターデーションReや厚さ方向レターデーションRthの経時変化を小さくすることができる。
未延伸フィルムを斜め延伸するときの温度は、前記脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃ からTg+50℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
延伸された熱可塑性樹脂の平均厚みは、機械的強度などの観点から、好ましくは20μm以上250μm以下、さらに好ましくは23μm以上188μm以下である。また、延伸フィルムの幅方向の厚みムラは巻き取りの可否に影響を与えるため、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下である。
未延伸フィルムを成形する方法としては特に制約されず、公知の成形法を採用することができる。例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも採用することができるが、シート中の揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法を用いるのが好ましい。加熱溶融成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度および表面精度などに優れる延伸フィルムを得るためには、溶融押出し成形法を用いるのが好ましい。熱可塑性ノルボルネン系樹脂を成形したものである。成形方法は、特に限定されない。熱可塑性樹脂の一般的成形法である、射出成形、溶融押し出し、熱プレス、溶剤キャスト、延伸などを用いることができる。
成形条件は、使用目的や成形方法により適宜選択されるが、溶融押出成形法による場合は、シリンダー温度が、好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃ の範囲で適宜設定される。
未延伸フィルムの厚みは、得られる延伸フィルムの使用目的などに応じて適宜決定することができる。フィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な延伸フィルムが得られる観点から、好ましくは30μm以上300μm以下である。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる1/4波長機能を有するフィルムのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上である。該樹脂のTgが低すぎると、成形品の耐熱性が低下する。
さらに、ハードコート層の形成時およびタッチパネル製造工程を考慮すると、Tg120℃以上で光弾性係数が10×10−10・Pa−1以下のものを用いるのが好ましい。Tgが120℃に満たないと、ハードコートの乾燥工程及び活性エネルギー線硬化させる際のストレスや導電層を積層する際の温度等により、基材シートに変形やしわが発生するおそれがある。また、光弾性係数が10×10−10・Pa−1を越えると、貼り合わせなどの引っ張りストレスにより、容易に面内及び厚み方向のレターデーション値が変化してしまい、部分的に光学等方性でなくなるおそれがある。
また、本発明における熱可塑性ノルボルネン系フィルムは、ハードコート層との接着性を高める目的で表面処理を施したものであってもよい。該表面処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、アルカリ処理、コーティング処理等が挙げられる。とりわけコロナ処理を用いることで、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなるフィルムとハードコート層の密着を強固とすることができる。
コロナ処理条件としては、コロナ放電電子の照射量として1〜1000W/m/minであることが好ましい。上記コロナ処理後の熱可塑性ノルボルネン系フィルムの水に対する接触角は、10〜50°であることが好ましい。。また、コロナ処理をした直後に塗工しても、除電させてから塗工してもよいが、ハードコート層の外観が良好となることから、除電させてから塗工した方が好ましい。
(ハードコート層)
本発明のハードコート層は、基材シート上に、活性エネルギー線硬化型樹脂および、低屈折率粒子と高屈折率粒子がハードコート層に50重量%〜75重量%含有してなり、前記低屈折率粒子と前記高屈折率粒子の重量比が1/1〜2.5/1の範囲である。
本発明でハードコート層の形成に用いる活性エネルギー線硬化型樹脂は、通常用いられるハードコート用活性エネルギー線硬化型樹脂成分であれば特に制限されない。JISK5600−5−4に規定される鉛筆硬度試験で、「HB」以上の硬度を示す硬化膜を形成できる活性エネルギー線硬化型樹脂成分であれば特に好ましい。例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系等の活性エネルギー線硬化型材料等が挙げられる。なかでも、接着力が良好であり、強靭性、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系、又は多官能アクリレート系の紫外線硬化型樹脂成分材料が好ましい。
低屈折率粒子とは、屈折率が1.48以下の粒子をいい、特に1.20〜1.46の範囲の粒子が好ましい。具体的には、シリカ粒子、中空シリカ粒子、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、フッ化力ルシウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物粒子を用いることができる。この中でも、シリカ粒子またはフッ化物粒子が好ましい。これらは、一種単独又は組合せて用いても良いが、二種以上組み合わせた方が視認性において優れる場合もある。
高屈率折粒子とは、屈折率が1.60以上の粒子をいい、特に1.60〜2.30である無機酸化物粒子が好ましい。屈折率の高い無機酸化物粒子としては、例えば、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモン、二酸化チタン、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、リンをドープした酸化錫(PTO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等が挙げられる。これらの中でも特に、五酸化アンチモン、ジルコニア又はリンをドープした酸化スズが好ましい。これらは、一種単独又は組合せて用いても良いが、二種以上組み合わせた方が視認性において優れる場合もある。
