JP5830845B2 - 遷移金属リン酸塩およびナトリウム二次電池 - Google Patents
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Description
<1> Na、PおよびM(ここで、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。)を含有する遷移金属リン酸塩であって、以下の粉末X線回折測定により決定されたI/I0の値が0.6以下である遷移金属リン酸塩。
<粉末X線回折測定>
遷移金属リン酸塩とシリコンとを、遷移金属リン酸塩:シリコンの重量比が8:1であるように含有する混合物に、CuKα線を照射することによりX線回折図形を得て、該X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をI、シリコンの最大ピークの強度をI0とし、IをI0で除して、I/I0の値を決定する方法。
<2> 前記X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークの半値幅が0.3°以上1.5°以下である<1>の遷移金属リン酸塩。
<3> 以下の式(1)で表される<1>または<2>の遷移金属リン酸塩。
NaxMyPO4 (1)
(ここで、xは0を超え1.5以下であり、yは0.8以上1.2以下であり、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。)
<4> 斜方晶系結晶構造を有する<1>〜<3>のいずれかの遷移金属リン酸塩。
<5> 斜方晶系結晶構造の空間群がPnma空間群であり、前記X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークが、Pnma空間群の(121)面に同定される<4>の遷移金属リン酸塩。
<6> BET比表面積が40m2/g以上80m2/g以下である<1>〜<5>のいずれかの遷移金属リン酸塩。
<7> 前記Mが、FeまたはMnあるいは両方を含有する<1>〜<6>のいずれかの遷移金属リン酸塩。
<8> <1>〜<7>のいずれかの遷移金属リン酸塩を有する電極。
<9> <8>の電極を、正極として有するナトリウム二次電池。
本発明の遷移金属リン酸塩は、Na、PおよびM(ここで、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。)を含有する遷移金属リン酸塩であって、以下の粉末X線回折測定により決定されたI/I0の値が0.6以下である。
<粉末X線回折測定>
遷移金属リン酸塩とシリコンとを、遷移金属リン酸塩:シリコンの重量比が8:1であるように含有する混合物に、CuKα線を照射することによりX線回折図形を得て、該X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をI、シリコンの最大ピークの強度をI0とし、IをI0で除して、I/I0の値を決定する方法。
X線源:CuKα線
電圧−電流:40kV−140mA
測定角度範囲:2θ=10〜90°
ステップ:0.02°
スキャンスピード:4°/分
発散スリット幅(DS):1°
散乱スリット幅(SS):1°
受光スリット幅(RS):0.3mm
NaxMyPO4 (1)
(ここで、xは0を超え1.5以下であり、yは0.8以上1.2以下であり、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。)
次に本発明の遷移金属リン酸塩の製造方法を説明する。
本発明の遷移金属リン酸塩は、以下の析出反応によって製造することができる。遷移金属リン酸塩に対応する各金属元素を含有する各水溶液およびリンを含有する水溶液を、接触混合して析出物を生成し、該析出物を加熱して遷移金属リン酸塩を製造する。各金属元素を含有する各水溶液は、各金属元素の化合物を水に溶かして得ることができる。リンを含有する水溶液は、リンの化合物を水に溶かして得ることができる。加熱の温度は、例えば100〜200℃程度であり、加熱の時間は、容器のサイズにもよるが、例えば5分〜1時間程度である。
次に、本発明の遷移金属リン酸塩を有する電極について説明する。本発明の電極は、ナトリウム二次電池における正極として、有用である。以下、本発明の電極を、正極ともいう。
