JP5832816B2 - 粘着テープ巻回体 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着テープ巻回体に関する。さらに詳細には、手切れ性とともに、巻き戻し時の作業性が求められる用途に好適に使用される粘着テープ巻回体に関する。
近年、粘着テープは各種産業分野利用されている。特に、プラスチック基材の少なくとも片面側に粘着剤層を有する粘着テープ(基材付き粘着テープ)が広く用いられている。例えば、建築物の建築過程で床材を敷設後に内装工事が行われる際、床材の傷つき防止等を目的として床材が床養生シートでカバーされるが、その床養生シートを固定するために、基材付き粘着テープが用いられている(特許文献1参照)。しかし、このような基材付き粘着テープでは、プラスチック基材を有することから、ハサミやナイフ等の切断工具を用いずに、手で切断することが難しいという問題があった。
上記の基材付き粘着テープにおける手で切断することが難しいという問題に対して、プラチック基材を横延伸して方向性を持たせて手で切れやすくする方法、プラスチック基材に凹凸を設けて手で切れやすくする方法(特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、上記の手で切れやすくする方法が採用された基材付き粘着テープは、何らかの外力が加わると、意図せず切断が生じ、取り扱いが難しいという問題があった。また、粘着テープ巻き戻し時(使用時)において、巻き戻し速度を高くしたり、また、寒い環境下で巻き戻すと、破断しやすいという問題があった。
特開平9−188854号公報 特許第2694854号明細書
従って、本発明の目的は、高速で粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際に切断が生じず、巻戻し作業性に優れ、さらに、巻き戻された粘着テープの貼り付け作業時の手切れ性に優れる粘着テープ巻回体を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構成を有する粘着テープの巻回体とし、高速破断強度と高速巻戻し力との差を一定の値以上とし、さらに高速巻戻し力を一定の範囲内とすると、高速での巻き戻しの際に粘着テープの切断が生じず、さらに、巻き戻された粘着テープを優れた手切れ性で切断でき、粘着テープの貼り付け作業の効率性を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、粘着テープの巻回体であって、
前記粘着テープが、少なくとも一方の面に幅方向に溝状の凹部を有するプラスチック基材の片面側に粘着剤層を有し、前記粘着剤層を有する面と反対側の面に背面処理層を有しており、
前記粘着テープの下記で定義される高速破断強度(Tb)と粘着テープ巻回体の下記で定義される高速巻戻し力(Tw)との差Δβ(Tb−Tw)が5N/25mm以上であり、
粘着テープ巻回体の下記で定義される高速巻戻し力(Tw)が1〜5N/25mmであることを特徴とする粘着テープ巻回体を提供する。
高速破断強度(Tb):温度23℃、相対湿度50%、チャック間隔100mm、引張速度30m/分で粘着テープを長さ方向に引っ張り、粘着テープが破断する時の荷重
高速巻戻し力(Tw):温度23℃、相対湿度50%、引張速度30m/分で粘着テープ巻回体を巻き戻すのに要する力
上記プラスチック基材は、ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。
上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤層であることが好ましい。
上記の背面処理層は、長鎖アルキル系背面処理剤により形成された層であることが好ましい。
上記プラスチック基材における、凹部の最大幅は50μm〜500μmであり、凹部の個数は200個/m〜2000個/mであることが好ましい。
上記プラスチック基材における、厚みは50μm〜200μmであり、凹部の深さは上記厚みの20%〜80%であることが好ましい。
本発明の粘着テープ巻回体は、高速での巻き戻しの際に粘着テープの切断が生じず、巻戻し作業性(繰り出し作業性)に優れ、さらに、巻き戻された粘着テープの貼り付け作業時の手切れ性(手により幅方向に容易に切断できる性質)に優れる。
図1は、凹部付き基材の一例を部分的に示す概略上面図である。 図2は、凹部付き基材の一例を部分的に示す長さ方向の概略断面図である。 図3は、凹部付き基材の一例を部分的に示す概略外観図である。
本発明の粘着テープ巻回体は、粘着テープをロール状に巻き取ったものである。なお、粘着テープは、粘着シートを含む概念である。また、本明細書において、「粘着テープ又はシート」を「粘着テープ」と総称する場合がある。
本発明の粘着テープ巻回体を構成する粘着テープは、粘着剤層、背面処理層、及び、少なくとも一方の面に幅方向に溝状の凹部を有するプラスチック基材から少なくとも構成される。また、上記粘着テープは、凹部付き基材の片面側に粘着剤層を有し、且つ、凹部付き基材の粘着剤層を有する面と反対側の面側に背面処理層(剥離処理層)を有する。なお、上記粘着テープは、必要に応じて、中間層などを有していてもよい。本明細書において、「少なくとも一方の面に幅方向に溝状の凹部を有するプラスチック基材」を「凹部付き基材」と称する場合がある。
(凹部付き基材)
凹部付き基材は、プラスチックフィルム(樹脂フィルム、樹脂シート)から構成され、該プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に幅方向に溝状の凹部を有する。また、本発明の粘着テープ巻回体において、凹部付き基材は、粘着テープ用の支持体としての役割を果たす。上記「幅方向」は、プラスチックフィルムの幅方向である。なお、本明細書では、「溝状の凹部」を単に「凹部」と称する場合がある。
以下に、上記凹部付き基材の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。上記凹部付き基材の形態としては、特に限定されないが、一例として、図1及び図2に示す凹部付き基材が挙げられる。図1は凹部付き基材の一例を部分的に示す概略上面図であり、図2は凹部付き基材の一例を部分的に示す長さ方向の概略断面図である。図1及び図2において、1は凹部付き基材であり、2は凹部である。また、wは凹部の幅であり、Lは凹部のピッチ間隔であり、Dは凹部の深さ(最大深さ)であり、hは凹部付き基材の厚み(最大厚み)である。さらに、Xは凹部付き基材の長さ方向であり、Yは凹部付き基材の幅方向である。
図1及び図2の凹部付き基材は、一方の面に凹部を有する面を有し、他方の面に平滑な面を有する。また、凹部を有する面では、幅方向の直線状に溝状の凹部を有する。さらに、凹部を有する面では、凹部の幅は一定であり、また凹部のピッチ間隔も一定である。凹部の底面は、曲面状である。なお、図1及び図2の凹部付き基材における幅方向に溝状の凹部(凹部)の個数は、4である。