低屈折率粒子と高屈折率粒子の重量比は、低屈折粒子/高屈折粒子=1/1〜2.5/1の範囲内であり、さらに好ましくは1.4/1〜2.1/1の範囲内である。低屈折率層および基材シートと密着性が良好で、かつ視認性が良好なハードコート層を形成することができ、耐擦傷性にも優れる。さらに、ハードコート層中の低屈折粒子と高屈折粒子の含量は、50重量%以上75重量%以下であり、さらに好ましくは60重量%以上70重量%以下の範囲内である。この範囲外では密着性に劣り、耐擦傷性において劣る可能性がある。
ハードコート層に含有する低屈折率粒子および高屈折率粒子の粒子径は1次粒子径が50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10nm以上40nm以下である。ここで粒子径は数平均粒子径である。粒子径が50nmより大きいとヘイズ値が高くなるという問題点があり、粒子が10nm以下であると低屈折率層との密着性が悪くなるという問題がある。
ハードコートに含有する低屈折粒子および/または高屈折粒子は、表面修飾粒子である方が望ましい。ここで、表面修飾とは、例えば特開2009−108123号公報に記載のような、金属酸化物粒子をシランカップリング剤で表面処理した粒子をいう。
ハードコート層の屈折率は、1.41〜1.61であり、基材シートとの屈折率の差は5%以内であることが好ましく、より好ましくは2%以内である。基材シートとの屈折率差が大きいと干渉ムラが発生するためである。
ハードコート層は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂と微粒子とを分散したコーティング組成物を、各種コーターによって基材シートに塗工、乾燥させた後、該樹脂を硬化させることによって得られる。
活性エネルギー線硬化型樹脂を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジアセトングリコール等のグリコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等のいずれでもよい。紫外線により硬化させる場合には活性エネルギー線硬化樹脂100重量部に対し、通常、光重合開始剤1〜15重量部程度を含有させることができる。光重合開始剤としては、ダロキュアー1173、イルガキュアー651、イルガキュアー184、イルガキュアー907、イルガキュアー754(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ベンゾフェノン等の各種の公知のものを使用できる。必要に応じて、上記以外の各種添加剤、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、溶剤、消泡剤、レベリング剤などを配合してもよい。
ハードコート層は、通常、活性エネルギー線硬化型樹脂、粒子及び必要に応じて光重合開始剤を配合し、溶解または分散させた液を、前記基材シート上に塗工し、60〜120℃で乾燥して塗膜を得て、次いで、活性エネルギー線を照射して、硬化させることにより得ることができる。塗工法としては、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイ塗工等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等のいずれでもよい。活性エネルギー線の照射強度及び照射時間は特に限定されず、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂に応じて適宜、照射強度、照射時間などの照射条件を設定することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以上10μm以下である。この場合には、膜厚が10μm以下の場合は、硬化収縮による表面の面状悪化を問題ない程度に抑えることができる。一部の粒子は、樹脂の表面からその一部を突出させた状態となっていてもよい。また、粒子の突出した部分は、樹脂によって全面的に被覆されていても、一部のみが被覆されていてもよい。なお、粒子のすべてが、樹脂中に完全に埋没した状態であってもよい。
ハードコート層の鉛筆硬度は、JISK5600−5−4により測定する場合、HB以上であることが好ましい。より好ましくは、H以上である。 ハードコート層の耐擦傷性は、スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、ハードコートフィルムのハードコート層の表面を10往復させ観察する際、目視で傷が確認されないことが好ましい。ハードコート層の鉛筆硬度がHB以下であるか又は、耐擦傷性が悪いと工程内でキズが発生することがある。
(低屈折率層)
本発明の反射防止積層体は、ハードコート層上にエアロゲルからなる低屈折率層を有する。ここで、低屈折率層とは、ハードコート層よりも屈折率が低い層のことをいう。低屈折率層の屈折率は、前記条件を満たせばよいが、1.39以下であることが好ましく、1.38以下1.25以上であることがさらに好ましい。上記好ましい条件であることにより、反射防止性能と耐擦傷性、強度のバランスに優れる低屈折率層が形成される。
エアロゲルは、屈折率の制御が容易である点及び耐水性に優れ、マトリックス中に微小な気泡が分散した透明多孔質体である。気泡の大きさは大部分が200nm以下であり、気泡の含有量は通常10体積%以上60体積%以下、好ましくは20体積%以上40体積%以下である。微小な気泡が分散したエアロゲルの具体例としては、シリカエアロゲル、中空粒子がマトリックス中に分散された多孔質体が挙げられる。
シリカエアロゲルは、米国特許第4402927号公報、米国特許第4432956号公報、米国特許第4610863号公報等に開示されているように、アルコキシシランの加水分解重合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、アルコールあるいは液化二酸化炭素等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥することによって製造することができる。超臨界乾燥は、例えばゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、ゲル状化合物が含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することによって、行うことができる。また、シリカエアロゲルは、米国特許第5137279号公報、米国特許5124364号公報等に開示されているように、ケイ酸ナトリウムを原料として、上記と同様にして製造しても良い。