ナトリウム二次電池がセパレータを有する場合には、上述の正極、セパレータ、負極およびセパレータをこの順に積層または積層かつ巻回することにより得られる電極群を、電池缶などの電池ケース内に収納し、該ケース内に、電解質を含有する有機溶媒からなる電解液を注入することによって、製造することができる。ナトリウム二次電池がセパレータを有さない場合には、例えば、正極、固体電解質、負極および固体電解質をこの順に積層または積層かつ巻回することにより得られる電極群を、電池缶などの電池ケース内に収納して、製造することができる。
前記負極は、正極よりも低い電位で、ナトリウムイオンがドープされることができかつ脱ドープされることができればよく、負極としては、負極材料を含む負極合剤が負極集電体に担持された電極、または負極材料単独からなる電極が挙げられる。負極材料としては、炭素材料、カルコゲン化合物(酸化物、硫化物など)、窒化物、金属または合金で、正極よりも低い電位でナトリウムイオンがドープされることができかつ脱ドープされることができる材料が挙げられる。これらの負極材料は混合されてもよい。
前記セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材料からなる、多孔質フィルム、不織布、織布などの形態を有する部材が挙げられる。セパレータは、2種以上の前記材料からなってもよいし、前記部材が積層された積層セパレータであってもよい。セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載のセパレータが挙げられる。セパレータの厚みは、電池の体積エネルギー密度が上がり、かつ内部抵抗が小さくなるという観点で、通常5〜200μm程度、好ましくは5〜40μm程度である。セパレータは、機械的強度が保たれる限り薄いほど好ましい。
電解液において、電解質の例としては、NaClO4、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF3)2、NaN(SO2C2F5)2、NaN(SO2CF3)(COCF3)、Na(C4F9SO3)、NaC(SO2CF3)3、Na2B10Cl10、NaBOB(ここで、BOBは、bis(oxalato)borateのことである。)、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4などのナトリウム塩が挙げられ、2種以上の電解質を混合して使用してもよい。ナトリウム塩として、これらの中でも、NaPF6、NaAsF6、NaSbF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaN(SO2CF3)2およびNaC(SO2CF3)3からなる群からなる群より選ばれる少なくとも1種のフッ素含有ナトリウム塩が好ましい。
上記の電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子などの有機系固体電解質を用いることができる。高分子に電解液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。Na2S−SiS2、Na2S−GeS2、Na2S−P2S5、Na2S−B2S3、Na2S−SiS2−Na3PO4、Na2S−SiS2−Na2SO4等の無機系固体電解質を用いてもよい。無機系固体電解質としてNaZr2(PO4)3などのNASICON型電解質を挙げることもできる。これら固体電解質を用いて、安全性をより高めることができることがある。本発明のナトリウム二次電池において、固体電解質を用いる場合には、固体電解質がセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。
粉末X線回折装置として、株式会社リガク製の粉末X線回折測定装置RINT2500TTR型を用いた。遷移金属リン酸塩とシリコンとを、遷移金属リン酸塩:シリコンの重量比が8:1であるように含有する混合物に、下記条件で、CuKα線を照射することによりX線回折図形を得て、該X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をI、シリコンの最大ピークの強度をI0とし、IをI0で除して、I/I0の値を決定した。シリコンとしては、National Institute of Standards and Technology(NIST)製の640c Silicon Powderを用いた。
X線源:CuKα線
電圧−電流:40kV−140mA
測定角度範囲:2θ=10〜90°
ステップ:0.02°
スキャンスピード:4°/分
発散スリット幅(DS):1°
散乱スリット幅(SS):1°