また、上記凹部付き基材は、凹部にリブを有していてもよい。図3は凹部付き基材の一例を部分的に示す概略外観図であり、凹部にリブを有する態様を示す。図3において、1は凹部付き基材であり、2は凹部であり、3はリブである。また、Xは凹部付き基材の長さ方向であり、Yは凹部付き基材の幅方向である。なお、図3に示された凹部付き基材における幅方向に溝状の凹部(凹部)の個数は、4である。
上記凹部は、幅方向(凹部付き基材体の幅方向)に溝状の凹部であり、その底面はまるみを帯びており、湾曲している。つまり、上記凹部の底面は、曲面である。なお、上記凹部付き基材では、凹部の底面が鋭利で尖った構造とはなっていない。
上記凹部の深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、手切れ性を得つつ、長さ方向で十分な強度を得る点から、10〜160μmが好ましく、より好ましくは20〜100μmである。
さらに、上記凹部の深さは、特に限定されないが、凹部付き基材の厚み(最大厚み)(100%)に対して、20〜80%が好ましく、より好ましくは20〜50%である。上記凹部の深さが凹部付き基材の厚みに対して20%未満であると、粘着テープで良好な手切れ性を得られない場合がある。一方、上記凹部の深さが凹部付き基材の厚みに対して80%を超えると、粘着テープにおいて長さ方向の強度の低下を生じ、巻戻し作業性を低下させることがある。
上記凹部の最大幅は、特に限定されないが、50〜500μmが好ましく、より好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは50〜200μmである。上記凹部の最大幅は、凹部付き基材の凹部を有する面での1の凹部の長手方向の最大幅を意味する。上記凹部の最大幅が500μmを超えると、手切れ性が低下する場合がある。凹部の面積が大きくなりすぎ、切断するために力がかかっても、その力が分散するからである。さらに、上記凹部の最大幅が500μmを超えると、機械的強度が低下する場合がある。なお、上記凹部の最大幅が50μm未満であると、凹部を形成する加工をする際に、凹部の深さを確保するのが非常に難しくなる。
また、上記凹部は、リブを有していてもよい。該リブは、凹部付き基材の長手方向に、凹部の一部分を埋める形態で設けられた支柱状の構造部である。上記凹部がリブを有していると、凹部付き基材に力が作用した際に、凹部の変形を防止して、凹部の変形に起因する凹部付き基材の手切れ性の低下を防ぐことができる。また、手切れ性の維持しつつ、凹部付き基材の長手方向の強度を高めて、粘着テープ巻回体の巻戻し作業性を高めることができる。
リブの幅は、特に限定されないが、手切れ性の点から、50〜500μmが好ましく、より好ましくは50〜200μmである。また、1(1つ)の上記凹部におけるリブの個数は、特に限定されないが、手切れ性の点から、20〜100個/cmが好ましく、より好ましくは20〜50個/cmである。さらに、リブ間の距離(凹部付き基材の幅方向におけるリブ間の最短距離)は、特に限定されないが、手切れ性の点から、100〜500μmが好ましく、より好ましくは200〜500μmである。
凹部付き基材は、少なくとも一方の面が上記凹部を有する。つまり、凹部付き基材は、一方の面のみが凹部を有する面であるプラスチックフィルムにより構成されていてもよいし、両方の面が凹部を有する面であるプラスチックフィルムにより構成されていてもよい。
特に、凹部付き基材は、長手方向の強度の点から、プラスチックフィルムの一方の面のみに上記凹部を有することが好ましい。つまり、凹部付き基材は、一方の面が上記凹部を有する面であり、他方の面が、上記凹部を有することなく、平滑な面であるプラスチックフィルムにより構成されていることが好ましい。
また、凹部付き基材上に粘着剤層を形成する場合、凹部付き基材における粘着剤層を形成する面が凹部を有する面であると、粘着剤層と凹部付き基材との間で十分な接触面積が得られず、粘着剤層と凹部付き基材との間で十分な密着性が得られないおそれがある。このことからも、凹部付き基材は、一方の面が凹部を有する面であり、他方の面が平滑な面であることが好ましい。このため、本発明の粘着テープ巻回体を構成する前記粘着テープでは、一方の面が凹部を有する面であり、他方の面が平滑な面である凹部付き基材を有し、該凹部付き基材の平滑な面側に粘着剤層を有し、該凹部付き基材の凹部を有する面側に背面処理層を有することが好ましい。
凹部付き基材の凹部を有する面での1(1つ)の凹部の形状は、幅方向(長さ方向に対して垂直方向)に伸びた形状であり、手切れ性の点から、幅方向の一方の端部から他方の端部まで幅方向に伸びた形状であることが好ましい。
このような凹部の形状としては、特に限定されないが、例えば、直線状、ジグザグ線状、波状、曲線状などが挙げられる。中でも、手切れ性の点から、直線状が好ましい。
また、凹部付き基材の凹部を有する面における凹部のピッチ間隔は、特に限定されないが、100〜4000μmであることが好ましく、より好ましくは500〜3000μm、さらに好ましくは500〜2000μmである。上記凹部のピッチ間隔が4000μmを超えると、切断する位置が広くなり、意図したところで切断ができないことがあり、結果として、手切れ性が低下する場合がある。なお、凹部のピッチ間隔が100μm未満となるように、凹部を設けることは、加工性の点から難しい。
また、凹部付き基材の凹部を有する面(片面)において、上記凹部の個数は、特に限定されないが、200〜2000個/mであり、好ましくは200〜1500個/mであり、さらに好ましくは500〜1500個/mである。なお、上記凹部の具体的な個数は、凹部付き基材の凹部の有する面において、凹部付き基材の幅方向に伸びる凹部の、凹部付き基材の長さ方向1m当たりの個数である。
上記凹部付き基材の厚み(全体厚み、最大厚み)は、特に限定されないが、50〜200μmが好ましく、より好ましくは70〜200μm、さらに好ましくは70〜180μmである。上記厚みが50μm未満であると、機械的強度が十分に得られず、巻き戻し時に切断が生じやすくなり、巻戻し作業性が低下する場合がある。一方、上記厚みが200μmを超えると、機械的強度が高くなりすぎて、反発性が強くなり、粘着テープを被着体に貼付した際に、粘着テープの被着体からの浮きが発生しやすくなる。
特に、上記凹部付き基材は、手切れ性と機械的強度とのバランスの点から、厚みが50〜200μmであり、凹部の深さが厚みの20%〜80%であることがより好ましい。
上記凹部付き基材を構成するプラスチックフィルムは、特に限定されないが、安価であること、凹凸加工のし易さの点から、ポリオレフィン系樹脂フィルムが好ましい。すなわち、上記凹部付き基材は、ポリオレフィン系樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含有する。なお、ポリオレフィン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂フィルム全量(全重量、100重量%)に対して、80重量%以上が好ましく、より好ましくは90重量%以上である。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアセタール、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ヘプテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などに代表されるエチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。さらに、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体などが挙げられる。なお、上記ポリオレフィン系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