ここで、特開平5−279011号公報、特開平7−138375号公報に開示されているように、上記のようにしてアルコキシシランの加水分解、重合反応によって得られたゲル状化合物を疎水化処理することによって、シリカエアロゲルに疎水性を付与することが好ましい。このように疎水性を付与した疎水性シリカエアロゲルは、湿気や水等が浸入し難くなり、シリカエアロゲルの屈折率や光透過性等の性能が劣化することを防ぐことができるものである。
この疎水化処理の工程は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前、あるいは超臨界乾燥中に行うことができる。疎水化処理は、ゲル状化合物の表面に存在するシラノール基の水酸基を疎水化処理剤の官能基と反応させ、疎水化処理剤の疎水基と置換させることによって疎水化するために行うものである。疎水化処理を行う手法としては、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲルを浸漬し、混合するなどしてゲル内に疎水化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱して、疎水化反応を行わせる方法があげられる。
疎水化処理に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、キシレン、トルエン、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができるが、疎水化処理剤が容易に溶解し、かつ、疎水化処理前のゲルが含有する溶媒と置換可能なものであればよく、これらに限定されるものではない。また後の工程で超臨界乾燥が行われる場合、超臨界乾燥の容易な媒体、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、液化二酸化炭素などと同一種類もしくはそれと置換可能なものが好ましい。また疎水化処理剤としては例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
シリカエアロゲルの屈折率は、シリカエアロゲルの原料配合比によって自由に変化させることができる。シリカエアロゲルからなる低屈折率層の、形成方法は特に制限されず、例えば、ハードコート層の上に前記ゲル状化合物を公知の塗工方法により塗工して、前記の超臨界乾燥を行って形成する方法が挙げられる。また、超臨界乾燥前又は超臨界乾燥中に疎水化処理を行ってもよい。超臨界乾燥は、例えば前記ゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、該ゲル状化合物を含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥を行うことによって行うことができる。
中空粒子をマトリックス中に分散させた多孔質体としては、特開2001−233611号公報および特開2003−149642号公報に開示されているような多孔質体が挙げられる。マトリックスに用いる材料は、中空粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度などの条件に適合する材料から選択され、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルコキシシランなどの加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物などが挙げられる。この中でも、中空粒子の分散性、多孔質体の強度から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物が好ましい。また、中空粒子としては、前述したものを用いることができる。
使用される中空微粒子は、特に制限されないが、無機中空微粒子が好ましい。無機中空微粒子を構成する無機化合物としては、SiO、Al、B、TiO、ZrO、SnO、Ce、P、Sb、MoO、ZnO、WO、TiO−Al、TiO−ZrO、In−SnO、Sb−SnOなどを例示することができる。なお、上記「−」は、複合酸化物であることを示す。この中でも、特にシリカ系の中空微粒子が好ましい。この多孔質物質の細孔内にも上記溶媒あるいは気体が存在してもよい。このときの核粒子の構成成分の除去量が多くなると、中空粒子の中空部分の容積が増大して屈折率の低い中空粒子が得られるため、当該中空粒子を用いることにより低屈折率層を簡単に得ることができ、反射防止性能に優れたものとすることができる。
中空粒子の粒径は、5nm〜2,000nmの範囲であることが好ましく、20nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。中空粒子の粒径が上記範囲内にあることにより、低屈折率層の透明性を維持することができる。ここで、中空粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡観察による数平均粒子径である。
中空粒子は、例えば、特開2001−233611号公報に記載された方法に基づいて製造できる。また、市販の中空粒子を用いてもよい。また、中空粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。中空粒子と界面活性化剤またはカップリング剤とを反応させる方法などによって、中空粒子の表面に水酸基等の親水基やアクリロイル基を導入してもよい。
中空粒子をマトリックス中に分散させた多孔質体としては、特開2001−233611号公報および特開2003−149642号公報に開示されているような多孔質体が挙げられる。マトリックスに用いる材料は、中空粒子の分散性、多孔質体の透明性、多孔質体の強度などの条件に適合する材料から選択され、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アルコキシシランなどの加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物などが挙げられる。この中でも、中空粒子の分散性、多孔質体の強度から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、加水分解性有機珪素化合物およびその加水分解物が好ましい。また、中空粒子としては、前述したものを用いることができる。
本発明の反射防止積層体は、例えば、携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネル等に用いられている偏光板の保護フィルムとして有用である。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
(試験法、測定法)
I.ヘイズ