受光スリット幅(RS):0.3mm
遷移金属リン酸塩粉末約1gを窒素気流中150℃、15分間乾燥した後、マイクロメリテックス製フローソーブII2300を用いて、遷移金属リン酸塩のBET比表面積を測定した。
遷移金属リン酸塩粉末を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析法(SPS3000、以下ICP−AESと呼ぶことがある)を用いて、遷移金属リン酸塩の組成分析を行った。
正極活物質として、遷移金属リン酸塩粉末を用いた。導電材として、アセチレンブラック(以下、ABということがある。)を用いた。バインダーとして、PTFEを用いた。正極活物質:AB:PTFE=75:20:5(重量比)となるように、正極活物質、導電材およびバインダーを混合、混練することにより正極合剤を得て、正極集電体となるSUS製メッシュ(#100、10mmφ)に前記正極合剤を塗布し、150℃で8時間真空で乾燥して正極を得た。得られた正極の重量を測定し、正極の重量からSUS製メッシュの重量を減じることにより正極合剤重量を算出し、上記正極合剤の重量比から正極活物質粉末重量を算出した。得られた正極と、電解液としてのPCにNaClO4を1モル/リットルとなるように溶解したもの(以下、NaClO4/PCと表すことがある。)と、セパレータとしてのポリエチレン製多孔質フィルムと、負極としての金属ナトリウムとを組み合わせて、ナトリウム二次電池(コイン型電池、R2032)を作製した。
<充放電試験>
・充電:充電最大電圧4.2V、定電流充電、0.1Cレート(充電時間10時間)
・放電:放電最小電圧1.5V、定電流放電、0.1Cレート(1.5Vカットオフ)
<放電レート特性試験>
・充電:充電最大電圧4.2V、定電流−定電圧充電、0.1Cレート
・放電1:放電最小電圧1.5V、定電流放電、0.1Cレート
・放電2:放電最小電圧1.5V、定電流放電、1Cレート
(A)遷移金属リン酸塩粉末S1の合成
水酸化ナトリウム(NaOH)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)、および塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)を、ナトリウム(Na):鉄(Fe):リン(P)のモル比が4:1:1であるように秤量し、秤量した各化合物を各々ガラス製の100mlビーカーに入れ、ビーカーにイオン交換水を加えて各水溶液を得た。前記塩化鉄(II)四水和物の水溶液にアスコルビン酸を0.6g投入し、攪拌しながら溶解させた。次に、前記水酸化ナトリウムの水溶液と前記リン酸水素二アンモニウムの水溶液とを攪拌しながら混合して、得られた混合水溶液に、前記の塩化鉄(II)四水和物とアスコルビン酸とを溶解させた水溶液を加えることにより、析出物を含む固液混合物を得た。得られた固液混合物をナス型フラスコに入れ、次いで該ナス型フラスコを170℃に設定したオイルバスにて20分加熱した後、固液混合物を濾過し、水洗濾過、乾燥を行って遷移金属リン酸塩粉末S1を得た。
前記粉末S1とシリコンとを8:1の重量比で混合した。混合はメノウ乳鉢を用いて2分間行った。得られた混合物について、X線回折測定を行ったところ、単相の斜方晶型NaFePO4とSiのピークが観測された。このときの粉末X線回折図形を図1に示す。図1において、前記粉末S1の最大ピークは、斜方晶型NaFePO4(空間群はPnmaである。)の(121)面のピーク(2θ=33°)であり、そのピークの半値幅は0.4°であった。遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をIとし、シリコンの最大ピークの強度をI0としたときのI/I0の値は0.2であった。前記粉末S1について、ICP−AESにて組成分析を行った結果、Na:Fe:Pのモル比は1:1:1であった。粉末S1のBET比表面積を測定したところ、BET比表面積は45m2/gであった。粉末S1を用いてナトリウム二次電池を作製し、上記充放電試験を行ったところ、二次電池は充放電できることが確認され、0.1Cレートでの放電容量は120mAh/gであり、大きかった。二次電池の放電レート特性試験を行ったところ、1Cレートにおける放電容量は88mAh/gであり、0.1Cレートの放電容量に対して73%の放電容量であり、レート特性に優れることが確認された。
(A)遷移金属リン酸塩粉末S2の合成