中でも、上記ポリオレフィン系樹脂は、所望の凹部の形成しやすさの点から、ポリエチレン(ポリエチレン系樹脂)が好ましく、特に低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを組み合わせた混合樹脂(混合物)が好ましい。すなわち、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムは、低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンを含むことが特に好ましい。
なお、上記高密度ポリエチレンとしては、密度が0.940g/cm3以上0.970g/cm3以下であるものが好ましく、特に0.950g/cm3以上0.965g/cm3以下であるものが好ましい。一方、低密度ポリエチレンとしては、密度が0.880g/cm3以上0.930g/cm3未満であるものが好ましく、特に0.910g/cm3以上0.929g/cm3以下であるものが好ましい。なお、これらの密度は、JIS K 7112に準拠して測定された値である。
上記低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとの混合樹脂において、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとの割合[HDPE:LDPE]としては、特に限定されないが、所望の凹部の形成しやすさの点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン(重量比)で、10:90〜90:10が好ましく、より好ましくは20:80〜50:50である。
上記ポリオレフィン系樹脂フィルムには、添加剤が含まれていてもよい。上記ポリオレフィン系樹脂フィルム中の添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で、選択される。なお、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムには、添加剤が2以上含まれていてもよい。
例えば、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムには、手切れ性の向上の点から、充填剤が含まれていてもよい。また、難燃性、耐光性、耐熱性、加熱変形性、剛性などの付与を目的として、充填剤が含まれていてもよい。上記ポリオレフィン系樹脂フィルム中の充填剤の含有量は、特に限定されないが、充填剤を添加することによる効果を得つつ、低温での脆性破壊を抑制する点から、ポリオレフィン系樹脂フィルムを構成する樹脂100重量部に対して、5重量%以下が好ましく、より好ましくは1〜3重量%である。
また、上記充填剤以外の添加剤としては、例えば、顔料や染料などの着色剤、老化防止剤、可塑剤などが挙げられる。
上記凹部付き基材の作製方法としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、幅方向に溝状の凹部を形成することにより作製される。プラスチックフィルムの作製方法は、特に限定されないが、溶融製膜法(Tダイ法、インフレーション法)、溶液製膜法などの公知乃至慣用の方法が用いられる。また、凹部の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、溶融状態の樹脂を、凹凸彫刻を施した成形ロールなどに押し当てて、凹部の形状を転写する方法や、製膜されたプラスチックフィルムの表面に凹凸形状を有するロールなどを押し当てて、凹部を形成する方法が挙げられる。
具体的には、上記凹部付き基材は、所望の凹部の得やすさの点から、Tダイ(T型ダイ)より押し出された溶融状態のプラスチックフィルム(シート状樹脂)を、凹凸彫刻を施した冷却ロール(凹凸彫刻を施した成形ロール、凹凸彫刻を施したエンボスロール)で引き取り、凹部を形成することにより作製されることが好ましい。
なお、上記作製方法では、一度形成された凹部の変形を防ぐ点から、延伸処理はなされない。すなわち、上記凹部付き基材は、未延伸のプラスチックフィルムから構成されることが好ましい。
なお、上記凹部付き基材は、透明性を有していてもよく、不透明であってもよい。
本発明の粘着テープ巻回体は、凹部付き基材の片面側に粘着剤層を有し、且つ、凹部付き基材の粘着剤層を有する面と反対側の面側に背面処理層(剥離処理層)を有する。このため、上記凹部付き基材は、後述の粘着剤層との投錨性の低下を目的とした背面処理層(剥離処理層)の形成のための、背面処理剤(剥離剤)による背面処理(剥離処理)に加えて、必要に応じて、その他の表面処理が施されていてもよい。上記その他の表面処理としては、例えば、粘着剤層などのへの密着力向上を目的とした物理的処理(例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理など)や化学的処理(例えば、下塗り処理など)が挙げられる。
例えば、上記凹部付き基材は、一方の面にコロナ放電処理が施され、他方の面に背面処理が施されていてもよい。特に、上記凹部付き基材が、一方の面が平滑な面であり、他方の面が凹部を有する面である凹部付き基材である場合、粘着剤層と凹部付き基材の密着性、及び、巻き戻し作業性の点から、平滑な面にコロナ処理が施され、凹部を有する面に背面処理が施されることが好ましい。
(背面処理層)
本発明の粘着テープ巻回体において、粘着テープを構成する上記凹部付き基材の一方の面側には、背面処理剤による背面処理が施され、背面処理層が形成されている。本発明の粘着テープ巻回体は、背面処理層を有し、且つ、凹部付き基材が背面処理層を有する面により粘着剤層を保護するので、巻き戻し時(使用時)の力(巻戻し力)を軽くすることができる。つまり、粘着テープを、容易に繰り出すことができ、巻き戻し時の作業性に優れる。
上記背面処理層の形成に用いられる背面処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系背面処理剤、長鎖アルキル系背面処理剤などが挙げられる。なお、背面処理剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
なお、上記背面処理層がシリコーン系背面処理剤による背面処理層(シリコン系背面処理層)である場合、粘着テープ巻回体の巻戻し力が軽くなりすぎて、逆に作業性が低下する場合がある。この点からは、背面処理剤としては、非シリコーン系背面処理剤(特に長鎖アルキル系背面処理剤)が好ましい。つまり、上記背面処理層は、非シリコーン系背面処理剤により形成された背面処理層(非シリコーン系背面処理層)が好ましく、長鎖アルキル系背面処理剤により形成された背面処理層(長鎖アルキル系背面処理層)が特に好ましい。