反射防止フィルムにてヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」)を用いて測定した。
II.全光線透過率
反射防止フィルムにてヘイズメーター(日本電色社製、製品名「NDH 2000」)を用いて測定した。
III.反射率
作製した反射防止フィルム上に直線偏光板をおき、(日本分光、製品名「V−550」)を用いて測定した。
IV.写像鮮明性
JIS K 7105に準じ、写像鮮明性測定装置(スガ試験機社製)により、0.5mm幅の光学くしで測定した。数値が高いほど鮮明性が高いことを意味する。写像鮮明性は、試料からの透過光を移動する光学クシを通して測定し、その値を計算によって求めるものである。試料がボケを生じるものの場合、光学クシ上に結像されるスリットの像は、そのボケの影響で太くなるため、透過部の位置ではスリット像の両端が不透明部にかかり、100%あった光量が減少する。また、不透明部の位置ではスリット像の両端は不透明部から光が漏れて、0%の光量が増加する。鮮明性の値は、光学クシの透明部の透過光最大値Mと、不透明部の最小値mから次式によって定義される。写像鮮明性は、下記値Cが90(%)以上の場合(より好ましくは95%以上)に良好であると判断できる。
写像鮮明性の値 C(%)=((M−m)/(M+m)) × 100
V.硬度測定(鉛筆硬度)
重を500gにした以外はJIS K 5600−5−4に従って、鉛筆で、ハードコートフィルムの表面(ハードコート層表面)の5箇所について、5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。
VI.耐擦傷性
スチールウール#0000に荷重0.025MPaをかけた状態で、ハードコートフィルムのハードコート層の表面を10往復させ、往復させた後の表面状態を目視で観測した。
○:傷が認められない。
△:スジ傷が3本以上ある。
×:スジ傷が8本以上ある。
VII.密着性
いわゆる碁盤目剥離試験法により評価した。すなわち、導電層の上からカッターにより1mm間隔で縦横互いに直角に交わる各11本の切れ目を入れ、1mm四方の碁盤目を100目作り、セロハン粘着テープ[積水化学社製]を貼り、粘着テープを表面に対して垂直方向に引っ張って剥がす試験により、100目中の剥離しなかった目の数で表した。
○:100/100 (剥れ無しの数)
△:95〜99/100 (剥れ無しの数)
×:0〜94/100 (剥れ無しの数)
VIII.干渉ムラ
反射防止フィルムの裏面に黒ビニールテープ(日東電工社製、No.21)を貼り、暗室内で波長の光源下に置き、反射防止フィルムの法線方向から方位角30〜60°の範囲で観察し、干渉ムラの有り無しを目視検査を行った。
○:干渉ムラが認められない。
△:干渉ムラがわずかに認められる。
×:干渉ムラが認められる。
(試薬の作成方法)
(1)ハードコート層形成用組成物H1の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)150重量部、五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)50重量部、ジルコニア粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径20nm)50重量部及び二酸化ケイ素粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径250nm)10重量部及びと光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H1を得た
(2)ハードコート層形成用組成物H2の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)150重量部、五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)50重量部、ジルコニア粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径20nm)50重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H2を得た。
(3)ハードコート層形成用組成物H3の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)150重量部、五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)100重量部と二酸化ケイ素粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径250nm)10重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H3を得た。
(4)ハードコート層形成用組成物H4の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)200重量部、五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)100重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H4を得た。
(5)ハードコート層形成用組成物H5の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)150重量部、ジルコニア粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径20nm)100重量部と二酸化ケイ素粒子(CIKナノテック株式会社製、数平均粒径250nm)10重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H5を得た。
(6)ハードコート層形成用組成物H6の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)50重量部と五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)50重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H6を得た。
(7)ハードコート層形成用組成物H7の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)250重量部と五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)200重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H7を得た。