水酸化ナトリウム(NaOH)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)、および塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)を、ナトリウム(Na):鉄(Fe):リン(P)のモル比が4:1:1であるように秤量し、秤量した各化合物を各々ガラス製の100mlビーカーに入れ、ビーカーにイオン交換水を加えて各水溶液を得た。前記塩化鉄(II)四水和物の水溶液にアスコルビン酸を0.6g投入し、攪拌しながら溶解させた。次に、前記水酸化ナトリウムの水溶液と前記リン酸水素二アンモニウム水溶液とを攪拌しながら混合して、得られた混合水溶液に前記の塩化鉄(II)四水和物とアスコルビン酸を溶解させた水溶液を加えることにより、析出物を含む固液混合物を得た。得られた固液混合物をナス型フラスコに入れ、次いで該ナス型フラスコを170℃に設定したオイルバスにて40分加熱した後、固液混合物を濾過し、水洗濾過、乾燥を行って遷移金属リン酸塩粉末S2を得た。
前記粉末S2とシリコンとを8:1の重量比で混合した。混合はメノウ乳鉢を用いて2分間行った。得られた混合物について、X線回折測定を行ったところ、単相の斜方晶型NaFePO4とSiのピークが観測された。前記粉末S2の最大ピークは、斜方晶型NaFePO4(空間群はPnmaである。)の(121)面のピーク(2θ=33°)であり、そのピークの半値幅は0.3°であった。遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をIとし、シリコンの最大ピークの強度をI0としたときのI/I0の値は0.6であった。前記粉末S2について、ICP−AESにて組成分析を行った結果、Na:Fe:Pのモル比は1:1:1であった。粉末S2のBET比表面積を測定したところ、BET比表面積は40m2/gであった。粉末S2を用いてナトリウム二次電池を作製し、上記充放電試験を行ったところ、二次電池は充放電できることが確認され、0.1Cレートでの放電容量は110mAh/gであり、大きかった。二次電池の放電レート特性試験を行ったところ、1Cレートにおける放電容量は79mAh/gであり、0.1Cレートの放電容量に対して72%の放電容量であり、レート特性に優れることが確認された。
(A)比較粉末R1の合成
炭酸ナトリウム(Na2CO3)、シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)、およびリン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)を、ナトリウム(Na):鉄(Fe):リン(P)のモル比が1:1:1であるように秤量し、メノウ乳鉢で混合した。得られた試料をアルミナ製るつぼに入れ、窒素ガスを2リットル/分の流量で通気しながら、450℃の電気炉で10時間にわたって仮焼成した。
前記粉末R1とシリコンとを8:1の重量比で混合した。混合はメノウ乳鉢を用いて2分間行った。得られた混合物について、X線回折測定を行ったところ、単相の斜方晶型NaFePO4とSiのピークが観測された。このときのX線回折図形において、前記粉末R1の最大ピークは、斜方晶型NaFePO4(空間群はPnmaである。)の(301)面のピークであり、そのピークの半値幅は0.1°であった。遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をIとし、シリコンの最大ピークの強度をI0としたときのI/I0の値は1.6であった。前記粉末R1について、ICP−AES法にて組成分析を行った結果、Na:Fe:Pのモル比は1:1:1であった。粉末R1のBET比表面積を測定したところ、BET比表面積は0.26m2/gであった。粉末R1を用いてナトリウム二次電池を作製し、上記充放電試験を行ったところ、二次電池は充放電できることが確認され、0.1Cレートでの放電容量は60mAh/gであった。二次電池の放電レート特性試験を行ったところ、1Cレートにおける放電容量は32mAh/gであり、0.1Cレートの放電容量に対して53%の放電容量であった。
(1)塗工スラリーの製造