上記長鎖アルキル系背面処理剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数12以上(例えば炭素数12〜20)の長鎖アルキル(メタ)アクリレートの重合物;長鎖アルキル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーとの共重合物;ポリビニルアルコールに長鎖アルキルイソシアネート等の長鎖アルキル成分を反応させて得られる長鎖アルキル変性高分子などが挙げられる。上記長鎖アルキル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーとの共重合物としては、例えば、ステアリルアクリレートとアクリル酸、酢酸ビニル、アクリルニトリル等の共重合物;ステアリルアクリルアミド・アクリロニトリル・アクリル酸等の共重合物;ステアリルビニルエーテル・アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の共重合物等が挙げられる。また、上記長鎖アルキル変性高分子としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール等と塩化ステアロイルとの反応物;ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体やポリエステル等の活性水素を持つポリマーをステアリルイソシアネート等の脂環族イソシアネートでアルキル変性したもの等が挙げられる。さらに、上記長鎖アルキル系背面処理剤としては、非シリコーン背面処理剤(商品名「アシオレジンRA−30」、アシオ産業株式会社製)、非シリコーン背面処理剤(商品名「ピーロイル1010」、商品名「ピーロイル1050」、何れも一方社油脂工業株式会社製)などの市販品も挙げられる。
また、上記背面処理剤には、帯電性を付与するために、高沸点の溶媒が添加されてもよい。上記溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)など挙げられる。なお、上記溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記背面処理剤に上記溶媒を添加する場合におけるその添加量は、特に限定されないが、背面処理剤100重量部に対して、0.05重量部以上とするのが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。添加量が0.05重量部未満であると、静電気発生量が増大する傾向にある。上記溶媒は、通常の粘着テープ製層工程における乾燥条件では蒸発せずに、背面処理層に残存し、空気中の水分を取り込んで静電気による帯電電荷を漏洩させるものと考えられる。
背面処理層は、凹部付き基材の一方の面側に背面処理剤を塗布することにより形成される。なお、必要に応じて、さらに加熱乾燥などが行われてもよい。なお、塗布の際に用いられる塗工方法としては、特に限定されないが、公知の方法が挙げられる。例えば、背面処理層は、トルエン等の有機溶媒に上記背面処理剤を溶解させることにより塗工液を得てから、該塗工液をグラビアロールコーター、キスロールコーターなどの塗工機を用いてに塗布し、乾燥することにより形成される。
背面処理層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜4μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1μmである。
(粘着剤層)
本発明の粘着テープ巻回体を構成する粘着テープは、凹部付き基材の片面側に粘着剤層を有し、凹部付き基材の粘着剤層を有する面と反対側の面側に背面処理層を有する。上記粘着剤層(感圧性接着剤層)を構成する粘着剤(感圧性接着剤)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤などが挙げられる。中でも、耐熱性、耐候性及びポリマーの設計の容易さの点から、アクリル系粘着剤が好ましい。また、粘着テープ使用時の被着体からの浮き、剥がれを防止する点からも、アクリル系粘着剤が好ましい。なお、粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記アクリル系粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系重合体を含有する。上記アクリル系粘着剤層中の上記アクリル系重合体の含有量は、特に限定されないが、アクリル系粘着剤層の全重量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上である。なお、上記アクリル系粘着剤層は、2種以上のアクリル系重合体を含んでいてもよい。
上記アクリル系重合体は、直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須のモノマー成分として形成される。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び/又は「メタクリル酸」を意味し、他も同様である。
上記直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基のような炭素数が20以下(好ましくは14以下)の直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。中でも、炭素数が1〜14の直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルがさらに好ましい。なお、直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
また、上記アクリル系重合体は、必須のモノマー成分としての上記直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共に、共重合性モノマーがモノマー成分として用いられていてもよい。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記共重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、あるいは無水マレイン酸や無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマーなどが挙げられる。中でも、アクリル系粘着剤層の接着性や再剥離性の点から、カルボキシル基含有モノマーやヒドロキシル基含有モノマーが好ましく、アクリル酸や(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが特に好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味し、他も同様である。
さらに、上記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー等も挙げられる。