(8)ハードコート層形成用組成物H8の調製
6官能基以上のアクリロイル基を含有するウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業社製、商品名「UV−7640B」)の100部に、二酸化ケイ素のアルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)120重量部と五酸化アンチモンの変性アルコールゾル(日揮触媒化成工業社製、数平均粒径20nm)30重量部と光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)6部とを加え、攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、ハードコート層形成用組成物H8を得た。
(9)低屈折率層形成組成物LR1の調整
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール200部を投入し、撹拌下にこのエタノールに蓚酸120部を少量ずつ添加することにより、蓚酸のエタノール溶液を調製した。次いでこの溶液をその還流温度まで加熱し、還流下のこの溶液中にテトラエトキシシラン20部とトリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSL8257」)4部の混合物を滴下した。滴下終了後も、還流下に加熱を5時間続けた後冷却し、メタノールにて固形分が1重量%になるように希釈することにより液1を調製した。次に、中空シリカ微粒子(数平均粒子径30nm、屈折率1.29)を前記液1の固形分に対し80重量%になるように添加し、低屈折率層形成用組成物LR1を調製した。
(ハードコート層の形成方法)
ワイヤーバーを用いて、基材上シートに、前記ハードコート層形成組成物Hを塗布し、乾燥(70℃×2分)、紫外線照射(積算光量200mW/cm)を行うことにより、膜厚が5μmのハードコート層を形成し、ハードコートフィルムを得た。
(低屈折率層の形成方法)
ワイヤーバーを用いて、前記ハードコート層上に、前記低屈折率層形成組成物LR1を塗布し、乾燥(70℃×2分)を行うことにより、膜厚が0.1μmの低屈折率層を形成し、反射防止積層体を得た。
(実施例1)
140nmのリタデーションを有する基材シートとして、厚みが60μmの日本ゼオン社製、商品名「ZeonorFilm ZD14」(以下ZDと省略)を用いた。前記基材上に、ハードコート層形成組成物H1を2μm片面に塗布し紫外線照射により硬化を行った。H1上に低屈折率層(LR1)を100nm塗工し、70℃2分熱処理を行うことにより、反射防止積層体1を得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
ハードコート層形成組成物H1をH2に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体2を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
ハードコート層形成組成物H1をH3に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体3を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
ハードコート層形成組成物H1をH4に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体4を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
ハードコート層形成組成物H1をH5に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体5を得た。結果を表1に示す。
(実施例6)
10nm以下のリタデーションを有する基材シートとして、厚みが100μm(日本ゼオン社製、商品名ZF)を用いた。前記基材上に、ハードコート層形成組成物H1を2μm片面に塗布し紫外線照射により硬化を行った。H1上に低屈折率層(LR1)を100nm塗工し、70℃2分熱処理を行うことにより、反射防止フィルムを得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
ハードコート層形成組成物H1をH6に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体6を得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
ハードコート層形成組成物H1をH7に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体7を得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
ハードコート層形成組成物H1をH8に変えた以外は、実施例1と同様にして反射防止積層体8を得た。結果を表1に示す。
Figure 2012108394

Claims (5)

  1. 基材シートが熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなり、基材シートの少なくとも片面にハードコート層及び低屈折率層を有する反射防止積層体であり、
    該ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂および、低屈折率粒子と高屈折粒子がハードコート層に50重量%以上75重量%以下含有してなり、前記低屈折率粒子と前記高屈折粒子の重量比が1/1〜2.5/1の範囲であり、前記低屈折率層がエアロゲルからなり屈折率が1.40未満であることを特徴とする反射防止積層体。
  2. 前記低屈折粒子がシリカ粒子であり、高屈折率粒子が五酸化アンチモン粒子または/およびジルコニア粒子からなることを特徴とする請求項1記載の反射防止積層体。
  3. 前記ハードコート層に使用される低屈折率粒子および/または高屈折率粒子が表面修飾微粒子であり、1次粒子径が50nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止積層体。
  4. 前記ハードコート層の屈折率が1.45〜1.61であり、基材シートとの屈折率差が5%以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射防止積層体を備える液晶表示装置。
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