NMP4200gに塩化カルシウム272.7gを溶解した後、これにパラフェニレンジアミン132.9gを添加して完全に溶解させた。得られた溶液に、テレフタル酸ジクロライド243.3gを徐々に添加して重合し、パラアラミドを得て、さらにNMPで希釈して、濃度2.0重量%のパラアラミド溶液(A)を得た。得られたパラアラミド溶液100gに、アルミナ粉末(a)2g(日本アエロジル社製、アルミナC、平均粒径0.02μm)とアルミナ粉末(b)2g(住友化学株式会社製スミコランダム、AA03、平均粒径0.3μm)とをフィラーとして計4g添加して混合し、ナノマイザーで3回処理し、さらに1000メッシュの金網で濾過、減圧下で脱泡して、塗工スラリー(B)を製造した。パラアラミドおよびアルミナ粉末の合計重量に対するアルミナ粉末(フィラー)の重量は、67重量%となる。
多孔質フィルムとしては、ポリエチレン製多孔質フィルム(膜厚12μm、透気度140秒/100cc、平均孔径0.1μm、空孔率50%)を用いた。厚み100μmのPETフィルムの上に上記ポリエチレン製多孔質フィルムを固定し、テスター産業株式会社製バーコーターにより、該多孔質フィルム上に塗工スラリー(B)を塗工した。PETフィルムと塗工された該多孔質フィルムとを一体にしたまま、水中に浸漬させ、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)を析出させた後、溶媒を乾燥させて、耐熱多孔層と多孔質フィルムとが積層された積層フィルム1を得た。積層フィルム1の厚みは16μmであり、パラアラミド多孔質膜(耐熱多孔層)の厚みは4μmであった。積層フィルム1の透気度は180秒/100cc、空孔率は50%であった。積層フィルム1における耐熱多孔層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察をしたところ、0.03〜0.06μm程度の比較的小さな微細孔と0.1〜1μm程度の比較的大きな微細孔とを有することがわかった。尚、積層フィルムの評価は以下の方法で行った。
(A)厚み測定
積層フィルムの厚み、多孔質フィルムの厚みは、JIS規格(K7130−1992)に従い、測定した。また、耐熱多孔層の厚みとしては、積層フィルムの厚みから多孔質フィルムの厚みを差し引いた値を用いた。
(B)ガーレー法による透気度の測定
積層フィルムの透気度は、JIS P8117に基づいて、株式会社安田精機製作所製のデジタルタイマー式ガーレー式デンソメータで測定した。
(C)空孔率
得られた積層フィルムのサンプルを一辺の長さ10cmの正方形に切り取り、重量W(g)と厚みD(cm)を測定した。サンプル中のそれぞれの層の重量(Wi(g);iは1からnの整数)を求め、Wiとそれぞれの層の材質の真比重(真比重i(g/cm3))とから、それぞれの層の体積を求めて、次式より空孔率(体積%)を求めた。
空孔率(体積%)=100×{1−(W1/真比重1+W2/真比重2+・・+Wn/真比重n)/(10×10×D)}
Claims (8)
- Na、PおよびM(ここで、Mは、Feを表す。)を含有する遷移金属リン酸塩であって、以下の粉末X線回折測定により決定されたI/I0の値が0.6以下である遷移金属リン酸塩。
<粉末X線回折測定>
遷移金属リン酸塩とシリコンとを、遷移金属リン酸塩:シリコンの重量比が8:1であるように含有する混合物に、CuKα線を照射することによりX線回折図形を得て、該X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークの強度をI、シリコンの最大ピークの強度をI0とし、IをI0で除して、I/I0の値を決定する方法。 - 前記X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークの半値幅が0.3°以上1.5°以下である請求項1に記載の遷移金属リン酸塩。
- 以下の式(1)で表される請求項1または2に記載の遷移金属リン酸塩。
NaxMyPO4 (1)
(ここで、xは0を超え1.5以下であり、yは0.8以上1.2以下であり、MはFeを表す。) - 斜方晶系結晶構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属リン酸塩。
- 斜方晶系結晶構造の空間群がPnma空間群であり、前記X線回折図形における遷移金属リン酸塩の最大ピークが、Pnma空間群の(121)面に同定される請求項4に記載の遷移金属リン酸塩。
- BET比表面積が40m2/g以上80m2/g以下である請求項1〜5のいずれかに記載の遷移金属リン酸塩。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の遷移金属リン酸塩を有する電極。
- 請求項7記載の電極を、正極として有するナトリウム二次電池。
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