さらにまた、上記共重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどのアクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
上記共重合性モノマーの割合は、特に限定されないが、アクリル系重合体の重合時における安定性の点から、必須成分である上記直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
加えて、上記アクリル系重合体は、アクリル系重合体の架橋処理等を目的に、多官能性モノマーも共重合性モノマー成分として用いられていてもよい。上記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。なお、多官能性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記多官能性モノマーの割合は、特に限定されないが、アクリル系重合体の重合時における安定性の点から、アクリル系重合体を形成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、30重量%以下が好ましい。
上記アクリル系重合体は、特に限定されないが、例えば、1種又は2種以上の成分モノマー(例えば、上記直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、上記共重合性モノマーなど)の混合物に、溶液重合方式、乳化重合方式、塊状重合方式、懸濁重合方式等の適宜な重合方式を適用することにより形成される。
また、上記重合方式の重合の際には、重合開始剤が用いられていてもよい。例えば、溶液重合方式を適用する場合、2,2´−アゾビスイソブチロニトリルなどの熱重合開始剤が用いられていてもよい。
上記アクリル系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、接着性の点から、30万〜200万が好ましく、より好ましくは40万〜150万である。
上記粘着剤層を構成する粘着剤は、例えば、ベースポリマーに、必要に応じて添加剤を配合することにより形成される。例えば、アクリル系粘着剤は、上記アクリル系重合体に、必要に応じて添加剤を配合することにより形成される。なお、粘着剤は、ベースポリマーのみから構成されていてもよい。
上記添加剤としては、例えば、粘着付与剤、軟化剤、顔料、充填剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、老化防止剤、防腐剤、架橋剤などが挙げられる。例えば、上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体に粘着付与剤を含有してもよい。すなわち、上記アクリル系粘着剤層には、アクリル系重合体とともに、粘着付与剤が含まれていてもよい。なお、添加剤の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。また、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。上記ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール樹脂、重合ロジンなどが挙げられる。また、上記テルペン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂などが挙げられる。さらに、上記水添石油樹脂としては、特に限定されないが、例えば、芳香族系、ジシクロペンタジエン系、脂肪族系などが挙げられる。上記粘着付与剤の配合量は、特に限定されないが、アクリル系重合体100重量部に対して、1〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜20重量部である。なお、粘着付与剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
また、上記粘着剤は、必要に応じて内部架橋方式や外部架橋方式等による適宜な架橋タイプとすることもできる。例えば、内部架橋したアクリル系重合体は、上記多官能モノマーを用いて共重合処理する方式や、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射による重合方式などにより得られる。一方、外部架橋したアクリル系重合体は、粘着剤に分子間架橋剤を配合する方式などにより得られる。
上記分子間架橋剤としては、例えば、多官能イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、金属系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミノ樹脂系架橋剤、過酸化物系架橋剤などが挙げられる。これらの分子間架橋剤は、アクリル系重合体の架橋に関与する官能基の種類などに応じて適宜選択される。上記分子間架橋剤の配合量は、特に限定されないが、アクリル系重合体100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。
上記粘着剤層のゲル分率は、特に限定されないが、20〜70重量%であることが好ましく、30〜60重量%であることがより好ましい。粘着剤層のゲル分率が20重量%未満であると、使用後、粘着テープを被着体から剥離する際に糊残りが生じ易くなる傾向にあり、一方、70重量%を超えると被着体(例えば、床養生シート及び床材等)への接着性が乏しくなる傾向がある。
なお、上記粘着剤層のゲル分率は、粘着剤層の一部分(5g程度)を採取して重量(W1)を測定した後、その採集した粘着剤層を酢酸エチル(十分な量の酢酸エチル、例えば、100ml)中に室温(23℃)で1週間浸漬し、浸漬後の不溶解分を分取乾燥させて、その重量(W2)を測定し、下記式より算出した。
粘着剤層のゲル分率(重量%)=(W2)/(W1)×100
上記粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、5〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜100μmである。
上記粘着剤層の形成は、特に限定されないが、粘着剤を上記凹部付き基材に塗布し塗布層を形成させて、該塗布層を加熱乾燥することによりなされることが好ましい。なお、塗布の際には、慣用のコーターが用いられていてもよい。上記コーターとしては、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
(粘着テープ)
本発明の粘着テープ巻回体を構成する粘着テープは、凹部付き基材、剥離処理層、粘着剤層を少なくとも有する。また、上記粘着テープは、凹部付き基材の片面側に粘着剤層を有し、凹部付き基材の粘着剤層を有する面と反対側の面側に背面処理層を有する。
また、上記粘着テープは、上記凹部付き基材、上記剥離処理層及び上記粘着剤層から構成されることが好ましい。なお、上記粘着テープでは、粘着剤層の保護のために、粘着剤層上に剥離ライナー(セパレーター)が積層されていてもよい。
上記粘着テープは、厚み方向の一方の面から他方の面に向かって、粘着剤層、凹部付き基材、背面処理層の順で積層されている構成を有し、片面のみに粘着面を有する基材付きタイプの粘着テープであることが好ましい。
特に、本発明の粘着テープ巻回体を構成する粘着テープは、巻き戻し時の破断防止や作業性の点、及び、粘着テープ使用時に被着体からの浮きや剥がれを防止の点から、アクリル系粘着剤層、長鎖アルキル系背面処理層、及び、ポリオレフィン系樹脂フィルムにより構成される凹部付き基材から構成され、ポリオレフィン系樹脂フィルムからなる凹部付き基材の一方の面側にアクリル系粘着剤層を有し、アクリル系粘着剤層を有する面と反対側の面側に長鎖アルキル系背面処理層を有することが好ましい。
上記粘着テープは、凹部付き基材の一方の面側に粘着剤層を形成し、凹部付き基材の粘着剤層を有する面と反対側の面側に背面処理層を形成することにより、作製される。
上記粘着テープの高速破断強度は、特に限定されないが、5〜50N/25mmが好ましく、より好ましくは10〜40N/25mmである。上記高速破断強度(Tb)が5N/25mm以上であると、粘着テープ巻回体の巻き戻し時に粘着テープの切断が生じることなく、巻き戻し時の作業性が向上するので好ましい。また、粘着テープの高速破断強度(Tb)が50N/25mm以下であると、手切れ性の低下を有効に防ぐことができるので好ましい。
上記高速破断強度(Tb)は、温度23℃、相対湿度50%の条件下、引張試験機により、チャック間隔100mm、引張速度30m/分で粘着テープを長さ方向に引っ張り、粘着テープが破断する時の荷重を測定し、その測定値を幅25mmの場合に換算することにより求められる。
上記粘着テープの厚みは、特に限定されないが、50〜200μmが好ましく、より好ましくは70〜200μmである。また、上記粘着テープの長さ(テープ長)は、特に限定されないが、10〜500mが好ましい。
(粘着テープ巻回体)
本発明の粘着テープ巻回体は、上記粘着テープをロール状に巻き取ったものである。また、粘着テープを巻き取る際には、粘着テープの背面処理層が粘着剤層と接するように巻と取られる。
なお、粘着テープを巻き取る際には、巻芯が用いられてよい。巻芯の径は、特に限定されないが、7.4〜7.7cmが好ましい。
本発明の粘着テープ巻回体では、粘着テープの高速破断強度(Tb)と粘着テープ巻回体の高速巻戻し力(Tw)との差(Δβ)(Tb−Tw)は、5N/25mm以上であり、より好ましくは5.0〜18N/25mm、さらに好ましくは5.0〜15N/25mmである。本発明の粘着テープ巻回体では、上記Δβ(Tb−Tw)が5N/25mm以上であるので、高速で粘着テープ巻回体を巻き戻しても粘着テープの切断が生じず、好ましい。なお、上記Δβ(Tb−Tw)が18N/25mm以下である場合、粘着テープで良好な手切れ性が得られやすいことから好ましい。
粘着テープ巻回体の高速巻戻し力(Tw)は、温度23℃、相対湿度50%の条件下、粘着テープ巻回体を巻き戻し、巻き戻すのに要する力を測定し、その測定値を幅25mmの場合に換算することにより求められる。なお、粘着テープ巻回体の高速巻戻し力(Tw)を測定する際には、巻戻し力測定装置を用いてもよい。
また、本発明の粘着テープ巻回体では、上記高速巻戻し力(Tw)は、1〜5N/25mmであり、好ましくは2〜5N/25mmであり、より好ましくは3〜5N/25mmである。高速巻き戻し力(Tw)が5N/25mm以下であるので、巻き戻し時に大きな力を要することはなく、巻き戻し作業性に優れる。また、高速巻き戻し力(Tw)が1N/25mm以上であるので、粘着テープ巻回体の巻戻し力が軽くなりすぎて、逆に巻き戻し作業性が低下するという問題が生じないので好ましい。
本発明の粘着テープ巻回体は、幅方向への手切れ性に優れ、切断時の作業性に優れる。さらに、長手方向の強度にすぐれ、粘着テープの巻き戻し時(使用時)に破断することがなく、作業性に優れる。また、本発明の粘着テープは、長手方向の強度に優れ、長手方向に切れにくく、粘着テープを被着体に貼着し、使用後、粘着テープを被着体から剥がす際の作業性にも優れる。このため、本発明の粘着テープ巻回体は、特に運搬、加工、養生等の目的で用いられる表面保護テープ用途に好適に用いられる。
以下、実施例にもとづいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(粘着テープ用基材)
低密度ポリエチレン(商品名「スミカセンG−401」、住友化学株式会社製)(LDPE)50重量部、高密度ポリエチレン(商品名「ハイゼックス2200J」、株式会社プライムポリマー製)(HDPE))50重量部及び白色顔料(商品名「HCM1030ホワイト」、大日精化工業株式会社製)8重量部を混合(ドライブレンド)して基材組成物を得た。
上記基材組成物を押出し温度240℃でT型ダイスによる押出し成形により製膜し、製膜フィルムを得て、この押出し直後の製膜フィルムの片面にエンボスロールを接触させて、フィルムの幅方向へ伸びる溝状の凹部を、連続的に形成した。なお、形成された凹部の底面の形状は、曲面状である。また、形成された凹部は、リブを有する。
なお、上記エンボスロールには、表1に示すような凹部の最大幅、凹部の深さ、凹部の個数、凹部のピッチ間隔が転写により形成できるように凹凸彫刻が施されている。
凹部を形成した後、冷却して、巻き取り、片面に凹部を有するフィルムを得た。なお、該フィルムの凹部を有する面と反対側の面は平滑である。
次に、上記フィルムの平滑面に粘着剤層との投錨性を向上させるためにコロナ処理を行った。
そして、上記フィルムの背面、すなわち凹部を有する面に、表1に示すような背面処理剤を表1に示すような固形分濃度となるようにトルエンで希釈することにより得られる塗布液を塗布して乾燥させることにより、背面処理層を形成した。なお、背面処理層の厚みは、0.01μm〜1.0μmであった。
このようにして、粘着テープ用基材を得た。
(粘着テープ及び粘着テープ巻回体)
温度計、攪拌機、窒素導入管などを備えた反応容器に、ブチルアクリレート(BA)93重量部、アクリル酸(AA)2重量部、酢酸ビニル(VAc)5重量部、重合開始剤としての2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部及び重合溶媒としてのトルエン100重量部投入して、窒素ガス気流下60℃で反応を行い、重量平均分子量が50万であるアクリル系重合体を得た。
上記アクリル系共重合体に、粘着付与剤(商品名「スーパーエステル A−100」、荒川化学工業株式会社製)を上記アクリル系重合体の固形分100重量部に対して5重量部となるように添加し、さらに、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を上記アクリル系重合体の固形分100重量部に対して2重量部となるように添加して、アクリル系粘着剤を得た。
上記粘着テープ用基材のコロナ処理を施した平滑面に上記アクリル系粘着剤をリバースロールコーターにより塗布し、100℃で2分間乾燥させて、厚みが30μmの粘着剤層を有する粘着テープ(長さ20m)を得た。
そして、粘着テープを巻芯(巻芯径:7.6cm)にロール状に巻き取り、粘着テープ巻回体を得た。
[実施例2及び3]
(粘着テープ用基材)
表1に示すように材料を混合(ドライブレンド)して基材組成物を得たこと、及び、表1に示すような凹部の最大幅、凹部の深さ、凹部の個数、凹部のピッチ間隔が転写により形成できるように凹凸彫刻が施されているエンボスロールを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、片面に凹部を有するフィルムを得た。
次に、実施例1と同様にして、上記フィルムの平滑面にコロナ処理を行った。そして、実施例1と同様にして、背面処理層を形成した。
このようにして、粘着テープ用基材を得た。
(粘着テープ及び粘着テープ巻回体)
温度計、攪拌機、窒素導入管などを備えた反応容器に、モノマー成分(ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)及び酢酸ビニル(VAc))を表1に示す量投入し、実施例1と同様にして、重量平均分子量が50万であるアクリル系重合体を得た。
上記アクリル系共重合体に、粘着付与剤(商品名「ペンセル D−125」、荒川化学工業株式会社製)及びイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を、上記アクリル系重合体の固形分100重量部に対して、表1の量となるように添加し、実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤を得た。
上記粘着テープ用基材を用いて、実施例1と同様にして、粘着テープを得た。
そして、実施例1と同様にして、粘着テープを巻芯にロール状に巻き取り、粘着テープ巻回体を得た。
[比較例1]
(粘着テープ用基材)
表1に示すように材料を混合(ドライブレンド)して基材組成物を得たこと、及び、表1に示すような凹部の最大幅、凹部の深さ、凹部の個数、凹部のピッチ間隔が転写により形成できるように凹凸彫刻が施されているエンボスロールを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、片面に凹部を有するフィルムを得た。
次に、実施例1と同様にして、上記フィルムの平滑面にコロナ処理を行った。そして、実施例1と同様にして、背面処理層を形成した。
このようにして、粘着テープ用基材を得た。
(粘着テープ及び粘着テープ巻回体)
温度計、攪拌機、窒素導入管などを備えた反応容器に、モノマー成分(ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)及び酢酸ビニル(VAc))を表1に示す量投入し、実施例1と同様にして、重量平均分子量が50万であるアクリル系重合体を得た。
上記アクリル系共重合体に、粘着付与剤(商品名「スーパーエステル A−100」、荒川化学工業株式会社製)及びイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を、上記アクリル系重合体の固形分100重量部に対して、表1の量となるように添加し、実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤を得た。
上記粘着テープ用基材を用いて、実施例1と同様にして、粘着テープを得た。
そして、実施例1と同様にして、粘着テープを巻芯にロール状に巻き取り、粘着テープ巻回体を得た。
[比較例2]
(粘着テープ用基材)
表1に示すように材料を混合(ドライブレンド)して基材組成物を得たこと、及び、表1に示すような凹部の最大幅、凹部の深さ、凹部の個数、凹部のピッチ間隔が転写により形成できるように凹凸彫刻が施されているエンボスロールを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、片面に凹部を有するフィルムを得た。
次に、実施例1と同様にして、上記フィルムの平滑面にコロナ処理を行った。
そして、熱硬化型ポリジメチルシロキサン(商品名「KS−839L」、信越化学株式会社製)100重量部に対して白金系触媒(商品名「CAT−PL50T、信越化学株式会社製」)を1重量部配合し、ヘプタンにより固形分濃度を0.8重量%となるように調整することにより作製されるシリコーン系背面処理剤を使用し、実施例1と同様にして、背面処理層を形成した。
このようにして、粘着テープ用基材を得た。
(粘着テープ及び粘着テープ巻回体)
温度計、攪拌機、窒素導入管などを備えた反応容器に、モノマー成分(ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)及び酢酸ビニル(VAc))を表1に示す量投入し、実施例1と同様にして、重量平均分子量が50万であるアクリル系重合体を得た。
上記アクリル系共重合体に、粘着付与剤(商品名「スーパーエステル A−100」、荒川化学工業株式会社製)及びイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を、上記アクリル系重合体の固形分100重量部に対して、表1の量となるように添加し、実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤を得た。
上記粘着テープ用基材を用いて、実施例1と同様にして、粘着テープを得た。
そして、実施例1と同様にして、粘着テープを巻芯にロール状に巻き取り、粘着テープ巻回体を得た。
[比較例3]
(粘着テープ用基材)
表1に示すように材料を混合(ドライブレンド)して基材組成物を得たこと、及び、表1に示すような凹部の最大幅、凹部の深さ、凹部の個数、凹部のピッチ間隔が転写により形成できるように凹凸彫刻が施されているエンボスロールを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、片面に凹部を有するフィルムを得た。
次に、実施例1と同様にして、上記フィルムの平滑面にコロナ処理を行った。
このようにして、粘着テープ用基材を得た。なお、比較例3では背面処理層を形成していない。
(粘着テープ及び粘着テープ巻回体)
温度計、攪拌機、窒素導入管などを備えた反応容器に、モノマー成分(ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)及び酢酸ビニル(VAc))を表1に示す量投入し、実施例1と同様にして、重量平均分子量が50万であるアクリル系重合体を得た。
上記アクリル系共重合体に、粘着付与剤(商品名「スーパーエステル A−100」、荒川化学工業株式会社製)及びイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を、上記アクリル系重合体の固形分100重量部に対して、表1の量となるように添加し、実施例1と同様にして、アクリル系粘着剤を得た。
上記粘着テープ用基材を用いて、実施例1と同様にして、粘着テープを得た。
そして、粘実施例1と同様にして、粘着テープを巻芯にロール状に巻き取り、粘着テープ巻回体を得た。
実施例及び比較例において、凹部の最大幅、凹部のピッチ間隔及び凹部の個数は、粘着テープ用支持体の凹部を有する面の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から求めた。また凹部の最大深さ粘着テープの長さ方向の断面の電子顕微鏡写真を撮影し、その断面の写真から求めた。また、凹部底面の形状は、粘着テープの長さ方向の断面の電子顕微鏡写真から確認できた。なお、電子顕微鏡としては、装置名「日立走査電子顕微鏡 S−3200N」(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を使用した。
Figure 0005832816
上記表1の「凹部の深さ(%)」は、支持体の厚み(100%)に対する割合である。
上記表1において、「HDPE」は「高密度ポリエチレン(商品名「ハイゼックス2200J」、株式会社プライムポリマー製)」であり、「LDPE」は「低密度ポリエチレン(商品名「スミカセンG−401」、住友化学株式会社製)」であり、「白色顔料」は「白色顔料(商品名「HCM1030ホワイト」、大日精化工業株式会社製)」である。また、「BA」は「ブチルアクリレート」であり、「AA」は「アクリル酸」であり、「VAc」は「酢酸ビニル」であり、「A−100」は「粘着付与剤(商品名「スーパーエステル A−100」、荒川化学工業株式会社製)」であり、「D−125」は「粘着付与剤(商品名「ペンセル D−125」、荒川化学工業株式会社製)」であり、「C/L」は「イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)」である。さらに、「ピーロイル1010」は「非シリコーン背面処理剤(商品名「ピーロイル1010」、一方社油脂工業株式会社製)」であり、「RA−30」は「非シリコーン背面処理剤(商品名「アシオレジン RA−30」、アシオ産業株式会社製)」である。
(評価方法)
実施例および比較例で得られた粘着テープについて、高速破断強度、高速巻戻し力を下記測定方法により測定した。また、手切れ性及び巻戻し作業性を下記評価方法により評価した。評価結果は表1に併記した。
(高速破断強度の測定方法)
実施例及び比較例で得られた粘着テープから、幅10mm、長さ150mmのシート状の試験片を得た。そして、試験片を、温度23℃、相対湿度50%の環境下で2時間放置した。
次に、温度23℃、相対湿度50%の環境下、高速剥離試験機(テスター産業株式会社製)により、チャック間隔100mm、引張速度30m/minの条件で、試験片を長さ方向に引張り、試験片が破断した時の荷重を測定した。
そして、その測定値を、幅25mmの場合に換算し、高速破断強度(N/25mm)とした。
(高速巻戻し力の測定方法)
実施例及び比較例で得られた粘着テープ巻回体を、温度23℃、相対湿度50%の環境下で2時間放置した。
次に、温度23℃、相対湿度50%の環境下、巻戻し力測定装置(テスター産業株式会社製)により、引張速度30m/minの条件で、粘着テープ巻回体を巻き戻し、巻き戻すのに要する力を測定した。
そして、その測定値を、幅25mmの場合に換算し、高速巻戻し力(N/25mm)とした。
(手切れ性の評価方法)
粘着テープから、幅50mm、長さ50mmの評価用サンプルを得た。そして、評価用サンプルを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で2時間放置した。
次に、温度23℃、相対湿度50%の環境下、評価用サンプルの幅方向の一方の端部を、指先間の間隔が5〜10mmとなるように両手の指先でつまむ。その後、評価用サンプルを手で幅方向に引き裂き、その時の評価用サンプルの切断しやすさにより、手切れ性を、下記評価基準で、官能的に評価した。
手切れ性評価基準
良好(○):容易に切断することができる
不良(×):容易に切断することができない
(巻戻し作業性の評価方法)
上記の高速巻戻し力の測定時において、切断が生じるか否かを観察することにより、粘着テープ巻回体から粘着テープを巻き戻す際の作業性を、下記評価基準で評価した。
作業性評価基準
良好(○):巻き戻し時に切断が生じない
不良(×):巻き戻し時に切断が生じる
なお、上記巻き戻しの際に切断が生じない場合、粘着テープを容易に繰り出すことができると評価できる。
1 凹部付き基材
2 凹部
3 リブ
w 凹部の幅
L 凹部のピッチ間隔
D 凹部の深さ
r 凹部底面の曲率半径
h 凹部付き基材の厚み
X 長さ方向
Y 幅方向

Claims (6)

  1. 粘着テープの巻回体であって、
    前記粘着テープが、一方の面に幅方向に溝状の凹部を複数有するプラスチック基材の前記凹部が設けられている面に背面処理層を有し、前記凹部が設けられている面とは反対側の面に粘着剤層を有しており、
    前記プラスチック基材は、ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂フィルムにより構成され、
    前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤層であり、
    前記背面処理層は、長鎖アルキル系背面処理剤により形成された層であり、
    前記凹部の深さは、前記プラスチック基材の厚みの30〜70%であり、
    前記粘着テープの下記で定義される高速破断強度(Tb)と粘着テープ巻回体の下記で定義される高速巻戻し力(Tw)との差Δβ(Tb−Tw)が5N/25mm以上であり、
    粘着テープ巻回体の下記で定義される高速巻戻し力(Tw)が1〜5N/25mmであることを特徴とする粘着テープ巻回体。
    高速破断強度(Tb):温度23℃、相対湿度50%、チャック間隔100mm、引張速度30m/分で粘着テープを長さ方向に引っ張り、粘着テープが破断する時の荷重
    高速巻戻し力(Tw):温度23℃、相対湿度50%、引張速度30m/分で粘着テープ巻回体を巻き戻すのに要する力
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂フィルムは、相対的に密度の高いポリエチレンと相対的に密度の低いポリエチレンとを含む、請求項1記載の粘着テープ巻回体。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂フィルムは顔料を含む、請求項1又は2記載の粘着テープ巻回体。
  4. 前記アクリル系粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系共重合体を含み、当該アクリル系共重合体は、モノマー成分としてブチルアクリレートを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の粘着テープ巻回体。
  5. 前記プラスチック基材における、凹部の最大幅が50μm〜500μmであり、凹部の個数が200個/m〜2000個/mである請求項1〜4の何れか1項に記載の粘着テープ巻回体。
  6. 前記プラスチック基材の厚みは50μm〜200μmである、請求項1〜5の何れか1項に記載の粘着テープ巻回体。
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